JP3734859B2 - 部分酸化装置ガス供給システムの熱含量連続制御方法 - Google Patents

部分酸化装置ガス供給システムの熱含量連続制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、供給ガス流の炭化水素熱含量が変化を受ける部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的に制御する方法に関する。特に、本発明は、再利用合成ガスを調整剤として使用するそのような部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的に制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
部分酸化法は、水素、オキソ化学合成用前駆体及び電気を含むいくつかの有用な産物を作り出す効率のよい環境上安全な方法である。天然ガス、精油所オフガス、液化石油ガス、等の多種の供給ガスが、部分酸化法で利用できる。これらの供給ガスは、典型的には単位体積当たりの炭化水素熱含量(以下、「炭化水素熱含量」と呼ぶ)が異なり、このため部分酸化法は、特定の供給ガスの周辺で典型的に設計される。本明細書中で使用されているように、「炭化水素熱含量」は、パラフィン系、オレフィン系及び芳香族系化合物を完全燃焼させた後、しかも、いかなる水も液体状態に凝縮させた後、放出される熱と定義する。部分酸化反応の場合、有用な熱として寄与するガス状供給気流の主要成分は、炭化水素である。部分酸化反応において、水素及び一酸化炭素は酸素と共に燃焼させた場合熱を発生するけれども、水素及び一酸化炭素(窒素及び二酸化炭素に加えて)は、実際上不活性であり部分酸化反応に対して熱の寄与がない。例えば、天然ガスは、部分酸化反応に対する炭化水素熱含量についてはわずかに不足である。この場合、部分酸化装置内を目標稼動温度に保つために生成される合成ガスをいくらか燃焼させるために、余分の酸素が必要である。この方法には、多くの酸素が必要とされ、また多くの生成物を消費するという欠点がある。天然ガスを予備加熱すると、この炭化水素熱含量の不足をいくらかを埋め合わせできるが、すべてという訳にはいかない。
【0003】
供給ガスが、単位体積当たりあまりにも高い炭化水素熱含量、例えば約1100Btu/標準立方フィート(41×106J/m3)より高い場合、部分酸化装置を過熱から防ぐために温度制御用として調整剤が必要である。調整剤とは、大きな化学変化を起こさずに熱エネルギーを吸収するために、供給ガスに添加される物質である。過去においては、部分酸化装置は、既知の比較的安定な炭化水素熱含量を持つ特定の炭化水素供給原料油を操作するように設計されてきた。供給原料油の炭化水素熱含量が調整剤が必要な程十分高い場合には、定常状態になるように、蒸気、CO2 、又は水を部分酸化装置中に流入させるという対策がとられる。
【0004】
部分酸化装置を、供給ガス流の炭化水素熱含量が長時間変化できる状態で操作する場合(例えば、部分酸化装置を、どの装置を稼動するかに依存して、混合炭化水素熱含量が変化する一種以上の製油所廃ガスを処理する手段として使用する場合)、調整剤を従来のように定常状態添加しても所望の結果、すなわち部分酸化装置の最適温度は得られないだろう。供給ガス流の炭化水素熱含量が増加する場合、調整剤では不十分であり、生じる供給ガス流は、過剰の炭化水素熱含量を持つようになり、部分酸化反応器内の稼動温度が必要以上に高くなるだろう。供給ガス流の炭化水素熱含量が減少する場合、調整剤が過剰となり、生じる供給ガス流は炭化水素熱含量が不十分となり、部分酸化の最適稼動温度より低くなるだろう。供給ガスの炭化水素熱含量の変化にすばやく適応することができないと、作業者は、大きな変化を起こさずに部分酸化装置内で別の供給ガスを使用してその別の供給ガスを適用しようとするシステム設計ができなくなってしまう。炭化水素熱含量が変化し、事前には分からない供給ガス流で稼動するすべての場合について、ほぼ一定の最適温度で、またほぼ一定の酸素及び部分酸化装置供給ガス流で稼動する部分酸化法は、本発明以前には存在しなかったと理解している。
【0005】
供給ガスの炭化水素熱含量が変化する際、多かれ少なかれ調整剤を系に供給する信頼性のある迅速な(ほぼ2、3秒程度で)対応策が必要なのである。高圧蒸気を用意して、二酸化炭素や水をガス化供給装置に注入させることは、必要な瞬間に調整剤を確保する効率的な信頼できる手段ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、供給原料油の炭化水素熱含量が事前に決定した目標レベルから変化したら、迅速に調整剤又は補助的な炭化水素熱含量の高いガスを供給原料油に混合する低廉な、効率の良いそして信頼性のある手段を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法では、最適炭化水素熱含量を有する供給ガスを送り込むのに適した量だけ調整剤又は補助的な炭化水素熱含量の高いガスを、一定の酸素流速で、部分酸化装置内に噴射する。本発明の利点は、種々の予期せぬ炭化水素供給原料油を含む多種の原料油又はそれらの混合物について、プロセス設計を変化させる必要もなく、プロセスを稼動できることである。
【0008】
本発明は、部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的かつ迅速に制御するための方法に関するものであり、以下の工程、すなわち、
a)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を決定する工程、
b)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を示す信号を設定する工程、
c)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を部分酸化装置供給ガス用に設計された炭化水素熱含量HDと比較し、
i. 以下の式、
0がHDより大きい時は、F0=FD×HD/H0
またそれ以外の時は、F0=FD
に従う原料供給ガス流に対する流速F0 、及び
ii. 式FR=FD−F0に従う再利用ガス流の流速FR
(但し、FDは 、部分酸化装置供給ガス流用に設計された流速を示す)を決定する評価手段に前記信号を転送する工程、
d)工程cで計算された値F0 に従って原料ガス流の流速を調整する工程、
e)工程cで計算された値FR に従って再利用ガス流の流れを調整する工程、
f)再利用ガス流がもし少しでもあれば、原料供給ガス流と混合して部分酸化装置供給ガス流を形成する工程、
g)部分酸化装置供給ガスを部分的に酸化して一酸化炭素及び水素から成る合成ガス混合物を生成させる工程、
から成ることを特徴とする。
【0009】
好ましい一実施の形態では、本発明の方法は、更に以下の工程、すなわち、
h)水性ガス転化触媒上で、合成ガス混合物と蒸気を反応させて一酸化炭素を二酸化炭素及び水素を主として含む転化ガス混合物へ変換する工程、
i)転化ガス混合物を精製して、高純度の水素及び不純物の不要ガス混合物を生成する工程、
を有することを特徴とする。
【0010】
前記発明及びその好ましい実施の形態の変形として、前記方法のa)、b)及びc)の工程を次のように変更してもよい。
a)更に、再利用ガス流の炭化水素熱含量HR を決定する工程を含む。
b)更に、再利用ガス流の炭化水素熱含量を示す信号を設定する工程を含む。
c)原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を示す信号と再利用供給ガス流の炭化水素熱含量HRを示す信号の両方を、原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0を部分酸化装置供給ガス用に設計された炭化水素熱含量HD と比較して、
i. H0がHDより大きい時は、F0=FD×(HD−HR)/(H0−HR)、
またそれ以外の時は、F0=FD
の式に従う原料供給ガス流に対する流速F0 、及び
ii. 式FR=FD−F0に従う再利用ガス流の流速FR
(但し、FD は、部分酸化装置供給ガス流用に設計された流速を示す)を決定する評価手段に転送することを含む。工程d)〜g)又はd)〜i)はそのままとする。
【0011】
更にもう一つの実施の形態では、本発明は、組成不明な部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的かつ迅速に制御するための方法に関するものであり、以下の工程、すなわち、
a)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0、再利用ガス流の炭化水素熱含量HR及び補助的なガス流の炭化水素熱含量HS を決定する工程、
b)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0、再利用ガス流の炭化水素熱含量HR及び補助的なガス流の炭化水素熱含量HS を示す信号を設定する工程、
c)原料の供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を部分酸化装置供給ガス用に設計された炭化水素熱含量HDと比較し、原料ガス流の流速F0、再利用ガス流の流速FR及び補助的なガス流の流速FSを、以下の式、
0がHDより大きい時は、
0=FD×(HD−HR)/(H0−HR
R=FD−F0
S=0
又はH0がHDより小さい時は、
0=FD×(HD−HS)/(H0−HS
R=0
S= FD−F0
又はH0がHDと等しい時は、
0=FD
R=0
S=0
(但し、FD は、部分酸化装置供給ガス流用に設計された流速を示す)に従って決定する評価手段に前記信号を転送する工程、
d)工程cで計算された値FR に従って再利用ガス流の流れを調整する工程、
e)工程cで計算された値FS に従って補助的なガス流の流れを調整する工程、
f)工程cで計算された値F0 に従って原料の供給ガス流の流速を調整する工程、
g)再利用ガス流がもし少しでもあれば、原料供給ガス流及びもし少しでもあれば補助的なガス流と混合して部分酸化装置供給ガス流を形成する工程、
h)部分酸化装置供給ガスを部分的に酸化して一酸化炭素及び水素から成る合成ガス混合物を生成させる工程、
を有することを特徴とする。
【0012】
この実施の形態の好ましい変形として、本発明の方法はさらに次の工程、すなわち、
i)水性ガス転化触媒上で、合成ガス混合物と蒸気を反応させて一酸化炭素を二酸化炭素及び水素を主として含む転化ガス混合物へ変換する工程、
j)転化ガス混合物を精製して、高純度の水素及び不純物の不要ガス混合物を生成する工程、
を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を、図を参照するだけの実施例によりこれから記述する。
本発明は、部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的に測定し、必要な場合には調整剤(好ましくは、再利用合成ガス又は補助的な炭化水素熱含量の高いガスから成るもの)を、供給ガスの炭化水素熱含量を所望のレベルまで上げたり下げたりするに十分な量だけ導入することにより、供給ガスの炭化水素熱含量を自動的に監視して、その炭化水素熱含量を所望のレベルまで上げたり下げたりする方法を提供する。本発明の方法は、例えば米国特許第5,152,976号(これを引用することにより、本明細書に含まれるものとする)記載の方法のようないかなるガス状供給物部分酸化装置を使用する方法とも組み合わせて使用することができる。特に本発明の方法は、供給ガスの補給が変化を受け、炭化水素熱含量が対応して変化するいかなる部分酸化法をも改善するのに利用できる。
【0014】
部分酸化装置は、典型的には温度約2200゜F〜約2800゜F(約1205℃〜約1540℃)で炭化水素供給物に対して稼動する。これより高い温度では耐火要素及びバーナーが過剰の温度で損傷することもある。部分酸化装置の稼動温度を決定する因子の一つは、供給ガスの炭化水素熱含量である。理想的には、供給ガスの炭化水素熱含量は部分酸化装置の効率を最適化するレベルにあるべきである。例えば、約900〜1100Btu/SCF付近、約1000程度(約33.5〜41×106J/m3、約37.25×106J/m3程度)である。前記の特定の値は、部分酸化装置設計及び供給物の予備過熱を含む他の要因、すなわち当業者に知られた要因に依存する。
【0015】
図1を参照すると、本発明により、部分酸化装置の作業者が、そのような供給原料油の組成(及びそのような供給原料油の炭化水素熱含量)が頻繁に又はまれに変化する場合、警告せずにかつかなりの程度まで原料の供給ガス流(2)として提供される一つ以上の供給原料油を利用することができる。作業者はこのようなことができると同時に、酸素流(6)を介して酸素の流れを、また生成物流(8)を介して生成物量を比較的一定に保持することができる。更に、部分酸化装置供給ガス流(10)を介して部分酸化装置供給ガスの体積流量は実質的に一定に保たれる。本発明は、天然ガスの他に、供給ガスがいくつかの発生源からくる製油所オフガスを含む場合(特に以下で述べる)のある石油製油所の環境下では特に有用である。
【0016】
製油所オフガスと一般に記述される供給原料油は、廃ガス、ベントガス、ネットガス又はテールガスとしても知られている。本明細書中で使用されるように、製油所オフガスは、一般的には、製油所一般に存在する個々の処理装置から発生する種々のガス流に対応する。一般的に製油所オフガスには、飽和及び不飽和炭化水素、及び有機の硫黄種や窒素種およびH2S、COS、SOX、NH3 、HCN及びアルシンを含む無機試剤のような他の不純物が含まれる。いくつか特定の成分を挙げると、H2、N2、O2、RSH、CH4、C24、C26、C36、C38、C48、C410、C510、C512、CO、CO2、及びH2O がある。オフガス(インスタント法の供給物)を生成できる処理装置(図示されていない)としては、流体接触分解(FCC)装置、熱分解装置(例えば残留コーキング装置、遅延コーキング装置又は流動コーキング装置)、接触改質装置、水素化精製装置及びプレシャースイング吸着(PSA)装置があるが、これらに限定される訳ではない。これらの処理装置の多くは、互いに独立に稼動する。そのため、これらのいかなる組み合わせにおいても、いつでもオフガスを生成しうる。これらの装置及び他のいかなる発生源からの流失ガス、例えば天然ガス、は部分酸化装置(18)に送り込まれる前に混合タンク(12)又はサージタンク中で混合される。
【0017】
混合タンク(12)から放出される流れは、本明細書中では原料の供給ガス流の混合物(4)と見なす。本発明では、原料の供給ガス流(2)一種だけでも稼動できる。そのような状態では、原料の供給ガス流の混合物(4)は、他のものと混合されていない原料の供給ガス流(2)一種だけを含むことになる。しかしながら、原料の供給ガス流の混合物(4)は、一種以上の原料の供給ガス流(2)の混合物から成る可能性が高い。どんな時でも生成されるオフガス混合物の炭化水素熱含量は、どの精製装置が廃ガスを輸送しているかに依存して、約600Btu/SCF及び約2000Btu/SCFの間(約2.2×106J/m3及び約7.5×106J/m3の間)で劇的に変化しうる。
【0018】
一般的には、製油所オフガスは、水素を最大約40体積%まで含み、典型的に炭化水素熱含量が少なくとも約600Btu/SCF(約2.2×106J/m3)であることが特徴である。廃ガス流が水素を40体積%より多く含む場合は、例えばプレシャースイング吸着(図示されていない)により水素の一部を回収し、その残留ガス(ここでは水素含量が40体積%より少ない)を、本発明の方法では、供給原料油として使用することが望ましい。例えば、接触改質器又は水素化精製器からの回収ガスとしては、典型的に水素と共に、メタン、エタン、プロパン及び微量の高飽和度炭化水素が含まれる。取り除かれた(例えば、PSA装置により)水素の量に依存して、そのようなガスの炭化水素熱含量は、600〜2000Btu/SCF(約2.2×106〜7.5×106J/m3 )の間で変化しうる。
【0019】
表1は、オフガス供給原料油中に存在する成分の濃度を具体的に示すためものである。FCCUからのオフガス流の典型的な成分も表1に示されている。
【0020】
Figure 0003734859
Figure 0003734859
【0021】
典型的な部分酸化法では、部分酸化(18)を通る通路及び後続の処理工程、すなわち、供給ガスを約400〜約2200psig(約2.8〜約15.2MPa)まで加圧する工程と関連させて、最終生成物の目標圧力及び圧力低下の許容範囲約100〜150psi(約690〜1035kPa)に対応するように供給ガス(14)を加圧する。場合によっては、供給ガスを例えば燃焼加熱器又は熱交換器中で予備加熱することができる。次に供給ガスは、部分酸化されて一酸化炭素及び水素の合成ガス混合物(22)を生成する。部分酸化装置(18)に、部分酸化供給ガス(10)及び酸素(6)を充填して供給ガスの部分酸化を行なわせる。酸素(6)は、米国特許第3,874,592号に開示されているバーナーのような部分酸化バーナー(図示されていない)により、供給ガス(10)とは別に部分酸化装置(18)に伝送される。
【0022】
好ましい一実施の形態では、部分酸化装置(18)は、熱回収蒸気発生器又は急冷室(以下で更に記述する)のような耐火管路圧力容器(図示されていない)及び補助的ガス冷却手段(図示されていない)を含む無触媒部分酸化装置である。部分酸化装置(18)は、典型的には温度約2200゜F〜約2800゜F(約1205℃〜約1540℃)及び圧力約200psig〜約2000psig(約1.4MPa〜約13.8MPa)で稼動される。部分酸化装置(18)中での反応物停滞時間は、通常約2〜約4秒である。そのため事前に決定した供給ガス量は、約2〜4秒で部分酸化される。部分酸化装置(18)内では、合成ガス(22)(例えば、一酸化炭素及び水素)が、好ましくは少なくとも供給ガス1モルに対して合成ガス約2.0〜3.5モルの量だけ生成される。合成ガスは、水のような急冷媒体(図示されていない)中で冷却される。合成ガスを急冷する手段(例えば急冷浴)は、部分酸化装置(18)内に含めることもできるし、又はその装置の外側に配置するすることもできる。
【0023】
もう一つの好ましい実施の形態では、最終生成物は水素である。合成ガス流(22)は、部分酸化装置(18)から転化器(20)へ導かれる。特に、部分酸化装置(18)から来る熱い合成ガス(22)は、部分酸化装置(18)の圧力で、前述のように水と直接接触(図示されていない)させて急速に冷却され、一酸化炭素転化反応器(20)へ直接送られる。米国特許第3,545,926号に開示されているように、十分な水が熱い合成ガス中で蒸発され、転化反応に必要な蒸気を供給する。転化器(20)内では、水蒸気が合成ガス中の一酸化炭素と反応して二酸化炭素及び水素から成る転化ガス混合物(24)を生成する。稼動圧力を約1000psi(約6.9MPa)にすると、急冷される合成ガス(22)の平衡温度は、500゜F(288℃)付近になる。転化器(20)は、温度500゜F〜950゜F(260℃〜510℃)、好ましくは550゜F〜900゜F(288℃〜482℃)で稼動するので、流出ガス(図示されていない)に対して熱交換することにより、流入ガスを暖めて転化器(20)へ送る必要のある場合がある。一酸化炭素転化反応は、わずかに発熱的であり、存在する一酸化炭素の量及び平衡状態に依存して、転化触媒を通ってガスの温度が上昇し約700゜F〜950゜F(約370℃〜510℃)になる。転化反応については、米国特許第5,152,975号及び第3,545,926号に更に詳細に開示されている。これらの特許は、引用により本明細書に含まれるものとする。
【0024】
この好ましい実施の形態の次の工程は、転化ガス混合物(24)を精製することである。転化ガス混合物(24)は、主に二酸化炭素及び水素及び不純物(典型的な例を挙げると、窒素、一酸化炭素、メタン、硫化水素及び水蒸気がある)から成っている。転化ガス混合物(24)は、冷却して水蒸気を凝縮させ、そして水を取り除く(図示されていない)。塩化物(HClとして存在する)及びアンモニアは、もしあれば、水と共に凝縮させてガスから取り除く。転化ガス混合物(24)は、転化器(20)から水素精製装置(26)へ導かれ、転化ガス混合物(24)から残留する不純物を取り除く。
【0025】
従来のいかなる精製手段も利用できる。しかしながら、最も好ましい実施の形態では、利用される精製装置は、加圧ガス流から固体吸着剤床上で不純物を吸着することにより、転化ガス混合物(24)から不純物を取り除き、水素(28)のような精製された加圧ガス流を提供するプレシャースイング吸着(PSA)装置(26)である。吸着剤床が吸着した不純物で飽和した場合は、その床を流れからはずして、ガス圧を下げることにより不純物を脱離して取り除く。不純物を取り除いた後は、吸着剤床を元に戻して加圧ガス流から不純物を吸着するように稼動させることができる。精製されるガスの流れと逆方向になるようにバルブを配置し、多数の移動式床を使用して稼動効率を上げることができる。例えば、米国特許第3,986,849を参照されたい。他の精製方法では、典型的に転化ガス混合物(24)をアミン溶液で処理して二酸化炭素及び硫化水素のような酸性ガスを吸収し、続いて、メタン化法又は銅液水洗法により微量の炭素酸化物を取り除き、最後に、分子ふるい乾燥法を行なう。好ましい転化ガス混合物(24)精製手段は、PSA装置(26)を通過させることであるが、本発明の方法では、必要な場合には、転化ガス混合物(24)を精製する他の手段を利用することもできる。
【0026】
図1に示されるように、PSA装置(26)から二つの流れを生じる。その流れの一方は、N2、CO2、CO、CH4、NH3及びH2S のような分離された不純物を含む除外されたガス流(8)である。その除外されたガス流(8)には、少量の未回収H2 も含まれる。
【0027】
PSA装置(26)から出る二つ目の流れは高純度の水素流(28)である。本発明の方法によって生成された水素は、少なくとも純度約99%である。生成した高純度の水素は、従来の方法を使用して回収され、多岐にわたる応用分野で利用できる。このような応用分野としては、水素化精製、水素化処理(hydroprocessing)、水素化分解、メタノール生成、オキソアルコール生成、異性化処理、等が含まれるが、これらに限定される訳ではない。
【0028】
本発明の方法では、再利用合成ガス(30)を炭化水素熱含量の低い調整剤として使用する。これらの再利用合成ガスは、必要な時に、または高圧時に利用できる。本発明の目的としては、合成ガスは、水洗浄して微粒子を取り除いた、また追加処理を受ける場合又は受けない場合のある部分酸化反応の生成物と定義する。
【0029】
本発明の方法では、再利用合成ガス(30)は、数箇所で取り除くことができる。前述のごとく、部分酸化反応により生成した合成ガスは、温度約2200〜2800゜F(1205〜1540℃)で反応器から出てくる。そのガス及び付随する微粒子は、直接水で急冷されるか、又は水洗浄して微粒子を取り除く前に熱回収装置で冷却される。水素が合成ガスから誘導される目的の生成物の場合は、部分酸化装置(18)からの生じる合成ガスは、直接水で急冷され、続いて水洗浄される。また、水洗浄された合成ガス(22)は、システム稼動圧力及び部分酸化反応器からの流出物を冷却するのに急冷するか又は間接的に熱交換するかに依存した量だけ水蒸気を含有する。一実施の形態においては、水洗浄合成ガス(22)は、直接水洗浄器から又は冷却して水蒸気を凝縮させた後、液体の水を取り除いて、再利用合成ガス(30)として利用することができる。水洗浄合成ガス(22)は、一酸化炭素転化触媒(20)上を通過させてガス中に存在する一酸化炭素を水素及び二酸化炭素(好ましくは直接水中で急冷した水洗浄部分酸化反応ガスを用いる)へ変換することができる。もう一つの実施の形態においては、転化ガス混合物(24)は、冷却して水蒸気を凝縮し、液体の水を取り除く前又は後で、再利用合成ガス(30)として利用することができる。冷却された転化ガス混合物(24)は、更に二酸化炭素及び硫化水素のような酸性ガス及び他の汚染物(もし存在する場合は)を取り除く処理をすることができる。本発明の更にもう一つの実施の形態においては、得られた水素生成物を再利用合成ガス(30)として利用できる。図1は、この実施の形態を図示したものである。
【0030】
更に、目的の最終生成物に依存して、例えばPSA装置から出る二酸化炭素及びメタンの混合物のような除外されたガス(8)ですら、本発明の目的のために再利用ガスとして利用できる。本発明の目的のためには、前に定義したように、再利用合成ガスは、前述のように一連の位置から取り出せるが、再利用合成ガスの二つの好ましい発生源を図1及び図2に示す。
【0031】
図1では、好ましい再利用合成ガスは、水素以外のガス化流出成分が取り除かれた時(例えばプレシャースイング吸着装置を利用して)に生じる高純度の水素流(28)から取り出された水素である。水素を再利用しても、水素生成物を発生させるPSA装置の能力を必ずしも減少させる訳ではないことに注目すべきである。PSA装置の能力は、吸着して続いて除去される不純物の量に依存する。
【0032】
図2では、再利用合成ガス(30)のもう一つの好ましい発生源は、転化ガス混合物(24)である。この転化ガス混合物(24)は、仕込まれた原料の混合供給ガス流(4)を緩和するための特に魅力のある試剤である。転化ガス混合物(24)は、(部分酸化装置が)高圧で得られ、オフガス圧縮(14)中の必要な時に、種々の組成の原料の混合供給ガス流(4)に導入することができる。特に、一般に100psig(0.7Mpa)で入手できる製油所オフガスは、約1000psig(約6.9Mpa)に圧縮する必要がある。これは、通常2工程圧縮(14)で達成される。転化ガス混合物(24)は、約900psig(6.2Mpa)で入手でき、オフガス圧縮の中間工程(16)で添加できる。オフガス中の重い成分は、圧縮後、内部段(inter−stage)冷却器(16)中で凝縮する場合がある。再利用ガス(30)を内部段冷却器(16)に注入すると、重い成分の分圧を下げ、そのため一般に重い成分が凝縮するのを防げる。通常、圧縮ガスは、保温されるが、液体が凝縮するのを防ぐために高温に保たなければならない。温度400゜F(204℃)では、C4 までの成分を、またC5及びC6の限られた量を気相に保つ。部分酸化装置供給ガス流(10)(製油所オフガス流及び再利用合成ガス)は、この目的(図示されていない)のために、一酸化炭素転化装置(20)からの熱い流出物に対して熱交換(間接的な加熱)することができる。
【0033】
本発明は、部分酸化装置(18)に対して、部分酸化装置供給ガス流(10)を設計流速FD及び設計炭化水素熱含量HDに保つ。設計流速及び設計炭化水素熱含量の選択は、当業者の能力の範囲内で十分行なえ、生成物体積要件、供給原料油の性質、所望の部分酸化装置稼動温度及び供給原料油予備加熱、等を含む要因に基づくものであるが、これらに限定される訳ではない。本発明により、部分酸化操作は、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量が変化するにもかかわらず、酸素流(6)流速を実質的に定常状態に保ち、生成物流(28)からの正味の水素生成を実質的に定常状態に保つことにより、定常状態に保たれる。
【0034】
供給ガス流速及び炭化水素熱含量の制御の第一工程は、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0及び再利用ガス流(30)の炭化水素熱含量HRを決定することである。次の工程は、次式に従って再利用ガス流(30)の流速FR及び原料の混合供給ガス流(4)の流速F0を調整することである。
0=FD×(HD−HR)/(H0−HR) (I)
(但しH0がHDより大きい場合)
0=FD (II)
(但しH0がHDより小さいか又は等しい場合)
R=FD−F0 (III)
言い換えると、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0 が、設計炭化水素熱含量HD より上に増加した場合には、原料の混合供給ガス流(4)の流速F0 を式(I)に従って減少させ、再利用ガス流(30)の流速を式(III)に従って計算し、そして再利用ガス流(30)を原料の混合供給ガス流(4)と組み合わせて部分酸化装置供給ガス流(10)を形成させる。その結果、実質的に一定の流速FD及び実質的に一定の炭化水素熱含量HDを有する部分酸化装置供給ガス流(10)が得られる。
【0035】
通常の部分酸化反応条件下では、合成ガス流(22)の中に極く僅かの炭化水素(一般的には、僅か約0.03〜約0.3モル%のメタン)が存在する。その結果、再利用合成ガスが合成ガス流(22)から、又は転化ガス流(24)から取り出される場合、部分酸化反応では不活性調整剤ガスが効果的である。また生成物流(28)から取り出された水素も不活性部分酸化調整剤ガスである。これらのガスを再利用調整剤ガスとして使用する時は、再利用ガス流(30)の炭化水素熱含量HR は、近似的にゼロであり、式(I)は、次のように単純化できる
。 F0=FD×HD/H0 (IV)
一方、PSA装置(26)から出る除去ガス流(8)から取り出された再利用ガスは、約5モル%までメタン(特に、二酸化炭素が、例えば加圧及び冷却により、又は酸性ガス洗浄により、再利用ガスから取り除かれた場合)を有する場合がある。そのため、除去ガスは、部分酸化反応に対する炭化水素燃料値に寄与することができる。この場合、その再利用ガスの炭化水素熱含量は、無視できず、HR項を含む式(I)を使用しなければならない。
【0036】
より詳細には、供給ガス流(10)炭化水素熱含量及び流速の制御は、次の工程を介して達成される。
【0037】
原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0 及び再利用ガス流(30)の炭化水素熱含量HR を、炭化水素熱含量解析手段(32)により決定する。その手段は、当業者には既知の又は今後発見されるようないかなる適切な炭化水素熱含量解析手段であってもよい。合成ガス流(22)、転化ガス混合物(24)又は水素流(28)を取り出して、再利用ガス流(30)を提供する場合、再利用ガスを解析して炭化水素熱含量を求める工程は、その炭化水素熱含量がゼロであることが知られているので、除外できる。
【0038】
原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0 及び必要な場合には再利用ガス流(30)の炭化水素熱含量HR を決定する一つの手段は、核磁気共鳴(図示されていない)を利用することである。そのような一つの応用例が米国特許出願第7/960,323号(1992年10月13日提出)に開示されている。それを引用することにより本明細書にも含まれるものとする。NMRスペクトルが分子中にどれだけ多くの異なる種類のプロトンがあるかを知らせる分離した信号を含むために、化学成分情報はMNRスペクトルから得ることができる。各信号の位置は、分子すなわちサンプル中の各プロトンの電子的環境を表わし、強度は各プロトン型の数に比例する。混合物を含む炭化水素分子及び各成分の相対濃度は、NMRスペクトルから決定できる。NMR現象は、サンプルの物理状態には依存せず、そのためH2、H2O、NH3及びH2Sを含むいかなる水素含有種でもプロトンNMRにより同定できる。例えばN2、CO及びCO2のような水素を含有しない成分は、プロトンNMRでは、同定されない。このためガスサンプル中の炭化水素の絶対濃度は、温度と圧力に関し同じ条件で観測された既知の成分を用いた検量線から決定できるようにする。加圧ガス流の分析結果は、非破壊的方法で得られ、必要ないかなる方法にも対処するために事前に計算される単位体積当たりの炭化水素熱含量は、ガスが部分酸化反応器(18)に達する前に、変化する。
【0039】
次の工程は、原料の混合供給ガス流(4)及び再利用ガス流(30)の炭化水素熱含量を表わす信号を発生させ、その信号を第一伝達手段(34)(ワイヤ(wire)手段のような適切ないかなる伝達手段を含む)により、評価手段(36)に転送することである。
【0040】
評価手段(36)は、例えばコンピュータ又はプロセス論理制御器(process logic controller)のような適切ないかなる評価手段であってもよい。評価手段(36)は、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量測定値H0を設計炭化水素熱含量HDと比較する。次に評価手段(36)は、前記式(I)〜(III)に従って、再利用ガス流(30)の流速FR及び原料の混合供給ガス流(4)の流速F0 を計算する。以下に述べるような導入をする場合は、この計算により、設計流速FD とほぼ等しい流速及び設計炭化水素熱含量HD とほぼ等しい炭化水素熱含量を有する部分酸化装置供給ガス流(10)が提供される。
【0041】
再利用ガス流(30)が、炭化水素熱含量がほぼゼロであることが知られている合成ガス流(22)、転化ガス混合物(24)、又は水素流(28)から取り出された合成ガスから成る場合、この値は、その測定、HR に関連する信号の発生及び伝達の必要がなく、直接評価手段の中で直接プログラム化できる。この場合、式(I)の変わりに前記式(IV)を使用することが好ましい。
【0042】
更に、設計流速FD及び設計炭化水素熱含量HDは、直接評価手段(36)中にプログラム化することが好ましい。
【0043】
次の工程は、再利用ガス流(30)の流速FR及び原料の混合供給ガス流(4)の流速F0 に対して計算された流速をこれらの流れに付加することである。好ましくは、これは次の工程で達成される。原料の混合供給ガス流(4)及び再利用ガス流(30)の実際の流速は、流れ検出手段(38)で測定される。この検出手段は、例えばターボ流量計及びオリフィス流量計のような適切ないかなる流れ検出手段であってもよい。これらの測定流速を表わす信号が発生され、第二伝達手段(40)(例えばワイヤ手段)によって評価手段(36)に伝達される。評価手段(36)は、測定流速を計算流速と比較し、再利用ガス流(30)及び原料の混合供給ガス流(4)に位置するバルブ(42)への命令を表わす信号を発生し、これらの流れの実際の流速を必要であれば上げたり下げたりして調整し、計算流速と同じになるようにする。これらの信号は、第三の伝達手段(44)によってバルプ(42)に伝達される。
【0044】
これは連続工程である。原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量が変化する時はいつでも、原料の混合供給ガス流(4)及び再利用ガス流(30)の流速が調整され、設計流速と等しいほぼ一定の流れ及び最適の設計炭化水素熱含量を有する部分酸化装置供給ガス流(10)を提供する。部分酸化装置が好ましい温度範囲外で稼動するには十分でない原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量の小さな変化が制御系を働かすことがないように許容範囲を設定できることは、当業者は認知するだろう。
【0045】
また図2に描かれているもう一方の実施の形態では、本発明は、部分酸化装置供給ガス流(10)の炭化水素熱含量が、設計炭化水素熱含量HD より下がらないことを保証する。こうして、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0が設計炭化水素熱含量HDより上がる時、部分酸化装置供給ガス流(10)の炭化水素熱含量を減少させることについて既に記述した工程に加えて、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0が設計炭化水素熱含量HDより下がる時、部分酸化装置供給ガス流(10)の炭化水素熱含量を増加させる工程も取り入れる。
【0046】
一般に、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量が設計炭化水素熱含量HD より下がる時は、再利用合成ガスはその供給ガス流には加えない。そのかわり、補助的ガス流(46)、例えば液化石油ガス(主成分はプロパン−プロピレンである)のような炭化水素熱含量の高いガスを原料の混合供給ガス流(4)に注入してその炭化水素熱含量を設計炭化水素熱含量HD まで上げる。
【0047】
特に、このもう一方の実施の形態には、図1に図示された実施の形態を含む工程をすべて含んでおり、それに加えて、次の工程も含む。
【0048】
補助的ガス流(46)の炭化水素熱含量HS は、典型的には既知であるか、又は炭化水素熱含量解析手段(前述のような)により測定される。HS が既知の場合は、評価手段(36)中に簡単にプログラム化できる。一方では、HS を熱含量解析手段(32)及びそれに対応して発生される信号により測定できる。その信号は、伝達手段(34)(前述のような)により、評価手段(36)(前述のような)へ伝達される。評価手段(36)は、原料の混合供給ガス流(4)の炭化水素熱含量H0を、設計炭化水素熱含量HDと比較し、原料の混合供給ガス流(4)に対する目標流速F0、再利用ガス流(30)に対する流速FR及び補助的ガス流(46)に対する流速FS を以下の式に従って計算する。
【0049】
0=FD×(HD−HR)/(H0−HR
R=FD−F0
S=0
(但し、H0がHDより大きい場合)
0=FD×(HD−HS)/(H0−HS
R=0
S= FD−F0
(但し、H0がHDより小さい場合)
0=FD
R=0
S=0
(但し、H0とHDが等しい場合)
上記式中、FD は、部分酸化装置供給ガス流(10)の設計流速を表わす。
【0050】
次の追加工程は、補助的ガス流(46)の流速をFS に対して計算された流速と等しくセットすることである。好ましくはこれは次の工程により達成される。補助的ガス流(46)の流速は、流れ検出手段(38)(前述したような)を用いて測定される。補助的ガス流(46)の流速に対応する信号は、好ましくは流れ検出手段(38)により発生され、伝達手段(40)(前述したような)により、評価手段(36)へ伝達される。次に評価手段(36)は、流速の測定値と補助的ガス流(46)に対して計算された流速FS と比較し、補助的ガス流(46)中に配置されたバルプ(42)への命令を表わす信号を発生し、その流速が計算された流速FS と等しくなるように流れを速めたり、遅らせたりする。その信号は、次に補助的ガス流(46)の実際の流速が計算値と合うように調整できるよう、伝達手段(44)(前述したような)により、バルプに伝達される。勿論、原料の混合供給ガス流(4)及び再利用ガス流(30)に関して同じ対処がとられる最初の実施の形態中で記述された工程に加えて、このことが行われる。
【0051】
この最初のもう一方の実施の形態は、供給ガス流炭化水素熱含量の変動が大きかったり小さかったりするにもかかわらず、炭化水素熱含量及び流速を比較的一定に保つ部分酸化装置供給ガス流(10)を生じる結果となる。
【0052】
二番目のもう一方の実施の形態では、再利用ガス流(30)が水素生成物流(28)から取り込まれ、圧縮する前に、原料の混合供給ガス流(4)に添加される。次にこの流れは、圧縮する前に、貴金属触媒(図示されていない)上を通過する。製油所オフガスが圧縮される時、オフガス中の不安定種は、ガスの圧縮中にガムを形成できる。アセチレン及びジオレフィンのような不安定炭化水素は、貴金属触媒を介して水素化することにより、より安定な物質に変換できる。そのため、高圧で入手できる再利用水素をオフガスに添加し、続いて水素とオフガスの混合物を貴金属触媒に通すことにより、ガス圧縮器/熱交換器中で析出物が形成されるのを防ぐようにできる。
【0053】
【実施例】
以下の実施例は、本発明のある実施の形態を実行するための方法及び手段を更に具体的に提供する。
【0054】
(実施例 1)
この実施例は、製油所オフガス混合物から供給される部分酸化装置に対する典型的な流速及び炭化水素熱含量を具体的に示すものである。
【0055】
以下の設計値及び測定値が与えられている。
再利用ガス炭化水素熱含量(HR) 0 Btu/scf
原料供給ガス炭化水素熱含量(H0) 1419 Btu/scf
設計供給炭化水素熱含量(HD) 1000 Btu/scf
設計POXユニット供給流速(FD) 5.2 mmscfd
【0056】
評価装置は、以下のような所望の流速を計算する。
Figure 0003734859
【0057】
(実施例 2)
この実施例は、実施例1で使用された混合物から製油所オフガスの異なる混合物から供給され、炭化水素熱含量の高い補助的な供給ガスが必要な部分酸化装置に対する典型的な流速及び炭化水素熱含量を具体的に示すものである。
【0058】
以下の値が与えられている。
原料供給ガス炭化水素熱含量(H0) 649 Btu/scf
補助的ガス炭化水素熱含量(HR) 2517 Btu/scf
設計供給炭化水素熱含量(HD) 1000 Btu/scf
設計部分酸化装置供給流速(FD) 5.2 mmscfd
評価装置は、以下のような流速を計算する。
Figure 0003734859

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を実行する時に含まれる工程の略図である。
【図2】本発明のもう一方の実施の形態の略図である。
【符号の説明】
2 原料の供給ガス流、4 原料の混合供給ガス流、6 酸素流、8 除去ガス流、10 部分酸化装置供給ガス流、12 混合タンク、14 加圧部、18 部分酸化装置、16 オフガス加圧部(内部段冷却器)、18 部分酸化反応器、20 水性ガス転化器(一酸化炭素転化触媒)、22 合成ガス混合物流、24 転化ガス混合物流、26 水素精製装置(PSA装置)、28 高純度水素流、30 再利用合成ガス流、32 炭化水素熱含量解析手段、34 第一伝達手段、36 評価手段、38 流れ検出手段、40 第二伝達手段、42バルブ、44 第三伝達手段、46 補助的ガス流。

Claims (3)

  1. a) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を決定する工程、
    b) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を表わす信号を設定する工程、
    c) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を部分酸化装置供給ガスの設計炭化水素熱含量HD と比較し、
    i.次式に従って原料供給ガス流の流速F0
    0=FD×HD/H0
    但し、H0がHDより大きい場合
    0=FD
    但し、上記以外の場合
    及び
    ii.次式に従って再利用ガス流の流速FR
    R=FD−F0
    〔前記式中、FDは部分酸化装置供給ガス流の設計流速を表わす〕
    を決定する評価手段へ前記信号を伝達する工程、
    d) 工程c)で計算された値F0 に従って原料供給ガス流の流速を調整する工程、
    e) 工程c)で計算された値FR に従って再利用ガス流の流れを調整する工程、
    f) 原料供給ガス流と、もしあれば再利用ガス流を混ぜて、部分酸化装置供給ガス流を形成する工程、
    g) 部分酸化装置供給ガスを部分酸化して一酸化炭素と水素から成る合成ガス混合物を生成する工程、
    を有することを特徴とする部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的にしかも迅速に制御する方法。
  2. 前記方法の工程a)、b)及びc)を
    a) 再利用ガス流の炭化水素熱含量HR を決定することを追加した工程、
    b) 再利用ガス流の炭化水素熱含量を表わす信号を設定することを追加した工程、
    c) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を表わす信号と再利用供給ガス流の炭化水素熱含量HR を表わす信号の両方を評価手段に伝達し、その評価手段が原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 と部分酸化装置供給ガスの設計炭化水素熱含量HD とを比較し、
    i.次式に従って原料供給ガス流の流速F0
    0=FD×(HD−HR)/(H0−HR
    但し、H0がHDより大きい場合
    0=FD
    但し、上記以外の場合
    及び
    ii.次式に従って再利用ガス流の流速FR
    R=FD−F0
    (前記式中、FD は部分酸化装置供給ガス流の設計流速を表わす)
    を決定する工程、
    のように変更した請求項1記載の方法。
  3. a) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 、再利用ガス流の炭化水素熱含量HR及び補助的ガス流の炭化水素熱含量HSを決定する工程、
    b) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 、再利用ガス流の炭化水素熱含量HR 及び補助的ガス流の炭化水素熱含量HS を表わす信号を設定する工程、
    c) 原料供給ガス流の炭化水素熱含量H0 を部分酸化装置供給ガスの設計炭化水素熱含量HDと比較し、次式に従って原料ガス流の流速F0、再利用ガス流の流速FR及び補助的ガス流の流速FS
    0=FD×(HD−HR)/(H0−HR
    R=FD−F0
    S=0
    但し、H0がHDより大きい場合
    0=FD×(HD−HS)/(H0−HS
    R=0
    S=FD−F0
    但し、H0がHDより小さい場合
    0=FD
    R=0
    S=0
    但し、H0がHDと等しい場合
    〔前記式中、FD は部分酸化装置供給ガス流の設計流速を表わす〕
    を決定する評価手段へ前記信号を伝達する工程、
    d) 工程c)で計算された値FR に従って再利用ガス流の流れを調整する工程、
    e) 工程c)で計算された値FS に従って補助的ガス流の流れを調整する工程、
    f) 工程c)で計算された値F0 に従って原料供給ガス流の流速を調整する工程、
    g) 原料供給ガス流、もしあれば再利用ガス流及びもしあれば補助的ガス流を混ぜて、部分酸化装置供給ガス流を形成する工程、
    h) 部分酸化装置供給ガスを部分酸化して一酸化炭素と水素から成る合成ガス混合物を生成する工程、
    を有することを特徴とする組成不明の部分酸化装置供給ガス流の炭化水素熱含量を連続的にしかも迅速に制御する方法。
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