JP3733581B2 - アイロン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類のプレス掛けなどのプレス仕上げに使用するアイロンに関し、特に水タンクの水をミスト状態で発生させるミスト機構を備えたアイロンに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、スチームの噴出が可能なアイロンにおいては、そのスチーム発生用の水を収容するための水タンクがアイロン本体に設けられており、アイロン掛けの際にスチーム設定を行なうと、水タンクの水が弁機構を通じて掛け面を形成するベースの気化室に順次供給され、この水が加熱手段を有するベースの熱で順次気化してスチームとなることで、ベースの下面に形成した噴出孔から順次スチームが噴出するようになっている。しかし、スチームは水の粒子が細かく、アイロン掛け時に布地を通り抜けてしまうので、水の粒子が殆ど布地に付着せず、アイロンの仕上がりとして好ましい状態を得ることが難しかった。
【0003】
これに対して近年は、前記水タンクに収容された水を利用して、これをミスト状態で発生させるミスト機構を備えたアイロンが普及している。こうしたミスト機能付きのアイロンは、水タンク内の水を導入するシリンダと、シリンダに対し摺動自在に設けたピストンと、シリンダ内の水をミストとして噴出させるノズルとを備えており、ピストンを押し下げることで、ピストンとシリンダとにより囲まれた水導入室内の水を圧送して、ノズルに供給する構造となっている。
【0004】
しかし、ミストを発生させるためにピストンを押し下げていくと、始めのうちはピストンとシリンダとにより囲まれた水導入室内の圧力が高いため、ノズルから細かいミストが発生するが、ピストンの下死点近傍になると、前記水導入室内の圧力が低くなって、それまで細かいミスト状態で噴出していたものが水滴になり、アイロン掛けを行なっても、水滴の跡が残るという使用上の不満があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、ミスト発生時において、ピストンの動作途中でノズルから水滴が噴出するのを防止することの可能なアイロンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のアイロンは、前記目的を達成するために、アイロン本体と、このアイロン本体の下部に設けられた加熱手段を有するベースと、前記アイロン本体に設けられた水タンクと、前記水タンクの水をミスト状態で発生させるミスト機構とを備えたアイロンにおいて、前記ミスト機構は、前記水タンク内に設けられ前記水タンク内の水を導入するシリンダと、前記水タンク内に設けられ前記シリンダに対し摺動自在に設けたピストンと、前記水タンクの前方に設けられ前記シリンダ内部の水をミストとして噴出させるノズルとにより構成され、前記シリンダ外部に連通する切欠部を前記ピストンに形成するとともに、前記ピストンの下死点近傍で前記シリンダ内部の水導入室と前記切欠部とを連通する溝を、前記シリンダに形成したものである。
【0007】
シリンダ内の上死点の位置から下方にピストンを動かすと、ピストンが下死点近傍に移動するまでは、シリンダ内部の水導入室とピストンに形成した切欠部とは連通しておらず、また、水導入室内の圧力も比較的高いので、シリンダの水導入室に貯えられた水は、ノズルに圧送されて細かなミスト粒子として噴出する。一方、ピストンが下死点近傍まで移動すると、シリンダに形成した溝により、シリンダ内部の水導入室と切欠部との間が連通し、水導入室内の水は切欠部を通過してシリンダの外部に送り出される。したがって、水導入室内の圧力が強制的に抜け出し、ノズルからのミスト粒子の噴出もこの時点で終了する。このように、ピストンが下死点近傍まで移動すると、水導入室内の圧力が強制的に抜けてしまうので、ミスト発生時において、ピストンの動作途中でノズルから水滴が噴出するのを防止することができ、常時細かなミスト粒子を噴出することができる。
【0008】
本発明の請求項2のアイロンは、前記請求項1の構成に加えて、前記ノズルは、中心にミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、このミストノズルを先端に接続した筒状の第1ノズル継手と、前記第1ノズル継手の筒部に内接し、かつ前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に当接する第2ノズル継手とを備え、前記ミストノズルのノズル面には、外周から前記孔に向かう渦状の第1水通路を形成するとともに、前記第2ノズル継手の内接面には、前記第1水通路の外周部に連通する螺旋状の第2水通路を形成したものである。
【0009】
ノズルに導入された水は、第1ノズル継手の基端側から筒部を通過した後、第2ノズル継手に形成した螺旋状の第2水通路を通ることで回転が加えられる。次に、ミストノズルのノズル面に形成した渦巻き形状の第1水通路を水が通過することにより、水の回転力はさらに増加し、第1水通路の中心に設けた孔よりノズルの外部に勢いよく噴出する。このように、第2通水路を通過した水は、渦巻き形状の第1水通路に案内されながら、孔にそのまま達するため、従来のように高い圧力を加えなくても、微小なミスト粒子を孔より霧状に噴出することが可能となる。
【0010】
本発明の請求項3のアイロンは、前記請求項2の構成に加えて、螺旋状に形成した前記第2水通路の回転方向は、渦状に形成した前記第1水通路の回転方向と逆であることを特徴とする。
【0011】
第2水通路を通り回転力が加えられた水は、第1水通路を通過するときに急激に反対の回転力が加えられる。これによって、ノズルに加える圧力をさほど高くしなくても、水は分裂して、より微小なミスト粒子となり、孔から霧状となって外部に勢いよく噴出することが可能になる。
【0012】
本発明の請求項4のアイロンは、前記請求項1の構成に加えて、前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルと前記第2ノズル継手を別体としたことを特徴とする。
【0013】
ミストノズルと第2ノズル継手とを別体にすると、第2ノズル継手の外面に螺旋状の第2水通路を形成できるので、ノズルを形成する際の型の構造を簡単にできる。
【0014】
本発明の請求項5のアイロンは、前記請求項1または請求項4の構成に加えて、前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に前記第2ノズル継手を常時付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする。
【0015】
第2ノズル継手はスプリングによりミストノズルのノズル面に常時付勢されるようになるため、ミストノズルと第2ノズル継手との間に隙間がなくなり、常に密着した状態となる。したがって、ノズル内を水が通過する際に、ミストノズルと第2ノズル継手との間から水が漏れることがなく、細かく広がりのあるミスト粒子をミストノズルの孔から噴出できる。
【0016】
本発明の請求項6記載のアイロンは、前記請求項4の構成に加えて、前記第2ノズル継手の材料を金属としたものである。
【0017】
第2ノズル継手を金属の材料で形成すれば、型を用いず挽物加工で螺旋状の第2通水路を形成することが可能になる。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明のアイロンの一実施例について、図面を参照しながら説明する。先ず、全体構成を図5〜図8に基づき説明すると、1はアイロン本体であって、このアイロン本体1は加熱手段としてヒータ2を埋設したベース3を下部に備えている。ベース3の内部には、ヒータ2の近傍に位置して蒸気室すなわち気化室4が形成され、この気化室4に連通する噴出孔5がベース3の下面に設けられる。また、6はベース3の上部に設けられたカバー、7はカバー6の上方に設けられたハンドルであり、このハンドル7の前方には、水タンクに相当する容器たるカセットタンク8がアイロン本体1に対し着脱可能に設けられる。
【0019】
カセットタンク8は例えば合成樹脂で形成され、上面から見た形状がほぼU字状で、その両側部9がハンドル7の前端部側から後端部側の両側にかけて跨がるように配置されている。11は、カセットタンク8の前上部に設けられた開閉自在な注水口蓋であり、ここからカセットタンク8内に水を収容し、かつ、カセットタンク8内の不用水を廃棄できるようになっている。また、カセットタンク8のロック機構は、ハンドル7の一側面にやや突出してタンクロック釦12が設けられており、このタンクロック釦12を操作することにより上下動する昇降体13が、弾性部材たるスプリング14により常時下方に付勢されている。そして、昇降体13の下部に突設したロック部15が、カセットタンク8の傾斜する上面に形成した凹部16に係止する構成になっている。なお、実施例では、着脱式のカセットタンク8について説明しているが、上記ロック機構を備えていない固定式の水タンクであってもよい。
【0020】
カセットタンク8は、ポリカーボネットやポリプロピレンなどの合成樹脂材料で形成された平面略U字型で平板状の底板17と、カバー18とにより構成される。底板17の前部には流出孔18が形成されており、カセットタンク8をハンドル7の前部に装着したときに開く弁装置21が流出孔18に装着されている。なお、20は前記注水口蓋11を開閉自在に保持する注水口である。
【0021】
弁装置21の下部には、カセットタンク8から気化室4に連通する導水路たる通水継手22が設けられている。弁装置21は、支持体23により直立状態にかつ摺動自在に支持された弁杆24と、この弁杆24の下端に設けられた円板状の弁体25と、弁体25を常時下方に付勢するスプリング26とを備え、弁体25はカセットタンク8の底面に形成した流出孔18の中心部に臨んで設けられている。また、通水継手22とベース3との間には、ベース3からの熱を遮断する遮熱板28が介在してある。この遮熱板28の下方には、気化室4の上部開口部を覆うようにして蓋板29が設けられる。
【0022】
31は、通水継手22の途中に設けられたノズルであって、このノズル31を開閉する開閉弁32が、支軸33を中心にして回動自在に設けられたシーソー体34の一側に装着される。また、シーソー体34の他端は、スプリング35により常時下方に付勢され、前記遮熱板28および蓋板29に共通して設けられた開口部36よりベース3の凹部37に向けて下方に突出している。このベース3の凹部37には、感熱応動体に相当する反転式のバイメタル38が収容されるとともに、バイメタル38の上面に対向して、シーソー体34の他端には応動体39が取付け固定される。また、スプリング35の上端にはワッシャ40が設けられる。そして、凹部37の近傍にある気化室4が所定の温度に達すると、バイメタル38が凹部37の内部で反転し、スプリング35の付勢に抗して応動体39を押し上げることにより、シーソー体34の一端にある開閉弁32が下方に移動して、ノズル31を開くように構成している。
【0023】
41はハンドル7の両側面より突出して設けられ、ハンドル7内に位置する操作体42と一体に水平方向に摺動する操作部たるスチーム操作釦である。スチーム操作釦41は、ハンドル7の内部にある操作体42と一体に形成されており、前記操作体42の中央部には、傾斜した下面42Aが形成されている。この下面42Aは、カセットタンク8から気化室4に至る通水継手22中に設けた弁体25を、スチーム操作釦41の操作に応じて開閉する開閉制御部に相当するもので、スチーム操作釦41をアイロン本体1の後側すなわちドライ側に動かすと、操作体42の下面42Aに当接する連動杆43が上方に移動して、連動杆43の下面に当接するシーソー体44の連動杆43側が上方に移動し、これに伴って、弁杆24に連結するシーソー体44の弁杆24側が下方に移動し、弁杆24および弁体25が下方に移動することで通水継手22を閉塞して、カセットタンク8から気化室4への水の供給を規制遮断するようになっている。なお、前述したように、弁体25はスプリング26により常時下方に付勢されている。一方、スチーム操作釦41をアイロン本体1の前側すなわちスチーム側に動かすと、上記とは逆に、弁体24はスプリング26の付勢に抗して上方に移動して通水継手22を開放し、カセットタンク8から気化室4へ水を供給するようになっている。
【0024】
前記ハンドル7は、把持部に相当する取手部45の他に、この取手部45の下方に位置するアイロン本体1の腹部46と取手部45との間に、手を差し入れるための空洞47を形成してある。なお、ここでいう腹部46とは、図8に示すように、カセットタンク8の両側部9を除く取手部45に対向したアイロン本体1の平坦状の中央上面部を指すものであって、腹部46はカセットタンク8の両側部9の上端面9aよりも低い位置に形成される。そして、この両側部9の上端面9aより腹部46にかけての空洞47の下面は、手を差し入れやすいように、手の甲に沿ってなだらかな凹状に形成してある。
【0025】
ハンドル7の上部には操作パネル51が設けられており、ここには、ベース3の設定温度を変えるための操作手段に相当する設定釦52と、複数の発光ダイオードすなわちLED53により現在の設定温度を表示する温度表示部54が各々配設される。温度表示部54の前方には2つの窓部48が前後に設けられ、2つの窓部48の近傍における操作パネル51上には、「スチーム」および「ドライ」の文字がそれぞれ表示されている。そして、前記スチーム操作釦41の設定位置に応じて、スチーム操作釦41に一体に設けられた表示帯50が、前記2つの窓部48のどちらか一方から外方に臨むことにより、スチーム操作釦41の設定状態を表示するようになっている。表示帯50はピンク色等に着色されており、例えば、スチーム操作釦46をアイロン本体1の後側すなわちドライ側に動かすと、前記表示帯50はアイロン本体1の後側の窓部48から外方に臨む。この後側の窓部48には「ドライ」の表示がされており、この窓部48にピンク色等に着色された表示帯50が現れることにより、設定状態がドライであることを使用者に知らしめる構造になっている。
【0026】
ハンドル7の内部には、ヒータ2を適宜通断電することによりベース3を所定温度に制御する温度制御装置55が設けられる。この温度制御装置55は、具体的には前記設定釦52のスイッチ部56やLED57の他に、現在の設定温度を記憶保持し、設定釦52の受付けを可能にする二次電池あるいはコンデンサなどの蓄電装置58などを、基板59の上面に実装して構成される。60は基板59の後方に形成された基板支持部であり、この基板支持部60に支持されて、別の基板61がアイロン本体1内の後部に設けられる。また、62はカバー6の中央凸部63と保持枠64との間に設けた電動ポンプであって、この電動ポンプ62を駆動することで、カセットタンク8内の水を気化室4側に圧送するようになっている。65はアイロン本体1の後部外殻をなす後カバーたるハンドルカバーであり、ハンドルカバー65の下側に形成した凹部66には、ベース3を加熱するヒータ2などに電力を供給する一対の給電端子67が突出した状態で取付けられている。
【0027】
一方、71はアイロン本体1の載置が可能な載置台であり、これは上面が一方向に傾斜した載置部72の傾斜下端側に受部73が突設される。受部73には、前記給電端子67に対応して板バネ状の電源接点74が設けられており、アイロン本体1を載置台71の載置部72に載置すると、給電端子67が電源接点74に当接して、コンセント(図示せず)に接続した電源コード75からアイロン本体1内に、必要に応じて電源供給が行なわれるようになっている。
【0028】
ここで、本実施例におけるカセットタンク8の構造について、図1〜図4を参照しながら詳述する。同図において、81はカセットタンク8の上面より突出して設けられたミスト操作体たるミストボタンである。このミストボタン81の下端には連接棒82を介してピストン83が連結されており、ミストボタン81はピストン83と一体に、円筒状のシリンダ84に沿って垂直方向に摺動可能に設けられる。また、85はシリンダ84の上部開口を塞ぐ受部であり、この受部85とミストボタン81の下端との間には、ミストボタン81ひいてはピストン83を上方に付勢するスプリング86が設けられる。シリンダ84の底面には、カセットタンク8内に連通する水導入路87と、後述するノズル101に連通する水排出路88が各々設けられる。水導入路87の途中には、シリンダ84からカセットタンク8内への水の流れを阻止する逆止弁89が設けられている。また、水排出路88の途中には、ノズル101からカセットタンク8内への空気の流入を阻止する別の逆止弁90が設けられている。
【0029】
前記シリンダ84に対し摺動自在に設けたピストン83は、シリンダ84の内周面に密着状態で当接するフランジ部91,92が、その側面上部および側面下部に各々形成される。そして、シリンダ84の底面および内周面と、ピストン83の下面とにより囲まれた水導入室93が、シリンダ84の内部に形成される。シリンダ84の側面下部にあるフランジ部92は、全周にわたってシリンダ84の内周面に当接する凹凸のない形状を有しているが、シリンダ84の側面上部にあるフランジ部91は、シリンダ84の内周面との間に隙間94が形成されるように、複数の切欠部95が形成される。つまり、切欠部95は、ピストン83の摺動位置に拘らず、受部85を介してシリンダ84の外部に常時連通するようになっている。一方、シリンダ84の内周面は完全な円筒形状ではなく、その一側下方には下端を閉塞した溝96が形成される。そして、この溝96により、ピストン83の下死点近傍でフランジ部92と溝部96との間に別の隙間97が形成され、ピストン83内の水導入室93と切欠部95が互いに連通するように構成している。
【0030】
101は、カセットタンク8の前方に設けられ、シリンダ84内部の水をミストとして噴出させるノズルである。ノズル101は図11〜図13にも示すように、中心にミスト噴出用の小いさな孔102を設けたミストノズル103と、このミストノズル103を先端に接続した筒状の第1ノズル継手104と、第1ノズル継手104の筒部内面105に内接し、かつミストノズル103の孔102を設けたノズル面106にその平坦な先端面107が当接する第2ノズル継手108とを備えて構成される。前記ミストノズル103のノズル面106には、その外周から中心の孔102に向かう渦巻状の第1水通路111が溝状に形成される。また、第1ノズル継手104の筒部内面105に接する第2ノズル継手108の外周筒面すなわち内接面112には、第1水通路111の外周側端部に連通する螺旋状の第2水通路113が形成される。そして、螺旋状に形成した第2水通路113の回転方向は、渦状に形成した前記第1水通路111の回転方向と逆に形成されている。
【0031】
ミストノズル103は、円環状のパッキン114を介して第1ノズル継手104の先端部に密着状態で螺合される。また、第2ノズル継手108はミストノズル103とは別体で、第1ノズル継手104の筒部内面105に沿って摺動自在に設けられており、第1ノズル継手104の内部に設けた弾性部材たるスプリング115により、ミストノズル103の孔102を設けたノズル面106に常時付勢されるようになっている。この第2ノズル継手108は、螺旋状の第2通水路113を形成する際の挽物(フライス)加工が行ないやすいように、金属好ましくは黄銅の材料で形成される。そして、これらのピストン83,シリンダ84,ノズル101などにより、カセットタンク8の水をミスト状態で発生させるミスト機構116が構成される。なお、第1ノズル継手104の基端側は、パッキン117を介在してカセットタンク8の前方に密着状態で取付けられている。
【0032】
次に、電気的な構成を図9に基づき説明する。前記温度制御装置55は、具体的には例えばマイクロコンピュータなどで構成され、このマイクロコンピュータの記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンスに従って、一連の動作を行なうように構成してある。温度制御装置55の入力側には、前記設定釦52の他に、ベース3の温度を検知する例えばサーミスタなどの温度検知手段131と、アイロン本体1が載置台71に載置されたか否かを判断するアイロン載置検知手段132などが各々接続される。また、温度制御装置55の出力側には、前記ヒータ2,温度表示部54,ブザー57および電動ポンプ62などが接続される。温度制御装置55は、アイロン本体1が載置台71に載置されているか否かに拘らず、前記設定釦52からの操作信号を受付けて、ベース3の設定温度を例えば低温を意味する「低」,中程度の温度を意味する「中」,および高温を意味する「高」の三段階に切換え設定する温度設定手段133と、同じくアイロン本体1が載置台71に載置されているか否かに拘らず、前記設定釦52からの操作信号を受付けて、アイロン本体1を切状態に設定する切状態設定手段134とを備えている。そして、本実施例では、設定釦52を1回押動操作する毎に、温度設定手段133または切状態設定手段134における各設定モードが、「切」→「低」→「中」→「高」→「切」の順に、一段ずつ高い温度設定に切換わるようになっている(但し、高温に設定されている場合は、設定釦52を操作すると切状態の設定モードになる)。なお、本実施例のように、ベース3の設定温度を段階的ではなく、連続的に可変設定できるように温度設定手段133を構成してもよい。この場合、操作手段は押釦式のものでなく、例えばスライド式のスイッチなどを用いることが好ましい。また、ベース3の設定温度を切換える操作手段と、切状態を指示する操作手段とを別々に設けてもよい。つまり、アイロン本体1の離脱中も、操作手段からの操作信号を受付けて、ベース3の設定温度を切換え設定できるような温度設定手段133を、温度制御装置55に備えてあればよい。温度設定手段133または切状態設定手段134により一旦設定された上記設定モードは、アイロン本体1の離脱中にバックアップ用の蓄電装置58により所定時間保持記憶されるようになっている。
【0033】
温度制御装置55は、アイロン載置検知手段132によりアイロン本体1が載置台71に載置されていることを検知すると、温度検知手段131で検知されるベース3の温度が、前記温度設定手段133で設定された設定温度に一致するように、加熱手段であるヒータ2を通断電制御する。また、温度制御装置55は、温度表示部54およびブザー57を制御する報知表示制御手段135を備えており、アイロン本体1の載置時において、前記温度検知手段131で検知されるベース3の温度が設定温度付近の適温範囲にあるときには、この設定温度に対応する温度表示部54のLED53を点灯状態にし、かつブザー57による報知を行なう一方、ベース3の温度が前記適温範囲外にあるときには、設定温度に対応する温度表示部54のLED53を点滅状態にし、ブザー57による報知は行なわないように構成してある。
【0034】
一方、アイロン本体1が載置台71から離脱すると、載置台71からアイロン本体1側への電源供給が遮断されることにより、ヒータ2は断電状態となる。このとき、温度制御装置55は蓄電装置58からの給電により引き続き動作し、温度検知手段131により検知されるベース3の温度を監視するとともに、設定釦52による操作信号を受け付ける。そして、このベース3の温度が、温度設定手段133で設定された設定温度付近の適温範囲よりも下がったとき、あるいは、設定釦52を操作して、温度設定手段133における設定温度がそれまでよりも高温に切換たときに、報知表示制御手段135がブザー57あるいは温度表示部54のLED53を利用して、アイロン本体1の載置台71への載置を促す給電報知または表示を行なうように構成してある。
【0035】
次に、図10のフローチャートに基づいて、上記構成のアイロンにおける動作を説明する。予め注水口蓋11から水をカセットタンク8内に収容するとともに、このカセットタンク8をハンドル7の前部から差し込むと、カセットタンク8の上面がスプリング14に抗してロック部15を押し上げ、最終的に凹部16にロック部15が係止することで、カセットタンク8がアイロン本体1の所定位置にセットされる。次いで、図10のステップS1において、アイロン本体1を載置台71に載置した状態で、電源コード75を図示しないコンセントに差し込むと、載置台71の電源接点74からアイロン本体1内の温度制御装置55および蓄電装置58に電源が供給される。温度制御装置55においては、初期状態として切状態設定手段134による切状態の設定モードが先ず設定される。なお、この切状態では、安全のためにヒータ2への通電は行なわない。その後、ステップS2において設定釦52を押動操作すると、設定モードは「切」から「低」,「中」,「高」の順に切換わり、これに対応するLED53が点灯する。そして、ステップS3にて、「切」以外の温度設定手段133の設定モードに切換わると、温度制御装置55によりヒータ2が通電される。
【0036】
温度制御装置55は、次のステップS4において、アイロン本体1が載置中であるか離脱中であるかをアイロン載置検知手段132により検知する。アイロン本体1が引き続き載置台71に載置される状態では、ベース3が温度設定手段133にて設定した温度に達するまで、ヒータ2によるベース3への加熱が行なわれる。このとき、温度制御装置55は、ベース3が設定温度に近い適温範囲内であるか否かを、温度検知手段131からの検知出力により判断する(ステップS5)。そして、ベース3の温度が適温範囲を外れているときには、次のステップS6に移行して、設定温度に対応する温度表示部54のLED53を点滅状態にし、ブザー57による報知は行わないようにして、ベース3が不適温状態であることを使用者に知らせる。一方、前記ステップS5において、ベース3の温度が適温範囲内にあるときには、ステップS7に移行して、設定温度に対応する温度表示部54のLED53を点灯状態にするとともに、ブザー57を一定時間鳴動させて、使用者にアイロン掛けが可能なことを報知する。そして、温度制御装置55は、アイロン本体1が載置台71に載置されている限り、ベース3の温度が適温範囲内に維持されるように、ヒータ2を通断電制御するとともに、ベース3の温度が適温か不適温であるかに拘らず、前述のステップS4の手順に戻る。
【0037】
その後、ステップS4において、アイロン掛けのためにアイロン本体1を載置台71から離脱すると、載置台71からアイロン本体1側への電源供給が遮断され、ヒータ2は断電状態となる。温度制御装置55は、蓄電装置58からの給電により引き続き動作するが、次のステップS8において、ベース3の温度が適温範囲よりも下がったとき、あるいは、設定釦52を操作することにより、温度設定手段133における設定温度がそれまでよりも高温に切換ったときに、ブザー57あるいはLED53を利用して、アイロン本体1の載置台71への載置を促す給電報知または表示を行なう。そして、その後はステップS4の手順に再び戻る。
【0038】
一方、図10のフローチャートには手順を明記していないが、スチーム動作を行なうには、ハンドル7の両側面に突設したスチーム操作釦41を、操作パネル51の「スチーム」に対応する位置に摺動させる。すると、操作体42の下面に当接する連動杆43が上方に移動し、カセットタンク8から気化室4に至る通水継手22の規制遮断が解除されるとともに、操作パネル51上に設けられた「スチーム」の表示がされた窓部48にピンク色等に着色された表示帯50が現れることにより、設定状態がスチームであることを使用者に知らしめる。ヒータ2の通電により、ベース3が蒸気を発生させるのに充分な温度にまで上昇すると、凹部37内に収容したバイメタル38が感知して反転し、スプリング35の付勢に抗して、応動体39とともにシーソー体34の他端が押し上がる。これにより、シーソー体34は支軸33を中心に回動し、シーソー体34の一端にある開閉体32が、ノズル31を開放する方向すなわち下方に移動する。カセットタンク8をアイロン本体1に装着した状態では、弁体25がスプリング26に抗して押し上げられているので、前記バイメタル38が感知して反転している場合は、アイロン本体1内の水が流出口27からノズル31を経て順次気化室4に滴下される。そして、この気化室内4に滴下した水を、ヒータ2の通電により加熱蒸発させることにより、噴出孔5から所定量のスチームが噴出する。
【0039】
また、カセットタンク8の上面より突き出したミストボタン81を垂直方向に上下動させると、カセットタンク8内の水が水導入路87を経由してシリンダ84内部の水導入室93に貯えられる。こうして水導入室93に貯えられた水は、スプリング86の付勢に抗してミストボタン81を下方に押したときに、水導入路87に設けた逆止弁89が閉じ、水排出路88に設けた逆止弁90が開くことで、ノズル101側に送出される。ノズル101に導入された水は、第1ノズル継手104の基端側から筒部内面105を通過した後、第2ノズル継手108に形成した螺旋状の第2水通路113を通ることで回転が加えられる。次に、ミストノズル103のノズル面106に形成した渦巻き形状の第1水通路111を水が通過することにより、水の回転力はさらに増加し、第1水通路111の中心に設けた孔102よりノズル101の外部に勢いよく噴出する。このとき、水は微小なミスト粒子となって霧状に噴出する。
【0040】
特に本実施例では、螺旋状に形成した第2水通路113の回転方向に対し、渦状に形成した第1水通路111の回転方向が逆に形成されているので、第2水通路113を通り回転力が加えられた水は、ノズル面106に形成した第1水通路111を通過するときに急激に反対の回転力が加えられる。これによって、ノズル101に加える圧力をさほど高くしなくても、水は分裂して、より微小なミスト粒子となり、孔102から霧状となって外部に勢いよく噴出する。
【0041】
また、第2ノズル継手108は、スプリング115によりミストノズル103のノズル面106に常時付勢されるようになっているため、第1水通路111を除いてミストノズル103と第2ノズル継手108との間に隙間がなくなり、常に密着した状態となる。したがって、ミストボタン81を押してピストン83が下死点付近に移動しても、ノズル101内を水が通過する際に、ミストノズル103と第2ノズル継手108との間から水が漏れることがなく、細かく広がりのあるミスト粒子をミストノズル103の孔102から噴出することが可能となる。
【0042】
ミストボタン81を押すと、ピストン83は図2に示すシリンダ84内の上死点の位置から下方に移動する。この一連の動作中において、ピストン83の側面下部にあるフランジ92が溝96よりも上方にあるときには、フランジ92の全周が隙間なくシリンダ84の内周面に当接し、水導入室93は密閉した状態になる。したがって、この場合は、水導入室93内の水量に応じた圧力が、ピストン83から加わることになり、ノズル101の孔102から細かなミスト粒子が噴射される。その後、図3に示すように、ピストン83が下死点近傍にまで移動すると、前記フランジ部92と溝部96との間に隙間97が形成され、水導入室93内の水がこの隙間97から切欠部95を通過して、ピストン83の上面よりシリンダ84の外部に送り出される。これにより、水導入室93内の圧力が強制的に抜けてしまうので、ノズル101の孔102からのミスト粒子の噴出もこの時点で終了し、以後、水滴が噴出することを防止できる。しかも、このシリンダ84内の圧力抜き構造は、ピストン83に切欠部95を形成し、シリンダ84に溝96を形成するだけで達成できるので、部品点数が増えることもなく、特別なコスト上昇を招かない。
【0043】
また、ノズル101を製造するに当たり、細かく広がりのあるミスト粒子を噴射させるには、前述のように第2ノズル継手108に螺旋状の第2水通路113を形成する必要がある。しかし、ノズル101は細かな部品から構成されるため第1ノズル継手104と第2ノズル継手108が一体構造になっていると、この一体化した部品の内部に第2水通路113を螺旋状に形成することが、型の構造上困難であった。
【0044】
そこで、本実施例では、第2ノズル継手108を第1ノズル継手104やミストノズル103と分離した別体とし、第2ノズル継手108の内接面112に螺旋状の第2水通路113を形成できるように構成することで、型の構造を簡単にできるようにしている。特に、第2ノズル継手108を金属好ましくは黄銅の材料で形成すれば、型を用いず挽物加工で螺旋状の第2通水路113を形成することが可能になる。
【0045】
以上のように、上記実施例によれば、アイロン本体1と、このアイロン本体1の下部に設けられた加熱手段たるヒータ2を有するベース3と、アイロン本体1に設けられた水タンクとしてのカセットタンク8と、カセットタンク8の水をミスト状態で発生させるミスト機構116とを備えたアイロンにおいて、ミスト機構は116、カセットタンク8内に設けられこのカセットタンク8内の水を導入するシリンダ84と、カセットタンク8内に設けられシリンダ84に対し摺動自在に設けたピストン83と、カセットタンク8の前方に設けられシリンダ84内部の水をミストとして噴出させるノズル101とにより構成され、シリンダ84外部に連通する切欠部95をピストン83に形成するとともに、ピストン83の下死点近傍でシリンダ84内部の水導入室93と切欠部95とを連通する溝96を、シリンダ84に形成している。
【0046】
この場合、シリンダ84内の上死点の位置から下方にピストン83を動かすと、ピストン83が下死点近傍に移動するまでは、シリンダ84内部の水導入室93とピストン83に形成した切欠部95とは連通しておらず、また、水導入室93内の圧力も比較的高いので、シリンダ84の水導入室93に貯えられた水は、ノズル101に圧送されて細かなミスト粒子として噴出する。一方、ピストン83が下死点近傍まで移動すると、シリンダ84に形成した溝96により、シリンダ84内部の水導入室93と切欠部95との間が連通し、水導入室93内の水は切欠部95を通過してシリンダ84の外部に送り出される。したがって、水導入室93内の圧力が強制的に抜け出し、ノズル101からのミスト粒子の噴出もこの時点で終了する。このように、ピストン83が下死点近傍まで移動すると、水導入室93内の圧力が強制的に抜けてしまうので、ミスト発生時において、ピストン83の動作途中でノズル101から水滴が噴出するのを防止することができ、常時細かなミスト粒子を噴出することができる。
【0047】
ところで、従来のミスト機構を構成するノズル101は、図14に示すように、ミストノズル103のノズル面106に円錐状のテーパー面201を形成し、このテーパー面201の中心頂部にミスト粒子を噴出する孔102を設けるともに、テーパー面201と第2ノズル継手108の平坦な先端面107との間に隙間202を形成し、この隙間202の外周部に連通する第2通水路113を螺旋状に形成する構造を有していた。しかし、ノズル101に導入された水は、第2ノズル継手108に形成した螺旋状の第2水通路113を通ることで回転が加えられるものの、第2通水路113と孔102との間に隙間202が形成されているので、水圧をかなり高くしないと、微小なミスト粒子を孔102から霧状に噴出することが難しい問題を生じていた。
【0048】
これに対して、本実施例におけるノズル101は、中心にミスト噴出用の孔102を設けたミストノズル103と、このミストノズル103を先端に接続した筒状の第1ノズル継手104と、第1ノズル継手104の筒部すなわち筒部内面105に内接し、かつミストノズル103の孔102を設けたノズル面106に当接する第2ノズル継手108とを備え、ミストノズル103のノズル面106には、外周から孔102に向かう渦状の第1水通路111を形成するとともに、第2ノズル継手108の内接面には、前記第1水通路111の外周部に連通する螺旋状の第2水通路113を形成している。
【0049】
このようにすると、ノズル101に導入された水は、第1ノズル継手104の基端側から筒部内面105を通過した後、第2ノズル継手108に形成した螺旋状の第2水通路113を通ることで回転が加えられる。次に、ミストノズル103のノズル面106に形成した渦巻き形状の第1水通路111を水が通過することにより、水の回転力はさらに増加し、第1水通路111の中心に設けた孔102よりノズル101の外部に勢いよく噴出する。このように、第2通水路113を通過した水は、渦巻き形状の第1水通路111に案内されながら、孔102にそのまま達するため、従来のように高い圧力を加えなくても、微小なミスト粒子を孔102より霧状に噴出することが可能となる。
【0050】
また、このような構成において、本実施例では、螺旋状に形成した第2水通路113の回転方向が、渦状に形成した第1水通路111の回転方向と逆に形成されているため、第2水通路113を通り回転力が加えられた水は、第1水通路111を通過するときに急激に反対の回転力が加えられる。これによって、ノズル101に加える圧力をさほど高くしなくても、水は分裂して、より微小なミスト粒子となり、孔102から霧状となって外部に勢いよく噴出することが可能になる。
【0051】
また、本実施例におけるノズル101は、ミスト噴出用の孔102を設けたミストノズル103と、螺旋状の第2通水路113を形成した第2ノズル継手108とからなり、ミストノズル103と第2ノズル継手108は別体に形成されている。このように、ミストノズル103と第2ノズル継手108とを別体にすると、第2ノズル継手108の外面である内接面112に螺旋状の第2水通路113を形成できるので、ノズル101を形成する際の型の構造を簡単にできる。特に、第2ノズル継手108を金属好ましくは黄銅の材料で形成すれば、型を用いず挽物加工で螺旋状の第2通水路113を形成することが可能になる。
【0052】
さらに、本実施例のノズル102は、ミスト噴出用の孔102を設けたミストノズル103と、螺旋状の第2通水路113を形成した第2ノズル継手108とからなり、ミストノズル101の孔102を設けたノズル面106に第2ノズル継手108を常時付勢する弾性部材としてのスプリング115を設けている。この場合、第2ノズル継手108はスプリング115によりミストノズル103のノズル面106に常時付勢されるようになるため、ミストノズル103と第2ノズル継手108の先端面107との間に隙間がなくなり、常に密着した状態となる。したがって、ノズル101内を水が通過する際に、ミストノズル103と第2ノズル継手108との間から水が漏れることがなく、細かく広がりのあるミスト粒子をミストノズル103の孔102から噴出できる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例のような載置台を介してアイロン本体に給電を行なうコードレスアイロンではなく、電源コードよりアイロン本体に直接給電を行なうアイロンにも、本発明を適用できる。また、切欠部95は複数ではなく単一に形成されていてもよい。但し、本実施例のように切欠部95を複数形成したほうが、ピストン83の下死点近傍で水導入室93と切欠部95が確実に連通するので好ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の請求項1のアイロンは、アイロン本体と、このアイロン本体の下部に設けられた加熱手段を有するベースと、前記アイロン本体に設けられた水タンクと、前記水タンクの水をミスト状態で発生させるミスト機構とを備えたアイロンにおいて、前記ミスト機構は、前記水タンク内に設けられ前記水タンク内の水を導入するシリンダと、前記水タンク内に設けられ前記シリンダに対し摺動自在に設けたピストンと、前記水タンクの前方に設けられ前記シリンダ内部の水をミストとして噴出させるノズルとにより構成され、前記シリンダ外部に連通する切欠部を前記ピストンに形成するとともに、前記ピストンの下死点近傍で前記シリンダ内部の水導入室と前記切欠部とを連通する溝を、前記シリンダに形成したものであり、ミスト発生時において、ピストンの動作途中でノズルから水滴が噴出するのを防止することの可能なアイロンを提供できる。
【0055】
本発明の請求項2のアイロンは、前記請求項1の構成に加えて、前記ノズルは、中心にミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、このミストノズルを先端に接続した筒状の第1ノズル継手と、前記第1ノズル継手の筒部に内接し、かつ前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に当接する第2ノズル継手とを備え、前記ミストノズルのノズル面には、外周から前記孔に向かう渦状の第1水通路を形成するとともに、前記第2ノズル継手の内接面には、前記第1水通路の外周部に連通する螺旋状の第2水通路を形成したものであり、この場合はさらに、高い圧力を加えなくても、微小なミスト粒子を孔より霧状に噴出することができる。
【0056】
本発明の請求項3のアイロンは、前記請求項2の構成に加えて、螺旋状に形成した前記第2水通路の回転方向は、渦状に形成した前記第1水通路の回転方向と逆であることを特徴とし、この場合はさらに、ノズルに加える圧力をさほど高くしなくても、水は分裂して、より微小なミスト粒子となり、孔から霧状となって外部に勢いよく噴出することが可能になる。
【0057】
本発明の請求項4のアイロンは、前記請求項1の構成に加えて、前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルと前記第2ノズル継手を別体としたことを特徴とし、この場合はさらに、ノズルを形成する際の型の構造を簡単にできる。
【0058】
本発明の請求項5のアイロンは、前記請求項1または請求項4の構成に加えて、前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に前記第2ノズル継手を常時付勢する弾性部材を設けたことを特徴とし、この場合はさらに、ミストノズルと第2ノズル継手との間から水が漏れることがなく、細かく広がりのあるミスト粒子をミストノズルの孔から噴出できる。
【0059】
本発明の請求項6記載のアイロンは、前記請求項4の構成に加えて、前記第2ノズル継手の材料を金属としたものであり、この場合はさらに、型を用いず挽物加工で螺旋状の第2通水路を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアイロンの一実施例を示すカセットタンクの一部切欠き側面図である。
【図2】同上ピストンが上死点にある状態の要部の断面図である。
【図3】同上ピストンが下死点にある状態の要部の断面図である。
【図4】同上カセットタンク要部の一部切欠き側面図である。
【図5】同上アイロン本体の一部切欠き側面図である。
【図6】同上アイロン本体を載置台に載置した状態の一部切欠き側面図である。
【図7】同上アイロン本体の平面図である。
【図8】同上図7のA−A線断面図である。
【図9】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図10】同上動作手順を示すフローチャートである。
【図11】同上ノズルの断面図である。
【図12】同上ミストノズルを基端側から見た背面図である。
【図13】第2ノズル継手の側面図である。
【図14】従来例におけるノズルの断面図である。
【符号の説明】
1 アイロン本体
2 ヒータ(加熱手段)
3 ベース
8 カセットタンク(水タンク)
83 ピストン
84 シリンダ
93 水導入室
95 切欠部
96 溝
101 ノズル
102 孔
103 ミストノズル
104 第1ノズル継手
108 第2ノズル継手
111 第1通水路
113 第2通水路
115 スプリング(弾性部材)
116 ミスト機構

Claims (6)

  1. アイロン本体と、このアイロン本体の下部に設けられた加熱手段を有するベースと、前記アイロン本体に設けられた水タンクと、前記水タンクの水をミスト状態で発生させるミスト機構とを備えたアイロンにおいて、前記ミスト機構は、前記水タンク内に設けられ前記水タンク内の水を導入するシリンダと、前記水タンク内に設けられ前記シリンダに対し摺動自在に設けたピストンと、前記水タンクの前方に設けられ前記シリンダ内部の水をミストとして噴出させるノズルとにより構成され、前記シリンダ外部に連通する切欠部を前記ピストンに形成するとともに、前記ピストンの下死点近傍で前記シリンダ内部の水導入室と前記切欠部とを連通する溝を、前記シリンダに形成したことを特徴とするアイロン。
  2. 前記ノズルは、中心にミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、このミストノズルを先端に接続した筒状の第1ノズル継手と、前記第1ノズル継手の筒部に内接し、かつ前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に当接する第2ノズル継手とを備え、前記ミストノズルのノズル面には、外周から前記孔に向かう渦状の第1水通路を形成するとともに、前記第2ノズル継手の内接面には、前記第1水通路の外周部に連通する螺旋状の第2水通路を形成したことを特徴とする請求項1記載のアイロン。
  3. 螺旋状に形成した前記第2水通路の回転方向は、渦状に形成した前記第1水通路の回転方向と逆であることを特徴とする請求項2記載のアイロン。
  4. 前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルと前記第2ノズル継手を別体としたことを特徴とする請求項1記載のアイロン。
  5. 前記ノズルは、ミスト噴出用の孔を設けたミストノズルと、螺旋状の第2通水路を形成した第2ノズル継手とからなり、前記ミストノズルの孔を設けたノズル面に前記第2ノズル継手を常時付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1または4記載のアイロン。
  6. 前記第2ノズル継手の材料を金属としたことを特徴とする請求項4記載のアイロン。
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