JP3731345B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像形成と単色画像形成との切り換えが可能なタンデム型のカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルカラーの画像形成装置として、トナー色に対応して複数の作像ユニットを列設すると共に、各作像ユニットの転写位置に転写紙を転写用搬送ベルト(以下、単に「転写ベルト」という。)に静電吸着して搬送し、当該複数の作像ユニットで形成された各色のトナー画像を順次重ね合わせて転写してフルカラー画像を形成するいわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。
【0003】
このようなタンデム型の画像形成装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)用の4つの作像ユニットを有しており、にじみなどの防止のため、通常、ブラック用の作像ユニットが転写ベルトの用紙搬送方向の最下流側に配設されている。そして、転写ベルトの最上流部には、給紙部から給紙された転写紙を転写ベルトに吸着するための吸着帯電器が設置されており、この吸着帯電器の静電作用により転写紙を転写ベルト上に吸着させたまま搬送し、位置ずれのない状態で各作像ユニットにおける転写位置を通過させることにより、色ずれのない多重色のカラー画像を形成させるようにしている。
【0004】
転写ベルトの素材としては、自己除電を促すため半導電性の素材が使用されており、吸着帯電後の時間経過によりその表面電位が徐々に低下するようになっている。そのため、転写紙の静電吸着力も下流側に行くにつれて低下する結果となるが、カラー画像の形成の場合には、上記吸着用帯電器の外、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック用の作像ユニットにおける転写位置でも帯電されているため、一定以上の吸着力を維持したまま安定した状態で用紙を搬送し、定着装置方向に送出することができる。
【0005】
しかし、ブラックの単色画像のみを形成する場合に、最下流に配設されたブラックの作像ユニットの転写帯電器しか作用させないとすれば、上述の自己除電により、当該ブラックの作像ユニットの転写位置に転写紙が到達するまでに、静電吸着力が低下して転写紙の搬送ずれが生じたり、最悪の場合には紙詰まり(ジャム)が発生することも転写紙の種類や装置雰囲気の環境によっては生じる。
【0006】
このような問題を解消するため、例えば、特開平4−221982号公報には、ブラックのみの単色画像の形成時であっても、他色の作像ユニットの転写帯電器を動作させて、用紙の吸着力が低下するのを防ぐようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通常のオフィスにおいては、カラー画像を形成する回数に対してブラックのみの単色画像の形成回数が圧倒的に多く、上述のように単色画像形成時にも常に一律にカラー画像形成の場合と同回数だけ帯電処理を実行すれば、消費電力が増大すると共に転写ベルトの劣化を著しく早める結果となる。
【0008】
また、カラー画像形成装置には、カラー画像形成/単色画像形成の選択のほかにも種々のモードがあるが、転写ベルトへの転写紙の静電吸着回数をこれらの各モードの違いにも関わらず一律とすると、消費電力が増大すると共に転写ベルトの劣化を著しく早める結果となる。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、転写ベルトの短寿命化を極力防止することができるタンデム型の画像形成装置を提供することを目的とする。また、種々のモードに応じて転写ベルトへの転写材の静電吸着制御を適宜行い、転写ベルトの短寿命化を極力防止しつつ、各モードにおける記録媒体の搬送安定性を維持することのできるタンデム型の画像形成装置を提供することを更なる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、列設された複数の像担持体に各色の画像を形成し、これらの画像を、搬送体に静電的に吸着され所定のシステムスピードで搬送されてくる転写材に転写して多重色のカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記複数の像担持体を使用して転写材上にカラー画像を形成する第1のプリントモードと、前記複数の像担持体のうち転写材搬送方向上流側から2番目以降に配設された一の像担持体を使用して単色画像を形成する第2のプリントモードとに切り換えるモード切換手段と、前記搬送体の上流に配設され、給送されてきた転写材を当該搬送体上に静電吸着させるための吸着用帯電手段と、前記第2のプリントモードの実行時に、前記吸着用帯電手段と当該画像形成に関与する像担持体の転写位置との間で前記搬送体を帯電して転写材の吸着力を補充する補助帯電手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記補助帯電手段が、搬送体に所定の電荷を与えるための帯電部と、第1のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体から離間させ、第2のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体に接触させる帯電部移動手段とを備えることを特徴とする。
さらに、本発明は、第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、列設された複数の像担持体に各色の画像を形成し、これらの画像を、搬送体に静電的に吸着され所定のシステムスピードで搬送されてくる転写材に各像担持体ごとに設けられた転写帯電手段の静電力により転写して多重色のカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記複数の像担持体を使用して転写材上にカラー画像を形成する第1のプリントモードと、前記複数の像担持体のうち転写材搬送方向上流側から2番目以降に配設された一の像担持体を使用して単色画像を形成する第2のプリントモードとに切り換えるモード切換手段と、第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段と、転写材が、特別の種類の転写材であるか否かを判定する判定手段と、第2のプリントモードの実行時において、前記判定手段により転写材が特別の種類の転写材であると判定された場合に、前記システムスピードをより遅いシステムスピードに切り換えると共に、前記接離手段により前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させることにより搬送体に対する転写材の吸着力を増加させるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに、また、本発明は、前記判定手段が、転写材が普通紙でないときに特別の種類の転写材であると判定することを特徴とする。
また、さらに本発明は、前記一の像担持体が、黒色の画像形成用の像担持体であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型のフルカラー複写機(以下、単に「複写機」という。)について説明する。
参考例
(1)複写機における画像形成部の構成
図1は、本発明の参考例に係る複写機における画像形成部10の要部の構成を示す図である。
【0015】
同図に示すように画像形成部10は、駆動ローラ11と従動ローラ12に張架された転写ベルト13に沿って、搬送方向上流側からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)(以下、各再現色を単にC、M、Y、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのC、M、Y、Kを添字として付加する)の画像を形成するための作像ユニット20C〜20Kが等間隔に配設されて構成される。
【0016】
作像ユニット20C〜20Kは、それぞれ感光体ドラム21C〜21Kを中心にして、その周囲にクリーニングブレード22C〜22K、イレーサランプ23C〜23K、帯電チャージャ24C〜24K、現像器25C〜25Kを配設して構成されると共に、転写ベルト13を介して各感光体ドラム21C〜21Kと対向する位置に、転写ローラ26C〜26Kが配設される(図では、便宜上、正の電圧がすでに各転写ローラ26C〜26Kに印加された状態のものが開示されているが、実際は後述するように実行するプリントモードに応じて、各印加状態が制御部50によって制御される。)。
【0017】
図示しない画像読取部において原稿を色分解して読み取って得られたR、G、Bの画像データは、シェーディング補正などの所定の補正処理を受けたあと、C、M、Y、Kの再現色の印字データに変換される。各印字データに基づき、対応するレーザダイオードから変調されたレーザ光LC〜LKが出射され、それぞれ感光体ドラム21C〜21Kの表面を露光走査する。
【0018】
各感光体ドラム21C〜21Kが、レーザ光LC〜LKにより露光走査されるとその表面にそれぞれの再現色に対応した静電潜像が形成され、各現像器25C〜25Kによりトナーの供給を受けてトナー像を形成する。
各色のトナー像は、各転写位置において転写ローラ26C〜26Kの静電作用により、転写ベルト13上を搬送されてくる転写紙上に順次転写されていく。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が搬送されてくる転写紙Sの同じ位置に重ね合わせて転写されるように、用紙搬送方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0019】
転写紙Sは、図示しない給紙部からガイド板31に導かれて転写ベルト13上に給紙される。当該転写ベルト13への給紙位置には、吸着チャージャ32が配設され、ここで転写紙Sと転写ベルト13が帯電されて、その静電作用により転写紙Sが転写ベルト13の表面に吸着され、位置ずれのない状態で各感光体ドラム21C〜21Kの転写位置へと搬送されるようになっている。
【0020】
各再現色のトナー画像が多重転写されカラー画像が形成された転写紙Sは、定着装置33により熱定着された後、図示しない排紙トレイ上に排出される。
なお、図1におけるM1〜M4は、ステッピングモータであり、それぞれ転写ベルト駆動用モータ、感光体駆動用モータ、現像器駆動用モータ、定着装置駆動用モータを示している。転写ベルト駆動用モータM1や定着装置駆動用モータM4の駆動力は、それぞれ直接もしくはギヤ装置などの適当な減速機構を介して該当する駆動軸に伝達される。また、感光体駆動用モータM2の駆動力は、ウォームギヤなどのギヤ装置を介して各感光体ドラム21C〜21Kの回動軸に伝えられ、これらを所定の速度で回転するが、K以外の感光体ドラム21C〜21Yへの駆動力伝達経路の途中には電磁クラッチが介在されており、Kの単色画像を形成する場合には、このクラッチを切ることにより感光体ドラム21Kのみを回転させ、感光体ドラム21C〜21Yの回転を停止させるように制御部50により制御される。
【0021】
現像器駆動用モータM3の駆動力も同様にしてギヤ装置および電磁クラッチを介して各現像器25C〜25Kの駆動軸に伝達され、Kの単色画像形成時には、現像器25C〜25Yの駆動軸に至る動力伝達路に配されたクラッチを切って現像器25Kのみを駆動するように制御される。
また、70は、転写ベルトのクリーニングユニットであって、内部のクリーニングローラ71とクリーニングブレード72によって転写ベルト13表面に付着したトナーを除去し、転写紙Sの裏面が汚れないようにしている。
【0022】
さらに、複写機本体の上部の操作しやすい位置に配設された操作パネル40に使用者が所定の入力をし、この入力された内容に従って、制御部50で複写機各部の動作を統一的に制御することにより円滑に実行される。
以上では、4つの感光体を使用してカラー画像を形成するモード(以下、「カラープリントモード」という。)を実行する場合について説明したが、Kの単色画像を形成するモード(以下、「単色プリントモード」という。)を実行する場合には、上記ブラックの画像形成用の作像ユニット20Kのみを動作させ、他のC,M,Y用については上述の電磁クラッチを「切」の状態にして、感光体ドラム21C〜21Yや現像器25C〜25Yの回転を停止させて作像ユニット20C〜20Yが動作しないようにし、それら各部における摩耗などによる無駄な消耗を防止する一方、転写ローラ26C〜26Yへの電圧の印加も停止して節電すると共に単色画像形成時における転写ベルト13の帯電回数を減らしている。一般的に半導電性の材料は、繰り返し帯電されることによって帯電特性が変化し、帯電回数が増加するに連れて静電吸着力が劣化して安定的な用紙搬送ができなくなる。したがって、上記の如く単色画像形成時において帯電回数を減らすことは、転写ベルト13の劣化を防止する上で有効である。
【0023】
この際、感光体ドラム21C〜21Yの回転を停止させても、搬送される転写紙Sの走行に悪影響を及ぼさないように、転写ベルト13を下方に傾けて、感光体ドラム21C〜21Yと転写ベルト13の転写紙搬送面とを離間させるようになっている。
図2は、このような転写ベルトを離間する構成の一例を示す図である。
【0024】
駆動ローラ11と従動ローラ12は、揺動フレーム14(図では、説明の便宜上、揺動フレーム14は、各ローラ11,12の軸方向中央において切断した状態のものが示されている。)の側板140に回転自在に軸支され、この揺動フレーム14は、感光体ドラム21Kの回動軸211Kを中心に矢印A方向に揺動可能に保持される。
【0025】
揺動フレーム14は、図の右側端部において、引っ張りバネ15により上方に付勢される一方、その底板141上面には、カム板16の周面が当接しており、このカム板16が、ベルト退避用モータM5(図1)により回動されることにより、揺動フレーム14が矢印A方向に揺動し、転写ベルト13の転写紙搬送面が、感光体ドラム21C〜21Yから離間したり(以下、「退避」するという。)、圧接されたりする。なお、切り欠き142は、カム板16の駆動軸161が、揺動フレーム14の揺動動作の妨げにならないように設けられているものである。
【0026】
転写ベルト13が圧接位置にあるか退避位置にあるかは、例えば、揺動フレーム14がそれぞれの位置にあるときに、当該揺動フレーム14に係合して「オン」になるように2個のリミットスイッチを配設しておき、当該スイッチの出力信号を制御部50で検出することにより容易に判断できる。
なお、転写ローラ26C〜26K(図1)も揺動フレーム14上に設置されており、揺動フレーム14の揺動動作と共に移動するため、転写ローラ26C〜26Kと転写ベルト13の位置関係は変わらないようになっている。
【0027】
また、揺動フレーム14は、感光体ドラム21Kの回動軸211Kを中心に揺動するので、転写ベルト13と感光体ドラム21Kは、揺動フレーム14の揺動動作に影響を受けずに、常に圧接された状態となる。ただ、当該揺動動作に伴い、転写位置が若干感光体ドラム21Kの周方向に移動するので、その移動分だけ露光走査部による副走査方向の画像書込のタイミングを遅らすよう制御部50により制御される。
【0028】
転写ベルト13には、自己除電を得るために抵抗値が108〜1012オームの半導電性の素材(例えば、エチレン・テトラフルオロエチレレン共重合体(ETFE)やポリカーボネイト(PC))が素材として使用されており、これにより一旦帯電した転写ベルト13を除電するために大がかりな除電装置を設ける必要がなく、コストダウンを図ると共に装置のコンパクト化に貢献する。
【0029】
しかしながら、単色プリントモードの実行時には、上述のように画像形成に関与しない作像ユニット20C〜20Yの転写ローラ26C〜26Yを動作させていないので、吸着チャージャ32により転写紙Sが吸着帯電された後、感光体ドラム21Kの転写位置に到達するまでの間に自己除電により吸着力がかなり低下してしまう。
【0030】
図3(a)は、吸着チャージャ32での帯電後、自己除電により転写ベルト13の表面電位Vが時間と共に減衰する様子を示すグラフである。これに伴って転写紙Sの転写ベルト13への吸着力も図3(b)に示すように低下する。今、転写紙Sを吸着して位置ずれなく搬送できる吸着力の下限をP0(表面電位V0)、このときの帯電後の経過時間をt0とすれば、上記単色プリントモード実行時に、転写ベルト13が吸着チャージャ32で帯電された後時間t0が経過する前に転写ローラ26Kの位置まで到達しなければ、転写紙Sの位置ずれが生じ、転写紙Sの正しい位置に画像形成できないばかりか、転写紙Sが転写ベルト13の搬送面から浮いてしまうおそれがある。特に転写紙Sの先端部が転写ベルト13表面から浮いてしまうと、感光体ドラム21Kの転写位置にスムーズに突入することができず、ジャムが発生する。
【0031】
そこで、本参考例においては、単色プリントモード実行時には、転写ベルト13の走行速度(システムスピード)を速めて、吸着チャージャ32から感光体ドラム21Kまでの移動時間が、t0未満になるようにし、これに付随して感光体ドラム21Kや現像器25C〜25Kの現像ローラの回転速度および定着装置33の定着ローラ34の回転速度が速くなるように制御している。
【0032】
このようにすれば、減衰時間t0を経過する前に、転写ベルト13が再び転写ローラ26Kにより帯電されるので、吸着力をP0以上に保って、円滑なプリント動作を実現することが可能となる。
なお、カラープリントモード実行時は、精度よく各色のトナー像を重ね合わせて色ずれが発生しないようにするため、システムスピードを速くすることに一定の限界があるが、単色プリントモードにおいては、感光体ドラム21Kのみの転写位置における搬送精度のみを考えればよいので、上述のようにある程度システムスピードを速くしても画像劣化の問題は生じない。
【0033】
(2)制御部50の構成および制御動作
次に、図4を参照して上記制御部50の構成を説明する。
同図に示すように、制御部50は、CPU51、ROM52、RAM53、クロック発生回路54、帯電用高電圧回路55、転写用高電圧回路56、吸着用高電圧回路57、ベルト退避用モータM5の駆動回路58、クラッチ駆動回路59、その他の制御回路60、およびクロック発生回路54からの指示を受けて各ステッピングモータM1〜M4を駆動するための駆動回路541〜544とからなる。
【0034】
ROM52には、複写機における画像形成動作に関する制御プログラムが格納され、RAM53には、各種の制御変数および操作パネル40から入力されたプリントモードなどの設定内容が一時的に記憶される。
クロック発生回路54は、CPU51からの駆動信号および速度制御信号を受け、システムスピードをカラープリントモード時のV1と単色プリントモード時のV2に切り換えるため、各モータごとに速度V1,V2に応じた入力クロックを生成して該当するモータ駆動回路541〜544に送出する。
【0035】
モータ駆動回路541〜544は、当該入力クロックを受信するごとに対応するステッピングモータM1〜M4の励磁相を切り換えて駆動パルスを与え、所定の回転速度で駆動させる。
帯電用高電圧回路55、56は、カラープリントモード実行時には、帯電チャージャ24C〜24K、転写ローラ26C〜26Kに所定の電圧を印加し、単色プリントモード時には帯電チャージャ24K、転写ローラ26Kのみに所定の電圧を印加する。
【0036】
吸着用高電圧回路57は、吸着チャージャ32に所定の電圧を印加する。
また、モータM5駆動回路58は、実行されるプリントモードに応じてベルト退避用モータM5を駆動して、転写ベルト13を圧接状態/退避状態に切り換える。
クラッチ駆動回路59は、実行されるプリントモードに応じて上記感光体ドラム21C〜21Y、現像器25C〜25Yへの動力伝達路に設けられた磁気クラッチの入り切りを制御する。
【0037】
その他の制御回路60は、上記以外の例えば画像読取部の動作や、操作パネル40の表示部における表示内容および露光走査部の動作などを制御する。
そしてCPU51は、ROM52から必要なプログラムを読み出し、タイミングを取りながら上記各部を統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。次に、上記制御部50によるプリントモード切換処理の制御動作を図5のフローチャート基づき説明する。
【0038】
操作者が操作パネル40からプリントモードのほか、プリント枚数などを設定すると共に、画像読取部に原稿をセットしてスタートキーを押下する(ステップS101)。CPU51は、その設定内容からカラープリントモードが設定されているか否かを判断し(ステップS102)、カラープリントモードが設定されていなければ、単色プリントモードを実行すべく転写ベルト退避処理を実行する(ステップS103)。この転写ベルト退避処理においては、現在の転写ベルトの位置を検出し、退避位置になければ、ベルト退避用モータM5を駆動して転写ベルト13を退避状態に設定する。
【0039】
そして、画像形成に関与しないC、M、Yの作像ユニット20C〜20Yの動作を停止させて(従って、帯電チャージャ24C〜24Yも出力されない)、作像ユニット20Kのみを動作させると共に、その帯電チャージャ24K、および吸着チャージャ32の出力を高レベルに設定し(ステップS104,S105)、システムスピードを高速のV2に設定する(ステップS106)。
【0040】
このシステムスピードV2は上述したように、吸着チャージャ32から感光体ドラム21Kの転写位置まで移動する時間が図3(b)におけるt0未満になるように設定される。もちろん、このt0の大きさは、転写ベルト13に使用される素材の導電性や吸着チャージャ32におけるバイアス電圧の大きさなどによって変化するが、本参考例においては上記諸条件を勘案した上、システムスピードV2を、300mm/秒に設定している。
【0041】
なお、システムスピードの増加に併せて帯電チャージャ24Kや吸着チャージャ32におけるバイアス電圧も増加させているのは、感光体ドラムや転写ベルトに付与される単位面積当たりの電荷量がカラープリントモード時より低くなって画像濃度が低下しないようにするためであり、そのために予め求められた高めのバイアス電圧値が帯電用高電圧回路55、吸着用高電圧回路57内に設定されており、CPU51からの指示により当該バイアス電圧を印加する。
【0042】
システムスピードの増加に連れて、レーザ光LC〜LKによる走査速度や定着装置33における定着ローラの回転速度も増大させる必要があり、また、転写濃度も適正になるように転写用高電圧回路56によって印加される転写ローラ26Kに対するバイアス電圧も高めに設定しておく方が望ましい。
また、ステップS102において、カラープリントモードが設定されていると判断された場合には、転写ベルト圧接処理を実行する(ステップS107)。この処理においては、現在の転写ベルト13の位置を判断して、これが退避位置にある場合に、ベルト退避用モータM5を駆動して転写ベルト13を圧接状態に設定する処理を実行する。
【0043】
そして、全ての作像ユニット20C〜20K(転写ローラ26C〜26K含む。)を動作させると共に、その帯電チャージャ24C〜24K、吸着チャージャ32の出力を従来のカラープリントと同じ中レベルに設定し(ステップS108,S109)、システムスピードをV1に設定する(ステップS110)。
このシステムスピードV1は、カラー画像形成に際し色ずれなどが生じない程度の速さに設定されており、本参考例では150mm/秒としている。
【0044】
以上のプリントモード切換え処理の後、複写機全体のメインルーチン(不図示)にリターンしてプリント動作を実行することになる。
このように、単色プリントモード実行時には、システムスピードを高速に設定することにより、吸着チャージャ32から感光体ドラム21Kの転写位置までの搬送時間が短縮され、自己除電により用紙の吸着力が下限以下に落ちる前に当該転写位置に到達するので、位置ずれにより画像形成位置がずれたり、ジャムが発生することがなくなる。しかも、従来の複写機に比べて単色プリントモードにおける処理速度を向上させることができるという利点もある。
(第の実施の形態)
上記参考例においては、単色プリント時にシステムスピードを上げることにより、帯電回数を減らしつつ転写紙の搬送不良を解消したが、この第の実施の形態においては、単色プリントモードにおけるシステムスピードを上げることなく、補助吸着装置を設けることにより上記問題を解消している。
【0045】
図6は、第の実施の形態に係る複写機における画像形成部の要部の構成を示す図である。同図においては単色プリントモード時に転写ベルト13を退避させた状態が示されており、図1と同じ符号を付したものは、同じ構成要素を示しているのでその説明は省略する。また、各駆動用モータM1〜M5などは図示を省略している。
【0046】
同図に示すように感光体ドラム21Mと21Yの中間の位置には、補助吸着装置80が設けられており、単色プリントモード実行時にこの位置を通過する転写紙Sおよび転写ベルト13を補助帯電ローラ81と支持ローラ82で挟持して帯電することにより静電吸着力を補充するようにしている。このため、転写紙Sは位置ずれなく感光体ドラム21Kの転写位置まで確実に搬送される。しかも、1回の画像形成における帯電回数も吸着チャージャ32を含めても3回だけで済むので、従来の5回に比べて転写ベルト13の寿命を延ばすことが可能となる。
【0047】
図7は、この補助吸着装置80における補助帯電ローラ81および支持ローラ82の保持機構の一例を示す拡大図である。
補助帯電ローラ81と支持ローラ82は、それぞれ両端部においてアーム83,84によって軸支されており、各アーム83,84は、揺動フレーム14に設けられた長穴144、145を介して、ピン831,841により側板140の外側に配されたの固定フレーム(不図示)に軸支されている。
【0048】
また、アーム83,84の長手方向に設けられた長穴832.842には、揺動フレーム14の側板140に立設されたピン143が係合している。図は、揺動フレーム14が圧接位置にある状態を示しており、この状態では、補助帯電ローラ81、82は、転写ベルト13表面から離間して当該転写ベルト13に余計な走行負荷をかけないようになっている。そして、単色プリントモードに切り換えるべく揺動フレーム14を下方に揺動させると、ピン143も下方に下がるので、アーム83は補助帯電ローラ81を上方に押し上げる方向に揺動すると共にアーム84は、支持ローラ82を下方に押し下げる方向に揺動し、これにより、揺動フレーム14が退避位置に到達したときに、補助帯電ローラ81と支持ローラ82が当該転写ベルト13の表裏から挟み込むように接触し、効果的に転写ベルト13を帯電できるようになっている。
【0049】
従って、アーム83,84の長さや、その軸支位置、長穴832、842の寸法などは、退避位置で補助帯電ローラ81、支持ローラ82が丁度当該転写ベルト13を上下から挟んで圧接する状態になるように設定されるが、各軸支部や長穴にある程度の遊びを設けておいて、バネなどの弾性部材で当該転写ベルト13を挟む方向にアーム83、84を付勢しておくと、より確実にこの圧接動作を実現することができる。
【0050】
なお、揺動フレーム14の揺動に伴って補助帯電ローラ81を接離させる機構は、上記のものに限られないのはもちろんであり、他のクランク機構や、ソレノイドなどのアクチュエータ、カム機構などを用いて構成することも可能である。
本第の実施の形態における制御部の構成は、ほぼ図4で示した構成と同じであり、ただ、補助帯電ローラ81に電圧を印加するための高電圧回路が追加されるだけなので、図示を省略する。
【0051】
図8は、本実施の形態におけるプリントモード切換処理における制御動作を示すフローチャートである。
操作者が操作パネル40からプリントモードのほか、プリント枚数などを設定すると共に、画像読取部に原稿を載置してスタートキーを押下する(ステップS201)。CPU51は、その設定内容からカラープリントモードが設定されているか否かを判断し(ステップS202)、カラープリントモードが設定されていなければ、単色プリントモードを実行すべく転写ベルト退避処理を実行する(ステップS203)。この処理においては、現在の転写ベルトの位置を検出し、退避位置になければ、ベルト退避用モータM5を駆動して転写ベルト13を退避状態に設定する。
【0052】
上述したようにこの揺動フレーム14の退避動作に追随して補助帯電ローラ81、支持ローラ82が当該転写ベルト13を表裏から挟み込むようにして圧接し、転写ベルト13を帯電して静電吸着力を付与するようになっている(ステップS204)。
そして、画像形成に関与しない作像ユニット20C〜20Y(転写ローラ26C〜26Yを含む)の動作を停止させ、作像ユニット20Kのみを動作させると共に、帯電チャージャ24K、吸着チャージャ32の出力を中レベルに設定し(ステップS205,S206)、システムスピードを中速のV1に設定する(ステップS207)。
【0053】
また、ステップS202において、カラープリントモードが設定されていると判断された場合には、転写ベルト圧接処理を実行する(ステップS208)。この処理においては、現在の転写ベルト13の位置を判断して、これが退避位置にある場合に、ベルト退避用モータM5を駆動して転写ベルト13を圧接状態に設定する。
【0054】
この際、揺動フレーム14の圧接動作に追随して補助帯電ローラ81、支持ローラ82が当該転写ベルト13から離間する(ステップS209)。
そして、全ての作像ユニット20C〜20Kや現像器25C〜25Kを作動させると共に、帯電チャージャ24C〜24K、吸着チャージャ32の出力を中レベルに設定し(ステップS210,S211)、システムスピードをV1に設定する(ステップS212)。
【0055】
以上のプリントモード切換え処理の後、複写機全体のメインルーチンにリターンしてプリント動作を実行することになる。
このように単色プリントモード時に、補助吸着装置80により静電吸着力を補充することにより、参考例のようにシステムスピードを上げなくても転写紙が感光体ドラム21Kの転写位置に搬送されるまで一定以上の吸着力が維持されることになり、位置ずれやジャムの発生がなくなる。
【0056】
なお、本実施の形態では、補助吸着装置80は1個しか設けていないが、必要に応じて2個適当な位置に配置してもよい。この場合でも1枚の画像形成に対し転写回数が従来の5回より少ない4回で済むので、転写ベルト13の寿命を延ばす効果はある程度得られる。
また、単色プリントモードにおいて全ての転写紙の種類に一律に補助吸着装置80による静電吸着を行う必要はない。たとえば、転写紙の静電容量に応じて上記静電吸着を実行するか否かを決定するようにしてもよい。転写紙自体の素材による静電容量のほか、湿気を含んでいるか否かによっても転写紙の静電容量は変化するため、転写紙の種類のほか、転写紙の湿気に応じて上記静電吸着を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
(第の実施の形態)
上述の参考例、第の実施の形態においては、転写紙として、通常オフィスでよく使用される厚さ約100〜150μmの普通紙を使用する場合を前提として説明した。
【0057】
しかし、厚紙やOHP(オーバ・ヘッド・プロジェクタ)用のフィルムシート(以下、単に「OHPシート」という。)を転写紙として使用する場合には、その定着に多くの熱量が要求されるので、定着を確実に実行するためにシステムスピードを通常のシステムスピードより遅く設定する方が望ましい。
そうすると単色プリントモード実行時に吸着チャージャ32から感光体ドラム21Kの転写位置に到達するまでにますます時間を要し、静電吸着力が図3(b)に示すP0以下となりジャムの発生するおそれがますます大きくなる。
【0058】
この場合に対処するのが本実施の形態である。
この第の実施の形態においては、画像形成部や制御部の構成は、上記参考例とほぼ同じであり、ただ、操作パネル40にOHPシートや厚紙を転写材として使用する場合の用紙入力部(不図示)が設けられている点と、プリントモード切換における制御部50による制御内容が異なっているだけである。
【0059】
そこで、画像形成部や制御部の構成の説明は省略して、本実施の形態特有のプリントモード切換処理時の動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。
操作者が操作パネル40からプリントモードのほか、プリント枚数および転写材の種類(例えば、OHPシート)を指定し、画像読取部に原稿をセットしてスタートキーを押下する(ステップS301)。CPU51は、まず、カラープリントモードに設定されているか否かを判断する(ステップS302)。カラープリントモードが設定されていなければ、次に、使用される転写紙が普通紙であるか否かを判断する(ステップS303)。この判断は、上記操作パネル40からの設定内容に基づきなされ、OHPシートが設定されていなければ普通紙であると判断される。
【0060】
普通紙であれば、これに単色プリントモードを実行すべく転写ベルト退避処理を行って(ステップS304)、転写ベルト13を退避状態にする。
そして、画像形成に関与しないC、M、Yの作像ユニット20C〜20Y(転写ローラ26C〜26Y含む。)の動作を停止させ、作像ユニット20Kのみを動作させると共に、帯電チャージャ24Kおよび吸着チャージャ32の出力は従来のカラープリントと同じ中レベルに設定し(ステップS305,S306)、システムスピードも中速のV1に設定する(ステップS307)。
【0061】
また、ステップS303において、普通紙でないと判断された場合には、ステップS312に移り、転写ベルトを圧接状態にして(ステップS312)、全ての作像ユニット20C〜20K(転写ローラ26C〜26K含む。)を作動させる(ステップS313)。
この際、帯電チャージャ24C〜24K、吸着チャージャ32の出力を従来のカラープリントより低いレベルに設定し(ステップS314)、システムスピードを低速のV3に設定する(ステップS315)。
【0062】
このシステムスピードV3は、定着装置の発熱量とOHPシート(もしくは厚紙)におけるトナーの定着に必要な熱量を考慮し、ある程度の枚数を連続して定着可能な速度に設定され、本実施の形態では、約100mm/秒に設定される。このようにシステムスピードの減少に併せて帯電チャージャ24C〜24Kや吸着チャージャ32における出力も低下させているのは、単位時間内に感光体ドラムや転写ベルトに付与される単位面積当たりの電荷量が普通紙の場合よりも高くなって転写濃度が高くならないようにするためであり、予め実験などにより適当な値が設定されている。
【0063】
また、システムスピードの低下に連れて、当然レーザ光LC〜LKによる走査速度や定着装置33の定着ローラの回転速度も減少させる必要があり、また、転写濃度も適正になるように転写用高電圧回路56によって画像形成に関与する転写ローラに対するバイアス電圧も低めに設定しておく方が望ましい。
一方、ステップS302において、カラープリントモードに設定されている場合には、転写ベルト圧接処理を実行して(ステップS308)、転写ベルト13を圧接状態に設定する。
【0064】
そして、全ての作像ユニット20C〜20K(転写ローラ26C〜26Y含む。)を作動させると共に、その帯電チャージャ24C〜24K、吸着チャージャ32の出力を中レベルに設定し(ステップS309,S310)、システムスピードを中速のV1に設定し(ステップS311)、これによりフルカラーの画像を形成する。
【0065】
上述のように本実施の形態では、単色プリントモードが設定されている場合において、転写材が普通紙以外のOHPシートや厚紙のときには、その定着性を確保するため、システムスピードをV3に落とすと共に揺動フレーム14を圧接状態にして全ての作像ユニット20C〜20Kを作動させているので、単色プリントモードの場合に通常は画像形成に関与しないC,M,Yの転写ローラ26C〜26Kにバイアス電圧を印加して帯電することになり、これにより静電吸着力が補充される。
【0066】
したがって、吸着チャージャ32で転写ベルト13に保持された記録シートの吸着力を一定以上に維持したまま、感光体ドラム21Kの転写位置まで確実に搬送することができ、位置ずれやジャムの発生のおそれがなくなる。
しかも、OHPシートや厚紙を使用する回数は、それほど多くなく、圧倒的に多い普通紙への単色プリントモード実行時においては、1回の画像形成動作において2回の帯電しかしないので、転写ベルト13の寿命は、全ての場合に5回帯電する従来例に比べて延びることになる。
【0067】
なお、厚紙やOHPシートを使用して単色プリントモードを実行する場合にも全ての作像ユニット20C〜20Kを動作させるといっても、作像ユニット20C〜20Yに対応する露光走査部は動作させる必要はないし、イレーサランプ23C〜23Yや帯電チャージャ24C〜24Yも動作させる必要はない。また、吸着力を補充するための転写ローラ26C〜26Yについても、そのうち少なくとも一つの転写ローラが所定の出力で動作すれば静電吸着力の補充の目的を達成できる。一つだけの転写ローラを作動させる場合には吸着チャージャ32と感光体ドラム21Kのほぼ中間に位置する転写ローラ26Mを作動させた方が効果的である。
【0068】
また、本実施の形態においては、転写の種類の設定は、操作者が操作パネル40から入力することにより行われたが、給紙される転写紙の種類を検出して自動的にモードを決定するようにすることも可能である。例えば、通常、OHPシートや厚紙は、用紙カセットとは別に設けられた手差しトレイから給紙される場合が多いので、当該手差しトレイにリミットスイッチなどの適当なセンサを設け、ここに何か転写材がセットされたことを検出すると転写材としてOHPシートか厚紙がセットされたと判断するようにしてもよい。
(変形例)
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されないのは言うまでもなく、以下のような変形例を考えることができる。
【0069】
(1)上記各実施の形態においては、第の実施の形態で転写紙がOHPシートであるような場合を除き、単色プリントモード実行時には転写ベルト13を画像形成に関与しない感光体ドラム21C〜21Yから離間させて、これにより作像ユニット20の動作を完全に停止可能としており、これら各部の無駄な消耗を防止することができるという効果があるが、単色プリントモード時の転写回数を減らして転写ベルトの寿命を延ばすという課題を解決するためには、これらの離間動作は必ずしも必要ではなく、転写ベルト13に接触させた状態で感光体ドラム21C〜21Kを回転させておき、転写ローラ26C〜26Yは出力させないようにしておくだけでもよい。
【0070】
(2)なお、上記実施の形態では、単色プリントモード時に、画像形成に関与しない感光体ドラムと転写ベルトを接離するため、従動ローラ12を軸支する揺動フレーム14をカム機構により上下に揺動駆動させたが、この揺動駆動の手段は、カム機構に限定されずその他の各種のアクチュエータであってもよい。また、転写ベルト13の方を移動させるのではなく、感光体ドラムの方を上方に移動させて転写ベルトと感光体ドラムを離間させる構成とすることも可能である。
【0071】
(3)プリントモードの設定は、上述のように操作者が操作パネル40から入力操作するものに限定されず、例えば、原稿読取部で読み取った原稿の画像データに基づき当該原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判断する原稿判別部を設けて、この判別結果に基づいて自動的にプリントモードを設定できるようにしてもよい。当該原稿判別の方法としては、画像読取部で得られた画素ごとのR、G、Bの画像データから彩度データを求め、このうち所定の彩度を有する画素をカウントし、そのカウント数が、原稿1頁全体の画素数に対して所定の割合(例えば、0.1%)に達したときに、カラー原稿であると判別するようにすればよい。
【0072】
(4)上記実施の形態では、フルカラーのタンデム型複写機について説明したが、本発明は、複写機に限らず、レーザプリンタやファクシミリを含むタンデム型のカラー画像形成装置一般に適用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、タンデム型の画像形成装置において、第2のプリントモードに切り換えて単色画像を形成する際に、当該単色画像形成に関与する像担持体の転写位置と転写材を静電吸着するための吸着用帯電手段との間で、前記搬送体を帯電して転写材の吸着力を補充する補助帯電手段を設けているので、画像形成に関与しない像担持体に対応した転写帯電手段を出力しなくても、搬送体の転写材の静電吸着力を所定値以下に低下させることなく、画像形成に関与する像担持体の転写位置まで確実に搬送することが可能となる。これにより単色画像の形成時における帯電回数を減少でき、搬送体の帯電特性の劣化による寿命の短縮化を避けつつ、静電吸着力の減少に起因する転写材の位置ずれやジャムの発生を効果的に防止することができる。
【0075】
また、本発明は、前記補助帯電手段が、搬送体に所定の電荷を与えるための帯電部と、第1のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体から離間させ、第2のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体に接触させる帯電部移動手段を備えているので、単色画像形成時には帯電部が搬送体に接触して効率的に帯電できると共に、カラー画像形成時には帯電部が搬送体から離間して当該搬送体の走行に不要な負荷をかけず、また、搬送体と帯電部双方に無駄な摩耗が生じないようにすることができる。
【0076】
さらに、本発明は、第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段を備えており、これにより単色画像を形成する際に転写材の搬送に支障は生じない状態で、画像形成に関与しない像担持体の動作を停止させることができ、これらの無駄な消耗を防止することができる。
【0077】
また、本発明は、タンデム型の画像形成装置において、第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段と、転写材が、特別の種類の転写材であるか否かを判定する判定手段とを備えており、第2のプリントモードの実行時において、前記判定手段により転写材が特別の種類の転写材であると判定された場合には、システムスピードをより遅いシステムスピードに切り換えると共に、前記接離手段により前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させることにより搬送体に対する転写材の吸着力を増加させるようにしているので、第2のプリントモードの実行時に転写材として普通紙以外の特別な転写材、例えば、OHPシートや厚紙を使用する場合でも、定着装置の発熱量を増加せずにその定着性を維持できると共に、一定以上の静電吸着力を保ったまま、画像形成に関与する像担持体の転写位置まで確実に搬送することが可能となる。
【0078】
また、単色プリントモードにおいて普通紙を使用する場合には、画像形成に関与しない像担持体に対応する転写帯電手段は出力させなくてもよく、その分帯電回数が少なくなって、搬送体の寿命の短縮化を阻止できる。
また、本発明は、第2のプリントモードで使用される一の像担持体が、黒色の画像形成用の像担持体であり、重要の多い黒色のみの画像形成を効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例に係るタンデム型のフルカラー複写機の画像形成部の構成を示す図である。
【図2】上記画像形成部における転写ベルトの退避機構の構成を示す図である。
【図3】転写ベルトの自己除電による表面電位および静電吸着力の減衰の様子を示す図である。
【図4】上記複写機内に設置される制御部のブロック図である。
【図5】 参考例における制御部によるプリントモード切換処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第の実施の形態に係るタンデム型のフルカラー複写機の画像形成部の構成を示す図である。
【図7】補助帯電ローラの保持機構の構成を示す図である。
【図8】 第の実施の形態における制御部によるプリントモード切換処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】 第の実施の形態における制御部によるプリントモード切換処理の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像形成部
13 転写ベルト
14 揺動フレーム
20C〜20K 作像ユニット
21C〜21K 感光体ドラム
26C〜26K 転写ローラ
32 吸着チャージャ
33 定着装置
40 操作パネル
50 制御部
M1 転写ベルト駆動用モータ
M2 感光体駆動用モータ
M3 現像器駆動用モータ
M4 定着装置駆動用モータ
M5 ベルト退避用モータ

Claims (6)

  1. 列設された複数の像担持体に各色の画像を形成し、これらの画像を、搬送体に静電的に吸着され所定のシステムスピードで搬送されてくる転写材に転写して多重色のカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記複数の像担持体を使用して転写材上にカラー画像を形成する第1のプリントモードと、前記複数の像担持体のうち転写材搬送方向上流側から2番目以降に配設された一の像担持体を使用して単色画像を形成する第2のプリントモードとに切り換えるモード切換手段と、
    前記搬送体の上流に配設され、給送されてきた転写材を当該搬送体上に静電吸着させるための吸着用帯電手段と、
    前記第2のプリントモードの実行時に、前記吸着用帯電手段と当該画像形成に関与する像担持体の転写位置との間で前記搬送体を帯電して転写材の吸着力を補充する補助帯電手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記補助帯電手段は、
    搬送体に所定の電荷を与えるための帯電部と、
    第1のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体から離間させ、第2のプリントモードの実行時に前記帯電部を搬送体に接触させる帯電部移動手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 列設された複数の像担持体に各色の画像を形成し、これらの画像を、搬送体に静電的に吸着され所定のシステムスピードで搬送されてくる転写材に各像担持体ごとに設けられた転写帯電手段の静電力により転写して多重色のカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記複数の像担持体を使用して転写材上にカラー画像を形成する第1のプリントモードと、前記複数の像担持体のうち転写材搬送方向上流側から2番目以降に配設された一の像担持体を使用して単色画像を形成する第2のプリントモードとに切り換えるモード切換手段と、
    第1のプリントモードの実行時には、前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させ、第2のプリントモードの実行時には、画像形成に関与しない像担持体と前記搬送体の搬送面とを離間させる接離手段と、
    転写材が、特別の種類の転写材であるか否かを判定する判定手段と、
    第2のプリントモードの実行時において、前記判定手段により転写材が特別の種類の転写材であると判定された場合に、前記システムスピードをより遅いシステムスピードに切り換えると共に、前記接離手段により前記搬送体の転写材搬送面と全ての像担持体とを接触させることにより搬送体に対する転写材の吸着力を増加させるように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記判定手段は、転写材が普通紙でないときに特別の種類の転写材であると判定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記一の像担持体は、黒色の画像形成用の像担持体であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
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