JP3728773B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、非水電解液二次電池に関し、特に炭素質材料を負極に用いた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラやラジオカセット等のポータブル機器の普及に伴い、使い捨てである一次電池に代わって、繰り返し使用できる二次電池に対する需要が高まっている。
【0003】
現在使用されている二次電池のほとんどは、アルカリ電解液を用いたニッケル・カドミウム電池である。しかし、この電池は、電圧が約1.2Vであり、エネルギー密度を向上させることが困難である。また、常温での自己放電率が1ケ月で20%以上と高いという欠点もある。
【0004】
そこで、電解液に非水溶媒を使用し、負極にリチウム等の軽金属を使用する非水電解液二次電池の検討がなされている。この非水電解液二次電池は、電圧が3Vと高いため高エネルギー密度を有し、自己放電も少なく、軽量という長所も有している。しかし、このリチウム等を負極に用いる非水電解液二次電池は、充放電を繰り返すと、負極から金属リチウム等がデンドライト状に結晶成長して正極に接触し、この結果、電池内部で短絡が生じるという可能性があり、実用化が困難である。
【0005】
このため、リチウム等を他の金属と合金化し、この合金を負極に使用するようにした非水電解液二次電池も検討されている。しかし、この電池では、充放電を繰り返すと、この負極を構成する合金が微粒子化するという問題を有しており、やはり実用化は困難である。
【0006】
そこで、例えば、特開昭62−90863号公報に開示されるように、コークス等の炭素質材料を負極活物質として使用する非水電解液二次電池が提案されている。この非水電解液二次電池は、リチウムイオンの炭素層間へのドープ・脱ドープを負極反応に利用するものであり、金属リチウム、リチウム合金を負極活物質として使用する場合のような金属リチウムの析出、合金の微粒子化が生じない。したがって、良好なサイクル特性が得られる。そして、正極活物質として、特開昭63−135099号公報や特開平1−304664号公報に開示されているように、例えばLix MO (但し、Mは1種類以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を用いると、電池容量が向上して、エネルギー密度が高い非水電解液二次電池を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭素質材料を負極活物質として用いた非水電解液二次電池は、金属リチウム等を負極活物質として用いた非水電解液二次電池に比べて、サイクル寿命、安全性には優れるものの、エネルギー密度においては劣るという欠点がある。
【0008】
この原因の一つとして、炭素質材料の場合、通常、その粉末をバインダー、分散剤等と混練してスラリー化し、これを集電体に塗布したり、直接成形することで負極とされ、バインダーを含む分、活物質の占める割合が小さくなることがある。すなわち、この場合、負極の10〜20%が電池容量に関与しないバインダーで占められてしまう。
【0009】
かかる欠点を改善するために、炭素質材料の充填密度を向上させる等の対策が考えられるが、それにも限界があり、エネルギー密度のさらなる向上が阻まれているのが実情である。
【0010】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、炭素質材料を負極活物質として用いる長所を活かしつつ、高いエネルギー密度が得られる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ある特殊な炭素質材料を焼結させると、塊状の炭素焼結体が得られ、この炭素焼結体を用いることによってバインダーを用いない活物質充填量の大きな負極が得られるとの知見を得るに至った。
【0012】
本発明の非水電解液二次電池は、このような知見に基づいて完成されたものであって、炭素質材料を負極活物質とする負極と、正極と、非水電解液を有してなる非水電解液二次電池において、上記負極は、炭素質材料中に集電体を挿入しておき、その状態で圧縮成形、焼結されて、上記集電体に保持された炭素焼結体からなることを特徴とする。
【0014】
本発明は、炭素質材料を負極活物質とする負極と、正極と、非水電解液を有してなる非水電解液二次電池に適用される。本発明では、このような非水電解液二次電池の負極を、炭素質材料を焼結して得られる炭素焼結体で構成することとする。
【0015】
炭素質材料を負極活物質として用いる場合、従来は、当該炭素質材料の粉末をバインダーと混練して負極合剤を調製し、これを所望の電極形状に形成するか、あるいは集電体に保持させることで負極が構成されている。しかし、このような負極では、バインダーを用いる分だけ負極活物質の充填密度が小さくなり、その結果、電池のエネルギー密度を充分に高めることができない。
【0016】
これに対して、炭素質材料を直接焼結させた炭素焼結体で負極を構成すると、バインダーを用いていない分、負極活物質の充填密度が高められ、反応面積の大きな負極が得られる。しかも、焼結されると炭素質材料の電導性が向上し、焼結していない炭素質材料を用いる場合よりも電池内部抵抗が低減する。したがって、このような負極を用いることで、電池のエネルギー密度、充放電効率が向上することになる。
【0017】
以上のような炭素焼結体は、原料となる炭素質材料を所望の電極形状に圧縮成形し、不活性ガス中、所定の温度で焼結することによって得られる。
【0018】
原料となる炭素質材料としては、石油ピッチ、バインダーピッチ、高分子樹脂、グリーンコークス等の樹脂分をある程度含んだ物が適している。また、完全に炭素化した、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス等)、カーボンブラック(アセチレンブラック等)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体(有機高分子材料を不活性ガス気流中、あるいは真空中で500℃以上の適当な温度で焼成したもの)、炭素繊維などと、前述の樹脂分を含んだピッチ類や、焼結性の高い樹脂、例えば、フラン樹脂、ジビニルベンゼン、ポリフッ化ビニデリン等を混合した混合体を原料とし、焼結させるようにしても良い。この原料中の樹脂分は焼結によって炭化あるいは揮発除去され樹脂分を含まない炭素焼結体が得られる。
【0019】
ここで、この焼結体の体積密度は、0.8〜1.95g/mlであることが好ましい。体積密度が上記範囲外である場合は、電池のエネルギー密度を充分に高めることができない。
【0020】
負極は、このような炭素焼結体を集電体に保持させる。集電体を用いることで負極の導電性が向上し、その結果、電池内部抵抗が低減し、充放電に際する分極が抑えられる。炭素焼結体を負極集電体に保持させた負極は、圧縮成形する前に予め、原料の炭素質材料中に集電体を挿入しておき、その状態で圧縮成形、焼結することで得られる。
【0021】
この集電体の材料としては、温度1000℃に至る焼結雰囲気下に置かれる都合上、そのような温度でも溶融することがないように、1000℃以上に融点を有し、且つリチウムと合金化し難いものであることが望ましい。そのような材料としては、銅、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、タンタル、タングステン、ステンレス、チタンの単体あるいはこれらの合金が挙げられる。特に、銅、ニッケル、ステンレス、鉄あるいはこれらの合金を用いるのが望ましい。
【0022】
なお、これら金属の融点を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003728773
【0024】
また、集電体の形態は、占有面積が小さくて済むことから、箔やメッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタルのようなイオンを通過させる開口部を有するものが適当である。
【0025】
以上のように、本発明では負極を炭素焼結体で構成するが、正極、電解液には、この種の電池において通常使用されるものがいずれも使用可能である。
【0026】
正極活物質としては、一般式LixMO(但し、Mは1種以上の遷移金属、好ましくは、CoまたはNi、Feの少なくとも1種を表し、0.05≦x≦1.10)が使用される。かかる活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiNiCo(1−y)(但し、xは0.05≦x≦1.10、yは0<y<1である)で表される複合酸化物や、LiMn等が挙げられる。
【0027】
上記複合酸化物は、例えば、リチウム、コバルト、ニッケル等の炭酸塩を組成に応じて混合し、酸素存在雰囲気下、600℃〜1000℃の温度範囲で焼成することによって得られる。なお、出発原料は炭酸塩に限定されず、水酸化物、酸化物からも同様に合成可能である。
【0028】
また、電解液は、有機溶剤に電解質を溶解したものであれば、従来から知られたものがいずれも使用することができる。
【0029】
したがって、有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ピラン及びその誘導体、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル類や、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の3置換−2−オキサゾリジノン類や、スルホラン、メチルスホラン、アセトニトリル、プロピオニトル等が挙げられ、これらが単独もしくは2種類以上が混合されて使用される。
【0030】
また、電解質としては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム、塩化アルミン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等が使用できる。
【0031】
なお、本発明が適用される電池の形状は、いわゆるコイン型、ボタン型のものばかりでなく、積層電極を用いる角型、カード型等いずれであっても良い。
【0032】
【作用】
本発明の非水電解液二次電池では、負極に、炭素質材料を焼結して得られる炭素焼結体を用いる。
【0033】
炭素焼結体よりなる負極は、炭素質材料粉末とバインダーの負極合剤で構成された負極に比べて、バインダーを用いていない分、活物質の充填密度が高く、大きな反応面積が得られる。しかも、焼結されることにより炭素質材料の電導性が向上し、焼結していない炭素質材料を用いる場合よりも電池内部抵抗が低減する。その結果、電池のエネルギー密度、充放電効率が向上することになる。
【0034】
このような炭素焼結体に集電体を一体化させると、負極の導電性が向上し、その結果、電池内部抵抗が低減し、充放電効率がより一層改善される。
【0035】
【実施例】
以下、本発明をコイン型の電池に適用した具体的な実施例について実験結果に沿って説明する。
【0036】
参考例1−1
参考例で作製したコイン型電池を図1に示す。本参考例では、このようなコイン型電池を次のようにして作製した。
【0037】
最初に、正極ペレット4を以下のようにして作製した。
【0038】
炭酸リチウムと炭酸コバルトを0.5モル:1モルなる比率で混合し、空気中、温度900℃で5時間焼成することで塊状のLiCoOを得た。このようにして得られたLiCoOをボウルミルを用いて粉砕し、ふるい分けすることによって平均粒径(平均体積径)10μmの正極活物質を得た。
【0039】
この正極活物質を91重量部と、導電剤であるグラファイト6重量部、バインダーであるポリフッ化ビニリデン3重量部とを混合し、さらにN−メチル−ピロリドンを分散剤として加えて正極ペーストを調製した。そして、この正極ペーストを乾燥し、直径15.5mmの円板状に成形することで、正極ペレット1を作製した。
【0040】
次に、負極焼結体2を次のように作成した。
【0041】
大阪化成社製のバインダーピッチTGP3000(商品名)を直径16.5mmの円板状にペレット化し、1トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成し、直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度(density)は、d=0.8g/mlであった。
【0042】
一方、電解液として、炭酸エチレンとジエチルカーボネイトとの混合液にLiPFを1モル/リットルなる濃度で溶解したものを用意した。
【0043】
そして、上記正極ペレット4を正極缶6に、負極焼結体2を負極カップ1に収容し、ポリプロピレン製の薄膜セパレータ3を介して積層した。次いで、缶内に電解液を注入し、ガスケット5を介してかしめることで直径20.0mm、厚さ2.5mmのコイン型電池を作成した。
【0044】
参考例1−2
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0045】
バインダーピッチTGP3000を直径16.5mmの円板状にペレット化した後、2トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは1.0g/mlであった。
【0046】
参考例1−3
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0047】
バインダーピッチTGP3000を直径16.5mmの円板状にペレット化した後、3トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0048】
参考例1−4
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0049】
バインダーピッチTGP3000を直径16.5mmの円板状にペレット化した後、4トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは1.4g/mlであった。
【0050】
参考例1−5
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0051】
バインダーピッチTGP3000を直径16.5mmの円板状にペレット化した後、5トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは、1.8g/mlであった。
【0052】
参考例1−6
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0053】
バインダーピッチTGP3000を直径16.5mmの円板状にペレット化した後、10トンにて圧縮成形した。そして、この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは1.95g/mlであった。
【0054】
参考例1−7
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0055】
まず、ピッチコークスを振動ミル中で直径12.7mmのステンレス鋼製の球と共に15分間粉砕することによって粉末とした。なお、このピッチコークスの真密度は、2.03g/cm、X線回析により日本学術振興会法により準じて求めた(002)面の面間隔は3.46オングストローム、C軸方向の結晶厚みLcは、40オングストロームであった。平均粒径は、33μmであった。
【0056】
このピッチコークスの粉末50重量%と、バインダーピッチTGP3000を50重量%計りとり、乳鉢にて混合した。そして、この混合物を、直径16.0mmにペレット化し、3トンにて圧縮成形した。この成型体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度dは、1.2g/mlであった。
【0057】
参考例1−8
負極焼結体を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0058】
グラファイト(ロンザ社製 商品名KS−15)50重量%と、バインダーピッチTGP3000を50重量%計りとり、乳鉢にて混合した。そして、この混合物を、直径16.5mmにペレット化し、3トンにて圧縮成形した。この成形体を不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの負極焼結体を得た。この焼結体の体積密度はdは、1.5g/mlであった。
【0059】
参考比較例1−1
負極を以下のように作成したこと以外は、参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0060】
参考例1−7で用いたのと同様のピッチコークスの粉末90重量部と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、これにN−メチル−ピロリドンを分散剤として加え、ペーストを調製した。そして、このペーストを乾燥し、直径16.0mmの円板状に圧縮成形することで負極ペレット2を作製した。
【0061】
以上のようにして作製された参考例1−1〜参考例1−8の電池及び参考比較例1−1の電池について、電池内部抵抗、充電容量、放電容量を測定した。
【0062】
なお、充電放電は、充電電流1mA、終止電圧4.2Vで定電流充電を行った後、放電電流1mA、終止電圧3.0Vまでの定電流放電を行うといった条件で行った。その結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0003728773
【0064】
表2からわかるように、負極にバインダーが含有されている参考比較例1−1の電池に比べて、炭素焼結体を負極に用いた参考例1−1〜参考例1−8の電池は、いずれも、負極密度が高く、充放電効率に優れている。また、電池の内部抵抗も低い値になっている。特に、ピッチコークスあるいはグラファイトと、バインダーピッチの混合体で炭素焼結体を得た参考例1−7及び参考例1−8の電池では、各々92%、95%というように、充放電効率が極めて高い値を示している。
【0065】
なお、負極焼結体の体積密度の上限を検討するために、バインダーピッチの成形圧力を20トンとすること以外は参考例1と同様の条件で焼結を行って2.0g/mlの体積密度を有する負極焼結体を生成し、コイン型電池に組み込んだところ、電池内部抵抗が20Ω,充電容量が132mAh、放電電容量が40mAh、そして、充放電効率が30%であった。これは、参考比較例1−1の電池に比べて劣った特性である。このことから、負極焼結体の体積密度は高ければ良いというものではなく、0.8〜1.95g/mlとなるような条件設定をする必要があることがわかった。
【0066】
実施例1−1
以下のようにして作製される炭素焼結体と集電体の焼結複合体を負極に用いること以外は参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0067】
大阪化成社製の特殊バインダーピッチLEC−1(商品名)を、不活性ガス中、温度900℃で1時間仮焼成し、得られた仮焼成体を250メッシュアンダーとなるように粉砕した。この仮焼成体と未焼成の特殊バインダーピッチLEC−1とを1:1なる割合で混合し、この混合粉体をペレット状に仮成形した。次に、この混合粉体の中央部に集電体として銅エキスパンドメタルを挿入し、直径16.5mmのペレット状に3トンにて圧縮成形した。なお、この銅エキスパンドメタルは、厚みが0.1mm、開口部形状が1×2mm、開口率が50%である。
【0068】
そして、この成形体を、不活性ガス中、温度1000℃で3時間焼成することで直径16.0mmの炭素焼結体と集電体の焼結複合体を得た。なお、この焼結複合体の集電体部分を除いた炭素質部分の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0069】
実施例1−2
炭素焼結体と集電体の焼結複合体を作製するに際して、集電体として厚さ0.1mmの銅箔を用い、これを炭素焼結体の片側面に複合させたこと以外は実施例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。なお、焼結複合体の集電体部分を除いた炭素質部分の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0070】
実施例1−3
炭素焼結体と集電体の焼結複合体を作製するに際して、集電体として厚さ0.1mm、開口率50%、口径1mmのパンチングメタルを用いること以外は実施例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。なお、焼結複合体の集電体部分を除いた炭素質部分の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0071】
実施例1−4
炭素焼結体と集電体の焼結複合体を作製するに際して、集電体として開口率50%のニッケルエキスパンドメタルを用いること以外は実施例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。なお、集電体部分を除いた炭素質部分の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0072】
実施例1−5
炭素焼結体と集電体の焼結複合体を作製するに際して、集電体として開口率50%のステンレス304エキスパンドメタルを用いること以外は実施例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。なお、集電体部分を除いた炭素質部分の体積密度dは1.2g/mlであった。
【0073】
比較例1−1
以下のようにして作製される負極合剤ペレットと集電体の圧着体を負極に用いること以外は参考例1−1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0074】
参考例1−7で用いたのと同様のピッチコークスの粉末90重量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合して負極合剤を調製し、これにN−メチルピロリドンを分散剤として加えることで負極合剤ペーストとした。この負極合剤ペーストを乾燥して直径16.0mmのペレット状に成形し、集電体となる銅エキスパンドメタルに圧着することで負極を作製した。
【0075】
以上のようにして作製された実施例1−1実施例1−5及び比較例1−1のコイン型電池について、電池内部抵抗、充電容量、放電容量及び充放電効率を求めた。
【0076】
なお、充放電は、充電電流1mA、終止電圧4.2Vで定電流充電を行った後、放電電流1mA、終止電圧3.0Vで定電流放電を行うといった条件で行った。その結果を表2に示す。また、さらに比較のため、集電体を用いずに体積密度が1.2g/mlの炭素焼結体のみを負極に用いた比較例1−2の電池についても同様の測定を行った。その結果も併せて表3に示す。
【0077】
【表3】
Figure 0003728773
【0078】
表3に示すように、炭素焼結体と集電体の焼結複合体を負極に用いた実施例1−1実施例1−5の電池は、炭素質材料とバインダーよりなる正極合剤ペレットと集電体の圧着体を負極に用いた比較例1−1の電池や、炭素焼結体のみを負極に用いた比較例1−2の電池に比べて、充電容量、放電容量が大きく、充放電効率が高い値になっている。これは、負極にバインダーを用いていないことで反応面積が増加したことと、金属集電体と炭素質材料とを焼結により一体化させたことで負極の導電性が向上し、その結果、電池内部抵抗が低減し、充放電の分極が少なくなったことによるものと思われる。
【0079】
このことから、炭素焼結体に集電体を複合させると、さらに電池の性能が向上することがわかった。
【0080】
なお、本実施例では、本発明をコイン型電池に適用した場合について検証したが、積層電極を用いる系に適用した場合でも同様の効果を得ることができた。したがって、角型電池、カード型電池において、非常に有効な技術である。また、炭素質材料も上記特殊バインダーピッチLEC−1に限らず、他の炭素質材料を用いた場合で同じ傾向の効果が得られるのは勿論である。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の非水電解液二次電池では、負極を炭素質材料を焼結してなる炭素焼結体あるいは炭素質材料を焼結してなる炭素焼結体と集電体で構成するので、負極の活物質充填量が向上し、電池のエネルギー密度、充放電効率を向上できる。特に、炭素焼結体に集電体を併用すると、負極の導電性が向上し、充放電効率がより一層改善される。したがって、二次電池を用いるポータブル機器の普及に大いに貢献することができる。このような炭素焼結体に集電体を一体化させると、負極の導電性が向上し、その結果、電池内部抵抗が低減し、充放電効率がより一層改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したコイン型の電池構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 負極カップ、2 炭素焼結体、3 セパレータ、4 正極ペレット、5 ガスケット、6 正極缶

Claims (6)

  1. 炭素質材料を負極活物質とする負極と、正極と、非水電解液を有してなる非水電解液二次電池において、
    上記負極は、炭素質材料中に集電体を挿入しておき、その状態で圧縮成形、焼結されて、上記集電体に保持された炭素焼結体からなることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 集電体は、融点が1000℃以上の金属または合金よりなることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 集電体は、銅、ニッケル、ステンレス、鉄の単体あるいはこれらの合金であることを特徴とする請求項2記載の非水電解液二次電池。
  4. 集電体は、開口部を有する金属板であることを特徴とする請求項2記載の非水電解液二次電池。
  5. 集電体は、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタルのいずれかの形態であることを特徴とする請求項4記載の非水電解液二次電池。
  6. 炭素焼結体は、体積密度が0.8〜1.95g/mlであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
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