JP3733489B2 - プリペイドカードを利用した料金徴収装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、全国的に広く普及しているプリペイドカードを利用し、各種商品の購入料金や情報使用料を徴収する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、いわゆるキャッシュレスのために利用する各種のカードが普及している。代表的な例はクレジットカードである。このカードは、原則として与信調査に合格した者に対して発行され、これらの者が加盟店でカードを利用した場合にはカード発行会社が加盟店に請求額から手数料を差し引いた額を支払う一方、カード利用者の指定銀行口座から請求額を引き落とすシステムである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記クレジットカードは、与信調査の面からカード利用者に制限がある。従って、現実に支払い能力があっても与信調査でカード発行を拒否されることもあり、カード利用率が飛躍的に向上するための障害になっている。また、カード発行会社と契約を行う加盟店、即ち特定のカードを利用できる店は無制限ではなく、カードを利用できない店も数多く存在する。これは、クレジットカードがあくまでもカード発行会社とカード利用者、および加盟店の契約に基づいており、料金徴収はカード利用の後から行われることに起因する。
【0004】
一方、各種の店舗や組合などで独自に発行するプリペイドカードがあり、これらのカードはその名称の通り先払いでカードを購入するものであるから、カード発行会社は料金を徴収し損なうことはない。しかし、この種のカードは汎用性がないから非常に限定された地域性を有していることが多く、利用者にとってはかえって煩雑になることも多い。さらに、独自のプリペイドカードが数多くなるとカード利用者は事前に購入したカードを完全に使いきらないうちにカードを紛失することもあり、結果的にカード利用者には損失となることもある。
【0005】
ところで、現在普及しているプリペイドカードとしては、電話専用のプリペイドカードが最大の使用量であり、これを汎用的なプリペイドカードとして利用でき、かつプリペイドカードのスロットを装備している電話機から料金を徴収できるようにすると、カード利用者は複数種類のプリペイドカードを絶えず持参する必要がなく、便利である。また、カード利用に供する情報提供者側や販売側にとっても、クレジットカードの場合とは異なり、現金を即座に徴収することができ、安全な取り引きを行うことが可能となる。
【0006】
本発明者はこのような広く普及している種類のプリペイドカード、現実には電話専用のプリペイドカードを料金徴収の媒体として利用し、販売側、および利用者側の双方にとって安全かつ確実な料金徴収装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために、プリペイドカードのスロットを備えると同時に、公衆回線の付加価値代行徴収回線、および1または複数のサービス提供手段に接続可能な料金徴収装置であって、次の手段を採用することとした。即ち、上記スロットに任意のプリペイドカードが挿入されればこの残高を読みとるカード読み書き装置を備え、残高の確認によって操作パネルの入力を受け付け、この操作パネルからの入力に従って表示パネルに上記残高及び選択可能なサービスの情報を表示すると共に、上記操作パネルからのサービス選択操作に従って、選択したサービスの予め定められた対価と上記プリペイドカードの残高を比較し、上記プリペイドカードの残高が上記対価と同一、または超えているときに、選択したサービス提供手段をアクセスしてサービスの提供を受ける一方、上記対価に見合った金額に至るまで上記付加価値代行徴収回線を接続し、上記カード読み書き装置では、上記プリペイドカードに対して上記対価に見合った金額を残高から差し引いた額に書き換える手段である。
【0008】
一方、料金徴収装置には、提供を受けたサービスがデータであるときに、これを書き込むための書き出し装置、およびこの書き出し装置に書き出し用の媒体を挿入するためのスロットを備えるという手段を選択的に採用した。
【0009】
【作用】
カード読み書き装置では、スロットに挿入されたプリペイドカードに磁気的に記録された情報を読みだし、情報利用料金を差し引いた額に見合ったデータを書き込む作用を行う。操作パネルは、プリペイドカードを挿入した利用者が、自己の希望するサービスを指定し、提供の意思を確認するなどの各種入力を行うための手段である。この入力は、表示パネルに表示された情報に従って行うことになる。付加価値代行徴収回線は、提供を受けたサービスに予め定められた金額を、回線使用料として徴収する機能を担っている手段であり、サービスの金額を、予め決まっている付加価値代行徴収回線の時間単位の料金で除した複数単位の接続時間を料金徴収に充てる。なお、これらの機能はCPUによって制御されることはもちろんである。また、書き出し装置は、サービスの種類がデータベースから選別したデータなどのようにデータ形式である場合に、利用者が媒体にコピーするための手段である。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、添付した図面に従って詳述する。図1は本発明装置の料金徴収装置の一例を示すブロック図であって、売買の対象となるものが情報である場合を説明したものである。図中、1は料金徴収装置、2はその内部構成として全体を制御し、各種計算機能を発揮するCPU、3はプリペイドカードのカードスロット(図示せず)を備えたカード情報読み書き装置、4は売上処理装置、5は売上データ、6はカード利用者が料金支払い操作を行うための操作パネル、7は料金や操作状況などを表示する表示パネルである。8はCPU2に制御され、スロットに投入したカードから料金を徴収するための料金徴収回路である。9は必要に応じて設置される料金徴収書の発行装置である。なお、10はプリペイドカード、11は料金徴収書である。また、料金徴収回路8は公衆回線網12を介して付加価値代行徴収回線13に接続可能になっている。
【0011】
14は売上データを一括して管理する売上データ管理センタであり、公衆回線網12を介して複数の料金徴収装置1からアップロードされるデータを一括して管理するものである。ただし、本発明においては売上データをどのように集中して処理するか、という技術は直接の関係がないので、売上データ管理センタ14は付加的な構成として理解されるべきである。15は書き出し装置であり、有料情報が保存用媒体に記録を許されるものである場合に、フレキシブルディスク16をスロットに挿入し、ダウンロードされてきた有料情報をディスク16に書き込むための構成である。
【0012】
次に上記装置を利用して情報利用や商品購入などを行うための手続きを図2のフローチャートに従って説明する。先ず、料金徴収装置1が待機中で、プリペイドカードを挿入可能な状態であるときに、プリペイドカードをカード情報読み書き装置3のスロットに挿入する。カード情報読み書き装置3ではプリペイドカードに現在書き込まれているデータを読みだし、CPU2にデータを転送する。CPU2ではプリペイドカードに残高があれば、表示パネル7に残高および選択可能なサービスを表示すると共に、操作パネル6からの入力を受け付ける。ここでサービスとは、データとして別に設置されたデータベース(図示せず)から有料情報のダウンロードを要求することや、商品購入の申し込みを行うことの何れをも含む概念である。なお、表示パネル7の当初表示画面は、有料情報の利用か、商品購入の2者択一画面としてもよいことはもちろんである。操作パネル6からの入力を受け付ける状態になれば、利用者は表示パネル7に表示された選択可能なサービスを選択し、決定する。そうすると、料金徴収装置1では決定されたサービスの対価と挿入されているプリペイドカードの残高とを対比し、残高が選択したサービスの対価を超えていれば指定されたサービスを行う。この場合、指定されたサービスが有料情報のダウンロード要求であれば、料金徴収装置1が公衆回線網12を介してデータベースをアクセスし、必要な情報を受け取った後に表示パネル7に表示し、さらに書き出し装置15にフレキシブルディスク16が挿入されている場合にはこの媒体にダウンロードされたデータを書き込む。一方、指定されたサービスが商品購入の申し込みであれば、商品コードや商品の配送住所を売上情報として売上データ管理センタ14にアップロードする。そして、この売上データ管理センタ14において売上情報を解析し、指定された商品を指定された住所に配送することでサービスが終了する。
【0013】
上記サービスの提供が終了すればプリペイドカードから料金を徴収する手段に移行する。この手段は、先ず料金徴収回路8が公衆回線網13を介して付加価値代行徴収回線13を発呼し、徴収しようとする料金分に見合った時間だけ回線を接続することによって達成される。即ち、付加価値代行徴収回線とは、通常の電話使用料に上乗せして付加価値料金を単位時間あたりで予め設定し、電話局が電話使用料と共に付加価値料金を代行徴収して、後日情報提供者に手数料を差し引いた額を支払う形態の回線であり、どれだけの時間回線を接続するかは、料金を単位時間あたりの付加価値料金で除することによって容易に算出できる。このようにして、料金徴収を付加価値代行徴収回線13の接続によって完了すれば、カード読み書き装置3ではプリペイドカードの残高から利用料金を差し引いた額に書き換え、スロットよりプリペイドカードを吐き出す。同時に、必要に応じて料金徴収書の発行装置9から料金徴収書を発行してもよい。
【0014】
なお、サービス提供処理と、料金徴収の処理の順序は、上記実施例ではサービスの提供を先行させたが、サービスの提供のための処理に先立って料金徴収処理を行わせることも可能である。処理手順として何れを先行させるかは、選択的な事項である。
【0015】
上記実施例では、プリペイドカードから料金徴収を行ったことを確認してから、このカードをスロットから吐き出すようにしている。しかし、利用料金が高額になれば付加価値代行徴収回線の接続時間が長くなり、利用者にとってはそのための待ち時間だけが長くなるという問題がある。即ち、料金徴収に要する時間が長くなれば長くなるほど利用者は時間的損失を被ることになる。これを解消する手段としては、図3に示したように料金徴収装置1の構成として図1の構成にさらにカウンタメモリ17を備える。CPU2は利用者が要求したサービスに対応する料金を計算し、その計算値を利用者が確認すれば、即座にカード読み書き装置3を制御してスロットに投入されているプリペイドカードの残高から利用料金を差し引いた額を書き換える。あるいは、利用額を書き加える。同時に、CPU2で計算した利用料金はカウンタメモリ17に書き込まれる。カウンタメモリ17には、料金徴収装置1自身のカード利用総額が、利用の度に書き加えられて累積されることになる。そして、累積された金額はたとえば1日1回、営業時間が終了した後の決められた時間、あるいは任意に設定した時間に自動的に付加価値代行徴収回線13に接続することにより、1日の総額を1度に清算するようにしてもよい。このようにすれば利用者は料金徴収に係る待ち時間から解放されるので、利用を促進することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明では、上述したような構成を採用したので、プリペイドカードのみで情報提供に限らず、商品購入も容易に行うことができる。特にプリペイドカードの種類を現在普及している公衆電話用のプリペイドカードとすれば、本発明装置を汎用的に利用することができ、その用途は非常に広いものとなる。また、カード利用者は電話カードをこのように汎用で利用できるのであれば、金銭の無駄も回避することができる一方、情報提供者にとっても料金徴収が確実であるので、事後的な回収にかける手間も省略することができる。
【0017】
サービスがデータ形式で提供されるような場合には、装置に読みだし装置を備えることによって利用者はデータを媒体にコピーすることができ、事後的な利用に資するなど、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を示すブロック図、
【図2】本発明の処理手順を示すフローチャート、
【図3】本発明の別実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 料金徴収装置
2 CPU
3 カード情報読み書き装置
4 売上処理装置
5 売上データ
6 操作パネル
7 表示パネル
8 料金徴収回路
9 発行装置
10 プリペイドカード
11 料金徴収書
12 公衆回線網
13 付加価値代行徴収回線
14 売上データ管理センタ
15 書き出し装置
16 有料情報をディスク
17 カウンタメモリ
Claims (2)
- プリペイドカードのスロットを備えると同時に、公衆回線の付加価値代行徴収回線、および1または複数のサービス提供手段に接続可能な料金徴収装置であって、上記スロットに任意のプリペイドカードが挿入されればこの残高を読みとるカード読み書き装置を備え、残高の確認によって操作パネルの入力を受け付け、この操作パネルからの入力に従って表示パネルに上記残高及び選択可能なサービスの情報を表示すると共に、上記操作パネルからのサービス選択操作に従って、選択したサービスの予め定められた対価と上記プリペイドカードの残高を比較し、上記プリペイドカードの残高が上記対価と同一、または超えているときに、選択したサービス提供手段をアクセスしてサービスの提供を受ける一方、上記対価に見合った金額に至るまで上記付加価値代行徴収回線を接続し、上記カード読み書き装置では、上記プリペイドカードに対して上記対価に見合った金額を残高から差し引いた額に書き換えることを特徴としたプリペイドカードを利用した料金徴収装置。
- 料金徴収装置には、提供を受けたサービスがデータであるときに、これを書き込むための書き出し装置、およびこの書き出し装置に書き出し用の媒体を挿入するためのスロットを備えた請求項1記載のプリペイドカードを利用した料金徴収装置。
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