JP3729067B2 - 車両用4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の車両用ヘッドライト装置としては2灯式及び4灯式のものが広く採用されている。この2灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ1つの灯具を配置したもので、各灯具にHiビームバルブとLoビームバルブとが一緒に収容されている。そして、ディマースイッチの操作により各灯具におけるHi及びLoビームバルブの点灯状態を切り換え、対向車や歩行者等に対する幻惑を防ぐためのLoビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させる一方、Hiビーム状態にするとき又はパッシングを行うときには、逆にHiビームバルブを点灯させてLoビームバルブを消灯させるようになっている。
【0003】
一方、後者の4灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ2つの灯具を並べて配置したもので、その一方(車幅方向中央側)の灯具にHiビームバルブが、また他方(車幅方向外側)の灯具にLoビームバルブがそれぞれ別々に収容されており、ディマースイッチの操作により、Loビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させるが、Hiビーム状態にしたりパッシングを行ったりするときには、上記Loビームバルブを点灯させたままHiビームバルブを点灯させるようになっている。
【0004】
これら2灯式及び4灯式ヘッドライト装置の回路構成について説明すると、図7は2灯式ヘッドライト装置の回路を車両の左右両側のうちの一側について示しており、1はHiビームバルブ、2はLoビームバルブで、これら両ビームバルブ1,2は、両ビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのH/Lリレー4(ヘッドライトリレー)に並列に接続されている。このH/Lリレー4は常時開(常時OFF)のスイッチ部4a及びそれを開閉させるソレノイド部4bからなり、スイッチ部4aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が両ビームバルブ1,2にそれぞれ接続されている。ソレノイド部4bは車室に配置したコンビネーションスイッチ群のうちのH/Lスイッチ(図示せず)に接続されており、H/Lスイッチのビームバルブ点灯操作によりソレノイド部4bを励磁させてスイッチ部4aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、Hi又はLoビームバルブ1,2に通電して点灯させる。
【0005】
6は上記Hi及びLoビームバルブ1,2の点灯切換えを行うために切換操作されるディマースイッチで、このディマースイッチ6は可動接点6a、Hiビーム側接点6b及びLoビーム側接点6cからなり、可動接点6aはアースに、またHiビーム側接点6bは上記Hiビームバルブ1に、さらにLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2にそれぞれ接続されており、H/Lリレー4のON状態で、可動接点6aをHiビーム側接点6bに切り換えたときには、Hiビームバルブ1に電流を流してそれを点灯させるHiビーム状態とする一方、可動接点6aをLoビーム側接点6cに切り換えたときには、Loビームバルブ2に電流を流してそれを点灯させるLoビーム状態とするようにしている。
【0006】
上記ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとLoビームバルブ2との間の回路はメータ内ビームランプ8を介してアースに接続されている。このメータ内ビームランプ8は、図外のインストルメントパネルにおけるメータ内で上記Hiビームバルブ1の点灯状態を乗員に示すためのもので、Hiビームバルブ1が点灯しているときに同時に点灯する。
【0007】
すなわち、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられてLoビームバルブ2が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8の両端に電圧が印加されないので、メータ内ビームランプ8が点灯しないが、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8にLoビームバルブ2を介して電源電圧が印加されることになり、そのLoビームバルブ2は非点灯状態にあって発熱せずに単なるダミー抵抗として機能し、このことでメータ内ビームランプ8が点灯する。
【0008】
一方、10は車両の位置を示す補助ランプの1つとしてのポジションランプ、11は他の補助ランプで、これらは補助ランプ群を機能している。この補助ランプ群のポジションランプ10及び補助ランプ11,11,…は該ランプ10,11を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのTNSリレー13に並列に接続されている。このTNSリレー13は常時開(常時OFF)のスイッチ部13a及びそれを開閉させるソレノイド部13bからなり、スイッチ部13aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が上記補助ランプ群にそれぞれ接続されている。ソレノイド部13bは上記コンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されており、H/Lスイッチの補助ランプ点灯操作によりソレノイド部13bを励磁させてスイッチ部13aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、ポジションランプ10及び他の補助ランプ11,11,…に通電して点灯させる。
【0009】
これに対し、図8は4灯式ヘッドライト装置の回路(尚、図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)を示し、上記2灯式ヘッドライト装置の回路とはメータ内ビームランプ8の接続構造が異なる。すなわち、このメータ内ビームランプ8は、H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間にHiビームバルブ1と並列に接続されており、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯したときに、メータ内ビームランプ8が点灯するようになっている。
【0010】
また、H/Lリレー4のON状態では、ディマースイッチ6の切換えに拘わらずLoビームバルブ2を常時点灯させるために、ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2が接続されていない空き接点とされ、そのLoビームバルブ2は直接アースに接続されている。
【0011】
ところで、近年、ユーザのニーズとして車両の多様化及び個性化が進み、ベース車両の改造によりユーザニーズに対応した車両をカスタム化してベース車両と差別化することが行われており、その一例として、2灯式ヘッドライト装置を有するベース車両に対し、そのヘッドライト装置を4灯式のものに改造することがある。
【0012】
しかし、その場合、ベース車両の回路に変更を加えず、単に2灯式ヘッドライトを4灯式のヘッドライトに交換しただけでは以下の問題が生じる。すなわち、上記の如く、2灯式ヘッドライトでは、Loビームバルブ2が通常の4灯式ヘッドライトのようにHiビーム状態で点灯しないので、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置では、4つの灯具がありながらHiビーム状態でそれらが全て点灯状態にならず、そのHiビーム状態での見映えが悪い。
【0013】
また、4灯式ヘッドライト装置では、ビーム状態の切換えに伴いHiビームバルブ1のみを点灯又は消灯させるので、通常、Hiビームバルブ1の照射光は2灯式ヘッドライト装置に比べてスポット光となっており、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置のHiビーム状態で、上記の如くLoビームバルブ2が点灯しないと、Hiビームバルブ1によるスポット光は得られるものの、Loビームバルブ2の点灯による拡散光が不足し、配光性の不良により視認性の低下が生じる虞れがある。
【0014】
そこで、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2が点灯するように、そのLoビームバルブ2をディマースイッチ6のLoビーム側接点6cではなく、メータ内ビームランプ8を介してアースに接続して常時点灯させるようにしてもよい。しかし、その回路にLoビームバルブ2とメータ内ビームランプ8とが直列に接続されることとなり、Hiビーム状態でLoビームバルブ2が点灯していると、その抵抗の増大によりLoビームバルブ2がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗とならず、メータ内ビームランプ8が点灯しないという問題が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きメータ内ビームランプ8のHiビーム状態での非点灯状態をなくすために、例えばLoビームバルブ2はHiビームバルブ1と並列になるように直接にアースに接続し、メータ内ビームランプ8と直列に抵抗器を接続すれば、Loビームバルブ2を常時点灯できるとともに、Hiビーム状態では、抵抗器がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となり、その抵抗器を通じてメータ内ビームランプ8に電流が流れて、メータ内ビームランプ8を点灯させることができる。
【0016】
ところが、実際には上記抵抗器として大きな発熱量のものが必要であり、それを例えばヘッドライト後側のエンジンルーム内に配置した場合、エンジンルーム内に新たな発熱源が発生してエンジンルームの温度が上昇するので、何等かの放熱対策が必要となる。しかも、抵抗器は防水仕様の特殊のものとする必要があり、コストアップするのは避けられない。
【0017】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、2灯式ヘッドライトを有するベース車両のヘッドライト装置を4灯化するように改造する場合、そのメータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器を所定箇所に配置することにより、その抵抗器による放熱対策や抵抗器自体の防水対策を要することなく、Hiビーム状態でメータ内ビームランプが点灯するようにし、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を容易に行い得るようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、ヘッドライトのHiビームバルブやLoビームバルブ等を装着する灯具内は、各ビームバルブ等の点灯時の発熱を良好に放熱できるとともに、各ビームバルブ等を防水する構造となっていることに着目し、その灯具内に、メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器を配置するようにした。
【0019】
具体的には、請求項1の発明は車両用4灯式ヘッドライトの発明であり、この発明の車両用4灯式ヘッドライトは、Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、この抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によると、上記4灯式ヘッドライトが、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に組み込まれた状態で、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態に切り換えられると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯する。
【0021】
また、このビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時にディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からHiビームバルブ及びディマースイッチを介して電流が流れてHiビームバルブが点灯する。また、ビームバルブ点灯切換手段には抵抗器を介してメータ内ビームランプが接続されているので、ディマースイッチのHiビーム状態では、メータ内ビームランプが抵抗器をダミー抵抗として点灯する。
【0022】
一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段から抵抗器を経てディマースイッチに電流が流れて抵抗器が発熱するが、メータ内ビームランプは点灯しない。
【0023】
したがって、このように、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態でLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯するので、ディマースイッチのHiビーム状態ではHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯することとなり、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブの点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0024】
また、ディマースイッチのHiビーム状態への切換時、抵抗器をダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトを組み換えても、メータ内ビームランプの点灯状態を確保することができる。
【0025】
そして、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設され、この灯具内は、各ビームバルブ等の点灯時の発熱を良好に放熱しかつ各ビームバルブ等を防水する構造、つまりビームバルブ等を防水された状態で点灯発熱させる構造となっているので、その抵抗器のための特別な放熱対策や防水対策は不要となる。このことによって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0026】
請求項2の発明では、上記抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられているものとする。このことで、抵抗器がビームバルブ内にそのフィラメントと同様に配置されるので、その抵抗器をビームバルブと一体的に取り扱うことができ、抵抗器の取扱性を良くすることができる。しかも、ビームバルブのみを抵抗器付きのものにすればよく、灯具自体の改造は不要となり、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0027】
請求項3の発明では、灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有し、抵抗器は、この抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されている構成とする。こうすれば、灯具にランプ取付部があれば、それをそのまま抵抗器取付部として利用し、そこに抵抗器を取り付ければ済み、灯具自体の改造が不要となって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0028】
請求項4の発明では、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。このことで、抵抗器をビームバルブと一体的に取り扱うことができ、抵抗器の取扱性を良くすることができる。また、灯具自体の改造が不要で、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0029】
請求項5の発明では、上記抵抗器は、通電により発光しないものとする。こうすると、メータ内ビームランプへの通電時に抵抗器が安定したダミー抵抗となり、メータ内ビームランプを安定して発光させることができる。
【0030】
請求項6の発明は車両用ヘッドライト装置の発明であり、この発明では、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプと、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備えている。
【0031】
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続されている。また、上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記抵抗器が直列に接続されている。
【0032】
そして、上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときに抵抗器及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されている。
【0033】
この構成によると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、電源からアースに電流がビームバルブ点灯切換手段及び第1回路を経て流れ、第1回路のLoビームバルブが点灯する。この状態で、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、抵抗器及びメータ内ビームランプの間の第3回路がディマースイッチを介してアースに接続されて、電源からアースに電流が第3回路の抵抗器及びディマースイッチを経て流れる。また、第3回路のメータ内ビームランプは両端がアースに接続されて点灯しない。
【0034】
一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときには、第2回路がアースに接続され、電源からアースに電流が第2回路のHiビームバルブ及びディマースイッチを経て流れ、そのHiビームバルブが点灯する。また、第3回路が直接アースに接続されているので、その第3回路のメータ内ビームランプは上記抵抗器をダミー抵抗として点灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
請求項7の発明では、上記請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられている構成とする。この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】
請求項8の発明では、上記請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されているものとする。こうすると、上記請求項3の発明と同様の効果が得られる。
【0037】
請求項9の発明では、請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。このことで、上記請求項4の発明と同様の効果が得られる。
【0038】
請求項10の発明では、請求項6〜9のいずれか1つの発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、通電により発光しないものとする。この発明では、上記請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0039】
請求項11の発明は、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する車両用ヘッドライト装置の改造方法の発明であり、上記2灯式ヘッドライトは、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続されるLoビームバルブと、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段及びアースの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0040】
一方、4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段、及び上記ディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにディマースイッチのLoビームバ側接点及びメータ内ビームランプの間に接続され、メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、上記抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されている。そして、上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴としている。
【0041】
この発明の構成によれば、改造前の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、2灯式ヘッドライトのポジションランプが点灯する。そして、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になり、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプがLoビームバルブをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Loビームバルブが点灯するとともに、Hiビームバルブ及びメータ内ビームランプが消灯する。
【0042】
この2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトに代えられた改造後の状態では、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブが常に点灯状態になる。そして、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたとき、この切換えに伴い、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプが抵抗器をダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが消灯するとともに、抵抗器に電流が流れるが、メータ内ビームランプは消灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0043】
請求項12の発明では、上記請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられているものとする。この発明でも、上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0044】
請求項13の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されている。この発明でも上記請求項3の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
請求項14の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。この発明でも上記請求項4の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
請求項15の発明では、請求項11〜14のいずれか1つの発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、抵抗器は、通電により発光しないものとする。この発明でも請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図3は本発明の実施形態1に係る車両用ヘッドライト装置において車両の左右両側のうちの一側部を示し、このヘッドライト装置は、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置から改造された4灯式ヘッドライト装置を構成している。
【0048】
上記ベース車両における改造前の2灯式ヘッドライト装置は図7に示すものと同じであり(尚、図7と同じ部分については同じ符号を付して説明する)、改造に当たり交換を要する交換部としての例えばユニットタイプの2灯式ヘッドライトA2(図7で一点鎖線にて囲む部分)と、交換を要しない非交換部Aとに分けられている。前者の2灯式ヘッドライトA2(交換部)は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10を備えている。一方、非交換部Aは、Hi及びLoビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段としてのH/Lリレー4と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて両ビームバルブ1,2の点灯切換えを行うためのディマースイッチ6と、メータ内でHiビームバルブ1の点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ8と、補助ランプ11,11,…及ポジションランプ10からなる補助ランプ群を点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段としてのTNSリレー13とを備えている。
【0049】
これら各部品の接続状態は既述のとおりであり(「従来の技術」参照)、非交換部Aにおいては、H/Lリレー4及びTNSリレー13の各スイッチ部4a,13aの電源側接点は電源Bに接続され、各ソレノイド部4b,13bは図外のコンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されている。また、ディマースイッチ6の可動接点6aはアースに接続されている一方、Loビーム側接点6cはメータ内ビームランプ8の電源側端に接続され、このメータ内ビームランプ8のアース側端はアースに接続されている。さらに、上記TNSリレー13におけるスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に補助ランプ11,11,…が並列に接続されている。
【0050】
一方、2灯式ヘッドライトA2のHiビームバルブ1は、H/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続されている。また、Loビームバルブ2はH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点と、メータ内ビームランプ8の電源側端及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されている。さらに、ポジションランプ10はTNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に上記補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0051】
そして、2灯式ヘッドライトA2の各部品と非交換部Aの各部品との間には(C1)〜(C5)の5つの接続部があり、接続部(C1)ではH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とHiビームバルブ1及びLoビームバルブ2の各電源側端とが接続されている。また、接続部(C2)ではHiビームバルブ1のアース側端とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとが接続されている。また、接続部(C3)では、Loビームバルブ2のアース側端とディマースイッチ6のLoビーム側接点6c及びメータ内ビームランプ8の電源側端とが接続されている。さらに、接続部(C4)では、TNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とポジションランプ10の電源側端とが接続され、このポジションランプ10のアース側端とアースとは接続部(C5)で接続されている。
【0052】
このような2灯式ヘッドライト装置を4灯化するとき、上記非交換部AのH/Lリレー4、ディマースイッチ6、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13はそのままにしておいて、それらの部品から2灯式ヘッドライトA2を上記接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて図4に示す4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aの部品に接続して組み込む。
【0053】
上記4灯式ヘッドライトA4は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10の他に、抵抗器Rと第1及び第2の2つのダイオードD1,D2とを備えている。上記Hiビームバルブ1は接続部(C1),(C2)間に直列に接続されており、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、上記H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続される。
【0054】
一方、Loビームバルブ2は、接続部(C1),(C5)間に直列に接続されており、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4のスイッチ部4aとアースとの間に接続される。
【0055】
また、ポジションランプ10の電源側端は接続部(C1)に対し上記第1ダイオードD1を介して、また接続部(C4)に対し第2ダイオードD2を介してそれぞれ並列に接続されている。ポジションランプ10のアース側端は接続部(C5)に接続されている。よって、ポジションランプ10は、図3に示すように非交換部Aへの組付状態ではTNSリレー13とアースとの間に接続されている。上記第1ダイオードD1はH/Lリレー4からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止するものである。また、第2ダイオードD2は、TNSリレー13からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止する。
【0056】
上記接続部(C1),(C3)間には抵抗器Rが接続されており、この抵抗器Rは、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4と、ディマースイッチ6のLoビームバ側接点6c及びメータ内ビームランプ8との間に接続されて、ディマースイッチ6のHiビーム状態でメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となる。
【0057】
以上の回路構成をまとめると、図3に示すように、上記4灯式ヘッドライトA4は2灯式ヘッドライトA2に代えて非交換部Aに対し接続部(C1)〜(C5)にて接続された状態で組み込まれている。この4灯式ヘッドライト装置は、H/Lリレー4、ディマースイッチ6、ポジションランプ10、メータ内ビームランプ8、TNSリレー13及び抵抗器Rを備えており、H/Lリレー4は電源Bに接続されている一方、このH/Lリレー4には、Loビームバルブ2が接続された第1回路15と、Hiビームバルブ1が接続された第2回路16と、メータ内ビームランプ8が接続された第3回路17とが並列に接続される。また、上記第1回路15及び第3回路17はアースに接続され、H/Lリレー4とメータ内ビームランプ8との間の第3回路17には抵抗器Rが直列に接続される。さらに、TNSリレー13とアースとの間にポジションランプ10が他の補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0058】
そして、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチ6は、Loビーム状態に切り換えられたときに抵抗器R及びメータ内ビームランプ8の間の第3回路17をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路16をアースに接続するように第2及び第3回路16,17に接続されている。尚、図3及び図4においては、接続部(C5)は2つに分けて示している。
【0059】
図2は4灯式ヘッドライト装置の右側部分を例示しており、20はHiビーム用灯具、21はLoビーム用灯具で、これらはHiビーム用灯具20がLoビーム用灯具21よりも車幅方向中央側(図2で上側)に位置するように車幅方向に並んで図外の車体に取り付けられている。各灯具20,21は、リフレクタ22と、その前側に配置されたレンズ23と、リフレクタ22の後側にそれを覆うように配置され、リフレクタ22を挟んでレンズ23を支持する固定部24(図5参照)との組合せからなるもので、そのリフレクタ22の後端部(図2で左端部)にバルブ取付部25が開口されている。そして、上記Hiビーム用灯具20のバルブ取付部25にHiビームバルブ1が、またLoビーム用灯具21のバルブ取付部25にLoビームバルブ2がそれぞれ各ガラスチューブ29をリフレクタ22内に臨ませた状態で取り付けられている。
【0060】
そして、上記4灯式ヘッドライトA4における抵抗器Rは、上記Hiビームバルブ1を収容するHiビーム用灯具20内に配置されている。すなわち、上記Hiビームバルブ1は、図1に拡大詳示するように、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブと同じ構造のものとされている。具体的には、Hiビームバルブ1は、金属製ソケット28と、このソケット28に一体的に接合され、内部が略真空状態(微量の例えばハロゲンガスが充填されている)とされた密閉円筒状のガラスチューブ29とを備えてなる。そして、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブでは、ガラスチューブ内に赤熱発光時にHiビーム光及びLoビーム光をそれぞれ発光するHiビームフィラメント及びLoビームフィラメントがそれぞれ収容されているのに対し、この実施形態のHiビームバルブ1では、Hiビームフィラメント30がそのまま設けられている一方、Loビームフィラメントに代えて抵抗器Rが接続されている。この抵抗器Rはフィラメントと異なり、通電により発光しないようにフィラメントよりも高い抵抗でかつ大きい断面積を持つものとされている(尚、抵抗器Rとしてソリッドタイプの抵抗を用いてもよい)。上記Hiビームフィラメント30及び抵抗器Rはガラスチューブ29内に位置する支持導線31,31,…により支持されている。また、ソケット28には上記支持導線31を介してHiビームフィラメント30及び抵抗器Rに導通する接続端子32,32,…が絶縁状態で設けられており、これらの接続端子32,32,…はそれぞれ上記接続部(C1)〜(C3)に接続される。
【0061】
尚、このHiビームバルブ1は、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブのLoビームフィラメントを抵抗器Rに置換したものであるので、ガラスチューブ29内には通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブにおいてLoビームフィラメントの発光を配光するためのミラー33がそのまま残存している。
【0062】
一方、上記Loビームバルブ2はシングルフィラメントタイプのビームバルブからなる。すなわち、図2に示すように、Loビームバルブ2はHiビームバルブ1と同様に、ソケット28とガラスチューブ29とを備えてなり、ガラスチューブ29内にLoビームフィラメント35のみが設けられている。
【0063】
尚、図2には図示していないが、上記Hiビーム用灯具20におけるリフレクタ22にはHiビームバルブ1と異なる位置(例えばバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)に上記ポジションランプ10がHiビームバルブ1と並んで装着されている(図5参照)。
【0064】
したがって、この実施形態においては、予め図4に示す4灯式ヘッドライトA4を用意しておき、図7に示す2灯式ヘッドライト装置を改造して4灯化する場合、その2灯式ヘッドライト装置における非交換部Aはそのままにして、2灯式ヘッドライトA2のみを接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて、上記4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aに接続すればよい。このとき、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置の灯具も図2に示す4灯式ヘッドライト装置の灯具20,21に交換する。このことで、図3に示すように、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に4灯式ヘッドライトA4が組み込まれた4灯式ヘッドライト装置が得られる。
【0065】
この交換後の4灯式ヘッドライト装置では、TNSリレー13がON動作してランプ点灯状態に切り換えられると、電源Bから電流がTNSリレー13を介して補助ランプ11,11,…に流れて、その補助ランプ11,11,…が点灯するとともに、電流がTNSリレー13、第2ダイオードD2及びポジションランプ10を介してアースに流れ、このことでポジションランプ10も点灯する。
【0066】
そのとき、H/Lリレー4及び両ビームバルブ1,2とポジションランプ10との間にTNSリレー13から両ビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられているので、上記TNSリレー13のON状態で、そのTNSリレー13から電流が両ビームバルブ1,2及びメータ内ビームランプ8に流れてそれらが点灯する(Hiビームバルブ1及びメータ内ビームランプ8はディマースイッチ6がHiビーム側接点6bに切り換えられているとき)のを防止することができる。
【0067】
この状態でH/Lリレー4がON動作してバルブ点灯状態に切り換えられると、このH/Lリレー4とアースとの間にLoビームバルブ2が直接に接続されているので、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6b又はLoビーム側接点6cのいずれに切り換えられていても、それに関係なく電源Bから電流がH/Lリレー4を経てLoビームバルブ2に流れ、そのLoビームバルブ2が点灯する。
【0068】
そして、このH/Lリレー4がバルブ点灯状態へ切り換えられているときに、上記ディマースイッチ6がLoビーム側接点6cに切り換えられていると、電源Bからの電流がH/Lリレー4、抵抗器R及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cを介してアースに流れるものの、メータ内ビームランプ8に電流が流れず、そのメータ内ビームランプ8は点灯しない。
【0069】
一方、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられると、電源Bから電流がH/Lリレー4、Hiビームバルブ1及びディマースイッチ6のHiビーム側接点6bを経てアースに流れ、このことでHiビームバルブ1が点灯する。
【0070】
このとき、上記Loビームバルブ2は、ディマースイッチ6の切換状態に関係なく常時点灯するので、通常の4灯式ヘッドライト装置(図8参照)と同様に、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2がHiビームバルブ1と共に点灯する。このことで、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブ2の点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0071】
また、上記ディマースイッチ6のHiビーム側接点6bへの切換えに伴い、電源Bからの電流がH/Lリレー4、抵抗器R及びメータ内ビームランプ8を介してアースに流れる。このことで、上記Hiビームバルブ1の点灯と共にメータ内ビームランプ8が上記抵抗器Rをダミー抵抗として点灯する。つまり、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトA4を組み換えたとしても、抵抗器Rをダミー抵抗としてメータ内ビームランプ8の点灯状態を確保することができる。
【0072】
しかも、上記メータ内ビームランプ8と直列に接続されてその点灯を行わせるためにダミー抵抗となる抵抗器Rは、Hiビーム用灯具20内に装着されるHiビームバルブ1におけるガラスチューブ29内にHiビームフィラメント30とは独立して設けられており、このHiビームバルブ1内は本来、Hiビームバルブ1の点灯発熱を良好に放熱できかつHiビームフィラメント30を防水できる空間であるので、その抵抗器Rのための特別な放熱対策や防水対策は不要となる。このことによって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0073】
また、抵抗器RがHiビームバルブ1のガラスチューブ29内にそのフィラメント30と同様に配置されているので、この抵抗器R付きのHiビームバルブ1をHiビーム用灯具20に装着すればよく、Hiビーム用灯具20自体の改造は不要となり、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。しかも、上記抵抗器RはHiビームバルブ1と一体的に取り扱うことができ、抵抗器Rの取扱性を良くすることができる。
【0074】
さらに、上記の如く、Hiビームバルブ1は、Hiビームフィラメント及びLoビームフィラメントを有する通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブに対し、そのLoビームフィラメントのみを抵抗器Rに置換するように製造すればよく、抵抗器R付きのHiビームバルブ1を簡易に低コストで製造することができる。
【0075】
また、上記抵抗器Rは通電により発光しないので、メータ内ビームランプ8への通電時に抵抗器Rが安定したダミー抵抗となり、メータ内ビームランプ8を安定して発光させることができる。
【0076】
尚、上記実施形態1では、抵抗器RをHiビームバルブ1のガラスチューブ29内に配設しているが、これに代えて、Loビームバルブ2のガラスチューブ29内に抵抗器Rを配設することもでき、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0077】
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では抵抗器RをHiビームバルブ1(又はLoビームバルブ2)の内部に収容しているのに対し、灯具におけるランプ取付位置に取り付けるようにしたものである。
【0078】
すなわち、この実施形態では、図5に示すように、改造後の4灯式ヘッドライト装置において、そのHiビームバルブ1を収容するためのHiビーム用灯具20におけるリフレクタ22には、Hiビームバルブ1と異なる位置(図示例ではバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)にランプ取付部26が開口され、このランプ取付部26にポジションランプ10がその前端の発光部をリフレクタ22内に臨ませかつ後部をリフレクタ22後側(外側)の固定部24に固定された状態で取り付けられている。
【0079】
一方、Loビームバルブ2を収容するためのLoビーム用灯具21におけるリフレクタ22には、上記Hiビーム用灯具20におけるランプ取付部26と略同じ位置(図示例ではLoビームバルブ2を取り付けるバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)に、ランプ取付部26と同様の構造の抵抗器取付部27が開口され、この抵抗器取付部27に抵抗器Rがポジションランプ10と同様の取付構造、つまり前部をリフレクタ22内に臨ませかつ後部を固定部24に固定された状態で取付固定されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0080】
したがって、この実施形態においては、Loビーム用灯具21において本来はランプ取付部として用いられる部分をそのまま抵抗器取付部27として利用し、その抵抗器取付部27に抵抗器Rを取り付ければよく、Loビーム用灯具21自体の改造が不要となって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0081】
尚、この実施形態2においては、Hiビーム用灯具20にランプ取付部26を設けてポジションランプ10を取り付ける一方、Loビーム用灯具21のランプ取付部を抵抗器取付部27として抵抗器Rを取り付けるようにしているが、逆に、Loビーム用灯具21にランプ取付部26を設けてポジションランプ10を取り付ける一方、Hiビーム用灯具20のランプ取付部を抵抗器取付部27として抵抗器Rを取り付けるように変更してもよい。
【0082】
また、灯具20,21において、ポジションランプ10以外の他のランプを取り付けるランプ取付部を抵抗器取付部にして、それに抵抗器Rを取り付けることもできる。
【0083】
(実施形態3)
図6は実施形態3を示し、上記実施形態1では抵抗器RをHiビームバルブ1(又はLoビームバルブ2)の内部に収容しているのに対し、Hiビームバルブ1の外側にアタッチメント37を介して一体的に取り付けたものである。
【0084】
すなわち、この実施形態では、Hiビームバルブ1のソケット28にアタッチメント37を介して抵抗器Rが取付固定されており、Hiビームバルブ1のガラスチューブ29を灯具20のバルブ取付部25からリフレクタ22内に挿入したときに、そのガラスチューブ29と共に抵抗器Rがリフレクタ22内に位置するようになっている。
【0085】
その他は上記実施形態1と同様の構成であり、よって、この実施形態でも上記実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0086】
尚、上記各実施形態において、第1及び第2ダイオードD1,D2は必ずしも設ける必要はなく、省略することもできるが、それらの各々の持つ作用効果が得られる点で、上記実施形態のように設けておくのが好ましい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、6及び11の発明によると、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する場合に、ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチと、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプとに対し、Hiビームバルブをビームバルブ点灯切換手段とディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続し、ビームバルブ点灯切換手段及びアース間にLoビームバルブを接続し、ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に抵抗器を接続し、この抵抗器はHi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設したことにより、2灯式ヘッドライト装置の4灯化に伴い、ディマースイッチのHiビーム状態でHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯させて、Hiビーム状態での見映えの向上、配光性及び視認性の確保を図ることができる。また、ディマースイッチのHiビーム状態で、抵抗器をダミー抵抗としてメータ内ビームランプを点灯させることができるとともに、その抵抗器に対する特別の放熱対策や防水対策を不要とすることができ、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0088】
請求項2、7及び12の発明によれば、上記抵抗器をHi又はLoビームバルブ内にビームフィラメントとは独立して設けたことにより、抵抗器の取扱性の向上を図るとともに、灯具自体の改造を不要として2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造のより一層の容易化を図ることができる。
【0089】
請求項3、8及び13の発明によると、抵抗器を、灯具においてHi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部に取り付けて灯具内に配設したことにより、灯具のランプ取付部を抵抗器取付部として利用でき、灯具自体の改造を不要として、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0090】
請求項4、9及び14の発明によると、抵抗器をHi又はLoビームバルブに一体的に設けたことにより、抵抗器の取扱性の向上を図るとともに、灯具自体の改造を不要として、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0091】
請求項5、10及び15の発明によると、抵抗器は通電により発光しない抵抗としたことにより、抵抗器を安定したダミー抵抗として、メータ内ビームランプを安定して発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置におけるHiビームバルブをその内部の抵抗器と共に示す正面図である。
【図2】車両用4灯式ヘッドライト装置における灯具をバルブ取付位置で切断して示す断面図である。
【図3】車両用4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図4】4灯式ヘッドライトの構成を示す回路図である。
【図5】実施形態2に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置における灯具をランプ取付位置で切断して示す断面図である。
【図6】実施形態3に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置におけるHiビームバルブ及び抵抗器を示す正面図である。
【図7】車両用2灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図8】通常の4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
A2 2灯式ヘッドライト
A4 4灯式ヘッドライト
A 非交換部
1 Hiビームバルブ
2 Loビームバルブ
4 H/Lリレー(ビームバルブ点灯切換手段)
6 ディマースイッチ
6b Hiビーム側接点
6c Loビーム側接点
8 メータ内ビームランプ
10 ポジションランプ
11 補助ランプ
13 TNSリレー(補助ランプ点灯切換手段)
15 第1回路
16 第2回路
17 第3回路
20 Hiビーム用灯具
21 Loビーム用灯具
22 リフレクタ
25 バルブ取付部
26 ランプ取付部
27 抵抗器取付部
30 Hiビームフィラメント
36 Loビームフィラメント
37 アタッチメント
R 抵抗器
B 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の車両用ヘッドライト装置としては2灯式及び4灯式のものが広く採用されている。この2灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ1つの灯具を配置したもので、各灯具にHiビームバルブとLoビームバルブとが一緒に収容されている。そして、ディマースイッチの操作により各灯具におけるHi及びLoビームバルブの点灯状態を切り換え、対向車や歩行者等に対する幻惑を防ぐためのLoビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させる一方、Hiビーム状態にするとき又はパッシングを行うときには、逆にHiビームバルブを点灯させてLoビームバルブを消灯させるようになっている。
【0003】
一方、後者の4灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ2つの灯具を並べて配置したもので、その一方(車幅方向中央側)の灯具にHiビームバルブが、また他方(車幅方向外側)の灯具にLoビームバルブがそれぞれ別々に収容されており、ディマースイッチの操作により、Loビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させるが、Hiビーム状態にしたりパッシングを行ったりするときには、上記Loビームバルブを点灯させたままHiビームバルブを点灯させるようになっている。
【0004】
これら2灯式及び4灯式ヘッドライト装置の回路構成について説明すると、図7は2灯式ヘッドライト装置の回路を車両の左右両側のうちの一側について示しており、1はHiビームバルブ、2はLoビームバルブで、これら両ビームバルブ1,2は、両ビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのH/Lリレー4(ヘッドライトリレー)に並列に接続されている。このH/Lリレー4は常時開(常時OFF)のスイッチ部4a及びそれを開閉させるソレノイド部4bからなり、スイッチ部4aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が両ビームバルブ1,2にそれぞれ接続されている。ソレノイド部4bは車室に配置したコンビネーションスイッチ群のうちのH/Lスイッチ(図示せず)に接続されており、H/Lスイッチのビームバルブ点灯操作によりソレノイド部4bを励磁させてスイッチ部4aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、Hi又はLoビームバルブ1,2に通電して点灯させる。
【0005】
6は上記Hi及びLoビームバルブ1,2の点灯切換えを行うために切換操作されるディマースイッチで、このディマースイッチ6は可動接点6a、Hiビーム側接点6b及びLoビーム側接点6cからなり、可動接点6aはアースに、またHiビーム側接点6bは上記Hiビームバルブ1に、さらにLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2にそれぞれ接続されており、H/Lリレー4のON状態で、可動接点6aをHiビーム側接点6bに切り換えたときには、Hiビームバルブ1に電流を流してそれを点灯させるHiビーム状態とする一方、可動接点6aをLoビーム側接点6cに切り換えたときには、Loビームバルブ2に電流を流してそれを点灯させるLoビーム状態とするようにしている。
【0006】
上記ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとLoビームバルブ2との間の回路はメータ内ビームランプ8を介してアースに接続されている。このメータ内ビームランプ8は、図外のインストルメントパネルにおけるメータ内で上記Hiビームバルブ1の点灯状態を乗員に示すためのもので、Hiビームバルブ1が点灯しているときに同時に点灯する。
【0007】
すなわち、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられてLoビームバルブ2が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8の両端に電圧が印加されないので、メータ内ビームランプ8が点灯しないが、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8にLoビームバルブ2を介して電源電圧が印加されることになり、そのLoビームバルブ2は非点灯状態にあって発熱せずに単なるダミー抵抗として機能し、このことでメータ内ビームランプ8が点灯する。
【0008】
一方、10は車両の位置を示す補助ランプの1つとしてのポジションランプ、11は他の補助ランプで、これらは補助ランプ群を機能している。この補助ランプ群のポジションランプ10及び補助ランプ11,11,…は該ランプ10,11を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのTNSリレー13に並列に接続されている。このTNSリレー13は常時開(常時OFF)のスイッチ部13a及びそれを開閉させるソレノイド部13bからなり、スイッチ部13aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が上記補助ランプ群にそれぞれ接続されている。ソレノイド部13bは上記コンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されており、H/Lスイッチの補助ランプ点灯操作によりソレノイド部13bを励磁させてスイッチ部13aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、ポジションランプ10及び他の補助ランプ11,11,…に通電して点灯させる。
【0009】
これに対し、図8は4灯式ヘッドライト装置の回路(尚、図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)を示し、上記2灯式ヘッドライト装置の回路とはメータ内ビームランプ8の接続構造が異なる。すなわち、このメータ内ビームランプ8は、H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間にHiビームバルブ1と並列に接続されており、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯したときに、メータ内ビームランプ8が点灯するようになっている。
【0010】
また、H/Lリレー4のON状態では、ディマースイッチ6の切換えに拘わらずLoビームバルブ2を常時点灯させるために、ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2が接続されていない空き接点とされ、そのLoビームバルブ2は直接アースに接続されている。
【0011】
ところで、近年、ユーザのニーズとして車両の多様化及び個性化が進み、ベース車両の改造によりユーザニーズに対応した車両をカスタム化してベース車両と差別化することが行われており、その一例として、2灯式ヘッドライト装置を有するベース車両に対し、そのヘッドライト装置を4灯式のものに改造することがある。
【0012】
しかし、その場合、ベース車両の回路に変更を加えず、単に2灯式ヘッドライトを4灯式のヘッドライトに交換しただけでは以下の問題が生じる。すなわち、上記の如く、2灯式ヘッドライトでは、Loビームバルブ2が通常の4灯式ヘッドライトのようにHiビーム状態で点灯しないので、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置では、4つの灯具がありながらHiビーム状態でそれらが全て点灯状態にならず、そのHiビーム状態での見映えが悪い。
【0013】
また、4灯式ヘッドライト装置では、ビーム状態の切換えに伴いHiビームバルブ1のみを点灯又は消灯させるので、通常、Hiビームバルブ1の照射光は2灯式ヘッドライト装置に比べてスポット光となっており、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置のHiビーム状態で、上記の如くLoビームバルブ2が点灯しないと、Hiビームバルブ1によるスポット光は得られるものの、Loビームバルブ2の点灯による拡散光が不足し、配光性の不良により視認性の低下が生じる虞れがある。
【0014】
そこで、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2が点灯するように、そのLoビームバルブ2をディマースイッチ6のLoビーム側接点6cではなく、メータ内ビームランプ8を介してアースに接続して常時点灯させるようにしてもよい。しかし、その回路にLoビームバルブ2とメータ内ビームランプ8とが直列に接続されることとなり、Hiビーム状態でLoビームバルブ2が点灯していると、その抵抗の増大によりLoビームバルブ2がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗とならず、メータ内ビームランプ8が点灯しないという問題が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きメータ内ビームランプ8のHiビーム状態での非点灯状態をなくすために、例えばLoビームバルブ2はHiビームバルブ1と並列になるように直接にアースに接続し、メータ内ビームランプ8と直列に抵抗器を接続すれば、Loビームバルブ2を常時点灯できるとともに、Hiビーム状態では、抵抗器がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となり、その抵抗器を通じてメータ内ビームランプ8に電流が流れて、メータ内ビームランプ8を点灯させることができる。
【0016】
ところが、実際には上記抵抗器として大きな発熱量のものが必要であり、それを例えばヘッドライト後側のエンジンルーム内に配置した場合、エンジンルーム内に新たな発熱源が発生してエンジンルームの温度が上昇するので、何等かの放熱対策が必要となる。しかも、抵抗器は防水仕様の特殊のものとする必要があり、コストアップするのは避けられない。
【0017】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、2灯式ヘッドライトを有するベース車両のヘッドライト装置を4灯化するように改造する場合、そのメータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器を所定箇所に配置することにより、その抵抗器による放熱対策や抵抗器自体の防水対策を要することなく、Hiビーム状態でメータ内ビームランプが点灯するようにし、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を容易に行い得るようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、ヘッドライトのHiビームバルブやLoビームバルブ等を装着する灯具内は、各ビームバルブ等の点灯時の発熱を良好に放熱できるとともに、各ビームバルブ等を防水する構造となっていることに着目し、その灯具内に、メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器を配置するようにした。
【0019】
具体的には、請求項1の発明は車両用4灯式ヘッドライトの発明であり、この発明の車両用4灯式ヘッドライトは、Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、この抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によると、上記4灯式ヘッドライトが、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に組み込まれた状態で、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態に切り換えられると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯する。
【0021】
また、このビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時にディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からHiビームバルブ及びディマースイッチを介して電流が流れてHiビームバルブが点灯する。また、ビームバルブ点灯切換手段には抵抗器を介してメータ内ビームランプが接続されているので、ディマースイッチのHiビーム状態では、メータ内ビームランプが抵抗器をダミー抵抗として点灯する。
【0022】
一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段から抵抗器を経てディマースイッチに電流が流れて抵抗器が発熱するが、メータ内ビームランプは点灯しない。
【0023】
したがって、このように、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態でLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯するので、ディマースイッチのHiビーム状態ではHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯することとなり、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブの点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0024】
また、ディマースイッチのHiビーム状態への切換時、抵抗器をダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトを組み換えても、メータ内ビームランプの点灯状態を確保することができる。
【0025】
そして、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設され、この灯具内は、各ビームバルブ等の点灯時の発熱を良好に放熱しかつ各ビームバルブ等を防水する構造、つまりビームバルブ等を防水された状態で点灯発熱させる構造となっているので、その抵抗器のための特別な放熱対策や防水対策は不要となる。このことによって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0026】
請求項2の発明では、上記抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられているものとする。このことで、抵抗器がビームバルブ内にそのフィラメントと同様に配置されるので、その抵抗器をビームバルブと一体的に取り扱うことができ、抵抗器の取扱性を良くすることができる。しかも、ビームバルブのみを抵抗器付きのものにすればよく、灯具自体の改造は不要となり、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0027】
請求項3の発明では、灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有し、抵抗器は、この抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されている構成とする。こうすれば、灯具にランプ取付部があれば、それをそのまま抵抗器取付部として利用し、そこに抵抗器を取り付ければ済み、灯具自体の改造が不要となって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0028】
請求項4の発明では、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。このことで、抵抗器をビームバルブと一体的に取り扱うことができ、抵抗器の取扱性を良くすることができる。また、灯具自体の改造が不要で、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0029】
請求項5の発明では、上記抵抗器は、通電により発光しないものとする。こうすると、メータ内ビームランプへの通電時に抵抗器が安定したダミー抵抗となり、メータ内ビームランプを安定して発光させることができる。
【0030】
請求項6の発明は車両用ヘッドライト装置の発明であり、この発明では、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプと、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備えている。
【0031】
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続されている。また、上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記抵抗器が直列に接続されている。
【0032】
そして、上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときに抵抗器及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されている。
【0033】
この構成によると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、電源からアースに電流がビームバルブ点灯切換手段及び第1回路を経て流れ、第1回路のLoビームバルブが点灯する。この状態で、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、抵抗器及びメータ内ビームランプの間の第3回路がディマースイッチを介してアースに接続されて、電源からアースに電流が第3回路の抵抗器及びディマースイッチを経て流れる。また、第3回路のメータ内ビームランプは両端がアースに接続されて点灯しない。
【0034】
一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときには、第2回路がアースに接続され、電源からアースに電流が第2回路のHiビームバルブ及びディマースイッチを経て流れ、そのHiビームバルブが点灯する。また、第3回路が直接アースに接続されているので、その第3回路のメータ内ビームランプは上記抵抗器をダミー抵抗として点灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
請求項7の発明では、上記請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられている構成とする。この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】
請求項8の発明では、上記請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されているものとする。こうすると、上記請求項3の発明と同様の効果が得られる。
【0037】
請求項9の発明では、請求項6の発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。このことで、上記請求項4の発明と同様の効果が得られる。
【0038】
請求項10の発明では、請求項6〜9のいずれか1つの発明の車両用ヘッドライト装置において、抵抗器は、通電により発光しないものとする。この発明では、上記請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0039】
請求項11の発明は、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する車両用ヘッドライト装置の改造方法の発明であり、上記2灯式ヘッドライトは、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続されるLoビームバルブと、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段及びアースの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0040】
一方、4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段、及び上記ディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにディマースイッチのLoビームバ側接点及びメータ内ビームランプの間に接続され、メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、上記抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されている。そして、上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴としている。
【0041】
この発明の構成によれば、改造前の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、2灯式ヘッドライトのポジションランプが点灯する。そして、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になり、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプがLoビームバルブをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Loビームバルブが点灯するとともに、Hiビームバルブ及びメータ内ビームランプが消灯する。
【0042】
この2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトに代えられた改造後の状態では、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブが常に点灯状態になる。そして、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたとき、この切換えに伴い、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプが抵抗器をダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが消灯するとともに、抵抗器に電流が流れるが、メータ内ビームランプは消灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0043】
請求項12の発明では、上記請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられているものとする。この発明でも、上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0044】
請求項13の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されている。この発明でも上記請求項3の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
請求項14の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられているものとする。この発明でも上記請求項4の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
請求項15の発明では、請求項11〜14のいずれか1つの発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、抵抗器は、通電により発光しないものとする。この発明でも請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図3は本発明の実施形態1に係る車両用ヘッドライト装置において車両の左右両側のうちの一側部を示し、このヘッドライト装置は、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置から改造された4灯式ヘッドライト装置を構成している。
【0048】
上記ベース車両における改造前の2灯式ヘッドライト装置は図7に示すものと同じであり(尚、図7と同じ部分については同じ符号を付して説明する)、改造に当たり交換を要する交換部としての例えばユニットタイプの2灯式ヘッドライトA2(図7で一点鎖線にて囲む部分)と、交換を要しない非交換部Aとに分けられている。前者の2灯式ヘッドライトA2(交換部)は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10を備えている。一方、非交換部Aは、Hi及びLoビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段としてのH/Lリレー4と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて両ビームバルブ1,2の点灯切換えを行うためのディマースイッチ6と、メータ内でHiビームバルブ1の点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ8と、補助ランプ11,11,…及ポジションランプ10からなる補助ランプ群を点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段としてのTNSリレー13とを備えている。
【0049】
これら各部品の接続状態は既述のとおりであり(「従来の技術」参照)、非交換部Aにおいては、H/Lリレー4及びTNSリレー13の各スイッチ部4a,13aの電源側接点は電源Bに接続され、各ソレノイド部4b,13bは図外のコンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されている。また、ディマースイッチ6の可動接点6aはアースに接続されている一方、Loビーム側接点6cはメータ内ビームランプ8の電源側端に接続され、このメータ内ビームランプ8のアース側端はアースに接続されている。さらに、上記TNSリレー13におけるスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に補助ランプ11,11,…が並列に接続されている。
【0050】
一方、2灯式ヘッドライトA2のHiビームバルブ1は、H/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続されている。また、Loビームバルブ2はH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点と、メータ内ビームランプ8の電源側端及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されている。さらに、ポジションランプ10はTNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に上記補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0051】
そして、2灯式ヘッドライトA2の各部品と非交換部Aの各部品との間には(C1)〜(C5)の5つの接続部があり、接続部(C1)ではH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とHiビームバルブ1及びLoビームバルブ2の各電源側端とが接続されている。また、接続部(C2)ではHiビームバルブ1のアース側端とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとが接続されている。また、接続部(C3)では、Loビームバルブ2のアース側端とディマースイッチ6のLoビーム側接点6c及びメータ内ビームランプ8の電源側端とが接続されている。さらに、接続部(C4)では、TNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とポジションランプ10の電源側端とが接続され、このポジションランプ10のアース側端とアースとは接続部(C5)で接続されている。
【0052】
このような2灯式ヘッドライト装置を4灯化するとき、上記非交換部AのH/Lリレー4、ディマースイッチ6、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13はそのままにしておいて、それらの部品から2灯式ヘッドライトA2を上記接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて図4に示す4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aの部品に接続して組み込む。
【0053】
上記4灯式ヘッドライトA4は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10の他に、抵抗器Rと第1及び第2の2つのダイオードD1,D2とを備えている。上記Hiビームバルブ1は接続部(C1),(C2)間に直列に接続されており、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、上記H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続される。
【0054】
一方、Loビームバルブ2は、接続部(C1),(C5)間に直列に接続されており、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4のスイッチ部4aとアースとの間に接続される。
【0055】
また、ポジションランプ10の電源側端は接続部(C1)に対し上記第1ダイオードD1を介して、また接続部(C4)に対し第2ダイオードD2を介してそれぞれ並列に接続されている。ポジションランプ10のアース側端は接続部(C5)に接続されている。よって、ポジションランプ10は、図3に示すように非交換部Aへの組付状態ではTNSリレー13とアースとの間に接続されている。上記第1ダイオードD1はH/Lリレー4からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止するものである。また、第2ダイオードD2は、TNSリレー13からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止する。
【0056】
上記接続部(C1),(C3)間には抵抗器Rが接続されており、この抵抗器Rは、図3に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4と、ディマースイッチ6のLoビームバ側接点6c及びメータ内ビームランプ8との間に接続されて、ディマースイッチ6のHiビーム状態でメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となる。
【0057】
以上の回路構成をまとめると、図3に示すように、上記4灯式ヘッドライトA4は2灯式ヘッドライトA2に代えて非交換部Aに対し接続部(C1)〜(C5)にて接続された状態で組み込まれている。この4灯式ヘッドライト装置は、H/Lリレー4、ディマースイッチ6、ポジションランプ10、メータ内ビームランプ8、TNSリレー13及び抵抗器Rを備えており、H/Lリレー4は電源Bに接続されている一方、このH/Lリレー4には、Loビームバルブ2が接続された第1回路15と、Hiビームバルブ1が接続された第2回路16と、メータ内ビームランプ8が接続された第3回路17とが並列に接続される。また、上記第1回路15及び第3回路17はアースに接続され、H/Lリレー4とメータ内ビームランプ8との間の第3回路17には抵抗器Rが直列に接続される。さらに、TNSリレー13とアースとの間にポジションランプ10が他の補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0058】
そして、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチ6は、Loビーム状態に切り換えられたときに抵抗器R及びメータ内ビームランプ8の間の第3回路17をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路16をアースに接続するように第2及び第3回路16,17に接続されている。尚、図3及び図4においては、接続部(C5)は2つに分けて示している。
【0059】
図2は4灯式ヘッドライト装置の右側部分を例示しており、20はHiビーム用灯具、21はLoビーム用灯具で、これらはHiビーム用灯具20がLoビーム用灯具21よりも車幅方向中央側(図2で上側)に位置するように車幅方向に並んで図外の車体に取り付けられている。各灯具20,21は、リフレクタ22と、その前側に配置されたレンズ23と、リフレクタ22の後側にそれを覆うように配置され、リフレクタ22を挟んでレンズ23を支持する固定部24(図5参照)との組合せからなるもので、そのリフレクタ22の後端部(図2で左端部)にバルブ取付部25が開口されている。そして、上記Hiビーム用灯具20のバルブ取付部25にHiビームバルブ1が、またLoビーム用灯具21のバルブ取付部25にLoビームバルブ2がそれぞれ各ガラスチューブ29をリフレクタ22内に臨ませた状態で取り付けられている。
【0060】
そして、上記4灯式ヘッドライトA4における抵抗器Rは、上記Hiビームバルブ1を収容するHiビーム用灯具20内に配置されている。すなわち、上記Hiビームバルブ1は、図1に拡大詳示するように、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブと同じ構造のものとされている。具体的には、Hiビームバルブ1は、金属製ソケット28と、このソケット28に一体的に接合され、内部が略真空状態(微量の例えばハロゲンガスが充填されている)とされた密閉円筒状のガラスチューブ29とを備えてなる。そして、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブでは、ガラスチューブ内に赤熱発光時にHiビーム光及びLoビーム光をそれぞれ発光するHiビームフィラメント及びLoビームフィラメントがそれぞれ収容されているのに対し、この実施形態のHiビームバルブ1では、Hiビームフィラメント30がそのまま設けられている一方、Loビームフィラメントに代えて抵抗器Rが接続されている。この抵抗器Rはフィラメントと異なり、通電により発光しないようにフィラメントよりも高い抵抗でかつ大きい断面積を持つものとされている(尚、抵抗器Rとしてソリッドタイプの抵抗を用いてもよい)。上記Hiビームフィラメント30及び抵抗器Rはガラスチューブ29内に位置する支持導線31,31,…により支持されている。また、ソケット28には上記支持導線31を介してHiビームフィラメント30及び抵抗器Rに導通する接続端子32,32,…が絶縁状態で設けられており、これらの接続端子32,32,…はそれぞれ上記接続部(C1)〜(C3)に接続される。
【0061】
尚、このHiビームバルブ1は、通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブのLoビームフィラメントを抵抗器Rに置換したものであるので、ガラスチューブ29内には通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブにおいてLoビームフィラメントの発光を配光するためのミラー33がそのまま残存している。
【0062】
一方、上記Loビームバルブ2はシングルフィラメントタイプのビームバルブからなる。すなわち、図2に示すように、Loビームバルブ2はHiビームバルブ1と同様に、ソケット28とガラスチューブ29とを備えてなり、ガラスチューブ29内にLoビームフィラメント35のみが設けられている。
【0063】
尚、図2には図示していないが、上記Hiビーム用灯具20におけるリフレクタ22にはHiビームバルブ1と異なる位置(例えばバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)に上記ポジションランプ10がHiビームバルブ1と並んで装着されている(図5参照)。
【0064】
したがって、この実施形態においては、予め図4に示す4灯式ヘッドライトA4を用意しておき、図7に示す2灯式ヘッドライト装置を改造して4灯化する場合、その2灯式ヘッドライト装置における非交換部Aはそのままにして、2灯式ヘッドライトA2のみを接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて、上記4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aに接続すればよい。このとき、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置の灯具も図2に示す4灯式ヘッドライト装置の灯具20,21に交換する。このことで、図3に示すように、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に4灯式ヘッドライトA4が組み込まれた4灯式ヘッドライト装置が得られる。
【0065】
この交換後の4灯式ヘッドライト装置では、TNSリレー13がON動作してランプ点灯状態に切り換えられると、電源Bから電流がTNSリレー13を介して補助ランプ11,11,…に流れて、その補助ランプ11,11,…が点灯するとともに、電流がTNSリレー13、第2ダイオードD2及びポジションランプ10を介してアースに流れ、このことでポジションランプ10も点灯する。
【0066】
そのとき、H/Lリレー4及び両ビームバルブ1,2とポジションランプ10との間にTNSリレー13から両ビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられているので、上記TNSリレー13のON状態で、そのTNSリレー13から電流が両ビームバルブ1,2及びメータ内ビームランプ8に流れてそれらが点灯する(Hiビームバルブ1及びメータ内ビームランプ8はディマースイッチ6がHiビーム側接点6bに切り換えられているとき)のを防止することができる。
【0067】
この状態でH/Lリレー4がON動作してバルブ点灯状態に切り換えられると、このH/Lリレー4とアースとの間にLoビームバルブ2が直接に接続されているので、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6b又はLoビーム側接点6cのいずれに切り換えられていても、それに関係なく電源Bから電流がH/Lリレー4を経てLoビームバルブ2に流れ、そのLoビームバルブ2が点灯する。
【0068】
そして、このH/Lリレー4がバルブ点灯状態へ切り換えられているときに、上記ディマースイッチ6がLoビーム側接点6cに切り換えられていると、電源Bからの電流がH/Lリレー4、抵抗器R及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cを介してアースに流れるものの、メータ内ビームランプ8に電流が流れず、そのメータ内ビームランプ8は点灯しない。
【0069】
一方、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられると、電源Bから電流がH/Lリレー4、Hiビームバルブ1及びディマースイッチ6のHiビーム側接点6bを経てアースに流れ、このことでHiビームバルブ1が点灯する。
【0070】
このとき、上記Loビームバルブ2は、ディマースイッチ6の切換状態に関係なく常時点灯するので、通常の4灯式ヘッドライト装置(図8参照)と同様に、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2がHiビームバルブ1と共に点灯する。このことで、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブ2の点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0071】
また、上記ディマースイッチ6のHiビーム側接点6bへの切換えに伴い、電源Bからの電流がH/Lリレー4、抵抗器R及びメータ内ビームランプ8を介してアースに流れる。このことで、上記Hiビームバルブ1の点灯と共にメータ内ビームランプ8が上記抵抗器Rをダミー抵抗として点灯する。つまり、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトA4を組み換えたとしても、抵抗器Rをダミー抵抗としてメータ内ビームランプ8の点灯状態を確保することができる。
【0072】
しかも、上記メータ内ビームランプ8と直列に接続されてその点灯を行わせるためにダミー抵抗となる抵抗器Rは、Hiビーム用灯具20内に装着されるHiビームバルブ1におけるガラスチューブ29内にHiビームフィラメント30とは独立して設けられており、このHiビームバルブ1内は本来、Hiビームバルブ1の点灯発熱を良好に放熱できかつHiビームフィラメント30を防水できる空間であるので、その抵抗器Rのための特別な放熱対策や防水対策は不要となる。このことによって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0073】
また、抵抗器RがHiビームバルブ1のガラスチューブ29内にそのフィラメント30と同様に配置されているので、この抵抗器R付きのHiビームバルブ1をHiビーム用灯具20に装着すればよく、Hiビーム用灯具20自体の改造は不要となり、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。しかも、上記抵抗器RはHiビームバルブ1と一体的に取り扱うことができ、抵抗器Rの取扱性を良くすることができる。
【0074】
さらに、上記の如く、Hiビームバルブ1は、Hiビームフィラメント及びLoビームフィラメントを有する通常のダブルフィラメントタイプのビームバルブに対し、そのLoビームフィラメントのみを抵抗器Rに置換するように製造すればよく、抵抗器R付きのHiビームバルブ1を簡易に低コストで製造することができる。
【0075】
また、上記抵抗器Rは通電により発光しないので、メータ内ビームランプ8への通電時に抵抗器Rが安定したダミー抵抗となり、メータ内ビームランプ8を安定して発光させることができる。
【0076】
尚、上記実施形態1では、抵抗器RをHiビームバルブ1のガラスチューブ29内に配設しているが、これに代えて、Loビームバルブ2のガラスチューブ29内に抵抗器Rを配設することもでき、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0077】
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では抵抗器RをHiビームバルブ1(又はLoビームバルブ2)の内部に収容しているのに対し、灯具におけるランプ取付位置に取り付けるようにしたものである。
【0078】
すなわち、この実施形態では、図5に示すように、改造後の4灯式ヘッドライト装置において、そのHiビームバルブ1を収容するためのHiビーム用灯具20におけるリフレクタ22には、Hiビームバルブ1と異なる位置(図示例ではバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)にランプ取付部26が開口され、このランプ取付部26にポジションランプ10がその前端の発光部をリフレクタ22内に臨ませかつ後部をリフレクタ22後側(外側)の固定部24に固定された状態で取り付けられている。
【0079】
一方、Loビームバルブ2を収容するためのLoビーム用灯具21におけるリフレクタ22には、上記Hiビーム用灯具20におけるランプ取付部26と略同じ位置(図示例ではLoビームバルブ2を取り付けるバルブ取付部25よりも車幅方向中央側の斜め下側)に、ランプ取付部26と同様の構造の抵抗器取付部27が開口され、この抵抗器取付部27に抵抗器Rがポジションランプ10と同様の取付構造、つまり前部をリフレクタ22内に臨ませかつ後部を固定部24に固定された状態で取付固定されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0080】
したがって、この実施形態においては、Loビーム用灯具21において本来はランプ取付部として用いられる部分をそのまま抵抗器取付部27として利用し、その抵抗器取付部27に抵抗器Rを取り付ければよく、Loビーム用灯具21自体の改造が不要となって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0081】
尚、この実施形態2においては、Hiビーム用灯具20にランプ取付部26を設けてポジションランプ10を取り付ける一方、Loビーム用灯具21のランプ取付部を抵抗器取付部27として抵抗器Rを取り付けるようにしているが、逆に、Loビーム用灯具21にランプ取付部26を設けてポジションランプ10を取り付ける一方、Hiビーム用灯具20のランプ取付部を抵抗器取付部27として抵抗器Rを取り付けるように変更してもよい。
【0082】
また、灯具20,21において、ポジションランプ10以外の他のランプを取り付けるランプ取付部を抵抗器取付部にして、それに抵抗器Rを取り付けることもできる。
【0083】
(実施形態3)
図6は実施形態3を示し、上記実施形態1では抵抗器RをHiビームバルブ1(又はLoビームバルブ2)の内部に収容しているのに対し、Hiビームバルブ1の外側にアタッチメント37を介して一体的に取り付けたものである。
【0084】
すなわち、この実施形態では、Hiビームバルブ1のソケット28にアタッチメント37を介して抵抗器Rが取付固定されており、Hiビームバルブ1のガラスチューブ29を灯具20のバルブ取付部25からリフレクタ22内に挿入したときに、そのガラスチューブ29と共に抵抗器Rがリフレクタ22内に位置するようになっている。
【0085】
その他は上記実施形態1と同様の構成であり、よって、この実施形態でも上記実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0086】
尚、上記各実施形態において、第1及び第2ダイオードD1,D2は必ずしも設ける必要はなく、省略することもできるが、それらの各々の持つ作用効果が得られる点で、上記実施形態のように設けておくのが好ましい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、6及び11の発明によると、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する場合に、ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチと、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプとに対し、Hiビームバルブをビームバルブ点灯切換手段とディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続し、ビームバルブ点灯切換手段及びアース間にLoビームバルブを接続し、ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に抵抗器を接続し、この抵抗器はHi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設したことにより、2灯式ヘッドライト装置の4灯化に伴い、ディマースイッチのHiビーム状態でHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯させて、Hiビーム状態での見映えの向上、配光性及び視認性の確保を図ることができる。また、ディマースイッチのHiビーム状態で、抵抗器をダミー抵抗としてメータ内ビームランプを点灯させることができるとともに、その抵抗器に対する特別の放熱対策や防水対策を不要とすることができ、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0088】
請求項2、7及び12の発明によれば、上記抵抗器をHi又はLoビームバルブ内にビームフィラメントとは独立して設けたことにより、抵抗器の取扱性の向上を図るとともに、灯具自体の改造を不要として2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造のより一層の容易化を図ることができる。
【0089】
請求項3、8及び13の発明によると、抵抗器を、灯具においてHi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部に取り付けて灯具内に配設したことにより、灯具のランプ取付部を抵抗器取付部として利用でき、灯具自体の改造を不要として、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0090】
請求項4、9及び14の発明によると、抵抗器をHi又はLoビームバルブに一体的に設けたことにより、抵抗器の取扱性の向上を図るとともに、灯具自体の改造を不要として、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造をさらに容易に行うことができる。
【0091】
請求項5、10及び15の発明によると、抵抗器は通電により発光しない抵抗としたことにより、抵抗器を安定したダミー抵抗として、メータ内ビームランプを安定して発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置におけるHiビームバルブをその内部の抵抗器と共に示す正面図である。
【図2】車両用4灯式ヘッドライト装置における灯具をバルブ取付位置で切断して示す断面図である。
【図3】車両用4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図4】4灯式ヘッドライトの構成を示す回路図である。
【図5】実施形態2に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置における灯具をランプ取付位置で切断して示す断面図である。
【図6】実施形態3に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置におけるHiビームバルブ及び抵抗器を示す正面図である。
【図7】車両用2灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図8】通常の4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
A2 2灯式ヘッドライト
A4 4灯式ヘッドライト
A 非交換部
1 Hiビームバルブ
2 Loビームバルブ
4 H/Lリレー(ビームバルブ点灯切換手段)
6 ディマースイッチ
6b Hiビーム側接点
6c Loビーム側接点
8 メータ内ビームランプ
10 ポジションランプ
11 補助ランプ
13 TNSリレー(補助ランプ点灯切換手段)
15 第1回路
16 第2回路
17 第3回路
20 Hiビーム用灯具
21 Loビーム用灯具
22 リフレクタ
25 バルブ取付部
26 ランプ取付部
27 抵抗器取付部
30 Hiビームフィラメント
36 Loビームフィラメント
37 アタッチメント
R 抵抗器
B 電源
Claims (15)
- Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段と、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点との間に接続され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、
上記抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、
抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1〜4のいずれか1つの車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
抵抗器は、通電により発光しないものであることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、
Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、
メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプと、
上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設され、上記メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続され、
上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記抵抗器が直列に接続され、
上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときに抵抗器及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項6の車両用ヘッドライト装置において、
抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項6の車両用ヘッドライト装置において、
灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、
抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項6の車両用ヘッドライト装置において、
抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項6〜9のいずれか1つの車両用ヘッドライト装置において、
抵抗器は、通電により発光しないものであることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段と、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点との間に接続されるLoビームバルブと、
補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段とアースとの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えた2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する改造方法であって、
上記4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段と、上記ディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段と、ディマースイッチのLoビームバ側接点及びメータ内ビームランプとの間に接続され、メータ内ビームランプのダミー抵抗となる抵抗器とを備え、
上記抵抗器は、上記Hi又はLoビームバルブの灯具を含む灯具内に配設されており、
上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
4灯式ヘッドライトの抵抗器は、Hi又はLoビームバルブの内部にビームフィラメントとは独立して設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
4灯式ヘッドライトの灯具は、Hi又はLoビームバルブとは別のランプを取り付けるためのランプ取付部と同様の構造の抵抗器取付部を有しており、
抵抗器は、上記抵抗器取付部に取り付けられた状態で灯具内に配設されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
抵抗器は、Hi又はLoビームバルブに一体的に設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11〜14のいずれか1つの車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
抵抗器は、通電により発光しないものであることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。
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