JP3737174B2 - 空気清浄化方法および空気清浄器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、居住環境の空気を清浄とし快適に維持する空気清浄化方法および空気清浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気清浄器の構成は、図1に示すようにステンレスやアルミニュウムなどの金属板をプラス電極1とし、この表面に集塵フィルタ−2を配置しこれと対向的にマイナス電極3を配置するものとなっている。この集塵原理は図1〜図3に示す。プラス電極1とマイナス電極3との間に1000ボルト〜6000ボルトの電圧を印加するとマイナス電極3からプラス電極1方向にイオン風4が生じ、マイナス電極3周辺の空気および空気中に浮遊する粉塵5、雑菌6、タバコの煙7及びダニ8もプラス電極1方向に流動する。マイナス電極3に接触した粉塵、雑菌、タバコの煙は図2に示すようにマイナスに帯電し図3のようにフィルタ−に集塵・捕捉するものであった。しかし、これまでの乾式フィルタ−方法による塵埃の捕捉では、(1)フィルタ−の交換時や通電されていない時に一旦集塵・捕捉された塵埃が剥離し再び空中に浮遊する、(2)使用と共にフィルタ−の捕捉能力が低下する、(3)殺菌効果が少ない、(4)フィルタ−の再生が出来ない、エコロジ−、省資源に問題があった、(5)従来は清浄化機能のみに重点を置き清浄装置が無機的に鉄の箱に納められ人間の感性を全く留意していなかった、など問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これまでのフィルタ−のみでの塵埃捕捉方法の欠点を補う空気清浄化方法および空気清浄器を提供するものである。すなわち、(1)フィルタ−の交換時や通電されていない時に一旦集塵・捕捉された塵埃が剥離し再び空中に浮遊することの無いものにする、(2)使用と共にフィルタ−の捕捉能力が低下することの無いようフィルタ−を簡単に再生でき省資源、省エネルギ−で経済的でエコロジ−なものにする、(3)殺菌効果を高めたものにすること、(4)人間の感性に留意し視覚的に美しく、楽しくしかも健康的な環境を維持できるものにすること、(5)夏には涼しく、冬には暖かく温度調整も可能にすること等を実現しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの課題を解決したものである。図4〜図5に基づいて以下説明する。居住空間で使用される空気清浄器は塵埃を除去し空気を清浄化する機能だけでなく乾燥し過ぎを防止する役割や温度を調節する役割をも果たす装置にすることを目的とするものである。
【0005】
図4および図5に基づいて本発明を説明する。本発明の装置は、水槽の上部開放口9より水槽面10に沿って層状に流下する流下水膜11と、当該流下水膜11を接地した接地電極12と、この流下水膜11に近接して大気側に塵埃をイオン化するイオン化電極13と、イオン化電圧を付加するための高圧直流電源14と、汚染空気をろ過するため水中に浸積した一次フィルタ−15と二次フィルタ−16、フィルタ−を通過した流下水を水槽に循環する循環ポンプ17とからなる空気清浄器である。
【0006】
(4)更に詳しく、図5に基づいて説明すると、水槽の上部開放口9より水槽面10に沿って層状に流れる流下水膜11は高圧直流電源14と接地電極12を通してプラスに帯電している。当該流下水膜11を接地電極とし、この流下水膜11に近接して大気側にイオン化電極13を配置し、当該イオン化電極13と接地電極12との間に高電圧を印加すると流下水膜11もプラスに帯電する。特に水が滑らかに流れるように水槽面10の上端面の角には外側に向けて緩やかなア−ルを付けた。さらに水槽の材質をガラス、アクリル、塩化ビニ−ル,ポリカ−ボネイトなどの透明な絶縁材料を使用した。透明な水槽を用いると水槽中に浮かべたプラスチックの玩具魚を観察する事が出来る。プラスチックの玩具魚は水より若干比重を大きくした方が浮いたり沈んだりしてあたかも本当の魚が泳いでいるように見えて都合がよい。
【0007】
塵、雑菌、ダニやタバコの煙がイオン化電極13でマイナス6000ボルトに印加され水中に向かって静電的に吸引され、タバコのヤニは水に溶解し除去される。
【0008】
【発明の作用・効果】
本発明は、これまで機能のみを追求してきた空気清浄器に対して、人間に優しい、人間の感性を重視した空気清浄化方法および空気清浄器を提供するものである。水槽面に沿って水を膜状に流下するとこれと接した塵埃は水に取り込まれることは常識として良く知られていた。しかしこれには塵埃を積極的に吸引する作用はなく偶然近づいてきた塵埃を取り込むだけで、これでは空気清浄作用があるとは云えなかった。本発明は、塵埃やタバコの煙などをマイナス4000ボルト〜マイナス6000ボルトに印加し、壁面に流下する水膜をプラスに接地すると、マイナスに帯電された塵埃、タバコの煙、ダニ、雑菌等は水膜に静電吸引されることを利用している。
【0009】
従来の流下水を活用した電気集塵機は金属板に水を水膜状に流下させ、金属板を直接接地してプラスにして塵埃等を静電吸引して除去するものであったが、本発明の最大の特徴点は、金属板を使用せずガラス、アクリル、塩化ビニ−ル,ポリカ−ボネイトなどの透明な水槽面10すなわち壁面を使用して接地電極を水槽中に設置し水を帯電させ塵埃を強制的に除去することにある。
【0010】
【実施例1】
図4は本発明の一実施例の断面図である。この図4に基づいて本発明を説明する。機能部収納容器18は循環ポンプ17や高圧直流電源14を収納する部分と水の貯槽部分に2分割されている。水の貯槽部はさらに簀の子状仕切板で仕切られ、その仕切板には通常のフィルタ−を載置する。貯水部の水は、二次フィルタ−16に導かれより微細な塵埃を除去された後、循環ポンプ17により強制的に送水される。この二次フィルタ−16は随時交換することが出来る。高圧直流電源14のマイナス側は絶縁された高圧ケ−ブル19によりイオン化電極13に連結される一方、プラスの接地電極12はア−ス線20により接地される。接地電極12によりプラスに帯電された水は水槽の上方へ上がり開口した上部開放口9から水槽面10に沿って膜状に自然流下させている。図6には本発明装置の全体外観図を示している。イオン化電極13は図6に示すように水膜面に沿って5mmの間隔に張り渡し、感電等を予防するための安全柵21を設けている。更に、水の噴流口22から噴出される水によりプラスチック製の玩具魚(水の比重より若干重くしたもの)が上下左右に舞い上がり急降下しあたかも本当の魚であるかの如くファジイ的に動く。従来の方式のものは水の中に空気を吹き込みこれにより生じた空気泡やマグネットで動かすものであって本発明のように水の噴流で動作させる方式は公知ではない。更にまた、水をきれいな層状に水膜とするためには水の片寄りによる乱れを防止し安定な水膜を作るために一定間隔にガイド23が設けられている。
【0011】
【実施例2】
本発明は空気清浄機能を主な目的とするが、他の目的は大きな水槽面10を利用して温度や湿度を調節することにある。冬期に暖房がされると乾燥しカゼを引き易くなったり色々と健康に問題がある。本発明の空気清浄器は常に大きい面積の水膜面があるのでこれから蒸発し湿度を補充することが出来る。さらには、循環水を40℃程度に加温すると暖房を兼ねて湿度も一定に保つことが出来る。
【0012】
【実施例3】
一方、夏の暑い期間は5℃以下に冷却した水を循環することによって部屋を冷房する事も出来る。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来方法の説明図。
【図2】従来方法の説明図。
【図3】従来方法の説明図。
【図4】本発明装置の断面図。
【図5】本発明の部分拡大断面図。
【図6】本発明装置の外観図。
【符号の説明】
1 プラス電極
2 集塵フィルタ−
3 イオン化電極
4 イオン風
5 粉塵
6 雑菌
7 タバコの煙
8 ダニ
9 上部開放口
10 水槽面
11 流下水膜
12 接地電極
13 イオン化電極
14 高圧直流電源
15 一次フィルタ−
16 二次フィルタ−
17 循環ポンプ
18 機能部収納容器
19 高圧ケ−ブル
20 ア−ス線
21 安全柵
22 噴流口
23 ガイド
Claims (6)
- 水槽の上部開放口(9)より透明な水槽面(10)に沿って水を層状に流下する行程と、水槽の水中に設置した接地電極(12)によりプラスに帯電した流下水膜(11)と、この流下水膜(11)に近接して大気側にイオン化電極(13)を配し、当該イオン化電極(13)と接地電極(12)との間に高電圧を印加する行程と、水中に浸積したフィルタ−(15)に当該流下水膜(11)を透過せしめた後循環ポンプ(17)により水槽に還流する行程とを順次繰り返すことを特徴とする空気清浄化方法。
- 水槽の上部開放口(9)より透明な水槽面(10)に沿って水を層状に流下する流下水膜(11)と、当該流下水膜(11)に接地した接地電極(12)と、この流下水膜(11)に近接して大気側に配したイオン化電極(13)と、当該イオン化電極(13)にイオン化電圧を付加するための高圧直流電源(14)と、汚染空気をろ過するため水中に浸積したフィルタ−(15)と、フィルタ−(15)を通過した流下水を水槽に循環する循環ポンプ(17)とからなる空気清浄器。
- 請求項2において、流下水を加熱する手段を備え空気清浄作用と暖房作用とを兼ね添えたことを特徴とする空気清浄器。
- 請求項2において、流下水を冷却する手段を備え空気清浄作用と冷房作用とを兼ね添えたことを特徴とする空気清浄器。
- 請求項2において、水を広い水槽面に沿って流下させることによって加湿効果を付加したことを特徴とする空気清浄器。
- 請求項2において、水槽面(10)に流下水膜を安定させるガイド(23)を設けたことを特徴とする空気清浄器。
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