JP3731448B2 - 多層回路部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、多層回路部品及びその製造方法に関し、詳しくは、基板上に2層以上のガラス含有層が配設された構造を有する多層回路部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ICなどの半導体素子は、ガラスエポキシなどのプリント回路基板やアルミナセラミック基板などに実装されているが、近年、半導体素子の高集積化、微細配線化、高速伝送化、高周波数化、高熱放散化などに対する要求が大きくなっている。
【0003】
ところで、従来のガラスエポキシなどのプリント回路基板には、スルーホールメッキ性、加工性、多層化接着性、高温での耐熱変形性などに関し、必ずしも十分な特性を有してはおらず、高密度化には限界があるのが実情で、機械的強度が大きく、耐熱性の高いセラミック基板に対する期待が高まっている。
【0004】
例えば、セラミック基板の一つであるアルミナ基板は、機械的強度が大きく、耐熱性に優れており、その上に微細配線を施し、さらにスルーホールを備えた絶縁層をグリーンシート積層工法もしくは印刷工法により形成した種々の多層回路部品が開発されている。
【0005】
また、インダクタとして用いられる積層型の空心コイルは、アルミナ基板上に導体ペーストによりコイル(コイルパターン)を形成し、その上にビアホールを備えた絶縁層を形成した後、ビアホールに導体を充填し、さらに絶縁層上に2層目のコイル(コイルパターン)を形成する工程を繰り返すこととにより製造されており、スパイラル型のコイルが形成されることから、高いインダクタンスを得ることができるという特徴を有している。
【0006】
積層型の空心コイルを製造する方法としては、所望のパターンが形成されるように感光乳剤などで覆ったスクリーン版を作製し、このスクリーン版を通して、ペーストをスキージにより基板や絶縁層上に印刷する方法や、光硬化性を有する導体ペーストをスピンコーティングなどの方法により基板や絶縁層上に全面印刷した後、所望のパターンを施したフォトマスクを介して露光・現像してコイル形成を行う方法も知られている。
【0007】
また、導体パターンの一部が露出するようなビアホールを備えた絶縁層を形成する方法としては、上記のコイルを形成する場合と同様に、スクリーン印刷法によりペーストを塗布したり、感光性のペーストを使用して、露光・現像したりする方法があり、さらには、絶縁性の粉体と有機バインダーの配合物からグリーンシートを作製し、パンチングによりグリーンシートの所定の位置にスルーホールを形成した後、これを導体が配設された基板や絶縁層上に積み重ねて圧着する方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、アルミナなどからなるセラミック基板上に、ガラスを含有する絶縁層を複数層形成するにあたって、従来は、各絶縁層を、同じガラスを含有する同一材料を用いて形成するようにしている。しかし、従来のように、各絶縁層を、同じガラスが配合されている同一材料を塗布・焼成することにより形成するようにした場合、アルミナなどからなる基板上に形成される第1の絶縁層(第1ガラス含有層)の、基板に対する濡れ性と、第1ガラス含有層上に形成される第2の絶縁層(第2ガラス含有層)の、第1ガラス含有層に対する濡れ性が異なるため、第1ガラス含有層と、第2ガラス含有層の焼結性が変化して、焼成収縮量に大きな差が生じ、基板に著しい反りが生じたり、各絶縁層にビアホールが形成されている場合に、ビアホール径の拡大を招いたりするという問題点がある。
【0009】
表1に、ホウ珪酸ガラスの、アルミナ基板、結晶性石英(SiO2)基板、硼ケイ酸ガラス基板に対する濡れ性(接触角)を示す。なお、 ガラスの濡れ性は、接触角で評価することが可能であり、濡れ性が良好であるほど接触角が小さくなる。
【0010】
【表1】
【0011】
表1に示すように、多層回路部品の基板としてよく使用されるアルミナ基板に対するホウ珪酸ガラスの接触角は48゜、結晶性石英(SiO2)基板に対するホウ珪酸ガラスの接触角は140゜、ホウ珪酸ガラス基板に対するホウ珪酸ガラスの接触角(ホウ珪酸ガラスどうしの接触角)は8゜である。したがって、アルミナ基板とホウ珪酸ガラス基板を比較した場合、アルミナ基板へのガラスの濡れ性がかなり悪いことがわかる。
【0012】
そのため、アルミナ基板上に絶縁層(ガラス含有層)を、各層ごとの焼成を行う逐次焼成の方法で積層する場合、1層目の絶縁層(第1ガラス含有層)はアルミナ基板上で焼成されるため粘性流動が起こりにくくなり、焼結性が悪くなる傾向がある。一方、第1ガラス含有層上に形成される2層目の絶縁層(第2ガラス含有層)は、濡れ性の良い第1ガラス含有層上で焼成されるので、粘性流動が早くから始まり、アルミナ基板上で焼成される第1ガラス含有層の場合よりも焼結が進行しやすくなる。
【0013】
そして、上述のように、第2ガラス含有層の焼結性が向上すると、2層目以降のガラス含有層での焼成収縮が進み、形成したビアホール径が1層目の場合よりも大きくなる。
その結果、必要露出領域よりも露出領域が増大し、場合によっては、本来露出すべき導体パターンのみではなく、それに隣接する導体パターンも露出することになり、ビアホールに導体を充填したときに、隣接する導体パターンと短絡して、ショート不良を引き起こすおそれが発生する。
【0014】
なお、図2(a)は、従来の多層回路部品の製造工程において、導体パターン(回路)52aが形成された基板51上に,ガラスを含む絶縁材料ペーストを塗布して焼成することにより、ビアホール53aを備えた絶縁層(第1ガラス含有層)54aを形成した状態を示しており、また、図2(b)は、導体パターン(回路)52b,52cが配設された第1ガラス含有層54a上に、ガラスを含む絶縁材料ペーストを塗布して焼成することにより、ビアホール53bを備えた絶縁層(第2ガラス含有層)54bを形成した状態を示している。
【0015】
図2(a),(b)に示すように、上記従来の、同じガラスが配合されている同一の絶縁材料ペーストを塗布・焼成するようにした多層回路部品の製造方法の場合、第2ガラス含有層54bの焼成収縮が進み、第2ガラス含有層54bのビアホール53bの直径が第1ガラス含有層54aのビアホール53aよりも大きくなり、ビアホール53bからビアホール導体55を充填したときに、ビアホール導体55が本来導通すべき導体パターン52bのみではなく、ビアホール53bに露出した隣接する導体パターン52cと短絡して、ショート不良を引き起こすという問題点がある。
【0016】
また、焼成収縮量の違いから、基板の残留応力が不均一に発生することになるため、仮に、第1ガラス含有層を構成するガラスの熱膨張や熱収縮などの特性を基板に合わせたとしても、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層においては熱収縮の程度が第1ガラス含有層の場合とは異なることになるため、基板に反りが発生し、多層回路部品の作製が困難になるという問題点がある。
【0017】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、各ガラス含有層の焼成収縮量の差が小さく、各ガラス含有層に形成されたビアホール径の拡大割合が各層で近似し、ビアホール内における導体どうしのショート不良を防止することが可能で、しかも基板の反りの少ない多層回路部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の多層回路部品は、
基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えた多層回路部品であって、
2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合に、前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも低くしたこと
を特徴としている。
【0019】
2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度(Ts)と、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を異ならせることにより、各ガラス含有層が形成されることになる基板やガラス含有層などに対する濡れ性を制御して、第1ガラス含有層と、第2ガラス含有層の焼成収縮量のばらつきを防止し、ガラス含有層にビアホールが形成されている場合のビアホール径の増大を抑制して、各ガラス含有層のビアホール径の拡大の程度が小さく、隣接する導体とのショート不良を防止することが可能で、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を提供することが可能になる。
【0020】
また、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合(すなわち、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より悪い場合)に、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも低くするようにしているので、第1ガラス含有層の基板への濡れ性を向上させる一方、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を低下させ、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になる。その結果、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良を防止することが可能で、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を得ることが可能になる。
【0021】
なお、本願発明において、ガラス含有層とは、ガラスのみからなる層及びセラミック粒子などの無機成分にガラスを配合した材料からなる層の両方を含む概念である。
【0022】
また、本願発明(請求項2)の多層回路部品は、
基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えた多層回路部品であって、
2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス 含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合に、前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも高くしたこと
を特徴としている。
【0023】
請求項2の多層回路部品のように、請求項1とは逆に、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合(すなわち、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より良好な場合)に、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも高くするようにした場合、第1ガラス含有層の基板への濡れ性を低下させる一方、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を向上させ、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になる。その結果、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良を防止することが可能で、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を得ることが可能になる。
【0024】
また、請求項3の多層回路部品は、請求項1または2の発明の構成において、前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度の差が30℃以上であることを特徴としている。
【0025】
第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度の差を30℃以上とした場合、第1ガラス含有層の基板への濡れ性と、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性について有意性のある制御を行うことが可能になり、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることができるようになり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0026】
また、本願発明(請求項4)の多層回路部品の製造方法は、
基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えており、前記2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっている多層回路部品の製造方法であって、少なくとも、
(a)基板上に、所定の軟化温度を有するガラス、もしくは所定の軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
(b)印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
(c)前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第1ガラス含有層)を形成する焼成工程と、
(d)前記第1ガラス含有層上に、前記第1ガラス含有層中のガラスの軟化温度とは異なる軟化温度を有するガラス、もしくは異なる軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
(e)印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
(f)前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第2ガラス含有層)を形成する焼成工程と
を具備し、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合に、前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも低くすること
を特徴としている。
【0027】
各ガラス含有層を、前記(a)〜(f)の工程を経て形成することにより、基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備え、かつ、2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、各ガラス含有層のビアホール径の拡大の程度が小さく、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を確実に製造することが可能になる。
【0028】
また、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合に、第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも低くするようにしているので、第1ガラス含有層の基板への濡れ性を向上させる一方、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を低下させ、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を効率よく製造することが可能になる。
【0029】
なお、感光性ガラスペーストとしては、無機成分と感光性ビヒクル(感光性有機成分)の重量比が40:60〜70:30になるように配合した感光性ガラスペーストを用いることが望ましい。なお、無機成分の割合は、50:50〜55:45の範囲とすることがさらに望ましい。
感光性ガラスペーストとしては、例えば、無機成分粉末と感光性ビヒクル(感光性有機成分)とを3本ロールミルを用いて分散させたものなどを用いることができる。
また、本願発明において用いることが可能な感光性ビヒクル(感光性有機成分)としては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体、モノマー、光開始剤、溶剤を配合したものなどを用いることが可能であり、その具体的な種類に特別の制約はない。
【0030】
また、本願発明(請求項5)の多層回路部品の製造方法は、
基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えており、前記2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっている多層回路部品の製造方法であって、少なくとも、
( a ) 基板上に、所定の軟化温度を有するガラス、もしくは所定の軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
( b ) 印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
( c ) 前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第1ガラス含有層)を形成する焼成工程と、
( d ) 前記第1ガラス含有層上に、前記第1ガラス含有層中のガラスの軟化温度とは異なる軟化温度を有するガラス、もしくは異なる軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
( e ) 印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
( f ) 前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第2ガラス含有層)を形成する焼成工程と
を具備し、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合に、前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも高くすること
を特徴としている。
【0031】
各ガラス含有層を、前記 ( a ) 〜 ( f ) の工程を経て形成することにより、基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備え、かつ、2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、各ガラス含有層のビアホール径の拡大の程度が小さく、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を確実に製造することが可能になる。
【0032】
また、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合に、第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも高くするようにしているので、第1ガラス含有層の基板への濡れ性を低下させる一方、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を向上させ、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を効率よく製造することが可能になる。
【0033】
また、請求項6の多層回路部品の製造方法は、請求項4または5の発明の構成において、前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度の差を30℃以上とすることを特徴としている。
【0034】
第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度の差を30℃以上とすることにより、第1ガラス含有層の基板への濡れ性と、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を有意性のある程度に制御し、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0035】
また、請求項7の多層回路部品の製造方法は、請求項4〜6のいずれかの発明の構成において、前記印刷・乾燥工程、及び現像工程を経て、各ペースト層が形成される度ごとに焼成を行う(逐次焼成を行う)ことを特徴としている。
【0036】
本願発明は、印刷・乾燥工程、及び現像工程を経て、各ペースト層が形成される度ごとに焼成を行う(逐次焼成を行う)場合において、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制し、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を確実に製造することが可能であり、特に有意義である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0038】
ここでは、図1に示すように、導体パターン(回路)2aが形成された基板1上に,ビアホール3aを有する絶縁層(第1ガラス含有層)4aが形成され、さらに、導体パターン(回路)2b,2cが形成された第1ガラス含有層4aの上に、ビアホール3bを有する第2ガラス含有層4bが形成されているとともに、ビアホール3a及び3bに導体(ビアホール導体)5が充填され、導体パターン2aと導体パターン2bが、ビアホール導体5により接続された構造を有する多層回路部品(ここでは積層型コイル部品)を例にとって説明する。なお、図1では、第2ガラス含有層4bまでしか示していないが、さらに積層数の多い構造とすることも可能である。
【0039】
(1)まず、10cm×10cmサイズの平面形状が正方形のアルミナ基板を用意する。なお、本願発明においては、基板の種類に特に制約はなく、アルミナ基板の他にも、SiO2基板、ガラス基板など、種々の基板を用いることが可能である。
(2)次に、基板上に所定の導体配線を形成する。導体配線は、表2に示すような割合で、有機ビヒクル(感光性ビヒクル)と導体粉末(Ag粉末)を配合した導体ペーストを、スクリーン印刷法により基板上に所定のパターンで印刷した後、乾燥し、800℃、空気中で焼成することにより形成する。
【0040】
【表2】
【0041】
ただし、導体配線用の導電材料はAgに限られるものではなく、Au,Pt、Cu,Ni,Pd,Wなどの種々の導電材料を用いることが可能である。
(3)その後、導体配線が施された焼成済みの基板上に、表3に示すような組成の1層目用ガラスペースト(感光性ガラスペースト)をスクリーン印刷により全面塗布し乾燥する。
【0042】
【表3】
【0043】
表3に示すように、この1層目用ガラスペーストに配合されているガラスの軟化温度(Ts)は650℃である。
なお、この実施形態の1層目用ガラスペースト(感光性ガラスペースト)においては、表3に示すように、無機成分として、ガラス(SiO2:PbO:K2O=35:58:7.2,Ts=650℃)とクオーツ(セラミック粒子)を所定の割合で配合したものを用いており、焼成の際に基板が反らないように、焼結特性や熱膨張係数の調整を行っている。
(4)それから、導体配線の一部が露出するようなビアホールのパターンを有するフォトマスクを介して紫外光で露光し、光が照射された部分を硬化させる。そして、0.5重量%Na2CO3水溶液で現像することによりビアホールを形成した後、空気中800℃で焼成し、1層目の絶縁層(第1ガラス含有層)を形成する。
(5)次に、第1ガラス含有層上に、上記(2)の工程で基板上に導体配線を形成するのに用いたものと同じ表2に示す導体ペーストを、所定のパターンを施したスクリーン版を用いてスクリーン印刷し、乾燥し、800℃、空気中で焼成する。
これにより、ビアホールに導体が充填されるとともに、絶縁層上に導体配線パターンが形成され、1層目の導体配線と2層目の導体配線が直列に接続される。
(6)次に、2層目の導体配線が形成された基板の表面に(第1ガラス含有層上に)、表3に示すような組成の2層目用ガラスペーストを塗布する。
なお、この2層目用ガラスペーストにおいては、1層目用ガラスペーストにおいて用いられているガラスの軟化温度(650℃)よりも高い軟化温度(780℃)を有するガラス(SiO2:K2O:B2O3=79:2:19,Ts=780℃)が使用されている。
(7)それから、上記(4)と同様の条件(すなわち、第1ガラス含有層の場合と同様の条件で)露光・現像・焼成することにより、第2ガラス含有層を形成した後、ビアホールに導体(ビアホール導体)を充填する。
なお、さらに積層数の多い多層回路部品を製造する場合には、同様の工程を繰り返して、ガラス含有層を積層することにより、所定の積層数の多層回路部品を得ることができる。
【0044】
[比較例1]
上記表3の1層目用ガラスペーストと同じガラスペーストのみを使用し、その他は、上記実施形態の場合と同様の手順及び条件で、前記実施形態と同様の多層回路部品を作製した。
【0045】
<評価>
上記実施形態及び比較例の方法により多層回路部品を製造した場合における、1層目、2層目、3層目のガラス含有層の、現像後及び焼成後のビアホール径、及び1層目、2層目、3層目の各ガラス含有層を形成した時点(各ガラス含有層を焼成した時点)における基板の反りの大きさを表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表4に示すように、上記比較例の多層回路部品においては、第2ガラス含有層以降のガラス含有層のビアホール径が第1ガラス含有層のビアホール径よりもかなり大きくなり、ビアホールに導体を充填したときに、本来ビアホールにより接続しようとする導体パターンと、隣接する導体パターンが短絡して、ショート不良が発生する場合もあった。一方、上記実施形態の多層回路部品の場合には、第1ガラス含有層と第2ガラス含有層以降のガラス含有層の焼成収縮の割合がほぼ同等で、第2ガラス含有層以降のガラス含有層のビアホール径が、第1ガラス含有層のビアホール径とほぼ同じとなり、本来ビアホールにより接続しようとする導体パターンと、隣接する導体パターンの短絡を確実に防止できることが確認された。
【0048】
これは、上記実施形態の多層回路部品においては、アルミナ基板との濡れ性が悪い第1ガラス含有層には、軟化温度の低いガラスを用いて焼結性を補い、ガラス含有層上での焼成となる、第2ガラス含有層以降には、軟化温度が高いガラスを用いて、焼結性が高くなりすぎないようにすることにより、第2ガラス含有層以降のガラス含有層の焼結性が、第1ガラス含有層の焼結性とほぼ同じになることによるものである。
【0049】
また、表4に示すように、上記実施形態の多層配線回路板においては、基板の反りが300μm以内に収まり、特に表4には示していないが、ガラス含有層を4層以上積層することも可能であった。しかし、上記比較例の多層回路部品においては、ガラス含有層を積層してゆくにつれて、反りが大きくなり3層目のガラス含有層を積層したときの基板の反りは800μmに達した。このように基板の反りが大きくなると、ガラスペーストを印刷する際に、チャック機構により基板をチャックして印刷ステージに載置することができなくなり、それ以上の多層化は困難であった。
【0050】
なお、上記実施形態では、基板としてアルミナ基板を用いた場合、すなわち、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合を例にとって説明したが、例えば、基板としてガラス濡れ性に優れたガラス基板を用いた場合のように、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する接触角が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合にも本願発明を適用することが可能であり、その場合には、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも高くなるように構成することにより、上記実施形態の場合と同様に、濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、基板の反りが少なく、ビアホール径の焼成拡大の程度が各ガラス含有層において一定な多層回路部品を製造することが可能になる。
【0051】
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、多層回路部品の種類、ガラス含有層を構成する具体的なガラス種類や組成、基板の構成材料の種類や組成などに関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0052】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の多層回路部品は、2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を異ならせるようにしているので、各ガラス含有層が形成されることになる基板やガラス含有層などに対する濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることができる。したがって、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良を防止することが可能で、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を得ることができるようになる。
【0053】
また、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より悪い場合に、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも低くするようにしているので、第1ガラス含有層と第2ガラス含有層の濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、両者の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を得ることが可能になる。
【0054】
また、請求項2の多層回路部品は、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より良好な場合に、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも高くするようにしているので、第1及び第2ガラス含有層の濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、両者の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を得ることができる。
【0055】
また、請求項3の多層回路部品のように、第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度の差を30℃以上とした場合、第1ガラス含有層の基板への濡れ性と、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性について有意性のある制御を行うことが可能になり、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることができるようになり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0056】
また、本願発明(請求項4)の多層回路部品の製造方法は、各ガラス含有層を、上述のような所定の工程を経て形成するようにしているので、基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備え、かつ、2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、各ガラス含有層のビアホール径の拡大の程度が小さく、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を確実に製造することが可能になる。
【0057】
また、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より悪い場合に、第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも低くするようにしているので、第1及び第2ガラス含有層の濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、両者の焼成収縮量の差を小さくすることができるようになり、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を効率よく製造することが可能になる。
【0058】
また、請求項5の多層回路部品の製造方法のように、第1ガラス含有層を構成するガラスの基板に対する濡れ性が、第2ガラス含有層を構成するガラスの第1ガラス含有層に対する濡れ性より良好な場合に、第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも高くすることにより、第1及び第2ガラス含有層の濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、両者の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制して、隣接する導体とのショート不良がなく、しかも基板の反りの少ない多層回路部品を効率よく製造することが可能になる。
【0059】
また、請求項6の多層回路部品の製造方法のように、第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度の差を30℃以上とすることにより、第1ガラス含有層の基板への濡れ性と、第2ガラス含有層の第1ガラス含有層への濡れ性を有意性のある程度に制御し、それぞれの濡れ性の差異による焼結特性の違いを相殺して、第1及び第2ガラス含有層の焼成収縮量の差を小さくすることが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0060】
また、本願発明は、請求項7の多層回路部品の製造方法のように、印刷・乾燥工程、及び現像工程を経て、各ペースト層が形成される度ごとに焼成を行う(逐次焼成を行う)場合に、各ガラス含有層のビアホール径の拡大を抑制し、隣接する導体とのショート不良を防止することが可能で、かつ、基板の反りの少ない多層回路部品を確実に製造することが可能になり、特に有意義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態にかかる多層回路部品を模式的に示す断面図である。
【図2】 (a)は従来の多層回路部品の製造方法の一工程を模式的に示す断面図、(b)は 従来の製造方法により製造された多層回路部品を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2a,2b,2c 導体パターン(回路)
3a,3b ビアホール
4a 第1ガラス含有層
4b 第2ガラス含有層
5 導体(ビアホール導体)
Claims (7)
- 基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えた多層回路部品であって、
2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合に、前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも低くしたこと
を特徴とする多層回路部品。 - 基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えた多層回路部品であって、
2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっており、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合に、前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度よりも高くしたこと
を特徴とする多層回路部品。 - 前記第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度の差が30℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の多層回路部品。
- 基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えており、前記2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっている多層回路部品の製造方法であって、少なくとも、
(a)基板上に、所定の軟化温度を有するガラス、もしくは所定の軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
(b)印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
(c)前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第1ガラス含有層)を形成する焼成工程と、
(d)前記第1ガラス含有層上に、前記第1ガラス含有層中のガラスの軟化温度とは異なる軟化温度を有するガラス、もしくは異なる軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
(e)印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
(f)前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第2ガラス含有層)を形成する焼成工程と
を具備し、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも大きい場合に、前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも低くすること
を特徴とする多層回路部品の製造方法。 - 基板上に、ガラスを含有する材料からなる2層以上の層(ガラス含有層)を備えており、前記2層以上のガラス含有層のうちの、少なくとも、基板上に形成される第1ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度と、前記第1ガラス含有層上に形成される第2ガラス含有層に配合されているガラスの軟化温度が異なっている多層回路部品の製造方法であって、少なくとも、
( a ) 基板上に、所定の軟化温度を有するガラス、もしくは所定の軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
( b ) 印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
( c ) 前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第1ガラス含有層)を形成する焼成工程と、
( d ) 前記第1ガラス含有層上に、前記第1ガラス含有層中のガラスの軟化温度とは異なる軟化温度を有するガラス、もしくは異なる軟化温度を有するガラスと酸化物の配合物と、感光性ビヒクルとを含有する感光性ガラスペースト(光硬化型ガラスペースト又は光可溶化型ガラスペースト)を印刷・乾燥する印刷・乾燥工程と、
( e ) 印刷・乾燥されたペースト層について、所定のマスクを用いてビアホールパターンを露光現像する現像工程と、
( f ) 前記ビアホールパターンが露光現像された前記ペースト層を焼成してガラス含有層(第2ガラス含有層)を形成する焼成工程と
を具備し、かつ、
前記第1ガラス含有層を構成するガラスの前記基板に対する接触角が、前記第2ガラス含有層を構成するガラスの前記第1ガラス含有層に対する接触角よりも小さい場合に、前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度を、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度よりも高くすることを特徴とする
多層回路部品の製造方法。 - 前記第1ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度と、第2ガラス含有層の形成に用いる感光性ガラスペースト中のガラスの軟化温度の差を30℃以上とすることを特徴とする請求項4または5記載の多層回路部品の製造方法。
- 前記印刷・乾燥工程、及び現像工程を経て、各ペースト層が形成される度ごとに焼成を行う(逐次焼成を行う)ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の多層回路部品の製造方法。
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