JP3728954B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶表示装置などのような電気光学効果によって、所定の表示を行う電気光学装置、および、その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気光学装置、例えば、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、主に、マトリクス状に配列した画素電極の各々に非線形(スイッチング)素子が設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極などが形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された液晶とから構成される。このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極(共通電極)の間の液晶層に所定の電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、液晶層の抵抗が十分に高ければ、当該液晶層における電荷の蓄積が維持される。このように、各スイッチング素子を駆動して蓄積させる電荷の量を制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化して、所定の情報を表示することが可能となる。
【0003】
このように、各液晶層毎に電荷を蓄積させるのは、一部の期間で良いため、第1に、垂直走査期間において、各走査線を1本ずつ順次選択するとともに、第2に、水平走査期間において、1本のデータ線を選択し、第3に、選択されたデータ線に画像信号をサンプリングして供給する構成により、走査線およびデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0004】
ところで、上記電気光学装置、特に、液晶表示装置にあっては、薄型軽量という特性が評価されて、例えば、PDA(Personal Digital Assistant:個人向け情報機器)などの携帯型情報機器の表示部として最適である。また、近年では、腕時計などの携帯装置にコンピュータ並の機能を持たせた、いわゆるウェアラブル・コンピュータなども登場しつつあり、液晶表示装置は、このような携帯装置の表示部にも最適といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯型情報機器や携帯装置では、その電源容量が限られているために、表示部としての消費電力が極めて低いことが要求される。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、消費電力を極めて低く抑えることが可能な電気光学装置、および、その駆動方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
まず、液晶表示装置等の電気光学装置により消費される電力は、ほとんど容量負荷の充放電電流に起因したものである。一般に、容量負荷に流れる充放電電流Iは、容量をC、その容量に供給される信号の周波数をf、その信号の電圧をVとすると、fCVで示され、さらに、容量負荷によって消費される電力Pは、VI、すなわち、fCVで示される。このため、表示装置の消費電力は、充放電電流の周波数fに比例して増加することとなる。ここで、表示装置において最も高い周波数で動作する回路は、データ線側の駆動回路であるため、表示装置の消費電力は、当該駆動回路の充放電電流に起因したものがその大半を占める。したがって、表示装置の低消費電力化を図るためには、一見すると、当該駆動回路の動作周波数を低下させれば良い、と考えられる。
【0008】
しかしながら、データ線側の駆動回路の動作周波数は、当該表示装置における水平解像度を決定づけるものであるから、その周波数を単純に低下させるべきではない。
【0009】
一方、上記携帯型情報機器や携帯装置などにおいて、表示すべき内容を考慮すると、必ずしもその表示装置が有する最高解像の表示が必要ない場合も考えられる。例えば、電話番号や時刻などを表示する場合には、ほとんど数字という限られたキャラクタであるから、ある程度、解像度が悪くても判別は十分に可能である。反面、ビデオ映像の表示などでは、高い解像度が要求される。
【0010】
そこで、本発明においては、複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置において、複数段縦続接続構成の転送手段が入力信号をシフトするのに応じて、前記走査線に走査信号を順次供給する走査線駆動手段と、前記データ線に画像信号をサンプリングして印加するサンプリング回路と、を備え、前記走査信号駆動手段は、制御信号に応じて、前記走査信号の前記走査線への供給単位を1本あるいは2本以上にするかを選択可能であって、前記制御信号に応じて、2本以上の前記走査線を単位として前記走査信号を供給する場合には、前記転送手段の複数段のうち、当該2本以上の走査線の単位における所定の1本の走査線に対応する当該転送手段の所定段の回路が残りの段の回路から切り離され、且つ当該転送手段の所定段の回路同士が互いに縦続接続され、当該転送手段の所定段の間を入力信号がシフトされるのに応じて当該転送手段の所定段から出力がなされ、前記転送手段の残りの段の回路は、前記転送手段の所定段の回路から切り離されると共に前記入力信号が入力されず、前記制御信号に応じて、前記転送手段の所定段からの出力を残りの段に対応する走査線に供給するゲートを有し、当該転送手段の所定段からの出力を基にして単位となる前記2本以上の走査線に走査信号を供給してなることを特徴としている。
また、上記電気光学装置において、表示内容に応じて、前記走査線に前記走査信号を供給する単位の本数を切換えることを特徴としている。
また、上記電気光学装置において、表示内容に応じて、前記複数のデータ線を複数本毎にまとめた各群内で同時に選択するデータ線の本数を切換えることを特徴としている。
また、上記のいずれかに記載の電気光学装置を表示装置として用い、電池を駆動電源としてなることを特徴としている。
さらに、本発明にあっては、複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置であって、前記走査線に走査信号を順次出力する走査線駆動手段と、前記データ線を複数本毎にまとめた各群において、データ線を2本以上を単位として順次選択し、または、群内のすべてのデータ線を選択し、選択したデータ線に画像信号をサンプリングして印加するサンプリング手段とを具備することを特徴としている。本発明によれば、選択するデー
タ線本数を増やすと、水平解像度が低下するが、データ線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることができる一方、選択するデータ線本数を減らすと、データ線側の駆動周波数が増加するので、消費電力が増大するが、その分、水平解像度を高めることが可能となる。したがって、本発明によれば、高解像度化も可能となるし、低消費電力化も可能となる。
【0011】
ここで、本発明においては、前記各画素は、前記データ線に印加される画像信号を画素電極に供給する第1のスイッチング素子をそれぞれ備えることが望ましい。このように第1のスイッチング素子によって画像信号を画素電極に書き込む構成とすると、各データ線と選択された走査線との電位が遷移するだけなので、充放電電流が低減され、また、上述のように、データ線側の駆動周波数が低減されるので、容量負荷に起因して消費される電力を低減化する場合に有利となる。
【0012】
また、本発明において、前記サンプリング手段は、前記群におけるデータ線の各々を、当該群に対応して画像信号が供給される信号線に、それぞれ接続する第2のスイッチング素子からなることが望ましい。このように構成すると、群におけるデータ線の各々は、結局、共通の信号線に接続されることとなるため、外部との接続本数を減少させることができる。このため、液晶表示装置の素子基板の入力端子と回路基板の出力端子とを、異方性導電ゴムなどの簡易な接続方式よって接続する実装構造が可能となる。
【0013】
一方、本発明において、前記走査線駆動手段は、2本以上の走査線毎に走査信号を順次出力することが望ましい。このように、選択する走査線本数を増やすと、垂直解像度が低下するが、走査線側の駆動周波数を低減することができる。また、走査線側の駆動周波数を低減するのに伴いデータ線側の駆動周波数も低減でき、その相乗効果で、大きく消費電力を抑えることができる一方、選択する走査線本数を減らすと、走査線側の駆動周波数が増加するので、消費電力が増大するが、その分、垂直解像度を高めることが可能となる。
【0014】
このように、走査信号を出力する走査線本数を増減する場合において、前記走査線駆動手段は、入力信号をクロック信号に応じてシフトする複数段縦続接続構成の転送手段を有し、前記転送手段は、2本以上の走査線毎に走査信号を出力する場合、同じ走査信号を出力すべき走査線のうち、前記2本以上の走査線毎のそれぞれのうちの1本の走査線に対応する当該転送手段の段の回路同士を縦続接続し、 当該縦続接続される転送手段の段からの出力に基づき前記2本以上の走査線に同じ走査信号を出力することが望ましい。この構成によれば、縦続接続されないシフトレジスタの段の回路を動作させないで済むので、その分、消費電力を抑えることが可能となる。
【0015】
また、本発明において、前記サンプリング手段は、前記データ線を複数本毎にまとめた群内におけるデータ線を同時に選択する本数を切換え可能に構成されることが望ましい。水平解像度を可変できるようにすると、高解像度を必要としない表示内容や表示モードの場合には、同時選択するデータ線本数を増やす代わりに、駆動周波数を下げて、低消費電力化することができる。
【0016】
また、本発明において、前記転送手段は、同じ走査信号を出力すべき走査線の本数を切換え可能に構成されることが望ましい。垂直解像度を可変できるようにすると、高解像度を必要としない表示内容や表示モードの場合には、同時選択する走査線本数を増やす代わりに、駆動周波数を下げて、低消費電力化することができる。
【0017】
また、本発明にあっては上記目的を達成するために、複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置であって、前記走査線に走査信号を順次出力する走査線駆動回路と、前記データ線に画像信号をサンプリングして印加するサンプリング回路とを備え、前記走査線駆動手段は、入力信号をクロック信号に応じてシフトする複数段縦続接続構成の転送手段を有し、前記転送手段は、2本以上の走査線毎に走査信号を順次出力する場合、同じ走査信号を出力すべき走査線のうち、前記2本以上の走査線毎のそれぞれのうちの1本の走査線に対応する当該転送手段の段の回路同士を縦続接続し、当該縦続接続される転送手段の段からの出力に基づき前記2本以上の走査線に同じ走査信号を出力するを具備することを特徴としている。
【0018】
本発明によれば、選択する走査線本数を増やすと、垂直解像度が低下するが、走査線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることができる一方、選択する走査線本数を減らすと、走査線側の駆動周波数が増加するので、消費電力が増大するが、その分、垂直解像度を高めることが可能となる。したがって、本発明によれば、高解像度化も可能となるし、低消費電力化も可能となる。また、この構成によれば、縦続接続されないシフトレジスタの段の回路を動作させないで済むので、その分、消費電力を抑えることが可能となる。
【0019】
また、本発明においては、前記転送手段は、同じ走査信号を出力すべき走査線の本数を切換え可能に構成されることが望ましい。垂直解像度を可変できるようにすると、高解像度を必要としない表示内容や表示モードの場合には、同時選択する走査線本数を増やす代わりに、駆動周波数を下げて、低消費電力化することができる。
【0020】
さらに、本発明にあっては上記目的を達成するために、複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置の駆動方法であって、前記複数の走査線のうち、1本以上の走査線に走査信号を出力し、前記データ線を複数本毎にまとめた各群において、データ線を2本以上を単位として順次選択し、または、群内のすべてのデータ線を選択し、選択したデータ線に画像信号をサンプリングして印加することを特徴としている。さらに、複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置の駆動方法であって、前記複数の走査線のうち、1本以上の走査線を単位に走査信号を出力し、前記データ線を複数本毎にまとめた各群において、データ線を2本以上を単位として順次選択し、または、群内のすべてのデータ線を選択し、選択したデータ線に画像信号をサンプリングして印加し、表示内容或いは表示モード等に応じて、前記走査線に走査信号を供給する単位の本数を切換えることを特徴としている。本発明によれば、選択するデータ線本数を増やすと、水平解像度が低下するが、データ線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることができる一方、選択するデータ線本数を減らすと、データ線側の駆動周波数が増加するので、消費電力が増大するが、その分、水平解像度を高めることが可能となる。したがって、本発明によれば、高解像度化も可能となるし、低消費電力化も可能となる。
【0021】
本発明において、前記各群内で同時に選択するデータ線の本数を、表示内容或いは表示モード等に応じて切換えることが望ましい。水平解像度を可変できるようにすると、高解像度を必要としない表示内容や表示モードの場合には、同時選択するデータ線本数を増やす代わりに、駆動周波数を下げて、低消費電力化することができる。
【0022】
さらに、本発明の電子機器は、上記の本発明の電気光学装置を表示装置として用い、電池を駆動電源としてなるので、表示装置での低消費電力化が可能となり、それにより電池寿命を延ばすことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態にかかる電気光学装置について、液晶表示装置を例にとって説明する。図1は、この液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
図に示されるように、m本の走査線G1〜Gmが行(X)方向に沿って平行に配列して形成され、また、4n本のデータ線S1〜S4nが列(Y)方向に沿って平行に形成されている。ここで、m、nはともに1以上の整数である。そして、これらの走査線G1〜Gmとデータ線S1〜S4nとの各交差点においては、スイッチング素子であるTFT116のゲート電極が走査線に接続される一方、TFT116のソース電極がデータ線に接続されるとともに、TFT116のドレイン電極が画素電極118に接続されている。
【0026】
これらの走査線G1〜Gm、データ線S1〜S4n、各TFT116および各画素電極118が形成された素子基板と、共通電極等が形成された対向基板とが、スペーサが混入されたシール材によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせられ、この間隙に液晶が封入された構成となる。したがって、各画素は、画素電極118と共通電極とこれら両電極間に挟持された液晶とによって構成されることになる。なお、説明の便宜上、例えば、図において左から2番目のデータ線S2と上から3番目の走査線G3との交差点に位置する画素を(2、3)という表記で示すこととする。
【0027】
次に、走査線駆動回路を構成するYシフトレジスタ(転送手段)120は、走査線G1〜Gmに対して走査信号を少なくとも1本ずつ順番に出力して、走査線を順次選択するものである。具体的には、Yシフトレジスタ120は、シフタレジスタがm段縦続接続されたものであり、垂直走査期間の最初に供給されるパルスを、水平走査期間毎に供給されるクロック信号にしたがって順次シフトし、各段のシフトレジスタの出力を走査信号として出力する構成となっている。
【0028】
次に、信号線駆動回路を構成するサンプリング回路130は、TFTからなるスイッチ131が各データ線S1〜S4n毎に設けられたものであり、4本のデータ線S4i−3〜S4iを1群とし、この第i群に属するデータ線に対し、サンプリング信号X1〜X4にしたがって画像信号Viをぞれぞれサンプリングして供給するものである。ここで、iは、1群にまとめられたデータ線を一般的に示すためのものであって、1≦i≦nを満たす整数である。また、各スイッチ131について、第i群に属するデータ線S4i−3〜S4iを例にとって説明すると、各ソース電極は、その群に対応して画像信号Viが供給される信号線に共通接続され、また、各ドレイン電極は各データ線に接続され、さらに、各ゲート電極は、その群に対応してサンプリング信号X1〜X4が供給される信号線に順番に接続されている。
【0029】
デコーダ140は、制御信号A、B、Cをサンプリング信号X1、X2、X3、X4に変換して出力するものであり、その詳細な回路図の一例は図2に示すように制御信号A、B、Cとその反転信号をNAND回路に入力してデコードするものであり、その真理値表は図3に示される通りである。したがって、ある期間において、例えば、制御信号の組み合わせ「A,B,C」が「0,0,1」、「0,1,0」、「0,1,1」、「1,0,0」という順番で遷移すると、サンプリング信号は、X1、X2、X3、X4という順番で排他的にアクティブとなる。また、例えば、制御信号「A,B,C」が「1,0,1」、「1,1,0」という順番で遷移すると、サンプリング信号X1、X2がともにアクティブとなった後に、サンプリング信号X3、X4がともにアクティブとなる。さらに、制御信号「A,B,C」が「1,1,1」の状態を維持すると、サンプリング信号X1、X2、X3、X4はすべてアクティブとなる。
【0030】
なお、制御信号A、B、Cは、図示しない制御部によって表示モードや内容などに応じて供給されるものであり、画像信号V1〜Vnも制御部の制御のもと、図示しない画像処理部によって並列に供給されるものである。
【0031】
<第1実施形態の動作>
次に、上述した液晶表示装置の動作について説明する。
【0032】
<通常の解像度(最高解像度)>
まず、通常の解像度で表示を行う場合について、図4に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0033】
はじめに、走査信号が、Yシフトレジスタ120によって、走査線G1、G2、G3、……、Gmに対して1水平走査期間毎に順番に出力される。これにより、走査線G1、G2、G3、……、Gmが順次選択されることとなる。
【0034】
ここで、1水平走査期間においては、制御信号「A,B,C」が制御部によって「0,0,1」、「0,1,0」、「0,1,1」、「1,0,0」という順番で遷移する。これにより、サンプリング信号は、X1、X2、X3、X4という順番で排他的にアクティブとなる。
【0035】
このような状態において画像信号V1〜Vnは、1水平走査期間に制御信号A、B、Cに同期して4つの期間に分けて供給される。すなわち、一般的に、走査線Gj(jは、1≦j≦mを満たす整数)が選択される1水平走査期間に、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、制御信号「A,B,C」が「0,0,1」となる第1の期間においては、データ線S4i−3と走査線Gjとの交差点に位置する画素(4i−3,j)に印加すべき信号であり、次に、制御信号「A,B,C」が「0,1,0」となる第2の期間においては、データ線S4i−2と走査線Gjとの交差点に位置する画素(4i−2,j)に印加すべき信号であり、さらに、制御信号「A,B,C」が「0,1,1」となる第3の期間においては、データ線S4i−1と走査線Gjとの交差点に位置する画素(4i−1,j)に印加すべき信号であり、そして、制御信号「A,B,C」が「1,0,0」となる第4の期間においては、データ線S4iと走査線Gjとの交差点に位置する画素(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図4における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0036】
そして、走査線Gjが選択される1水平走査期間の第1の期間にあっては、サンプリング信号X1のみがアクティブとなる結果、画像信号Viが、データ線S4i−3にスイッチ131を介して印加され、TFT116によって画素(4i−3,j)に書き込まれることとなる。同様に、第2、第3、第4の期間にあっては、画像信号Viが、データ線S4i−2、S4i−1、S4iに印加されて、画素(4i−2,j)、(4i−1,j)、(4i,j)に書き込まれることとなる。
【0037】
したがって、1水平走査期間において、同じ群に属する4本のデータ線と選択走査線との交差点に位置する4個の画素には、4回に分けて1個ずつ、異なる画像信号が書き込まれるので、この表示装置が有する最高解像度の表示が行われることとなる。なお、このように最高解像度で表示すべき場合とは、例えば、ビデオなどの映像を表示する場合や、図13において領域310に示されるように、小さい文字や漢字などの精細度が要求されるキャラクタを表示する場合などである。
【0038】
なお、この場合の表示動作は実質的には従来と同様である。しかし、画像信号の入力端子はデータ線毎に入力端子を設ける場合に比べて、1/4に少なくなるため、駆動用IC等の回路基板との接続構造を簡単にすることができる。
【0039】
<水平解像度1/2>
次に、水平解像度を1/2に低下させて表示を行う場合について、図5に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0040】
はじめに、この場合も通常の解像度で表示する場合と同様に、走査信号が、Yシフトレジスタ120によって、走査線G1、G2、G3、……、Gmに対して1水平走査期間毎に順番に出力される。これにより、走査線G1、G2、G3、……、Gmが順次選択される。
【0041】
ただし、1水平走査期間においては、制御信号「A,B,C」が制御部によって「1,0,1」、「1,1,0」という順番で遷移する。これにより、サンプリング信号X1、X2がともにアクティブとなった後に、サンプリング信号X3、X4がともにアクティブとなる。
【0042】
このような状態において画像信号V1〜Vnは、1水平走査期間に制御信号A、B、Cに同期して2回に分けて供給される。すなわち、一般的に、走査線Gjが選択される1水平走査期間に、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、制御信号「A,B,C」が「1,0,1」となる第1の期間においては、データ線S4i−3、S4i−2と走査線Gjとの交差点に位置する2個の画素(4i−3,j)、(4i−2,j)に印加すべき信号であり、次に、制御信号「A,B,C」が「1,1,0」となる第2の期間においては、データ線S4i−1、S4iと走査線Gjとの交差点に位置する2個の画素(4i−1,j)、(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図5における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0043】
そして、走査線Gjが選択される1水平走査期間における第1の期間にあっては、サンプリング信号X1、X2がアクティブとなる結果、画像信号Viが、データ線S4i−3、S4i−2の2本に各スイッチ131を介して印加され、各TFT116によって画素(4i−3,j)、(4i−2,j)に書き込まれることとなる。同様に、第2の期間にあっては、画像信号Viが、データ線S4i−1、S4iの2本に印加されて、画素(4i−1,j)、(4i,j)に書き込まれることとなる。
【0044】
したがって、1水平走査期間において、同じ群に属する4本のデータ線と選択走査線との交差点に位置する4個の画素には、2回に分けて2個ずつ、異なる画像信号が書き込まれるので、水平解像度が1/2である表示が行われることとなる。
【0045】
また、1水平走査期間での画像信号のサンプリング期間は2回となって、サンプリング信号X1〜X4の出力される周波数は最高解像度の場合と比べて半分となるので、各データ線S1〜S4nの充放電電流が半分となる。このため、消費電力も、最高解像度と比べて半分に抑えられる。また、駆動回路側でも画像信号の供給が1水平走査期間に2回となるので、駆動回路での消費電力も低く抑えられる。
【0046】
<水平解像度1/4>
次に、水平解像度を1/4にさらに低下させて表示を行う場合について、図6に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0047】
この場合も通常の解像度で表示する場合や、水平解像度を1/2に低下させて表示する場合と同様に、走査信号が、Yシフトレジスタ120によって、走査線G1、G2、G3、……、Gmに対して1水平走査期間毎に順番に出力されることにより、走査線G1、G2、G3、……、Gmが順次選択される。
【0048】
ただし、各水平走査期間においては、制御信号「A,B,C」が制御部によって「1,1,1」に維持される。これにより、サンプリング信号X1、X2、X3、X4はすべてアクティブとなる。
【0049】
このような状態において画像信号V1〜Vnは、1水平走査期間毎に供給される。すなわち、一般的に、走査線Gjが選択される1水平走査期間において、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、データ線S4i−3〜S4iと走査線Gjとの交差点に位置する4個の画素(4i−3,j)、(4i−2,j)、(4i−1,j)、(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図6における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0050】
そして、走査線Gjが選択される1水平走査期間にあっては、サンプリング信号X1〜X4がすべてアクティブとなる結果、画像信号Viが、データ線S4i−3〜S4iの4本に各スイッチ131を介して印加され、各TFT116によって画素(4i−3,j)、(4i−2,j)、(4i−1,j)、(4i,j)に書き込まれることとなる。
【0051】
したがって、1水平走査期間において、同じ群に属する4本のデータ線と選択走査線との交差点に位置する4個の画素には、同時に同じ画像信号が書き込まれるので、水平解像度が1/4である表示が行われることとなる。
【0052】
また、1水平走査期間での画像信号のサンプリング期間は1回となって、サンプリング信号X1〜X4の出力される周波数は最高解像度の場合と比べて1/4となるので、各データ線S1〜S4nの充放電電流が1/4となる。このため、消費電力も、最高解像度と比べて1/4に抑えられることとなる。また、駆動回路側でも画像信号の供給が1水平走査期間に1回となるので、駆動回路での消費電力も低く抑えられる。
【0053】
<水平解像度1/4、垂直解像度1/4>
次に、水平解像度を1/4に低下させた場合であって、かつ、垂直解像度も1/4に低下させて表示を行う場合について、図7に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0054】
この場合も通常の解像度で表示する場合や、水平解像度を1/2、1/4に低下させて表示する場合と同様に、走査信号が、Yシフトレジスタ120によって、走査線G1、G2、G3、……、Gmに対して1水平走査期間毎に順番に出力される。これにより、走査線G1、G2、G3、……、Gmが順次選択される。
【0055】
各水平走査期間においては、水平解像度を1/4に低下させて表示する場合と同様に制御信号「A,B,C」が制御部によって「1,1,1」に維持される。これにより、サンプリング信号X1、X2、X3、X4はすべてアクティブとなる。また、このような状態において画像信号V1〜Vnは、4水平走査期間毎に供給される。すなわち、一般的に、走査線Gj−3、Gj−2、Gj−1、Gj(この場合のjは、4≦j≦mを満たす整数)が選択される4水平走査期間に、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、データ線S4i−3〜S4iと走査線Gj−3〜Gjとの交差点に位置する16個の画素(4i−3,j−3)、(4i−2,j−3)、(4i−1,j−3)、(4i,j−3)、(4i−3,j−2)、(4i−2,j−2)、(4i−1,j−2)、(4i,j−2)、(4i−3,j−1)、(4i−2,j−1)、(4i−1,j−1)、(4i,j−1)、(4i−3,j)、(4i−2,j)、(4i−1,j)、(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図7における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0056】
したがって、4水平走査期間において、同じ群に属する4本のデータ線と選択される4本の走査線との交差点に位置する16個の画素には、4回の水平走査期間毎に分けて4個ずつ、同じ画像信号が書き込まれるので、水平解像度および垂直解像度がそれぞれ最高解像度の1/4である表示が行われることとなる。なお、このように水平解像度および垂直解像度を1/4で表示する場合としては、例えば、図13において領域330に示されるように、精細度が要求されない数字などのキャラクタを表示する場合などが挙げられ、図示のように時刻のほか、計時時間、電話番号などの表示モードに好適である。
【0057】
また、画像信号のサンプリング期間は4水平走査期間毎に1回となって、サンプリング信号X1〜X4は4水平走査期間中に変化せず、その期間での充放電電流はほぼゼロとなる。データ信号がデータ信号線に書き込まれる回数は最高解像度の場合と比べて1/16となるので、各データ線S1〜S4nの充放電電流が1/16となる。このため、消費電力も、水平解像度のみを1/4に低下させて表示する場合に対し、大きく抑えることが可能で、最高解像度と比べて1/16近くに抑えられることとなる。また、駆動回路側でも画像信号の供給が4水平走査期間に1回となるので、駆動回路での消費電力も低く抑えられる。
【0058】
このように本実施形態によれば、1水平走査期間において、各群のデータ線を1本、2本毎に順次選択し、または、4本まとめて選択し、画像信号を4回、2回に分けて供給し、または、1回で供給すると、その選択本数に応じて画像信号の供給期間が1、2、4倍となる。このため、水平解像度は、1、1/2、1/4となるが、データ線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることが可能となる。また、駆動回路側でも画像信号の供給が1水平走査期間内に4回、2回、1回と減らすことができるので、駆動回路での消費電力も低く抑えられる。
【0059】
さらに、垂直解像度を下げて、複数の水平走査期間を単位として画像信号を供給するようにすれば、サンプリング信号が出力される周波数はより低くなるので、データ線側の駆動周波数がより低減され、消費電力をより抑えることができる。
【0060】
このような、同一の画像信号を供給する画素数を切換えて水平解像度や垂直解像度を変更するのは、本実施形態の表示装置を搭載する携帯型情報機器や携帯装置に内蔵される制御部から出力或いは外部入力された制御信号に基づき、制御信号A、B、Cや画像信号V1…Vnを供給する駆動回路やYシフトレジスタの動作が切換えられることにより行われる。したがって、表示モードや表示する内容に応じて、水平解像度や垂直解像度を自由に切替えることができる。なお、1画面を走査する垂直走査期間中に、解像度を切換えることも可能である。図13ので310の表示領域では高解像度とし、330の表示領域では低解像度とし、320では中解像度として、切換えることができる。これらの切替えも制御部からの制御信号により容易に行える。
【0061】
また、本実施形態によれば、走査線G1〜Gmとデータ線S1〜S4nとの交差点に位置する画素電極118は、TFT116を介してデータ線に接続されている。このため、非選択走査線に接続されたTFT116が非導通状態となるため、各データ線と選択された走査線との電位が遷移するだけであり、充放電の対象となる容量値を決定する電極面積は非常に小さくなる。このため、充放電が全画面にわたって行われるパッシブマトリクス方式と比べると低減され、また、上述のように、データ線側の駆動周波数も低減されるので、容量負荷に起因して消費される電力を低減化する場合に有利となる。
【0062】
さらに、各群に属する4本のデータ線は、スイッチ131を介して画像信号が供給される共通の信号線に接続されているので、X側における接続点が、データ線S1〜S4nの総本数と比べると、1/4で済む。したがって、画面サイズが小さく、データ線S1〜S4nの配線ピッチが狭くても、接続部分の入力端子やその配線ピッチを広げることができるので、表示装置の素子基板の入力端子と回路基板とを接続する接続部材の端子や配線の配列ピッチが狭ピッチでなくともすむ。したがって、例えば、上記接続部材としては、狭ピッチへの対応は不向きだが安価な異方性導電ゴムなどの簡易な接続部材の採用が可能となる。
【0063】
また、画像信号は、外部の駆動回路から並列で供給できるので、当該駆動回路を、シリコン基板を用いた駆動回路用ICで構成することができる。このため、そのICの動作電圧を低下させることにより、当該駆動回路を内部においてTFTより構成する場合と比べて、さらなる低消費電力化が可能となる。
【0064】
なお、以上に説明した本実施形態においては、サンプリング信号を4個とし、データ線4本を群とし、データ線側駆動回路の周波数を1/2,1/4とする事で説明してきたが、これに限定されるものではなく、データ線を3本、6本、8本、9本、12本、16本…など、表示の仕様に応じて変更しても良い。また、画像信号を複数の水平走査期間毎に供給する場合も、4水平走査期間で説明したが、これに限られるものではない。
【0065】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態は、水平解像度を低下させると、データ線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることが可能であるが、垂直解像度を低下させても、走査信号の出力間隔は一定であるので、すなわち、走査線側の駆動周波数が一定であるので、シフトレジスタ120の消費電力、すなわち、走査線G1〜Gmが有する容量に起因して消費される電力が低減されない、という問題点を有する。
【0066】
そこで、この問題点を解消した第2実施形態について説明する。本実施形態にあっては、図1に示されたYシフトレジスタ120を、図8に示されるように、4本の走査線を1ブロックとして、繰り返したものである。なお、この図において、kは、走査線G1〜Gmを4本にまとめたブロックについて一般化するための整数である。
【0067】
この図において、制御信号▲1▼は、垂直解像度が通常の場合、すなわち、1本の走査線毎に順次駆動する場合にアクティブとなる信号であり、制御信号▲2▼は、垂直解像度を通常の1/2として2本の走査線毎に順次駆動する場合にアクティブとなる信号であり、制御信号▲3▼は、垂直解像度を通常の1/4として4本の走査線毎に順次駆動する場合にアクティブとなる信号である。したがって、これらの制御信号▲1▼、▲2▼、▲3▼は、互いに排他的にアクティブとなる信号であり、制御信号A、B、Cと同様に、図示しない制御部や外部入力によって表示モードや内容などに応じて供給されるものである。
【0068】
次に、転送回路であるシフトレジスタ1210は、ラッチ回路やフリップフロップ回路などの保持回路が複数段縦続接続して構成されるものであり、1本の走査線毎に対応して各段の保持回路が設けられ、クロック信号CLYにしたがってパルスDYを順次保持・転送することによりシフトして、対応する走査線へ走査信号として出力するものである。また、以下の各スイッチは、実際には、相互型やNチャネル型のTFTによるトランスミッションゲートなどにより構成されるものである。
【0069】
まず、シフトレジスタ1210の(4k−3)段から(4k−2)段へのパルスDYの転送はスイッチ1222を介して、また、シフトレジスタ1210の(4k−2)段から(4k−1)段へのパルスDYの転送はスイッチ1224を介して、さらに、シフトレジスタ1210の(4k−1)段から4k段へのパルスDYの転送はスイッチ1226を介して、そして、シフトレジスタ1210の4k段から次のブロックの(4(k+1)−3)段へのパルスDYの転送はスイッチ1228を介して、それぞれ行われる構成となっている。ここで、スイッチ1222、1224、1226、1228の各ゲートは、制御信号▲1▼が供給される信号線に接続されている。
【0070】
また、シフトレジスタ1210の(4k−3)段から(4k−1)段へのパルスDYのバイパス転送はスイッチ1232を介して、(4k−1)段から次のブロックの(4(k+1)−3)段へのパルスDYのバイパス転送はスイッチ1234を介して、それぞれ行われる構成となっている。ここで、スイッチ1232、1234の各ゲートは、制御信号▲2▼が供給される信号線に接続されている。
【0071】
さらに、シフトレジスタの(4k−3)段から次のブロックの(4(k+1)−3)段へのパルスDYのバイパス転送はスイッチ1242を介して行われる構成となっている。ここで、スイッチ1242のゲートは、制御信号▲3▼が供給される信号線に接続されている。
【0072】
一方、シフトレジスタ1210の(4k−2)段、4k段による各走査信号は、それぞれゲートが制御信号▲1▼の供給信号線に接続されたスイッチ1252、1254を介して、それぞれ走査線G4k−2、G4kに供給される。また、(4k−1)段による走査信号は、スイッチ1256を介して、走査線G4k−1に供給される。ここで、スイッチ1256のゲートには、OR回路1262によって求められた、制御信号▲1▼と制御信号▲2▼との論理和が供給されている。
【0073】
また、走査線G4k−3、G4k−2は、スイッチ1272を介して、短絡可能となっており、このスイッチ1272のゲートには、OR回路1264によって求められた、制御信号▲2▼と制御信号▲3▼との論理和が供給される。同様に、走査線G4k−3、G4k−1は、ゲートが制御信号▲3▼の供給信号線に接続されたスイッチ1274を介して、短絡可能となっている。同様に、走査線G4k−3、G4kは、ゲートが制御信号▲3▼の供給信号線に接続されたスイッチ1276を介して、短絡可能となっている。さらに、走査線G4k−1、G4kは、ゲートが制御信号▲2▼の供給信号線に接続されたスイッチ1278を介して、短絡可能となっている。
【0074】
なお、シフトレジスタ1210の(4k−3)段による走査信号は、インピーダンス整合器1280を介して走査線G4k−3に供給される構成となっている。これは、他の走査線では走査信号がスイッチを介して供給される点を考慮して、その均衡を図ったものである。したがって、これが問題とならない場合には、インピーダンス整合器1280は省略可能である。
【0075】
このようなYシフトレジスタ120にあっては、第1に、制御信号▲1▼がアクティブの場合、スイッチ1222、1224、1226、1228、1252、1254、1256がそれぞれオンとなる一方、他のスイッチはオフとなる。このため、シフトレジスタ1210の各段の保持回路が、走査線の総本数に相当するm段縦続接続されるとともに、シフトレジスタ1210の各段から出力される走査信号が、それぞれ対応する走査線に供給されることとなる。
【0076】
また、第2に、制御信号▲2▼がアクティブの場合、スイッチ1232、1234、1256、1272、1278がそれぞれオンとなる一方、他のスイッチはオフとなる。このため、(4k−3)段、(4k−1)段、(4(k+1)−3)段、……は1段おきに縦続接続される一方、他の段の保持回路は縦続接続から解放されることとなる。さらに、(4k−3)段による走査信号は、対応する走査線G4k−3のほかに、走査線G4k−2にも供給され、同様に、(4k−1)段による走査信号は、対応する走査線G4k−1のほかに、走査線G4kにも供給される。すなわち、同じブロックにおいて、縦続接続から解放されたシフトレジスタ段の保持回路に対応する走査線は、その1本前の走査線と短絡されて、同じ走査信号が供給されることとなる。
【0077】
くわえて、第3に、制御信号▲3▼がアクティブの場合、スイッチ1242、1272、1274、1276がそれぞれオンとなる一方、他のスイッチはオフとなる。このため、(4k−3)段、次のブロックの(4(k+1)−3)段、……が3段おきに縦続接続される一方、他の段の保持回路は、縦続接続から解放されることとなる。さらに、(4k−3)段による走査信号は、対応する走査線G4k−3のほかに、走査線G4k−2、G4k−1、G4kにも供給される。すなわち、同じブロックに属する走査線は、互いに短絡され、すべて同じ走査信号が供給されることとなる。
【0078】
<第2実施形態の動作>
次に、上述した第2実施形態にかかる液晶表示装置の動作について説明する。
【0079】
なお、垂直解像度が通常である場合には、制御信号▲1▼がアクティブとなって、第1実施形態と同様となるため、説明を省略する。したがって、垂直解像度が1/2、1/4の場合の動作について説明する。
【0080】
<垂直解像度1/2(水平解像度1/2)>
ここでは、垂直解像度が1/2であって、かつ、水平解像度も1/2で表示を行う場合について、図9に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0081】
この場合、制御信号▲2▼がアクティブとなるから、シフトレジスタ1210の格段の保持回路が1段おきに縦続接続されるとともに、縦続接続から解放されたシフトレジスタ1210の保持回路に対応する走査線は、その1本前の走査線と短絡されて、同じ走査信号が供給されることとなる。
【0082】
このため、図に示されるように、走査線G1、G2同士、G3、G4同士、……、Gm−1、Gm同士には、それぞれ同じ走査信号が順番に出力されて、隣接する2本の走査線が順次選択されることとなる。これにより、実質的に2本の走査線が1本の走査線として駆動される場合と同等となる。
【0083】
また、2本の走査線が同時に選択される期間においては、制御信号「A,B,C」が制御部によって「1,0,1」、「1,1,0」という順番で遷移する。これにより、サンプリング信号X1、X2がともにアクティブとなった後に、サンプリング信号X3、X4がともにアクティブとなる。
【0084】
このような状態において画像信号V1〜Vnは、2本の走査線が同時に選択される期間において、制御信号A、B、Cに同期して2回に分けて供給される。すなわち、一般的に、走査線Gj−1、Gj(この場合のjは、2≦j≦mを満たす整数)が同時に選択される場合に、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、制御信号「A,B,C」が「1,0,1」となる第1の期間においては、データ線S4i−3、S4i−2と走査線Gj−1、Gjとの交差点に位置する4個の画素(4i−3,j−1)、(4i−2,j−1)、(4i−3,j)、(4i−2,j)に印加すべき信号であり、次に、制御信号「A,B,C」が「1,1,0」となる第2の期間においては、データ線S4i−1、S4iと走査線Gj−1、Gjとの交差点に位置する4個の画素(4i−1,j−1)、(4i,j−1)、(4i−1,j)、(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図9における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0085】
そして、走査線Gj−1、Gjが選択される期間における第1の期間にあっては、サンプリング信号X1、X2がアクティブとなる結果、画像信号Viが、データ線S4i−3、S4i−2の2本に各スイッチ131を介して印加され、各TFT116によって4個の画素(4i−3,j−1)、(4i−2,j−1)、(4i−3,j)、(4i−2,j)に書き込まれることとなる。同様に、第2の期間にあっては、画像信号Viが、データ線S4i−1、S4iの2本に印加されて、4個の画素(4i−1,j−1)、(4i,j−1)、(4i−1,j)、(4i,j)に書き込まれることとなる。
【0086】
したがって、2本の走査線が同時に選択される期間において、同じ群に属する4本のデータ線と当該2本の走査線との交差点に位置する8個の画素には、2回に分けて4個ずつ、異なる画像信号が書き込まれるので、水平解像度および垂直解像度が1/2となる表示が行われることとなる。なお、このように水平解像度および垂直解像度を1/2で表示する場合としては、例えば、図13において領域320に示されるように、比較的、視認性の良いアイコンやキャラクタなどを表示する場合などが挙げられる。
【0087】
したがって、1水平走査期間において、同じ群に属する4本のデータ線と2本の選択走査線との交差点に位置する8個の画素には、2回に分けて4個ずつ、異なる画像信号が書き込まれるので、水平解像度および垂直解像度が1/2である表示が行われることとなる。
【0088】
このように、水平解像度および垂直解像度が1/2になると、1水平走査期間での画像信号のサンプリング期間は2回となって、サンプリング信号X1〜X4の出力される周波数は最高解像度の場合と比べて半分となるので、各データ線S1〜S4nの充放電電流が半分となる。さらに、走査線G1〜Gmのすべてを選択するのに要する時間が、第1実施形態において垂直解像度1/2とする場合と比べると、半分で済むので、クロック信号CLYの周波数を半減し、それに起因する充放電電流が半分となる。このため、第1実施形態と比べて、さらに消費電力を抑えることができる。また、データ線駆動回路側でも画像信号の供給が1水平走査期間に2回となり、走査線駆動回路側でも走査信号の出力周波数が半分となるので、駆動回路での消費電力も低く抑えられる。
【0089】
<垂直解像度1/4(水平解像度1/4)>
ここでは、垂直解像度が1/4であって、かつ、水平解像度も1/4で表示を行う場合について、図10に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
【0090】
この場合、制御信号▲3▼がアクティブとなるから、シフトレジスタ1210の保持回路が3段おきに縦続接続される。また、縦続接続から解放されたシフトレジスタ1210の段の保持回路に対応する走査線は、縦続接続されたシフトレジスタの段に対応する走査線と短絡されるので、同じブロックに属する4本の走査線には、同じ走査信号が供給されることとなる。
【0091】
このため、図に示されるように、走査線G1、G2、G3、G4同士、G5、G6、G7(図示省略)、G8(同)同士、……、Gm−3(同)、Gm−2(同)、Gm−1(同)、Gm同士には、それぞれ同じ走査信号が順番に出力されて、同じブロックに属する4本の走査線が順次選択されることとなる。これにより、実質的に4本の走査線が1本の走査線として駆動される場合と同等となる。
【0092】
また、4本の走査線が同時に選択される期間においては、制御信号「A,B,C」が制御部によって「1,1,1」に維持される。これにより、サンプリング信号X1、X2、X3、X4はすべてアクティブとなる。
【0093】
このような状態において画像信号V1〜Vnは、4本の走査線が同時に選択される期間毎に供給される。すなわち、一般的に、走査線Gj−3、Gj−2、G−1、Gj(この場合のjは、4≦j≦mを満たす整数)が同時に選択される場合に、第i群のデータ線S4i−3〜S4iに対応して供給される画像信号Viは、当該データ線S4i−3〜S4iと当該走査線Gj−3〜Gjとの交差点に位置する16個の画素(4i−3,j−3)、(4i−2,j−3)、(4i−1,j−3)、(4i,j−3)、(4i−3,j−2)、(4i−2,j−2)、(4i−1,j−2)、(4i,j−2)、(4i−3,j−1)、(4i−2,j−1)、(4i−1,j−1)、(4i,j−1)、(4i−3,j)、(4i−2,j)、(4i−1,j)、(4i,j)に印加すべき信号であって、具体的には、図10における画像信号詳細の欄で示される通りである。
【0094】
したがって、4本の走査線が同時に選択される期間においては、同じ群に属する4本のデータ線と選択される4本の走査線との交差点に位置する16個の画素には、当該選択期間において、同時に同じ画像信号が書き込まれるので、水平解像度および垂直解像度がそれぞれ最高解像度の1/4となる表示が行われることとなる。なお、このように水平解像度および垂直解像度を1/4で表示する場合としては、例えば、図13において領域330に示されるように、精細度が要求されない数字などのキャラクタを表示する場合などが挙げられ、図示のように時刻のほか、計時時間、電話番号などの表示モードに好適である。
【0095】
このように、水平解像度および垂直解像度が1/4になると、サンプリング信号X1〜X4は変化せず、その期間での充放電電流はほぼゼロとなる。データ信号がデータ信号線に書き込まれる回数は、最高解像度の場合と比べて1/16となるので、各データ線S1〜S4nの充放電電流も1/16となる。さらに、走査線G1〜Gmを選択するのに要する時間が、垂直解像度を1/2とする場合と比べるとさらに半分となり、また、、第1実施形態において垂直解像度を1/4とする場合と比べると1/4で済む。このため、第1実施形態と比べて、さらに消費電力を抑えることができる。
【0096】
このように本実施形態によれば、走査線が選択される期間において、各群のデータ線を1本、2本毎に順次選択し、または、4本まとめて選択し、画像信号を4回、2回に分けて供給し、または、1回で供給すると、その選択本数に応じて画像信号の供給期間が1、2、4倍となる。このため、水平解像度は、1、1/2、1/4となるが、データ線側の駆動周波数が低減されるので、第1実施形態と同様に、水平解像度に応じて消費電力を抑えることが可能となる。
【0097】
さらに、本実施形態によれば、各ブロックに属する走査線の同時駆動本数を1本、2本、4本にすると、走査線G1〜Gmをすべて選択するのに要する時間が、1、1/2、1/4に低減されるので、垂直解像度に応じて消費電力を抑えることが可能となる。
【0098】
このような、同一の画像信号を供給する画素数を切換えて水平解像度や垂直解像度を変更するのは、本実施形態の表示装置を搭載する携帯型情報機器や携帯装置に内蔵される制御部から出力或いは外部入力された制御信号に基づき、制御信号A、B、Cや画像信号V1…Vnを供給する駆動回路やYシフトレジスタの動作が切換えられることにより行われる。したがって、表示モードや表示する内容に応じて、水平解像度や垂直解像度を自由に切替えることができる。なお、1画面を走査する垂直走査期間中に、解像度を切換えることも可能である。図13ので310の表示領域では高解像度とし、330の表示領域では低解像度とし、320では中解像度として、切換えることができる。これらの切替えも制御部からの制御信号により容易に行える。
【0099】
なお、以上に説明した本実施形態においては、サンプリング信号を4個とし、データ線4本を群とし、データ線側駆動回路の周波数を1/2,1/4とする事で説明してきたが、これに限定されるものではなく、データ線を3本、6本、8本、9本、12本、16本…など、表示の仕様に応じて変更しても良い。また、同一の画像信号を複数の走査線の画素に供給する場合も、2走査線を同時、4走査線を同時で説明したが、これに限られるものではない。
【0100】
<応用形態>
本発明は、上述した第1および第2実施形態に限定されることなく、種々の応用が可能である。例えば、第1実施形態にあっては、制御信号A、B、Cをデコーダ140よってサンプリング信号X1〜X4に変換して、各群のデータ線を1本、2本、4本選択するようにしたが、図11に示されるように、サンプリング信号X1〜X4を、デコーダ140を介することなく、外部の制御部から直接供給を受ける構成としても良い。
【0101】
さらに、例えば、GBRの3原色を用いてカラー表示を行う場合、図12に示されるように、GBRの3個の画素を1個の画素とみなし、各ブロックにGBRに対応する画像信号を並列に供給する構成としても良い。
【0102】
さらに、本発明では、電気光学装置としての液晶表示装置は、反射型でも透過型でもどちらでもよく、反射型表示装置の場合には、液晶パネルを構成する一対の基板のうち反射板を有する側の基板は透明なガラス基板でも半導体基板でも構わない。実施形態においてはスイッチング素子にTFTを用いたが、半導体基板の場合にはMOS型トランジスタを用いてもよい。さらに、画素のスイッチング素子はMIM等の2端子型スイッチング素子でも構わない。
【0103】
さらに、電気光学装置としては、液晶表示装置だけでなく、画素の構成を自発光するEL(エレクトロルミネッセンス)やPDP(プラズマディスプレイ)やFED(電界放出素子)としてた表示装置としても構わない。
【0104】
また、このような表示装置が適用される電子機器としては、図13に示される表示例から明らかなように、腕時計等の型を模したウェアラブル・コンピュータに最適である。この場合、当該コンピュータのCPUが、表示モードや機能モードに合わせて、垂直解像度および水平解像度の変更を指示することになるが、電源容量が低下した場合に、垂直解像度および水平解像度の低下させる構成としても良く、また、各機能ブロック毎に、パワーセーブ機能を設けても良い。
【0105】
たとえば、図14は本発明の電気光学装置を搭載した電子機器の概観図を示すものである。図14(a)は携帯電話1000の表示装置1001として本発明の電気光学装置を用いた例であり、図14(b)は上記したように腕時計1100に本発明の電気光学装置を表示装置1101として用いた場合の例であり、その表示は例えば図13のような表示例がある。また、図14(c)は携帯型コンピュータ機器1200に本発明の電気光学装置を表示装置1206として用いた例であり、1204は本体、1202はキーボード等の入力部を示す。
【0106】
このように、電池を電源とするような携帯型電子機器において、本発明を用いると、表示モードや表示内容に応じて、表示の解像度を切換えて電気光学装置の駆動周波数を下げることにより、電池寿命を延ばすことができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、選択するデータ線本数を増やすと、水平解像度が低下するが、データ線側の駆動周波数が低減されるので、その分、消費電力を抑えることができる一方、選択するデータ線本数を減らすと、データ線側の駆動周波数が増加するので、消費電力が増大するが、その分、水平解像度を高めることができるので、高解像度化も可能となるし、低消費電力化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 同液晶表示装置におけるデコーダの一例を示す回路図である。
【図3】 同デコーダにおける真理値表である。
【図4】 同液晶表示装置において通常の解像度とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】 同液晶表示装置において水平解像度を1/2とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】 同液晶表示装置において水平解像度を1/4とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】 同液晶表示装置において水平解像度および垂直解像度をともに1/4とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 本発明の第2実施形態にかかる液晶表示装置のうち、Yシフトレジスタの一部構成を示すブロック図である。
【図9】 同液晶表示装置において水平解像度および垂直解像度をともに1/2とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 同液晶表示装置において水平解像度および垂直解像度をともに1/4とした場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】 本発明の応用形態にかかる液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】 同じく、本発明の応用形態にかかる液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】 同液晶表示装置における表示画面の一例を示す図である。
【図14】 本発明の電気光学装置を用いた電子機器の概観図である。
【符号の説明】
116……TFT
118……画素電極
120……Yシフトレジスタ
130……サンプリング回路
131……スイッチ
140……デコーダ
1210……シフトレジスタ
1222、1224、1226、1228、1232、1234、1242、1252、1254、1256、1272、1274、1276、1278…スイッチ
1262、1264…OR回路

Claims (4)

  1. 複数の走査線と複数のデータ線との各交差点に対応して設けられる画素を有する電気光学装置において、
    複数段縦続接続構成の転送手段が入力信号をシフトするのに応じて、前記走査線に走査信号を順次供給する走査線駆動手段と、
    前記データ線に画像信号をサンプリングして印加するサンプリング回路と、を備え、
    前記走査信号駆動手段は、制御信号に応じて、前記走査信号の前記走査線への供給単位を1本あるいは2本以上にするかを選択可能であって、
    前記制御信号に応じて、2本以上の前記走査線を単位として前記走査信号を供給する場合には、前記転送手段の複数段のうち、当該2本以上の走査線の単位における所定の1本の走査線に対応する当該転送手段の所定段の回路が残りの段の回路から切り離され、且つ当該転送手段の所定段の回路同士が互いに縦続接続され、当該転送手段の所定段の間を入力信号がシフトされるのに応じて当該転送手段の所定段から出力がなされ、前記転送手段の残りの段の回路は、前記転送手段の所定段の回路から切り離されると共に前記入力信号が入力されず、
    前記制御信号に応じて、前記転送手段の所定段からの出力を残りの段に対応する走査線に供給するゲートを有し、当該転送手段の所定段からの出力を基にして単位となる前記2本以上の走査線に走査信号を供給してなる
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 表示内容に応じて、前記走査線に前記走査信号を供給する単位の本数を切換えることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 表示内容に応じて、前記複数のデータ線を複数本毎にまとめた各群内で同時に選択するデータ線の本数を切換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気光学装置を表示装置として用い、電池を駆動電源としてなることを特徴とする電子機器。
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