JP3731507B2 - 瞳孔縁抽出装置及びその作動方法並びに瞳孔縁抽出プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、瞳孔の大きさやその位置を計測するために瞳孔の外縁を抽出する瞳孔縁抽出装置及びその作動方法並びに瞳孔縁抽出プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、瞳孔の大きさやその位置を計測するための方法としては、被験者の眼球に赤外線を照射してその反射光量をアナログ量に変換し、反射光の分布を求めることによって瞳孔部分を抽出する方法(方法▲1▼)や、眼球の画像をアナログのビデオ信号として取得した後、このビデオ信号を信号処理して瞳孔を抽出する方法(方法▲2▼)や、眼球のデジタル画像を撮像し、このデジタル画像に画像処理を施すことによって瞳孔部分を抽出する方法(方法▲3▼)などが用いられている。上記方法▲1▼では、瞳孔部分とその周りの部分(虹彩や白目(強膜)などの部分)とで赤外線の反射率が異なることを利用して、瞳孔部分と周辺部分とを弁別し、瞳孔の大きさを導出している。また、方法▲2▼,▲3▼では、眼球画像において瞳孔部分は黒く、周辺部分は瞳孔部分よりも白く写ることを利用して、瞳孔部分と周辺部分とを弁別し、瞳孔の大きさを導出している。
【0003】
これらの方法では、いずれも瞳孔とその周辺部分とで計測対象の信号レベルが異なることを利用して瞳孔を抽出し、瞳孔の大きさやその位置を導出しており、瞳孔の位置の変化を求めることによって眼球運動を導出することができた。この場合、瞳孔部分と周辺部分とを弁別するために、計測対象の信号に対して閾値を設定し、この閾値と信号レベルとの高低を比較することによって、瞳孔部分を抽出していた。例えば上述の方法▲1▼では、照射した赤外線の眼球による反射光を受光する受光素子の感度を閾値として調整することにより、瞳孔部分のみを抽出していた。また、眼球の画像を撮像する方法(方法▲2▼、▲3▼)では、撮像素子であるCCD素子やCMOSイメージセンサの感度を閾値として調整したり、撮像素子により得られる電気量に対して閾値を設定してこの閾値を変化させることにより、瞳孔部分を抽出していた。これらの方法では、測定対象である信号に対して何らかの閾値を設定しており、この閾値を調整することによって、個人差や計測条件の違いによる誤差を除去し、適切な計測を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、測定対象の信号に対して閾値を設定する場合、従来はその都度手動で閾値を設定しており、被験者毎に或いは計測条件に応じてその都度閾値を設定しているため、閾値の設定に手間と時間を要するという問題があった。また、被験者自身が瞳孔の測定作業を行いながら、閾値の設定を行うのは操作上困難であるため、被験者以外に測定者が最低1人必要になり、測定者がいなければ瞳孔の測定作業が行えないという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、瞳孔の外縁を正確且つ容易に計測できる瞳孔縁抽出装置及びその作動方法並びに瞳孔縁抽出プログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、瞳孔縁抽出装置のコントロール部が、撮像手段、閾値設定手段、瞳孔大きさ測定手段を制御する瞳孔縁抽出装置の作動方法であって、撮像手段が濃淡画像を撮像した後、閾値設定手段が閾値を連続的に変化させ、閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求め、範囲内の値に閾値を設定して領域を再度抽出することを特徴とし、閾値を連続的に変化させて、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省くことができる。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、閾値設定手段が閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求める処理を複数回繰り返して、領域の大きさが略一定となる閾値の範囲を決定し、当該範囲内の値に閾値を設定して領域を再度抽出することを特徴とし、上述の処理を複数回繰り返して、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を決定しているので、閾値の値をより正確に設定でき、瞳孔の外縁の検出精度が向上する。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、コントロール部は、領域の大きさが略一定となる閾値の範囲が求められると、当該閾値の範囲の上側および下側に領域の大きさが不安定となる閾値の範囲が現れるまで、閾値設定手段により閾値を変化させることを特徴とし、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域は、大きさが不安定となる閾値の領域に挟まれているので、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域、すなわち閾値が正しい値に設定されている領域を明確に判別できる。
【0009】
請求項4の発明では、瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別する瞳孔縁抽出プログラムであって、コンピュータを、測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段で求めた瞳孔部分の大きさを取り込み、瞳孔部分の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求めてこの範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段、として機能させることを特徴とし、閾値を連続的に変化させて、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省くことができる。
【0010】
請求項5の発明では、少なくとも瞳孔部分を含む測定エリア内で瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定し、その測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔縁を抽出する瞳孔縁抽出装置において、瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定する測定手段と、測定手段の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段と、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段から瞳孔部分の大きさの測定値を取り込み、瞳孔部分の大きさの測定値が略一定となる閾値の範囲を求め、この範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段とを備えて成ることを特徴とし、閾値設定手段は閾値を連続的に変化させて、瞳孔大きさ測定手段の測定結果が略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省いた瞳孔縁抽出装置を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を実施形態により説明する。
【0012】
図1に本実施形態の瞳孔縁抽出装置の概略構成図を示す。この瞳孔縁抽出装置は、瞳孔計測部1と、コントロール部2と、閾値設定部3とで構成される。
【0013】
瞳孔計測部1は、被験者の眼球Pの前方に位置するハーフミラー11と、眼球Pの上下両側に位置し眼球Pへ赤外光を照射する赤外光発光ダイオード(以下、赤外光LEDと言う。)12,12と、ハーフミラー11の上側に位置して図2(a)に示すような眼球Pの白黒濃淡画像を撮像するCCDカメラ13と、CCDカメラ13の撮像した眼球Pの白黒濃淡画像から瞳孔の大きさ(例えば瞳孔径)を求める瞳孔径算出部14(瞳孔大きさ測定手段)とで構成される。CCDカメラ13は赤外線透過型のフィルタを備え、赤外線に対して感度を有する。したがって、CCDカメラ13は、自然光の光量が少なく暗い環境下においても赤外光LED12の光を利用して被験者の眼球Pを撮像することができる。なお、赤外光LED12は、被験者の視野を妨げないように配置されている。また、赤外光LED12の発光波長は赤外線波長領域にあるので、赤外光LED12からの光が被験者に感知されることはなく、被験者の不安を軽減することができる。
【0014】
瞳孔径算出部14は、CCDカメラ13の撮像した眼球Pの白黒濃淡画像から瞳孔径を算出する。先ず瞳孔径算出部14は、眼球Pの白黒濃淡画像から、水平方向に沿った走査信号ラインにおける濃淡信号波形を取り出しており、図2(b)は瞳孔Mの中心を通る走査信号ラインL1における濃淡信号波形を示している。ここで、瞳孔Mは虹彩や白目などの周辺部分に比べて暗くなっているので、瞳孔Mに相当する部分の白黒濃淡レベルは周辺部分に比べて一般的に低くなっている。したがって、瞳孔径算出部14では、図2(b)に示すような白黒濃淡波形の濃淡レベルと所定の閾値TH1との高低を比較することによって、図2(c)に示すような二値化波形を求めており、この二値化波形のLレベルとなる部分が瞳孔Mに相当する部分となる。
【0015】
このように、瞳孔径算出部14は、眼球画像から水平方向に沿った走査信号ライン上における濃淡信号波形を取り出し、この濃淡信号波形と閾値との高低を比較することによって、この走査信号ライン上の瞳孔部分を抽出する。そして、この処理を白黒濃淡画像の上端から下端まで行って、それぞれの走査信号ライン上の瞳孔部分を抽出することにより、瞳孔部分のみの画像を抽出することができ、瞳孔の大きさ(瞳孔径)やその位置を求めることができる。
【0016】
ところで、瞳孔径算出部14では、走査信号ライン上における白黒濃淡波形と閾値との高低を比較することによって、瞳孔部分を抽出しているので、閾値の設定によって瞳孔部分の大きさが変化することになる。例えば、図2(d)は閾値をTH1よりも濃淡レベルの高い(白い)値TH2に設定した場合の二値化波形を示しており、この場合、実際の瞳孔Mよりも外側の部分を瞳孔部分と虹彩部分の境界と判断するため、瞳孔部分を実際よりも大きな形状M1と誤判定してしまう。このような誤判定を防止するためには閾値を適切な値に設定する必要があり、従来は、測定者が二値化処理後の二値化波形を見たり、二値化波形から作成した瞳孔画像をモニタ画面に映し出して、瞳孔の形状が円形になっているか否かを判定することによって、閾値が適切か否かを判断していたため、閾値の調整に手間と時間を要するという問題があった。
【0017】
そこで、本実施形態では、コントロール部2が、CCDカメラ13の眼球画像において瞳孔部分とその周辺部分とで白黒濃淡レベルの差が大きくなることを利用して、閾値を自動的に設定しており、手動による閾値の設定作業を無くしている。瞳孔部分とその周辺部分とで白黒濃淡レベルの差が大きくなるということは、瞳孔部分に相当する信号を意味のある信号とし、その周辺部分に相当する信号をノイズと考えれば、S/N比が高いと言うことができ、適切な値に閾値を設定すれば少々のノイズに対しても瞳孔の外縁を正確に検出することができる(ノイズ耐量が大きくなる)。
【0018】
ここで、コントロール部2が自動的に閾値を設定する動作について以下に説明する。コントロール部2では、先ず閾値を初期値に設定するための閾値設定信号を閾値設定部3に出力し、この閾値設定信号に応じて閾値設定部3が瞳孔径算出部14に初期の閾値を出力する。この時、瞳孔径算出部14では、閾値設定部3から入力された初期の閾値と、眼球Pの白黒濃淡画像から求めた白黒濃淡波形とを比較することによって、瞳孔部分と周辺部分とを弁別して瞳孔Mの瞳孔径を算出し、算出結果をコントロール部2に出力する。瞳孔径算出部14からコントロール部2に瞳孔径の算出結果が入力されると、コントロール部2は閾値を連続的に変化させるための閾値設定信号を出力し、この閾値設定信号に応じて閾値設定部3が連続的に変化させた閾値を瞳孔径算出部14に出力する。このように、コントロール部2が閾値を連続的に変化させる閾値設定信号を出力し、この閾値設定信号に応じて閾値設定部3が閾値を変化させる毎に、瞳孔径算出部14が変更された閾値と眼球Pの白黒濃淡画像から求めた白黒濃淡波形とを比較することによって瞳孔径を算出し、算出結果をコントロール部2に出力する。図3は、上記閾値のレベルを連続的に変化させたときの瞳孔径の変化を示しており、図中左側に行くほど閾値のレベルが大きく(白く)、右側に行くほど閾値のレベルが小さく(黒く)なることを示している。図3の結果から閾値を変化させても、瞳孔径が約5.5mmで安定する領域の存在することが分かる。この領域は瞳孔部分を正しく抽出できた領域であり、このような瞳孔径が略一定値で安定する領域(すなわち閾値が適切な値に設定されている領域)は、瞳孔部分とその周辺部分とで白黒濃淡レベルの差が大きくなっているために、ある程度の幅を有しているのが一般的である。
【0019】
而して、コントロール部2が閾値を連続的に変化させ、閾値が変化する毎に瞳孔計測部1によって計測された瞳孔径をモニタすることによって、瞳孔径が略一定となる閾値の範囲を求めることができ、この範囲内の値を最終的な閾値として設定することによって、瞳孔径を正しく検出することができ、瞳孔の外縁を正確に検出できる。ここに、コントロール部2と閾値設定部3とで、閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔計測部1から瞳孔径の測定値を取り込み、瞳孔径の測定値が略一定となる閾値の範囲を求め、この範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段が構成される。尚、本実施形態ではコントロール部2が上述の処理を1回行って閾値を決定しているが、上述の処理を複数回繰り返して閾値を決定するようにしても良く、より正確に閾値を決定することができる。
【0020】
また、図3から分かるように、瞳孔径が略一定となる閾値の領域の両側では、瞳孔径の値がふらついており、不安定な領域となっている。本実施形態ではコントロール部2が閾値を決定する際に、瞳孔径が不安定となるような閾値の領域まで閾値を連続的に変化させており、瞳孔径が略一定となる閾値の領域の両側には瞳孔径が不安定になる閾値の領域が存在するので、瞳孔径が略一定となる閾値の領域(すなわち閾値が適切な値に設定されている領域)を明確に判別することができ、適切な閾値の値を容易に検出することができる。つまり、瞳孔径が不安定となる閾値の領域が片側にしか現れない場合は、瞳孔径が略一定となる閾値の領域を判別しにくいが、上述のようにコントロール部2が瞳孔径が略一定値で安定する閾値の領域の両側に、瞳孔径が不安定となる閾値の領域が現れるような範囲で閾値を連続的に変化させているので、瞳孔径が安定する領域を容易に判別でき、上述の閾値を適切な値に設定することができる。
【0021】
尚、瞳孔径算出部14とコントロール部2と閾値設定部3とは、上述の処理を行うように形成された電子回路で構成しても良いし、コンピュータの演算機能により実現しても良い。この場合、コンピュータには、コンピュータを瞳孔径算出部14、コントロール部2及び閾値設定部3として機能させるための瞳孔縁抽出プログラムが組み込まれており、この瞳孔縁抽出プログラムをフレキシブルディスクなどの記録媒体に記録させて、運搬し、他のコンピュータに移植することができる。また、本実施形態では撮像手段としてCCDカメラ13を用いているが、撮像手段をCCDカメラ13に限定する趣旨のものではなく、CMOSセンサなどを用いても良いことは言うまでもない。また、被験者が外側の景色を見えるように、被験者の眼前にハーフミラー11を配置しているが、被験者の眼前にCCDカメラ13を配置して、眼球画像を直接撮像するようにしても良い。
【0022】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、瞳孔縁抽出装置のコントロール部が、撮像手段、閾値設定手段、瞳孔大きさ測定手段を制御する瞳孔縁抽出装置の作動方法であって、撮像手段が濃淡画像を撮像した後、閾値設定手段が閾値を連続的に変化させ、閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求め、範囲内の値に閾値を設定して領域を再度抽出することを特徴とし、閾値を連続的に変化させて、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省くことができるという効果がある。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、閾値設定手段が閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求める処理を複数回繰り返して、領域の大きさが略一定となる閾値の範囲を決定し、当該範囲内の値に閾値を設定して領域を再度抽出することを特徴とし、上述の処理を複数回繰り返して、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を決定しているので、閾値の値をより正確に設定でき、瞳孔の外縁の検出精度が向上するという効果がある。
【0024】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、コントロール部は、領域の大きさが略一定となる閾値の範囲が求められると、当該閾値の範囲の上側および下側に領域の大きさが不安定となる閾値の範囲が現れるまで、閾値設定手段により閾値を変化させることを特徴とし、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域は、大きさが不安定となる閾値の領域に挟まれているので、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域、すなわち閾値が正しい値に設定されている領域を明確に判別できるという効果がある。
【0025】
請求項4の発明は、瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別する瞳孔縁抽出プログラムであって、コンピュータを、測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段で求めた瞳孔部分の大きさを取り込み、瞳孔部分の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求めてこの範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段、として機能させることを特徴とし、閾値を連続的に変化させて、瞳孔部分の大きさが略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省くことができるという効果がある。
【0026】
請求項5の発明は、少なくとも瞳孔部分を含む測定エリア内で瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定し、その測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔縁を抽出する瞳孔縁抽出装置において、瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定する測定手段と、測定手段の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段と、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段から瞳孔部分の大きさの測定値を取り込み、瞳孔部分の大きさの測定値が略一定となる閾値の範囲を求め、この範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段とを備えて成ることを特徴とし、閾値設定手段は閾値を連続的に変化させて、瞳孔大きさ測定手段の測定結果が略一定となる閾値の領域を求めており、この領域では閾値が正しい値に設定されているので、この領域内の値に閾値を設定することにより瞳孔の外縁を正確に検出でき、且つ、閾値の設定作業を自動的に行っているので、閾値の設定を手動で行う必要がなく、設定のための手間や時間を省いた瞳孔縁抽出装置を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の瞳孔縁抽出装置の概略構成図である。
【図2】(a)は同上のCCDカメラで撮像した眼球画像の説明図、(b)は走査信号ラインL1上における白黒濃淡波形の波形図、(c)(d)は白黒濃淡波形を二値化した二値化波形の波形図である。
【図3】同上における閾値と瞳孔径との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 コントロール部
3 閾値設定部
13 CCDカメラ
14 瞳孔径算出部
Claims (5)
- 瞳孔縁抽出装置のコントロール部が、撮像手段、閾値設定手段、瞳孔大きさ測定手段を制御する瞳孔縁抽出装置の作動方法であって、撮像手段が濃淡画像を撮像した後、閾値設定手段が閾値を連続的に変化させ、閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、前記領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求め、前記範囲内の値に閾値を設定して前記領域を再度抽出することを特徴とする瞳孔縁抽出装置の作動方法。
- 閾値設定手段が閾値を変化させる毎に、瞳孔大きさ測定手段が、濃淡画像から濃淡レベルが閾値よりも低い領域を抽出した後、前記領域の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求める処理を複数回繰り返して、前記領域の大きさが略一定となる閾値の範囲を決定し、当該範囲内の値に閾値を設定して前記領域を再度抽出することを特徴とする請求項1記載の瞳孔縁抽出装置の作動方法。
- 前記コントロール部は、前記領域の大きさが略一定となる閾値の範囲が求められると、当該閾値の範囲の上側および下側に前記領域の大きさが不安定となる閾値の範囲が現れるまで、前記閾値設定手段により閾値を変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の瞳孔縁抽出装置の作動方法。
- 瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別する瞳孔縁抽出プログラムであって、コンピュータを、測定対象の信号の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段で求めた瞳孔部分の大きさを取り込み、瞳孔部分の大きさが略一定となるような閾値の範囲を求めてこの範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段、として機能させるための瞳孔縁抽出プログラム。
- 少なくとも瞳孔部分を含む測定エリア内で瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定し、その測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔縁を抽出する瞳孔縁抽出装置において、瞳孔部分とその周辺部分とで信号レベルが異なるような測定対象の信号を測定する測定手段と、測定手段の測定結果と閾値との高低を比較することによって瞳孔部分と周辺部分とを判別し、瞳孔部分の大きさを求める瞳孔大きさ測定手段と、上記閾値を連続的に変化させて、閾値を変化させる毎に瞳孔大きさ測定手段から瞳孔部分の大きさの測定値を取り込み、瞳孔部分の大きさの測定値が略一定となる閾値の範囲を求め、この範囲内の値に閾値を設定する閾値設定手段とを備えて成ることを特徴とする瞳孔縁抽出装置。
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