JP3733352B2 - 間接加熱型攪拌乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水分を含む粉粒体等の原料を攪拌しながら伝導加熱により乾燥させる間接加熱型攪拌乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
水分を含む粉粒体等の原料を乾燥させる装置には、原料を攪拌しながら伝導加熱により間接的に加熱して乾燥させるタイプのものがある。図6(a)、(b)は、この種の間接加熱型攪拌乾燥機の一例を示す。この攪拌乾燥機は、ケーシング51の一端側の供給口51aから連続的に供給される原料を、ケーシング51内に横架した攪拌手段52で攪拌しながら、ケーシング51の外側に取り付けた中空のジャケット53に熱媒体を通すことにより間接的に加熱して乾燥させ、ケーシング51他端側でオーバーフローさせて、排出口51bから製品として排出するものである。
【0003】
前記攪拌手段52は、ケーシング51の両端間に架け渡した一対の回転軸54、55に複数の扇形の攪拌羽根56を所定の間隔で取り付けたものである。攪拌羽根56は、原料を排出口側へ前進させる機能を備えた送り羽根56aと、後退させる機能を備えた戻し羽根56bとからなり、両者は各回転軸54、55の周方向の相対する位置に、軸方向に交互に取り付けられている。そして、各回転軸54、55を内向きに回転させることにより、供給された原料を、互いに隣り合う送り羽根56aと戻し羽根56bとの間で往復移動させながら、図6(b)中に矢印で示した方向に循環させて攪拌するようになっている。
【0004】
ところが、この攪拌乾燥機では、供給される原料が水分を多く含む粉体の場合には、原料が塊状となってケーシング底側に集まり、攪拌羽根による攪拌作用を受けても、僅かに持ち上げられるだけで底側へ逆戻りする状態が生じやすい。このような状態になると、一部の塊状物のみが攪拌羽根で上方まで持ち上げられて循環するうちに細かい粉体となって循環を繰り返し、この循環を繰り返す粉体とケーシング底側に滞留する塊状物とで乾燥状態が不均一となって、製品品質の低下をきたす。
【0005】
一方、この種の間接加熱型攪拌乾燥機には、上下に攪拌手段を設けたものもある。例えば、特許登録第3015936号公報に記載された乾燥装置は、生ごみ等をバッチ形式で乾燥させるもので、ケーシングが上下2つの攪拌槽で形成されており、各攪拌槽に設けられた攪拌手段は、それぞれ攪拌槽の両端間に架け渡した回転軸に所定の間隔で攪拌羽根を取り付けたもので、被乾燥物を回転軸の軸方向に沿って互いに反対方向に送る機能を有している。従って、被乾燥物は、下部攪拌槽を一端側から他端側へ送られて端部近傍で持ち上げられた後、上部攪拌槽を一端側へ送られて端部近傍で下降するという経路で循環を繰り返す。
【0006】
上述のように被乾燥物をケーシング両端間で上下逆方向に送って循環させる構造を採用すれば、水分を含んだ粉体を乾燥させる攪拌乾燥機においても、塊状物がケーシング底側に滞留する状態は生じなくなる。しかし、乾燥した製品を連続的に生産する場合は、通常、前述のようにケーシングの一端側に供給口があり、他端側で乾燥した原料をオーバーフローさせて製品として排出するようになっているので、原料が他端側へ送られて持ち上げられたときに、十分に乾燥されていない状態で排出されるおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の課題は、水分を含む粉粒体等の原料をむらなく十分に乾燥し、安定した品質の製品を連続的に生産することができる間接加熱型攪拌乾燥機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、一端側に供給口を、他端側に排出口を設けたケーシングと、ケーシング内に横架された攪拌手段とを備え、被乾燥物を供給口から連続的に供給し、排出口側でオーバーフローさせて排出する間接加熱型攪拌乾燥機において、前記ケーシングの底部近傍に、前記攪拌手段と平行に配した回転軸に被乾燥物を掻き上げる攪拌羽根を所定の間隔で取り付けた下部攪拌手段を設け、この下部攪拌手段の攪拌羽根のうち、少なくとも排出口側の攪拌羽根を、前記回転軸の軸方向に被乾燥物を送る機能を有しないものとした構成を採用したのである。
【0009】
すなわち、ケーシングの底部近傍に回転軸に攪拌羽根を取り付けた下部攪拌手段を設け、この下部攪拌手段の攪拌羽根のうち、少なくとも排出口側の攪拌羽根では、ケーシング底部近傍の被乾燥物を排出口側へ送らずに掻き上げるようにすることにより、被乾燥物が水分を多く含む粉体の場合でも、塊状となった粉体をケーシング底側に滞留させずに上下方向に循環させて、細かい粉体とするとともにむらなく十分に乾燥できるようにしたのである。
【0010】
前記下部攪拌手段の前記供給口の下方に配された攪拌羽根のうち、前記ケーシングの一端から離れている側の攪拌羽根に、被乾燥物を排出口側へ前進させる機能を、ケーシングの一端に近い側の攪拌羽根に、被乾燥物を後退させる機能をそれぞれ付与することにより、供給直後の大きな塊状の被乾燥物を分断して掻き上げやすくするとともに、被乾燥物が供給口の直下に堆積することを防止できる。
【0011】
前記ケーシングの前記下部攪拌手段の攪拌羽根と対向する面を、ケーシング底部近傍で前記攪拌羽根に近接し、上方ほど外側に張り出す傾斜面とすることにより、被乾燥物がケーシングの傾斜面に沿って上昇しやすいようにして、被乾燥物の攪拌羽根への付着による攪拌作用の低下を防止することができる。
【0012】
前記ケーシングの底部または前記下部攪拌手段に、前記回転軸の軸方向への被乾燥物の移動を規制する邪魔板を設けることにより、より確実に被乾燥物を上下方向に循環させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1および図2は第1の実施形態を示す。この間接加熱型攪拌乾燥機は、乾燥した粉体製品を連続的に生産するためのもので、ケーシング1内に上部攪拌手段2と下部攪拌手段3とが設けられており、ケーシング1外側には中空のジャケット4が取り付けられている。そして、ケーシング1一端側上部に設けた供給口1aから連続的に供給される原料を、各攪拌手段2、3で攪拌しながら、ジャケット4に熱媒体を通すことにより間接的に加熱して乾燥させ、ケーシング1他端側の側部に設けた排出口1bからオーバーフローさせて製品として排出するようになっている。なお、ケーシング1他端側上部には、原料から蒸発した水蒸気等を排出するベント口1cが設けられている。
【0014】
前記上部攪拌手段2は、ケーシング1の両端間に架け渡した一対の回転軸5、6に、扇形の攪拌羽根7を所定の間隔で軸心と直交する向きに取り付けたものである。各回転軸5、6は、それぞれの両端部がケーシング1外に突出して回転自在に支持されており、一端部が駆動装置(図示省略)に、他端部がロータリジョイント8に連結されている。また、各回転軸5、6および攪拌羽根7は中空に形成されており、水蒸気等の熱媒体が、ロータリジョイント8から各回転軸5、6内に導入されて攪拌羽根7に流入し、再び回転軸5、6内に戻ってロータリジョイント8から排出されるようになっている。
【0015】
前記上部攪拌手段2の攪拌羽根7は、回転方向の前端面がケーシング1他端側へ傾斜した送り羽根7aと、回転方向の前端面がケーシング1一端側へ傾斜した戻し羽根7bとからなり、両者は各回転軸5、6の周方向の相対する位置に、軸方向に交互に配されている。そして、各回転軸5、6を内向きに回転させることにより、供給された原料を、互いに隣り合う送り羽根7aと戻し羽根7bとの間で往復移動させながら、回転軸5、6の周方向に循環させて攪拌するようになっている。なお、各攪拌羽根7の回転方向の後端面には、回転軸5、6の軸方向および半径方向に張り出して、原料を掻き上げる張出部が設けられている。
【0016】
また、前記下部攪拌手段3は、ケーシング1の底部近傍に上部攪拌手段2と平行に配した中空の回転軸9に、上部攪拌手段2の攪拌羽根7よりも薄くて中実に形成された攪拌羽根10を、所定の間隔で周方向の4箇所に取り付けたものである。回転軸9は、上部攪拌手段2の各回転軸5、6と同様に、その両端部がケーシング1外に突出して回転自在に支持され、一端部が駆動装置(図示省略)に、他端部がロータリジョイント11に連結されており、ロータリジョイント11を介して内部に熱媒体が通されるようになっている。
【0017】
前記下部攪拌手段3の攪拌羽根10のうち、ケーシング1の供給口1aの下方よりも排出口1b側に配された羽根10cは、回転軸9の軸心と直交する向きに取り付けられていて、回転方向の前端面も傾斜していないので、被乾燥物を回転軸9の軸方向に送る機能がなく、回転軸9を回転させたときに被乾燥物を掻き上げる機能のみを有している。
【0018】
これに対して、供給口1aの下方に配された攪拌羽根10のうち、ケーシング1の一端から離れている側の羽根は、回転方向の後端側がケーシング1他端側へ約30度傾斜して、回転軸9を回転させたときに被乾燥物を排出口1b側へ前進させる送り羽根10aとなっており、ケーシング1の一端に近い側の羽根は、逆方向に約30度傾斜して、被乾燥物を後退させる戻し羽根10bとなっている。
【0019】
前記ケーシング1は、下部攪拌手段3の攪拌羽根10と対向する面が、底部近傍で攪拌羽根10に近接し、上方ほど外側に張り出す傾斜面1dに形成されており、その上端部で上部攪拌手段2の攪拌羽根7と対向する垂直面の下端部に連続している。これによって、攪拌羽根10に掻き上げられた原料が傾斜面1dに沿って上昇しやすくなり、原料の攪拌羽根10への付着による攪拌作用の低下が生じにくくなっている。また、ケーシング1底部近傍に原料が堆積するデッドゾーンが形成されない形状ともなっている。
【0020】
次に、この攪拌乾燥機に水分を多く含んだ粉体を原料として供給した場合の、ケーシング内での原料の挙動について説明する。供給口1aから供給された原料は、まず、供給口1a下方で先に供給された半乾燥状態の原料とともに上部攪拌手段2により攪拌される。このとき、大きな塊状物となった原料は、ケーシング1底側に集まり、下部攪拌手段3の送り羽根10aと戻し羽根10bとで分断されて小さな塊になるとともに、前後に分散するように送られる。
【0021】
ケーシング1底側で前後に送られた塊状物は、下部攪拌手段3の攪拌羽根10によって掻き上げられて上部攪拌手段2により攪拌され、図2に矢印で示したように、ケーシング1内を上下方向に循環する。そして、循環を繰り返すうちに、半乾燥状態の原料との摩擦により、その表面層がはぎ取られて徐々に細かい粉体となるとともに、ジャケット4、上部攪拌手段2の回転軸5、6と攪拌羽根7、および下部攪拌手段3の回転軸9を介して伝導される熱により乾燥されていく。
【0022】
このようにして攪拌乾燥される原料は、その位置頭差(ヘッド差)により、ケーシング1内を排出口1b側へ徐々に移動し、排出口1bからオーバーフローして製品として排出される。
【0023】
すなわち、この攪拌乾燥機では、供給される原料が水分を多く含む粉体の場合でも、塊状となった原料がケーシング1底側に滞留することがなく、原料を均一に乾燥することができる。また、塊状物は供給口1aの下方で小さく分断されるので、攪拌羽根10で掻き上げられたときに上昇しやすく、効率的に攪拌乾燥を行うことができる。さらに、供給口1aの下方では塊状物が前後に分散するように送られるので、供給された原料が供給口1a直下に堆積することがなく、原料の連続的な供給がスムーズに行われる。
【0024】
図3(a)、(b)は第2の実施形態を示す。この実施形態では、ケーシング12の下半部がW形断面に形成されており、ケーシング12の右半部と左半部に、第1の実施形態で説明した上部攪拌手段2と下部攪拌手段3とが、第1の実施形態と同じ位置関係で1セットずつ設けられている。なお、ケーシング12の外側にはケーシング12と同形状に形成されたジャケット13が取り付けられている。
【0025】
また、前記ケーシング12は、一端側の上部に供給口12aが設けられ、内部が排出口12bと攪拌層12cとに分離されている。排出口12bと攪拌層12cとを分離する隔壁14の上端には、着脱可能な堰15が取り付けられており、供給口12aから供給されて乾燥された原料は、この堰15をオーバーフローして、排出口12bから排出されるようになっている。その他の部分の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0026】
図4および図5は第3の実施形態を示す。この実施形態は、第1の実施形態とほぼ同じ構成であり、下部攪拌手段3に回転軸9の軸方向への被乾燥物の移動を規制する円形の邪魔板16を所定の間隔で設けている点のみが異なる。被乾燥物は、この邪魔板16によりケーシング1底部での軸方向移動が規制されるので、攪拌羽根10により確実に上方へと掻き上げられる。これにより、被乾燥物のうちで、上下方向の循環を受けずにケーシング1底部を他端側まで移送されて排出されるものがなくなり、製品の品質をさらに安定させることができる。
【0027】
また、上述した第3の実施形態では、下部攪拌手段3に邪魔板16を固定したが、ケーシング1の底部に回転軸9の外周面に近接する垂直な邪魔板を設けて、被乾燥物の軸方向移動を規制するようにしてもよい。なお、これらの邪魔板は、清掃等を容易に行えるようにするために、下部攪拌手段3あるいはケーシング1に着脱自在に固定することもできる。
【0028】
上述した各実施形態では、下部攪拌手段の攪拌羽根のうちの供給口下方の羽根に、被乾燥物を前後に分離するように送る機能を付与する手段として、これらの各羽根の回転方向の後端側をそれぞれの送り方向へ傾斜させたが、各羽根をある程度肉厚に形成して、その回転方向の前端面を送り方向へ傾斜させる等、種々の方法を採用することができる。また、下部攪拌手段のすべての羽根を、前方または後方に被乾燥物を送る機能のないものとしてもよい。さらに、これらの攪拌羽根の枚数や間隔は、種々の変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明の間接加熱型攪拌乾燥機は、ケーシングの底部近傍に回転軸に攪拌羽根を取り付けた下部攪拌手段を設け、この下部攪拌手段の攪拌羽根のうち、少なくとも排出口側の攪拌羽根では、ケーシング底部近傍の被乾燥物を排出口側へ送らずに掻き上げるようにしたものであるから、被乾燥物を上下方向に循環させてむらなく十分に乾燥し、安定した品質の製品を連続的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の攪拌乾燥機の縦断正面図
【図2】図1のA−A線に沿った断面図
【図3】aは第2の実施形態の攪拌乾燥機の縦断正面図、bはaのB−B線に沿った断面図
【図4】第3の実施形態の攪拌乾燥機の縦断正面図
【図5】図4のA−A線に沿った断面図
【図6】aは従来の攪拌乾燥機の一部切欠き正面図、bはaのC−C線に沿った断面図
【符号の説明】
1 ケーシング
1a 供給口
1b 排出口
1c ベント口
1d 傾斜面
2 上部攪拌手段
3 下部攪拌手段
4 ジャケット
5、6 回転軸
7、7a、7b 攪拌羽根
8 ロータリジョイント
9 回転軸
10、10a、10b、10c 攪拌羽根
11 ロータリジョイント
12 ケーシング
12a 供給口
12b 排出口
12c 攪拌層
13 ジャケット
14 隔壁
15 堰
16 邪魔板

Claims (4)

  1. 一端側に供給口を、他端側に排出口を設けたケーシングと、ケーシング内に横架された攪拌手段とを備え、被乾燥物を供給口から連続的に供給し、排出口側でオーバーフローさせて排出する間接加熱型攪拌乾燥機において、前記ケーシングの底部近傍に、前記攪拌手段と平行に配した回転軸に被乾燥物を掻き上げる攪拌羽根を所定の間隔で取り付けた下部攪拌手段を設け、この下部攪拌手段の攪拌羽根のうち、少なくとも排出口側の攪拌羽根を、前記回転軸の軸方向に被乾燥物を送る機能を有しないものとしたことを特徴とする間接加熱型攪拌乾燥機。
  2. 前記下部攪拌手段の前記供給口の下方に配された攪拌羽根のうち、前記ケーシングの一端から離れている側の攪拌羽根に、被乾燥物を排出口側へ前進させる機能を、ケーシングの一端に近い側の攪拌羽根に、被乾燥物を後退させる機能をそれぞれ付与した請求項1に記載の間接加熱型攪拌乾燥機。
  3. 前記ケーシングの前記下部攪拌手段の攪拌羽根と対向する面を、ケーシング底部近傍で前記攪拌羽根に近接し、上方ほど外側に張り出す傾斜面とした請求項1または2に記載の間接加熱型攪拌乾燥機。
  4. 前記ケーシングの底部または前記下部攪拌手段に、前記回転軸の軸方向への被乾燥物の移動を規制する邪魔板を設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の間接加熱型攪拌乾燥機。
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