JP3709759B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像を処理する画像処理方法および画像処理装置に関し、さらに詳しくは、放射線画像の最適処理が可能な画像処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放射線画像を直接デジタル画像として撮影できる装置が開発されている。たとえば、被写体に照射された放射線量を検出し、その検出量に対応して形成される放射線画像を電気信号として得る装置としては、輝尽性蛍光体を用いたディテクタを用いる方法が特開昭55-12429号公報、特開昭63-189853号公報など、多数開示されている。
【0003】
このような装置では、シ−ト状の基板に輝尽性蛍光体を塗布、あるいは蒸着等によって固着したディテクタに、いったん被写体を透過した放射線を照射して輝尽性蛍光体に放射線を吸収させる。
【0004】
その後、この輝尽性蛍光体を光または熱エネルギ−で励起することにより、この輝尽性蛍光体が上記吸収によって蓄積している放射線エネルギ−を蛍光として放射させ、この蛍光を光電変換して画像信号を得るようにしている。
【0005】
一方、照射された放射線の強度に応じた電荷を光導電層に生成し、生成された電荷を二次元的に配列された複数のコンデンサに蓄積し、それら蓄積された電荷を取り出すことにより得られる放射線画像検出装置が提案されている。
【0006】
このような放射線画像検出装置では、フラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれるものを使用している。この種のFPDは、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光をフォトダイオードで検知したり、CCDやC−MOSセンサで検出することができる。また、特開平6−342098号公報にも同様なFPDが記載されている。
【0007】
これらの装置では、放射線画像を診断に適した階調で表現するために、医師が注目する部分(関心領域)について見やすくなるよう、前記のような装置で得られた画像を自動的に階調変換することが望ましい。
【0008】
このような自動階調変換を行うために、画像デ−タの統計的特徴(デ−タの最大値・最小値・ヒストグラム等)から処理条件を決定し、画像全体に対して画像処理を施すことが行われる。
【0009】
また、細部の構造を見やすくするため、エッジ強調処理を行ったり、被写体の信号領域を狭めて、濃度の高い部分と低い部分を同時に観察しやすくするためのダイナミックレンジ圧縮処理等も行われる。
【0010】
しかし、診断に利用する放射線撮影では、撮影対象となる部位が頭部から四肢まで多岐に渡り、それぞれによって医師が注目する領域も異なるため、診断に最適な画像を得るための画像処理条件は、撮影部位毎に異なるものとなる。また、同様に、撮影方向によっても、処理条件は異なるものとなる。
【0011】
そのため、従来これらの装置では、画像処理を行う前に、最適な処理条件を選択するため、被写体の撮影部位、方向等を入力する必要がある。
【0012】
一部の病院では、病院情報システム(HIS)や放射線科情報システム(RIS)を備えているところもあり、放射線撮影のオーダー情報から、直接撮影部位情報を取得できるため、特に放射線技師等の操作無く、最適な処理条件を選択可能であるが、多数の病院ではこのようなシステムを備えていないため、技師等が手入力にてこれらの情報を入力する必要がある。
【0013】
また緊急時の撮影においても、迅速に撮影を行うために、上記のHISやRISを備えた病院でも、技師等が被写体の部位情報等を手入力する場合もある。
【0014】
しかし、一般に撮影される部位は100種類以上もあり、この中から毎回撮影を行う度に上記入力作業を行うことは煩雑であり、放射線撮影を行う放射線技師の負担となっていた。
【0015】
そこで、撮影された画像を読み取って自動的に被写体の部位、方向を認識して、最適な処理条件を選択することが、技師の負担を軽くするために求められている。
【0016】
撮影された部位を自動的に判別する方法として、特開平11−85950号公報に記載のように画像の濃度分布から特徴量を調べ、その特徴量に基づいて判別するものがある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、放射線撮影では通常、人体への不要な被曝を避けるために、照射野絞りと呼ばれる放射線遮蔽物を用いて、放射線が照射される領域(照射野)を限定して撮影することが一般的である。
【0018】
また、照射野の絞り方は、撮影技師によって異なるため、同一患者、同一部位に対する撮影であっても、必ずしも同じ照射野形状になるとは限らない。
【0019】
さらに、照射野内外では、大きく信号分布が変化するため、照射野の絞り方によって画像の濃度分布は大きく異なってしまう。
【0020】
このような結果、上記のように濃度分布による特徴量で判別を行うと照射野の絞り方によって特徴量が変わってしまい、撮影部位を正しく判別することは困難になる。
【0021】
また、放射線撮影を行う部位は多岐にわたり、同じ診断目的に対しても異なる撮影方法があるため、病院毎に撮影される部位もしくは撮影方向が異なってくる。また、病院毎に工夫された、独自の撮影方法も用いられる。
【0022】
従って、全ての撮影方法に対応した処理条件を予め準備しておくことは非常に困難である。
【0023】
もし、処理条件や部位の判別条件が記憶されていない、新規の撮影方法で撮影された画像が入力された場合、上記公知例では判別手段に設けられた学習機能によって対応できるようになっているが、正しい学習が行われるためには多くのサンプルが必要であり、即座に対応することができないという問題が生じる。
【0024】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであって、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することにより、自動的に最適な画像処理条件または画像処理手段を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能な画像処理方法および画像処理装置を実現することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
【0026】
(1)請求項1記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出し、検出された放射線量に応じた放射線画像を形成する放射線画像形成ステップと、形成された放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別ステップと、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化された複数の画像処理条件を記憶する画像処理条件記憶ステップと、判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記画像処理条件記憶ステップで記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定ステップと、読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理ステップと、を備え、前記判別ステップでは被写体の部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0027】
また、請求項7記載の発明は、被写体を透過した放射線量を検出し、検出された放射線量に応じた放射線画像を形成する放射線画像形成手段と、前記放射線画像形成手段で形成された放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化された複数の画像処理条件を記憶する画像処理条件記憶手段と、前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記画像処理条件記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、前記判別手段では被写体の部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別する、ことを特徴とする画像処理装置である。
【0028】
これらの発明では、被写体を透過した放射線量を検出して得た放射線画像を処理する際に、部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別し、被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化された複数の画像処理条件の中から判別された被写体の部位および撮影方向に応じて読み出し、読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行うようにしている。
【0029】
以上のように、撮影部位および撮影方向毎に設定された優先度を利用することにより、被写体の特徴だけでは被写体を正しく認識し難い場合でも精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0030】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0031】
(2)請求項2記載の発明は、前記判別ステップは、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成ステップと、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルと、それぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶ステップと、生成された前記特徴ベクトルと、読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算ステップと、を有し、前記相関度計算ステップにより求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する被写体の部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い部位および撮影方向として被写体を判別する、ことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法である。
【0032】
また、請求項8記載の発明は、前記判別手段は、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルと、それぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、前記相関度計算手段により求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する被写体の部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い部位および撮影方向として被写体を判別する、ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置である。
【0033】
これらの発明では、以上の(1)に加え、相関度を用いて判別する際に、相関度が予め定められたしきい値以上となる場合には、優先度が最も高い部位および撮影方向として被写体を判別するようにしている。
【0034】
以上のように、撮影部位および撮影方向毎に設定された優先度を利用することにより、被写体の特徴だけでは被写体を正しく認識し難い場合でも精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0035】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0036】
(3)請求項3記載の発明は、前記判別ステップは、同様の撮影部位毎に分類された複数のカテゴリのうちのいずれかに前記被写体を分類するカテゴリ分類ステップと、さらに分類されたカテゴリ内で該カテゴリに属する部位および撮影方向として前記被写体を特定する被写体特定ステップと、を有し、該被写体特定ステップは、前記各カテゴリ毎に所属する部位および撮影方向毎に設定された優先度を用いて被写体を認識する、ことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法である。
【0037】
また、請求項9記載の発明は、前記判別手段は、同様の撮影部位毎に分類された複数のカテゴリのうちのいずれかに前記被写体を分類するカテゴリ分類手段と、さらに分類されたカテゴリ内で該カテゴリに属する部位および撮影方向として前記被写体を特定する被写体特定手段と、を有し、該被写体特定手段は、前記各カテゴリ毎に所属する部位および撮影方向毎に設定された優先度を用いて被写体を認識する、ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置である。
【0038】
これらの発明では、以上の(1)に加え、同様の撮影部位毎に分類された複数のカテゴリのうちのいずれかに被写体を分類し、さらに分類されたカテゴリ内で該カテゴリに属する部位および撮影方向として前記被写体を特定する場合に、各カテゴリ毎に所属する部位および撮影方向毎に設定された優先度を用いて被写体を認識するようにしている。
【0039】
以上のように、撮影部位および撮影方向毎に設定された優先度を利用することにより、被写体の特徴だけでは被写体を正しく認識し難い場合でも精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0040】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0041】
(4)請求項4記載の発明は、前記カテゴリ分類ステップは、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成ステップと、前記カテゴリ毎の特徴を表すカテゴリベクトルを予め記憶しておくカテゴリ情報記憶ステップと、前記特徴ベクトル生成ステップによって得られた前記特徴ベクトルに含まれる一部または全ての要素について、前記カテゴリ情報記憶ステップから読み出された前記カテゴリベクトルとで、相関度を計算するカテゴリ相関度計算ステップと、を有し、該カテゴリ相関度計算ステップによって、相関度が最も高いと判断されたカテゴリに含まれるとして、前記被写体の所属カテゴリを決定するとともに、前記被写体特定ステップは、部位および撮影方向毎の特徴を表す被写体ベクトルとそれぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶ステップと、該被写体情報記憶ステップから前記被写体が所属すると判断されたカテゴリに属する部位および撮影方向に関連する前記被写体ベクトルを読み出して、前記特徴ベクトルとの相関度を計算する被写体相関度計算ステップと、を有し、該被写体相関度計算ステップにより求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い撮影部位および方向として被写体を認識する、ことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法である。
【0042】
また、請求項10記載の発明は、前記カテゴリ分類手段は、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、前記カテゴリ毎の特徴を表すカテゴリベクトルを予め記憶しておくカテゴリ情報記憶手段と、前記特徴ベクトル生成手段によって得られた前記特徴ベクトルに含まれる一部または全ての要素について、前記カテゴリ情報記憶手段から読み出された前記カテゴリベクトルとで、相関度を計算するカテゴリ相関度計算手段と、を有し、該カテゴリ相関度計算手段によって、相関度が最も高いと判断されたカテゴリに含まれるとして、前記被写体の所属カテゴリを決定するとともに、前記被写体特定手段は、部位および撮影方向毎の特徴を表す被写体ベクトルとそれぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、該被写体情報記憶手段から前記被写体が所属すると判断されたカテゴリに属する部位および撮影方向に関連する前記被写体ベクトルを読み出して、前記特徴ベクトルとの相関度を計算する被写体相関度計算手段と、を有し、該被写体相関度計算手段により求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い撮影部位および方向として被写体を認識する、ことを特徴とする請求項9記載の画像処理装置である。
【0043】
これらの発明では、相関度が最も高いと判断されたカテゴリに含まれるとして被写体の所属カテゴリを決定するとともに、求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には該当する部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い撮影部位および方向として被写体を認識するようにしている。
【0044】
以上のように、撮影部位および撮影方向毎に設定された優先度を利用することにより、被写体の特徴だけでは被写体を正しく認識し難い場合でも精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0045】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【0046】
(5)請求項5記載の発明は、前記優先度は、被写体の部位および撮影方向毎の撮影頻度に基づいて決定されたものである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0047】
また、請求項11記載の発明は、前記優先度は、被写体の部位および撮影方向毎の撮影頻度に基づいて決定されたものである、ことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0048】
以上のように、優先度として撮影頻度を利用することで、より精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0049】
(6)請求項6記載の発明は、前記被写体情報記憶ステップに対し、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できる被写体情報入力ステップを有する、ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理方法である。
【0050】
また、請求項12記載の発明は、前記被写体情報記憶手段に対し、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できる被写体情報入力手段を有する、ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0051】
以上のように、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できるようにすることで、より精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。また、撮影部位等が増えた場合にも簡単に対応することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0053】
〈画像処理装置の構成〉
以下、画像処理装置の構成を大まかなブロックに従って説明する。なお、本実施の形態例の画像処理装置の各手段は、ハードウェアやファームウェア、またはソフトウェアで構成することが可能である。このため、各手段の処理手順に沿った機能ブロック図を示す。なお、この機能ブロック図は、画像処理方法の実施の形態例を理解するためのフローチャートとしても用いることができる。
【0054】
(a)放射線画像形成:
図1に示すように、放射線画像形成手段10により、照射された放射線量の対数に比例した信号値を有する画像が生成される。
【0055】
この放射線画像形成手段10としては、前述したFPDやCCDなどのセンサ類を使用したものや、輝尽性蛍光体プレートを読み取って放射線画像を生成する既知の装置を使用することができる。なお、いずれの場合も放射線の照射量の対数に比例した信号値が得られ、かつ照射量が多いほど、信号値が高くなる。
【0056】
また、これ以降の各部の処理に必要な時間を短縮するため、縮小画像生成手段20により、元の放射線画像からサンプリングをして画素数を縮小させた間引き放射線画像を作成し、この間引き放射線画像を判別手段30へ転送する。なお、画像処理装置の処理が十分に高速である場合や、処理時間がかかっても問題ない場合には、間引きをしない放射線画像を判別手段30に転送してもよい。
【0057】
なお、この実施の形態例の説明では、以降の処理は間引き放射線画像を用いて行われるものとする。
【0058】
間引き放射線画像は、できるだけ画素数が少ない方が各種処理の計算時間が短縮されて望ましい。しかし、本実施の形態例においては、被写体の特徴が判別できる程の情報量を備えている必要がある。このため、人体各部について等倍の放射線画像が得られている場合は、1mm平方から5mm平方程度の画素サイズとすることが望ましい。
【0059】
(b)判別:
判別手段30では、まず縮小画像生成手段20より送信されてきた間引き放射線画像を解析する。これにより、被写体部位および撮影方向を判別する。なお、本実施の形態例の判別手段30では、被写体の部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別することを特徴としている。
【0060】
なお、この判別手段30は、図2に示すように、相関度計算手段320、相関結果比較手段330、一時記憶手段340、優先度比較手段350、被写体情報記憶手段360、を内蔵している。また、外付けで、被写体情報入力手段90を備えて構成される。
【0061】
判別手段30では、縮小画像生成手段20より送信されてきた間引き画像を特徴ベクトル生成手段310において解析し、複数の要
素を有する特徴ベクトルを生成する。得られた特徴ベクトルは、相関度計算手段320に送られる。
【0062】
一方、被写体情報記憶手段360には各撮影部位および撮影方向に相当する被写体ベクトルが、部位情報および優先度とともに記憶されている。
【0063】
相関度計算手段320では、特徴ベクトルを受信すると、被写体情報記憶手段360に記憶されている被写体ベクトルを順次引きだし、該特徴ベクトルとの相関演算を行う。相関演算の結果得られた相関値は相関結果比較手段330に送られる。
【0064】
相関結果比較手段330では、予め定められたしきい値と、送られてきた相関値との比較を行う。相関値が該しきい値以上である場合、当該する被写体ベクトルに相当する部位情報と優先度を一時記憶手段340に記憶する。
【0065】
全ての被写体ベクトルとの相関演算が終了した後、一時記憶手段340に記憶されている部位情報が優先度とともに読み出される。読み出された部位情報および優先度は優先度比較手段350に送られる。
【0066】
優先度比較手段350では、部位情報が複数存在する場合には、送られてきた優先度のうち最も高い部位情報を、画像処理条件選定手段40に送る。
【0067】
また、優先度比較手段350に送られた部位情報が一つも存在しない場合、被写体情報記憶手段360に記憶されている全ての部位情報のうち、もっとも優先度が高い部位および撮影方向に相当する部位情報を出力して画像処理条件選定手段40に送信する。
【0068】
(b-1)特徴ベクトル生成:
特徴ベクトル生成手段310は、被写体領域抽出手段311と、特徴抽出手段312から校正されている。まず被写体領域抽出手段311により、縮小画像生成手段20より送信されてきた間引き画像を解析して被写体領域を抽出する。そして抽出された被写体領域を表すラベル情報と間引き画像を特徴抽出手段312に転送する。特徴抽出手段312では、前記ラベル情報と間引き画像から複数の特徴を求め、各特徴毎に数値化する。そして、それらを要素として有する特徴ベクトルを生成する。
【0069】
(b-1-1)被写体領域抽出:
ここで、被写体領域抽出手段311の詳細について説明する。この被写体領域抽出手段311は、以下の▲1▼〜▲7▼のような手順で被写体領域抽出を行う。
▲1▼画像を複数の小領域に分割する(図4(a))。
▲2▼各小領域内毎に、該小領域に含まれる画素信号値の平均信号値をしきい値Th1としてそれぞれ求める。
▲3▼各小領域毎に、しきい値Th1より信号値の低い画素を被写体領域として検出する(図4(b))。
▲4▼各小領域で得られた被写体領域の平均信号値を求め、しきい値Th2とする。▲5▼画像全体で、しきい値Th2よりも信号値の低い画素を被写体領域として検出する(図4(c))。
▲6▼照射野外領域を検出された被写体領域から除くために、照射野外領域の境界線を求め、その境界線と、近い方の画像端までの間を、照射野外領域として取り除く(図4(d))。
▲7▼照射野外領域の境界線は次のように求める。まず、被写体領域の境界に位置する画素を境界点として検出する。そして、同方向の境界点が多数並ぶ直線を境界候補線として検出する。境界候補線は、任意の2点の境界点から直線の方程式を計算し、その直線上に存在する境界点の個数が、所定のしきい値Th3以上なら検出する。そして、境界候補線から画像端までの間が、ほぼ被写体領域となっている場合、その境界候補線は、照射野外領域境界線として、画像端までの間の被写体領域を、照射野外領域として取り除く。
【0070】
(b-1-2)特徴抽出:
特徴抽出手段312では、主に被写体領域から、複数の特徴を抽出し、それぞれを特徴ベクトルPの要素Cj(j=1,2,…,m)とする。抽出する特徴としては、被写体領域の大ささ、形状、濃度ヒストグラムの形状、被写体領域の中心線の形状、各方向毎の1次微分値の分布や、同強度の1次および2次微分値の分布等がある。各要素の値Cjは、予め決められた条件に基づき、ベクトル値として記憶される。例えば、“被写体の形状”を特徴ベクトルの一要素Csとし、“矩形”、“円形”、“糸巻き”、“ブーメラン”、“その他”の5タイプのいずれかに分類されるとすれば、Csは、{e1,e2,e3,e4,e5}という5個の要素を有するベクトルとする。各要素ek(k=1,2,3,4,5)は、それぞれ“矩形’、“円形”、“糸巻き”、“ブーメラン”、“その他”、に対応させる。そして、前腕骨や大腿骨のように略矩形であると判断されれば、Cs={1,0,0,0,0}という値として表され、頭部のように略円形ならCs={0,1,0,0,0}という具合に表される。
【0071】
(b-2)被写体情報記憶:
前記被写体情報記憶手段360では、被写体の部位および撮影方向毎の特徴を記述したn個の被写体ベクトルSi(i=1,2,…,n)、Siに関連づけられた部位情報Ii(i=1,2,…,n)、および優先度Oi(i=1,2,…,n)が記憶されている。
【0072】
該被写体ベクトルSiは、前記特徴ベクトル生成手段310によって抽出された特徴ベクトルPの各要素値毎の評価値が記述されたベクトルであり、後述する相関手段により、特徴ベクトルPとの相関演算によってその評価値が呼び出され、相関値として用いられる。
【0073】
被写体ベクトルSiでは、Cjに対応する各要素Vj(j=1,2,…,m)について、Cjが取り得る値に対して、個々に評価値を記述した評価値テーブルとして記述する。例えば、前述した被写体形状を表す特徴ベクトルの要素Csに対し、対応する要素Vsは{a,b,c,d,e}という値を有するベクトルとする。
【0074】
また、部位情報Iiでは、被写体の部位および撮影方向毎に一意に関連づけられた番号および部位名称、撮影方向等の名称が記憶されており、部位情報Iiが持つ番号を参照して、画像処理条件の選択がなされるとともに、記憶されている部位名称や撮影方向は、認識結果が容易にわかるよう部位情報表示手段80(例えば操作盤に備えられたモニタ表示装置等)で表示することに使用される。
【0075】
さらに優先度情報Oiは、被写体の部位および撮影方向毎に一意に決定され、小さい数値程優先度が高くなるよう、“1”から“n”までのいずれかの数値が記憶される。
【0076】
(b-3)相関度計算、相関結果比較、一時記憶:
前記特徴ベクトル生成手段310で得られた特徴ベクトルPについて、被写体の部位および撮影方向による特徴を記述した被写体ベクトルSi(i=1,2,…,n)との相関を計算する。相関演算では、PとSiの対応する各要素毎に相関値を求め、個々の要素の相関値の総和Tiを計算する。Tiは相関結果比較手段330に送られ、予め定められたしきい値Th4と、送られてさた相関値との比較が実行される。この相関値が該しきい値以上である場合、当該する被写体ベクトルに相当する部位情報と優先度を一時記憶手段340に記憶する。
【0077】
なお、特徴ベクトル、被写体ベクトル間の各要素間の相関演算は以下のように行う。特徴ベクトルPの要素Cj、およびCjに対応する被写体ベクトルSiの要素Vjは、ともに同じ要素数のベクトルとして記述されているので、tCj・Vjを計算することにより、VjからCjに対する評価値を呼び出すことができ、これを相関値として出力する。
【0078】
例えば、前述した被写体の形状を表す特徴ベクトルの要素Csが{0,0,1,0,0}なら、対応する被写体ベクトルの要素Vsは{a,b,c,d,e}と定義されているため、相関値は‘c’として得られる。また、Csが{1,0,0,0,0}であれば、相関値は‘a’となる。
【0079】
また、この相関方法を用いると、被写体ベクトル毎に評価値を指定できるため、特定要素に対する評価値を値を大きくすることで、どの要素に重点を置くか、さめ細かく設定することができる。
【0080】
例えば、“頭部”に対しては、“被写体の形状”が略円形になるという特徴でほぼ判別できるため、“被写体の形状”に相当する要素Csでの相関結果が大きくなるよう、“頭部”を表す被写体ベクトルでは、Csに対応するVsの各要素値を他のVjと比較して大きな値をとるよう設定する。また、被写体が“指”であるかどうか判別する場合には、“被写体のサイズ”が有効な判別要素となるため、”指”に相当する被写体ベクトルでは、“被写体のサイズ”に対する評価値を他の要素に対して大きくすることで、正確に認識することが可能になる。
【0081】
上記のように、被写体ベクトル毎に各要素に対する重み付けを変更することで、より正確な認識を行うことができる。
【0082】
(b-4)優先度比較:
優先度比較手段350では、すべての相関演算が終了した後に、一時記憶手段340に蓄えられている部位情報および優先度情報を引きだし、最も優先度が高い(優先度情報Oiに記述されている数値が最も小さい)部位情報を、画像処理条件選定手段40に送る。もし、一時記憶手段340から引きだされる部位情報が一つも存在しない場合、優先度比較手段350は、被写体情報記憶手段360に記憶されている全ての部位情報のうち、優先度が最も高い部位情報を読み出し、画像処理条件選定手段40に送る。
【0083】
(c)判別の他の実施の形態例:
前記判別手段30は、図3に示したように、以下に述べるような形態としてもよい。すなわち、まず被写体ベクトルは、同様の部位毎に集められ複数のカテゴリを形成する。
【0084】
このカテゴリは、例えば“胸部”、“上肢”、“下肢”等に分類される。さらに、各カテゴリ毎の特徴を表すカテゴリベクトルにより、どのカテゴリに所属するか、記述される。
【0085】
カテゴリベクトルは、所属する被写体ベクトルのリストとともに、前記特徴ベクトルの一部の要素に対する評価値を有し、カテゴリ情報記憶手段380に記憶されている。そして、前述した被写体ベクトルと特徴ベクトルとの相関演算と同様に、カテゴリ相関度計算手段370によって、特徴ベクトルと各カテゴリベクトルとの間で相関演算を実施し、カテゴリ相関値を計算する。このとき、特徴ベクトルの各要素における相関演算は、カテゴリベクトルが評価値を有する要素に限って行われる。
【0086】
各カテゴリベクトルと、特徴ベクトルとのカテゴリ相関値は、カテゴリベクトルとともにカテゴリ相関結果比較手段390に送られる。カテゴリ相関結果比較手段390では、カテゴリ相関値が送られて来るたびに、カテゴリ相関結果比較手段390自身が保持しているカテゴリ相関値との比較を行う。そして比較の結果、カテゴリ相関値の大きい方だけ、その相関値とカテゴリベクトルを記憶する。
【0087】
全てのカテゴリ相関値について、比較が終了した後、最終的にカテゴリ相関結果比較手段390が有するカテゴリベクトルに相当するカテゴリに属するとして、撮影画像の被写体が分類される。
【0088】
このカテゴリベクトルに記述された被写体ベクトルのリストを参照して、このカテゴリに所属する被写体ベクトルが、被写体情報記憶手段365から呼び出され、特徴ベクトルとともに被写体特定手段325に送られる。
【0089】
被写体特定手段325では、特徴ベクトルと呼び出された被写体ベクトルとの間で、前述した相関度計算手段と同様に相関演算が行われる。そしてその相関値が相関結果比較手段335に送られ、相関値が予め定められたしきい値Th5と比較される。比較の結果、相関値がしきい値Th5以上となる被写体ベクトルについて、関連付けられた部位情報およびその優先度が一時記憶手段345に送られる。
【0090】
そして、全ての相関演算終了後に、一時記憶手段345に蓄えられている部位情報および優先度情報が引きだされ、優先度比較手段355によって最も優先度が高いと判断された部位情報が、画像処理条件選定手段40に送られる。もし、一時記憶手段から引きだされる部位情報が一つも存在しない場合、優先度比較手段355は、被写体情報記憶手段365に記憶されている全ての部位情報のうち、優先度が最も高い部位情報を読み出し、画像処理条件選定手段40に送る。
【0091】
また優先度比較手段365は、一時記憶手段から引きだされる部位情報は一つも存在しない場合、前記特徴ベクトルが所属すると判断されたカテゴリに属する部位情報のうち、最も優先度が高い部位情報を読み出すようにしてもよい。
【0092】
(d)画像処理条件選定、画像処理条件記憶および画像処理:
判別手段30によって得られた判別結果に基づき、画像処理条件選定手段40は、画像処理条件を記憶した画像処理条件記憶手段50から最適な画像処理条件を読み出す。
【0093】
そして、読み出された画像処理条件は、画像処理手段60に送られる。画像処理手段60では放射線画像生成手段10から送られてきた原画像と、この画像処理条件を用いて画像処理を行い、最終的な出力画像を得る。
【0094】
実施される画像処理としては、階調変換やエッジ強調、イコライゼーション処理、拡大/縮小処理およびそれらを組み合わせたものが実施される。
【0095】
また、撮影部位や方向によって、求められる画像処理の種類が異なることがある。たとえば、階調変換処理とエッジ強調処理等が該当する。そこで、上記のような画像処理を行う画像処理手段を複数準備しておき、判別手段によって得られた部位情報に基づき、最適な画像処理手段を選択して実行するようにしてもよい。
【0096】
この場合の画像処理条件は、単に入力信号値に対する出力信号値を記述したルックアップテーブル(LUT)やエッジ強調度等、直接的に画像を変換するためのパラメータだけを指すものではない。特開平5−7578号公報等に示されるような医師が読影するポイントに関心領域(ROI)を設定し、ROI内の画像情報を解析することで、より診断に適した階調変換が実行されるような処理を、撮影部位によって最適な結果が得られるよう複数準備しておき、それらの処理のうち、どれを使用するかを決定するような間接的なパラメータをも含むものとする。
【0097】
さらに、判別手段30によって得られた判別結果が一目でわかるよう、最終的に選択された部位情報は部位情報表示手段80にも送信され、部位および撮影方向が表示される。
【0098】
また、その際に、出力画像もしくは確認目的の表示用に出力画像を、画素数を減らす等して簡略化した簡易出力画像も同時に表示することが望ましい。
【0099】
(e)その他の実施の形態例
前述したように、HISやRISを通じて、被写体の部位情報が入力可能な場合もある。そこで外部から被写体部位情報を選択可能な部位情報選択手段70を設け、この手段から被写体部位情報が入力された場合、判別手段による判別結果よりも優先し、この被写体部位情報に基づいて最適な画像処理が選択されるようにすることが望ましい。
【0100】
また、前述したように、施設によって撮影される放射線画像の種類は異なることがある。そこで、前記被写体情報記憶手段に対して、被写体ベクトルや部位情報および優先度情報を追加したり、削除、編集ができる被写体情報入力手段を別途設けることが望ましい。このようにすることで、多種多様な環境にも対応が可能になる。
【0101】
以上のように、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できるようにすることで、より精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。また、撮影部位等が増えた場合にも簡単に対応することができる。
【0102】
また、以上の説明において、優先度は、被写体の部位および撮影方向毎の撮影頻度に基づいて決定することが望ましい。このように、優先度として撮影頻度を利用することで、より精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0103】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明では、撮影部位および撮影方向毎に設定された優先度を判別に利用することにより、被写体の特徴だけでは被写体を正しく認識し難い場合でも精度良く最適な画像処理条件を選択することができる。
【0104】
このため、放射線画像に対して、撮影された被写体の部位および撮影方向を正しく認識することによって、自動的に最適な階調処理条件を選択し、煩雑な操作無しに診断に最適な画像を自動的に得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態例の画像処理装置の主要部の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態例の画像処理装置の主要部の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態例における被写体領域の抽出の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 放射線画像形成手段
20 縮小画像生成手段
30 判別手段
40 画像処理条件選定手段
50 画像処理条件記憶手段
60 画像処理手段
70 部位情報選択手段
80 部位情報表示手段
Claims (12)
- 被写体を透過した放射線量を検出し、検出された放射線量に応じた放射線画像を形成する放射線画像形成ステップと、
形成された放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別ステップと、
被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化された複数の画像処理条件を記憶する画像処理条件記憶ステップと、
判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記画像処理条件記憶ステップで記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定ステップと、
読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理ステップと、を備え、
前記判別ステップでは被写体の部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別する、
ことを特徴とする画像処理方法。 - 前記判別ステップは、
前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成ステップと、
被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルと、それぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶ステップと、
生成された前記特徴ベクトルと、読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算ステップと、を有し、
前記相関度計算ステップにより求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する被写体の部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い部位および撮影方向として被写体を判別する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。 - 前記判別ステップは、
同様の撮影部位毎に分類された複数のカテゴリのうちのいずれかに前記被写体を分類するカテゴリ分類ステップと、
さらに分類されたカテゴリ内で該カテゴリに属する部位および撮影方向として前記被写体を特定する被写体特定ステップと、を有し、
該被写体特定ステップは、前記各カテゴリ毎に、所属する部位および撮影方向毎に設定された優先度を用いて、被写体を認識する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。 - 前記カテゴリ分類ステップは、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成ステップと、前記カテゴリ毎の特徴を表すカテゴリベクトルを予め記憶しておくカテゴリ情報記憶ステップと、前記特徴ベクトル生成ステップによって得られた前記特徴ベクトルに含まれる一部または全ての要素について、前記カテゴリ情報記憶ステップから読み出された前記カテゴリベクトルとで、相関度を計算するカテゴリ相関度計算ステップと、を有し、
該カテゴリ相関度計算ステップによって、相関度が最も高いと判断されたカテゴリに含まれるとして、前記被写体の所属カテゴリを決定するとともに、
前記被写体特定ステップは、部位および撮影方向毎の特徴を表す被写体ベクトルとそれぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶ステップと、該被写体情報記憶ステップから前記被写体が所属すると判断されたカテゴリに属する部位および撮影方向に関連する前記被写体ベクトルを読み出して、前記特徴ベクトルとの相関度を計算する被写体相関度計算ステップと、を有し、
該被写体相関度計算ステップにより求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い撮影部位および方向として被写体を認識する、
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。 - 前記優先度は、被写体の部位および撮影方向毎の撮影頻度に基づいて決定されたものである、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理方法。 - 前記被写体情報記憶ステップに対し、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できる被写体情報入力ステップを有する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理方法。 - 被写体を透過した放射線量を検出し、検出された放射線量に応じた放射線画像を形成する放射線画像形成手段と、
前記放射線画像形成手段で形成された放射線画像について被写体の部位および撮影方向を判別する判別手段と、
被写体の部位および撮影方向毎に予め最適化された複数の画像処理条件を記憶する画像処理条件記憶手段と、
前記判別手段で判別された被写体の部位および撮影方向に応じて、前記画像処理条件記憶手段に記憶された画像処理条件の中から最適なもの選定して読み出す処理条件選定手段と、
前記処理条件選定手段で読み出された画像処理条件に基づいて画像処理を行う画像処理手段と、を備え、
前記判別手段では被写体の部位および撮影方向毎に設定された優先度に基づいて被写体の部位および撮影方向を判別する、
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記判別手段は、
前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
被写体の部位および撮影方向による特徴を表す被写体ベクトルと、それぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、
前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルと、前記被写体情報記憶手段から読み出された前記被写体ベクトルとで、相関度を計算する相関度計算手段と、を有し、
前記相関度計算手段により求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する被写体の部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い部位および撮影方向として被写体を判別する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。 - 前記判別手段は、
同様の撮影部位毎に分類された複数のカテゴリのうちのいずれかに前記被写体を分類するカテゴリ分類手段と、
さらに分類されたカテゴリ内で該カテゴリに属する部位および撮影方向として前記被写体を特定する被写体特定手段と、を有し、
該被写体特定手段は、前記各カテゴリ毎に、所属する部位および撮影方向毎に設定された優先度を用いて、被写体を認識する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。 - 前記カテゴリ分類手段は、前記被写体の複数の特徴を抽出し、それらの特徴を各要素としてもつ特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、前記カテゴリ毎の特徴を表すカテゴリベクトルを予め記憶しておくカテゴリ情報記憶手段と、前記特徴ベクトル生成手段によって得られた前記特徴ベクトルに含まれる一部または全ての要素について、前記カテゴリ情報記憶手段から読み出された前記カテゴリベクトルとで、相関度を計算するカテゴリ相関度計算手段と、を有し、
該カテゴリ相関度計算手段によって、相関度が最も高いと判断されたカテゴリに含まれるとして、前記被写体の所属カテゴリを決定するとともに、
前記被写体特定手段は、部位および撮影方向毎の特徴を表す被写体ベクトルとそれぞれの優先度を予め記憶しておく被写体情報記憶手段と、該被写体情報記憶手段から前記被写体が所属すると判断されたカテゴリに属する部位および撮影方向に関連する前記被写体ベクトルを読み出して、前記特徴ベクトルとの相関度を計算する被写体相関度計算手段と、を有し、
該被写体相関度計算手段により求められた相関度が予め定められたしきい値以上となる部位および撮影方向が複数存在する場合には、該当する部位および撮影方向が有する前記優先度が最も高い撮影部位および方向として被写体を認識する、
ことを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。 - 前記優先度は、被写体の部位および撮影方向毎の撮影頻度に基づいて決定されたものである、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記被写体情報記憶手段に対し、外部から被写体ベクトルの追加,削除,変更できるともに、各部位および撮影方向毎の優先度を追加,削除,変更できる被写体情報入力手段を有する、
ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の画像処理装置。
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