JP3731235B2 - 車両の運動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の運動制御装置に関し、特に、少くとも推定車体速度及び車輪速度に基づき各車輪に付与する制動力を所定の特性に制御する車両の運動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
近時の車両は、アンチスキッド制御をはじめ、トラクション制御、前後制動力配分制御、制動操舵制御等種々の制御機能を有している。これらの制御において、重要な制御基準となるのが推定車体速度である。例えば、各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する全輪制御のアンチスキッド制御装置において、各車輪の車輪速度を検出し、そのうちの最大車輪速度から推定車体速度を演算し、これに基づき制御基準速度を設定する装置が知られている。
【0003】
更に、特開平3−159854号公報においては、各車輪毎に推定車体速度を演算し、異径タイヤ装着時や車両旋回時における車輪速度の内外輪差等に起因するブレーキ液圧の過剰減圧作動を防止することを目的とし、推定車体速度設定手段を、各車輪のうち演算対象を除く少くとも一部の車輪の推定車体速度の減少率に応じて各車輪毎に推定車体速度を演算することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記公報に記載の手段を含み、何れの推定車体速度演算手段においても、(特にシフトダウンによる)エンジンブレーキ時、旋回時、制動時等において、各車輪の軌跡差、タイヤに生ずる変形等が考慮されていないので、スリップ率が過大又は過小評価されることになり、適切な制御を行なうことが困難となる。正確なスリップ率を求める手段としては、対地速を直接計測する手段を設けることも可能であるが、対地速センサは高価であるためコストアップとなる。
【0005】
そこで、本発明は車両の運動制御装置において、高価なセンサを必要とすることなく最適な車輪速度に基づき適切な推定車体速度を演算し所望の運動制御を行ない得るようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の運動制御装置は、請求項1に記載し図1に構成の概要を示したように、車両の各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出する車輪速度検出手段WSと、車両の推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段ESと、少くとも推定車体速度演算手段ESが演算した推定車体速度及び車輪速度検出手段WSの検出車輪速度に基づき各車輪に付与する制動力を制御する制動力制御手段BCとを備えている。そして、車輪速度検出手段WSが検出した各車輪の車輪速度のうち、制動力制御手段BCによる制御の形態が制動操舵制御の場合、車両の左右旋回方向に対応した左右前輪の何れか一方の車輪速度に基づいて、推定車体速度の演算に最適な車輪速度を選択する最適車輪速度選択手段SLと、この最適車輪速度選択手段SLの選択した最適車輪速度に基づき車両の重心位置における車両の進行方向の車体速度を演算する重心位置車体速度演算手段GVとを備え、この重心位置車体速度演算手段GVの演算結果に基づき推定車体速度演算手段ESが各車輪における推定車体速度を演算するように構成したものである。
【0008】
あるいは、請求項2に記載のように、制動力制御手段BCによる制御の形態が前後制動力配分制御の場合には、左右前輪の車輪速度の大小比較を行い、大と判定された車輪速度に基づいて、前記最適な車輪速度を選択するとよい。そして、前記左右前輪の車輪速度が一致する場合には、請求項3に記載のように、左前輪の車輪速度に基づいて前記最適な車輪速度を選択すればよい
【0009】
尚、上記の構成に加え、図1に破線で示したように、更に車両の運動状態を検出する車両状態検出手段DCと、この車両状態検出手段DCの検出結果に応じて車輪速度検出手段WSの検出車輪速度に対し所定の補正を行なう車輪速度補正手段WAとを備えたものとし、この車輪速度補正手段WAによって補正した車輪速度に基づき推定車体速度演算手段ESが各車輪における推定車体速度を演算するように構成することができる。更に、車両状態検出手段DCの検出結果に基づき、車両の旋回時における車両の重心と各車輪との軌跡差を演算する軌跡差演算手段TRを備えたものとし、車輪速度補正手段WAが、軌跡差に応じて車輪速度検出手段WSの検出車輪速度を補正するように構成することができる。例えば、車両旋回時の車体横すべり角を演算し、これに応じて検出車輪速度を補正することにより、軌跡差に起因する車輪速度の誤差を低減することができる。
【0010】
また、図1に破線で示したように、車両状態検出手段DCの検出結果に基づき、車両の運動状態における各車輪のタイヤに対する荷重移動を検出する荷重移動検出手段WTを備えたものとし、車輪速度補正手段WAが、荷重移動検出手段WTの検出結果に応じて車輪速度検出手段WSの検出車輪速度を補正するように構成することもできる。このように、荷重移動の検出結果に応じて検出車輪速度を補正することにより、タイヤの撓みに起因する車輪速度の誤差を低減することができる。
【0011】
更に、図1に破線で示したように、車両状態検出手段DCの検出結果に基づき、車両の制動作動を検出する制動作動検出手段BDを備えたものとし、車輪速度補正手段WAが、制動作動検出手段BDの検出結果に応じて車輪速度検出手段WSの検出車輪速度を補正するように構成することもできる。例えば、マスタシリンダ液圧の検出結果に応じて検出車輪速度を補正することにより、制動時に生ずる車輪速度の誤差を低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は本発明の運動制御装置の一実施形態を示すもので、本実施形態のエンジン(図示せず)はスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置(図示せず)を備え、スロットル制御装置THにおいてはアクセルペダル(図示せず)の操作に応じてメインスロットル開度が制御される。また、電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装置THのサブスロットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置(図示せず)が駆動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。そして、本実施形態では後輪駆動方式が採用されている。
【0013】
次に、制動系については、車輪FR,FL,RR,RLに夫々ホイールシリンダWfr,Wfl,Wrr,Wrlが装着されており、これらのホイールシリンダWfr等はモジュレータMDを介してマスタシリンダMCに接続されている。尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪を示しており、本実施形態では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分された前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよい。マスタシリンダMCはブレーキペダルBPの操作に応じてマスタシリンダ液圧を出力し、モジュレータMDは各車輪毎のホイールシリンダ液圧を制御するものである。モジュレータMDは種々の電磁弁を組み合わせて成る一般的な構成で、種々の態様のものを用いることができる。
【0014】
図2に示すように、車輪FR,FL,RR,RLには車輪速度センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブレーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチBS、トランスミッションのシフト位置に応じたシフトポジション信号を出力するシフトセンサSF、車両前方の車輪FR,FLの舵角θf を検出する操舵角センサSSf、車両の前後及び横加速度を検出する前後横加速度センサGS及び車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYS、メインスロットル開度センサMT、サブスロットル開度センサST、マスタシリンダ液圧センサPS、各車輪に対する荷重を検出する荷重センサWT等が電子制御装置ECUに接続されている。
【0015】
ヨーレイトセンサYSにおいては、車両重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨーレイトγとして電子制御装置ECUに出力される。尚、従動輪側の左右の車輪(後輪駆動車であれば車輪FR,FL)の車輪速度差Vfd(=VwFR −VwFL )に基づきヨーレイトγを推定することができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省略することができる。また、静荷重(車両停止時の車輪に対する荷重)及び前後横加速度に基づき車両運動時の車輪に対する荷重を推定することができるので、前後横加速度センサGSの検出出力を利用することとすれば荷重センサWTを省略することができる。更に、車輪RR,RL間に舵角制御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これによれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示せず)によって車輪RR,RLの舵角を制御することもできる。
【0016】
本実施形態の電子制御装置ECUは、図2に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポートIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコンピュータを備えている。上記車輪速度センサWS1乃至WS4等の出力信号は増幅回路(図示せず)を介して夫々入力ポートIPTからプロセシングユニットCPUに入力されるように構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動回路(図示せず)を介してスロットル制御装置TH及びモジュレータMDに夫々制御信号が出力されるように構成されている。マイクロコンピュータにおいては、メモリROMは図4乃至図9に示したフローチャートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシングユニットCPUは図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイクロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続することとしてもよい。
【0017】
図3は上記電子制御装置ECUの処理機能のうち特に推定車体速度の演算処理を示した機能ブロック図で、従来は各車輪の車輪速度から推定車体速度を演算することとしていたのに対し、本実施形態では最適な一輪を選択し、その車輪速度に対し補正処理を行ない、これに基づき、軌跡差に応じて車両の重心位置での推定車体速度を演算した後、この重心位置推定車体速度を各車輪に振り分けるというものである。
【0018】
ブロックB1では車輪速度センサWS1乃至WS4の出力信号の各車輪速度Vw** (**は車輪FL,FR,RL,RR を代表して表す)に対し加速度制限が行なわれる。加速度制限とは、検出車輪速度が一定の加速度(及び減速度)の変動範囲を超える場合には、この範囲内の値に制限するものであり、具体的な演算方法については後述する。ブロックB2においては、加速度制限が行なわれた車輪速度Vgw**のうち、各種制御モードに基づき、後述の推定車体速度を推定するのに最適な車輪の車輪速度が選択される。尚、図3においてABSはアンチスキッド制御、BSTRは制動操舵制御、BDCは前後制動力配分制御、TRCはトラクション制御を夫々表す。
【0019】
ブロックB2の最適な車輪の加速度制限車輪速度Vgw**はブロックB3に供給され、ここで加速度制限車輪速度Vgw**に基づき重心位置X軸車体速度Vsgx が演算される。そして、各車輪の重心との位置関係に応じて各車輪の推定車体速度Vso**が演算され、出力される。ブロックB3には操舵角θf 及びヨーレイトγも入力される。
【0020】
一方、前後横加速度センサGSの出力である前後加速度Gx 、横加速度Gy 、ヨーレイトセンサYSの出力ヨーレイトγ、ブレーキ入力量Ba** 、荷重センサWTの出力である各車輪の垂直荷重Wz** 等がブロックB4に入力され、車両の運動状態が検出される。また、各車輪のアンチスキッド制御の制御情報もブロックB4に入力され、ブロックB3から重心位置車体速度Vsgも入力される。
【0021】
ブロックB4では各種入力信号に基づき車体横すべり角β、各輪・重心軌跡差Dg** 、垂直荷重変化量Wv** が演算され、ブレーキ入力量Ba** 、横加速度Gy 及びヨーレイトγと共にブロックB5に出力される。このブロックB5には選択輪フラグFs** 及び各輪のアンチスキッド制御中フラグFabs** も入力され、ブロックB2の出力である最適車輪の加速度制限車輪速度Vgw**に対する車輪速度補正量Cvwが演算される。また、ブロックB4の出力のうち車体横すべり角β及び各輪・重心軌跡差Dg** もブロックB3に入力される。そして、ブロックB3の出力の重心位置車体速度VsgがブロックB4,B5にフィードバックされるように構成されている。
【0022】
本実施形態のブロックB5において行なわれる車輪速度Vw** に対する補正量Cvwの演算に関しては、(イ)各輪と重心の軌跡差に起因する誤差に対する補正(以下、軌跡差の補正という)、(ロ)タイヤの外力による変形に起因する誤差に対する補正(以下、タイヤ変形補正という)及び(ハ)制動作動に伴う誤差に対する補正(以下、制動時の補正という)に大別される。
【0023】
先ず、軌跡差の補正は、図10において車両が旋回時にすべりが発生し太い実線で示す重心Gの旋回方向(旋回軌跡の接線方向)と車両の進行方向(X軸方向)との間に車体横すべり角β(車体スリップ角とも呼ばれる)が生じたときには、図10に細い線で示すように、各車輪の旋回軌跡に左右の車輪間のみならず前後の車輪間に関しても軌跡差が生ずるので、この軌跡差に起因する車輪速度Vw** の誤差を車体横すべり角βに応じて補正するものである。
【0024】
次に、図11に示すように、車両が運動中には荷重移動に応じてタイヤTRに加わる荷重が変化する。即ち、タイヤTRに大きな垂直荷重Wzlが加わった場合と小さい垂直荷重Wzsが加わった場合とでは上下方向の撓み差Dw が生ずる。また、車両の旋回時に遠心力Fy が加わると、タイヤTRには左右方向に撓みが生ずる。このように、タイヤTRには上下方向及び左右方向の撓みが生ずるが、タイヤ変形補正は、この撓みに起因する車輪速度Vw** の誤差を、タイヤTRに対する荷重移動及び遠心力Fy に応じて補正するというものである。
【0025】
そして、制動時の補正とは、車輪に対し制動力が付与されたときに車体横すべり角が生じた場合、これに起因する車輪速度Vw** の誤差を例えばマスタシリンダ液圧Pm に応じて補正するというものである。図12に示すように、スリップ率に対する制動力の特性(路面摩擦係数は一定とする)において、線形部分の立上り勾配(ブレーキングスティフネスと呼ばれる)は車体横すべり角βの値に応じて変化する。このため、図13において破線で示す実車体速度に対し、車輪速度Vw** は実線で示すようになり、誤差が生ずる。
【0026】
上記のように構成された本実施形態においては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチスキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると図4のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始する。図4は車両の運動制御作動の全体を示すもので、先ずステップ101にてマイクロコンピュータが初期化され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102において、車輪速度センサWS1乃至WS4の出力信号が読み込まれると共に、操舵角センサSSfの検出信号(舵角θf )、ヨーレイトセンサYSの検出信号(ヨーレイトγ)、前後横加速度センサGSの検出信号(前後加速度Gx及び横加速度Gy )、メインスロットル開度センサMTの検出信号(スロットル開度θm )、サブスロットル開度センサSTの検出信号(スロットル開度θs )、マスタシリンダ液圧センサPSの検出信号(マスタシリンダ液圧Pm )、及び荷重センサWTの検出信号(垂直荷重Wz )等が読み込まれる。
【0027】
続いてステップ103に進み、各出力信号に基づき車両の運動状態が検出される。これについては図5を参照して後述する。各車輪の車輪速度Vw** に対してはステップ104にて後述の加速度制限処理が行なわれた後、ステップ105において最適な車輪の車輪速度が選択される。この最適車輪速度に基づきステップ106にて車輪速度の補正量が演算され、この補正量に基づきステップ107にて選択車輪の車輪速度が補正され、ステップ108にて推定車体速度が演算される。
【0028】
而して、ステップ109にてアンチスキッド制御が行なわれ、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、各車輪に付与する制動力が制御される。続いて、ステップ110にて制動操舵制御が行なわれる。即ち、車両旋回時に、車両の安定性及びコーストレース性を確保するように、オーバーステア抑制制御、又はアンダーステア抑制制御が行なわれる。前者のオーバーステア抑制制御は、車両旋回時に過度のオーバーステアとなるのを防止するため、ブレーキ液圧制御装置の電磁弁(後述)のソレノイドを駆動制御することにより、例えば旋回外側前輪に制動力を付与し、車両を旋回外側に操向するものである。後者のアンダーステア抑制制御は、車両旋回時に過度のアンダーステアとなるのを防止するため、例えば旋回外側前輪及び後二輪に制動力を付与し、車両を旋回内側に操向しつつ減速するものである。尚、必要に応じスロットル制御装置THが駆動制御され、車両の旋回運動が維持される。
【0029】
また、ステップ111では前後輪の制動力配分制御が行なわれ、車両の制動時に車両の安定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ステップ112においては車両加速時にトラクション制御が行なわれる。即ち、車両が急発進あるいは急加速したときには駆動輪に加速スリップが生ずるが、このスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付与される。更に必要に応じ、スロットル制御が行なわれ、これらの制御によって駆動輪に対する駆動力が適切に制御される。尚、上記のステップ109乃至112の制御が行なわれるときには、夫々の制御が実行中であることを表す制御中フラグがセット(1)される。
【0030】
図4のステップ103で実行される車両の運動状態の検出は、図5のステップ201乃至204によって行なわれる。先ずステップ201においては、車体横すべり角β及び車体横すべり角速度Dβが求められる。車体横すべり角βは、車両の進行方向に対する車体のすべりを角度で表したもので、次のように演算し推定することができる。即ち、車体横すべり角速度Dβは車体横すべり角βの微分値dβ/dtであり、Dβ=Gy /Vsg−γとして求めることができ、これを積分しβ=∫(Gy /Vsg−γ)dtとして車体横すべり角βを求めることができる。尚、Gy は車両の横加速度、Vsgは重心位置推定車体速度、γはヨーレイトを表す。あるいは、進行方向の車速Vx とこれに垂直な横方向の車速Vy の比に基づき、β=tan-1(Vy /Vx )として求めることもできる。
【0031】
次に、ステップ202においては垂直荷重変化量Wv** が演算される。まず、下記数1式乃至数3式によって前後荷重移動量Swfr 、前輪横荷重移動量Sywf 及び後輪横荷重移動量Sywr が演算される。
【数1】
Figure 0003731235
【数2】
Figure 0003731235
【数3】
Figure 0003731235
ここで、Mvhは車両質量、Gx は前後加速度、Hは重心位置の高さ、Lwbはホイールベースを夫々表す。また、Rrfは前輪ロール剛性、Rrrは後輪ロール剛性、Arlはロール角、Msuは車両のばね上質量、Gy は横加速度、Dgfは前輪・重心軸間距離、Dgrは後輪・重心軸間距離、Hcfは前輪ロールセンタ高、Hcrは後輪ロールセンタ高、Ltfは前輪トレッド、Ltrは後輪トレッドを夫々表す。
【0032】
そして、車両前方の車輪FR,FLの垂直荷重変化量WvFR,WvFL は、前輪横荷重移動量Sywf 及び前後荷重移動量Swfr から、夫々WvFR =(Sywf −Swfr ),WvFL =(−Sywf −Swfr )として求められる。同様に、車両後方の車輪RR,RLの垂直荷重変化量WvRR,WvRL は、後輪横荷重移動量Sywr 及び前後荷重移動量Swfr から、夫々WvRR =(Sywr +Swfr ),WvRL =(−Sywr +Swfr )として求められる。
【0033】
図5のステップ203で実行される各輪・重心軌跡差Dg** の演算は以下の手順で行なわれる。先ず、重心位置車体速度Vsg及びヨーレイトγから、重心・旋回中心間距離DcgがDcg=Vsg/γとして演算される。また、下記の数4式によって、各車輪に関し重心を原点としたX座標Xg** 及びY座標Yg** が求められる。
【数4】
Figure 0003731235
ここで、βは車体横すべり角を表し、Ltfは前輪トレッド、Ltrは後輪トレッドを表し、Dgfは前輪・重心軸間距離、Dgrは後輪・重心軸間距離を表す。
【0034】
従って、各車輪の旋回中心を原点としたX座標Xc** は(Xg** +Dcg)として求められる。尚、Y座標Yc** はYcFR =YcFL =Ltf、YcRR =YcRL =Ltrとなる。そして、これらの旋回中心を原点としたX座標Xc** 、Y座標Yc** に基づき、旋回中心と各車輪との間の距離Dc** が下記数5式によって演算される。
【数5】
Figure 0003731235
これにより、各車輪と重心との間の軌跡差、即ち各輪・重心軌跡差Dg** が夫々各輪・旋回中心間距離Dc** から重心・旋回中心間距離Dcgを引いた差(Dc** −Dcg)として求められる。
【0035】
図5のステップ204で実行されるブレーキ入力量Ba** の演算は、例えばマスタシリンダ液圧センサPSの出力であるマスタシリンダ液圧Pm が用いられ、図6のフローチャートに従って行なわれる。尚、各車輪がアンチスキッド制御中であるときには、減圧制御が行われるため、ブレーキ入力量Ba** は前回値に固定される。
【0036】
図6において、ステップ301でアンチスキッド制御中フラグFabsFR がセット(1)されているか否かが判定され、セットされている場合、即ち既にアンチスキッド制御が開始している場合には、ステップ302にてブレーキ入力量BaFR として前回値のブレーキ入力量BaFR (n-1) が設定される。アンチスキッド制御中フラグFabsFR がセット(1)されていなければ、ブレーキ入力量BaFR としてマスタシリンダ液圧Pm が設定される。以下、ステップ304乃至312において、車輪FL,RR,RLについて、順次ステップ301乃至303と同様に処理される。
【0037】
次に、図4のステップ104で実行される加速度制限処理は、下記数6式に基づき、各車輪の車輪速度Vw** と、各車輪の前回の加速度制限車輪速度Vgw**(n-1) から所定の減速度αDN(例えば、−1.3G)による速度を減じた値と、前回の加速度制限車輪速度Vgw**(n-1) に所定の加速度αUP(例えば、1.15G)による速度を加えた値の中間値を求め、この中間値を各車輪の加速度制限車輪速度Vgw**として設定することによって行なわれる。
【数6】
Figure 0003731235
尚、MEDは中間値を求める関数を表す。上記の加速度制限処理は各車輪に関し順次行なわれ、各車輪の加速度制限車輪速度Vgw**が求められる。
【0038】
図4のステップ105の最適車輪速度選択の処理は、図7のフローチャートに従って行なわれる。先ずステップ401にて初期化され、後述の選択輪フラグFs** がリセット(0)される。以下、アンチスキッド制御等の各制御モードに応じて推定車体速度Vso**の演算に最適な車輪が選択され、選択輪車輪速度Vwsが求められると共に、選択輪フラグFs** がセットされる。
【0039】
初期化の後、ステップ402において、アンチスキッド制御中フラグFabs がセット(1)されているか否かが判定され、セットされておればステップ403に進み制動操舵制御中フラグFstr がセットされているか否かが判定される。制動操舵制御中フラグFstr もセットされておれば、ステップ404に進みヨーレイトγの正負が判定される。本実施形態では、ヨーレイトγが負であるときには車両が右方向に旋回中であることを表すように設定されている。従って、ステップ405に進み選択輪車輪速度Vwsが車輪FRの加速度制限車輪速度VgwFRに基づき、Vws=VgwFR・cos(θf/N)として求められると共に、選択輪フラグFsFR がセットされる。尚、θf は操舵角、Nはステアリングギヤ比を表す。
【0040】
車両が左方向に旋回中で、ステップ404においてヨーレイトγが正と判定されたときには、ステップ406に進み選択輪車輪速度VwsがVws=VgwFL・cos(θf/N)として求められると共に、選択輪フラグFsFL がセットされる。ヨーレイトγが0と判定されたときには、ステップ406に進むが、ステップ405に進むこととしてもよい。尚、ステップ403において制動操舵制御中フラグFstr がセットされていないと判定されたときには、ステップ407に進み図8のフローチャート(後述する)に従って最大速度の車輪が選択され、その車輪速度が選択輪車輪速度Vwsとされる。
【0041】
ステップ402においてアンチスキッド制御中フラグFabs がセットされていないと判定されたときには、ステップ408にて制動操舵制御中フラグFstr がセットされているか否かが判定され、セットされておればステップ404に進み前述と同様に処理される。制動操舵制御中フラグFstr もセットされていなければ、ステップ409に進み、前後制動力配分制御中フラグFbdc がセットされているか否かが判定され、これがセットされている場合にはステップ410にて車輪FR,FL間で加速度制限車輪速度VgwFR,VgwFLの大小比較が行なわれる。車輪FR側の方が大と判定された場合にはステップ405に進み、車輪FRの加速度制限車輪速度VgwFRが選択輪車輪速度Vwsとされるが、車輪FL側の方が大と判定された場合及び両者が等しいと判定された場合にはステップ406に進み、車輪FLの加速度制限車輪速度VgwFLが選択輪車輪速度Vwsとされる。
【0042】
ステップ409にて前後制動力配分制御中フラグFbdc がセットされていないと判定されたときには、ステップ411に進みトラクション制御中フラグFtrc がセットされているか否かが判定される。トラクション制御中フラグFtrc がセットされている場合にはステップ412にて車輪FR,FL間で加速度制限車輪速度VgwFR,VgwFLの大小比較が行なわれ、車輪FL側の方が大であればステップ405に進み車輪FRの加速度制限車輪速度VgwFRが選択輪車輪速度Vwsとされるが、車輪FRの方が大と判定された場合及び両者が等しいと判定された場合にはステップ406に進み、車輪FLの加速度制限車輪速度VgwFLが選択輪車輪速度Vwsとされる。ステップ411にてトラクション制御中フラグFtrc もセットされていないと判定された場合には、ステップ407に進み図8のフローチャートに従って以下のように処理される。
【0043】
図8は、図7のステップ407で実行される最大車輪速度選択の処理を示すもので、先ずステップ501で車輪FRと車輪FLの車輪速度の大小比較が行なわれる。車輪FR側が大と判定された場合にはステップ502に進み、加速度制限車輪速度VgwFRが前輪最大車輪速度Vmfとされると共に選択輪フラグFsFR がセットされ、車輪FL側が大と判定された場合にはステップ503に進み、加速度制限車輪速度VgwFLが前輪最大車輪速度Vmfとされると共に選択輪フラグFsFL がセットされる。同様に、ステップ504乃至506において車輪RR,RLに関し、車輪速度の大小比較が行なわれ、後輪最大車輪速度Vmrが設定されると共に、選択輪フラグFsRR 又はFsRL がセットされる。
【0044】
そして、ステップ507において、前輪最大車輪速度Vmfと後輪最大車輪速度Vmrの大小比較が行なわれ、前輪最大車輪速度Vmfの方が大であれば、ステップ508にて選択輪車輪速度VwsがVws=Vmf・cos(θf/N)として設定され、選択輪フラグFsRR ,FsRL がリセット(0)される。逆に、後輪最大車輪速度Vmrの方が大であれば、ステップ509にて後輪最大車輪速度Vmrが選択輪車輪速度Vwsとされ、選択輪フラグFsFR ,FsFL がリセット(0)される。尚、θf は操舵角、Nはステアリング比を表す。而して、各車輪の最大車輪速度が選択輪車輪速度Vwsとして設定される。尚、ステップ501,504,507において等しいと判定されたときには夫々ステップ503,506,509に進むが、ステップ502,505,508に進むこととしてもよい。
【0045】
次に、図4のステップ106において実行される車輪速度補正量Cvwの演算処理について図9を参照して説明する。ここでは、図7及び図8において設定された選択輪フラグFs** の状態に応じて、選択輪荷重変化量Wvs及び選択輪ブレーキ入力量Basが設定される。先ず、ステップ601にて選択輪フラグFsFR がセットされていると判定されたときにはステップ602に進み、各輪・重心軌跡差Dg** は車輪FRと重心との軌跡差DgFR となり、これとヨーレイトγ(絶対値)との積が軌跡差補正量Csdとして設定される。同時に、垂直荷重変化量WvFR が選択輪荷重変化量Wvsとして設定されると共に、ブレーキ入力量BaFR が選択輪ブレーキ入力量Basとして設定される。以下同様に、ステップ603乃至608において選択輪フラグFs** の状態に応じた軌跡差補正量Csd、選択輪荷重変化量Wvs及び選択輪ブレーキ入力量Basが設定される。
【0046】
而して、ステップ609に進み、前述のように設定された選択輪荷重変化量Wvsの値に応じてステップ609内のマップに基づきタイヤ垂直方向撓補正量Cszが設定される。続いて、ステップ610にて横加速度Gy の値に応じて、図9に示すステップ610内のマップに基づきタイヤ横方向撓補正量Csyが設定される。
【0047】
更に、ステップ611において制動時補正が行なわれ、選択輪ブレーキ入力量Basに応じて、図9に示すステップ611内のマップに基づき、スリップ率(%)で表す制動時補正ゲインCbgが設定され、この制動時補正ゲインCbgに重心位置車体速度Vsgが乗算されて制動時補正量Csbが設定される。図9における制動時補正ゲインCbgの傾きは車体横すべり角βの関数F(β)とされ、車体横すべり角βに応じた傾きに設定される。これにより図13に示す誤差分が補償される。そして、ステップ612において軌跡差補正量Csd、タイヤ垂直方向撓補正量Csz、タイヤ横方向撓補正量Csy及び制動時補正量Csbが合計されて、補正量Cvwとされる。尚、これらCsd,Csz, Csy, Csb, Cvwは何れも車輪速度に対応するようにkm/hの単位に変換されている。
【0048】
図4のステップ108で実行される推定車体速度Vso**の演算は以下のように行なわれる。先ず、最適車輪の加速度制限車輪速度Vgw**に補正量Cvwが加算されて重心位置X軸車体速度Vsgx が求められる。そして、この重心位置X軸車体速度Vsgx に基づき、車両のX軸に対して車体横すべり角β偏向した車両進行方向の車体速度に換算され、重心位置車体速度VsgがVsg=Vsgx /cos βとして求められる。次に、重心位置車体速度Vsgに基づき各車輪の横すべり角が前輪側と後輪側で夫々演算され、前輪横すべり角αf がαf =θf /N−(β+Dgf・γ/Vsg)として求められると共に、後輪横すべり角αr がαr =β−Dgr・γ/Vsgとして求められる。尚、θf は操舵角、Nはステアリングギヤ比、Dgf,Dgrは夫々前輪・重心軸間距離及び後輪・重心軸間距離を表す。
【0049】
而して、各車輪の推定車体速度Vso**は次のように求められる。即ち、前輪側の車輪FR,FLについては車輪FRの推定車体速度Vso**が下記数7式に従って求められ、車輪FLについてもDgFR をDgFL に置換した式に従って同様に求められる。
【数7】
Figure 0003731235
また、後輪側の車輪RR,RLについては、車輪RRの推定車体速度Vso**が下記数8式に従って求められ、車輪RLについてもDgRR をDgRL に置換した式に従って同様に求められる。
【数8】
Figure 0003731235
【0050】
以上のように、車輪FR,FL,RR,RLのうちの最適な車輪の加速度制限車輪速度Vgw**に基づき、一旦車両の重心位置X軸車体速度Vsgx 及び重心位置車体速度Vsgが求められた後、各車輪の車輪速度に振り分けられて車両旋回時の軌跡差による車輪速度の誤差が補正されると共に、タイヤの変形による車輪速度の誤差及び制動作動時の車輪速度の誤差に対し適切な補正が行なわれるので、各車輪の推定車体速度が夫々VsoFR,VsoFL,VsoRR,VsoRLとして適切な値に設定される。尚、以上の説明において使用した記号と用語の関係は下記表1に示すとおりである。
【表1】
Figure 0003731235
【0051】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。
即ち、請求項1に記載の車両の運動制御装置においては、制動力制御手段による制御の形態が制動操舵制御の場合に、車両の左右旋回方向に対応した左右前輪の何れか一方の車輪速度に基づいて、推定車体速度の演算に最適な車輪速度を選択することとし、請求項2に記載の運動制御装置においては、制動力制御手段による制御の形態が前後制動力配分制御の場合に、左右前輪の車輪速度の大小比較を行い、大と判定された車輪速度に基づいて、前記最適な車輪速度を選択することとし、前記最適車輪速度に基づき車両の重心位置における車両の進行方向の重心位置車体速度を演算し、この演算結果に基づき車両の各車輪における推定車体速度を演算するように構成されているので、制動操舵制御あるいは前後制動力配分制御において、車両の旋回、制動等の運動状態に影響されることなく、常に正確な推定車体速度を設定することができ、従って所望の運動制御を確実に行なうことができる。尚、左右前輪の車輪速度が一致する場合には、請求項3に記載のように、左前輪の車輪速度に基づいて前記最適な車輪速度を選択するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の運動制御装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の運動制御装置の一実施形態の全体構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における推定車体速度の演算処理を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の運動制御の全体を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における車両の運動状態の検出処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるブレーキ入力量の演算処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における最適車輪速度の選択処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態における最大車輪速度の選択処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態における車輪速度補正量の演算処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における車両旋回時の重心と各車輪の軌跡差を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態における荷重移動によるタイヤの変形状況を示す説明図である。
【図12】一般的な車両におけるスリップ率と制動力との関係を示すグラフである。
【図13】一般的な車両の制動時における車輪速度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル
BS ブレーキスイッチ
MC マスタシリンダ
MD モジュレータ
Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ
WS1〜WS4 車輪速度センサ
WT 荷重センサ
FR,FL,RR,RL 車輪
MT メインスロットル開度センサ
ST サブスロットル開度センサ
PS マスタシリンダ液圧センサ
SF シフトスイッチ
YS ヨーレイトセンサ
GS 前後横加速度センサ
SSf 操舵角センサ
ECU 電子制御装置

Claims (3)

  1. 車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車両の推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、少くとも該推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度及び前記車輪速度検出手段の検出車輪速度に基づき前記車両の各車輪に付与する制動力を制御する制動力制御手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記車輪速度検出手段が検出した各車輪の車輪速度のうち、前記制動力制御手段による前記制御の形態が制動操舵制御の場合、前記車両の左右旋回方向に対応した左右前輪の何れか一方の車輪速度に基づいて、前記推定車体速度の演算に最適な車輪速度を選択する最適車輪速度選択手段と、該最適車輪速度選択手段の選択した最適車輪速度に基づき前記車両の重心位置における前記車両の進行方向の車体速度を演算する重心位置車体速度演算手段とを備え、該重心位置車体速度演算手段の演算結果に基づき前記推定車体速度演算手段が前記車両の各車輪における推定車体速度を演算するように構成したことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車両の推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、少くとも該推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度及び前記車輪速度検出手段の検出車輪速度に基づき前記車両の各車輪に付与する制動力を制御する制動力制御手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記車輪速度検出手段が検出した各車輪の車輪速度のうち、前記制動力制御手段による前記制御の形態が前後制動力配分制御の場合、左右前輪の車輪速度の大小比較を行い、大と判定された車輪速度に基づいて、前記推定車体速度の演算に最適な車輪速度を選択する最適車輪速度選択手段と、該最適車輪速度選択手段の選択した最適車輪速度に基づき前記車両の重心位置における前記車両の進行方向の車体速度を演算する重心位置車体速度演算手段とを備え、該重心位置車体速度演算手段の演算結果に基づき前記推定車体速度演算手段が前記車両の各車輪における推定車体速度を演算するように構成したことを特徴とす車両の運動制御装置。
  3. 前記最適車輪速度選択手段は、前記左右前輪の車輪速度が一致する場合、左前輪の車輪速度に基づいて前記最適な車輪速度を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の車両の運動制御装置。
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