JP3731726B2 - 動圧軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸に形成されているフランジでもって軸方向の支持を行う動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動圧軸受としては、図2に示すものがある。この動圧軸受は、軸部材23の軸端に半径方向に延びるフランジ24が形成されている。またハウジング20は端部内径26が他の部分の内径25より大径とされた筒部材22と端部に装着された蓋部材21とから形成されている。そして、上記ハウジング20の筒部材22内に上記軸部材23が収容されるとともに上記大径部26空間内に上記フランジ24が収容され、フランジ24の両端面24a,24bが、このフランジ24の軸方向の両端面24a,24bと対向する筒部材22の軸受面22aおよび蓋部材21の軸受面21aにて支持される。
【0003】
さらに、上記フランジ24の両端面24a,24bにはスラスト支持用の動圧発生溝27,28が形成されるとともに、軸部材23には、ラジアル支持用の動圧発生溝29が形成されている。なお、上記スラスト支持用の動圧発生溝27,28は、蓋部材21および筒部材22の軸受面21a,22a側に形成してもよいし、同様にラジアル支持用の動圧発生溝29も筒部材22の内径面25側に形成してもよく、要するに、フランジ24の端面24a,24bと筒部材22および蓋部材21間にスラスト支持用の動圧発生部T1,T2が、軸部材23と筒部材22間にラジアル支持用の動圧発生部Rが形成されればよい。
【0004】
また、上記フランジ24には、軸部材23との接合部30に隣接して、軸方向に貫通する貫通孔31が形成されている。従って、この動圧軸受の回転時にフランジ24の上側あるいは下側に潤滑流体が偏在した場合に、上記貫通孔31を通して上側から下側にあるいは下側から上側に潤滑流体が流され、フランジ24の偏りが解消される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の動圧軸受においては、通常、スラスト負荷は主に蓋部材21側のスラスト支持用の動圧発生部T1にのみ作用し、筒部材22側のスラスト支持用の動圧発生部T2にはほとんど作用しない。従って、上記両動圧発生部T1,T2では期待される軸受特性が相違する。すなわち、蓋部材21側の動圧発生部T1では、動圧軸受の起動および停止時のフランジ24と蓋部材21の接触に対する耐摩耗性が重要であるが、筒部材22側の動圧発生部T2では、ほとんどスラスト負荷が作用しないため、軸受隙間が大きくなったときの動圧流体保持が重要とされている。しかしながら、現状では膨張係数の関係等から、両動圧発生部T1,T2は同じ材料の組み合わせ、すなわち、筒部材22と蓋部材21とが同一の材料で形成されている。例えば、フランジ24付き軸部材23は鉄系材料で形成され、筒部材22および蓋部材21は同一の銅系材料で形成されている。このような構成では、スラスト支持用の両動圧発生部T1,T2が同じ特性しか有しておらず、蓋部材21側の動圧発生部T1での耐摩耗性と筒部材22側の動圧発生部T2での動圧流体保持性がどちらつかずとなりやすい問題がある。
なお、上記鉄系材料としては、構造用鋼、軸受鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼等が挙げられ、上記銅系材料としては、黄銅、青銅、りん青銅、ベリリウム銅等が挙げられる。
【0006】
本発明は、軸部材のフランジと、このフランジを挟む状態のハウジングの筒部材および蓋部材とでそれぞれ形成されるスラスト支持用の両動圧発生部の特性を、筒部材と蓋部材の材料に関係なく変えることのできる動圧軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、本発明では、端部内径が大径とされた筒部材と端部に装着された蓋部材とから形成されたハウジングと、上記ハウジングの筒部材内に配置されるとともに端部に上記大径部空間に収容されるフランジが形成された軸部材と、上記フランジの軸方向の両端面とこの両端面に対向するハウジングの筒部材および蓋部材間にそれぞれ動圧発生部が設けられた動圧軸受において、上記ハウジングの筒部材と蓋部材とが同一材料である銅系材料で形成されるとともに、上記フランジが鉄系材料で形成され、上記フランジの軸方向の両端面に動圧発生溝が形成されるとともに、上記蓋部材の軸受面のみが無電解ニッケルめっきによる表面処理にてフランジと同等以上の硬度を施されたことを特徴とする。なお、上記フランジには軸部材との接合部に隣接して軸方向に貫通する貫通孔が形成されていることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。この動圧軸受は、軸部材4の軸端に半径方向に延びる円盤状のフランジ5が形成されている。また、ハウジング1は、端部内径7が他の部分の内径6より大径とされた筒部材3と、この筒部材3の大径部7側の端部に圧入嵌合等にて装着された蓋部材2とから形成されている。そして、上記ハウジング1の筒部材3内に上記軸部材4が嵌挿されるとともに上記大径部7空間内にフランジ5が収容されている。また、筒部材3には大径部7が形成されることにより半径方向面3aが形成されてこの半径方向面3aが軸受面とされ、蓋部材2の半径方向内面2aにも軸受面が形成されている。この筒部材3の軸受面3aと蓋部材2の軸受面2aとはフランジ5の端面5a,5bにそれぞれ対向してこのフランジ5を軸受支持している。
【0009】
さらに、上記フランジ5の両端面5a,5bにはスラスト支持用の動圧発生溝8,9が形成されるとともに、軸部材4にはラジアル支持用の動圧発生溝10が形成されている。なお、上記スラスト支持用の動圧発生溝5a,5bは、蓋部材2および筒部材3の軸受面2a,3aに形成してもよいし、同様にラジアル支持用の動圧発生溝10も筒部材3の内径面6側に形成してもよい。要するに、フランジ5の両端面5a,5bと筒部材3および蓋部材2間にスラスト支持用の動圧発生部T1,T2が、軸部材4と筒部材3間にラジアル支持用の動圧発生部Rが形成されればよい。
【0010】
また、上記フランジ5には、軸部材4との接合部11に隣接して、軸方向に貫通する貫通孔12が形成されている。従って、この動圧軸受の回転時にフランジ5の上側あるいは下側に潤滑流体が偏在した場合に、上記貫通孔12を通して上側から下側へあるいは下側から上側に潤滑流体が流され、フランジ5の偏りが解消される。
【0011】
さらにまた、フランジ5が鉄系材料、例えば構造用鋼、軸受鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼等にて形成され、上記筒部材3と蓋部材2は膨張係数の関係等から同一の材料、例えば銅系材料である黄銅、青銅、りん青銅、ベリリウム銅等から形成されている。さらに、上記蓋部材2の軸受面2aにはフランジ5の硬度と同等あるいはそれ以上の硬度を有するように表面処理13が施されている。この表面処理13は例えば、フランジ5がステンレス鋼で形成されており、上記蓋部材2および筒部材3が黄銅で形成されている場合、無電解ニッケルめっきが一例として施される。ここで、無電解ニッケルめっきとは、次亜りん酸還元による自己触媒型ニッケル・りんめっきで、析出物はニッケルを主としてりんを2〜15%含むものをいう(これは、別名で商品名「カニゼンめっき」として知られている)。上記一例としての構成によれば、フランジ5の硬度は300Hv程度であり、蓋部材2の軸受面2aの表面処理硬度は300Hv以上となる。これにより、蓋部材2とフランジ5間の動圧発生部T1の耐摩耗性が向上させられる。
【0012】
また、筒部材3のフランジ5に対する軸受面3aは、上記のような表面処理は施されず当初に形成された軸受面のままの状態とされている。これにより筒部材3の軸受面3aの表面が、表面処理を施した状態に比べて界面張力が低い状態で維持されるため、潤滑流体のぬれ性がよく、フランジ5と筒部材3間の動圧発生部T2での潤滑保持性能が向上させることができる。
【0013】
従って、筒部材3と蓋部材2の材料を別々に選定することなく同一材料で選定して熱膨張の歪みをなくしかつフランジ5に対する材料選定だけで、従来技術において説明したように、上記蓋部材2側の動圧発生部T1では、動圧軸受の起動および停止時のフランジ5と蓋部材2の接触に対する耐摩耗性が重要であるが、筒部材3側の動圧発生部T2では、ほとんどスラスト負荷が作用しないため、軸受隙間が大きくなったときの動圧流体保持が重要とされているということに対し、対応できることになる。
【0014】
【発明の効果】
この発明においては、請求項1に記載の構成とすることにより、筒部材と蓋部材の熱膨張による歪みをなくし、蓋部材とフランジ間の動圧発生部での耐摩耗性を向上させるとともに、フランジと筒部材間の動圧発生部での潤滑流体保持性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である動圧軸受の断面図である。
【図2】従来の動圧軸受の断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 蓋部材
3 筒部材
4 軸部材
5 フランジ
7 大径部
8 動圧発生溝
9 動圧発生溝
10 動圧発生溝
13 表面処理
Claims (2)
- 端部内径が大径とされた筒部材と端部に装着された蓋部材とから形成されたハウジングと、上記ハウジングの筒部材内に配置されるとともに端部に上記大径部空間に収容されるフランジが形成された軸部材と、上記フランジの軸方向の両端面とこの両端面に対向するハウジングの筒部材および蓋部材間にそれぞれ動圧発生部が設けられた動圧軸受において、上記ハウジングの筒部材と蓋部材とが同一材料である銅系材料で形成されるとともに、上記フランジが鉄系材料で形成され、上記フランジの軸方向の両端面に動圧発生溝が形成されるとともに、上記蓋部材の軸受面のみが無電解ニッケルめっきによる表面処理にてフランジと同等以上の硬度を施されたことを特徴とする動圧軸受。
- 上記フランジには軸部材との接合部に隣接して軸方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受。
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