JP3733449B2 - 低アルカリ性水硬性材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水和時における水酸化カルシウムの生成を抑制すると共にカルシウム比の高い不定形ケイ酸カルシウム水和物の生成を抑制することにより、アルカリ性を大幅に低下させたセメント質の水硬性材料に関する。
本発明の低アルカリ性水硬性材料は、放射性廃棄物の埋設固化処理用、GRC用、特殊環境下での軟弱地盤改良用等の低アルカリ性が要求される材料として好適である。
【0002】
【技術的背景】
原子力発電所等の各種の原子力施設から排出される各種放射性廃棄物の量は年々増加しており、その廃棄処理が問題になっている。放射性廃棄物のうち、放射性が低レベルのものはドラム缶等の放射性廃棄物用の処理容器に入れ、固化処理して密閉化することにより地中埋設に適した最終形態に処理されている。
【0003】
この固化処理材として現在使用されているものの一つはセメントから形成されるセメントペーストであり、主にポルトランドセメントが用いられている。ところが、通常のポルトランドセメントを用いて放射性廃棄物の固化処理を行った場合、放射性廃棄物中に含まれる金属アルミニウムが高アルカリ環境下で反応して水素ガスを発生する虞があり、この水素ガスの発生について種々の問題が指摘されている。例えば、処理容器内の圧力上昇により固化体組織が破壊されて放射性物質の閉じ込め性能が低下する問題や水素ガスそのものが可燃性ガスであることから、安全性の問題が懸念されている。
【0004】
GRC(ガラス繊維強化コンクリート)についても、セメントのアルカリ性が問題になっている。すなわち、GRCに通常のポルトランドセメントを使用した場合、長期にわたりセメントに起因する高アルカリ雰囲気によってガラス繊維が腐食され、GRCの曲げ強度や耐衝撃性が低下することが明らかになっている。
【0005】
軟弱地盤の地盤改良用固化剤として用いるセメント組成物についても同様の問題がある。すなわち、地盤改良用固化剤としてセメント組成物が広く使用されているが、泥炭等の高有機質土の固化剤として通常のポルトランドセメントを使用すると固化性能が不十分であり、場合によっては数日以上経過しても全く固化しない。これは、セメントがもたらす高いアルカリ性によって高有機質土からアルカリ抽出成分が溶出し、水和硬化を阻害することが原因であることが判明している。
【0006】
【従来技術とその問題点】
以上のような状況から、低アルカリ性の水硬性材料が求められており、現在までに多くの研究開発がなされている。従来報告されている低アルカリ性セメント組成物の多くは、高アルカリ性の主原因の一つである水酸化カルシウムCa(OH)2 の生成を抑制しようとするものである。
【0007】
ところが、これらのセメント組成物においてもアルカリ性の低減効果は十分ではない。本発明者等の実験結果によれば、アルカリ性をさらに低減するには、Ca(OH)2を抑制するだけでは不十分であり、他の水和生成物についても考慮する必 要のあることが判明した。
【0008】
また、従来の低アルカリ性セメント組成物からなる水硬性材料はカルシウムアルミネートを主成分としたものが多く報告されている(特公開平1-208354号等)が、カルシウムアルミネートを主成分としたものは注水により急結性を示し、その用途が極めて限定される。
低アルカリ性の水硬性材料であっても他のセメント組成物と同様に施工性や強度発現の良好なことが必要であり、施工温度の変化に対して一定の流動性および可使時間が確保されると共に硬化時間が調整でき、硬化後に適正な強度が発現されるものが求められる。ところが、カルシウムアルミネートを主成分とした従来の水硬性材料は前述のように急結性を有し、作業性に劣る問題がある。
【0009】
一般にセメントの凝結硬化は、主としてセメント中のケイ酸カルシウム(エーライト、ビーライト)の水和による比表面積の大きい不定形ケイ酸カルシウム水和物(C-S-Hゲル)と水酸化カルシウムの生成、およびカルシウムアルミネートと石膏との水和反応によるエトリンガイト(3CaO・Al2O3・CaSO4・32H2O)の生成などにより、混練時に加えた水が固定化されると共に水和物相互の絡み合いによってセメント粒子間が接合され、次第にセメントペーストが流動性を失い凝結が開始する。この凝結開始まで緩やかに水和が進行するほどセメントペーストの流動性が良好に保たれ、作業性が高い。
また、強度の発現は、凝結硬化後のこれらの水和物や新たな水和物の増大によってより多くの自由水が固定され、硬化体組織が密実化することにより強度が増進する。従って、初期過程の水和とその後のセメント粒子の水和の制御が、注水直後の流動性や凝結硬化を支配し、強度の発現を左右することとなる。
【0010】
このように、良好な流動性と強度の発現を達成するには、水和物の生成を適度に制御する必要があるが、従来の低アルカリ性水硬性材料においては、セメント硬化体のアルカリ性を低く抑えつつ、急結性を抑制し、しかも優れた強度発現性を得るのが困難であった。一方、通常のポルトランドセメントやこれらに高炉水砕スラグなどを混合した混合セメントでは比較的良好な凝結効果特性を有するものの、目的とする低アルカリ性を達成することは不可能であった。
【0011】
【発明の解決課題】
本発明は従来の上記問題を解決した低アルカリ性水硬性材料を提供するものであって、セメントの水和反応において、低カルシウム型水和物ならびに超低溶解性の水和物を選択的に生成させるようにし、他のセメント構成物等との適度な組合わせによってアルカリ性が低く、しかも硬化時間を任意に調整でき、施工が容易で強度の発現に優れた低アルカリ性水硬性材料を達成したものである。
【0012】
【課題の解決手段】
すなわち、本発明によれば以下の低アルカリ性水硬性材料が提供される。
(1)アーウィン(3CaO・3Al2O3・CaSO4)、ビーライト(2CaO・SiO2)、鉄アルミン酸カルシウム(4CaO・Al2O3・Fe2O3)、およびCaSO4を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含み、
(CaO−2SO3)/SiO2<1.3(モル比)、
SO3/(Al2O3+Fe2O3)<3(モル比)
であることを特徴とする低アルカリ性水硬性材料。
【0013】
本発明の低アルカリ性水硬性材料は、以下のアルカリ量であるものが好ましい。
(2)アーウィン、ビーライト、鉄アルミン酸カルシウム、およびCaSO4を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含み、
アルカリ量(R2O)が、R2O=Na2O+0.658K2O<0.4(重量%)
である上記(1)に記載する低アルカリ性水硬性材料。
【0014】
本発明の低アルカリ性水硬性材料は、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種の含有量と硫酸カルシウムの含有量が以下の範囲内であるものが好ましい。
(2)上記低カルシウムセメントクリンカー100重量部に対し、高炉水砕スラグ20〜400重量部およびシリカフューム5〜50重量部の少なくとも1種を含み、硫酸カルシウムがクリンカー中の硫酸カルシウムとの合計量としてCaSO4換算で20〜70重量部である上記(1)に記載する低アルカリ性水硬性材料。
【0015】
本発明の低アルカリ性水硬性材料は、低カルシウムセメントクリンカーの鉱物組成が以下の範囲内であるものが好ましい。
(3) 低カルシウムセメントクリンカーの鉱物組成が、
3CaO・3Al2O3・CaSO4 :20〜70重量%
2CaO・SiO2 :10〜40重量%
4CaO・Al2O3・Fe2O3 :3〜30重量%
CaSO4 :2〜30重量%
3CaO・Al2O3 :5重量%以下
である上記(1)または(2)に記載する低アルカリ性水硬性材料。
【0016】
【発明の実施態様】
本発明の水硬性材料は、アーウィン(3CaO・3Al2O3・CaSO4)、ビーライト(2CaO・SiO2)、鉄アルミン酸カルシウム(4CaO・Al2O3・Fe2O3)、およびCaSO4を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含み、(CaO−2SO3)/SiO2<1.3(モル比)、SO3/(Al2O3+Fe2O3)<3(モル比)であることを特徴とする低アルカリ性水硬性材料である。
【0017】
通常のポルトランドセメントでは、主要鉱物のエーライト(3CaO・SiO2:C3Sと略記)やビーライト(2CaO・SiO2:C2Sと略記)が水和硬化する際に、主要な水和生成物である不定形ケイ酸カルシウム水和物(CaO−SiO2−H2Oゲル:C−S−Hゲルと略記)が生成し、これと同時にCa(OH)2を生成し、このCa(OH)2が高いアルカリ性の原因の一つになっている。また、通常、Ca(OH)2と共存するC−S−HゲルはCaO/SiO2比が1.5以上の高カルシウムゲルであり、この高CaO/SiO2比のC−S−Hゲルもまたアルカリ性を高める原因になっている。
【0018】
一方、本発明の水硬性材料は、その化学成分をモル比で、
(CaO−2SO3)/SiO2<1.3
に設定することにより、低カルシウム型水和物ならびに超低溶解性水和物を主に生成させ、低アルカリ性であると共に硬化時間が任意に調整可能な水硬性材料としている。なお、低カルシウム型水和物および超低溶解性水和物とは、エトリンガイト、CaO/SiO2モル比1.3以下のC−S−Hゲル、ゲーレナイト水和物、C2ASH8、Al2O3水和ゲル、およびFe2O3水和ゲル等を云う。
また、本発明の水硬性材料は、その化学成分をモル比で
SO3/(Al2O3+Fe2O3)<3
に設定することにより、膨張等が発生し難い安定な水硬性材料としている。
【0019】
本発明の水硬性材料において、Al2O3水和ゲル、およびFe2O3水和ゲルが共存し、これが低CaO/SiO2(モル比)のC−S−Hゲルの生成に重要な役割を果たしているものと推察される。ちなみに、普通ポルトランドセメントの(CaO−2SO3)/SiO2のモル比は2.9であり、本発明の水硬性材料におけるモル比は普通ポルトランドセメントに比べて、約半分以下である。
【0020】
なお、本発明の低アルカリ性水硬性材料は、水硬性材料中のアルカリ量(R2O)が、R2O=Na2O+0.658K2O<0.4(重量%)であるものが好ましい。通常のポルトランドセメントでは、セメント中の全アルカリ量(R2O)は概ね0.7重量%以下であり、低アルカリ型でも0.6重量%以下であるが、本発明の水硬性材料では、好ましくは全アルカリ量を0.4重量%未満に制限することによって、NaおよびKに起因するアルカリ性も低く抑えることができる。
【0021】
本発明の低アルカリ性水硬性材料は、特定の鉱物組成を有する低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含むことによって、化学成分を上記範囲内に調整し、水硬性材料の中長期強度を高め、かつ塩類の溶出を抑制すると共に低アルカリ性を維持して施工時の作業性を高めている。
【0022】
具体的には、本発明の低アルカリ性水硬性材料は、アーウィン(C3A3・CaSO4)、ビーライト(CaO・SiO2:C2S)、鉄アルミン酸カルシウム(4CaO・Al2O3・Fe2O3:C4AF)、および硫酸カルシウム(CaSO4)を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーを用いる。
【0023】
本発明において用いる低カルシウムセメントクリンカーは、通常のポルトランドセメントクリンカーよりも硫酸カルシウムとアルミナ分を大量に含有することによって、エーライト(C3S)に代えてアーウィンを主体にしたものであり、このアーウィンの水和によってCa(OH)2が消費されると同時に適量のエトリンガイトが生成する。
【0024】
また、本発明の水硬性材料は、その化学成分の含有量を上記範囲に特定することによって、早期にエトリンガイトが生成してAl2O3水和ゲルが共存しつつ水和が進行し、一方、モノサルフェート水和物(3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O)の生成が大幅に抑制され、その後に珪酸カルシウムによる水和が生起する。これによって注水直後から低アルカリ性を維持しつつ水和反応が進行し、珪酸カルシウムの水和によって生成する水酸化カルシウムも消費される。この結果として、生成するC−S−Hゲルも低Ca/Siモル比のものとなり、硬化体は低アルカリ性に保持されると共に十分な強度発現性も得られる。
【0025】
上記低カルシウムセメントクリンカーに含まれるアーウィン(C3A3・CaSO4)の含有量は20〜70重量%の範囲が適当であり、この範囲外では成形体の寸法安定性(膨脹性)が低下し、また施工時の良好な作業性を確保するうえで好ましくない。また、ビーライト(C2S)は強度発現の点で重要であり、その量は10〜40重量%が適当である。この量より少ない場合は強度発現性が劣り、多い場合にはアルカリ性が高くなるので好ましくない。
【0026】
上記低カルシウムセメントクリンカーに含まれる鉄アルミン酸カルシウム(C4AF)はクリンカーの安定生成、特にビーライト(C2S)の粒成長を促進させる働きがある。このC4AF量が3重量%未満ではその効果が小さく、30重量%を越えるとクリンカー生成時に溶融が生じ、十分な結晶成長が進む温度まで昇温できなくなるので好ましくない。
【0027】
また、上記低カルシウムセメントクリンカーに含まれる硫酸カルシウム(CaSO4)はクリンカー焼成時のビーライト(C2S)のβ−γ相転移を抑制し、いわゆるダスティングを防止するが、その量比が2重量%未満では安定化の効果が小さく、30重量%を越えると効果に変化が無くなるので好ましくない。
【0028】
なお、上記低カルシウムセメントクリンカーにおいて、アルミン酸三カルシウム(C3A)はクリンカー製造時に、その配合や焼成条件が適切でない場合に生成し、急結性の原因となる。従って、C3Aの量は少ないほうが好ましく、水との混練時のハンドリングを考慮すると、5重量%未満が適当である。
【0029】
上記低カルシウムセメントクリンカー単独でも短期の性能を発揮するが中長期の効果が不充分である。本発明の水硬化性材料は、このクリンカーに高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と硫酸カルシウムとを適量配合することによって中長期強度を向上させ、かつ塩類の溶出をも抑制する共に低アルカリ性の保持を優位にし、施工時の作業性を高めている。
【0030】
上記低カルシウムセメントクリンカーと共に用いられる高炉水砕スラグは上記セメントクリンカー100重量部に対して20〜400重量部が適当である。この高炉水砕スラグは、その潜在水硬性に基づく水和反応により、セメントから生成される水酸化カルシウムの消失を促し、かつエトリンガイトと共にCaO/SiO2比の低いC−S−Hゲルを生成させて中長期強度発現に寄与するばかりでなく、塩類の溶出を抑制する効果も発揮する。この高炉水砕スラグの配合量が20重量部未満の場合には所望の効果が十分に発揮されず、一方、この配合量が400重量部を上回る場合には発現強度が遅くなり、短期強度が十分に発現されないので実用上好ましくない。
【0031】
シリカフュームは、上記クリンカー100重量部に対して5〜50重量部が適当である。このシリカフュームは、そのポゾラン反応性に基づく水和反応によりセメントから生成される水酸化カルシウムと共にCaO/SiO2比の低い C-S-Hゲルを生成させて、低アルカリ性化を一層促し、同時に中長期強度発現に寄与する。
シリカフュームの配合量が5重量部未満の場合には所望の効果が十分に発揮されず、一方、この配合量が50重量部を上回る場合には強度発現が低下し、特に短期強度が十分に発現されなくなり、実用上好ましくない。
なお、高炉水砕スラグとシリカフュームを同時に混合した場合には、両者の効果が併合された状態で発揮される。
【0032】
硫酸カルシウムは無水、半水または二水塩のいずれの石膏でもよい。硫酸カルシウム成分は上記クリンカーおよび高炉水砕スラグから供給されるアルミナ分およびカルシウム分と反応してエトリンガイトを生成させることにより、水酸化カルシウムの量を消失させ、かつ短期強度発現に寄与し、さらに乾燥収縮を抑制する。
硫酸カルシウムの配合量はクリンカー中の石膏との合計が無水塩(CaSO4)換算でクリンカーに対して20〜70重量%が適当である。クリンカー中の石膏で補える場合はさらに添加する必要はないが、クリンカー中の石膏分だけでは不十分な場合は追加して加える必要がある。硫酸カルシウム量が無水塩換算で20重量%未満の場合には所望の効果が十分に発揮されない。一方、70重量%を越えると養生条件によっては、エトリンガイトの異常生成による膨脹ひび割れなどを生じる虞があるので好ましくない。
【0033】
また、凝結硬化時間を任意に調整するためには、適切な凝結調整剤を添加するのが好ましい。凝結調整剤としては、従来、常用されているオキシカルボン酸塩は適当ではなく、酸化亜鉛(ZnO)やポリカルボン酸塩系の遅延剤が好ましい。これは上述したように初期の水和過程では低アルカリ性の条件で水和反応が進行するため、従来とは異なる作用の遅延剤でなければ所望の遅延効果が得られないからである。遅延剤の添加量は0.1〜10重量%が適当であり、添加量に応じて20分から250分程度まで凝結時間も調整が可能となる。これ以上添加量が大きくなると硬化不良を来すことがある。なお、遅延剤の添加量は施工温度にも影響され、施工温度が低いほど添加量は少なくてよい。
【0034】
低アルカリ性が維持される期間については、例えば、実際に放射性廃棄物の処理において性能維持が要求される百年あるいは千年を越えるような非常に長い時間にわたってpH値の挙動を測定することは不可能であるが、実施例に示したように、1年間に亘って試料をボールミルによって粉砕し、常に新しい反応面が創出するように水和させた場合の測定結果では、このセメント組成物のpH値は12以下であり、普通ポルトランドセメントに比べて低い値となっており、これ以降にpH値が大きく上昇する要因は見つけ難いので、低アルカリ性が恒久的に維持される。
【0035】
なお本発明による低アルカリ性水硬性材料は、水の他に必要に応じて砂や砂利等の骨材と混練して、通常のモルタルやコンクリートと同様に取り扱うことができる。また、その使用に際しては、減水剤、AE剤、AE減水剤、増粘剤、凝結遅延剤等の各種混和剤を使用しても何ら支障ない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の低アルカリ性水硬性材料について具体的な実施例を比較例と共に示す。なお本実施例は例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
本例における低アルカリ性セメントの評価としては、単なるセメントペーストのpH測定ではなく、実用性を満足する水硬性材料を得るために、可使時間、モルタル強度および流動性などの物理的性質の評価をも行った。
可使時間の測定方法としては、 JISモルタルを用いてJIS R 5201に定められた凝結試験器を使用して始発時間を計測した。また、強度発現および流動性は実用条件を考慮してモルタルの特性をJIS R 5201で評価した。
その他に、具体的な用途を想定し、金属アルミニウムを用いたガス発生試験、GRCでの曲げ強度測定、高有機土質の固化試験を実施した。
なお、実施例および比較例に用いた試料のうち、実施例1〜5は本発明による低アルカリ性セメント組成物であり、比較例1は比較のために使用した普通ポルトランドセメントである。
【0037】
(I)試料の鉱物組成および化学組成
試料として用いた各セメント組成物のクリンカー鉱物組成(比較例1を除く)とブレーン比表面積およびクリンカーに対する高炉水砕スラグ、シリカヒュームと石膏の配合量を表1に示した。また表2には試料とした各セメント組成物の(CaO-2SO3)/SiO2モル比、SO3/(Al2O3+Fe2O3)モル比および全アルカリ量(R2O)を示した。
【0038】
( II )水和反応後のpH試験
試験方法
各試料を水/粉体比40%の割合で混練してペーストとし、これを28日間、20℃封緘養生後、粉砕して篩分し、 125〜250μm の部分を10倍量のイオン交換水に浸漬し、そのイオン交換水のpH値を測定した。表中の日数は浸漬した日から数えた。表中、ボールミルの欄は、セメント組成物粉体とその10倍量のイオン交換水をボールミルに入れて1年間回転させながら強制水和(以下、ボールミル水和と略称)させた後に該イオン交換水のpH値を測定したものである。このボールミル水和ではセメント粒子表面に生成した水和物相が除去され常に新しい反応面が創出して水和反応が進行する。ボールミル水和後の試料では未水和のクリンカー鉱物や高炉水砕スラグは検出されず、完全水和に近い状態を得ることができた。
【0039】
試験結果
各試料の水和硬化体とボールミル水和生成物のpH値を表3に示した。実施例1〜5の試料は、いずれの時期においても、またボールミル水和後のものも、そのpH値は12以下であった。これに対して比較例1では、全ての場合に12を越えたpH値となり、高いアルカリ性を呈した。
【0040】
(III) 流動性、可使時間および圧縮強度試験
試験方法
各試料についてJIS規格(JIS R 5201)に準拠し、15打フローを測定した。注水直後と60分後のフロー値を表4に示した。可使時間の測定は、上記JIS規格で定めるモルタルと凝結試験器を使用して始発時間を計測した。この値を表4に示した。また圧縮強度も上記JIS規格に従い3〜91日材令の強度を測定した。この結果を表4に示した。
【0041】
試験結果
実施例1は初期(3日)圧縮強度は小さいものの、可使時間が長く流動性の経時変化が小さい特徴を有し、放射性廃棄物を密閉容器中に固化する場合のように流動性が重要な用途については優れた性能を発揮することができる。それ以外の評価項目は、実施例1〜5のいずれも比較例1の普通ポルトランドセメントと遜色ない値であり、作業性や強度発現の点でも、実用に適した水硬性材料であることが確認された。
【0042】
( IV )ガス発生試験
試験方法
(イ) 気密なアクリル容器(内寸法7cm立方)の内部に、アルミニウム板(縦横5cm、厚さ0.2cm)を底面から1cmの位置に横置に吊した。
(ロ) 水粉体比40%および50%で混練したセメントペーストを上記容器中に2cmの高さまで注入した。
(ハ) アルミニウムとセメント成分の反応により発生するガスを水上置換法で定量し、発生したガスは全てアルミニウムの腐食によって発生した水素ガスであると仮定して反応性の評価を行なった。
【0043】
試験結果
上記試験の結果を表5に示した。実施例1、3〜5は全くガスが発生しないか或いは殆ど発生しない。また実施例2のガス発生量も極めて微量である。一方、比較例1では多量のガスが発生している。この結果により、実施例1〜5のセメント組成物は、廃棄物との反応性が低く、金属アルミニウムを含む放射性廃棄物処理に適した水硬性材料であることが確認された。
【0044】
(V)GRCの曲げ強度試験
試験方法
ダイレクトスプレー法により400×400×10mmのGRC板を作成し、28日湿空養生した。湿空養生後、これを200×40×10mmに切断して試料とし、材令28日のものはそのまま試験した。また材令182日および1年の試験は試料を切断後、所定材令まで20℃、湿度RH60%の室内に放置したものを試験に供した。
【0045】
試験結果
各GRC試料について曲げ強度(MOR:Modulus of Rupture)の測定結果を表6に示した。また、この測定に用いたGRCの配合を表7に示した。
比較例1は1年材令の曲げ強度が28日材令のときよりも約2/3程度まで低下している。これは高アルカリ雰囲気でのガラス繊維腐食が部材強度の低下を引き起こしたためであると考えられる。一方、実施例1〜5は、曲げ強度の大きな低下は認められず、GRC用のセメントとして好適であることが判明した。
【0046】
( VI )高有機質土固化試験
試験方法
(イ) 高有機質土として対象土に北海道地区の泥炭を用いた。
(ロ) 対象土に対して 300kg/m3の各セメントを水比 100%スラリーにして添加 し、ハンドミキサーを用いて2分間混合した。この時、実施例3にはポリカルボン酸系凝結遅延剤をセメント比で 0.1%使用した。
(ハ) 混合後の改良土を塩化ビニル製モールド(φ5×高さ11cm)に詰め、所定材令まで湿空養生した後、脱型して高さを10cmとなるように成型し一軸圧縮試験に供した。
【0047】
試験結果
上記試験結果を表8に示した。比較例1の試料は3日まで固化せず、また28日材令強度も0.5kgf/cm2に達せず、高有機質軟弱地盤の地盤改良には不適当であることが確認された。一方、実施例1〜5の試料は、いずれも7日強度が1.0kgf/cm2を越え、高有機質軟弱地盤改良用固化材料として有望であることが判明した。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【発明の効果】
本発明の水硬性材料は、セメントの水和反応において、普通ポルトランドセメント等とは異なり、低カルシウム型水和物ならびに超低溶解性の水和物が選択的に生成するので、これら水和物と他のセメント鉱物組成等との組合わせの結果、アルカリ性が低く、しかも硬化時間を任意に調整でき、施工が容易で強度の発現に優れた特性を有する。
Claims (4)
- アーウィン(3CaO・3Al 2 O 3 ・CaSO 4 )、ビーライト(2CaO・SiO 2 )、鉄アルミン酸カルシウム(4CaO・Al 2 O 3 ・Fe 2 O 3 )、およびCaSO 4 を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含み、
(CaO−2SO3)/SiO2<1.3(モル比)、
SO3/(Al2O3+Fe2O3)<3(モル比)
であることを特徴とする低アルカリ性水硬性材料。 - アーウィン、ビーライト、鉄アルミン酸カルシウム、およびCaSO 4 を主成分とする低カルシウムセメントクリンカーと、高炉水砕スラグおよびシリカフュームの少なくとも1種と、硫酸カルシウムとを含み、
アルカリ量(R2O)が、R2O=Na2O+0.658K2O<0.4(重量%)
である請求項1に記載する低アルカリ性水硬性材料。 - 上記低カルシウムセメントクリンカー100重量部に対し、高炉水砕スラグ20〜400重量部およびシリカフューム5〜50重量部の少なくとも1種を含み、硫酸カルシウムがクリンカー中の硫酸カルシウムとの合計量としてCaSO4換算で20〜70重量部である請求項1または2に記載する低アルカリ性水硬性材料。
- 低カルシウムセメントクリンカーの鉱物組成が、
3CaO・3Al2O3・CaSO4 :20〜70重量%
2CaO・SiO2 :10〜40重量%
4CaO・Al2O3・Fe2O3 :3〜30重量%
CaSO4 :2〜30重量%
3CaO・Al2O3 :5重量%以下
である請求項1〜3の何れかに記載する低アルカリ性水硬性材料。
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