JP3731400B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像を処理する画像処理方法および画像処理装置に関し、さらに詳しくは、放射線画像の最適処理が可能な画像処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放射線画像を直接デジタル画像として撮影できる装置が開発されている。たとえば、被写体に照射された放射線量を検出し、その検出量に対応して形成される放射線画像を電気信号として得る装置としては、輝尽性蛍光体を用いたディテクタを用いる方法が特開昭55-12429号公報、特開昭63-189853号公報など、多数開示されている。
【0003】
このような装置では、シ−ト状の基板に輝尽性蛍光体を塗布、あるいは蒸着等によって固着したディテクタに、いったん被写体を透過した放射線を照射して輝尽性蛍光体に放射線を吸収させる。
【0004】
その後、この輝尽性蛍光体を光または熱エネルギ−で励起することにより、この輝尽性蛍光体が上記吸収によって蓄積している放射線エネルギ−を蛍光として放射させ、この蛍光を光電変換して画像信号を得るようにしている。
【0005】
一方、照射された放射線の強度に応じた電荷を光導電層に生成し、生成された電荷を二次元的に配列された複数のコンデンサに蓄積し、それら蓄積された電荷を取り出すことにより得られる放射線画像検出装置が提案されている。
【0006】
このような放射線画像検出装置では、フラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれるものを使用している。この種のFPDは、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光をフォトダイオードで検知したり、CCDやC−MOSセンサで検出することができる。また、特開平6−342098号公報にも同様なFPDが記載されている。
【0007】
これらの装置では、放射線画像を診断に適した階調で表現するために、医師が注目する部分(関心領域)について見やすくなるよう、前記のような装置で得られた画像を自動的に階調変換することが望ましい。
【0008】
このような自動階調変換を行うために、画像デ−タの統計的特徴(デ−タの最大値・最小値・ヒストグラム等)から処理条件を決定し、画像全体に対して画像処理を施すことが行われる。
【0009】
また、細部の構造を見やすくするため、エッジ強調処理を行ったり、被写体の信号領域を狭めて、濃度の高い部分と低い部分を同時に観察しやすくするためのダイナミックレンジ圧縮処理等も行われる。
【0010】
しかし、診断に利用する放射線撮影では、撮影対象となる部位が頭部から四肢まで多岐に渡り、それぞれによって医師が注目する領域も異なるため、診断に最適な画像を得るための画像処理条件は、撮影部位毎に異なるものとなる。また、同様に、撮影方向によっても、処理条件は異なるものとなる。
【0011】
そのため、従来これらの装置では、画像処理を行う前に、最適な処理条件を選択するため、被写体の撮影部位、方向等を入力する必要がある。
一部の病院では、病院情報システム(HIS)や放射線科情報システム(RIS)を備えているところもあり、放射線撮影のオーダー情報から、直接撮影部位情報を取得できるため、特に放射線技師等の操作無く、最適な処理条件を選択可能であるが、多数の病院ではこのようなシステムを備えていないため、技師等が手入力にてこれらの情報を入力する必要がある。
【0012】
また緊急時の撮影においても、迅速に撮影を行うために、上記のHISやRISを備えた病院でも、技師等が被写体の部位情報等を手入力する場合もある。
しかし、一般に撮影される部位は100種類以上もあり、この中から毎回撮影を行う度に上記入力作業を行うことは煩雑であり、放射線撮影を行う放射線技師の負担となっていた。
【0013】
そこで、撮影された画像を読み取って自動的に被写体の部位、方向を認識して、最適な処理条件を選択することが、技師の負担を軽くするために求められている。
【0014】
撮影された部位を自動的に判別する方法として、特開平11−85950号公報に記載のように画像の濃度分布から特徴量を調べ、その特徴量に基づいて判別するものがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、放射線撮影では通常、人体への不要な被曝を避けるために、照射野絞りと呼ばれる放射線遮蔽物を用いて、放射線が照射される領域(照射野)を限定して撮影することが一般的である。
【0016】
また、照射野の絞り方は、撮影技師によって異なるため、同一患者、同一部位に対する撮影であっても、必ずしも同じ照射野形状になるとは限らない。
さらに、照射野内外では、大きく信号分布が変化するため、照射野の絞り方によって画像の濃度分布は大きく異なってしまう。
【0017】
このような結果、上記のように濃度分布による特徴量で判別を行うと照射野の絞り方によって特徴量が変わってしまい、撮影部位を正しく判別することは困難になる。
【0018】
また、放射線撮影を行う部位は多岐にわたり、同じ診断目的に対しても異なる撮影方法があるため、病院毎に撮影される部位もしくは撮影方向が異なってくる。また、病院毎に工夫された、独自の撮影方法も用いられる。
【0019】
従って、全ての撮影方法に対応した処理条件を予め準備しておくことは非常に困難である。
もし、処理条件や部位の判別条件が記憶されていない、新規の撮影方法で撮影された画像が入力された場合、上記公知例では判別手段に設けられた学習機能によって対応できるようになっているが、正しい学習が行われるためには多くのサンプルが必要であり、即座に対応することができないという問題が生じる。
【0020】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであって、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することにより、自動的に最適な画像処理条件または画像処理手段を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能な画像処理方法および画像処理装置を実現することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
(1)請求項1記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件を記憶する記憶手段と、前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、該相関度計算手段によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理装置である。
【0022】
また、請求項14記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う、ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、前記判別の際に、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、この相関度の計算によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0023】
これらの発明では、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する際に、放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行うようにしている。
そして、これらの発明では、被写体の部位および撮影方向を判別する際に、抽出した被写体領域から被写体の複数の特徴を抽出して特徴ベクトルを作成し、該特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、被写体の部位および撮影方向を判別するようにしている。
【0024】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0025】
(2)請求項2記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件を記憶する記憶手段と、前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、前記特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、前記被写体ベクトルは、被写体の部位および撮影方向によって、前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度計算手段では、対応する各要素間の関連度と、前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理装置である。
【0026】
また、請求項15記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う、ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、前記判別の際に、特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0027】
これらの発明では、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する際に、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定し、決定された画像処理条件に基づいて画像処理を行うようにしている。
そして、これらの発明では、特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別するようにしている。
【0028】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な画像処理手段を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0029】
(3)請求項3記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、画像処理の種類に応じて準備された複数の画像処理手段と、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定する処理決定手段と、を備え前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、該相関度計算手段によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、たことを特徴とする画像処理装置である。
【0030】
また、請求項16記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定し、決定された画像処理手段に基づいて画像処理を行う、ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、前記判別の際に、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、この相関度の計算によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0031】
これらの発明では、被写体の部位および撮影方向を判別する際に、抽出した被写体領域から被写体の複数の特徴を抽出して特徴ベクトルを作成し、該特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、被写体の部位および撮影方向を判別するようにしている。
【0032】
このため、被写体の部位および撮影方向を正確に判別・認識することができるようになり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0033】
(4)請求項4記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、画像処理の種類に応じて準備された複数の画像処理手段と、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定する処理決定手段と、前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、前記特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、前記被写体ベクトルは、被写体の部位および撮影方向によって、前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度計算手段では、対応する各要素間の関連度と、前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理装置である。
【0034】
また、請求項17記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定し、決定された画像処理手段に基づいて画像処理を行う、ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、前記判別の際に、特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0035】
これらの発明では、特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別するようにしている。
【0036】
このように、同じ尺度を有する被写体ベクトルと特徴ベクトルとの間で相関度を求めることで、被写体の部位および撮影方向を正確に判別・認識することができるようになり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0037】
(5)請求項5記載の発明は、前記被写体情報記憶手段に対し、外部から被写体ベクトルの追加、削除、または変更を行うための被写体情報入力手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0038】
また、請求項18記載の発明は、前記被写体ベクトルを記憶する手段に対し、外部の入力手段から被写体ベクトルの追加、削除、または変更を行う、ことを特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0039】
これらの発明では、外部の入力手段から被写体ベクトルの追加・削除・変更を行うようにしているため、被写体の部位および撮影方向を判別・認識することが容易になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。また、撮影部位等が増えた場合にも簡単に対応することができる。
【0040】
(6)請求項6記載の発明は、前記被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の小領域に分割し、各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値から第1しきい値を求める第1しきい値決定手段と、該第1しきい値決定手段によって得られたしきい値と、当該小領域内の画素信号値とを比較して被写体領域か否かを判別する第1次被写体領域判別手段と、該第1次被写体領域判別手段によって被写体領域と判断された画素の集合から、第2しきい値を求める第2しきい値決定手段と、該第2しきい値決定手段で得られた第2しきい値と、任意の画素の信号値とを比較することにより、前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別する第2次被写体領域判別手段と、を有することを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0041】
また、請求項19記載の発明は、前記被写体領域の抽出は、放射線画像を複数の小領域に分割し、各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値から第1しきい値を求め、該第1しきい値と当該小領域内の画素信号値とを比較して被写体領域か否かを判別し、被写体領域と判断された画素の集合から第2しきい値を求め、該第2しきい値と任意の画素の信号値とを比較することにより、前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別することを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0042】
これらの発明では、放射線画像を複数の小領域に分割して得た第1しきい値を用いて被写体領域か否かを判別し、さらに、被写体領域と判断された画素の集合から求めた第2しきい値と任意の画素の信号値とを比較して、前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別するようにしている。
【0043】
この結果、被写体領域の判別が正確になるため、被写体の複数の特徴を抽出して作成する特徴ベクトルが正確になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0044】
(7)請求項7記載の発明は、前記被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算する特性値計算手段と、該特性値計算手段によって得られた特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定する被写体境界点決定手段と、を有し、該被写体境界決定手段により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出する、ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0045】
また、請求項20記載の発明は、前記被写体領域の抽出は、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算し、該特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定するものであり、該被写体境界点の決定により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出する、ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0046】
これらの発明では、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算し、該特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定するものであり、該被写体境界点の決定により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出するようにしている。
【0047】
この結果、被写体領域の判別が正確になるため、被写体の複数の特徴を抽出して作成する特徴ベクトルが正確になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0048】
(8)請求項8記載の発明は、前記特徴抽出手段は、前記被写体領域の形状を特徴として抽出することを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0049】
また、請求項21記載の発明は、前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域の形状を特徴として抽出する、ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0050】
これらの発明では、前記被写体領域の形状を特徴として抽出することで特徴ベクトルの作成を行うようにしている。
この結果、被写体の明確な特徴を抽出できるため、被写体の複数の特徴を抽出して作成する特徴ベクトルが正確になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0051】
(9)請求項9記載の発明は、前記特徴抽出手段は、前記被写体領域を含む領域において、近傍画素間の濃度変化量を用いて計算した特性値を特徴として抽出する、ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0052】
また、請求項22記載の発明は、前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域を含む領域において、近傍画素間の濃度変化量を用いて計算した特性値を特徴として抽出する、ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0053】
これらの発明では、被写体領域を含む領域において、近傍画素間の濃度変化量を用いて計算した特性値を特徴として被写体領域を抽出するようにしている。
この結果、被写体の明確な特徴を抽出できるため、被写体の複数の特徴を抽出して作成する特徴ベクトルが正確になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0054】
(10)請求項10記載の発明は、前記特徴抽出手段は、前記被写体領域を含む領域において、濃度分布を解析した特性値を特徴として抽出する、ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0055】
また、請求項23記載の発明は、前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域を含む領域において、濃度分布を解析した特性値を特徴として抽出する、ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0056】
これらの発明では、被写体領域を含む領域において、濃度分布を解析した特性値を特徴として被写体領域を抽出するようにしている。
この結果、被写体の明確な特徴を抽出できるため、被写体の複数の特徴を抽出して作成する特徴ベクトルが正確になり、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0057】
(11)請求項11記載の発明は、前記相関度計算手段は、前記被写体ベクトル中の特定要素を致命的要素として設定し、該致命的要素について前記特徴ベクトルの当該要素が所定の値を満たさない場合、前記被写体ベクトルとの相関値が、最も低くなるようにした、ことを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0058】
また、請求項24記載の発明は、前記相関度の計算では、前記被写体ベクトル中の特定要素を致命的要素として設定し、該致命的要素について前記特徴ベクトルの当該要素が所定の値を満たさない場合、前記被写体ベクトルとの相関値が、最も低くなるようにする、ことを特徴とする請求項15または請求項17に記載の画像処理方法である。
【0059】
これらの発明では、被写体ベクトル中の特定要素を致命的要素として設定し、該致命的要素について前記特徴ベクトルの当該要素が所定の値を満たさない場合、前記被写体ベクトルとの相関値が、最も低くなるようにして相関度の計算を行っている。
【0060】
この結果、被写体の部位および撮影方向を正確に求めることができ、自動的に最適な画像処理条件や画像処理手段を選択して煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0061】
(12)請求項12記載の発明は、前記被写体部位および撮影方向を判別する判別手段によって得た判別結果に対し、正誤判定を行う正誤判定手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0062】
また、請求項25記載の発明は、前記被写体部位および撮影方向を判別して得た判別結果に対し、正誤判定を行う、ことを特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0063】
これらの発明では、被写体部位および撮影方向を判別して得た判別結果に対し正誤判定を行うようにしているので、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0064】
(13)請求項13記載の発明は、前記正誤判定手段により、前記判別結果が誤りと判断された場合、最適な画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段により、前記画像処理条件記憶手段から、最適な画像処理条件を選択できるようにした、ことを特徴とする請求項12記載の画像処理装置である。
【0065】
また、請求項26記載の発明は、前記正誤判定により、前記判別結果が誤りと判断された場合、最適な画像処理条件を選択する画像処理条件選択により、最適な画像処理条件を選択できるようにした、ことを特徴とする請求項25記載の画像処理方法である。
【0066】
これらの発明では、正誤判定によって判別結果が誤りと判断された場合、再度、別な最適な画像処理条件を選択できるようにしているため、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識して、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0067】
このように判別結果を誤りと判断した場合、正しい部位情報を外部から与えることで、部位情報を誤って認識した場合でも最適な画像処理を行うことが可能になる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
<画像処理装置の構成>
以下、画像処理装置の構成を大まかなブロックに従って説明する。なお、本実施の形態例の画像処理装置の各手段は、ハードウェアやファームウェア、またはソフトウェアで構成することが可能である。このため、各手段の処理手順に沿った機能ブロック図を示す。
【0069】
(a)放射線画像生成手段
図1に示すように、放射線画像生成手段10により、照射された放射線量の対数に比例した信号値を有する画像が生成される。
【0070】
この放射線画像生成手段10としては、前述したFPDやCCDなどのセンサ類を使用したものや、輝尽性蛍光体プレートを読み取って放射線画像を生成する既知の装置を使用することができる。なお、いずれの場合も放射線の照射量の対数に比例した信号値が得られ、かつ照射量が多いほど、信号値が高くなる。
【0071】
また、これ以降の各部の処理に必要な時間を短縮するため、縮小画像生成手段20により、元の放射線画像からサンプリングをして画素数を縮小させた間引き放射線画像を作成し、この間引き放射線画像を判別手段30へ転送する。なお、画像処理装置の処理が十分に高速である場合や、処理時間がかかっても問題ない場合には、間引きをしない放射線画像を判別手段30に転送してもよい。
【0072】
なお、この実施の形態例の説明では、以降の処理は間引き放射線画像を用いて行われるものとする。
間引き放射線画像は、できるだけ画素数が少ない方が各種処理の計算時間が短縮されて望ましい。しかし、本実施の形態例においては、被写体の特徴が判別できる程の情報量を備えている必要がある。このため、人体各部について等倍の放射線画像が得られている場合は、1mm平方から5mm平方程度の画素サイズとすることが望ましい。
【0073】
(b)判別手段
判別手段30では、まず縮小画像生成手段20より送信されてきた間引き放射線画像を解析する。これにより、被写体部位および撮影方向を判別する。なお、この判別手段30は、図2に示すように、被写体領域抽出手段31、特徴抽出手段32、相関度計算手段33、相関結果比較手段34,一時記憶手段35、被写体情報記憶手段36を内蔵している。また、外付けで、被写体情報入力手段37を備えて構成される。
【0074】
まず、被写体領域抽出手段31で被写体領域が抽出される。そして、抽出された被写体領域を表すラベル情報と間引き放射線画像とを特徴抽出手段32に転送する。
【0075】
特徴抽出手段32では、抽出された被写体領域のラベル情報を用いて複数の要素を有する特徴ベクトルを生成する。なお、特徴ベクトルについては、後に説明する。そして、特徴抽出手段32は、得られた特徴ベクトルを、相関度計算手段33に送る。
【0076】
相関度計算手段33では、特徴抽出手段32からの特徴ベクトルを受信すると、被写体情報記憶手段36に予め記憶されている被写体ベクトルを順次引きだし、特徴ベクトルとの相関演算を行う。そして、この相関度計算手段33での相関演算の結果得られた相関値は、相関結果比較手段34に送られる。
【0077】
相関結果比較手段34では、先に記憶されている相関値と、新規に送られてきた相関値との比較を行う。
そして、相関値同士の比較の結果、相関値の大きい方について、相関値と部位情報とを一時記憶手段35に記憶し、相関値の小さい方は破棄する。
【0078】
以上のようにして、全ての被写体ベクトルとの相関演算が終了した後、相関結果比較手段34が有する一時記憶装置35に記憶されている部位情報が判別結果として出力される。そして、出力された部位情報は、画像処理条件選定手段40に送られる。
【0079】
(b-1-1)被写体領域抽出手段
ここで、被写体領域抽出手段31の詳細について説明する。この被写体領域抽出手段31は、以下の▲1▼〜▲9▼のような手順で被写体領域抽出を行う。
【0080】
▲1▼図3(a)に示すように、放射線画像または縮小放射線画像について、水平および垂直方向に走査する。この図3(a)において、水平方向破線および垂直方向の一点鎖線が走査の結果(走査線)の様子を模式的に示している。
【0081】
▲2▼水平方向の走査線の場合、放射線画像の左端から順に、任意の画素について、右側の近傍画素との微分値S1を求める。S1が正の値の第1しきい値Th1よりも大きければ、被写体領域の境界点BLとして検出する。
【0082】
▲3▼また、S1がTh1よりも小さい場合、被写体領域の境界点ではないとして、1画素または複数画素右側に隣接した画素へ移動し、同様の手順を行う。
▲4▼以上の▲1▼〜▲3▼を繰り返し、BLが見つかるか、所定の条件を満たすまで繰り返す。ここで、所定の条件とは、例えば、走査距離で決定し、走査距離が走査線の長さの3/4を超えると、BLが見つからなくても走査を終了するといった条件である。このように終了した場合BLは走査線上の左端に設定する。
【0083】
▲5▼次に、画像の右端から順に、上記と逆方向へ水平方向の走査を行う。今度は任意の画素について、その左側に存在する近傍画素との微分値S2を求め、S2が前記第1しきい値Th1の逆符号の第2しきい値Th2よりも小さければ、被写体境界点BRとして検出する。
【0084】
▲6▼以上の▲4▼と同様にBRが見つかるか、所定の条件を満たすまで繰り返す。BRが見つからない場合、走査線上の右端にBRを設定する。
▲7▼もし、BRの方が、BLよりも左側に存在する場合、BLとBRを入れ替える。
【0085】
▲8▼垂直方向の走査線についても、以上の▲1▼〜▲6▼と同様の手順で、被写体上端の境界点Bt,下端の境界点Bbを求める。
▲9▼隣接する走査線上にあるBR,BLをそれぞれ連結し、できた線分に挟まれた領域を被写体領域として抽出する。また同様にBt,Bbをそれぞれ連結し、できた線分に挟まれた領域を被写体領域として抽出する(図3(b)参照)
なお、以上の▲1▼〜▲9▼の説明において、走査線の方向については、放射状としてもよい。また、微分値は1次でも2次でもよい。
【0086】
また、以上の処理を実現するため、被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の小領域に分割し、各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値から第1しきい値を求める第1しきい値決定手段と、該第1しきい値決定手段によって得られたしきい値と、当該小領域内の画素信号値とを比較して被写体領域か否かを判別する第1次被写体領域判別手段と、該第1次被写体領域判別手段によって被写体領域と判断された画素の集合から、第2しきい値を求める第2しきい値決定手段と、該第2しきい値決定手段で得られた第2しきい値と、任意の画素の信号値とを比較することにより、前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別する第2次被写体領域判別手段と、を備えているものとする。
【0087】
(b-1-2)被写体領域抽出手段
ここで、被写体領域抽出手段31の詳細について、他の例を説明する。この被写体領域抽出手段31では、以下の▲1▼〜▲7▼のような手順で被写体領域抽出を行う。
【0088】
▲1▼まず、図4(a)に示すように、放射線画像を複数の小領域に分割する。
▲2▼各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値の平均信号値を第1しきい値Th1としてそれぞれ求める。
【0089】
▲3▼各小領域毎に、第1しきい値Th1より信号値の低い画素を被写体領域として検出する(図4(b)参照)。
▲4▼以上の▲3▼で各小領域で得られた被写体領域に関し、それぞれの被写体領域の平均信号値を求め、第2しきい値Th2とする。
【0090】
▲5▼画像全体で、第2しきい値Th2よりも信号値の低い画素を被写体領域として検出する(図4(c)参照)。
▲6▼照射野外領域を、検出された被写体領域から除くために、照射野外領域の境界線を求め、その境界線と、近い方の画像端までの間を、照射野外領域として取り除く(図4(c)の周囲のハッチング部分)。
【0091】
▲7▼照射野外領域の境界線は次のように求める。まず、被写体領域の境界に位置する画素を境界点として検出する。そして、同方向の境界点が多数並ぶ直線を境界候補線として検出する。境界候補線は、任意の2点の境界点から直線の方程式を計算し、その直線上に存在する境界点の個数が、所定のしきい値Th3以上なら検出する。そして、境界候補線から画像端までの間が、ほぼ被写体領域となっている場合、その境界候補線は、照射野外領域境界線として、画像端までの間の被写体領域を、照射野外領域として取り除く(図4(d))。
【0092】
なお、以上の被写体領域の抽出は、(b-1-1)と(b-1-2)とのどちらか一方で行ってもよいし、両方の結果を用いて、正しいと思われる方を選択したり、領域を補正してもよい。
【0093】
また、以上の処理を実現するため、被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算する特性値計算手段と、該特性値計算手段によって得られた特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定する被写体境界点決定手段と、を有している。そして、該被写体境界決定手段により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出する、ことを特徴としている。
【0094】
(b-2)特徴抽出手段
特徴抽出手段32では、主に被写体領域から、複数の特徴を抽出し、それぞれを特徴ベクトルPの要素Cj(j=1,2,..,m)とする。抽出する特徴としては、被写体領域の大きさ、形状、濃度ヒストグラムの形状(濃度分布)、被写体領域の中心線の形状、各方向毎の1次微分値の分布や、同強度の1次および2次微分値の分布等がある。各要素の値は、予め決められた条件に基づき、数値(特性値)として記憶される。例えば、被写体の形状が、前腕骨や大腿骨のように略矩形であると判断されれば、'1'という値とし、頭部のように略円形なら'2'、という具合である。これにより、被写体の明確な特徴を抽出できるようになる。
【0095】
(b-3)相関度計算手段
前記特徴抽出手段32で抽出された特徴ベクトルPについて、被写体の部位および撮影方向による特徴を 記述した被写体ベクトルSi(i=1,2,...,n)との相関を計算する。なお、この被写体ベクトルSiは被写体情報記憶手段36に記憶されている。
【0096】
この相関演算(相関度計算)では、PとSiの対応する各要素について比較を行い、異なる値なら'0'、同じ値なら、'0'以外の値を返し、各対応要素間の比較によって得られた相関値の総和Tiを計算する。この総和Tiが最も大きくなるベクトルSiが表す部位および撮影方向として、被写体の部位および撮影方向が認識される。
【0097】
なお、外部の入力手段である被写体情報入力手段37から被写体情報記憶手段36を介して、相関演算の際に、被写体ベクトルの追加、削除、または変更を行う、ことが可能である。このように被写体ベクトルの追加・削除・変更を行うことで、被写体の部位および撮影方向を判別・認識することが容易になり、撮影された被写体を正しく認識することが可能になる。また、撮影部位等が増えた場合にも簡単に対応することができる。
【0098】
この相関演算において、各対応要素間の比較によって得られる値は、全て均等な重み付けがされていてもよいが、それぞれの要素によって重み付けを変えた方が望ましい。例えば、指のように非常に小さい部位を 撮影した場合、他に同様のサイズの被写体はほとんど存在しないため、被写体の大きさだけで部位が特定できる。そこで、特徴ベクトルの要素Cjに、“被写体のサイズ”を含んでおけば、この要素の被写体ベクトルとの比較結果だけが非常に大きな比重を占めるよう、他の要素の比較結果よりも大きな値を返すことで、より正確に認識することが可能になる。
【0099】
また、特徴ベクトル、被写体ベクトルを、2次元に拡張し、より柔軟な相関を行うことも可能である。この場合、前記特徴ベクトルPの各要素Cj(j=1,2,..,m)は、とり得る値の範囲の要素数を持つベクトルとする。例えば、ある要素CLについて、値の取り得る範囲が{0,1,2,3}で有れば、CLを4個の要素を持つベクトルとする。そしてCLの値が'2'で有れば、CL={0,0,1,0}というベクトルとして表す。
【0100】
他の要素についても同様に、値をベクトルで表す。また、被写体ベクトルSiでは、Cjに対応する各要素Vj(j=1,2,..,m)について、Cjが取り得る値に対して、個々に相関値を記述した相関値テーブルとして記述 する。例えば、先程のCLに対し、対応する要素VLは{a,b,c,d}という値を有するベクトルとする。そして、tCL・VLを計算することにより、CLに対する相関値を得る。このCLが{0,0,1,0}なら、この要素における相関値 は'c'として得られる。またCLが{1,0,0,0}なら相関値は'a'となる。このように、CLが特定の値以外でも'0'以外の値を得ることができ、より柔軟な相関結果が得られる。
【0101】
さらに、被写体ベクトル毎に相関結果を 指定できるため、特定要素に対する相関結果の値を大きくすることで、どの要素に重点を置くかについて、きめ細かく設定することができる。例えば、前記のように被写体が“指”であるかどうか判別する場合には、“被写体のサイズ”が有効な判別要素となるため、この要素に対する相関結果を大きくし、他の要素よりも大きな影響を及ぼすようにできる。また、“頭部”に対しては、“被写体の外形”が略円形になるという特徴でほぼ判別できるため、“被写体の外形”に相当する要素での相関結果が大きくなるよう、被写体ベクトルを設定することでより正確に認識することが可能になる。上記のように、被写体ベクトル毎に各要素に対する重み付けを変更することで、より正確な認識を行うことができる。
【0102】
また、このように2次元に拡張すると、特徴ベクトルのある要素が特定の値を持った場合、ある被写体ベクトルに対し、その相関値が非常に小さな値となり、当該部位としては絶対に認識されないようにするパラメータ(以下、「致命的パラメータ」と呼ぶ)を容易に設定できる。
【0103】
例えば、最終的な相関値の総和Tiを、各要素間の相関値の総和ではなく、積として与えることとし、“被写体のサイズ”をベクトルの要素CLとして加えるとする。“被写体のサイズ”CLは、例えばサイズ'小'を表す{1,0}、サイズ'大'を表す{0,1}のどちらかをとるとする。このとき、被写体の部位として“胸部”を考えると、“胸部”は画像ほぼ全域に被写体が写るので、“被写体のサイズ”は'大'である。逆に、“指”等と異なり、サイズが'小'となることはありえない。そこで、“胸部”を表す被写体ベクトルにおいて、“被写体のサイズ”に相当する要素VLについて、{0,a}という値を与えておく。こうすると、ある撮影部位に対する特徴ベクトルがCL={1,0}(“被写体のサイズ”は'小')となれば、この要素についての相関結果は'0'となり、他の要素の相関結果に関わらず、Ti=0となるため、この撮影部位が“胸部”と判定されることはない。このようにして致命的パラメータを設けることにより、認識精度を向上させることができる。
【0104】
(c)判別結果の正誤判定手段
判別手段30によって得られた判別結果について、正誤判定処理を行う正誤判定手段70を設けることにより、最適な画像処理条件をより正確に選択することができる。または、この判別結果が有する被写体部位情報を表示する被写体部位情報表示手段80と、部位情報を外部から選択できる部位情報選択手段90(図5参照)を設けることにより、装置の使用者が表示された部位情報を見て、判別結果を誤りと判断した場合に正しい部位情報を外部から与えることが可能になる。この結果、部位情報を誤って認識した場合でも最適な画像処理を行うことが可能になる。
【0105】
また前記表示手段は、最適な画像処理条件を容易に選択できるようにするために、部位情報だけでなく、原画像、または判別手段30によって選択された判別結果に基づいて選択された画像処理条件を用いて処理を行った処理済み画像を同時に表示することが望ましい。
【0106】
さらに、前記判別結果において、相関度が高い方から順に、複数の被写体部位情報を記憶しておき、該表示手段においてそれら部位情報を表示することで、容易に正しい画像処理条件を選択することができる。
【0107】
(d)画像処理条件の選定および画像処理
判別手段30によって得られた判別結果に基づき、画像処理条件選定手段40は、画像処理条件を記憶した記憶手段から最適な画像処理条件を読み出す(図5参照)。そして、読み出された画像処理条件は、画像処理手段60に送られる。画像処理手段60では放射線画像生成手段10から送られてきた原画像である放射線画像と、この画像処理条件とを用いて画像処理を行い、最終的な出力画像を得る。この画像処理手段60では、階調変換やエッジ強調、イコライゼーション処理、およびそれらを組み合わせたものが実施される。
【0108】
また、撮影部位や方向によって、求められる画像処理の種類が異なることがある。そこで、上記のような画像処理を行う画像処理手段60を、画像処理の種類に応じて予め複数準備しておき、判別手段30によって得られた部位情報に基づき、最適な種類の画像処理を実行できる画像処理手段を選択して実行するようにしてもよい。
【0109】
この場合画像処理条件は、単に入力信号値に対する出力信号値を記述したルックアップテーブル(LUT)やエッジ強調度等、直接的に画像を変換するためのパラメータだけを指すものではない。すなわち、特開平5−7578号公報等に示されるような、医師が読影するポイントに関心領域(ROI)を設定し、該ROI内の画像情報を解析することで、より診断に適した階調変換が実行されるような処理を、撮影部位によって最適な結果が得られるようにして複数準備しておき、それらの処理のうち、どれを使用するかを決定する間接的なパラメータをも含むものとする。
【0110】
(e)その他の実施の形態例
前述したように、HISやRISを通じて、被写体の部位情報がディジタルデータとして画像処理装置に入力可能な場合もある。そこで、図5のような外部から被写体部位情報を選択可能な部位情報選択手段90を設ける。そして、この部位情報選択手段90から被写体部位情報が何らかの選択情報が入力された場合、画像処理条件選定手段40は、判別手段30による判別結果よりも部位情報選択手段90での選択入力を優先し、この選択された被写体部位情報に基づいて最適な画像処理が選択されるようにしてもよい。
【0111】
なお、以上の実施の形態例で説明した特徴情報の抽出による判別について、階層的クラスタリングと呼ばれる手法を採用することも可能である。
また、以上の説明では濃度が高い場合に信号値が高い場合を想定して説明を行ってきたが、濃度が高い場合に信号値が低くなるような場合であっても同様の処理により同様の効果を得ることができる。
【0112】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することにより、自動的に最適な画像処理条件または画像処理手段を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態例の画像処理装置の主要部の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態例における被写体領域の抽出の様子を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態例における被写体領域の抽出の他の例による様子を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態例の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 放射線画像生成手段
20 縮小画像生成手段
30 判別手段
40 画像処理条件選定手段
50 画像処理条件記憶手段
60 画像処理手段
70 正誤判定手段
80 部位情報表示手段
90 部位情報選択手段

Claims (26)

  1. 被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、
    得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、
    被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件を記憶する記憶手段と、
    前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、
    前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、
    前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、
    前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、
    被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、
    前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、
    該相関度計算手段によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、
    得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、
    被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件を記憶する記憶手段と、
    前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、
    前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、
    前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、
    前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、
    前記特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、
    前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、
    前記被写体ベクトルは、被写体の部位および撮影方向によって、前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度計算手段では、対応する各要素間の関連度と、前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、
    画像処理の種類に応じて準備された複数の画像処理手段と、
    判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なも の1または複数を決定する処理決定手段と、
    を備え
    前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、
    前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、
    被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、
    前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、
    該相関度計算手段によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、
    たことを特徴とする画像処理装置。
  4. 被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する画像処理装置であって、得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、
    画像処理の種類に応じて準備された複数の画像処理手段と、
    判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定する処理決定手段と、
    前記判別手段は、放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出する被写体領域抽出手段と、
    前記被写体領域抽出手段で抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成する特徴抽出手段と、
    前記特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、
    前記特徴抽出手段によって得られた前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、
    前記被写体ベクトルは、被写体の部位および撮影方向によって、前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度計算手段では、対応する各要素間の関連度と、
    前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記被写体情報記憶手段に対し、外部から被写体ベクトルの追加、削除、または変更を行うための被写体情報入力手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の小領域に分割し、各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値から第1しきい値を求める第1しきい値決定手段と、
    該第1しきい値決定手段によって得られたしきい値と、当該小領域内の画素信号値とを比較して被写体領域か否かを判別する第1次被写体領域判別手段と、
    該第1次被写体領域判別手段によって被写体領域と判断された画素の集合から、第2しきい値を求める第2しきい値決定手段と、
    該第2しきい値決定手段で得られた第2しきい値と、任意の画素の信号値とを比較することにより、前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別する第2次被写体領域判別手段と、
    を有することを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記被写体領域抽出手段は、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算する特性値計算手段と、
    該特性値計算手段によって得られた特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定する被写体境界点決定手段と、
    を有し、該被写体境界決定手段により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出する、
    ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記特徴抽出手段は、前記被写体領域の形状を特徴として抽出することを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記特徴抽出手段は、前記被写体領域を含む領域において、近傍画素間の濃度変化量を用いて計算した特性値を特徴として抽出する、
    ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記特徴抽出手段は、前記被写体領域を含む領域において、濃度分布を解析した特性値を特徴として抽出する、
    ことを特徴とする請求項乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 前記相関度計算手段は、前記被写体ベクトル中の特定要素を致命的要素として設定し、該致命的要素について前記特徴ベクトルの当該要素が所定の値を満たさない場合、前記被写体ベクトルとの相関値が、最も低くなるようにした、
    ことを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. 前記被写体部位および撮影方向を判別する判別手段によって得た判別結果に対し、正誤判定を行う正誤判定手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  13. 前記正誤判定手段により、前記判別結果が誤りと判断された場合、最適な画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段により、前記画像処理条件記憶手段から、最適な画像処理条件を選択できるようにした、
    ことを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
  14. 被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、
    被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、
    読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う、
    ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、
    前記判別の際に、
    被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、
    放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、
    前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、
    この相関度の計算によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  15. 被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、
    被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化されて記憶された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、
    読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う、
    ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、
    前記判別の際に、
    特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、
    放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、
    該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、
    前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、
    前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  16. 被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、
    判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定し、
    決定された画像処理手段に基づいて画像処理を行う、
    ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、
    前記判別の際に、
    被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、
    放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、
    前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、
    該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、
    前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、
    この相関度の計算によって最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位および撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  17. 被写体を透過した放射線量を検出して得られた放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別し、
    判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、複数の画像処理手段の中の最適なもの1または複数を決定し、
    決定された画像処理手段に基づいて画像処理を行う、
    ことにより放射線画像を処理する画像処理方法であって、
    前記判別の際に、特徴ベクトルと同じ尺度の要素を有し、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルを予め記憶しておき、
    放射線画像において被写体が撮影されている領域を抽出し、
    前記抽出された被写体領域から、被写体の複数の特徴を抽出し、
    該特徴を各要素として有する特徴ベクトルを作成し、
    前記特徴ベクトルと前記被写体ベクトルとで相関度を計算し、
    前記被写体ベクトルは被写体の部位および撮影方向によって前記各要素の重み付けがなされると共に、前記相関度の計算で対応する各要素間の関連度と前記各要素の重み付けに依存して相関度が求められ、最も相関度が高いと判断された被写体ベクトルと同じ被写体部位および撮影方向として撮影された被写体の部位や撮影方向を判別する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  18. 前記被写体ベクトルを記憶する手段に対し、外部の入力手段から被写体ベクトルの追加、削除、または変更を行う、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の画像処理方法。
  19. 前記被写体領域の抽出は、放射線画像を複数の小領域に分割し、
    各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値から第1しきい値を求め、
    該第1しきい値と当該小領域内の画素信号値とを比較して被写体領域か否かを判別し、
    被写体領域と判断された画素の集合から第2しきい値を求め、
    該第2しきい値と任意の画素の信号値とを比較することにより、
    前記任意の画素を被写体領域に含めるか否かを判別することを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法。
  20. 前記被写体領域の抽出は、放射線画像を複数の走査線を用いて走査し、
    各走査線上の任意の画素について近傍画素間の信号変化による特性値を計算し、
    該特性値を用いて、前記走査線上の画素が被写体領域の境界点か否かを決定するものであり、
    該被写体境界点の決定により、前記各走査線上で得られた被写体境界点を連結してできた図形で囲まれた領域を、被写体領域として抽出する、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法。
  21. 前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域の形状を特徴として抽出する、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法。
  22. 前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域を含む領域において、近傍画素間の濃度変化量を用いて計算した特性値を特徴として抽出する、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法。
  23. 前記特徴ベクトルの作成は、前記被写体領域を含む領域において、濃度分布を解析した特性値を特徴として抽出する、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の画像処理方法。
  24. 前記相関度の計算では、前記被写体ベクトル中の特定要素を致命的要素として設定し、該致命的要素について前記特徴ベクトルの当該要素が所定の値を満たさない場合、前記被写体ベクトルとの相関値が、最も低くなるようにする、
    ことを特徴とする請求項15または請求項17に記載の画像処理方法。
  25. 前記被写体部位および撮影方向を判別して得た判別結果に対し、正誤判定を行う、
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の画像処理方法。
  26. 前記正誤判定により、前記判別結果が誤りと判断された場合、最適な画像処理条件を選択する画像処理条件選択により、最適な画像処理条件を選択できるようにした、
    ことを特徴とする請求項25記載の画像処理方法。
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