JP3737206B2 - 自動糸通しミシン用糸取りバネ装置 - Google Patents

自動糸通しミシン用糸取りバネ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動糸通しミシン用糸取りバネ装置及び糸調子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、刺繍ミシンにおいては、多色縫いを実行するために多数の天秤や針棒を備え、それぞれの天秤や針棒に、異なる糸巻から引き出した糸をそれぞれ通して使用する多針型のミシンが用いられている。
【0003】
こうした多針の刺繍ミシンでは、ガイドピン、糸調子皿、糸取りバネ、天秤、ガイド爪、針孔等へ糸を通す作業が煩雑であり、しかも、ミシンヘッドが大きくなるという問題がある。
そこで、最近では、こうした多針型ミシンではなく、針を1本だけ備え、糸替えのタイミングになったら自動的に糸を交換しながら多色縫いの刺繍を行うためのミシンの自動糸通し装置の提案がある(特開平6−154453号公報、特開平6−182077号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした自動糸通し装置では天秤には糸を自動的に通せるようになっているが、糸取りバネや糸調子装置は糸の本数分だけ設けておき、最初にこれらにセットするのは作業者が一つ一つ手で行わなければならず、未だ自動化は不十分であった。
【0005】
ところが、糸取りバネや糸調子皿に糸を通そうとすると、これらの周囲には複雑な迂回路からなる糸道を形成する必要があり、糸通しの成功率が低くなるという問題がある。
そこで、本発明は、自動糸通しミシンにおいて、糸取りバネや糸調子皿にも十分な成功率で自動糸通しを実行できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明の自動糸通しミシン用糸取りバネ装置は、支軸に取り付けられる糸取りバネと、前記支軸を基準としたときに該支軸の上下又は左右にそれぞれ設けられる一対のガイドピンと、前記糸取りバネを、前記一対のガイドピンを結ぶ線分の一方の側から反対側へと前記支軸の周りで回動させることにより、該糸取りバネを糸通しに際して待避させておく糸取りバネ待避手段とを備え、
前記糸取りバネ待避手段として、前記支軸を回転させる支軸回転手段を備え、
さらに、前記支軸を、該支軸から所定距離離れた回動中心の周りで回動させる支軸回動手段を備え、
前記一対のガイドピンを、前記支軸回動手段によって支軸と共に回動されるように構成すると共に、
前記支軸回動手段が、前記待避された糸取りバネの糸掛け部を通る鉛直線に対して前記一対のガイドピンが互いに反対側に位置するようになるまで、前記支軸を回動させる手段として構成されていること
を特徴とする
【0007】
この糸取りバネ装置によれば、糸取りバネ待避手段によって糸取りバネを回動させ、ガイドピン間を結ぶ線分の一方の側から反対側へと糸取りバネを回動する。
例えば、図21(a)に示す様に、支軸M1の上下にガイドピンM2,M3を備え、糸取りバネM4を図示左側に振った状態で糸M5を掛け渡した状態が定位置であるとする。本発明を採用しないで自動糸通しを実行しようとする場合には、同図に点線で示す様に、上方のガイドピンM2と支軸M1の間を通り、さらに、支軸M1を時計周りに迂回した後、糸取りバネM4の上方を反時計周りに迂回し、さらに、下方のガイドピンM3を時計周りに迂回する複雑な糸道M6が必要となる。これに対して、本発明の糸取りバネ装置では、糸取りバネ待避手段を作動させることによって、同図(b)に示す様に、糸取りバネM4を、ガイドピンM2,M3を結ぶ線分の反対側へ移動させるので、ガイドピンM2と支軸M1の間を通りかつ糸取りバネM4と下方のガイドピンM3の間を通る糸道M7によって糸を通し、再び同図(a)の状態に糸取りバネを回動することで、糸通しを完了することができる。よって、十分な成功率で糸取りバネの部分に自動糸通しを実行することができる。
【0008】
ここで、本発明の自動糸通しミシン用糸取りバネ装置においては、前記糸取りバネ待避手段として、前記支軸を回転させる支軸回転手段を備えるようにしたので、支軸を回転させることにより、糸取りバネを上述の様な待避位置と定位置との間で簡単に移動させることができる。
【0009】
また、本発明の自動糸通しミシン用糸取りバネ装置においては、さらに、前記支軸を、該支軸から所定距離離れた回動中心の周りで回動させる支軸回動手段を備えるようにすると共に、前記一対のガイドピンを、前記支軸回動手段によって支軸と共に回動されるように構成すると共に、前記支軸回動手段が、前記待避された糸取りバネの糸掛け部を通る鉛直線に対して前記一対のガイドピンが互いに反対側に位置するようになるまで、前記支軸を回動させる手段として構成してある。
【0010】
これは、図21(c)に示す様に、糸取りバネM4の上下にガイドピンM2,M3が備えられている様な場合に、糸取りバネM4を反対側に回動した上で、さらに、全体を回動させてやれば、鉛直方向の糸道M8を形成することもできるからである。糸道を鉛直方向に形成できると、糸通しの成功率が最高となるからである。
【0011】
これら本発明の糸取りバネ装置を、より具体的な構成で換言すると、糸取りバネを支持する支軸が回転可能に取り付けられ、該支軸から所定距離離れた回動中心を有する支持部材と、該支持部材に、前記支軸を挟んで取り付けられる一対のガイドピンと、前記支軸に取り付けられるギヤと、該ギヤを回転させるギヤ回転手段と、前記支持部材を回動させる支持部材回動手段とを備えてなる自動糸通しミシン用糸取りバネ装置として実現することができる。
【0012】
また、さらに具体的に換言すると、糸取りバネを支持する支軸が回転可能に取り付けられ、該支軸から所定距離離れた回動中心を有する支持部材と、該支持部材に、前記支軸を挟んで取り付けられる一対のガイドピンと、前記支軸に取り付けられるギヤと、前記支持部材に対して回動可能に取り付けられると共に前記ギヤに噛み合わされ、所定角度まで回動したときに該支持部材と係合する係合部材を有する扇型ギヤと、該扇型ギヤを回動させるアクチュエータとを備えてなる自動糸通しミシン用糸取りバネ装置として実現することができる。
【0013】
これら具体的な構成の糸取りバネ装置によれば、扇型ギヤとギヤの組合せにより、糸取りバネを支軸周りに回動させることで、一直線の糸道を形成することができ、さらに、扇型ギヤが支持部材に係合した後もさらにアクチュエータを駆動することで支持部材ごと糸取りバネとガイドピンを回動することができる。こうして、鉛直方向のまっすぐな糸道を形成することもも可能となるのである。
【0014】
ここまでは、糸取りバネを待避させる構成により上記目的を達成する手段について述べてきたが、上記目的を達成するに当たっては、次の様な構成とすることもできる。
即ち、支軸に取り付けられる糸取りバネと、前記支軸を基準としたときに該支軸の上下又は左右にそれぞれ設けられる一対のガイドピンと、前記一対のガイドピンを、前記糸取りバネを基準とする上下又は左右の位置が反対になる位置まで前記支軸の周りで回動させることにより、該一対のガイドピンを糸通しに際して待避させることで、直線的な糸道を形成するガイドピン待避手段とを備えてなる自動糸通しミシン用糸取りバネ装置によっても上記目的を達成することができるのである。
【0015】
この糸取りバネ装置によれば、ガイドピン待避手段によってガイドピンを待避位置へ移動させた上で糸通しを実行することで、直線的な糸道での糸通しを可能ならしめ、糸通しの成功率を高めることができる。
例えば、図22(a)に示す様に、支軸M1の上下にガイドピンM2,M3を備え、糸取りバネM4を図示左側に振った状態で糸M5を掛け渡した状態が定位置であるとしたとき、同図(b)に示す様に、糸取りバネM4を基準とする上下位置が反対になる様にガイドピンM2,M3を回動する。これにより、同図(b)に点線で示す様に、ガイドピンM3の下を通り、糸取りバネM4の糸掛け部の上を通り、かつ、ガイドピンM2の上を通る糸道M9を形成することができる。この糸道9に沿って糸を送ったのち、ガイドピンM2,M3を再び元の位置へ戻すと、図22(a)に示す様に、糸取りバネM4及びガイドピンM2,M3への糸通しが完了することになる。
【0016】
この例は、糸取りバネM4の上下にガイドピンM2,M3が配置されている場合であるが、例えば、図23(a)に示す様に、ガイドピンM2,M3が糸取りバネM4を基準として左右に配置される場合には、同図(b)に示す様に、左右反対となる位置までガイドピンM2,M3を回動させ、糸道M10に糸を送り込んで糸通しを実行するようにすればよい。
【0017】
なお、これら本発明の自動糸通しミシン用糸取りバネ装置において、前記支軸に設けられる一対の糸調子皿と、該糸調子皿の糸調子圧を、前記糸取りバネが糸を掛け渡される定位置から移動されるときに開放させ、該定位置へ戻されるときに復帰させる糸調子圧変更手段とを備えるようにするとよい。糸通しを行う際には自動的に糸調子皿が開放され、糸通しが終ったら自動的に適切な糸調子圧を発揮でき、糸通しを最初から最後までスムーズに実施できるからである。
【0018】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の自動糸通しミシン用糸調子装置は、支軸に取り付けられる一対の糸調子皿と、前記支軸を基準としたときに該支軸の上下又は左右にそれぞれ設けられる一対のガイドピンと、前記支軸を、前記一対のガイドピンを結ぶ線分の一方の側から反対側へと相対的に移動させることで、まっすぐな糸道を形成する糸調子皿移動手段とを備えてなる。
【0019】
この糸調子装置によれば、糸通しを実行するときには、糸調子皿移動手段を作動させて、例えば、図24に示す様に、まっすぐな糸道を形成することができるのである。これによって、糸取りバネ装置の場合と同様、単純形状の糸道を形成できることにより、自動糸通しの成功率を格段に向上することができる。
【0020】
なお、糸調子皿移動手段は、糸調子皿自体を移動してもよいし、ガイドピンの方を移動するようにしてもよく、いずれにしろ、相対的に、糸調子皿が、ガイドピンを結ぶ線分の一方の側から反対側へと移動した状態を実現できれば構わないのである。同じことは、本発明の糸取りバネ装置についてもいえ、糸取りバネ回動手段は、糸取りバネ自体を回動しなくても、ガイドピンの方を回動させて糸取りバネをガイドピンを結ぶ線分の一方の側から反対側へと回動させた状態を実現できれば足りる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、一実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0022】
【実施例】
まず、一実施例としての刺繍ミシン用の糸通しや糸替えの自動化装置の全体構成を説明する。
実施例の自動化装置は、図1に示す様に、ミシンヘッド1の上部に配置される糸準備装置100と、ミシンヘッド1の正面部に配置される糸通し装置400とから構成される。なお、本実施例の説明においては、図1(a)の方向から見た場合を正面といい、同図(b)の方向から見た場合を前面という。
【0023】
次に、糸準備装置100について説明する。
糸準備装置100は、上糸用糸巻2を収納する多数のチーズケース210と、各チーズケース210の底面から伸ばされた搬送チューブ220と、各搬送チューブ220の先端が連結される第1ガイドノズル230と、各第1ガイドノズル230の下に配置されるクランパ240と、クランパ240の下に1組配置される送りローラ250と、送りローラ250の下に1個配置されるカッタ260と、カッタ260の下に1個配置される第2ガイドノズル272と、第2ガイドノズル272の下に1個配置される糸検出センサ280と、糸検出センサ280の下に1個配置される第3ガイドノズル273と、糸調子装置300と、糸調子装置300の下に1個配置される第4ガイドノズル274とから構成されている。
【0024】
チーズケース210は、図2に拡大して示すように、図示しない糸立て台に固定するためのネジ孔が形成されたベース211と、ケースカバー213と、上糸用糸巻2の紙管212を支える支柱部材214とを備える。
ベース211は中心に上方へ伸びる筒部211aと、この筒部211aの底面中心から下方へ伸びる口金211bとを備えている。この口金211bに前述の搬送チューブ220の元側の端220aが連結される。なお、図3,図4に示す様に、搬送チューブ220の先端220bは、第1ガイドノズル230の上端の口金230aに接続されている。
【0025】
また、図2(a)に示す様に、支柱部材214は、糸巻2をベース211上に載置した後に紙管212の上端開口212aから挿入され、ベース211の筒部211aに嵌合されている。
支柱部材214は、中心に上下方向に貫通する貫通孔214aを備える。また、図2(b)に示す様に、支柱部材214の上端には、90度間隔で4本の水平腕214bが張り出されている。水平腕214bの先端及び根元には、それぞれ、セラミックス製のリング214c,214dが固定されている。このリング214c,214dは、糸3を滑り易くするためのものである。また、貫通孔214aの上端部分214uは、図2(a)の様に、漏斗状に広がっている。
【0026】
なお、ケースカバー213の上面中心にはエア抜き孔213aが設けられている。また、図中符号215はベース211上に取り付けられるフェルト台である。
次に、糸準備装置100の内、第1ガイドノズル230から下の部分の構成について説明する。
【0027】
第1ガイドノズル230から下の構成部品は、図3,図4に示す様に、ミシンヘッド1の上部に配置されるベースフレーム110及びスライドブロック120に取り付けられる。
図4に示す様に、本実施例で採用したスライドブロック120は、24個の第1ガイドノズル230を取り付けることができる幅を有している。また、スライドブロック120の図4における背面側には、図3に示す様に、2条の断面「コ」の字状のガイドレール121,122が水平方向に固定されている。スライドブロック120には、さらに、上部のガイドレール121の直下に平行してラック123が固定されている。上述のガイドレール121,122は、ベースフレーム110上に固定された機器取付ブロック130に固定されたレール131,132と噛み合わされている。
【0028】
この機器取付ブロック130には、スライドブロック120をスライド駆動するための機器として、モータ141と、このモータ141によって回転されるピニオンギヤ142と、このピニオンギヤ142の回転をラック123に伝達するアイドラーギヤ143とが取り付けられている。また、機器取付ブロック130の上部にには、第1ガイドノズル230の高さに合わせて、1個の圧縮エア供給器150が取り付けられている。この圧縮エア供給器150には、エアシリンダ151と、このエアシリンダ151によって水平方向(図3の左右方向)に出没するエア供給ヘッド152とが取り付けられている。
【0029】
再び、スライドブロック120に話を戻す。図3,図4に示す様に、スライドブロック120には、送りローラ250の従動側ローラ251を収納することのできる開口高さ及び奥行きを有する断面U字状の水平溝125が形成されている。また、この水平溝125の上下には、各第1ガイドノズル230の糸排出口の直下に位置するように、各24本の垂直貫通孔126,127が設けられている。
【0030】
また、上部の垂直貫通孔126の上端部分には、図5に拡大して示す様に、クランパ240の先端を収納する凹所128が設けられている。そして、この凹所128の前面側には、各クランパ240の水平ロッド241を挿入することのできる小孔128aの開いたカバー板128bが取り付けられている。そして、このカバー板128bの各小孔128aに一致する孔付きの帯板129がカバー板128bの前面に取り付けられている。この帯板129は、上下に凸条129a,129bが形成されると共に、カバー板128bの小孔128aに合わせて24個の円孔129cが形成されている。
【0031】
次に、第1ガイドノズル230の構成について説明する。
第1ガイドノズル230は、図5に示す様に、上端にラッパ状の口金230aを備え、軸中心に形成された垂直貫通孔231と、この垂直貫通孔231の下端部近傍に開口する斜め孔232とを備えている。垂直貫通孔231の上端には、搬送チューブ220のラッパ状の口金220cが連結されるようになっている。また、斜め孔232には、上述の圧縮エア供給器150のエア供給ヘッド152の方向に向かう水平孔233が連続して形成されている。この水平孔233にエア供給ヘッド152を密着させて圧縮エアを供給すると、斜め孔232を通って垂直貫通孔231に圧縮エアが流入し、垂直貫通孔231内を上から下へ向かう気流を形成する。これにより、搬送チューブ220内にも、チーズケース210から糸を吸い出そうとする気流が形成されることになる。
【0032】
次に、クランパ240について説明する。クランパ240は、図5に示す様に、帯板129の円孔129cを通って凹所128に挿通される水平ロッド241と、この水平ロッド241の両端に設けられた円板243,244と、これら円板243,244の内、露出側の円板244と水平板129との間に配設されるコイルスプリング245とを備えている。水平ロッド241の適当な位置には、垂直孔246が形成されている。また、露出側の円板244は、スライドブロック120の移動によって、第2ガイドノズル272等の直上に位置したときにエアシリンダ247のロッド248が当接され得るようになっている。エアシリンダ247は、図4に示す様に一点鎖線で示す位置に1個だけ設置されているのである。
【0033】
水平ロッド241は、エアシリンダ247に給気することによって図示右方向へ押し込まれ、エアシリンダ247を排気することによって、コイルスプリング245の復元力で図示左方向へ突き出されるようになっている。図3,図5は、クランパ240がエアシリンダ247によって、押し込まれた状態を示している。前述の垂直孔246は、水平ロッド241が突き出し状態にあるとき、第1ガイドノズル230の垂直貫通孔231の直下に位置するように形成されている。なお、水平ロッド241は、垂直孔246が常に垂直方向を向いているように、適宜の方法によって回転が規制されている。
【0034】
次に、送りローラ250について説明する。送りローラ250は、従動側ローラ251と、駆動側ローラ252とから構成されている。従動側ローラ251は金属製のローラであって、図4に示す様に、スライドブロック120の幅と同じ長さを有する。そして、両端に飛び出している軸251aを、図6に示す様に、「く」の字状に曲がった支持プレート253にて支持されている。この支持プレート253は、上側アーム253aの中ほどの支点253bにてスライドブロック120に回動自在に支持されている。そして、下端部253cに取り付けたコイルスプリング253dによって、中ほどの支点253bを中心に、図において反時計方向に引っ張られ、従動側ローラ251を水平溝125の奥へ向かって回動させておくようになっている。
【0035】
なお、支持プレート253の上端には切欠253eが形成され、スライドブロック120から突設されたストッパピン120aに当接してコイルスプリング253dによる回動位置が制限される様になっている。また、この切欠253eのすぐ下には、エアシリンダ254の受け253fが形成され、ここに、エアシリンダ254のシリンダロッド254aが当接されている。図3,図6は、このエアシリンダ254が排気状態にあるときを示しており、給気状態になると、支持プレート253が図示時計方向に回動されて、従動側ローラ251と駆動側ローラ252とが接触されるようになっている。
【0036】
駆動側ローラ252は、ベースフレーム110から水平に張り出されたプレート111上に固定されたモータ255によって、プーリ256,257及びベルト258を介して回転駆動されるようになっている。なお、駆動側ローラ252は、図4から分かる様に、幅の狭いものであり、こちらは合成ゴムで製造されている。
【0037】
この送りローラ250は、上述のエアシリンダ254を給気状態とすることで従動側ローラ251と駆動側ローラ252で糸を挟み、この状態においてモータ255を一定速度で駆動することにより、糸を下方へ定速で送り出すことができるようになっている。モータ255の駆動速度は任意に制御することができ、針孔に糸を通すときには糸の送り速度を遅くするといった制御もできるようになっている。
【0038】
次に、カッタ260について説明する。カッタ260は、図3,図6に示す様に、スライドブロック120の下方の垂直貫通孔127の直下に臨む様に配置されている。カッタ260は、クロスされた2枚の刃261,262を閉じることによって糸を切断するハサミであって、エアシリンダ263によって刃261,262を前進させると開き、後退させると閉じる様に構成されている。
【0039】
次に、第2ガイドノズル272〜第4ガイドノズル274について説明する。これらのガイドノズル272〜274は、図3に示す様に、第1ガイドノズル230と同一の構成をしており、圧縮エアを斜め孔から吹き込むことによって、垂直貫通孔内を上から下へ向かう気流を形成して糸を搬送するように構成されている。
【0040】
次に、糸検出センサ280について説明する。糸検出センサ280は、図6に示す様に、水平プレート111に形成された貫通孔112の下端に取り付けられる。この糸検出センサ280は、中心に円孔を備えており、この円孔を糸が通過すると検出信号を出力するように構成されている。センサの種類はどのようなものであってもよく、光センサ等によって構成することができる。
【0041】
なお、第2ガイドノズル272〜第4ガイドノズル274及び糸検出センサ280は、図3,図4に示す様に、駆動側ローラ252の幅方向中心線上を、第1ガイドノズル230の真下に一直線に並ぶ様に配置されている。
次に、糸調子装置300について説明する。糸調子装置300は、図7に示す様に、糸調子皿302と、皿押えバネ304と、この皿押えバネ304の圧力を調整する調整ネジ306と、糸調子皿302の上下に位置するガイドピン308,309とを備えている。そして、糸調子皿302は、支持ブロック310を水平方向に貫通するロッド312にて支持されるように取り付けられている。なお、このロッド312の突出端に前述の調整ネジ306が固定されており、調整ネジ306を回転すると、ロッド312が共に回転するようになっている。
【0042】
このロッド312には雄ネジ314が形成されており、前述の支持ブロック310のロッド貫通孔に刻設された雌ネジと螺合するようになされている。そして、ロッド312の先端には、第1のベベルギヤ320が固定されている。また、この第1のベベルギヤ320には、モータ330によって回転駆動される第2のベベルギヤ322が噛み合わされている。そして、ロッド312の先端部318には、カップリング用のスリーブ340を介して多回転型のポテンショメータ350の回転軸352が連結されている。
【0043】
第1のベベルギヤ320は、支持ブロック310にネジ止めされるギヤケース360内に収納されている。モータ330は、このギヤケース360の下部水平壁361に下面を支えられるスライドプレート362にネジ止め固定されている。この下部水平壁361には、大きな開口363が形成されておいる。
【0044】
スライドプレート362及びギヤケース360の上部水平壁364には、スリット365,366が形成されている。上述のポテンショメータ350は、このスリット365,366に摺動可能に係合されたポテンショメータケース354内にネジ止め固定されている。なお、図において、符号Mで示したのは、いずれも芋ネジである。
【0045】
以上の構成により、調整ネジ306を回転させると、ロッド312が回転する。すると、ロッド312と支持ブロック310との関係が雄ネジと雌ネジを螺合させたネジ送り機構の関係にあるので、ロッド312が回転しながら軸方向に移動する。この結果、モータ330及びポテンショメータ350もロッド312と一緒に軸方向に移動する。このとき、ポテンショメータ350の回転軸352はロッド312と一体に回転する。従って、ポテンショメータ350はロッド312の移動量に応じた検出信号を出力する。
【0046】
一方、モータ330を駆動すると、第2のベベルギヤ322が回転し、これに伴って第1のベベルギヤ320も回転する。この結果、第1のベベルギヤ320と一体化されているロッド312も回転する。従って、この場合もネジ送り機構の原理により、ロッド312が水平方向に移動され、糸調子皿302の圧力が変更される。このとき、圧力の変更に対応して、ポテンショメータ350の検出信号も変化する。
【0047】
糸調子装置300における糸押えの圧力は、こうして、調整ネジ306によるマニュアル調整の他、モータ330による調整も可能になっているのである。
また、糸調子装置300の支持ブロック310には、図7,図8に示す様に、上部アーム370と下部アーム380とが取り付けられている。下部アーム380は、その根元のリング381を芋ネジMにて支持ブロック310に固定されている。一方、上部アーム370の根元リング371は、下部アーム380の根元リング382と、支持ブロック310の鍔310aとの間に挟まれているだけであり、支持ブロック310に対する相対回動が自由となっている。
【0048】
各アーム370,380の先端372,382は、ピン373,383によって、ベースフレーム110の前板112に回動自在に支持されている。なお、上部アーム370のピン挿通孔373aは、図8,図9に示す様に、長円形をしている。
【0049】
各アーム370,380の中ほどには、ピン374,384が固定されており、その先端に長円形プレート375,385の一端が回動自在に支持されている。この長円形プレート375,385の他端には、ガイドピン308,309が突設されている。また、各長円形プレート375,385は、その中ほどに挿通されたピン376,386によって、ベースフレーム310の前板312に回動自在に支持されている。ピン374等の挿通孔の内、ピン374,384,376用の孔374a,384a,376aは、図9に示す様に、それぞれ長円形とされている。
【0050】
そして、図8に示す様に、支持ブロック310の側面から突設された腕310aに、エアシリンダ390のシリンダロッド391が連結されている。このエアシリンダ390は、収納されているピストンの両側に形成される2つのシリンダ室のそれぞれにエア給排管392,393が配置されている。このエア給排管392,393にてエアシリンダ390にエアを給排することによって、図8に示す様に、糸調子装置300が全体に移動されるようになっている。
【0051】
図9(a)は、糸通しを実行しようとしている状態を示し、エアシリンダ390のロッド391を縮小させることによって糸調子皿302とガイドピン308,309とが離れる方向に動作され、糸3のための通路が開かれる。糸通しが完了したら、エアシリンダ390のロッド391を伸長することによって、図9(b)に示す様に、糸調子皿302とガイドピン308,309とに糸3を屈曲させた刺繍実行状態にセットできるようになっている。
【0052】
次に、図1に戻って糸通し装置400について説明する。
糸通し装置400は、糸取りバネ装置500に糸通しをするための第1の糸通し部420と、天秤610及びガイド爪621,622に糸通しするための第2の糸通し部440と、針630に糸通しする第3の糸通し部460と、第2,第3の糸通し部440,460の間に配置される連絡部480と、糸屑バキューム装置490とに分けることができる。
【0053】
まず、第1の糸通し部420について説明する。
第1の糸通し部420は、糸3を鉛直方向に搬送するためのガイドノズル422によって構成されている。このガイドノズル422は、ミシンヘッド1から正面方向に所定距離離して、糸準備装置100の各ガイドノズル230等の真下位置に固定されている。ガイドノズル422は、糸準備装置100の各ガイドノズル230等と同様の構成によって、糸通し孔内に下方に向かう気流を発生させ、上から垂下される糸3を糸通し孔に吸い込んで真下に向かって搬送することができるようになっている。以下、このガイドノズル422を、第5のガイドノズル422と呼ぶ。
【0054】
次に、第2の糸通し部440について図10〜図11に基づいて説明する。
第2の糸通し部440は、図11及び図12に示す様に、ミシンヘッド1の正面側に所定距離離して配置される固定板441と、この固定板441とミシンヘッド1との間に配置される可動板451とから構成される。固定板441には、図10に示す様に、天秤610及びガイド爪621を正面側に覗かせる様に、切欠442及び開口443が形成されている。また、固定板441の可動板451側の面には、図10に示した様な「S」字を寝かせた形状の半円形溝444が設けられている。そして、この半円形溝444の所定箇所にエア吹き込み口445〜447が形成されている。これらエア吹き込み口445〜447は、図11に示す様に、半円形溝444に対して斜め下方に向かう通路446を有しており、ガイドノズル230等と同様に、糸3を搬送するための気流を発生させるようになっている。
【0055】
可動板451は、図12に示す様に平板で構成され、固定板441の切欠442及び開口443と同じ切欠及び開口を有している。そして、可動板451は、固定板441からミシンヘッド1に向かって伸ばされたガイド棒452にベアリング453を介して支持されている。また、可動板451には、図12に示す様に、エアシリンダ454のシリンダロッド455が連結されている。このエアシリンダ454は固定板441側に固定されており、エアの給排によって、可動板451を、固定板441に密着させた状態と、固定板441から離れた状態とに駆動することができるようになっている。
【0056】
なお、固定板441に設けた半円形溝444の入口端444aは、図10に示す様に、第1ガイドノズル230〜第5ガイドノズル422と一直線に並ぶ様に真上に向けて開口するように直線部を有している。また、半円形溝444の出口端444bは、真下に向けて開口する直線部を有している。
【0057】
次に、第3の糸通し部460について説明する。
第3の糸通し部460は、図11に示す様に、ミシンヘッド1の前方下部に設けられる。図では、左側の「L」形の部分461と、右側の部分462とに分かれた様に記載されているが、針630の前面側において両部分461,462は連続しており、一体となっている。そして、図13に示す様に、L形部分461の上端に設けた扇型ギヤ463がモータ464のギヤ465に噛み合わされており、糸通しをしない時には前方へはね上げておけるように構成されている。
【0058】
この第3の糸通し部460のL形部分461には、図11に示す様に、糸通し状態にセットされたとき、針孔630aと一直線に並ぶ様に水平貫通孔471が形成されている。そして、この水平貫通孔471の途中に、斜め孔472,473が形成され、第1ガイドノズル230等と同じくエアを吹き込むことによって、針孔630aから糸を抜き出す方向の気流を形成するようになっている。そして、この水平貫通孔471の出口には糸検出センサ280と同様の糸検出センサ475が取り付けられている。図11において針630の右側の部分462には、L形部分461の水平貫通孔471と一直線に並ぶ様に、水平貫通孔476が設けられている。
【0059】
次に、連絡部480について説明する。
連絡部480は、図10に示す様に、第2の糸通し部440と第3の糸通し部460の間に、前方から見て「逆L」字状に形成された2枚の板481,482で構成されている。図10において右側の板481は固定板であり、左側の板482が可動板となっている。固定板481には、第2の糸通し部440の固定板441と同様に、半円形溝483が形成されており、可動板482は平板で構成されている。そして、固定板481側に取り付けられたエアシリンダ485によって、可動板482が固定板481に密着された状態と離された状態とに駆動されるようになっている。
【0060】
また、固定板481には、図10に示す様に、斜め孔486が適当数設けられており、ここからエアを吹き込むことによって、半円形溝483内を、第2の糸通し部440から第3の糸通し部460へ向かう気流を形成するようになっている。
【0061】
なお、図11に示す様に、半円形溝483の入口端483aは垂直方向に伸びる直線部となっており、第2の糸通し部440の出口端と一致するようになされている。また、半円形溝483の出口端483bは水平方向に伸びる直線部となっており、第3の糸通し部460の入口端と一致するようになされている。
【0062】
次に、糸屑バキューム装置490について説明する。
糸屑バキューム装置490は、図10に示す様に、第5ガイドノズルのすぐ下に開口する吸引筒491と、この吸引筒491内に設けられたオリフィス492と、このオリフィス492の図示右側空間にエアを吹き出すエア吹き出し口493とを備えている。このエア吹き出し口493から圧縮エアを吹き出すことによって、吸引筒491内に図において左から右へ向かう気流を発生させ、糸3を吸い込む様になっている。
【0063】
次に、糸取りバネ装置500について説明する。
ミシンヘッド1の正面部には、糸取りバネ501を支持する部品として、図14に示す様に、ミシンヘッド1の正面にボルト502にて所定距離離して設けられる支持部材510が回動自在に設けられている。
【0064】
支持部材510は、図15(a)〜(c)に示す形状を有し、大きな円孔511が開口された正方形部分512の上下にアーム部513,514を備えたものである。上下のアーム部513,514にはそれぞれガイドピン503,504をねじ込むためのネジ孔515,516が正面側に穿設されている。また、上方のアーム部513にはボルト502を挿通する円孔517が開口され、下方のアーム部513の裏面側には、図16(b)に示す様なコイルスプリング505を取り付けるためのネジ506用のネジ孔518が穿設されている。そして、正方形部分512の上方左右には、後方へ伸びる平行アーム519,519が設けられている。
【0065】
上方アーム部513に開口された円孔517には、図14に示す様に、長いスリーブ507を挿通した上でボルト502が挿通される。支持部材510は、このスリーブ507の長さ分だけミシンヘッド1から離れた位置に回動自在に支持されることになる。なお、スリーブ507はボルト502の周りを自由に回転できるように取り付けられ、さらに、このスリーブ507に対して支持部材510が自由に回転できるように取り付けられている。
【0066】
一方、正方形部分512の裏面に伸びる平行アーム519,519には、図15(d),(e)に示す様な形状のレバー部材520が揺動自在に支持されるようになっている。このレバー部材520は、上端に二股部521を備え、この二股部521の先端521aがミシンヘッド1側に湾曲されている。このレバー部材520は、図14に示す様に、ボルト502及びスリーブ507を跨ぐ様にセットされる。
【0067】
支持部材510の大径円孔511には、図14に示す様に、糸取りバネ収納部材530が回転可能に挿入される。この糸取りバネ収納部材530は、大径部531と小径部532とからなり、大径部531には、糸調子皿508,509の支軸541及び糸取りバネ501を収納する大径の筒孔533が設けられている。この大径筒孔533の底には、糸調子皿支軸541の先端部541aが嵌合する小径筒孔534がさらに形成されている。そして、この小径筒孔534の底に、小径部532内を貫通するピン挿通孔535が形成されている。
【0068】
上述の糸調子皿支軸541は、大径筒孔533に収納される部分541bが太径とされて、糸調子皿508,509を裏から支える様になっている。糸調子皿508,509は、支軸541の図示左側の部分541cに装着された後、押え金具542、押えバネ543で押さえられ、調整ナット544で糸調子圧を調整される様になっている。
【0069】
ここで、支軸541の左側部分541cは、図14(b)に示す様に、切込み541dにて半割にされており、太径部541bから奥においてピン挿通孔541eが貫通されている。そして、上述の押え金具542の挿入孔542aには、図14(c)に示す様に、切込み541dにはまる連絡部542bが形成されている。なお、太径部541bの一部541fは、糸取りバネ501のコイル部501aを固定するように凹部とされている。
【0070】
支持部材510の正面側には、上述のネジ孔515,516にガイドピン503,504がねじ込み固定されている。
支持部材510の裏面側には、図16に示す様に、ギヤ550と扇型ギヤ560とが取り付けられている。ギヤ550は、図14(a)に示す様に、背面のボス部551に芋ネジMをねじ込んで、糸取りバネ収納部材530の小径部532に固定されている。従って、ギヤ550が回転すると、糸取りバネ収納部材530も共に回転することになる。
【0071】
扇型ギヤ560は、その背面のボス部561に芋ネジMをねじ込むことにより、スリーブ507に対して固定されている。また、このボス部561の裏側には、図15(f),(g)に示す様な形状のカム部材570が取り付けられる。このカム部材570も芋ネジMでスリーブ507に固定される。従って、扇型ギヤ560が回動すると、スリーブ507及びカム部材570も一体に回動することになる。
【0072】
扇型ギヤ560には、円弧部分中央の裏面側にシリンダロッド581を係合するための止めピン562が取り付けられている。また、扇型ギヤ560の円弧部分の一方の端近くには、正面側に突設する係合ピン563が突設されている。この係合ピン563は、支持部材510の上方アーム部513の側面に係合する高さを有している。
【0073】
また、カム部材570は、図15(g)に示す様に、裏面側に形成された縁部571の端縁をカム面572とするものである。このカム面572は、初期状態においては、図14に示す様にレバー部材520に接触していない。
レバー部材520の下端部522は、図14に示すセット状態において、糸取りバネ収納部材530のピン挿通孔535の真裏まで伸ばされている。そして、このピン挿通孔535内に挿入されたピン582を裏から支える様になっている。
【0074】
ピン582は、レバー部材520を図14に示す様に、カム部材570のベース部573に接触するまで反時計方向に回動させたときに、このレバー部材520の下端部522及び押え金具542の連絡部542bに、両端がほぼ接触する位の長さであって、押え金具542を押し上げない長さとされている。
【0075】
次に、以上の様に構成された糸取りバネ装置500の動きについて図16を用いて説明する。
初期状態においては、シリンダロッド581は縮小状態とされ、扇型ギヤ560は、図16(a)に示す角度に回動している。また、このとき、糸取りバネ501は、図示左側を向く位置に回動され、後述するように糸切れセンサとして機能するストッパ750に当たって停止している。
【0076】
この初期状態から、シリンダロッド581を伸長させることにより、扇型ギヤ560が図16(b)の矢印A方向に回動し、これに伴って、ギヤ550が矢印B方向に回転する。その結果、糸取りバネ501は図示右方向を向いた位置まで回動される。
【0077】
そして、さらにシリンダロッド581を伸長させると、図16(c)に示す様に、扇型ギヤ560の係合ピン563が支持部材510の上方アーム部513の側面に係合し、今度は支持部材510を回動させる。この結果、図16(d)に示す様に、糸取りバネ501も反時計方向に回動され、上下のガイドピン503,504が糸取りバネ501の左右に振り分けられた状態になる。こうして、図16(d)の状態においては、糸3を真上から供給したときに、ガイドピン503,504に邪魔されたりせずにまっすぐに垂下することができる。その結果、図16(e)に示す様に、糸3を糸取りバネ501の糸掛け部の溝部分501aにセットすることができる。
【0078】
こうして糸3を垂下した上で、再びシリンダロッド581を縮小させると、まず、図16(d)の状態から図16(b)の状態へと支持部材510が反時計方向に回動して停止する。この停止位置は、ミシンヘッド1から正面側に突設されたピン590に支持部材510の下方アーム部514が当接する位置である。このとき、コイルスプリング505は、さらに縮もうとする力を発生するようにセットされており、支持部材510をしっかりとストッパピン590に接触させた状態となる。
【0079】
そして、さらに、シリンダロッド581を縮小させると、今度は、扇型ギヤ560がギヤ550を回転させながら初期状態の角度へと回動していく。この結果、図16(f)に示す様に、上方のガイドピン503、支軸531、糸取りバネ501及び下方のガイドピン504に糸3を屈曲状態で張り渡すことができる。
【0080】
この間、シリンダロッド581の伸長動作に伴ってスリーブ507が回転することにより、レバー部材520の二股部521がカム面572に押されてピン582を押すことにより、押え金具542が押し上げられて糸調子皿508,509の圧力が徐々に解放される。
【0081】
逆に、シリンダロッド581が縮小するに従って、レバー部材520が元の状態に戻っていき、糸調子皿508,509の圧力がセット状態に徐々に戻っていく。
次に、本実施例の自動糸通し装置に制御部の構成について説明する。
【0082】
制御部は、図17に示す様に、CPU,ROM,RAM,バックアップRAM等を備えたマイクロコンピュータ710を中心に構成され、周辺機器として、糸準備スイッチ721,刺繍開始スイッチ722,テンキー723,糸調子圧設定スイッチ724などの配置された操作パネル720と、エアシリンダ151,247,254,263,390,454,485,580、エアバルブ731,732、糸検出センサ280,475、モータ141,255,330,464,740、ポテンショメータ350及び糸切れセンサ750が接続されている。
【0083】
これら周辺機器の内、ここまでの説明に現れなかったエアシリンダ580は、糸取りバネ装置500において扇型ギヤ560を回動させるのに用いるものである。また、エアバルブ731は、ガイドノズル230等やエア吹き込み口445等への圧縮エアの供給を行うためのものであり、エアバルブ732は、糸屑バキューム装置490に圧縮エアの供給を行うためのものである。さらに、モータ740はミシンモータである。糸切れセンサ750は、図16(f)に示す様に、糸取りバネ501の振り上げ位置に設けられており、糸取りバネ501が天秤610の動きに合わせてこのセンサ750に接触したり離れたりするのに応じて断続信号を発生するようになっている。刺繍を実行しているときにこの断続信号が発生しなくなったときは、糸切れと判定することができる。
【0084】
次に、本実施例の装置の使用方法を、上記マイクロコンピュータ710の実行する制御プログラムと共に説明する。
まず、最初に、チーズケース210内に糸巻2をセットして糸3を引き出し、支柱部材214のロート状上端部214u内に糸3の先端を差入れる。この作業を、24個のチーズケース210のそれぞれについて行う。
【0085】
次に、糸準備スイッチ721を押下する。すると、図18に示す手順で構成された糸準備プログラムが実行される。なお、初めて糸準備を実行するときは、糸準備スイッチ721の押下に続けてテンキー723から「0」を入力する。n番目のチーズケースの糸だけを準備状態にするときは、「1」〜「24」のいずれかの数値を入力する。
【0086】
まず、エアシリンダ247を給気にしてクランパ240をアンクランプ状態にすると共に、モータ330を駆動して糸調子装置300の糸調子皿302を開き、さらにエアシリンダ390を駆動して糸調子装置300を図9(a)の状態に逃がす。また、エアシリンダ254を駆動して従動側ローラ251を糸を挟む状態にすると共に、糸屑バキューム装置290用のエアバルブ732を開いて糸屑の吸引動作を開始し、カッタ260駆動用のエアシリンダ263を駆動して糸切り動作を実行し、所定時間後にエアバルブ732を閉じ、エアシリンダ263をカッタ260の刃261,262を開いておく状態に戻し、さらに、エアシリンダ247を排気にしてロッド248をクランパ240から離れた位置へ戻すと共に、エアシリンダ390及びモータ330を先ほどとは逆方向に駆動して糸調子装置300を図9(b)の状態に戻すと共に、糸調子皿302を閉じ、エアシリンダ254も先ほどとは逆方向に駆動して従動側ローラ251を糸を開放した状態に戻してシステムの初期化を行う(S10)。これによって、いずれかの糸が針630に通されていたとしても、これが切断されて、糸屑として除去されることになる。
【0087】
次に、テンキー723の入力値kが「0」か「1」〜「24」のいずれであったかを判断する(S20)。「0」の場合は、n=1をセットし(S30)、続いてモータ141を駆動して、第n番目のチーズケースからの糸準備を行うための位置にスライドブロック120を移動すと共に、エアシリンダ247を給気状態にしてn番目のクランパ240をアンクランプ位置に押し込み、さらに、エアシリンダ151を駆動してn番目の第1ガイドノズル230にエアを供給可能な状態にしてn番目の糸を送るための糸準備装置100側の準備動作を実行する(S40)。
【0088】
また、ミシンモータ740を駆動して針630及び天秤610を図1に示した糸通し位置に移動させる(S50)。そして、エアシリンダ454,485を駆動して可動板451,482をそれぞれ対応する固定板441,481に密着させると共に、モータ464を駆動して第3の糸通し部460を図13に実線で示す位置へ回動させ、ミシンヘッド部分における糸3の通り道(以下、「糸道」という)を形成する(S60)。また、エアシリンダ390及びモータ330を初期化において最初に実施した方向に駆動して糸調子皿302を開きながら糸調子装置300を図9(a)の状態に逃がして糸調子装置300を準備状態とし(S70)、エアシリンダ580を駆動して、糸取りバネ装置500を図16(d)の準備状態にする(S80)。そして、エアバルブ731を開放する(S90)。
【0089】
こうして、n番目のチーズケース内の糸が、支柱部材214の貫通孔214aから搬送チューブ220を通って吸い出され、第1ガイドノズル230から真下へ搬送される。
そして、糸検出センサ280がオンしたら(S100)、一旦エアバルブ731を閉じると共に、エアシリンダ254へ給気して従動側ローラ251を駆動側ローラ252に密着させて糸3を挟み付ける(S110,S120)。この後、再びエアバルブ731を開くと共に、モータ255を駆動して糸送りローラ250によって一定速度で糸3を繰り出す(S130,S140)。糸3は、こうして気流によって形成された経路を通って下方へ搬送されていく。
【0090】
そして、糸屑バキューム装置290の位置まで到達するに十分な長さだけ糸3を繰り出したところでモータ255を停止させる(S150)。このモータ255の停止タイミングは、モータ255を何回転させたかで制御される。
続いて、エアシリンダ247を排気状態にして対応するクランパ240を糸保持位置に移動してn番目の糸を保持する(S160)。そして、エアバルブ732を開いて糸屑バキューム装置290による糸吸引動作を開始すると共に、エアシリンダ263を駆動してカッタ260に糸切り動作を実行させる(S170)。これによって、第1ガイドノズル230、クランパ240のロッドの貫通孔246及びスライドブロック120の貫通孔126,127を通ったところで糸3が切断される。
【0091】
また、エアシリンダ254を排気状態として従動側ローラ251を開き位置に戻すと共に、エアバルブ731,732を閉じ、エアシリンダ263を逆方向に駆動してカッタ260の刃261,262を開いてこれらを待機状態に戻す(S180)。そして、n=n+1とnをインクリメントした上で(S190)、n>24となるまでS40以下の処理を繰り返す(S200)。
【0092】
一方、S20においてk=「1」〜「24」であったときは、n=kをセットし(S210)、以下、S40〜S180と同様の糸準備動作をn=kについてだけ実行する(S220)。
次に、刺繍開始スイッチ722が押下された場合について説明する。刺繍開始スイッチ722は、上述の様な糸準備が行われてから押下される。
【0093】
刺繍開始スイッチ722が押下されると、図19に示す手順でプログラムが実行される。
まず、刺繍実行のためのデータが読み出され(S310)、縫い始めのカラーコードに基づいて何番目の糸で刺繍を開始する様になっているかを特定する(S320)。
【0094】
そして、特定された糸の番号をnにセットし(S330)、続いてS10で説明したと同様の初期化及びS40〜S80と同様の処理を実行する(S340)。この後で、エアシリンダ254を駆動して糸送りローラ250で糸を挟む(S350)。そして、エアバルブ731を開放すると共に、モータ255を駆動して糸送りローラ250によって一定速度で糸3を繰り出す(S360)。糸3は、気流によって形成された経路を通って下方へ搬送され、準備位置にある糸取りバネ501の糸取り部50
1aを通り、ガイド爪621、天秤610、ガイド爪622に通されながら針孔630aに通される。
【0095】
そして、糸3の先端が針孔630aよりも先に所定量抜け出した位置にちょうど到達する長さだけ糸3を繰り出したところでモータ255を停止させる(S370)。このモータ255の停止タイミングは、モータ255を何回転させたかで制御される。そして、念のため、糸検出センサ475がオンになったか否かを確認する(S380)。オンになっていないときは、エラーと判断して、可動板開放動作、クランプ動作及び糸切り動作を実行する(S390〜S415)。なお、クランプ動作及び糸切り動作は、S160,S170として説明したのと同じ動作である。また、可動板開放動作としては、エアシリンダ454,485を駆動して可動板451,482をそれぞれ開き位置に戻し、モータ464を駆動して第3の糸通し部460を図13に一点鎖線で示す位置へ回動させる処理を実行し、さらにミシンモータ740を駆動して天秤610を上昇位置に移動させるものである。そして、再びS340以下の処理を繰り返す。
【0096】
こうして糸3を通し終えたら、エアバルブ731を閉じ(S420)、エアシリンダ454,485を駆動して可動板451,482を固定板441,481から離し、モータ464を駆動して第3の糸通し部460を図13に一点鎖線で示す位置へ回動させ、ミシンヘッド部分における糸道を解除する(S430)。そして、ミシンモータ740を駆動して天秤610を上方へ振り上げる(S440)。また、エアシリンダ390を駆動して糸調子装置300を、図9(b)の様に糸を屈曲状態で引っかけた刺繍実行用の定位置に移動させると共に、エアシリンダ580を駆動して、糸取りバネ装置500を図16(f)を同じく糸を屈曲状態で引っかけた刺繍実行用の定位置に移動させる(S450,S460)。
【0097】
次に、糸の番号に応じて糸調子装置300における糸調子圧テーブルを検索する(S470)。このテーブルは、マイクロコンピュータ710のバックアップRAM内に記憶されている。そして、この糸ごとの糸調子圧に基づいて、ポテンショメータ350の出力を確認しながらモータ330を駆動して糸調子装置300における糸調子圧を適切な値に調整する動作を実行する(S480)。この糸調子圧テーブルは、後述するテーブル設定処理によって数値が設定され記憶される。
【0098】
こうして、糸調子圧の調整までが済んだら、刺繍データに従って刺繍を実行し(S490)、データ中に、糸交換を指定するカラーコードが出現したら(S500)、当該カラーコードで指定された糸の番号をnにセットし(S510)、S340以下の処理を実行する。また、カラーコードが現れなくても糸切れが検出されたときは、S340以下の処理を実行する(S520)。こうして、データエンドまで刺繍を実行する(S530)。
【0099】
次に、糸調子圧テーブルの設定方法について説明する。この糸調子テーブルは、デフォルト値として、1番から24番の各糸に対して所定の圧力値が設定されている。
しかし、糸はそのつど種々の性質のものがセットされるので、デフォルト値では圧力が強すぎたり弱すぎたりする。そこで、調整ネジ306を用いて刺繍の前あるいは刺繍の最中に糸調子装置300の圧力を調整する。そして、圧力調整後に糸調子圧設定スイッチ724を押下すると、図20に示す様に、まず、現在糸通しされている糸の番号nを読み出す(S610)。また、現在のポテンショメータ350の出力値Qを読み込み(S620)、n番の糸に対する圧力設定条件としてこのポテンショメータ出力Qをテーブルの該当箇所に書き込んでテーブルの更新を行う(S630)。こうして、現在セットされている糸に対して最適な糸調子圧の関係を設定したテーブルを必要に応じて作成することができる。
【0100】
以上説明した様に、本実施例によれば、糸巻2をチーズケース210内にセットしたら、後は自動的に糸の準備から糸通しまでをシステム側で実行してくれる。従って、刺繍のための準備作業が大幅に低減される。しかも、ミシンとしては1本針のものを使用できるので、多数のミシンを並べても場所を取らず、より効率よく工場を設計することができる。そして、ミシンの頭数が増えれば増えるほど、その準備は大変になるのであるが、本実施例のシステムではこれを解消してくれる。
【0101】
また、糸調子装置300の糸調子圧を、予め作成したテーブルから読み出して、糸ごとに最適な値となるように自動的に設定できるので、仕上がりのより美しい多色縫いの刺繍を容易に実現することができる。
さらに、糸取りバネ501を糸準備状態と糸掛け状態とで位置を移動させ、糸通しの際に、糸の通り道を単純化することができるので、糸通しの失敗をなくし、成功率を大幅に向上することができる。
【0102】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる態様にて実施することが可能である。
例えば、実施例は1本針の刺繍ミシンを対象に説明しているが、多針の刺繍ミシンの多数の糸調子装置について、それぞれ本発明を適用することにより、最初の糸調子圧の設定を、過去の実績に従って簡単に実施するといったことも可能となり、本発明の目的を十分に達成することができる。また、数値的に糸調子圧を与えることにより、正確な糸調子圧を迅速に実現するという点で、本発明の目的を十分に達成することができるからである。
【0103】
また、図22,図23にて説明した様に、ガイドピンだけが回動する様な構成であっても、構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の刺繍ミシンの糸準備及び糸通しの自動化装置の全体構成を示し、(a)は正面方向から見た模式図、(b)はミシンヘッドの前方から見た一部の模式図である。
【図2】 実施例におけるチーズケース及びその部品を示し、(a)は全体の拡大断面図、(b)は支柱部材の平面図である。
【図3】 実施例における糸準備装置を正面方向から見た一部断面図である。
【図4】 実施例における糸準備装置をミシンヘッドの前方から見た一部断面図である。
【図5】 実施例における第1ガイドノズル及びクランパの部分を正面方向から見た拡大断面図である。
【図6】 実施例における送りローラ、カッタ、第2ガイドノズル及び糸検出センサの部分を正面方向から見た拡大断面図である。
【図7】 実施例における第3ガイドノズル、糸調子装置、及び第4ガイドノズルの部分を正面方向から見たの拡大断面図である。
【図8】 実施例における第3ガイドノズル、糸調子装置、及び第4ガイドノズルの部分をミシンヘッドの前方から見たの拡大断面図である。
【図9】 実施例における糸調子装置の動作を示す説明図である。
【図10】 図1(a)の一部拡大図である。
【図11】 図1(b)の拡大図である。
【図12】 実施例における第2の糸通し装置の動作を示す説明図である。
【図13】 実施例における第3の糸通し装置の動作を示す説明図である。
【図14】 実施例における糸調子装置及びその部品を示し、(a)は正面方向から見た一部断面図、(b)は糸調子皿支軸の説明図、(c)は押え金具の平面形状を示す平面図である。
【図15】 実施例における糸取りバネ装置の部品を示し、(a)は支持部材の正面図、(b)は支持部材の右側面図、(c)は支持部材の底面図、(d)はレバー部材の正面図、(e)はレバー部材の右側面図、(f)はカム部材の正面図、(g)はカム部材の右側面図である。
【図16】 実施例における糸取りバネ装置の動作を示す説明図である。
【図17】 実施例における制御系のブロック図である。
【図18】 実施例における糸準備プログラムのフローチャートである。
【図19】 実施例における刺繍実行プログラムのフローチャートである。
【図20】 実施例における糸調子圧設定プログラムのフローチャートである。
【図21】 本発明の糸取りバネ装置の動作例を示す説明図である。
【図22】 本発明の糸取りバネ装置の動作例を示す説明図である。
【図23】 本発明の糸取りバネ装置の動作例を示す説明図である。
【図24】 本発明の糸調子皿装置の動作例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・ミシンヘッド、2・・・糸巻、3・・・糸、100・・・糸準備装置、110・・・ベースフレーム、120・・・スライドブロック、130・・・機器取付ブロック、141・・・モータ、151・・・エアシリンダ、152・・・エア供給ヘッド、210・・・チーズケース、214・・・支柱部材、220・・・搬送チューブ、230・・・第1ガイドノズル、240・・・クランパ、247・・・エアシリンダ、250・・・糸送りローラ、254・・・エアシリンダ、255・・・モータ、260・・・カッタ、263・・・エアシリンダ、272・・・第2ガイドノズル、273・・・第3ガイドノズル、274・・・第4ガイドノズル、280・・・糸検出センサ、290・・・糸屑バキューム装置、300・・・糸調子装置、302・・・糸調子皿、304・・・皿押えバネ、306・・・調整ネジ、308,309・・・ガイドピン、330・・・モータ、350・・・ポテンショメータ、390・・・エアシリンダ、400・・・糸通し装置、420・・・第1の糸通し部、422・・・第5ガイドノズル、440・・・第2の糸通し部、441・・・固定板、444・・・半円形溝、451・・・可動板、454・・・エアシリンダ、460・・・第3の糸通し部、463・・・扇型ギヤ、464・・・モータ、465・・・ギヤ、475・・・糸検出センサ、480・・・連絡部、481・・・固定板、482・・・可動板、483・・・半円形溝、485・・・エアシリンダ、490・・・糸屑バキューム装置、500・・・糸取りバネ装置、501・・・糸取りバネ、503,504・・・ガイドピン、510・・・支持部材、550・・・ギヤ、560・・・扇型ギヤ、563・・・係合ピン、580・・・エアシリンダ、610・・・天秤、621,622・・・ガイド爪、630・・・針、700・・・制御部、710・・・マイクロコンピュータ、720・・・操作パネル、721・・・糸準備スイッチ、722・・・刺繍開始スイッチ、723・・・テンキー、724・・・糸調子圧設定スイッチ、731,732・・・エアバルブ、740・・・ミシンモータ、750・・・糸切れセンサ、M1・・・支軸、M2,M3・・・ガイドピン、M4・・・糸取りバネ、M5・・・糸、M6,M7,M8,M9,M10・・・糸道。

Claims (3)

  1. 支軸に取り付けられる糸取りバネと、
    前記支軸を基準としたときに該支軸の上下又は左右にそれぞれ設けられる一対のガイドピンと、
    前記糸取りバネを、前記一対のガイドピンを結ぶ線分の一方の側から反対側へと前記支軸の周りで回動させることにより、該糸取りバネを糸通しに際して待避させておく糸取りバネ待避手段とを備え、
    前記糸取りバネ待避手段として、前記支軸を回転させる支軸回転手段を備え、
    さらに、前記支軸を、該支軸から所定距離離れた回動中心の周りで回動させる支軸回動手段を備え、
    前記一対のガイドピンを、前記支軸回動手段によって支軸と共に回動されるように構成すると共に、
    前記支軸回動手段が、前記待避された糸取りバネの糸掛け部を通る鉛直線に対して前記一対のガイドピンが互いに反対側に位置するようになるまで、前記支軸を回動させる手段として構成されていること
    を特徴とする自動糸通しミシン用糸取りバネ装置。
  2. 糸取りバネを支持する支軸が回転可能に取り付けられ、該支軸から所定距離離れた回動中心を有する支持部材と、
    該支持部材に、前記支軸を挟んで取り付けられる一対のガイドピンと、
    前記支軸に取り付けられるギヤと、
    該ギヤを回転させるギヤ回転手段と、
    前記支持部材を回動させる支持部材回動手段と
    を備えてなる自動糸通しミシン用糸取りバネ装置。
  3. 糸取りバネを支持する支軸が回転可能に取り付けられ、該支軸から所定距離離れた回動中心を有する支持部材と、
    該支持部材に、前記支軸を挟んで取り付けられる一対のガイドピンと、
    前記支軸に取り付けられるギヤと、
    前記支持部材に対して回動可能に取り付けられると共に前記ギヤに噛み合わされ、所定角度まで回動したときに該支持部材と係合する係合部材を有する扇型ギヤと、
    該扇型ギヤを回動させるアクチュエータと
    を備えてなる自動糸通しミシン用糸取りバネ装置
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