JP3735554B2 - 貯蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型冷蔵ショーケース等の貯蔵庫に関し、更に詳細には、貯蔵室内で貯蔵物を載置する棚網の固定を好適に行なうことができる貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の冷蔵ショーケースの要部破断正面図である。この従来の冷蔵ショーケース1は、商品等の貯蔵物を貯蔵する冷蔵室2の前面に、左右にスライド可能なドア3が設けられ、また冷蔵室2の下側にはコンプレッサ4等を収納する機械室5が設けられると共に、冷蔵室2の天井部分にはコンプレッサ4で圧縮した冷媒が供給される冷却器6が設けられている。冷却器6はダクト7で覆われており、このダクト7に設置したファンモータ8bにより、冷却器6で冷却された空気が冷蔵室2内で循環されるようになっている。
【0003】
前記ダクト7は、図4に示す如く、前記冷却器6を覆う大きさを持っており、その後側には、冷蔵室2内を循環した空気を取り入れる吸込口としての通風孔7b,7cが並んで設けられており、通風孔7bと対応するダクト7内には、ファン8aおよびファンモータ8bが取り付けられると共に、該通風孔7bと対応する外側にはファンカバー9が取り付けられる。なお、図示しないが、通風孔7cに対応して、同様にファンモータ8bやファンカバー9等が取り付けられている。またダクト7の前側には、前記冷却器6により冷却された空気(冷気)を冷蔵室2内に吹出す吹出口としての大きな開口部7aが設けられている。
【0004】
そして、前述した従来の冷蔵ショーケース1では、冷蔵室2内の空気は両ファン8a,8aによって通風孔7b,7cからダクト7内に吸込まれ、前記冷却器6で冷却された空気は前記開口部7aから冷蔵室2内に吹き出され、冷蔵室2内を循環した空気は、通風孔7b,7cから再びダクト7内に入って冷却器6で冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の技術に係る冷蔵ショーケース1では、特に薄型であると、ダクト7が冷蔵ショーケース1の天井の全面を覆ってしまう構造になる。従って、冷蔵室2内に設置する商品載置用の棚網を冷蔵室内の中央で支持するための棚柱に関しては、該棚柱の上端部を天井に直接固定することはできず、ブラケット等の部品を用いて冷蔵室2の前または側壁面に固定せざるを得ず、部品点数が増えてコストが嵩んでしまうと共に組み立て作業が煩雑となる問題がある。また、ダクト7内において、2つのファン8a,8aによる空気流が互いに干渉しあって冷却効率を低下させてしまうという問題も指摘される。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に係る貯蔵庫に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、部品点数を増加させることなく、棚柱を貯蔵室中央に簡単かつ確実に取付けることができ、更に、2つのファンによる空気流のダクト内での干渉を低減して冷却効率を高めることが可能な貯蔵庫を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る貯蔵庫は、
貯蔵室の天井部分に設置された冷却器と、該冷却器を覆う箱形のダクトと、前記貯蔵室内に設置される棚網と、下端部分が貯蔵室の底面に固定され、該棚網を前記貯蔵室内で支持する棚柱とを備える貯蔵庫において、
前記ダクトの前側中央部分に、前方に開放すると共に上下に貫通する窪みを設け、該窪みの部分に前記棚柱を通して該棚柱の上端部分を前記天井に直接固定するよう構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る貯蔵庫につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施例に係る貯蔵庫の天井部分に設置される冷却器のダクトを示すものである。実施例に係るダクト10は、貯蔵室22(図2)における天井25の略全体を覆う矩形の箱形を成し、後側は削成されて空気の吹出口としての開口部10aとなっている。ダクト10における前側の立ち上がり壁10bには、幅方向(前後方向と直交する方向)の中央部分において、前方に開放すると共に上下に貫通する窪み10cが設けられており、該窪み10cに後述する棚柱26を上下方向に通すよう構成される。また、窪み10c部分における立ち上がり壁最深部には、所定高さで凹む凹部10dが形成されている。窪み10c部分を境として、ダクト10の左右の底面には、夫々空気の吸込口としての通風孔10e,10fが穿設されており、一方の通風孔10eに対応するダクト10内にはファン11およびファンモータ12が取り付けられ、他方の通風孔10fに対応するダクト10内にはファン13およびファンモータ14が取り付けられる。そして、両方のファンモータ12,14に接続される電気配線15は一本に集約され、前記凹部10dに挿通されてダクト10外に導出するようになっている。
【0010】
図2は、図1に示すダクト10を適用した貯蔵庫の要部分解図である。この貯蔵庫20の機械室21上に形成された貯蔵庫22の天井部分に、図1で示したダクト10が取り付けられる。このとき、ダクト10内には冷却器23が収納され、該冷却器23に接続される冷媒配管24は、前記凹部10dに挿通されてダクト10外に導出するよう構成される。
【0011】
実施例に係るダクト10は、前側中央部分に窪み10cを備えるため、貯蔵室22の天井25は、窪み10cの部分で露出している。そこで、実施例の貯蔵庫20では、貯蔵物が載置される棚網28を支持するための棚柱26の上端部分26aを、窪み10cを通して天井25に直接ネジ等で固定すると共に、棚柱26の下端部分26bを貯蔵室22の底面27に直接ネジ等で固定している。
【0012】
前記棚柱26は、板材を断面コの字状に屈曲して成り、コの字の開口側は貯蔵室22の後側を向くように取り付けられる。そして、ダクト10の凹部10dに挿通された冷媒配管24および電気配線15を、この棚柱26のコの字状の内部に通し、前記機械室21内に引き込むことで、冷媒配管24を機械室21内の図示しないコンプレッサに接続し、電気配線15を電源に接続するよう構成してある。
【0013】
前記貯蔵室22内には、商品等の貯蔵物を陳列する棚網28が設置されるが、この棚網28は、前記棚柱26および貯蔵室22の周壁内面に夫々取り付けられる複数の棚受金具(図示せず)によって支持されるようになっている。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る貯蔵庫の作用につき、以下に説明する。実施例に係る貯蔵庫20では、前記ダクト10を貯蔵室22の天井25に配設した状態で、該ダクト10の前側中央部分に形成した窪み10cの部分で天井25は露出している。従って、前記棚柱26の上端部分26aを、窪み10cを通して天井25に直接ネジ等で固定すると共に、棚柱26の下端部分26bを貯蔵室22の底面27に直接ネジ等で固定することができる。このように、棚網28を貯蔵室22の中央で支持する棚柱26を、天井25に直接固定することができるため、棚柱26を固定するためのブラケット等を貯蔵室22内に設ける必要がなく、部品点数が減少すると共に、見映えも良くなる。また、貯蔵庫20の組み立てが容易になると共に、棚網26の支持も確実に行なうことが可能となる。
【0015】
更に、棚柱26を使用して冷媒配管24や電気配線15を外部に露出しないように引き回すことができ、見映えも良くなる。このように、実施例では、ダクト10と棚柱26とがお互いに干渉しないため、ダクト10を大きくでき、それに伴って、冷却器23も大型のものを採用可能となる。なお、ダクト10の窪み10cに棚柱26を通すことで、貯蔵室22の前後方向の寸法を小さくすることが可能となり、薄型化を図り得る。
【0016】
そして、このようにして組み立てられた貯蔵庫20では、機械室21内のコンプレッサによって冷媒が冷却器23に供給されると共に、前記ファン11,13の回転によって貯蔵室22内の空気が前記通風孔10e,10fを介してダクト10内に吸込まれ、この空気が冷却器23によって冷却される。この冷気は、前記開口部10aを介してダクト10内から貯蔵室22の後面側に吹き出され、庫内を循環して棚網28上の貯蔵物を冷却し、庫内の前側を上昇した冷気は、前記通風孔10e,10fから再びダクト10内に吸い込まれる。
【0017】
ここで、従来の場合には、図4に示す2つの通風孔7b,7cからダクト10内に吸い込まれた空気は、その間に規制がないためにダクト7内で干渉し、空気の流れに乱流が生じて冷却効率を低下させていた。しかし実施例では、ダクト10内に2つの通風孔10e,10fから吸い込まれた空気は、前記窪み10cが、丁度、ダクト10を中央で仕切る規制手段として機能し、空気は規制手段によって互いに干渉することなく冷却器23に向けてスムーズに流れ、冷却効率が向上する。
【0018】
実施例では、貯蔵庫として貯蔵室を冷却するタイプで説明したが、ダクトの内部に配設した加熱手段により加熱した空気を貯蔵室に循環して加温するタイプの貯蔵庫であってもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る貯蔵庫では、棚柱の取り付けが容易かつ確実にでき、棚柱固定用のブラケット等が不要なため、部品点数が減少すると共に庫内の見栄えも良くなるという効果を奏する。また、ダクトの窪みが冷気の流れをスムーズにするため、冷却効率を向上させることも可能となる。更に、棚柱を使用して冷媒配管を外部に露出しないように引き回すことができ、見映えも良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る貯蔵庫に適用する冷却器用のダクトの斜視図である。
【図2】 実施例に係る貯蔵庫の要部分解斜視図である。
【図3】 従来の冷蔵ショーケースの要部破断正面図である。
【図4】 図3に示すダクトの斜視図である。
【符号の説明】
10 ダクト, 10c 窪み, 10d 凹部 , 10e , 10f 通風孔,
12,14 ファンモータ, 22 貯蔵室, 23 冷却器, 24 冷媒配管
25 天井, 26 棚柱, 26a 上端部分, 26b 下端部分 , 27 底面
28 網棚

Claims (3)

  1. 貯蔵室(22)の天井部分に設置された冷却器(23)と、該冷却器(23)を覆う箱形のダクト(10)と、前記貯蔵室(22)内に設置される棚網(28)と、下端部分 (26b) が貯蔵室 (22) の底面 (27) に固定され、該棚網(28)を前記貯蔵室(22)内で支持する棚柱(26)とを備える貯蔵庫において、
    前記ダクト(10)の前側中央部分に、前方に開放すると共に上下に貫通する窪み(10c)を設け、該窪み(10c)の部分に前記棚柱(26)を通して該棚柱(26)の上端部分(26a)を前記天井(25)に直接固定するよう構成した
    ことを特徴とする貯蔵庫。
  2. 前記ダクト(10)の前記窪み(10c)を境とする両側の底面に、夫々空気の吸込口としての通風孔 (10e,10f) が穿設され、夫々の通風孔 (10e,10f) に対応するダクト (10) 内にファンモータ(12,14)を設置したことを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫。
  3. 前記棚柱 (26) は断面コの字状に形成され、そのコの字の開口側が前記貯蔵室 (22) の後側を向くようにして配設されると共に、前記窪み (10c) 部分における立ち上がり壁最深部に所定高さで凹む凹部 (10d) が形成され、前記冷却器 (23) に接続した冷媒配管 (24) を該凹部 (10d) に挿通してダクト (10) 外に導出し、前記棚柱 (26) のコの字状の内部に通すようにした請求項1または2記載の貯蔵庫。
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