JP3736081B2 - ディスク装置及びそのヘッド移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROM等の光ディスクを記録及び/又は再生する光ディスク装置等に適用するのに最適なディスク装置及びそのヘッド移動装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、CD−ROM等の光ディスクを記録及び/又は再生する光ディスク装置では、光学ピックアップの対物レンズが搭載されたヘッド移動台をガイド軸で案内しながら、ヘッド移動用モータによって正逆回転駆動されるリードスクリューによってそのガイド軸に沿って移動するようにしたヘッド移動装置が用いられている。そして、従来の一般的なヘッド移動装置では、ヘッド移動台に取り付けたニードルやハーフナット等をリードスクリューの外周にラセン状に形成したリード溝に板バネによって係合させて、そのリード溝によるネジ送り作用によってヘッド移動台をガイド軸に沿って移動するように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ヘッド移動台を高速シークするために、ヘッド移動用モータによってリードスクリューを高速で正逆回転駆動して、ヘッド移動台を高速シークしようとすると、ヘッド移動台の移動方向の反転時に発生するヘッド移動台のイナーシャによって、リードスクリューとハーフナット等との間にガタが発生し易いと言う問題があった。また、 ヘッド移動用モータによってリードスクリューを高速で正逆回転駆動して、ヘッド移動台を高速シークしようとすると、ヘッド移動台の移動方向の反転時に発生するヘッド移動台のイナーシャによって板バネが撓んで、ニードルやハーフナットがリードスクリューのリード溝から外れ、ヘッド移動台が暴走してしまう危険があり、ヘッド移動台のシーク速度を上げづらいと言う問題もあった。また、光ディスク装置の輸送時等に加えられる外部振動等によっても、ニードルやハーフナットがリードスクリューのリード溝から外れて、ヘッド移動台が暴走し、このヘッド移動台がストッパーに衝突した時の衝撃によって対物レンズの2軸アクチュエータ等が破損され易い等の問題もあった。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、ヘッド移動台の高速シークが可能なディスク装置及びそのヘッド移動装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のディスク装置は、外周にリード溝がラセン状に形成されて、ヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューと、上記リードスクリューの外周に挿入されてヘッド移動台と連結され、上記リード溝に係合された第1のリード突条が内周に形成されている係合部材と、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材の上記第1のリード突条のガタ取り手段とを備えたヘッド移動装置を有し、上記ガタ取り手段は、上記リードスクリューの上記リード溝と係合する第2のリード突条が内周に形成され、上記第1のリード突条及び上記第2のリード突条の上記リードスクリューの上記リード溝との係合状態を調整することにより、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材のガタ取りを行うものである。
また、上記の目的を達成するための本発明のディスク装置のヘッド移動装置は、外周にリード溝がラセン状に形成されて、ヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューと、上記リードスクリューの外周に挿入されてヘッド移動台と連結され、上記リード溝に係合された第1のリード突条が内周に形成されている係合部材と、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材の上記第1のリード突条のガタ取り手段とを備え、上記ガタ取り手段は、上記リードスクリューの上記リード溝と係合する第2のリード突条が内周に形成され、上記第1のリード突条及び上記第2のリード突条の上記リードスクリューの上記リード溝との係合状態を調整することにより、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材のガタ取りを行うものである。
【0006】
上記のように構成された本発明のディスク装置及びそのヘッド移動装置は、ヘッド移動台と連結された係合部材の内周の第1のリード突条をヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューの外周のリード溝に係合させ、ガタ取り手段の内周の第2のリード突条をリードスクリューのリード溝に係合させて、係合部材の第1のリード突条とガタ取り部材の第2のリード突条とのリードスクリューのリード溝に対する係合状態を調整することにより、リードスクリューのリード溝に対する係合部材のガタ取りを行うものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したディスク装置の実施の形態について図を参照して説明する。なお、この実施の形態で説明するディスク装置は、CDやCD−ROM等の光ディスクを記録及び/又は再生するための光ディスク装置を示していて、この光ディスク装置を次の順序で説明する。
(1)・・・ カートリッジと光ディスク装置の概要説明
(2)・・・ シャーシに関する説明
(3)・・・ カートリッジ挿入ガイドに関する説明
(4)・・・ カートリッジ引込み装置に関する説明
(5)・・・ メカデッキ及びディスクローディング装置に関する説明
(6)・・・ カートリッジ位置決め装置に関する説明
(7)・・・ イマージェンシーイジェクト装置に関する説明
(8)・・・ ヘッド移動装置に関する説明
(9)・・・ 2軸ユニバーサルジョイントに関する説明
(10)・・ タンジェンシャルスキュー調整装置に関する説明
(11)・・ リードスクリューの取付け装置に関する説明
(12)・・ スラスト軸受装置に関する説明
【0008】
(1)・・・ カートリッジと光ディスク装置の概要説明
まず、図1によって、カートリッジ1と光ディスク装置10の概要について説明すると、カートリッジ(キャディやカートリッジ等とも称される)1は合成樹脂によって成形されたほぼ方形状で扁平なカートリッジ本体2と、そのカートリッジ本体2の上部にヒンジ3を中心として上下方向に開閉自在に取り付けられた上蓋4とによって構成されている。そして、このカートリッジ1内にディスク状記録媒体に該当するCDやCD−ROM等の光ディスク5が交換可能(上蓋4を開いて光ディスク5を自由に交換することが可能)に収納されている。そして、このカートリッジ1の底部1aであるカートリッジ本体2の中央部から前端1bの中央部にかけて長穴形状の底部開口6が形成されていて、その底部開口6を開閉するスライド式のシャッター7がこのカートリッジ1の前端1bに沿って矢印a1 、a2 方向にスライド自在に取り付けられている。このシャッター7は内蔵されたシャッターバネ(図示せず)によって閉蓋位置まで矢印a2 方向にスライド付勢されている。なお、上蓋4の中央部の内面にはチャッキングプーリ8が取り付けられている。
【0009】
そして、ディスク装置に該当する光ディスク装置10を構成している光ディスク装置本体11は5インチフォームファクター対応の扁平な長方体形状に構成されていて、幅寸法W=約146.0mm、高さ寸法H=約41.4mm、奥行き寸法D=約203.0mmに構成されている。そして、この光ディスク装置本体11のフロントパネル12の上位側に形成された横長のカートリッジ挿入口13からカートリッジ1を矢印b1 、b2 方向からローディング及びイジェクトすることができるように構成されている。なお、フロントパネル12のカートリッジ挿入口13の下部にはイジェクト釦14、イマージェンシーイジェクト操作用穴15、ボリュームつまみ16やイヤーホンジャック17等が設けられている。
【0010】
(2)・・・ シャーシに関する説明
次に、図2〜図11によって、この光ディスク装置10の光ディスク装置本体11を構成しているシャーシに関して説明すると、まず、この光ディスク装置本体11には合成樹脂によって成形された防塵用の樹脂シャーシ20が使用されていて、この樹脂シャーシ20は板厚T1 =約1.4mmにほぼ統一されたほぼ均一な薄肉構造の底面板20aと、左右一対の側面板20b及び背面板20cとによって浅い箱型に構成されていて、前面開口20dと上面開口20eとによって前面と上面の2面が開放されている。そして、板厚T2 =約1.2mmの板金によって形成されたフロントフレーム21と左右一対のサイドフレーム22が複数の止ネジ23によって平面視状態でほぼコ字状で脱着可能に組み立てられていて、これらの底部には板金によって形成されたボトムカバー24が複数の止ネジ25によって水平で脱着可能に組み立てられている。そして、樹脂シャーシ20の上部には板金によって形成されたトップカバー26が複数の止ネジ27によって水平で脱着可能に組み立てられていて、その樹脂シャーシ20の上部が上カバー26によって閉塞されている。なお、ボトムカバー24及びトップカバー26の板厚T3 は約0.8mm以下の薄板に構成されている。
【0011】
ところで、ほぼ均一な薄肉構造の底面板20aと、左右一対の側面板20b及び背面板20cによって薄い箱型に構成された樹脂シャーシ20を合成樹脂によって射出成形すると、特に、スパンの長い左右一対の側面板20bが内側に撓んでしまうような成形歪みが必ず発生する。そこで、トップカバー26の四隅等を4本の止ネジ27によって樹脂シャーシ20の左右一対の側面板20bの上端面にネジ止めすると共に、これら左右一対の側面板20bの上端縁に沿って一体成形した左右一対の撓み防止用リブ28をトップカバー26の左右両側縁26aに左右両側方から当接させることによって、樹脂シャーシ20の左右一対の側面板20bの内側への撓みを矯正して、この樹脂シャーシ20の内部有効寸法(特に、幅寸法)を正確に規定している。なお、トップカバー26の左右両側縁26aから下方に垂直に折り曲げられた左右一対の係止片29が樹脂シャーシ20の左右一対の側面板20bに形成された左右一対の差込み穴30に差し込まれている。そして、前面と上面の2面が解放された樹脂シャーシ20は通常の2つ割り構造の簡単な金型で容易に成形することができる。
【0012】
そして、トップカバー26によって上部が密封された樹脂シャーシ20が左右一対のサイドフレーム22内に上方から挿入されて水平に配置され、この樹脂シャーシ20が左右一対のサイドフレーム22内に4つのインシュレータ31によって弾性的に支持されている。この際、左右一対のサイドフレーム22のそれぞれの前後2箇所の内側に水平に折り曲げられた合計4つのほぼC型形状のインシュレータ取付片32にゴム等の弾性部材で筒形に構成された合計4つのインシュレータ31がその外周に形成された環状溝33によって嵌合され、樹脂シャーシ20の底面板20aの下面に一体成形された合計4つのインシュレータ取付用ボス34をこれらのインシュレータ31の中央に上方から軽圧入し、これらのインシュレータ31に下方から挿入した合計4つのフランジ付止ネジ35をこれらのインシュレータ取付用ボス34に下方から捩じ込んで固定することによって、合計4つのインシュレータ31が左右一対のサイドフレーム22の合計4つのインシュレータ取付片32と樹脂シャーシ20の底面板20aとの間に介在されている。そして、樹脂シャーシ20の外周で、フロントフレーム21及び左右一対のサイドフレーム22との間には耐振用の隙間36が確保されている。
【0013】
そして、合成樹脂によって成形されたフロントパネル12がフロントフレーム21の前面に係止爪(図示せず)によって脱着可能に平行状に取り付けられていて、フロントフレーム21に形成されたカートリッジ挿入用開口38がフロントパネル12のカートリッジ挿入口13の内側に重ねられている。そして、フロントフレーム21の内側に左右一対の支点ピン39を介して前後方向(矢印c、d方向)に回転自在に取り付けられた内蓋40によってカートリッジ挿入口12が内側から開閉されるように構成されている。そして、フロントフレーム21の背面(フロントパネル12とは反対側)で、内蓋38の外周部分に接着された防塵用のスポンジ部材41に樹脂シャーシ20のコ字状の前端面20fが軽圧着されていて、樹脂シャーシ20の内部の防塵性が確保されていてる。
【0014】
この光ディスク装置本体11は以上のように構成されていて、コンピュータ等の内部に取り付けられる際には、左右一対のサイドフレーム22がコンピュータ等のシャーシにネジ止めされて、フロントパネル12がコンピュータ等のフロントパネル外に露呈される状態となる。そして、この光ディスク装置本体11にほぼ均一の薄肉構造に構成された防塵用の樹脂シャーシ20を用いることにより、この光ディスク装置本体11の内部の高い防塵性の確保と、内部有効寸法の拡大を図りながら、この光ディスク装置本体11を5インチフォームファクター対応のコンパクトな外形寸法に構成することができる。そして、この樹脂シャーシ20の上部を閉塞するトップカバー26によって左右一対の側面板20bの内側への撓みが矯正されて、この樹脂シャーシ20の内部有効寸法が正確に規定されている。
【0015】
ところで、樹脂シャーシ20の内部には後述するカートリッジ挿入ガイド、カートリッジ引込み装置、メカデッキ及びその昇降駆動装置、カートリッジ位置決め装置、イマージェンシーイジェクト装置、ヘッド移動装置、タンジェンシャルスキュー調整装置、スラスト軸受装置等の全ての装置が組み込まれるが、この樹脂シャーシ20を左右一対のサイドフレーム22に対して合計4つのインシュレータ31によって弾性的に支持したことによって、高い耐振性を確保することができる。
即ち、樹脂シャーシ20内に上記した全ての装置を組み込むことによって、この樹脂シャーシ20は重量部品になる。そして、この樹脂シャーシ20の重量の増大に比例して慣性力を増大することができるので、後述するヘッド移動装置170等の軽量部品のみをインシュレータ31によって弾性的に支持するものと異なり、外部から振動や衝撃が加えられた際の樹脂シャーシ20の図1に示すX方向、Y方向及びZ方向の3方向の振動を著しく減少させることができて、高耐振性の光ディスク装置10を実現できる。
【0016】
但し、外部から加えられた振動や衝撃によって樹脂シャーシ20がX方向、Y方向及びZ方向の3方向に一定量以上に振動させないようにして、インシュレータ31の破損等を防止するためのストッパーが左右一対のサイドフレーム22に形成されている。
即ち、樹脂シャーシ20のX方向の一定量以上の振動に対しては左右一対のサイドフレーム22自体がストッパーとなる。そして、左右一対のサイドフレーム22の上端縁の前後2箇所に形成された合計4つの切欠き42に樹脂シャーシ20の左右一対の側面板20bの上端縁の前後2箇所の外側に形成された合計4つの突起43が隙間を有して遊嵌されていて、樹脂シャーシ20のX方向やY方向の一定量以上の振動に対しては、これらの突起43を受け止めるこれらの切欠き42がストッパーとなる。そして、左右一対のサイドフレーム22の上端縁から内側に向けてほぼL型に折り曲げられた左右一対のストッパー片44がトップカバー26の上部に隙間を有してオーバーラップされており、かつ、フロントフレーム21にネジ止めされたストッパーネジ45が樹脂シャーシ20の底面板20aの前端の上部に配置されていて、樹脂シャーシ20の特にZ方向の一定量以上の振動に対しては、これらのストッパー片44及びストッパーネジ45が強力なストッパーとなるように構成されている。
【0017】
(3)・・・ カートリッジ挿入ガイドに関する説明
次に、図5、図7、図9、図10及び図14によって、カートリッジ挿入ガイド50に関して説明すると、このカートリッジ挿入ガイド50は板厚が比較的厚い板金によって形成されていて、水平なガイド本体51と、そのガイド本体51の左右両側縁から上方に垂直に折り曲げられた左右一対の平行なガイド片52とによって構成されている。そして、左右一対のガイド片52の前端部(フロントパネル12側)にはほぼコ字状状で、左右対称状に形成された左右一対の入口ガイド53が一体に形成されていて、このカートリッジ挿入ガイド50は高剛性のシャーシ補強用部材にもに構成されている。
【0018】
そして、この高剛性のカートリッジ挿入ガイド50が樹脂シャーシ20内に水平に挿入されて、このカートリッジ挿入ガイド50が樹脂シャーシ20内のカートリッジ挿入口13と同一高さ位置に脱着可能で水平状にネジ止めされている。即ち、このカートリッジ挿入ガイド50の四隅から下方にほぼZ形に折り曲げられた4つの取付片54が樹脂シャーシ20の底面板20a及び左右両側面板20bの内側コーナー部分に一体成形されている合計4つの取付台55上に合計4つの止ネジ56によって脱着可能にネジ止めされている。
従って、板金製で、高剛性のカートリッジ挿入ガイド50がほぼ均一な薄肉構造の樹脂シャーシ20の補強部材に兼用されていて、樹脂シャーシ20の平面強度や捩り剛性等の剛性を確保することができる。つまり、ディスク装置本体11に樹脂シャーシ20を用いることにより、ディスク装置本体11の内部の防塵性を確保し、その樹脂シャーシ20をほぼ均一な薄肉構造に構成することによって、ディスク装置本体11の外形寸法を小さく構成しながら、その樹脂シャーシ20の内部有効寸法を拡大する。そして、樹脂シャーシ20をほぼ均一な薄肉構造に構成したことによるこの樹脂シャーシ20の剛性の低下を板金製で高剛性のカートリッジ挿入ガイド50によって補強して、その樹脂シャーシ20の剛性をも確保し、その樹脂シャーシ20内に組み込まれる全ての装置が高精度に動作できる高精度の光ディスク装置10を実現できるようにしたものである。
【0019】
なお、このカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51の後端(フロントパネル12側とは反対側)の一側部にはイジェクトレバー兼用のシャッター開閉レバー57が支点ピン58を中心に前後方向である矢印c1 、c2 方向に回転自在に取り付けられている。そして、このシャッター開閉レバー57の先端にはシャッター開閉用のコロ59が回転自在に取り付けられていて、このシャッター開閉レバー57は支点ピン58の周りに取り付けられた捩りコイルバネからなる回転付勢手段であるイジェクト用バネ60によって矢印c2 方向に回転付勢されて、ストッパー62に当接して停止される。また、このガイド本体51のほぼ中央部には後述するディスクテーブル及び光学ピックアップの挿入用の開口61が形成されている。
【0020】
(4)・・・ カートリッジ引込み装置に関する説明
次に、図5、図7、図8、図12及び図13によって、カートリッジ引込み装置65に関して説明すると、このカートリッジ引込み装置65はカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51上における後端側で、シャッター開閉レバー57とは反対側の側部に搭載されている。そして、このカートリッジ引込み装置65は、カートリッジ1の前端1b側の左右両側部に形成されている引込み用凹部66に係合されるフック67を有し、そのフック67を駆動するスライダー68、回転レバー69及びカートリッジ引込み用モータ70等を備えている。
【0021】
この際、まず、合成樹脂によって成形されたスライダー68がガイド本体51上に取り付けられた複数のガイドピン71aにガイド溝71bによって係合されていて、このスライダー68はガイド本体51上で矢印b1、b2 方向にスライド自在に構成されている。そして、ガイド本体51上にはカートリッジ引込み用モータ70によって駆動されるウォーム72とウォームホイール73とからなるウォームギア74を備えたギアトレイン75と、そのギアトレイン75の出力端のピニオン76が取り付けられていて、そのピニオン76に噛合されたラック77がスライダー68の一側縁に形成されている。
【0022】
一方、回転レバー69はガイド本体51上に取り付けられた支点ピン78を中心に矢印d1 、d2 方向に回転自在に取り付けられていて、ガイド本体51上のバネ係止部79との間に架け渡された引張りコイルバネからなる回転付勢手段であるイジェクト用バネ80によって矢印d2 方向に回転付勢されている。そして、スライダー68上には一体成形された連動用突起81がこの回転レバー69の先端側に形成された連動用穴82内に遊嵌されている。そして、この回転レバー69の先端に支点ピン83を介して連動リンク84が回転自在に取り付けられていて、合成樹脂によって成形されたフック67がその連動リンク84の先端に支点ピン85を介して回転自在に取り付けられている。そして、そのフック67の支点ピン85の下端がガイド本体51に形成されたガイド溝86に沿って矢印b1 、b2 方向にスライド自在に遊嵌されていて、このフック67は支点ピン85を中心に左右両側方である矢印e1 、e2 方向に回転自在であると共に、矢印b1 、b2 方向にスライド自在に構成されている。そして、このフック67と連動リンク84との間に架け渡された引張りコイルバネからなる回転付勢手段であるフック用バネ87によってフック67が支点ピン85を中心に矢印e2 方向に回転付勢されている。
【0023】
このカートリッジ引込み装置65は以上のように構成されていて、カートリッジ挿入ガイド50内へのカートリッジ1の挿入及び引込み動作をシャッター開閉動作と合せて説明すると、まず、カートリッジ1の挿入開始前の状態では、シャッター開閉レバー57が図5に実線で示す位置までイジェクト用バネ60によって矢印c2 方向に回転復帰されている。また、図5に実線で示すと共に、図12に示すように、スライダー68及び回転レバー69がそれぞれ矢印b2 、d2 方向にスライド及び回転復帰されていて、フック67が矢印b2 方向にスライド復帰されている。
【0024】
そこで、図1及び図3に示すように、カートリッジ1のローディング時には、そのカートリッジ1を前端1b側からカートリッジ挿入口13内に矢印b1 方向に水平に挿入して、そのカートリッジ1で内蓋40を内側へ押し開きながら、そのカートリッジ1を図5及び図9に1点鎖線で示されるように、カートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51上で左右一対のガイド片52間に矢印b1 方向から水平に挿入する。そして、カートリッジ1がカートリッジ挿入ガイド50内に図5に点線で示す位置P11まで矢印b1 方向から挿入された時に、その前端1bがシャッター開閉レバー57の先端のコロ59に当接し、以後、そのカートリッジ1によってシャッター開閉レバー57が押されて支点ピン58を中心にイジェクト用バネ60に抗して矢印c1 方向に回転される。
【0025】
そして、カートリッジ1がカートリッジ挿入ガイド50内の図5に2点鎖線で示す引込み開始位置P12まで矢印b1 方向に挿入された時に、図12に1点鎖線で示すようにフック67の先端67aがその斜面67bによってカートリッジ1の一方の側面1cに相対的に乗り上げる。この時、フック67は一度支点ピン85を中心にフック用バネ87に抗して矢印e1 方向に逃げた後に、そのフック用バネ87によって矢印e2 方向に回転復帰されて、その先端67aがカートリッジ1の一方の側面1cに形成されている引込み用凹部66に係合される。
【0026】
そして、このフック67の係合後に、カートリッジ1を矢印b1 方向に少し押すと、フック67及び連動リンク84を介して回転レバー69が支点ピン78を中心に矢印d1 方向に少し回転され、その回転動作によってガイド本体51上に取り付けられているカートリッジインスイッチSW1 がONされる。すると、図12に示すように、カートリッジ引込み用モータ70が正回転駆動されて、ウォームギア74を有するギアトレイン75を介してピニオン76が矢印f1 方向に正回転駆動され、ラック77を介してスライダー68が矢印b1 方向にスライド駆動される。そして、スライダー68が駆動用突起81によって回転レバー69を矢印d1 方向にイジェクト用バネ80に抗して回転駆動して、連動リンク84を介してフック67が矢印b1 方向に引き込まれる。
【0027】
即ち、カートリッジインスイッチSW1 がONされた後のカートリッジ引込み用モータ70の正回転駆動によって、フック67が図5及び図12に実線で示す引込み開始位置P12から、図5に1点鎖線で示すと共に、図13に実線で示す引込み終了位置P13までガイド溝86に沿って矢印b1 方向に自動的に引き込まれて、そのフック67によって引込み用凹部66が引っ張られて、カートリッジ1が上記引込み開始位置P12から引込み終了位置P13まで矢印b1 方向に自動的に引き込まれる。そして、このカートリッジ1の矢印b1 方向への引込み動作に伴って、シャッター開閉レバー57が図5に1点鎖線で示すシャッター開蓋位置まで支点ピン58を中心にイジェクト用バネ60に抗して矢印c1 方向に回転されて、その先端のコロ59がカートリッジ1の前端1bに沿ってシャッター7を相対的に矢印a1 方向に押し、このシャッター7が自動的に開蓋されて、カートリッジ1の底部開口6が開放される。
【0028】
そして、図13に示すように、カートリッジ1が引込み終了位置P13まで矢印b1 方向に引き込まれた時に、そのカートリッジ1の前端1bが回転レバー69に形成されているカートリッジストッパー88に当接されて停止されると同時に、スライダー68のラック77とは反対側の側面に一体成形されているカム89によってカートリッジ本体51上に取り付けられているカートリッジイン完了スイッチSW2 がONされて、カートリッジ引込み用モータ70が停止され、ギアトレイン75中のウォームギア74による逆回転防止機能によってフック67が引込み終了位置P13にそのままロックされる。
【0029】
次に、後述する光ディスク5の記録及び/又は再生後におけるカートリッジ1のイジェクト時には、図13に示す状態で、カートリッジ引込み用モータ70が逆回転駆動されて、ローディング時の逆動作で、矢印f2 方向に逆回転駆動されるピニオン76によってスライダー68が矢印b2 方向にスライド駆動され、回転レバー69が支点ピン78を中心にイジェクト用バネ80によって矢印d2 方向に回転駆動されて、フック67が図13に示す引込み終了位置P13から図12に示す引込み開始位置P12まで矢印b2 方向にガイド溝86に沿って自動的に押し出される。そして、そのフック67に形成されているカートリッジ押圧部67cによってカートリッジ1の前端1bが押されて、このカートリッジ1が上記引込み終了位置P13から引込み開始位置P12まで矢印b1 方向に自動的に押し出される。なお、この際、シャッター開閉レバー57も支点ピン58を中心にイジェクト用バネ60によって図5に1点鎖線で示すシャッター開蓋位置から矢印c2 方向に回転駆動されるので、カートリッジ1は2本のイジェクト用バネ80、60のバネ力によって矢印b1 方向に押し出されることになる。そして、このシャッター開閉レバー57の矢印c2 方向への回転に伴ってカートリッジ1のシャッター7が内蔵バネによって矢印a2 方向に自動的に閉蓋される。
【0030】
そして、カートリッジ1が図5に2点鎖線で示すと共に、図12に1点鎖線で示す引込み開始位置P12まで矢印b2 方向に押し出された時に、回転レバー69によってカートリッジインスイッチSW1 がOFFされてカートリッジ引込み用モータ70が停止される。そして、この時点で、カートリッジ1の後端1dがカートリッジ挿入口13の外部へ一定量だけ矢印b2 方向に突出されるので、この後、その後端1dをカートリッジ挿入口13の外部からつまんでカートリッジ1を光ディスク装置10の外部へ矢印b2 方向に引き抜くと、フック67が図12に示す状態から支点ピン85を中心にフック用バネ87に抗して矢印e1 方向に回転して逃げるので、カートリッジ1を矢印b2 方向に容易に引き抜くことができる。そして、そのカートリッジ1の引き抜きに伴って、シャッター開閉レバー57が最終的に図5に実線で示すシャッター閉蓋位置までイジェクト用バネ60によって回転されて、シャッター7を矢印a2 方向の閉蓋位置まで閉蓋した状態で、カートリッジ1を光ディスク装置10外へ引き抜くことができる。
【0031】
(5)・・・ メカデッキ及びディスクローディング装置に関する説明
次に、図6、図7、図8、図9、図15、図26、図29〜図32によって、メカデッキ91と、ディスクローディング装置100に関して説明すると、まず、板金等によって形成されたメカデッキ91が樹脂シャーシ20の内部で、カートリッジ挿入ガイド50の下部に配置されている。そして、このメカデッキ91の後端91aの左右両側に同一中心状で水平に取り付けられた左右一対の支点ピン92が樹脂シャーシ20の後端側の左右一対の側面板20bの内側に一体成形されている左右一対の取付台93上に左右一対の支点ピン押え板93及び止ネジ94によって脱着可能にネジ止めされている。従って、。このメカデッキ91が樹脂シャーシ20の内部で、その左右一対の支点ピン92を中心に上下方向である矢印g1 、g2 方向に回転運動によって昇降自在に取り付けられている。そして、このメカデッキ91の上部で、その前端91b側に偏位された位置にスピンドルモータ95が搭載されていて、そのスピンドルモータ95の上部にはスピンドル96と一体のディスクテーブル97が配置されている。そして、このメカデッキ91の上部で、スピンドルモータ95より後方側(矢印b1 方向側)には後述するヘッド移動装置170が搭載されていて、スピンドルモータ95はこのメカデッキ91のスピンドル及びヘッドセンターP1 上に配置されている。
【0032】
そして、ディスクローディング装置100はメカデッキ91を図7に示す下降位置から図8に示す上昇位置まで上昇駆動することによってカートリッジ1内の光ディスク5をディスクテーブル97上に相対的にローディング(装着すること)するようにしたメカデッキ昇降駆動機構に相当するものであり、樹脂シャーシ20の底面板20a上で、メカデッキ91より前側の位置(フロントパネル12側の位置)に搭載されている。そして、このディスクローディング装置100は、合成樹脂によって成形されたスライドカム101を有していて、このスライドカム101が樹脂シャーシ20の底面板20a上に一体成形された複数のガイドピン102に複数のガイド溝103によって遊嵌されていて、このスライドカム101はその底面板20a上でカートリッジ挿入方向(矢印b1 方向)に対して直角な方向である矢印h1 、h2 方向にスライド自在に取り付けられている。そして、このスライドカム101の背面側(矢印b1 方向側)に左右一対のカム溝104が上下方向に平行状に傾斜された状態に形成されていて、メカデッキ91の前端91b側に取り付けられた左右一対のカム従動ピン105がこれら左右一対のカム溝104内にスライド自在に遊嵌されている。
【0033】
そして、このスライドカム101より前方側(矢印b2 方向側)で樹脂シャーシ20の底面板20a上にディスクローディング用モータ106と、そのローディング用モータ106によって駆動されるウォーム107及びウォームホイール108からなるウォームギア109を備えたギアトレイン110と、そのギアトレイン110の出力端であるピニオン111が搭載されていて、スライドカム101の前面側(矢印b2 方向側)に一体成形されたラック112がそのピニオン111に噛合されている。
【0034】
このディスクローディング装置100は以上のように構成されていて、アンローディング状態では、スライドカム101が図32に示すアンローディング位置P21まで矢印g2 方向にスライドされていて、メカデッキ91の左右一対のカム従動ピン105が左右一対のカム溝104の下端104aまで矢印g2 方向に平行状に下降されたことによって、メカデッキ91が図7に示すように左右一対の支点ピン92を中心に矢印g2 方向に下降されている。そして、このメカデッキ91上に搭載されているスピンドルモータ95のディスクテーブル97がカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51より下方位置まで下降されている。
【0035】
そして、このアンローディング状態で、図8に示すように、カートリッジ1が前述した要領でカートリッジ挿入口12からカートリッジ挿入ガイド50内に矢印b1 方向から水平に挿入され、かつ、カートリッジ引込み装置65によってカートリッジ1が図5に1点鎖線で示す引込み終了位置P13まで自動的に引き込まれてロックされる。
【0036】
そして、前述したように、カートリッジイン完了スイッチSW2 がONされると、図26に示すように、ディスクローディング用モータ106が正回転駆動されて、ウォームギア109を有するギアトレイン110を介してピニオン76が矢印i1 方向に正回転駆動され、ラック112を介してスライドカム101が図32に示すアンローディング位置P21からローディング位置P22まで矢印h1 方向にスライド駆動される。すると、左右一対のカム溝104によってメカデッキ91の左右一対のカム従動ピン105がこれらのカム溝104の下端104aから上端104bまで矢印g1 方向に上昇駆動されて、図6に示すように、樹脂シャーシ20の底面20a上に取り付けられているローディングスイッチSW11がスライドカム101の突起113によってONされて、ディスクローディング用モータ106が停止される。そして、ギアトレイン110中のウォームギア109による逆回転防止機能によって左右一対のカム従動ピン105が矢印g1 方向の上昇位置にそのままロックされる。
【0037】
そして、スライドカム101によって左右一対のカム従動ピン105が矢印g1 方向に上昇駆動されたことによって、メカデッキ91が左右一対の支点ピン92を中心に図7に示す下降位置から図8に示す上昇位置まで矢印g1 方向に回転運動によって上昇されて、図8に示す上昇位置で水平状態にロックされる。そして、その上昇駆動されたメカデッキ91に搭載されているスピンドルモータ95のディスクテーブル97がカートリッジ挿入ガイド50の開口61及びカートリッジ1の底部開口6を通してカートリッジ1内に挿入されて垂直状態となり、カートリッジ1内の光ディスク5がチャッキングプーリ8によってそのディスクテーブル97上に水平にチャッキングされる。そして、後述するように、スピンドルモータ95によって光ディスク5がカートリッジ1内で回転駆動されて、その光ディスク5の記録及び/又は再生が行われる。
【0038】
そして、この光ディスク5の記録及び/又は再生後のアンローディング時には、図26の状態で、ディスクローディング用モータ106が逆回転駆動されて、ローディング時の逆動作で、矢印i2 方向に逆回転駆動されるピニオン111によってスライドカム101が図32に示すローディング位置P22からアンローディング位置P21まで矢印h2 方向にスライド復帰されて、左右一対のカム従動ピン105が左右一対のカム溝104の上端104bから下端104aまで矢印g2 方向に下降される。そして、メカデッキ91が左右一対の支点ピン92を中心にして図8に示す上昇位置から図7に示す下降位置まで回転運動によって矢印g2 方向に下降されて、スピンドルモータ95のディスクテーブル97がカートリッジ1内の光ディスク5から矢印g2 方向に離脱されてカートリッジ1の下方位置まで矢印g2 方向に引き下げられる。従って、この後、前述したようにカートリッジ引込み装置65によるカートリッジ1の矢印b2 方向への押し出し動作が可能となる。
【0039】
(6)・・・カートリッジ位置決め装置に関する説明
次に、図14〜図25によって、カートリッジ位置決め装置117に関して説明すると、このカートリッジ位置決め装置117は前述したディスクローディング装置100によってカートリッジ1内の光ディスク5をディスクテーブル97上に水平にローディングする際に、カートリッジ1をメカデッキ91上のカートリッジ位置決めピンである左右一対の基準ピン118と高さ規制ピン119上に水平に装着して位置決めするようにしたものである。
【0040】
即ち、メカデッキ91の前端91bの左右両側位置に左右一対の高さ規制台120が一体に形成されていて、これら左右一対の高さ規制台120の上部に左右一対の基準ピン118が垂直状に取り付けられている。そして、メカデッキ91上で、スピンドルモータ95のセンターP31を中心として左右一対の基準ピン118に対する対称位置に左右一対の高さ規制ピン119が垂直状に取り付けられている。
【0041】
そして、板金によって形成された水平板状のカートリッジ押え部材121がカートリッジ挿入ガイド50の左右一対のガイド片52の上部間に水平に配置されていて、このカートリッジ押え部材121の左右両端縁には合計6つのカートリッジ押え用凸部122がこのカートリッジ押え部材121より下方に突出され状態に打ち出し加工されている。そして、このカートリッジ押え部材121の左右両端縁から下方に垂直に折り曲げられた左右一対の側面板121aがカートリッジ挿入ガイド50の左右一対のガイド片52の左右両側に上方から挿入されていて、これら左右一対の側面板121aの両側の前後両端には合計4つのカム従動ピン123が水平状に取り付けられている。そして、カートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51の下部にスライド板124が複数のガイドピン125及びガイド溝126を介して前後方向である矢印b1 、b2 方向にスライド自在に取り付けられていて、このスライド板124の左右両端縁から上方に垂直に折り曲げられた左右一対の側面板124aがカートリッジ押え部材121の左右一対の側面板121aの両側に下方から挿入されている。そして、これら左右一対の側面板124aの前後両端に合計4つのカム溝127が上下方向に平行状に傾斜された状態に形成されていて、カートリッジ押え部材121の左右両側の合計4つのカム従動ピン123がこれら合計4つのカム溝127内にスライド自在に遊嵌されている。そして、ガイド本体51の左右一対のガイド片52の左右両側面に形成された左右一対のガイドピン132にカートリッジ押え部材121の左右両側板121aに形成された垂直ガイド溝133が上下方向にスライド自在に係合されていて、カートリッジ押え部材121がガイド本体51に対して上下方向である矢印g1 、g2 方向に昇降自在に取り付けられている。
【0042】
以上により、カム従動ピン123とカム溝127によってカートリッジ押え部材121をカートリッジ挿入ガイド50に対して上下方向である矢印g1 、g2 方向に平行運動によって昇降駆動するカートリッジ押え部材駆動機構134が構成されている。そして、カートリッジ挿入ガイド50とスライド板124の左右一対の側面板124aとの間に架け渡された引張りコイルバネからなるスライド付勢手段である左右一対の位置決め用バネ128がカートリッジ挿入ガイド50の左右両側部にカートリッジ1の挿入方向(矢印b1 、b2 方向)と平行状に配置されていて、これら左右一対の位置決め用バネ128によってスライド板124がカートリッジ挿入ガイド51に対して後方側である矢印b1 方向にスライド付勢されている。そして、スライド板124の前端側の中央部の下部にカム従動ピン129が垂直状に取り付けられていて、このカム従動ピン129がディスクローディング装置100のスライドカム101の前方側である矢印b2 方向側の位置に上方から挿入されている。そして、このスライドカム101の前方側の側面にはカム従動ピン129を前後方向である矢印b1 、b2 方向に駆動するカム130が一体成形されている。
【0043】
このカートリッジ位置決め装置117は以上のように構成されていて、アンローディング状態では、ディスクローディング用モータ106によって図22に示すようにスライドカム101がアンローディング位置P21まで矢印h2 方向にスライドされていることによって、カム130によってスライド板124のカム従動ピン129が矢印b2 方向に押し出されて、図22及び図16に示すように、スライド板124が左右一対の位置決め用バネ128に抗してアンローディング位置P41まで矢印b2 方向にスライドされている。そして、スライド板124の合計4つのカム溝127によってカートリッジ押え部材121の合計4つのカム従動ピン123が上方である矢印g1 方向に平行状に押し上げられて、カートリッジ押え部材121がカートリッジ挿入ガイド50の上方位置まで矢印g1 方向に平行運動によって上昇されている。
【0044】
従って、このアンローディング状態では、図18及び図20に示すように、カートリッジ押え部材121の合計6つのカートリッジ押え用凸部122がカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51に対してカートリッジ1の厚さT11以上の高さH11位置まで矢印g1 方向に上昇されていて、図8に示すように、カートリッジ1が前述した要領でカートリッジ挿入口12からカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51上に矢印b1 方向から水平に挿入され、かつ、カートリッジ引込み装置65によってカートリッジ1が図5に1点鎖線で示す引込み終了位置P13まで自動的に引き込まれてロックされる際に、図18及び図20に示すように、カートリッジ1をカートリッジ押え部材121の合計6つのカートリッジ押え用凸部122に干渉させることなく、スムーズに挿入及び引き込むことができる。
【0045】
そして、前述したように、カートリッジイン完了スイッチSW2 がONされて、ディスクローディング装置100のディスクローディング用モータ106が正回転駆動され、図30に示すように、スライドカム101がアンローディング位置P21からローディング位置P22まで矢印h1 方向にスライド駆動されて、メカデッキ91が図7に示す下降位置から図8に示す上昇位置まで矢印g1 方向に上昇されると、図19及び図21に示すように、左右一対の基準ピン118がカートリッジ1のカートリッジ本体2の底部1aに形成されている左右一対の位置決め穴131内に下方から矢印g1 方向に挿入されると共に、左右一対の高さ規制台120と高さ規制ピン119によってカートリッジ1がガイド本体51から上方に少し平行状に押し上げられる。
【0046】
そして、図23に示すように、スライドカム101がアンローディング位置P21からローディング位置P22まで矢印h1 方向にスライド駆動されたことによって、カム130がスライド板124のカム従動ピン129から矢印h1 方向に外れる。すると、図23及び図17に示すように、左右一対の位置決め用バネ128によってスライド板124がカートリッジ挿入ガイド50に対してアンローディング位置P41からローディング位置P42まで矢印b1 方向にスライド駆動されて、スライド板124の合計4つのカム溝127によってカートリッジ押え部材121の合計4つのカム従動ピン123が下方である矢印g2 方向に平行状に押し下げられる。
即ち、左右一対の位置決め用バネ128によって、カートリッジ押え部材121が図16に示す上昇位置から図17に示す下降位置まで平行運動によって矢印g2 方向に引き下げられて、このカートリッジ押え部材121の合計6つのカートリッジ押え用凸部122がカートリッジ1の上部1eで、左右両側1cのコーナー部分の合計6箇所に矢印g2 方向から当接されて、カートリッジ1が矢印g2 方向に平行状に押し下げられる。そして、このカートリッジ1の底部1aがメカデッキ91の左右一対の高さ規制台120と高さ規制ピン119の上部に左右一対の位置決め用バネ128のバネ力によって矢印g2 方向から平行状に圧着されて高精度に位置決めされる。この際、左右一対の位置決め用バネ128をカートリッジ挿入ガイド50の左右両側部にカートリッジ挿入方向と平行状に配置したので、光ディスク装置10の薄型化を図りながら、その位置決め用バネ128の有効ストロークを十分に大きくとることができて、カートリッジ1の位置決めのためのバネ力を有効に発揮できる。
【0047】
そして、光ディスク5の記録及び/又は再生後のアンローディング時には、ローディング時の逆動作で、ディスクローディング装置100のスライドカム101が図30に示すローディング位置P22からアンローディング位置P21まで矢印h2 方向にスライド復帰されることによって、前述したようにメカデッキ91が図8に示す上昇位置から図7に示す下降位置まで矢印g2 方向に下降されることによって、左右一対の基準ピン118がカートリッジ1より下方である矢印g2 方向に抜き取られると共に、スライドカム101のカム130によってスライド板124が再び左右一対の位置決め用バネ128に抗して図17に示すローディング位置P42から図16に示すアンローディング位置P41まで矢印b2 方向にスライド復帰され、カートリッジ押え部材121が図19及び図21に示す下降位置から図18及び図20に示す上昇位置まで矢印g1 方向に平行運動によって上昇復帰される。
【0048】
(7)・・・ イマージェンシーイジェクト装置に関する説明
次に、図26〜図35によって、イマージェンシーイジェクト装置135に関して説明すると、このイマージェンシーイジェクト装置135は、前述したカートリッジ1のローディング状態及び後述する光ディスク5の記録及び/又は再生途中で、停電等によって電源が不意に切断されてしまったような緊急時に、カートリッジ1を光ディスク装置10内から手動操作によってイジェクト(取り出すこと)するための装置である。
【0049】
そして、このイマージェンシーイジェクト装置135には、前述したカートリッジ引込み装置65におけるカートリッジ引込み用モータ70及びディスクローディング装置100におけるローディング用モータ106のそれぞれの駆動経路途中に設けられた2つのクラッチ136、137と、これら2つのクラッチ136、137を共に伝動状態から非伝動状態に切り換えるためのイマージェンシーイジェクト操作手段であるイマージェンシーイジェクト操作扞148と、2つのクラッチ136、137が共に非伝動状態に切り換えられた時に、カートリッジ1をカートリッジ挿入ガイド50からカートリッジ挿入口13外へイジェクトするイジェクト手段を備えている。
【0050】
そして、2つのクラッチ136、137はカートリッジ引込み用モータ70及びディスクローディング用モータ106のそれぞれの駆動経路を構成しているギアトレイン75、110の中に配置されているクラッチギア138、139を、これらのクラッチギア138、139に対する入力側ギア及び/又は出力側ギアに対して切り入れする構造が採用されている。そして、ここでは一方のクラッチ136のクラッチギア138は中間ギアに構成されていて、ギアトレイン75中の出力側に配置されている他の中間ギア140に対して切り入れするように構成され、他方のクラッチ137のクラッチギア139はギアトレイン110の出力端のピニオン111をラック112に対して切り入れするように構成されている(以下、ピニオン111をクラッチギア139と記載する。)。そして、これらのクラッチギア138、139はこれらの支軸141、142に沿って上下方向であるj1 、j2 方向に昇降自在に構成されていて、これらの支軸141、142の外周に取り付けられた圧縮コイルバネからなる付勢手段であるクラッチバネ143、144によって、これらのクラッチギア138、139を中間ギア140及びラック112に対する噛合位置側である下方位置へ下降付勢させている。なお、2本の支軸141、142はそれぞれのギアトレイン75、110が取り付けられているカートリッジ挿入ガイド50及び樹脂シャーシ20と、これらの上部に平行状に取り付けられているギアトレイン支持板145、146との間に垂直状に両端支持されている。
【0051】
そして、イマージェンシーイジェクト操作扞148は板金にて構成されていて、このイマージェンシーイジェクト操作扞148はカートリッジ挿入ガイド50のガイド本体51のギアトレイン75側の下部に沿って複数のガイドピン149とガイド溝150を介して前後方向である矢印b1 、b2 方向にスライド自在に取り付けられたスライド部材に構成されている。そして、このイマージェンシーイジェクト操作扞148はガイド本体51との間に架け渡された引張りコイルバネからなるスライド付勢手段である操作扞用バネ151によって前方である矢印b2 方向にスライド付勢されている。そして、一方のクラッチ136のクラッチギア138の下端にはガイド本体51に形成された挿通穴152内に挿通されていて、そのクラッチギア138と一緒に支軸141に沿って矢印j1 、j2 方向に昇降されるカム手段である合成樹脂製のクラッチカム153が取り付けられていて、このクラッチカム153はボス153aによって支軸141の外周に矢印j1 、j2 方向に昇降自在に取り付けられ、そのボス153aの外周にクラッチギア138が回転自在に取り付けられている。そして、このクラッチカム153を操作する操作部154がイマージェンシーイジェクト操作扞148の後端に形成されている。
【0052】
そして、イマージェンシーイジェクト操作扞148の前端には他方のクラッチ137のクラッチギア139を操作するための合成樹脂製の操作部155が固着されている。そして、この操作部155の下部で、樹脂シャーシ20の底面板20a上には合成樹脂製の操作用変換レバー156が支点ピン157を介して矢印k1 、k2 方向に回転自在に取り付けられていて、この操作用変換レバー156は底面板20aに一体成形されたバネ係止部166との間に架け渡された引張りコイルバネからなる回転付勢手段である変換レバー用バネ158によって矢印k2 方向に回転付勢されて、底面板20aの上に一体成形されたストッパー159に当接されて停止されている。そして、他方のクラッチ137のクラッチギア139の下端には、そのクラッチギア139と一緒に支軸142に沿って矢印j1 、j2 方向に昇降されるカム手段である合成樹脂製のクラッチカム160が取り付けられていて、このクラッチカム160はボス160aによって支軸142に沿って矢印j1 、j2 方向に昇降自在に取り付けられ、そのボス160aの外周にクラッチギア139が回転自在に取り付けられている。そして、操作用変換レバー156はイマージェンシーイジェクト操作扞148の他方の操作部155によって操作される操作部161と、クラッチカム160を操作する操作部162と、前述したスライドカム101を操作する操作部163とが一体成形されている。そして、イマージェンシーイジェクト操作扞148の前端の操作部155の前端面には円錐台形状凹部164が成形されていて、その円錐台形状凹部164が光ディスク装置10のフロントパネル12に形成されているイマージェンシーイジェクト操作用穴15の真後ろに対向されて配置されている。
【0053】
このイマージェンシーイジェクト装置135は以上のように構成されていて、通常状態では、図33に示すように、イマージェンシーイジェクト操作扞148が操作扞用バネ151によって矢印b2 方向にスライド復帰されて、図27に示すように、その一方の操作部154が一方のクラッチ136におけるクラッチギア138のクラッチカム153から矢印b2 方向に離間されている。従って、クラッチギア138がクラッチバネ143によって中間ギア140と噛合する下降位置まで矢印j2 方向に下降されていて、この一方のクラッチ136がON状態(伝動状態を言う)となっている、また、図33に示すように、イマージェンシーイジェクト操作扞148が矢印b2 方向にスライド復帰されていることによって、操作用変換レバー156が変換レバー用バネ158によって矢印k2 方向に回転復帰されてストッパー159に当接されていて、図31に示すように、その操作部162が他方のクラッチ137におけるクラッチギア139のクラッチカム160から矢印k2 方向に離間されている。従って、クラッチギア139がクラッチバネ144によってラック112と噛合する下降位置まで矢印j2 方向に下降されていて、この他方のクラッチ136もON状態(伝動状態を言う)となっている。また、図33に示すように、操作用変換レバー156が矢印k2 方向に回転復帰されていることによって、その操作部163がスライドカム101と干渉しない位置まで矢印k2 方向に逃がされている。
【0054】
次に、イマージェンシーイジェクト操作時には、図34及び図35に示すように、光ディスク装置10のフロントパネル12の外部からイマージェンシーイジェクト操作用穴15に針金等のイマージェンシーイジェクト操作棒165を矢印b1 方向に挿入して、その先端をイマージェンシーイジェクト操作扞148の前端面の円錐台形状凹部164内に突っ込んで、そのイマージェンシーイジェクト操作扞148を操作扞用バネ151に抗して図35に示すクラッチOFF位置まで、矢印b1 方向にスライド操作する。すると、図28に示すように、イマージェンシーイジェクト操作扞148の後端の操作部154が一方のクラッチ136におけるクラッチカム153に矢印b1 方向から押圧されて、そのクラッチカム153自らのカム作用(すべり案内作用)によって、このクラッチカム153が支軸141に沿ってクラッチバネ143に抗して上方である矢印j1 方向に押し上げられる。そして、そのクラッチカム153と一緒にクラッチギア138が中間ギア140から離脱された上昇位置まで矢印j1 方向に押し上げられて、この一方のクラッチ136がOFF状態(非伝動状態を言う)に切り換えられる。
【0055】
また、この時、図34及び図35に示すように、イマージェンシーイジェクト操作扞148の前端の操作部151が操作用変換レバー156の操作部161を矢印b1 方向に押して、この操作用変換レバー156を支点ピン157を中心に変換レバー用バネ158に抗して矢印k1 方向に回転操作する。すると、この操作用変換レバー156が図35に示すクラッチOFF位置まで矢印k1 方向に回転操作されて、図32に示すように、その操作用変換レバー156の操作部162が他方のクラッチ137におけるクラッチカム160に矢印k1 方向から押圧されて、そのクラッチカム160自らのカム作用(すべり案内作用)によってこのクラッチカム160が支軸142に沿ってクラッチバネ144に抗して上方である矢印j1 方向に押し上げられる。そして、このクラッチカム160と一緒にクラッチギア139がラック112から離脱された上昇位置まで矢印j1 方向に押し上げられて、この他方のクラッチ137もOFF状態(非伝動状態)に切り換えられる。
【0056】
しかも、この時、図34及び図35に示すように、操作用変換レバー156のもう1つの操作部163がスライドカム101の一端に矢印k1 方向から当接して、このスライドカム101を図30に示すローディング位置P22からアンローディング位置P21まで矢印k2 方向にスライド駆動する。すると、前述したように、メカデッキ91が図8に示す上昇位置から図7に示す下降位置まで矢印g2 方向に下降駆動されて、スピンドルモータ95のディスクテーブル97及び左右一対の基準ピン118がカートリッジ1から下方に引き下げられて、カートリッジ1のイジェクトが可能な状態になる。
【0057】
そして、カートリッジ1のイジェクト手段に兼用されているシャッター開閉レバー57のイジェクト用バネ60及びカートリッジ引込み装置65のイジェクト用バネ80のバネ力によってカートリッジ1が図5に示す引込み終了位置P13から引込み開始位置P12まで矢印b2 方向に自動的に押し出されるので、カートリッジ挿入口12外でそのカートリッジ1の後端1dをつまんで、カートリッジ1を光ディスク装置10外に抜き取ることができる。なお、この時には、図5、図12及び図13に示すように、イジェクト用バネ60によって矢印c2 方向に回転復帰されるシャッター開閉レバー57によってカートリッジ1の前端1bを矢印b2 方向に押すと同時に、イジェクト用バネ80によって矢印d2 方向に回転復帰される回転レバー69の連動用穴82によって連動用突起81を介してスライダー68を矢印b2 方向にスライド復帰させるようにして、フック67でもカートリッジ1の前端1bを矢印b2 方向に押すようにして、カートリッジ1を矢印b2 方向に押し出すことになる。
【0058】
(8)・・・ ヘッド移動装置に関する説明
次に、図6、図36〜図42によって、ヘッド移動装置170に関して説明すると、図6に示すように、メカデッキ91におけるスピンドルモータ95の搭載位置より後方側(矢印b1 方向側)にスピンドル及びヘッドセンターP1 に沿った比較的大きな開口171が形成されていて、その開口171の下部に図36に示す板金によって形成されたスキュー調整台172が水平に配置されている。そして、このスキュー調整台172はメカデッキ91の下部にスピンドル及びヘッドセンターP1 に対して直角で水平なスキュー調整軸P2 上に配置された左右一対の水平な支点ピン173を中心として上下方向である矢印m1 、m2 方向に回転自在に取り付けられていて、メカデッキ91の後端91aの上部にはこのスキュー調整台172を矢印m1 、m2 方向に回転調整するためのスキュー調整用モータ174を備えたスキュー調整装置175が搭載されている。
【0059】
そして、図36〜図42に示すように、スキュー調整台172にもスピンドル及びヘッドセンターP1 に沿った比較的大きな開口186が形成されていて、スピンドル及びヘッドセンターP1 と平行ないわゆる主軸に相当するガイド軸177とリードスクリュー178が開口176の左右両側位置でスキュー調整台172上に脱着可能に取り付けられている。なお、これらガイド軸177とリードスクリュー178はステンレス等の金属で構成されている。そして、スキュー調整台172上に一対の止ネジ179によって高精度に固定された前後一対の位置決め部材180によってガイド軸177の前後両端177a、177bがスキュー調整台172上に固定されていて、このガイド軸177がスピンドル及びヘッドセンターP1 に対して完全な平行状態に高精度に取り付けられている。そして、リードスクリュー178の前後両端178a、178bは前後一対のスラスト軸受181、182と、板バネ183を用いてスキュー調整台172上に抜き差し可能な状態に取り付けられている。
【0060】
そして、これらのガイド軸177とリードスクリュー178との間にヘッド移動台185が水平に配置されていて、そのヘッド移動台185の左右方向における一方の端部185aの前後両端に形成された一対の円筒状のスラスト受け186がガイド軸177の外周に矢印b1 、b2 方向にスライド自在に挿入されている。そして、リードスクリュー178の外周にはリード溝187がラセン状に形成されていて、金属や耐摩耗性合成樹脂等で構成された係合部材である完全円筒型のナット188がそのリードスクリュー178の外周に矢印b1 、b2 方向にスライド自在に挿入されている。そして、そのナット188の内周188aにラセン状で一体に形成された第1のリード突条であるリード突条189がリードスクリュー178のリード溝187に円周方向の長い面積に亘ってスライド自在に係合されている。そして、ヘッド移動台185の他方の端部185bがナット188上に後述する2軸ユニバーサルジュイント210及びタンジェンシャルスキュー調整装置215を介して取り付けられている。
【0061】
そして、ヘッド移動台185上にはヘッドを構成しているCD−ROM用の対物レンズ190と、CD用の対物レンズ191がそれぞれ2軸アクチュエータ(図示せず)によって上向きの垂直状に取り付けられていて、ヘッド移動台185の内部にはこれらの対物レンズ190、191にレーザービームを選択的に照射すると共に、そのレーザービームの反射光を受光する光学ピックアップ(図示せず)が組み込まれている。そして、スキュー調整台172の上部でリードスクリュー178の横側部にはヘッド移動用モータ192がそのリードスクリュー178と平行状に取り付けられていて、このヘッド移動用モータ192のモータ軸192aに固着されたモータギア193によって中間ギア194を介して回転駆動される従動ギア195がリードスクリュー178の後端178b側の外周に圧入等にて固着されている。そして、リードスクリュー178の外周で、従動ギア195の前側(矢印b2 方向側)にはゴム等の弾性部材によって円筒状に形成された弾性ストッパー196が圧入等にて取り付けられている。なお、モータ軸192aの後端に固着されたスリット円板197とスキュー調整台172に取り付けられたフォトカプラ198とによってヘッド移動用モータ174のエンコーダが構成されている。
【0062】
このヘッド移動装置170は、以上のように構成されていて、前述したように、ディスクローディング装置100によってメカデッキ91が図8に示す上昇位置まで矢印g1 方向に上昇されてロックされた時に、ガイド軸177及びリードスクリュー178が水平となり、ヘッド移動台185上の対物レンズ190、191がカートリッジ1の底部開口6内に下方から挿入されて光ディスク5の下面に近接される。そして、光学ピックアップによって対物レンズ190、191に選択的に照射されたレーザービームを光ディスク5に下方から集束させた状態で、ヘッド移動用モータ192によってモータギア193、中間ギア194及び従動ギア195を介してリードスクリュー178を正逆回転駆動することにより、このリードスクリュー178とナット188とによるネジ送り作用によってヘッド移動台185をガイド軸177に沿って矢印b1 、b2 方向に移動する。そして、レーザービームをスピンドル及びヘッドセンターP1 に沿ってシークしながら、光ディスク5のデータを記録及び/又は再生する。
【0063】
この際、完全円筒型のナット188をリードスクリュー178の外周に挿入して、そのナット188の内周188aに形成しているラセン状のリード突条189をリードスクリュー178の外周に形成しているラセン状のリード溝187内に円周方向の長い面積に亘って係合させているので、従来のように、リードスクリュー178にニードルやハーフナットを板バネによって係合させていたものと異なり、ヘッド移動用モータ192によってリードスクリュー178を高速で正逆回転駆動して、ヘッド移動台185を矢印b1 、b2 方向に高速で反転移動する際に発生するヘッド移動台185のイナーシャーによって、ナット188のリード突条189がリードスクリュー178のリード溝187から不測に外れる危険が皆無である。従って、リードスクリュー178の高速回転駆動を安心して行えて、対物レンズ190、191によるレーザービームの高速シークを行える。また、ナット188がリード突条189によってリードスクリュー178のリード溝187に円周方向の長い面積に亘って係合されているので、リードスクリュー178の高速回転に伴うこれらリード溝187及びリード突条189の摩擦負荷も非常に小さくなって、これらリードスクリュー178及びナット188の耐摩耗性が高く、ヘッド移動装置170の耐久性が著しく向上する。なお、弾性ストッパー196はヘッド移動台185の矢印b1 方向の暴走時のクッションとなっている。
【0064】
(8−1)・・・ ナットのガタツキ防止装置の説明
次に、図37〜図41によって、ナット188のガタ取り装置200について説明すると、まず、ナット188のリード突条189をリードスクリュー178のリード溝187に係合させてスムーズにネジ送りさせるためには、そのリード溝187の溝幅に対してリード突条189の幅を若干小さく形成して、これらリード溝187とリード突条189との間に矢印b1 、b2 の方向に若干のガタを持たせなければならない。しかし、このガタは、リードスクリュー178によってヘッド移動台185を矢印b1 、b2 方向に高速シークする際のイナーシャによる大きなガタを発生し、その高速シーク動作の精度を劣化させてしまう。
【0065】
そこで、このヘッド移動装置170では、このようなリードスクリュー178に対するナット188の矢印b1 、b2 方向のガタを取り除くようにしている。 即ち、このガタ取り装置200では、ガタ取り手段であって、金属や耐摩耗性合成樹脂等によって構成された補助ナットに相当するガタ取りナット201を用いていて、このガタ取りナット201の内周201aにも第2のリード突条であるリード突条202がラセン状で一体に形成されている。そして、このガタ取りナット201の矢印b1 方向側の端部の外周にはテーパー面203が形成されている。そして、ナット188は軸方向(矢印b1 、b2 方向)に比較的長く構成されていて、そのナット188の内周188aで、矢印b1 方向の端部188bにリード突条189が形成されていて、矢印b2 方向の端部188cには4方向のすり割204が形成されている。
【0066】
そこで、図41に示すように、ナット188及びガタ取りナット201をこれらのリード突条189、202によってリードスクリュー178のリード溝187に係合させた状態で、ナット188の端部188cの内側にガタ取りナット201を例えば時計回り方向(矢印n1 方向)に回しながら、矢印b1 方向に捩じ込んで行く。この際、ガタ取りナット201の外周のテーパー面203によってナット188の端部188cに形成したすり割204部分を弾性に抗して径方向に押し広げるようにして、ガタ取りナット201をナット188の端部188b内に容易に圧入することができる。
【0067】
そして、図41に示すように、リードスクリュー178のリード溝187に対するリード突条189とリード突条202との係合状態を行う。即ち、ガタ取りナット201をナット188に対する最大締付け位置P51まで矢印b1 方向に一度捩じ込んだ後、ガタ取りナット201を例えば反時計周り方向(矢印n2 方向)に1°〜2°戻すと、ガタ取りナット201がナット188に対して最大締付け位置P51から矢印b2 方向に数ミクロンだけ後退された後退位置P52へ移動されて、これらのナット188、201のリード突条189、202の内側対向部間に、リードスクリュー178のリード溝189のピッチP53に対して数ミクロンオーダの隙間Gが形成されることになる。そして、この状態で、両ナット188、201を接着剤等にて一体に結合して使用する。この結果、これらのナット188、201のリード突条189、202をリードスクリュー178のリード溝187に対して殆んどガタのない状態で係合させることができて、リードスクリュー178の高速での正逆回転駆動によるヘッド移動台185の矢印b1 、b2 方向の移動をガタなく行えて、前述した高速シーク動作を高精度に行うことができる。なお、ナット188及びガタ取りナット201の外周には、これらのナット188、201を相互に締め付け操作するためのスパナ係合用の面取り205、206が形成されている。
【0068】
(9)・・・ 2軸ユニバーサルジョイントに関する説明
次に、図36、図37、図38、図41、図42及び図43によって、2軸ジョイント210に関して説明すると、この2軸ジョイント210はガイド軸177に対するリードスクリュー178の平行度を吸収して、リードスクリュー178によってヘッド移動台185をガイド軸177に沿って矢印b1 、b2 方向にスムーズに高速シークさせることができるようにしたものである。そこで、ナット188の軸方向のほぼ中央部の左右両側で、リードスクリューセンターP61に対して直交する水平な回転中心P62上に左右一対の水平回転中心ピン211を圧入や一体成形等によって付設している。そして、板バネ等によってほぼコ字状に形成された回転台212の左右一対の脚部212aをこれら左右一対の水平回転中心ピン211の外周に回転自在に取り付けている。そして、その回転台212の頂部212b上で、リードスクリューセンターP61に対して直交する垂直な回転中心P63上に垂直回転中心ピン213を加締め等にて取り付けて、ヘッド移動台185のナット188側の端部185bをその垂直回転中心ピン213の外周に後述するタンジェンシャルスキュー調整装置215を介して回転自在に取り付けたものである。
【0069】
従って、この2軸ユニバーサルジョイント210によれば、リードスクリュー178をヘッド移動台185に対して水平回転中心ピン211の水平回転中心P62と、垂直回転中心ピン213の垂直回転中心P63との直交する2軸の周りに矢印o1 、o2 方向と矢印q1 、q2 方向との2軸方向に自由に回転させることが可能となり、リードスクリュー178の両端178a、178bと、その両端178a、178bを支持している一対のスラスト軸受181、182の摩耗等の経年変化等によって、ガイド軸177に対するリードスクリュー178の平行度に狂いが生じても、その平行度を上記矢印o1 、o2 方向及び矢印q1 、q2 方向の直交する2軸方向の自由度によって吸収することができる。つまり、経年変化等により、ガイド軸177に対するリードスクリュー178の平行度に狂いが発生しても、リードスクリュー178によるナット188の矢印b1 、b2 方向のネジ送り作用を何等支障なくスムーズに行えて、ヘッド移動台185の矢印b1 、b2 方向の高速シーク動作等を常にスムーズに行える。
【0070】
(10)・・・ タンジェンシャルスキュー調整装置に関する説明
次に、図42〜図44によって、タンジェンシャルスキュー調整装置215に関して説明すると、このタンジェンシャルスキュー調整装置215は、メカデッキ91上に搭載するスピンドルモータ95の垂直度の狂い等によって発生する光ディスク5に対する対物レンズ190、191の光軸Fの垂直度の狂いを簡単に調整することができるようにしたものである。
【0071】
そこで、このタンジェンシャルスキュー調整装置215では、図43に示すように、前述した2軸ユニバーサルジョイント210における回転台212の頂部212b上に垂直状に取り付けられている垂直回転中心ピン213の外周にフランジ付スリーブ216を圧入等にて固着し、そのフランジ付スリーブ216の外周にネジであるネジ筒217を回転自在に取り付けている。そして、ヘッド移動台185のナット188側の端部185bにネジ穴218をその端部185bを上下方向に貫通する状態に形成して、ネジ筒217の外周に形成した雄ネジ217aをネジ穴218の内周に形成した雌ネジ218aにネジ嵌合(螺合すること)させたものである。そして、ネジ筒217の上端には治具係合用の−(マイナス)溝219を形成している。
【0072】
そして、このタンジェンシャルスキュー調整装置215は図44に示すような治具220を用いるようにしたものであり、この治具220はつまみ221が一体に形成された円柱状の治具本体222の下端に、ネジ筒217の上端の内径D1 より小さい外径D11の小径円柱部223を一体に形成し、その小径円柱部223の外周の両側にネジ穴218の内径D2 よりも小さい外径D12に構成され、かつ、ネジ筒217の上端の−溝219に挿入可能な一対の−(マイナス)突起224を一体に形成したものである。
【0073】
従って、このタンジェンシャルスキュー調整装置215によれば、図43に示すように、治具220の小径円柱部223をヘッド移動台185の上方からネジ筒217内に垂直状に挿入して、その−突起224をネジ筒217の上端の−溝219内に容易に係合させることができる。そして、その治具220のつまみ221を指で矢印r1 、r2 方向に回転調整すると、そのネジ筒217の外周の雄ネジ217aによるネジ穴218の内周の雌ネジ218aのネジ送り作用によってヘッド移動台185の端部185aを高さ調整することができ、この高さ調整によってヘッド移動台185がガイド軸177を回転中心にして上下方向である矢印s1 、s2 方向に回転調整される。すると、このヘッド移動台185に搭載されている対物レンズ190、191の光軸Fがタンジェンシャルラジアル方向である矢印t1 、t2 方向に傾き調整されて、これらの光軸Fの光ディスク5に対する垂直度、即ち、タンジェンシャルスキューが調整される。そして、このタンジェンシャルスキュー調整後には、ネジ穴218内に接着剤を滴下して、ネジ筒217をネジ穴218内に固定することになる。
【0074】
(11)・・・ リードスクリューの取付け装置に関する説明
次に、図36、図37、図38によって、リードスクリュー178の取付け装置230に関して説明すると、リードスクリュー178の前後両端178a、178bを回転自在に支持する前後一対のスラスト軸受181、182は耐摩耗性を有する合成樹脂によって成形されていて、前端側のスラスト軸受181はほぼキャップ型に成形され、後端側のスラスト軸受182は筒型に成形されている。そして、これら前後一対のスラスト軸受181、182はスキュー調整台172に一体に形成された前後一対の軸受取付片231、232に取り付けられている。そして、リードスクリュー178の前後両端178a、178bが前後一対のスラスト軸受181、182内に前後方向である矢印b1 、b2 方向から交互に挿入されて回転自在に支持されている。そして、スキュー調整台172の後端172aで、リードスクリュー178の一側部位置の下面に板バネ183が1本の止ネジ234によって脱着可能にネジ止めされている。但し、この板バネ183の長さ方向の両端から上方に垂直状に折り曲げた一対の位置決め用小片235をスキュー調整台172に形成した一対の位置決め用小穴236に係止して、その板バネ183の回り止めを行っている。
【0075】
そして、この板バネ183の前端縁側に弾性アーム237をリードスクリュー178とほぼ直交する方向に一体に形成して、その弾性アーム237の先端237aでリードスクリュー178の後端178bを前方である矢印b2 方向に押圧することによって、リードスクリュー178の前端178aを前端側のスラスト軸受181の軸挿入穴181aの内部底面181bに弾性的に押圧させている。但し、弾性アーム237の先端237aでリードスクリュー178の当接面には、超高分子量ポリエチレン粘着テープ等の低摩擦、耐摩耗性の合成樹脂シート238を貼り付けている。そして、この板バネ183に一体に形成したストッパー239を弾性アーム237の先端237aを挟んでリードスクリュー178の後端178bとは反対側の位置に隙間240を有して配置している。
【0076】
そして、前端側のスラスト軸受181の軸挿入穴181aに対するリードスクリュー178の前端178aの係合深さ=Aとし、後端側のスラスト軸受182とリードスクリュー178の従動ギア195との間の隙間=Bとし、弾性アーム237の先端237aとストッパー239との間の隙間240の幅=Cとした時に、A≦B、A>Cの寸法に設定が施されている。
【0077】
従って、このリードスクリュー178の取付け装置230によれば、板バネ183の弾性アーム237によってリードスクリュー178の前端178aを前端側のスラスト軸受181の軸挿入穴181aの内部底面181bに常時矢印b2 方向から押圧させた状態で、このリードスクリュー178を常時安定して回転駆動することができる。
【0078】
それでいて、上記したように、A≦B、A>Cに寸法設定してあるので、リードスクリュー178の高速での正逆回転駆動によってヘッド移動台185を矢印b1 、b2 方向に高速でシーク等する際のイナーシャによってリードスクリュー178が矢印b1 方向へのスラスト力を受けた場合には、板バネ183の弾性アーム237の先端237aが矢印b1 方向に撓むものの、その弾性アーム237の先端237aがストッパー239に矢印b1 方向から当接されて停止される時点では、リードスクリュー178の前端178aが未だ前端側のスラスト軸受181の軸挿入穴181a内に係合されているので、リードスクリュー178が最大限矢印b1 方向にスライドしても、その前端178aがスラスト軸受181の軸挿入穴181aから矢印b1 方向に抜け落ちるとはない。従って、このようなヘッド移動台185のイナーシャによっても、リードスクリュー178が一対のスラスト軸受181、182間から不測に脱落することが皆無であり、高い信頼性を確保できる。
【0079】
一方、保守、点検及び修理時等に際しては、板バネ183を固定している1本の止ネジ234を外して、その板バネ183をスキュー調整台172から簡単に取り外すだけで、ストッパー239も板バネ183と一体(一緒)に取り外されてしまうので、後はA≦Bの寸法設定に基づいて、リードスクリュー178を矢印b1 方向にスライドして、その前端178aを前端側のスラスト軸受181の軸挿入穴181aから矢印b1 方向に抜き取った後、そのリードスクリュー178を矢印b2 方向に斜めにスライドして、その後端178bを後端側のスラスト軸受182から矢印b2 方向に抜き取るようにして、このリードスクリュー178をスキュー調整台172から簡単に取り外しすることができる。なお、スキュー調整台172に対するリードスクリュー178の取り付け操作も取り外し時の逆操作で同様に簡単に行える。
【0080】
(12)・・・ スラスト軸受装置に関する説明
次に、図45及び図46によって、スラスト軸受装置245に関して説明すると、回転軸であるリードスクリュー178はステンレス鋼等の金属によって構成されていて、ほぼキャップ型に成形されたスラスト軸受181は耐摩耗性の合成樹脂によって構成されている。従って、これらリードスクリュー178とスラスト軸受181を金属どうしや合成樹脂どうしで構成した場合に比べて、これらリードスクリュー178及びスラスト軸受181の相互の摩耗を小さく抑えることができる。
【0081】
そして、スラスト軸受181の内径はリードスクリュー178の前端178aの直径D21とほぼ等しく構成されていて、そのスラスト軸受181の軸挿入穴181aの内部底面181bの中心には、リードスクリュー178の前端178aの直径D21より十分に小さい直径D22の小径突起246が同一中心状に一体成形されている。そして、リードスクリュー178の前端178aの先端面が球面247に形成されていて、小径突起246の先端面であるスラスト受面が平面248に形成されている。そして、このスラスト軸受181a内に矢印b2 方向から挿入されたリードスクリュー178の前端178aが前述した板バネ183の弾性アーム237によるバネ力F11によって矢印b2 方向に弾性的に押圧されて、その先端面の球面247が小径突起246の先端面の平面248に点接触状態で接触されている。
【0082】
従って、図46に示すように、リードスクリュー178の高速回転使用の長時間の経過に伴って、小径突起246のスラスト受面が当初の平面248からリードスクリュー178の先端面の球面247に倣って球面248aに摩耗進行したとしても、その摩耗進行に伴うリードスクリュー178とスラスト軸受181との接触面積は、小径突起246の小さい直径D21の範囲内に留まり、その接触面積がリードスクリュー178の前端178aの直径D21の範囲にまで拡大されることが皆無である。この結果、小径突起246のスラスト受面が球面248aに摩耗進行されても、リードスクリュー178の前端178aとスラスト軸受181との接触面積が殆んど増大されることがなく、リードスクリュー178の回転の負荷トルクを最小状態に確保できるので、リードスクリュー178を高速で回転駆動して、ヘッド移動台185を高速シークするのに最適なスラスト軸受装置245を実現することができると共に、リードスクリュー178の回転の負荷トルクを最小状態に確保できることから、そのリードスクリュー178を回転駆動するためのヘッド移動用モータ192の小容量化によるスペースファクターの向上及び光ディスク装置10の小型、軽量化を促進することができる。
【0083】
なお、図47は、スラスト軸受181のスラスト受面248をリードスクリュー178の前端178aの直径D21より大きな直径D23の平面に形成して、その平面248でリードスクリュー178の前端178aをスラスト受けする場合について考察したものである。そして、この場合は、そのスラスト受面が当初の平面248からリードスクリュー178の先端面である球面247に倣って球面248aに摩耗進行した場合には、リードスクリュー178とスラスト軸受181との接触面積が最大でリードスクリュー178の直径D21の範囲まで大きく増大されることになって、その摩耗進行に伴ってリードスクリュー178の回転の負荷トルクが著しく上昇されることになる。しかし、図46に示されたスラスト軸受装置245の構成によれば、このようなリードスクリュー178の回転の負荷トルクの著しい上昇を招くことはない。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のディスク装置の移動装置は、次のような効果を奏する。
【0086】
請求項1及び請求項5は、ヘッド移動台と連結された係合部材の内周の第1のリード突条をヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューの外周のリード溝に係合させ、ガタ取り手段の内周の第2のリード突条をリードスクリューのリード溝に係合させて、係合部材の第1のリード突条とガタ取り部材の第2のリード突条とのリードスクリューのリード溝に対する係合状態を調整することにより、リードスクリューのリード溝に対する係合部材のガタ取りを行うことができるようにしたので、リードスクリューの高速での正逆回転駆動によるヘッド移動台の高速シークをガタなく、高精度に行える。
【0087】
請求項2は、係合部材が円筒型ナットを備えているので、ヘッド移動台のイナーシャや外部衝撃等が発生しても、ナットがリードスクリューから軸方向へ外れることが全くなく、ヘッド移動用モータによってリードスクリューを高速で正逆回転駆動して、ヘッド移動台を高速シークさせることが可能になり、データの高速アクセスが可能な高性能のディスク装置を実現できる。また、輸送時等の外部衝撃によってヘッド移動台が暴走して光学ピックアップの対物レンズの2軸アクチュエータが破損されるようなことも未然に防止することができて、高い安全性を確保できる。
【0088】
請求項3は、ナットの軸方向に移動調整可能に取り付けたガタ取りナットによってリードスクリューのリード溝に対するナットのリード突条のガタ取りを行うようにしたので、そのガタ取りを確実に行える。
【0089】
請求項4は、ガタ取りナットによるガタ取り工程を、そのガタ取りナットを完全円筒型ナットに対して最大締付け位置まで締め付ける工程と、その最大締付け位置から1°〜2°戻す工程で構成したので、ヘッド移動装置の組立て工程中のガタ取り操作を極めて簡単に行えて、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスク装置の実施の形態を説明するカートリッジと光ディスク装置の外観斜視図である。
【図2】光ディスク装置のシャーシ構造を説明する分解斜視図である。
【図3】光ディスク装置の一部切欠き平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】光ディスク装置のトップカバーを取り外して、カートリッジ挿入ガイドを示した状態の平面図である。
【図6】光ディスク装置のトップカバー及びカートリッジ挿入ガイドを取り外して、メカデッキ部分を示した状態の平面図である。
【図7】メカデッキの下降状態を示した図3のA−A矢視での断面図である。
【図8】メカデッキの上昇状態を示した図3のA−A矢視での断面図である。
【図9】図3のB−B矢視での断面図である。
【図10】カートリッジ挿入ガイド、樹脂シャーシ、サイドフレーム及びインシュレータを分解して示した正面図である。
【図11】樹脂シャーシ、カートリッジ挿入ガイド、トップカバー、サイドフレーム及びインシュレータの関係を概略的に示した断面図である。
【図12】カートリッジ引込み装置の引込み開始の状態を示した平面図である。
【図13】カートリッジ引込み装置の引込み終了の状態を示した平面図である。
【図14】カートリッジ位置決め装置の分解側面図である。
【図15】カートリッジ位置決め装置のカートリッジ位置決め状態を概略的に示した側面図である。
【図16】カートリッジ位置決め装置の非位置決め状態を示した側面図である。
【図17】カートリッジ位置決め装置の位置決め状態を示した側面図である。
【図18】図16の正面図である。
【図19】図17の平面図である。
【図20】図18の要部の拡大断面図である。
【図21】図19の要部の拡大断面図である。
【図22】カートリッジ位置決め装置の非位置決め時におけるスライド板とスライドカムの関係を説明する平面図及び側面図である。
【図23】カートリッジ位置決め装置の位置決め時におけるスライド板とスライドカムの関係を説明する平面図及び側面図である。
【図24】カートリッジ位置決め装置のカートリッジ押え部材の平面図、側面図及び正面図である。
【図25】同上のカートリッジ押え部材の斜視図である。
【図26】イマージェンシーイジェクト装置全体を説明する平面透視図である。
【図27】イマージェンシーイジェクト装置のカートリッジ引込み用モータの駆動経路中のクラッチのON状態を示した断面図である。
【図28】同上のクラッチのOFF状態を示した断面図である。
【図29】ディスクローディング装置のディスクローディング用モータの駆動経路とイマージェンシーイジェクト装置の変換レバーとを示した平面図である。
【図30】同上のディスクローディング用モータの駆動経路中のクラッチのON状態を示した断面展開図である。
【図31】同上のクラッチのOFF状態を示した断面展開図である。
【図32】ディスクローディング装置のスライドカムを説明する背面図である。
【図33】イマージェンシーイジェクト装置のイマージェンシーイジェクト操作扞、変換レバー及びスライドカムの原位置への復帰状態を示した平面透視図である。
【図34】同上のイマージェンシーイジェクト操作扞による変換レバー及びスライドカムの操作開始を説明する平面透視図である。
【図35】イマージェンシーイジェクト操作扞による変換レバー及びスライドカムの操作終了を説明する平面透視図である。
【図36】ヘッド移動装置を説明する平面図である。
【図37】同上のヘッド移動装置のリードスクリューとナット及びリードスクリュー取付け装置を説明する断面平面図である。
【図38】図37のC−C矢視での断面図である。
【図39】同上のナットを説明する断面図である。
【図40】ガタ取り用ナットを説明する断面図及び正面図である。
【図41】リードスクリューに対するナットのガタ取り装置を説明する断面図である。
【図42】タンジェンシャルスキュー調整装置を説明する正面図である。
【図43】同上のタンジンシャルスキュー調整装置の要部と2軸ユニバーサルジョイントを説明する断面図である。
【図44】同上のタンジェンシャルスキュー調整装置の治具を説明する図面である。
【図45】リードスクリューのスラスト軸受装置を説明する断面図及び正面図である。
【図46】図45の要部を拡大して示した断面図である。
【図47】一般的なスラスト軸受装置の要部を拡大して示した断面図である。
【符号の説明】
10はディスク装置である光ディスク装置、170はヘッド移動装置、177はガイド軸、178はリードスクリュー、185はヘッド移動台、187はリード溝、188は完全円筒型のナット、189はそのナットのリード突条、191は対物レンズ、192はヘッド移動用モータ、201はガタ取り手段であるガタ取りナット、202はそのガタ取りナットのリード突条である。
Claims (5)
- 外周にリード溝がラセン状に形成されて、ヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューと、
上記リードスクリューの外周に挿入されてヘッド移動台と連結され、上記リード溝に係合された第1のリード突条が内周に形成されている係合部材と、
上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材の上記第1のリード突条のガタ取り手段とを備えたヘッド移動装置を有し、
上記ガタ取り手段は、上記リードスクリューの上記リード溝と係合する第2のリード突条が内周に形成され、上記第1のリード突条及び上記第2のリード突条の上記リードスクリューの上記リード溝との係合状態を調整することにより、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材のガタ取りを行う
ことを特徴とするディスク装置。 - 上記係合部材は、円筒型ナットを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。 - 上記ガタ取り手段を上記ナットの軸方向に移動調整可能に取り付けられたガタ取りナットで構成した
ことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。 - 上記ガタ取りナットによるガタ取り工程を、そのガタ取りナットを上記円筒型ナットに対して最大締付け位置まで締め付ける工程と、その最大締付け位置から1°〜2°戻す工程で構成した
ことを特徴とする請求項3に記載のディスク装置。 - 外周にリード溝がラセン状に形成されて、ヘッド移動用モータによって回転駆動されるリードスクリューと、
上記リードスクリューの外周に挿入されてヘッド移動台と連結され、上記リード溝に係合された第1のリード突条が内周に形成されている係合部材と、
上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材の上記第1のリード突条のガタ取り手段とを備え、
上記ガタ取り手段は、上記リードスクリューの上記リード溝と係合する第2のリード突条が内周に形成され、上記第1のリード突条及び上記第2のリード突条の上記リードスクリューの上記リード溝との係合状態を調整することにより、上記リードスクリューの上記リード溝に対する上記係合部材のガタ取りを行う
ことを特徴とするディスク装置のヘッド移動装置。
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JP31520397A JP3736081B2 (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | ディスク装置及びそのヘッド移動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31520397A JP3736081B2 (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | ディスク装置及びそのヘッド移動装置 |
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JPH11149725A JPH11149725A (ja) | 1999-06-02 |
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-
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- 1997-11-17 JP JP31520397A patent/JP3736081B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11149725A (ja) | 1999-06-02 |
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