JP3728765B2 - 光部品及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は, 光通信や光インタコネクションに用いる光部品 (光機能素子及び半導体レーザ) 及びその駆動方法に関する。
【0002】
近年, 光通信や光インタコネクションが注目され,この実現のために, 光の出射方向を自由に変化できる光機能素子があれば, システム構成上の自由度が著しく向上する。
【0003】
【従来の技術】
光の出射方向を自由に変化できる素子の従来例として, 図11に示される特殊な半導体レーザ (特開平 4-233291 号公報) がある。
【0004】
図11〜図14は従来例の説明図である。
この素子の構造は図11に示されるように,光増幅層 (図示の導波層) と同心円状の1次の回折格子による円形共振器と,さらに同心円状に高次(3次)の回折格子と,円形の共振器の横(円周方向)モードを起こさせる構造,例えば円形の増幅層に注入する電流を調節することによって,発振する向きを円周方向に沿って変える構造とを有している。
【0005】
この素子は,光増幅層と,同心円状の回折格子による円形の光共振器によって半導体レーザとして発振し,図12に示されるように光の定在波が円の半径方向及び円周方向に振動の節と腹ができるようにモードを立たせることができる。
【0006】
そして,図13に示されるように3次の回折格子によって,光は斜め上または斜め下に向かって放射される。
次に, 図14に示されるように, 増幅層への電流注入を調整することにより, 共振器の円周方向のモードの腹 (光強度のピーク) の生じる向きを変えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のビーム偏向レーザでは,出射方向を変えるために極めて多くの電極を必要としたため,素子作製工程及び駆動方法が複雑化し, 応用分野が著しく制限されている。
【0008】
本発明は, 簡単な電極構成の素子とその駆動法を提供し,光の出射方向を円周方向に偏向できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決は,
1) 相互に光結合する,同心楕円状の回折格子と光増幅層と導波路層とを有する光共振器であって,光の共振波長を楕円周方向に変化させたことを特徴とする光部品,あるいは
2) 相互に光結合する,同心円又は同心楕円状の回折格子と光増幅層と導波路層とを有する光共振器であって,該導波路層の厚さを該回折格子の円周または楕円周方向に変化させ,これによって光の共振波長を円周または楕円周方向に変化させたことを特徴とする光部品,あるいは
3) 前記光増幅層と前記導波路層とに独立して電流もしくは電圧を印加できる電極を有することを特徴とする前記1または2記載の光部品,あるいは,
4) 前記光共振器の内部または外部に同心円または同心楕円状の3次以上の回折格子を有することを特徴とする前記1乃至3記載の光部品、あるいは,
5) 前記1乃至4記載の光部品に対し,前記回折格子付近の前記光増幅層に電流注入または前記導波路層に電圧印加をおこなって,該回折格子の円周または楕円周方向に光の出射方向を制御することを特徴とする光部品の駆動方法により達成される。
【0010】
【作用】
図1〜図4は本発明の原理説明図である。
図で, 1は半導体基板で, p-InP 基板, 2は3次回折格子, 3は1次回折格子, 4は導波路層でIn0.71Ga0.29As0.62P0.38 層, 5は分離層でn-InP 層, 6は光増幅層でIn0.58Ga0.42As0.90P0.10 層, 7はクラッド層でp-InP 層である。
【0011】
本発明の構造は図1に示されるように,同心楕円状の回折格子と光増幅層による光共振器を有する。図示のようにx,y方向を指定する。同心楕円状回折格子の間隔Λx,Λyは互いに異なっている。これにより,この共振器の光のうち,x軸方向及びy軸方向に進むとき最も強く共振する光の波長λxmax , λymax は,
λxmax = 2・neq・Λx (1)
λymax = 2・neq・Λy (2)
となる。ここで,neqはこの共振器の光導波路中の等価屈折率である。
【0012】
いま,Λx>Λyとすると, λxmax >λymax となる。
また,図2(A) に示されるように,光増幅層で最も強く光を増幅できる波長をλgとする。この共振器の導波層において,図2(B) に示されるように
neq=neq1 のときに,
λymax = 2・neq1 ・Λy≒λgmax
となる。このため, 波長λymax でレーザ発振し,光はy軸方向に発振する。
【0013】
ここで,図2(C) の示されるように等価屈折率neqを変化することができて,neq=neq2 <neq1 となったときは
λxmax = 2・neq2 ・Λx≒λgmax
となり, このため, 波長λxmax でレーザ発振し,光はx軸方向に発振する。
【0014】
これらの機能の結果,共振器中での光の共振方向を変えることができるので,共振器から外部に取り出される光の方向は変わる。
次に,別の原理を図3,4を用いて説明する。
【0015】
図3の構造は,同心円状の回折格子と光増幅層による光共振器を有する。また図示のようにx,y方向を指定する。同心円状回折格子の間隔Λx,Λyは同じであってもかまわない。図3(A) の斜線部において光導波層の膜厚が薄くなっている。図3(B) にO−x,O−y断面を示す。O−y断面の導波路がO−x断面に比べて途中から薄くなっており,等価屈折率neqy は小さくなる。
【0016】
このため,y方向に共振する光の波長は,x方向のものに比べて短くなる。この光共振器のうち,x軸方向及びy軸方向に進むとき最も強く共振する光の波長λxmax , λymax は,
λxmax = 2・neqx ・Λx (3)
λymax = 2・neqy ・Λy (4)
となる。ここで,neqはこの共振器の光導波路中の等価屈折率である。
【0017】
いま,Λx>Λyとすると, λxmax >λymax となる。
また,図4(A) に示されるように,光増幅層で最も強く光を増幅できる波長をλgとする。この共振器の導波層において,図4(B) に示されるように
neqy =neqy1になるように回折格子の寸法を設計すると,
λymax = 2・neqy1・Λy≒λgmax
となる。このため, 波長λymax でレーザ発振し,光はy軸方向に発振する。
【0018】
ここで,図4(C) の示されるように等価屈折率neqが変化しneqx ,neqy の両方が低下して, neqx =neqx2<neqx1, neqy =neqy2<neqy1となったときは
λxmax = 2・neq2 ・Λx≒λgmax
となり, このため, 波長λxmax でレーザ発振し,光はx軸方向に発振する。
【0019】
これらの機能の結果,共振器中での光の共振方向を変えることができるので,共振器から外部に取り出される光の方向は変わる。
また,等価屈折率を変えるには,周知の方法である半導体層への電流注入や電圧印加によっておこなうことができる。例えば,図1または図3において,光増幅層全体と光導波路層全体に独立に電流を注入するような構造にすれば,この光導波路全体に電流を注入する1つの電極のバイアスを変えることにより光出射方向を変えることができる。
【0020】
以上で,本発明の原理説明を図1〜4を用いておこなった。本発明において,楕円(または円)周方向に光の共振波長を変えるために,図1においては回折格子の間隔を円周方向で変え,また図3では同じ目的のため,導波路層の等価屈折率を変えた。
【0021】
【実施例】
図5は本発明の第1の実施例の説明図である。
まず,p-InP 基板 1に, レジストと電子ビーム露光法を用いるリソグラフィ技術及びドライエッチング技術により, 同心楕円状の回折格子 2, 3 を刻む。以下の説明では基板平面上でx軸方向と,それに垂直なy軸方向を用いる。
【0022】
楕円の中心からx軸方向に30〜70μmの間に, 間隔をx軸方向に715 nm, y軸方向に700 nmとした同心楕円状の3次回折格子 2を刻む。また, 楕円の中心からx軸方向に80〜200 μmの間に,間隔をx軸方向に238 nm, y軸方向に233 nmとした同心楕円状の1次回折格子 3を刻む。この時の回折格子の凹凸の高さは数100 nmである。
【0023】
その後,液相成長(LPE) 法または有機金属気相成長法(MOVPE) 法を用いて基板上に
厚さ0.25μmのIn0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm, ノンドープ) からなる導波路層 4,
厚さ0.1 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) からなる分離層 5,
厚さ0.10μmのIn0.58Ga0.42As0.90P0.10(組成波長1.55μm, ノンドープ) からなる光増幅層 6,
厚さ0.30μmのp-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層 7を成長する。
【0024】
次に, 基板上面に酸化膜等のマスクを被着して, 選択エッチング法により円の中心から200 μm以内を残して, 深さ 1μm程度にウエットエッチングする。
次に, マスクを被着したまま,再び
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層 8,
厚さ0.25μmのn-In0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm) からなるエッチング停止層 9,
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層10を成長する。
【0025】
次に, エッチングによりマスクを除去し,更に,
厚さ約 3μmのp-InP(ドープ濃度 2×1018cm-3) からなるクラッド層11,
厚さ0.25μmの p+ -InGaAsP (ドープ濃度 5×1018cm-3) からなるコンタクト層12を成長する。
【0026】
その後は電極形成プロセスにより素子を完成させる。例えば, 基板上全面にTi/Pt/Au複合層からなる第1の電極13を被着し,円の中心から半径方向に70〜230 μmを残して, 第1の電極13とコンタクト層12を除去し,円の中心から半径方向に230 μmより外側を, HBr 系エッチャント等によりInP をエッチングし,エッチング停止層 9に達するまで続ける。エッチング停止層 9の上にTi/Pt/Au複合層からなる第2の電極14を設ける。最後に, 基板の裏面全面にTi/Pt/Au複合層からなる第3の電極15を設ける。
【0027】
図6は実施例1に示した素子の駆動方法の実施例の説明図である。
図5に示されるn側電極(第2の電極)を共通電極とし,光増幅器側のp側電極(第1の電極)を正にバイアスして電流を流し,レーザを発振させる。3次の同心円状回折格子によって,光は基板から斜め上に向かって出射される。また,導波路側のp側電極(第3の電極)を正にバイアスして電流を流し,この電流の量を調節して光の出射方向を円周方向に変える。
【0028】
図7は実施例1に示した素子の駆動方法の別の実施例の説明図である。
図5に示されるn側電極(第2の電極)を共通電極とし,光増幅器側のp側電極(第1の電極)を正にバイアスして電流を流し,レーザを発振させる。また,導波路側のp側電極(第3の電極)を負にバイアスして電圧を印加,この電圧を変えて導波路層の等価屈折率を調節して光の出射方向を円周方向に変える。
【0029】
図8は本発明の第2の実施例の説明図である。
まず,p-InP 基板 1に, レジストと電子ビーム露光法を用いるリソグラフィ技術及びドライエッチング技術により, 同心円状の回折格子 2, 3 を刻む。
【0030】
円の中心から半径方向に30〜70μmの間に, 間隔715 nmの同心円状の3次回折格子 2を刻む。また, 楕円の中心から半径方向に80〜200 μmの間に,間隔が238 nmの同心円状の1次回折格子 3を刻む。この時の回折格子の凹凸の高さは数100 nmである。
【0031】
この実施例の回折格子は円形であるが,より効果的にするには実施例1のように楕円にする。
その後,液相成長法またはMOVPE 法を用いて基板上に
厚さ0.15μmのIn0.58Ga0.42As0.90P0.10(組成波長1.55μm,ノンドープ) からなる光増幅層 6,
厚さ0.1 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3)からなる分離層 5,
厚さ0.25μmのIn0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm, ノンドープ) からなる導波路層 4を成長する。
【0032】
次に,燐酸系のエッチャントを用いて,図8の平面図に示される斜線部の導波路層 4の上側を約 0.1μmエッチングする。
ついで, 厚さ 0.30 μmの p-InP( ドープ濃度 1 × 10 18 cm -3 )層 7 を成長する。
以下は実施例1と同様に次の工程をおこなう。
【0033】
次に, 基板上面に酸化膜等のマスクを被着して, 選択エッチング法により円の中心から200 μm以内を残して, 深さ 1μm程度にウエットエッチングする。
次に, マスクを被着したまま,再び
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層 8,
厚さ0.25μmのn-In0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm) からなるエッチング停止層 9,
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層10を成長する。
【0034】
次に, エッチングによりマスクを除去し,更に,
厚さ約 3μmのp-InP(ドープ濃度 2×1018cm-3) からなるクラッド層11,
厚さ0.25μmの p+ -InGaAsP (ドープ濃度 5×1018cm-3) からなるコンタクト層12を成長する。
【0035】
その後は電極形成プロセスにより素子を完成させる。例えば, 基板上全面にTi/Pt/Au複合層からなる第1の電極13を被着し,円の中心から半径方向に70〜230 μmを残して, 第1の電極13とコンタクト層12を除去し,円の中心から半径方向に230 μmより外側を, HBr 系エッチャント等によりInP をエッチングし,エッチング停止層 9に達するまで続ける。エッチング停止層 9の上にTi/Pt/Au複合層からなる第2の電極14を設ける。最後に, 基板の裏面全面にTi/Pt/Au複合層からなる第3の電極15を設ける。
【0036】
図9は本発明の第3の実施例の説明図である。
まず,p-InP 基板 1に, レジストと電子ビーム露光法を用いるリソグラフィ技術及びドライエッチング技術により, 同心円状の回折格子 2, 3 を刻む。
【0037】
円の中心から半径方向に30〜70μmの間に, 間隔715 nmの同心円状の3次回折格子 2を刻む。また, 楕円の中心から半径方向に80〜200 μmの間に,間隔が238 nmの同心円状の1次回折格子 3を刻む。この時の回折格子の凹凸の高さは数100 nmである。
【0038】
その後,液相成長法またはMOVPE 法を用いて基板上に
厚さ0.15μmのIn0.58Ga0.42As0.90P0.10(組成波長1.55μm, ノンドープ) からなる光増幅層 6,
厚さ0.1 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3)からなる分離層 5,
厚さ0.25μmのIn0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm, ノンドープ) からなる導波路層 4を成長する。
【0039】
次に , 燐酸系のエッチャントを用いて,図9の平面図に示される斜線部の導波路層 4 をエッチング除去する。
ついで、厚さ 0.30 μmの p-InP( ドープ濃度 1 × 10 18 cm -3 )層 7 を成長する。
【0040】
以下は実施例1,2と同様に次の工程をおこなう。
次に, 基板上面に酸化膜等のマスクを被着して, 選択エッチング法により円の中心から200 μm以内を残して, 深さ 1μm程度にウエットエッチングする。
【0041】
次に, マスクを被着したまま,再び
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層 8,
厚さ0.25μmのn-In0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm) からなるエッチング停止層 9,
厚さ0.5 μmのn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層10を成長する。
【0042】
次に, エッチングによりマスクを除去し,更に,
厚さ約 3μmのp-InP(ドープ濃度 2×1018cm-3) からなるクラッド層11,
厚さ0.25μmの p+ -InGaAsP (ドープ濃度 5×1018cm-3) からなるコンタクト層12を成長する。
【0043】
その後は電極形成プロセスにより素子を完成させる。例えば, 基板上全面にTi/Pt/Au複合層からなる第1の電極13を被着し,円の中心から半径方向に70〜230 μmを残して, 第1の電極13とコンタクト層12を除去し,円の中心から半径方向に230 μmより外側を, HBr 系エッチャント等によりInP をエッチングし,エッチング停止層 9に達するまで続ける。エッチング停止層 9の上にTi/Pt/Au複合層からなる第2の電極14を設ける。最後に, 基板の裏面全面にTi/Pt/Au複合層からなる第3の電極15を設ける。
【0044】
実施例2,3は導波路層と光増幅層が実施例1に対して上下逆になっているが,実施例2,3の駆動方法は実施例1と同様である。
以上の実施例では,完全な楕円または円の回折格子を用いたが,図10に示されるように部分的な楕円または円の回折格子を用いても同様の効果が得られる。
【0045】
また,以上の実施例では,円の中心に回折格子が設けられていないが,特に問題はない。もし,円の中心部に回折格子を設けるならば,その間隔と等間隔であるよりもベッセル関数の零点の間隔に比例させた不等間隔にする方がよい。
【0046】
また,以上の実施例では,高次の回折格子による光出射部は,光増幅層と回折格子からなる光共振器の内側に配置されているが,原理的にはこの共振器はこの共振器の外側であっても,外部であってもかまわない。
【0047】
また,以上の実施例では,3次の回折格子による光出射部に光増幅層を設けているが,この部分には光増幅層はなくてもよい。
また,以上の実施例では,半導体レーザとして自発的に発振する場合について説明したが,適当なバイアス条件を与えておいて,外部光を,導波路層の延長線上から,または光出射部から入力することにより発振させるような利用法も可能である。
【0048】
また,以上の実施例では,半導体レーザの光出射部として,3次の回折格子を用いている。これは光を外部に取り出す際に都合のよい従来技術であるので適用したが,特にその必要はない。そのときは,光は基板面内の導波路層に平行な面内に出射される。このときの光の出射方向は,実施例と同様に同心楕円(円)方向に変えることができる。
【0049】
また,以上の実施例は,すべて半導体で構成されるが,其以外の材料を用いてもよい。例えば,屈折率変化層を誘電体で作製し,透明電極等を用いて電界をかけることで屈折率を変えることによっても実現できる。
【0050】
また,実施例では回折格子部分の導波路層の厚さを円周方向に変えて等価屈折率を変えたが,この代わりに回折格子部分の導波路層の組成を円周方向に変えて同様な効果が得られることは自明である。このように,本発明では,楕円(円)形回折格子において楕円(円)周方向に共振波長を変え,あるいは導波路の屈折率を変えればよいので,実施例以外の方法で楕円(円)周方向に共振波長が変わるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば, 簡単な電極構成の素子とその駆動法が実現でき,容易に光の出射方向を円周方向に偏向できるようになった。この結果,光通信や光インタコネクションのシステム構成の自由度を大幅に向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図(1)
【図2】 本発明の原理説明図(2)
【図3】 本発明の原理説明図(3)
【図4】 本発明の原理説明図(4)
【図5】 本発明の実施例1の説明図
【図6】 実施例の駆動方法説明図(1)
【図7】 実施例の駆動方法説明図(2)
【図8】 本発明の実施例2の説明図
【図9】 本発明の実施例3の説明図
【図10】 本発明の実施例4の説明図
【図11】 従来例の説明図(1)
【図12】 従来例の説明図(2)
【図13】 従来例の説明図(3)
【図14】 従来例の説明図(4)
【符号の説明】
1 半導体基板で p-InP 基板
2 3次回折格子
3 1次回折格子
4 導波路層でIn0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm, ノンドープ) 層
5 分離層でn-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層
6 光増幅層でIn0.58Ga0.42As0.90P0.10(組成波長1.55μm, ノンドープ) 層
7 クラッド層でp-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層
8 n-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層
9 エッチング停止層でn-In0.71Ga0.29As0.62P0.38(組成波長1.3 μm) 層
10 n-InP(ドープ濃度 1×1018cm-3) 層
11 p-InP(ドープ濃度 2×1018cm-3) 層
12 コンタクト層で p+ -InGaAsP (ドープ濃度 5×1018cm-3) 層
13 第1の電極でTi/Pt/Au複合層 (p側電極)
14 第2の電極でTi/Pt/Au複合層 (n側電極)
15 第3の電極でTi/Pt/Au複合層 (p側電極)
Claims (5)
- 相互に光結合する,同心楕円状の回折格子と光増幅層と導波路層とを有する光共振器であって,
光の共振波長を楕円周方向に変化させたことを特徴とする光部品。 - 相互に光結合する,同心円または同心楕円状の回折格子と光増幅層と導波路層とを有する光共振器であって,
該導波路層の厚さを該回折格子の円周または楕円周方向に変化させ,これによって光の共振波長を円周または楕円周方向に変化させたことを特徴とする光部品。 - 前記光増幅層と前記導波路層とに独立して電流もしくは電圧を印加できる電極を有することを特徴とする請求項1または2記載の光部品。
- 前記光共振器の内部または外部に同心円または同心楕円状の3次以上の回折格子を有することを特徴とする請求項1乃至3記載の光部品。
- 請求項1乃至4記載の光部品に対し,前記回折格子付近の前記光増幅層に電流注入または前記導波路層に電圧印加をおこなって,該回折格子の円周または楕円周方向に光の出射方向を制御することを特徴とする光部品の駆動方法。
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