JP3737267B2 - フィルタプレス用濾布 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾布下端の筒部に濾布下端棒を差し込んで張るようにしたフィルタプレス用濾布に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平09−108509号公報に記載されたフィルタプレスの濾布は、濾布張り棒が、濾布下端部において濾布長手方向に折り返されて濾布全幅がすべて縫製され、かつ、その側端の上部は縫製せず、下部は縫製することにより、折り返された部分の下部に袋状の濾布張り棒収納部を形成し、上記側端の上部の縫製されていない部分から濾布張り棒が差し込まれて、上記収納部内に濾布張り棒を落とし込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、濾布下端部において、その側端の上部は縫製せず、下部は縫製するようにしているが、上部と下部の区分けが縫製の際に煩雑であり、縫製をより簡単にする構造が望まれていた。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、濾布下端部に濾布下端棒を容易に取り付けて張ることができて、使用中に濾布下端棒が抜け出さずまた使用後に簡単に濾布下端棒を取り外しすることができ、かつ、縫製作業を簡単なものにすることができるフィルタプレス用濾布を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部を形成するとともに、上記折り返し部の上記筒部の濾布幅方向の少なくとも一端に濾布下端棒挿入用開口を形成し、上記開口から濾布下端棒の出し入れを許容するとともに該濾布下端棒の外周面から上下に突出した濾布下端棒係止用突出部の下方に突出した部分が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにし、且つ上記濾布下端棒が上記筒部内で上方向に移動したときに、上記突出部の上方に突出した部分が、上記筒部の縫い合わせ域に上記筒部内側から突き当たることにより、上記突出部の下方に突出した部分が上記筒部から抜き出るのを防止するようにしたことを特徴とするフィルタプレス用濾布を提供する。
本発明の第2態様によれば、濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部を形成するとともに、上記折り返し部の上記筒部の濾布幅方向の少なくとも一端に濾布下端棒挿入用開口を形成し、上記開口から濾布下端棒の出し入れを許容するとともに該濾布下端棒の外周面から突出した濾布下端棒係止用突出部が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにしたフィルタプレス用濾布であって、上記濾布下端棒の上記濾布下端棒係止用突出部は、上記濾布の筒部内に上記濾布下端棒が挿入されて保持された後、上記濾布の外側から上記濾布を貫通して挿入されて、上記濾布下端棒係止用突出部が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにしたフィルタプレス用濾布を提供する。
【0005】
上記構成によれば、濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部を簡単に形成することができるとともに、上記折り返し部の上記筒部の濾布幅方向の少なくとも一端の濾布下端棒挿入用開口から濾布下端棒を出し入れするようにして、筒部内に挿入された濾布下端棒の濾布下端棒係止用突出部が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記濾布から抜け出し不自在とする一方、上記突出部と濾布との係止を解除すれば、濾布下端棒を濾布の筒部から簡単に抜き出すことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面にづいて詳細に説明する。
【0007】
本発明の一実施形態にかかるフィルタプレス用濾布として、図1〜4にはセンタフィード型フィルタプレスの濾板(図示せず)に掛ける濾布4を示している。上記濾布4は、濾布下端部を濾布4の長さ方向に折り返した折り返し部の上端部の全幅の縫い付け域4cを、濾布本体の対向する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部4bを形成する。また、上記折り返し部の筒部4bの幅方向の両端を、濾布下端棒8の出し入れを許容するための不縫い付け域として開口4a,4aを形成することを特徴としている。
一方、筒部4b内に挿入する濾布下端棒8は、その両端に、貫通溝8bをそれぞれ形成し、濾布下端棒8を筒部4b内に挿入して保持された後、濾布下端棒8の両側の溝8b内に濾布下端棒係止用突出部の一例としてのピン8aを図4の矢印Fのようにそれぞれ嵌合固定して、ピン8aを濾布4に係止する。ピン8aは濾布下端棒8の貫通溝8aに対して上方から図4の矢印Fのように差し込んで濾布下端棒8の外周面の上下にそれぞれ突出するように嵌合固定され、ピン8aの下方に突出した部分が濾布4の筒部4bに係止して濾布下端棒8が筒部4b内から濾布下端棒軸方向に抜け出さないようにする。なお、このようにピン8aが濾布4の筒部4bに係止する係止方法としては、ピン8aが細い針のような場合には濾布4の筒部4bの網目に係止する一方、ピン8aが筒部4bの網目に容易に係止できない程度に太い棒のような場合には濾布4の筒部4bに形成した穴に係止する。また、ピン8aの上方に突出した部分は、濾布下端棒8が筒部4b内で上方向に移動したとき濾布4の筒部4bの縫い付け域4cに筒部内側から突き当たることにより、濾布下端棒8が上向きに移動しても筒部4bに係止されたピン8aの下方の突出部分が筒部4bから抜き出るのを防止するようにしている。
図3は、図1の濾布4の下部の一部を切断して拡大した図である。濾布下端棒8を濾布4の筒部4bに差し込むときは、図1,4に示すように、濾布下端棒8の一端を上記筒部4bの一方の開口4aの広幅の開口に差込み、そのまま濾布下端棒8を筒部4b内に押し込む。押し込んだ濾布下端棒8の他端の溝8b内に、濾布4の筒部4bを貫通させてピン8aを嵌合させたのち、濾布下端棒8の外周から突出したピン8aが筒部4bに係止して濾布下端棒8を濾布筒部4bに対して抜け止め保持させる。この結果、濾布下端棒8が濾布4の筒部4b内に抜け止め保持された状態で、濾布4は濾布下端棒8の自重により幅方向に張られた状態となる。
その他、濾布4の構造及び濾板に対する掛け外し方法は公知のとおりである。
【0008】
なお、濾布4の上端には従来と同様に濾布全幅を縫い付けた上側袋部4hを形成し、この上側袋部4h内に濾布吊り棒7を差し込んで濾布4を濾板間で吊り支持するようにしている。
なお、上記濾布4の原液孔4gは図1では濾板の濾過床の中央に対応する位置に形成しているが、これに限らず、濾板の濾過床に対応する部分のいずれの個所にあってもよい。また、濾布4の原液孔4gは濾板の額縁の中あるいは額縁の外側に対応する位置に形成してもよい。また、上記濾布4は単式濾板にもまた複式濾板にも掛けることができる。濾布4の生地は特に問わない。なお、この実施形態では、原液孔4gの周囲に円筒状の濾布部分を一体的に形成して、濾板の前後の濾布4,4を上記円筒状の濾布部分で一体的に連結して構成する濾布を図示しているが、本発明はこのような構造の濾布に限られるものではなく、その他種々の構造の濾布に適用することができる。
濾布下端棒8はポリ塩化ビニル樹脂製の丸棒が多く使用されるが、ポリプロピレン樹脂又は鉄製の棒でもよい。
【0009】
なお、筒部4bを形成するとき、筒部4bの上端部の全幅を濾布本体に縫い付けるのではなく、部分的に縫い付けるようにしてもよい。
また、開口4aは、筒部4bの一端に1個のみ形成し、筒部4bの他方の端部を濾布本体に縫い付けるようにしてもよい。この場合には、ピン8aは一方の開口側にのみ設ければ十分である。但し、濾布4に張りをもたせる場合には両側にピン8aを差し込むのが好ましい。
【0010】
上記実施形態によれば、濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部4bを簡単に形成することができるとともに、上記折り返し部の上記筒部4bの濾布幅方向の少なくとも一端の濾布下端棒挿入用開口4aから濾布下端棒8を出し入れするようにして、筒部4b内に挿入された濾布下端棒8の濾布下端棒係止用ピン8aが上記濾布4に係止して上記濾布下端棒8が上記濾布4から抜け出し不自在とする一方、上記ピン8aと濾布4との係止を解除すれば、濾布下端棒8を濾布4の筒部4bから簡単に抜き出すことができる。
また、たとえ、突出部であるピン8aが筒部4b内で図3に示すように距離Sだけ上向きに飛び上がっても、濾布下端棒8の上側に突出したピン8aが縫い付け域4cに突き当たることによりピン8aが筒部4bから抜け出ることが妨げられ、ピン8aが筒部4bにより確実に係止させることができる。
また、濾布下端棒8の側にピン8a,8aをそれぞれ差し込んで筒部4bに係止させることにより、濾布4に張りをもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるフィルタプレス用濾布であるセンタフィード型フィルタプレスの濾布とその濾布の上下に濾布吊棒を配置した状態の正面図である。
【図2】 図1の濾布の側面図である。
【図3】 図1の濾布の下部の一部を切断して拡大した断面側面図である。
【図4】 図1の濾布の下部の一部を切断して拡大した断面正面図である。
【符号の説明】
4…濾布、4a…開口、4b…筒部、4c…縫い付け域、4g…原液孔、4h…上側袋部、7…濾布吊棒、8…濾布下端棒、8a…ピン、8b…ピン嵌合用溝。

Claims (2)

  1. 濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部(4b)を形成するとともに、上記折り返し部の上記筒部(4b)の濾布幅方向の少なくとも一端に濾布下端棒挿入用開口(4a)を形成し、上記開口から濾布下端棒(8)の出し入れを許容するとともに該濾布下端棒の外周面から上下に突出した濾布下端棒係止用突出部(8a)の下方に突出した部分が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにし、且つ上記濾布下端棒が上記筒部内で上方向に移動したときに、上記突出部の上方に突出した部分が、上記筒部の縫い合わせ域に上記筒部内側から突き当たることにより、上記突出部の下方に突出した部分が上記筒部から抜き出るのを防止するようにしたことを特徴とするフィルタプレス用濾布。
  2. 濾布下端部を濾布長手方向に折り返した折り返し部を濾布幅方向に濾布本体の対応する部分に重ね合せて縫い合せることにより、濾布下端に横長の濾布下端棒差し込み用筒部(4b)を形成するとともに、上記折り返し部の上記筒部(4b)の濾布幅方向の少なくとも一端に濾布下端棒挿入用開口(4a)を形成し、上記開口から濾布下端棒(8)の出し入れを許容するとともに該濾布下端棒の外周面から突出した濾布下端棒係止用突出部(8a)が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにしたフィルタプレス用濾布であって、
    上記濾布下端棒の上記濾布下端棒係止用突出部は、上記濾布の筒部内に上記濾布下端棒が挿入されて保持された後、上記濾布の外側から上記濾布を貫通して挿入されて、上記濾布下端棒係止用突出部が上記濾布に係止して上記濾布下端棒が上記筒部から抜け出し不自在とするようにしたフィルタプレス用濾布。
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