JP3736124B2 - 車載用cdドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用CDドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車載用CDドライブ装置では、CDをCD収納体のCD挿入口内にある程度まで挿入すれば、CD収納体内の正規の再生位置まで自動的にローディングして保持し、またイジェクトボタンを押すと、CD収納体内の正規の再生位置に保持されているCDをその位置からCD収納体の外にある程度までイジェクトし、そのイジェクト状態のまま一定時間経過すれば、CDを再び自動的にローディングするリロード機能を備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなリロード機能を備えた車載用CDドライブ装置では、CDをCD収納体のCD挿入口にある程度まで挿入すれば装置側でそのCDを正規の再生位置までローディングしてくれ、またイジェクトボタンの操作でCD収納体内のCDを自動的にリロードできる限界位置近く(リロード位置)まで排出し、イジェクト状態のまま放置されていれば、一定時間が経過すればCDをイジェクト位置から強制的にリロードすることによってCDが露出状態のまま取り忘れによって損傷を受けるのを防止する利点があるが、次のような問題点があった。
【0004】
すなわち、CDをドライバ装置からイジェクトするときには、リロード位置までしか排出しないために、当該CDドライブ装置の直上方に何らかの別装置がオーバーハングした形で取り付けられていると、乗員はCDをCD挿入口から取り出そうとして手を差込むのにその別装置が邪魔になる問題点があった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、CDドライブ装置にローディングされているCDを実際に取り出そうとするときにドライブ装置内のCDをリロード位置よりもさらに外側までイジェクトすることにより、当該装置の上側に他の装置が設置されているような場合でもそれに邪魔されることなくCDの取出しが容易に行える車載用CDドライブ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、CDを自動イジェクト、自動ローディングするローディング機構を内蔵した車載用CDドライブ装置にあって、イジェクト指令ボタンの1回のイジェクト操作で前記ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置近くまでイジェクトする指令を与え、複数回のイジェクト操作で前記ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置を超えた所定の位置までイジェクトする指令を与えるようにしたものであり、同じ1つのボタン操作を1回だけ行うか、続けて2回行うかによってCDのイジェクト位置を変えることができ、イジェクト操作がしやすい。
【0010】
請求項の発明は、請求項1の発明の車載用CDドライブ装置において、さらに、CD収納体におけるCDの挿入・排出方向に沿った線上で、正規の収納位置にCDが収納されている状態でその周縁よりも若干内側の第1の位置と、前記第1の位置よりもさらに内側の第2の位置と、前記第1の位置から前記CDの周縁に沿って所定角度だけ離れ、かつ前記正規の収納位置にCDが収納されている状態でその周縁よりも若干外側の第3の位置との3箇所に設置されたCD検出用の光センサと、前記ローディング機構に対して、前記第1のイジェクト指令ボタンの操作に対して、前記CD収納体に収納されているCDを、前記第1の位置と第2の位置の光センサが共に当該CDの検出状態を維持し、かつ前記第3の位置の光センサが当該CDの移動に対応して不検出→検出→不検出と変化するまでイジェクト動作させ、前記第2のイジェクト指令ボタンの操作に対して、前記CD収納体に収納されているCDを、さらに一定距離だけ外側に移動させるイジェクト制御手段とを備えたものである。
【0011】
請求項の発明の車載用CDドライブ装置では、イジェクト制御手段が第1、第2、第3の位置それぞれの光センサの検出動作状態の組合せにより、ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置近くまでCDをイジェクトしたかを判別する。したがって、第1のイジェクト指令ボタンによるイジェクト操作、第2のイジェクト指令ボタンによるイジェクト操作それぞれに対してCDを所定の位置まで正しくイジェクトすることができる。
【0013】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、イジェクト指令ボタンのボタン操作を1回だけ行うか、続けて複数回行うかによってCDのイジェクト位置を変えることができ、イジェクト操作がしやすい。
【0014】
請求項の発明によれば、イジェクト制御手段が第1、第2、第3の位置それぞれの光センサの検出動作状態の組合せにより、ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置近くまでCDをイジェクトしたかどうかを判別するので、1回のイジェクト指令ボタンによるイジェクト操作に対してリロード位置まで正確にイジェクトし、また2回のイジェクト指令ボタンによるイジェクト操作に対してもその位置からさらに一定距離だけ外側のCDの取出しやすい位置まで正確にイジェクトすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1〜図3は車載用CDドライブ装置のメカニズムを示しており、図4はその回路構成を示している。図1〜図3に示すように、CDドライブ装置はCD収納体1内にレーザヘッド、レーザヘッドキャリッジ、CDモータ2、さらにはCDの自動ローディング/自動イジェクトのためのローディングローラ3、イジェクトボタン4、CDを固定するためのチャックキング機構など、従来から知られているリロード機能を有するCDドライブ装置のメカニズムと同様の機構を内蔵している。
【0016】
また図2及び図3に詳しく示されているように、本発明の特徴として、CDの位置検出のためのセンサとして、CD収納体1内のA、B、Cの3箇所に、LED11A,11B,11Cとフォトトランジスタ12A,12B,12Cそれぞれの対で構成される光センサ13A,13B,13Cが設けられている。
【0017】
光センサ13Aの設置されているA位置は、CD収納体1に対するCDの挿入/排出方向の中央線CL上にあって、8cmサイズのCD21が正規の再生位置に存在する状態でその周縁の位置よりも若干外側の位置である。また光センサ13Bの設置されているB位置は、同じ中央線CL上にあってA位置よりも外側で、かつ12cmサイズのCD22が正規の再生位置に存在する状態でその周縁の位置よりも若干内側となる位置である。そして、光センサ13Cの設置されているC位置はB位置から円周方向に離れた位置で、かつ12cmサイズのCD22が正規の再生位置に存在する状態でその周縁の位置よりも若干外側となる位置である。
【0018】
図1及び図3に示すように、ローディング機構を構成するローディングローラ3は、12cmサイズのCD22がCD収納体1のディスク挿入口(図示せず)にリロード位置P1まで挿入された状態ではそのCD22をくわえ込んでローディングすることができるが、フルイジェクト位置P2までしかCDが挿入されていない状態では自動ローディングができない位置設定になっている。
【0019】
そして、CD22の位置と光センサ13A,13B,13Cのセンシング状態とは、図5の表に示す関係が成立する設定にしてある。すなわち、12cmサイズのCD22に対して、それが挿入されていない状態では、光センサ13A,13B,13CのすべてがOFF(ディスクなし、以下、同じ)であり、ローディング中であれば、光センサ13A,13Bは共にOFF→ON(ディスクあり、以下、同じ)に変化し、光センサ13CはOFF→ONに変化し、さらにOFFに変化する。そしてCD22が正規の再生位置に収納されれば、光センサ13A,13Bは共にON、光センサ13CはOFFである。
【0020】
逆にリロード位置P1までのイジェクト時には、光センサ13A,13Bは共にONを維持したままであり、光センサ13CはOFF→ONに変化し、さらにOFFに変化する。そしてCD22がフルイジェクト位置P2になれば、光センサ13Aは依然ONのままであり、光センサ13BはOFFとなり、光センサ13CもOFFである。
【0021】
次に、図4に基づいてこの実施の形態の回路構成を説明する。車載用CDドライブ装置は、CDをドライブするドライブユニット部31、メイン回路部32、CDのローディングとチャッキングを行うメカニズム部33及びディスクセンサ部34から構成されている。
【0022】
ドライブユニット部31は、CDに対してレーザビームを当てるレーザヘッド部35、CDからのレーザ反射光を受光してRF信号に変換する4分割フォトダイオード36、この4分割フォトダイオード36からのRF信号に対する差分、加算処理と増幅処理を行うRF増幅部(RF−AMP)37から構成されている。
【0023】
メイン回路32は、RF信号の再生処理とレーザヘッド部35のフォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルに対するサーボを行い、またリミットスイッチ(SW)を動作させる信号処理・サーボ用IC38、D/A変換部(DAC)39、オーディオ信号だけを通過させるローパスフィルタ40、電源部41、そして本装置の全体を統括的に制御するCPU42から構成されている。
【0024】
メカニズム部33はローディングローラを正逆駆動するローディングモータ43と、チャッキング機構(図示せず)を作動させるためのチャッキングスイッチ(SW)44から構成されている。
【0025】
ディスクセンサ部34は上述した光センサ13A〜13Cそれぞれを構成するLED11A〜11Cとフォトダイオード12A〜12Cから構成されている。
【0026】
次に、上記構成の車載用CDドライブ装置の動作を説明する。まず図4に基づき、CDドライブ装置によるCDの音声再生動作について説明する。CD収納体1の正規の再生位置にCDがローディングモータ43の駆動によって位置決めされると、チャッキングスイッチ44が動作してCDをチャッキング機構によって回転中にふらつかないように固定し、この状態でドライブモータ(図示せず)によってCDを回転させる。
【0027】
そしてレーザヘッド部35によってCDの記録面にレーザビームを当て、その反射光を4分割フォトダイオード36によって受光し、RF信号にして取出し、これをRF信号増幅部37で差分、加算処理を施し、かつ増幅処理を行い、それぞれの信号をメイン回路部32に取り出す。
【0028】
メイン回路部32の信号処理・サーボ用IC38はオーディオ用のFM信号に対しては復調処理を行い、D/A変換部39でD/A変換した後、ローパスフィルタ40に通してオーディオ信号だけを取出し、後段のオーディオ信号増幅回路(図示せず)に出力する。
【0029】
これと並行して、信号処理・サーボ用IC38は4分割フォトダイオード36からの信号に基づいてトラッキングエラー、フォーカスエラーを検出し、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルのサーボを行う。
【0030】
次に、ディスクセンサ部34の動作を、詳しく説明する。CD収納体1が空の状態であれば、図5の表に示したように光センサ13A〜13CはすべてOFFであり、これによってCPU42はCD22が挿入されていない状態であると判断する。
【0031】
CD22がCD収納体1にCD挿入口(図示せず)から挿入され、その先端部分がローディングローラ3の位置まで来れば、図5の表に示したように光センサ13A,13Bが共にOFF→ONに変わるので、CPU42はこの信号の変化を見てローディングモータ43を駆動させ、ローディングローラ3によってCDを正規の再生位置まで自動ローディングする。このローディング完了は、光センサ13CがOFF→ONからさらにOFFに変わったことによって判断する。そしてチャッキングスイッチ44を動作させてCDを正規の位置でチャッキングする。
【0032】
これによって自動ローディングが完了し、CPU42はCDの再生動作を開始させる。
【0033】
次に、CDのイジェクト動作について説明する。図1〜図3に示したように、CD収納体1の前面に設けられているイジェクトボタン4を1回だけプッシュ又はタッチ操作すると、その操作信号は図4に示した回路図のCPU42に入力され、CPU42はこれをリロード位置P1までのイジェクト指令と判断し、チャッキングスイッチ44をOFFとし、ローディングモータ43を逆転駆動させてCD22を排出させる。そしてその停止位置をリロード位置P1までとするために、図5の表に示したように、ディスク収納状態からリロード位置までのイジェクトとして、光センサ13A,13Bは共にON状態を維持し、光センサ13CだけがOFF状態からON状態に変わり、さらにOFF状態に変わったタイミングでローディングモータ43を停止させる。これによって、図1及び図2においてP1で示すリロード位置までCD22を排出することができる。
【0034】
このリロード位置P1までCD22を排出させた状態でも他の装置が邪魔になってCD22をうまく取り出すことができないような場合、イジェクトボタン4をもう1回プッシュ又はタッチ操作する。これによって、CPU42は2回目のイジェクト指令と判断し、ローディングモータ43をさらに逆転駆動させ、CD22をリロード位置P1から一定距離ΔDだけ外側のフルイジェクト位置P2まで押出す。このフルイジェクト位置P2までの移動距離ΔDは、ローディングモータ43の逆転回転時間をこの移動距離ΔDだけ移動できる時間Δtに制限することによって実現している。これによって、CD22はリロード位置P1よりもさらに外側の所定の位置P2までイジェクトすることができ、使用者は容易にCD22をCD収納体1から取り出すことができるようになる。
【0035】
なお、上記の実施の形態では、イジェクトボタン4が1回目に押された場合にはリロード位置P1までCD22をイジェクトし、その位置でさらにイジェクトボタン4がもう1回押されると、CD22をさらに外側に一定距離ΔDだけ押し出す制御を行っているが、イジェクト制御はこれに限定されるものではなく、イジェクトボタン4が最初に1回だけ押されたか2回以上押されたかによってイジェクト位置を最初からP1にするか、P2にするかを決定し、イジェクト動作することもできる。その場合のCPU42によるイジェクト制御動作は、図6に示すフローチャートのようになる。まず、イジェクトボタン4が押された回数を受け付け、その押し回数nを確認する(ステップS1)。そして、イジェクト動作を開始し、光センサ13CがいったんONした後にOFF状態になればリロード可能位置P1までイジェクトしたと判断し、ここでイジェクトボタン4の押し回数を確認する(ステップS2〜S4)。
【0036】
このイジェクトボタン4の操作回数n=1であれば、リロード可能位置P1までのイジェクト指令と判断してイジェクト動作制御を中止する(ステップS4でYESに分岐)。しかしながら、イジェクトボタン4の操作回数nが2以上であれば、フルイジェクト指令と判断して、次のステップS5によってローディングモータ43をさらに一定時間Δtだけ継続して逆回転させ、CD22を一定距離ΔDだけさらに外側のフルイジェクト位置P2まで移動させる。
【0037】
これにより、第2の実施の形態では1つのイジェクトボタンによりCDのイジェクト位置を最初から指定してイジェクト操作することができ、イジェクト操作がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態のメカニズムの平面図。
【図2】上記の実施の形態における光センサの配置を示す平面図。
【図3】上記の実施の形態における光センサの配置を示す断面図。
【図4】上記の実施の形態の回路構成を示すブロック図。
【図5】上記の実施の形態におけるCDの位置−光センサの検出状態の対応を示す表。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるCDのイジェクト制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 CD収納体
2 CDモータ
3 ローディングローラ
4 イジェクトボタン
11A,11B,11C LED
12A,12B,12C フォトダイオード
13A,13B,13C 光センサ
21 8cmサイズCD
22 12cmサイズCD
31 ドライブユニット部
32 メイン回路部
33 メカニズム部
34 ディスクセンサ部
42 CPU
43 ローディングモータ

Claims (2)

  1. CDを自動イジェクト、自動ローディングするローディング機構を内蔵した車載用CDドライブ装置にあって、
    CDの自動イジェクトを指令するイジェクト指令ボタンの操作回数を記憶し、
    前記操作回数が1回であれば、前記ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置近くまでイジェクトする指令を与え、
    前記操作回数が複数回であれば、前記ローディング機構による自動ローディングが可能な限界位置を超えた所定の位置までイジェクトする指令を与えることを特徴とする車載用CDドライブ装置。
  2. CD収納体におけるCDの挿入・排出方向に沿った線上で、正規の収納位置にCDが収納されている状態でその周縁よりも若干内側の第1の位置と、前記第1の位置よりもさらに内側の第2の位置と、前記第1の位置から前記CDの周縁に沿って所定角度だけ離れ、かつ前記正規の収納位置にCDが収納されている状態でその周縁よりも若干外側の第3の位置との3箇所に設置されたCD検出用の光センサと、
    前記ローディング機構に対して、前記イジェクト指令ボタンの1回の操作に対して、前記CD収納体に収納されているCDを、前記第1の位置と第2の位置の光センサが共に当該CDの検出状態を維持し、かつ前記第3の位置の光センサが当該CDの移動に対応して不検出→検出→不検出と変化するまでイジェクト動作させ、前記イジェクト指令ボタンの複数回の操作に対して、前記CD収納体に収納されているCDを、さらに一定距離だけ外側に移動させるイジェクト制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載用CDドライブ装置。
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