JP3734013B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置の技術分野に属し、特に、回転体に支持されて回転可能な現像装置の現像ローラとトナーの薄層規制部材との接触部が現像ローラの回転中心より下方に位置している、いわゆる下規制の現像器を備えた画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体に担持された静電潜像を現像装置によりトナー像に現像した後、このトナー像を紙等の記録媒体に転写し、更に記録媒体に転写したトナー像を定着することにより、画像を得るようになっている。
【0003】
ところで、画像形成装置の現像装置においては、現像のため現像ローラによりトナーを感光体に搬送しているが、良好な現像を行うためには適正量のトナーを感光体に搬送する必要がある。そこで、従来、供給ローラから現像ローラへ供給するトナーのトナー量を薄層規制部材により規制して現像ローラ表面に所定のトナー薄層を形成することにより、現像ローラによる感光体へのトナー搬送を行っている。
【0004】
このような薄層規制部材による現像ローラ上のトナーの層厚を規制する方法として、従来、トナーの薄層規制部材を現像ローラの回転中心より下方に配置し、この現像ローラの回転中心より下方位置でトナーの薄層規制部材によるトナーの層厚を規制する、いわゆる下規制の方法がある。
この下規制によるトナー層厚規制の方法においては、供給ローラから供給されたトナーのうち、規制されたトナー層厚の分を除く余剰のトナーが薄層規制部材により掻き取られ、掻き取られた余剰のトナーは、供給ローラの下方に位置し、供給ローラと現像ローラと薄層規制部材とによって囲まれた空間内に停滞して貯留するようになる。そして、この空間内に余剰のトナーが過充填されて空間内がトナーの圧粉状態になると、薄層規制部材によるトナー層厚規制が適正に行われなくなってトナー層厚が増加し易くなったり、またこの空間内のトナーが現像ローラと薄層規制部材との間から噴き出し易くなったり、更にはトナーが薄層規制部材の支持部材におけるシール部から漏出し易くなったりするようになる。
【0005】
このようなことから、従来、前述の空間内にトナー供給ローラの下方かつトナー層厚規制部材の側方に位置して回転可能なトナー掻き出し部材を設け、このトナー掻き出し部材を回転することで、前述の空間内に貯留する余剰のトナーを現像器のトナー貯留部内に掻き出すようにした現像装置が特開平9−244406号公報において提案されている。
また、他の方法として、前述の空間内に貯留した余剰トナーあるいは現像ローラからの回収トナーを現像器内のトナー貯留空間内に移動させるための回収経路を設けるとともに、この回収経路に回転可能な攪拌部材を設け、この攪拌部材を回転することで、前述の空間内に貯留するトナーを、回収経路を介して現像器のトナー貯留部内に掻き出すようにした現像装置が特開平9−305020号公報において提案されている。
これらの公開公報に開示されている現像装置においては、トナー掻き出し部材または攪拌部材を回転させることで、前述の空間内に貯留する余剰トナーがその空間内から確実に掻き出されるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のいずれの公開公報に開示されている現像装置においても、トナー掻き出し部材あるいは攪拌部材といった特別の部材を設ける必要があるとともに、この特別の部材を回転駆動するための特別の回転駆動機構が必要となる。このため、部品点数が増加して現像装置の構造が複雑かつ大型になるばかりでなく、コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、下規制の現像装置において前述の空間内に停滞貯留した余剰のトナーをより確実に掻き出しながら、しかも、構造の簡素化、軽量小型化および低コスト化を図ることのできる現像装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、回転体に取り付けられたイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の現像器の1つを前記回転体を回転することで現像位置に設定し、現像位置に設定された現像器により感光体の潜像を現像するようになっている現像装置と、この現像装置の外部に設けられ、前記現像装置に供給するトナーを蓄えるトナー貯蔵装置とを少なくとも備えるとともに、前記各現像器が、それぞれ、回転することでそれらの現像器のトナー貯留空間内にあるトナーを前記感光体の方へ搬送して前記感光体の潜像を現像する現像ローラと、回転することで前記トナー貯留空間内にあるトナーを前記現像ローラに供給する供給ローラと、前記現像ローラに接触し、前記供給ローラから前記現像ローラに供給されるトナーを規制して前記現像ローラ表面に所定のトナーの薄層を形成する薄層規制部材とを備えている画像形成装置において、前記各現像器が、それぞれ、現像位置に設定された状態では前記現像ローラと前記薄層規制部材との接触部が前記現像ローラの回転中心より下方になるように設定されており、更に、所定回数の連続印字終了後に、連続印字を行った現像器の供給ローラを少なくとも所定時間現像外回転させることを特徴としている。
【0011】
【作用】
このように構成された本発明の画像形成装置においては、所定回数の連続印字終了後に、連続印字を行った現像器の供給ローラが少なくとも所定時間現像外回転されるようになる。これにより、現像ローラと供給ローラと薄層規制部材とで囲まれる空間内に停滞貯留する余剰トナーのほとんどがより確実に掻き出されるようになり、空間内のトナーの過充填が防止される。したがって、特別のトナー掻き出し部材を設けることなく供給ローラを単に現像外回転するという簡素な構成で前述のようなトナー層厚の増加、トナーの噴き出しおよび薄層規制不良が防止され、現像装置の構造の簡素化、軽量小型化および低コスト化が可能となる
しかも、供給ローラは所定時間だけ回転されるだけであるので、供給ローラの現像外回転によるトナーのダメージが抑制され、画質の劣化が抑制される。
【0012】
更に、すべての現像装置の非現像動作時に、供給ローラが現像外回転動作を行うようになるので、供給ローラが回転する際に発生する負荷変動や起動/停止時に発生する振動等の影響が現像動作に与えることがなくなり、現像器の現像動作時にはそれぞれ良好な現像が行われるようになる。
更に、現像器の現像動作時に供給ローラを回転させる駆動モータ等の駆動源で供給ローラを単に現像外回転させることが可能となるので、この駆動源に供給ローラの現像外回転のために新たに駆動負荷トルクを上乗せする必要がなく、現像動作に必要な最小限の駆動源で供給ローラの現像外回転が可能となる。しかも、空間内のトナーを掻き出すことで薄層規制部やトナーシール部の摺動負荷が低減されるので、現像器駆動源の駆動負荷トルクが小さくなる。これにより、エネルギ消費が抑制されるので、省エネが効果的に実現されるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例における現像装置および感光体を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1はロータリ式現像装置2を備えており、このロータリ式現像装置2は、回転可能に設けられたロータリ3と、このロータリ3に支持された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各現像器4,5,6,7とを備えている。これらの各現像器4,5,6,7はロータリ3の周方向にこれらの順に時計回りでかつ等間隔で配設されており、それぞれ、現像ローラ4a,5a,6a,7aと、供給ローラ4b,5b,6b,7bと、現像ローラ4a,5a,6a,7aのトナー層厚を規制する薄層規制部材4c,5c,6c,7cと、第1および第2オーガ4d,5d,6d,7d;4e,5e,6e,7eとを備えている。
【0014】
この例の画像形成装置1は、図1に示すように例えばイエローの現像器4が、現像ローラ4aが感光体8に当接して現像を行う現像位置に設定された状態では、現像ローラ4aと感光体8とがロータリ3の回転中心Oより下方に位置しているとともに、現像ローラ4aと薄層規制部材4cとの接触部が現像ローラ4aの回転中心4a1より下方に位置する下規制の現像器とされている。
【0015】
そして、ロータリ3が矢印αで示す反時計方向に回転することで、これらの各現像器4,5,6,7は、それらの現像ローラ4a,5a,6a,7aが順次感光体8に当接される現像位置に設定されるようになっている(図1ではイエローの現像器4が現像位置に設定されている)。いずれの現像器4,5,6,7も現像位置以外にあるときは、それらの現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4b,5b,6b,7bがともに停止している。また、いずれの現像器4,5,6,7も現像位置に設定されたときは、それらの現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4b,5b,6b,7bがともに回転され、現像器4,5,6,7の後述するトナー貯留空間4h,5h,6h,7h内のトナーが供給ローラ4b,5b,6b,7bによって現像ローラ4a,5a,6a,7aに供給され、更に、薄層規制部材4c,5c,6c,7cによって現像ローラ4a,5a,6a,7aの表面に薄いトナー層が形成されて感光体8の方へ搬送されるようになっている。
なお、各色の現像器4,5,6,7の配設順序は、前述の順序に限定されることなく任意に設定される。しかし以下の説明では、説明の便宜上、前述の色の順序、つまり、時計方向にイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの順で各現像器4,5,6,7が配設されているものとする。
【0016】
また図2に示すように、ロータリ式現像装置2はロータリ3の一端からこのロータリ3と同心状に軸方向に突出するトナー受入部9を備えており、このトナー受入部9はロータリ3と一体に回転されるようになっている。図3に示すように、このトナー受入部9は、ロータリ3と同心状に軸方向に延びる円筒部10と、この円筒部10の一端に設けられたロータリ3に取り付けられるフランジ部11とからなっている。円筒部10の内部空間には十字形の仕切壁12によって4つの扇形のトナー移動路13,14,15,16が区画形成されており、これらのトナー移動路13,14,15,16はそれぞれ軸方向に長くかつフランジ部11側の端が開口されかつフランジ部11側と反対側の端が閉塞されている。各トナー移動路13,14,15,16には、それぞれ、順にイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーが受け入れられるようになっている。
【0017】
更に、円筒部10の外周面には、この外周面を軸方向に4つに区画形成する5つの仕切リブ17,18,19,20,21が設けられている。隣接する2つの仕切リブ17,18の間の円筒部10の区画領域には、トナー移動路13と外部とを連通してイエローのトナーを円筒部10の外周からトナー移動路13内に導入するトナー受入口22が穿設され、同様に2つの仕切リブ18,19の間の円筒部10の区画領域には、トナー移動路14と外部とを連通してマゼンタのトナーを円筒部10の外周からトナー移動路14内に導入するトナー受入口23が穿設され、更に2つの仕切リブ19,20の間の円筒部10の区画領域には、トナー移動路15と外部とを連通してシアンのトナーを円筒部10の外周からトナー移動路15内に導入するトナー受入口24が穿設され、更に2つの仕切リブ20,21の間の円筒部10の区画領域には、トナー移動路16と外部とを連通してブラックのトナーを円筒部10の外周からトナー移動路15内に導入するトナー受入口(不図示)が穿設されている。したがって、各トナー受入口はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーの順に反時計方向にほぼ90°ずつ位相がずれて設けられている。
【0018】
更に、図3に示すようにロータリ式現像装置2は、2つの仕切リブ17,18の間に設けられて仕切リブ17,18の間の空間を閉塞して後述するトナー一時貯留部27を形成するクランプ状の一対の一時貯留部形成部材25,26が設けられている。これらの一時貯留部形成部材25,26は、それぞれ円弧状部25a,26aと、これらの円弧状部25a,26aの両端からそれぞれ延びる連結フランジ部25b,25c;26b,26cとからなっている。そして、図1、図4および図5に示すように円弧状部25a,26aが仕切リブ17,18の間に嵌合されかつ仕切リブ17,18の間の円筒部10を囲うようにして配置された状態で、一時貯留部形成部材25の一端側の連結フランジ部25bと一時貯留部形成部材26の一端側の連結フランジ部26bとが、また一時貯留部形成部材25の他端側の連結フランジ部25cと一時貯留部形成部材26の他端側の連結フランジ部26cとがそれぞれ突き合わされて、図示しないボルトあるいはねじ等の適宜の固着具で互いに連結されることにより、これらの一時貯留部形成部材25,26は円筒部10をクランプ状に囲っている。
【0019】
このように一対の一時貯留部形成部材25,26が仕切リブ17,18の間に設けられた状態では、図5に示すように仕切リブ17,18の間の円筒部10の外周面と円弧状部25a,26aの内周面25a1(円弧状部26aおよびその内周面は不図示)との間にイエローのトナーのトナー一時貯留部27(本発明の一時貯留部に相当)が形成されるようになっており、このトナー一時貯留部27は仕切リブ17,18の間の円筒部10の外周面を覆うようにして環状に形成されている。このトナー一時貯留部27はトナー受入口22を介してイエローのトナー移動路13に常時連通していて、イエローのトナーがトナー一時貯留部27からトナー受入口22を通ってトナー移動路13内に導入可能となっている。その場合、図3に示す円弧状部25a,26aの内周面25a1,26a1および連結フランジ部25b,25c;26b,26cの突き合わせ面25b1,25c1;26b1,26c1には図示しないがシール部材が設けられていて、トナー一時貯留部27内のトナーが外部に漏れるのが防止されている。
【0020】
また、一時貯留部形成部材25,26が仕切リブ17,18の間に設けられた状態では、トナー受入部9がロータリ3と一体に回転するとき、仕切リブ17,18は一時貯留部形成部材25,26に対して相対的に回転摺動するようになっている。そして、仕切リブ17,18の各側面と各一時貯留部形成部材25,26の側面とが摺接することによっても、トナー一時貯留部27内のトナーが一時貯留部形成部材25,26の外部に漏れるのが防止されている。
【0021】
図3および図4に示すように一方の一時貯留部形成部材25の円弧状部25aには、トナー一時貯留部27内の所定量のトナーの有無を検知するトナー検知手段94が設けられている(なお、このトナー検知手段94は図2には図示省略されている。また、図3に示すトナー検知手段94およびトナー受入口22のそれぞれの位置と図4に示すトナー検知手段94およびトナー受入口22のそれぞれの位置とがずれて示されている。)。このトナー検知手段94はコ字状に形成された光学センサからなり、この光学センサのコ字状の二股部に存在するトナーを光学的に検知するようになっている。
一方の一時貯留部形成部材25の円弧状部25aには、イエローのトナーを供給するための補給管28が連結されており、図5に示すようにこの補給管28はトナー一時貯留部27内に開口している。
【0022】
マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーに対しても、それぞれ、このようなイエローのトナーのための一対の一時貯留部形成部材25,26および補給管28とそれぞれまったく同じ一対の一時貯留部形成部材29,30;31,32;33,34および補給管35,36,37が、図2に示すように同じようにして設けられているとともに、イエローのトナーのための図3および図4に示すトナー検知手段94とまったく同じトナー検知手段が同じようにして設けられている。したがって、図示されないが各一時貯留部形成部材29,30;31,32;33,34によって、仕切リブ18,19の間の円筒部10の外周面を覆うようにしてイエローのトナー一時貯留部27と同様のマゼンタのトナー一時貯留部、仕切リブ19,20の間の円筒部10の外周面を覆うようにしてイエローのトナー一時貯留部27と同様のシアンのトナー一時貯留部、および仕切リブ20,21の間の円筒部10の外周面を覆うようにしてイエローのトナー一時貯留部27と同様のブラックのトナー一時貯留部がそれぞれ形成されている。
【0023】
これらのマゼンタ、シアンおよびブラックの各トナー一時貯留部も、イエローの場合と同様にして、それぞれ対応するトナー受入口を介してマゼンタのトナー移動路14、シアンのトナー移動路15およびブラックのトナー移動路16に常時連通しているとともに、各補給管35,36,37がそれぞれ各トナー一時貯留部内に開口している。
【0024】
そして、上側の各トナー一時貯留部形成部材の円弧状部の内周面により各トナー一時貯留部の外周面が規定されている(図5に一例として、イエローのトナーのトナー一時貯留部27の外周面はイエローのトナーの上側のトナー一時貯留部形成部材25の円弧状部の内周面25a1により規定されていることが示されている)が、回転中心Oから各トナー一時貯留部の外周面までの距離d1が、回転中心Oから図6に示す各現像器4,5,6,7内のトナーが貯留するトナー貯留空間4h,5h,6h,7hの最大距離d2より小さくなる(d1<d2)ように設定されている。
【0025】
このトナー貯留空間について説明すると、例えばイエローの現像器4のトナー貯留空間4hは、イエローの現像器4と隣接するマゼンタの現像器5とを仕切る各仕切壁97と、イエローの現像器4と隣接するブラックの現像器7とを仕切る仕切壁98と、イエローの現像ローラ4aと、このイエローの現像ローラ4aに接触するトナー薄層規制部材4cと、このトナー薄層規制部材4cを支持する規制部材支持部材4fと、イエローの現像ローラ4aに接触してイエローのトナーをシールするトナーシール部材4gとによって囲まれる空間(図6で斜め格子で示されている空間)である。すなわち、イエローのトナー貯留空間4hは、トナー薄層規制部材4cによる薄層規制後に現像ローラ4a上に担持されないイエローのトナーが貯留する空間である。そして、この例のイエロー現像器4においては、図6に矢印で示す仕切壁98の位置98aと回転中心Oとの間の距離がトナー貯留空間4hの最大距離d2となっている。
なお、マゼンタ、シアンおよびブラックの色の各トナー貯留空間5h,6h,7hも、前述のイエローの場合と同様に各仕切壁99,100等によって囲まれる空間である。
【0026】
ところで、後述するように円筒部10のトナー受入口が上向きになって、その上向きになったトナー受入口に対応するトナー一時貯留部内のトナーがそれぞれこのトナー受入口および対応するトナー移動路を通って対応する現像器内に供給されるが、このとき、この現像器内に供給されたトナーの水位レベルはトナーの流動性による平準化作用によりトナー一時貯留部内のトナーの水位レベルとほぼ同じになる。したがって、各トナー一時貯留部内のトナーの水位レベルを制御することにより、現像器へのトナー供給時での現像器内のトナーの水位レベルが制御されるようになる。その場合、各トナー一時貯留部内のトナーの水位レベル、つまりトナー量は、それぞれ各トナー検知手段によるトナー有無の検知に基づいて各トナー容器42,43,44,45の回転を制御することで制御されるようになっている。
【0027】
トナー一時貯留部のトナーの最大水位レベルはこのトナー一時貯留部の外周面の最上位置(つまり、回転中心Oからこの外周面までの距離d1)以下に制御されるようになっている。したがって、現像器へのトナー供給時には、現像器内のトナーの最大水位レベルも回転中心Oからこの距離d1以下に規制され、それ以上、トナーは現像器内に供給されない。いま、回転中心Oから各現像器4,5,6,7のトナー貯留空間4h,5h,6h,7hの最大距離d2がこの距離d1より大きく設定されているので、これにより各現像器内にトナーが完全に充填されることはなく、各現像器内のトナー貯留空間4h,5h,6h,7hには、それぞれ、所定のトナー非存在空間が自動的にかつ確実に形成されるようになる。そして、このトナー非存在空間が形成されることで、ロータリ3の回転により各現像器が回転するとき、各現像器内で新しく供給されたトナーと残っている古いトナーとが効率よく攪拌されて、各現像器内のトナーが均一になるようにされているとともに、トナーの過剰充填による各現像器のトナー規制部材およびトナーシール部材からのトナーの噴き出しが防止されるようになっている。
【0028】
そして、各現像器とこれらの現像器にそれぞれ対応するトナー受入部9のトナー受入口は、各現像器内のトナーの最大水位レベルの制御によって形成されるトナー非存在空間が、トナー受入部9のその現像器に対応するトナー受入口が回転中心Oより上方に位置するときに同様に回転中心Oより上方に位置するように配置されている。
【0029】
一方、図2に示すように各補給管28,35,36,37は、それぞれ、現像装置2の外部に設けられたトナーを貯蔵するトナー貯蔵部における、イエローのトナー容器42、マゼンタのトナー容器43、シアンのトナー容器44、ブラックのトナー容器45に連結補給管38,39,40,41を介して接続されている。
【0030】
各トナー容器42,43,44,45はともに同じものであり、図7(a)に示すように樹脂製の円筒状容器46からなるとともに、その内周面には螺旋状のリブ47が一体成形されている。円筒状容器46の一側の端面には把手48が設けられ、また円筒状容器46の他側の端面中央には係合凹部49が形成されているとともに端面中央から偏心した位置に、トナー排出孔50が穿設されている。更に、円筒状容器46の他側の端面には、図7(b)に示すシール部材51、シャッタ部材52およびシャッタ押さえ部材53が相対回動可能に嵌入されている。これらのシール部材51、シャッタ部材52およびシャッタ押さえ部材53には、トナー排出孔50に連通可能なトナー排出孔54がそれぞれ穿設されている。更に、円筒状容器46の他側の端部外周面には突起状の第1の係合手段55が設けられているとともに、シャッタ部材52の外周面にも突起状の第2の係合手段56が設けられている。
【0031】
このように構成された円筒状容器46は図8に示す円筒状の容器支持部材57に支持されるようになっている。この容器支持部材57の周面には、開放された一端から他端に向けて軸方向に延びるスリット状の軸方向案内手段58と、この軸方向案内手段58の他端より少し手前で軸方向案内手段58から周方向に分岐して延びるスリット状の周方向案内手段59と、軸方向案内手段58の周方向案内手段59との分岐点より他端側に設けられた係合凹部60と、周方向案内手段59の終端部に設けられた係合凹部61とがそれぞれ設けられている。また、容器支持部材57の周面には、所定数の円形状のトナー落下孔62が穿設されている。
【0032】
更に、容器支持部材57の一端開口側には弾性シール部材63が装着されており、この弾性シール部材63は円筒状容器46の回転に伴うがたつきを防止するとともに、この円筒状容器46を容器支持部材57から離脱する際に容器外周面に付着するトナーをクリーニングする機能を有している。そのうえ、容器支持部材57の下方にはトナー受け部材64が配設されており、このトナー受け部材64により、画像形成装置1の内部がトナーで汚染されるのが防止されている。
【0033】
容器支持部材57の他端には、シャッタ部材65およびシール部材66が嵌合固定されている。図9(b)に示すように、これらのシャッタ部材65およびシール部材66にはそれぞれトナー排出孔67,68が穿設されており、シャッタ部材65のトナー排出孔67の周縁には環状のリブ状突起69が設けられている。この環状のリブ状突起69はシール部材66のトナー排出孔68の周縁に圧接されていて、トナー排出孔67,68を通過するトナーの漏出が防止されている。
また、シャッタ部材65の中心部には円筒状の第3の係合手段70が軸方向にかつ同心状に突設されており、この第3の係合手段70はトナー容器である円筒状容器46の係合凹部49に周方向に係合されている。
【0034】
容器支持部材57の他端には、トナー貯留容器71がこの容器支持部材57に対し相対回転可能に取り付けられている。図9に示すように、このトナー貯留容器71はその一端側が開口されているとともに、他端側に排出筒部72が設けられている。排出筒部72の内部はトナー貯留容器71に連通しているとともに、排出筒部72にはこの排出筒部72の内部と外部とを連通するトナー排出孔73が穿設されている。更に、排出筒部72の外周には、トナー排出孔73を挟んで一対の環状のシール部材74,75が周方向に設けられている。そして、排出筒部72が対応する連結補給管38,39,40,41の端部に設けられた貫通孔76,77に相対回転摺動可能に貫通されて、連結補給管38,39,40,41の補給管28,35,36,37との反対側の端部がこれらの一対の環状のシール部材74,75の間に配設されている。
【0035】
トナー貯留容器71の一端側の開口部には、円板プレートからなるシャッタ部材78が嵌合固定されているとともに、このシャッタ部材78にはトナー排出孔79が設けられている。そして、トナー排出孔67,68およびトナー排出孔79が常時周方向に整合されて互いに軸方向に連通されている。また、シャッタ部材78の中心部には係合部80が軸方向にかつ同心状に突設されているとともに、この係合部80は容器支持部材57に固定された円筒状の第3の係合手段70に嵌合されかつ周方向に係合されている。したがって、円筒状容器46がその中心軸まわりに回動すると、2つのシャッタ部材65,78がともに一体に回動するようになっている。更にシャッタ部材78には、調整部材81が各トナー排出孔79にそれぞれトナー排出孔79が上に来たとき、トナー貯留容器71内のトナーがトナー排出孔79へ流動するように設けられている。
【0036】
排出筒部72のトナー貯留容器71と反対側の端には回転軸82が同心状に設けられており、この回転軸82には駆動ギア83が嵌合固定されている。
そして、トナー貯留容器71の外周に設けられた連結フランジ84と容器支持部材57の外周に設けられた連結フランジ96とが連結され、駆動ギア83に加えられる駆動力で回転軸82が回転することで、トナー貯留容器71および容器支持部材57が一体に回転するようになっている。
【0037】
次に、円筒状容器46を容器支持部材57に装着する動作について説明する。円筒状容器46が容器支持部材57に装着される前では、円筒状容器46の第1の係合手段55とシャッタ部材52の第2の係合手段56とが周方向に整合しているとともに、円筒状容器46のトナー排出孔50と、シール部材51、シャッタ部材52の各トナー排出孔54とが周方向に整合していなく、互いに軸方向に連通していない。したがって、円筒状容器46からのトナーの漏出が防止されている。
【0038】
この円筒状容器46を容器支持部材57に装着するにあたり、円筒状容器46の把手48を持って、円筒状容器46の第1の係合手段55とシャッタ部材52の第2の係合手段56を容器支持部材57の軸方向案内手段58に嵌合するようにして円筒状容器46を容器支持部材57の一端側から挿入し、軸方向に進入させる。そして、図10(b)に示すように第2の係合手段56が係合凹部60に係合したとき、円筒状容器46を図10(a)において時計方向に回動させると、第1の係合手段55が周方向案内手段59に沿って移動する。このとき、第2の係合手段56が係合凹部60に係合しているので、シール部材51、シャッタ部材52およびシャッタ押さえ部材53はいずれも円筒状容器46の回動にともなって回動しない。したがって、これらの部材と円筒状容器46および容器支持部材57側のシャッタ部材65,78との間に相対回動が生じるようになる。
【0039】
そして、図10(b)に示すように第1の係合手段55が周方向案内手段59の終端の係合凹部61に係合すると、円筒状容器46が容器支持部材57に固定されて装着される。このように円筒状容器46が容器支持部材57に装着された状態では、図10(a)に示すように円筒状容器46のトナー排出孔50と、シール部材51、シャッタ部材52およびシャッタ押さえ部材53の各トナー排出孔54と、容器支持部材57側のトナー排出孔79とが周方向に整合し、これらのトナー排出孔は軸方向に連通している。したがって、この状態では円筒状容器46内のトナーがトナー貯留容器71へ移動可能となる。
【0040】
なお、円筒状容器46の容器支持部材57からの離脱時に円筒状容器46から漏出した若干のトナーは、容器支持部材57のトナー落下孔62を通過してトナー受け部材64に落下するとともに円筒状容器46の外周に付着する。円筒状容器46の外周に付着したトナーは円筒状容器46の軸方向引き抜き時に、弾性シール部材63によってクリーニングされて、トナー受け部材64に収容されるようになっている。
【0041】
次に、このように構成されたこの例の画像形成装置1における現像装置へのトナー補給の作用について説明する。なお、以下の作用の説明では、便宜上イエローのトナー補給の作用について説明するが、他のマゼンタ、シアンおよびブラックのトナー補給についても同様であり、それらの説明は省略する。
イエローのトナーのトナー検知手段94がイエローのトナー一時貯留部27内のトナーを検知しないと、図示しないイエローのトナー補給用モータが駆動されて、その回転駆動力がイエローのトナーの容器支持部材57の駆動ギア83に加えられる。すると、この駆動ギア83が回転し、イエローのトナー貯留容器71、容器支持部材57およびトナー容器42が一体に回転する。これにより、このトナー容器42内のトナーが螺旋状のリブ47によってトナー排出孔20に向けて搬送され、更に、各トナー排出孔50,54,67,68,79を通過してトナー貯留容器71内に供給される。このとき、このトナー容器42の回転によりイエローのトナーがほぐされるので、その流動性が良好になり、トナー貯留容器71内に滑らかに流動するようになる。
【0042】
トナー貯留容器71内に供給されたトナーは更に排出筒部72に流動するとともに、排出筒部72が回動することでそのトナー排出孔73が下向きになったときトナー排出孔73からイエローのトナーの連結補給管38に重力により自由落下する。また、トナー貯留容器71内に供給された過剰のトナーは、それぞれトナー排出孔79が上に来たとき、調整部材81によってトナー排出孔79へ流動され、更にトナー排出孔を通過してトナー容器へ戻される。
【0043】
連結補給管38に落下したイエローのトナーは、更にトナー受入部9の補給管28を通って環状の各トナー一時貯留部27内に自由落下し、このトナー一時貯留部27内に一時的に貯留される。そして、イエローのトナーがトナー検知手段94によって検知されるまでトナー一時貯留部27内に貯留されると、トナー検知手段94からのトナー検知信号でイエローのトナー補給用モータが停止する。一方、現像器駆動用のモータの駆動でロータリ3が回転すると、円筒部10およびフランジ部11もロータリ3と一体に回転し、円筒部10に設けられたトナー受入口22が回転中心Oより上方位置に来たとき、トナー一時貯留部27内のイエローのトナーがこのトナー受入口22を通ってイエローのトナーのトナー移動路13内に落下進入する。
【0044】
トナー移動路13内に進入したトナーは、トナー移動路13がロータリ3の回転とともに回転中心O周りに回転することにより、トナーがその流動性により一定のレベルに平準化しようとするので、現像器4の方へ自己移動し、現像器4内へ進入する。そして、現像器4内へ進入したトナーはそれぞれ第1および第2オーガ4d,4eによって攪拌循環され、その一部が供給ローラ4bの方へ供給される。
【0045】
ところで、画像形成装置1の現像動作が行われると、供給ローラ4b,5b,6b,7bによって現像ローラ4a,5a,6a,7aに供給されたトナーのうち、現像ローラ4a,5a,6a,7a表面に形成されるトナー層の分を除く余剰のトナーが薄層規制部材4c,5c,6c,7cによってそれぞれかき取られ、かき取られた余剰トナーは、現像ローラ4a,5a,6a,7aと供給油ローラ4b,5b,6b,7bと薄層規制部材4c,5c,6c,7cとによって囲まれる空間4i,5i,6i,7i内に停滞し、貯留するようになる。そして、現像が繰り返されると、空間4i,5i,6i,7i内に停滞貯留するトナーが次第に増加するとともに、これらの空間4i,5i,6i,7i内に余剰トナーが過充填されてほとんど流動しない圧粉状態となる。このように空間4i,5i,6i,7i内にトナーが過充填されると、空間4i,5i,6i,7i内の余剰トナーは現像ローラ4a,5a,6a,7aと薄層規制部材4c,5c,6c,7cとの接触部あるいは規制部材支持部材4f,5f,6f,7fのシ−ル部からのトナーの噴き出しあるいは薄層規制不良が生じてしまうおそれが考えられる。
【0046】
そこで、この例の画像形成装置1においては、ロータリ3が回転している状態で、例えば所定回数の現像が行われたとき等の必要な時に、各現像器4,5,6,7の少なくとも1つの現像器の供給ローラを少なくとも所定時間、現像のためではない空回転(つまり、現像外回転)するようにしている。つまり、ロータリ3の回転時は、いずれの現像器4,5,6,7も現像位置には設定されていなく、現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4b,5b,6b,7bがともに現像のための動作を行っていないので、この状態を利用して必要時に供給ローラ4b,5b,6b,7bを所定時間現像外回転させることで、空間4i,5i,6i,7i内に停滞貯留する余剰トナーを、これらの空間4i,5i,6i,7iから掻き出して、供給ローラ4b,5b,6b,7bと規制部材支持部材4f,5f,6f,7fとの間の間隙および供給ローラ4b,5b,6b,7bと仕切壁97,98,99,100との間の間隙を通ってトナー供給側のトナー貯留空間4h,5h,6h,7h内に移動させるようにしている。これにより、空間4i,5i,6i,7i内に導入されたトナーは停滞貯留することがほとんどなく、トナー供給側のトナー貯留空間4h,5h,6h,7h内に還流するようになる。
【0047】
この例の画像形成装置1によれば、ロータリ式現像装置2の外部に設けられた各トナー容器42,43,44,45からトナーを、各現像器4,5,6,7の位置に関係なく補給することができるようになる。そして、現像装置2にトナー貯蔵装置を設けていないので、トナー貯蔵装置を大容量にしても現像装置2のトナー受入部9を小型に保持でき、その結果、現像装置2全体もその分小型に形成できる。したがって、現像装置2が高速回転をしても現像装置2の回転制御を高精度に行うことができるようになる。これにより、この例の画像形成装置1は高速機にも十分にかつ確実に対応することが可能となる。しかも、現像装置2の位置に関係なく、トナー受入部9を介してトナーを各現像器4,5,6,7に補給可能となるので、各現像器4,5,6,7を一々補給位置に移動させる必要がなく、トナー補給を短時間で効率よく行うことができる。
【0048】
また、現像動作が行われない非現像動作時であるロータリ3の回転中に、供給ローラ4b,5b,6b,7bを所定時間回転しているので、前述の空間4i,5i,6i,7i内のトナーが供給ローラ4b,5b,6b,7bの回転によってほとんど掻き出されるようになり、空間4i,5i,6i,7i内のトナーの過充填を防止できる。これにより、供給ローラを単に現像外回転するという簡素な構成で前述のような、トナー層厚の増加、トナーの噴き出しおよび薄層規制不良を防止できるので、現像装置の小型化、軽量化および低コスト化が可能となる
しかも、供給ローラ4b,5b,6b,7bを所定時間だけ回転させることで、供給ローラ4b,5b,6b,7bの回転によるトナーのダメージを抑制でき、画質の劣化を低減できる。
【0049】
更に、すべての現像装置が非現像動作時に供給ローラ4b,5b,6b,7bが現像外回転動作を行うので、この供給ローラ4b,5b,6b,7bの回転する際に発生する負荷変動や起動/停止時に発生する振動等の影響を現像動作に与えることがなく、各現像器4,5,6,7の現像動作時にはそれぞれ良好な現像を行うことができる。
更に、現像器の現像動作時に供給ローラ4b,5b,6b,7bを回転させる駆動モータ等の駆動源で供給ローラ4b,5b,6b,7bを単に現像外回転させることになるので、この駆動源に供給ローラ4b,5b,6b,7bの現像外回転のために新たに駆動負荷トルクを上乗せする必要がなく、現像動作に必要な最小限の駆動源で供給ローラ4b,5b,6b,7bの現像外回転が可能となる。しかも、その場合空間4i,5i,6i,7i内のトナーを掻き出すことで薄層規制部やトナーシール部の摺動負荷を低減できるので、現像器駆動源の駆動負荷トルクを小さくできる。これにより、エネルギ消費を抑制できるので、省エネを効果的に実現できる。
【0050】
前述の例では、ロータリ3の回転中に供給ローラの現像外回転を行うようにしているが、本発明はこれに限定されなく、供給ローラの現像外回転を他の時期に行うことができる。
すなわち、1つの現像器が現像位置に設定されたロータリ3の停止状態での必要時に、現像位置以外にある現像器の少なくとも1つの現像器の供給ローラを所定時間現像外回転させるようにしてもよい。その場合、現像位置以外にある現像器のうち、供給ローラがロータリ3の回転中心Oより下方にある現像器の少なくとも1つの現像器の供給ローラを少なくとも所定時間現像外回転させることが望ましい。これは、供給ローラがロータリ3の回転中心Oより下方にあるときには、現像ローラと供給ローラと薄層規制部材とによって囲まれる空間内にトナーが充填しがちであるので、このように供給ローラを現像外回転させることでこの空間内のトナーの掻き出しをより効果的に行うことができるためである。
【0051】
また、この場合は、現像位置にある現像器の現像動作が行われていないときに、他の現像器の供給ローラを現像外回転させることで、この供給ローラの現像外回転による影響を現像動作に与えることが防止されるので、良好な現像動作を行うことができる。この場合の他の作用効果は前述の例と同じである。
【0052】
更に、供給ローラの現像外回転を行う時期として、所定回数の連続印字終了後に設定することもできる。この場合は、連続印字を行った現像器を非現像位置に設定した後、その供給ローラを少なくとも所定時間現像外回転させるようにする。このように連続印字を行った場合は、トナー消費量が多くなるが、薄層規制部材で掻き取られた余剰のトナーが供給ローラの現像外回転で効果的にトナー供給側のトナー貯留空間内に還流されるので、次の現像時にトナー切れを生じなく、かすれ等の濃度低下を防止でき、連続印字を行った後でも良好な画質を得ることができる。この場合の他の作用効果は前述の各例と同じである。
更に、いずれの現像器も現像位置にない状態でロータリ3が停止しているホームポジションで、供給ローラの現像外回転を行うようにすることもできる。
【0053】
なお、前述の例では、現像ローラと感光体8との接触部(つまり、現像位置)がロータリ3の回転中心の下方に位置するように設定されているが、現像ローラと感光体8との接触部がロータリ3の回転中心の上方に位置するように設定することもできる。この場合には、ロータリ3の回転中心より下方に位置する現像器の供給ローラを現像外回転させるようにすることが望ましい。
また、薄層規制部材の現像ローラへの当接方式は腹当ておよびエッジ当てのいずれの方式でもよく、更に、薄層規制部材の現像ローラへの当接姿勢はカウンター方式およびトレール方式のいずれでもよいが、トレール方式の方が効果において優れるので望ましい。更に、供給ローラの回転方向は現像ローラの対向部でウィズ回転およびアゲンスト回転のどちらでもよいが、ウィズ回転の方が効果において優れている。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、現像装置の外部に設けられたトナー貯蔵装置からトナーを、現像装置にこの現像装置の位置に関係なく容易に補給できるようになる。また、現像装置にトナー貯蔵装置を設けないので、トナー貯蔵装置を大容量にしても現像装置全体を小さくでき、現像装置が高速回転をしても現像装置の回転制御を高精度に行うことができる。これにより、本発明の画像形成装置は高速機にも十分にかつ確実に対応することが可能となる。しかも、現像装置の位置に関係なく、トナー受入部を介してトナーを現像装置に補給可能となるので、現像装置を一々補給位置に移動させる必要がなく、トナー補給を短時間で効率よく行うことができる。
【0055】
また、所定回数の連続印字終了後に、連続印字を行った現像器の供給ローラを少なくとも所定時間現像外回転させるようにしているので、現像ローラと供給ローラと薄層規制部材とで囲まれる空間内に停滞貯留する余剰トナーのほとんどをより確実に掻き出すことができ、空間内のトナーの過充填を防止できる。したがって、特別のトナー掻き出し部材を設けることなく供給ローラを単に現像外回転するという簡素な構成で前述のようなトナー層厚の増加、トナーの噴き出しおよび薄層規制不良を防止できるとともに、現像装置の構造の簡素化、軽量小型化および低コスト化が可能となる
しかも、供給ローラは所定時間だけ回転されるだけであるので、供給ローラの現像外回転によるトナーのダメージを抑制でき、画質の劣化を低減できる。
【0056】
更に、すべての現像装置の非現像動作時に、供給ローラの現像外回転動作を行うので、供給ローラを回転する際に発生する負荷変動や起動/停止時に発生する振動等の影響を現像動作に与えないようにでき、現像器の現像動作時に良好な現像を行うことができるようになる。
更に、現像器の現像動作時に供給ローラを回転させる駆動モータ等の駆動源で供給ローラを単に現像外回転させることが可能となるので、この駆動源に供給ローラの現像外回転のために新たに駆動負荷トルクを上乗せする必要がなく、現像動作に必要な最小限の駆動源で供給ローラの現像外回転が可能となる。しかも、空間内のトナーを掻き出すことで薄層規制部やトナーシール部の摺動負荷が低減できるので、現像器駆動源の駆動負荷トルクを小さくできる。これにより、エネルギ消費を抑制できるので、省エネを効果的に実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明が適用される画像形成装置の一例における現像装置および感光体を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の実施の形態の一例における現像装置およびトナー補給装置を模式的に示す斜視図である。
【図3】 図2に示す例のトナー受入部を部分的に示す分解斜視図である。
【図4】 図2に示す例のトナー受入部を示し、(a)は(b)におけるIVAーIVAの線に沿う断面図、(b)はトナー受入部の縦断面図である。
【図5】 図4(a)におけるVーV線に沿う部分断面図である。
【図6】 図1に示す現像装置の現像器における現像器内部空間を示す図である。
【図7】この例の画像形成装置に用いられるトナー容器を示し、(a)は斜視図、(b)はこのトナー容器の一方の端部を示す分解斜視図である。
【図8】この例の画像形成装置に用いられる容器支持部材を部分的に示す斜視図である。
【図9】この例の画像形成装置に用いられる容器支持部材と連結補給管との連結部分を示し、(a)は分解斜視図、(b)は(a)におけるIXB部分の拡大図である。
【図10】図7に示すトナー容器を図8に示す容器支持部材に装着した状態を示し(a)は斜視図、(b)容器支持部材の軸方向案内手段および周方向案内手段の部分拡大図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…ロータリ式現像装置、3…ロータリ、4…イエローの現像器、5…マゼンタの現像器、6…シアンの現像器、7…ブラックの現像器、4a,5a,6a,7a…現像ローラ、4b,5b,6b,7b…供給ローラ、4c,5c,6c,7c…トナー薄層規制部材、4f…薄層規制部材支持部材、4g…イエローのトナーのシール部材、4h,5h,6h,7h…現像器内のトナー貯留空間、8…感光体、9…トナー受入部、42…イエローのトナー容器、42…イエローのトナー容器、43…マゼンタのトナー容器、44…シアンのトナー容器、45…ブラックのトナー容器、38,39,40,41…連結補給管、46…トナー容器、57…容器支持部材、94…トナー検知手段、97,98,99,100…仕切壁
Claims (1)
- 回転体に取り付けられたイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の現像器の1つを前記回転体を回転することで現像位置に設定し、現像位置に設定された現像器により感光体の潜像を現像するようになっている現像装置と、この現像装置の外部に設けられ、前記現像装置に供給するトナーを蓄えるトナー貯蔵装置とを少なくとも備えるとともに、前記各現像器が、それぞれ、回転することでそれらの現像器のトナー貯留空間内にあるトナーを前記感光体の方へ搬送して前記感光体の潜像を現像する現像ローラと、回転することで前記トナー貯留空間内にあるトナーを前記現像ローラに供給する供給ローラと、前記現像ローラに接触し、前記供給ローラから前記現像ローラに供給されるトナーを規制して前記現像ローラ表面に所定のトナーの薄層を形成する薄層規制部材とを備えている画像形成装置において、
前記各現像器は、それぞれ、現像位置に設定された状態では前記現像ローラと前記薄層規制部材との接触部が前記現像ローラの回転中心より下方になるように設定されており、
更に、所定回数の連続印字終了後に、連続印字を行った現像器の供給ローラを少なくとも所定時間現像外回転させることを特徴とする画像形成装置。
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