JP3728681B2 - 具象体が回転する玩具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させることによって、回転軸に設けた具象体を回転させて遊ぶことが出来る玩具に関するものである。
【0002】
【関連する技術】
独楽に代表される回転運動を行なう玩具は、回転体の軸に回転力を与えることにより回転体を回して遊ぶものである。軸には、指などを用いた手動で回転力を与える場合と、モータなどの動力を用いて回転力を与える場合とがある。
【0003】
上記回転体は、回転中に手を触れると、その摩擦力や制動力により回転運動を阻害される性質のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで回転体の軸に指などを用いた手動で回転力を与えるという動作はそれ程簡単なものではない。特に小さい子供ではこのひねり方を習得するのに時間が掛かる。そこで恰かもノック式ボールペンを押すような動作で即ち軸方向の運動を行なわせることで、この力を軸回りの回転運動に変換させて回転体を回すことが出来れば、これは極めて楽なものと成る。
【0005】
本発明は、上述したような問題を解決し、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させて、軸に設けた具象体を回転させて遊ぶことが出来る玩具の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、所要部位が透視可能に形成された中空のケース内に往復杆を軸方向に往復運動可能に挿入し、且つ該往復杆が常に一方向に付勢されるようにケースと往復杆との間に弾性体を介在させると共に、該弾性体の弾性力に対抗する方向に往復杆を押圧可能に設け、該往復杆に中空の回転軸を往復杆回りに回転可能に遊嵌すると共に、前記往復杆の往復運動に従って回転軸が往復運動し得るように構成し、該回転軸に具象体を取り付け、回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体が回転し得るように回転軸とケースとの間にギヤ機構を取り付けると共に、当該ギヤ機構は、前記回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成し、この解除位置で前記具象体が、前記ケースの透視可能に形成された部位に位置するように設定されて成る、具象体が回転する玩具とすることにより達成されるものである。
【0007】
また請求項2の発明は、請求項1に於いて前記回転軸に弾み車が設けられていることを特徴とするものとした。
【0008】
また請求項3の発明は、請求項1に於いて前記ケースに筆記具の芯部が設けられていることを特徴とするものとした。
【0009】
また請求項4の発明は、請求項1に於いて前記往復杆が筆記具の芯部であり、芯部の筆記先端がケース外に突出し得るように設けられていると共に、往復杆を押圧した時に、該筆記先端がケース外に突出した状態を固定出来且つこの状態を開放し得る機構を設けたことを特徴とするものとした。
【0010】
また請求項5の発明は、請求項1に於いて前記ギヤ機構が、回転軸に設けられたウォームギヤとケースに設けられ前記ウォームギヤに噛合する部位との組であることを特徴とするものとした。
【0011】
【作用】
請求項1に付いて、往復杆の一端を押圧すると中空のケース内では往復杆が軸方向に移動するが、往復杆はこれとは逆の方向へ弾性体により付勢されているため、往復杆の一端を押圧したり押圧を止めたりすることにより、往復杆はケース内で往復運動可能である。この往復杆の回りに回転軸が遊嵌されており、回転軸は往復杆と共にケース内を往復運動可能である。一方回転軸とケースとの間にはギヤ機構が取り付けられており、このギヤ機構は回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体を回転させるが、ギヤ機構は回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成されている。これ等によって、往復杆の一端を押圧すると回転軸が回転し、而も前記噛合が解除された後は回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける。この結果回転軸に取り付けられた具象体が慣性回転し、少なくともこの時の具象体の回転運動を、前記ケースの透視可能に形成された部位から見ることが出来るのである。上記回転運動は、傾向として往復杆の一端を強く押圧するほど速く回転するものである。
【0012】
こうして回転軸を指でひねって回転力を与えるなどという難しい動作を行なう必要がなく、回転軸を押すという単純で楽な動作で、回転軸をその軸方向に移動させ、これを軸回りの回転運動に変換させて具象体を回して遊ぶことが出来るように成った。即ち具象体の軸方向の回転しつつの移動と、その後の慣性回転運動が楽しめる。後半の回転運動は惰性(慣性)で行なわれるからいずれ回転運動の勢いは衰えるが、回転軸を押す手を離すと弾性体の反発力により回転軸が往復杆共々先とは逆の軸方向に移動し始め、初期位置に戻るので、再度回転軸を押せば繰り返して遊ぶことが出来る。
【0013】
尚、ケースが所要部位のみ透視可能に形成されているという場合、ケース全体が透視可能であっても、一部のみ透視可能であってもよい。透視可能という場合には、ケースの材料が透明の場合もあれば、不透明なケースに窓を開口する場合もある。更にこの透視可能な部位に付いて、具象体が惰性で回転する部位のみを透視可能とすれば、回転軸を押すまでは具象体を見ることが出来ず、回転軸を押して前記噛合が解除された後、具象体が惰性で回転する部位まで移動した時点で初めて具象体の回転が見られるという面白さがある。勿論具象体の運動の全行程で具象体が見られるように透視可能な部位を形成することも出来る。
【0014】
次に請求項2に付いて、前記回転軸に弾み車が設けられているため、ギヤ機構によって回転軸の移動に伴ない回転軸が回転するが、この勢いが弾み車に蓄えられる。而して前記噛合が解除された後に回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける際に、弾み車に蓄えられたエネルギーが具象体の回転を長く持続させる作用がある。
【0015】
尚、弾み車は回転軸に重い素材を用いることでも実現可能であるが、具象体そのものを弾み車としたり、これ等とは別体の専用の弾み車を回転軸に取り付ける構成もまた可能である。
【0016】
次に、本発明のケースはその形状がどのようなものであってもよいが、請求項3ではケースに筆記具の芯部を設けているので、筆記具としての利用が可能であり、このためケースを細長い筒状に形成することが好ましい。しかしながらこの時のケース形状は筆記具の軸形状でなくてはならないというものでもない。
【0017】
次に請求項4に付いて、前記往復杆そのものが筆記具の芯部と成っており、該芯部の筆記先端がケース外に突出し得るように設けられているため、芯部の末端を押圧すると、中空のケース内部では芯部が軸方向に移動し、芯部の筆記先端がケース外に突出して筆記可能に成る。この際、芯部の回りに回転軸が遊嵌されており、回転軸は芯部と共にケース内を往復運動可能であり、回転軸とケースとの間にはギヤ機構が取り付けられており、やはり回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成されているため、回転軸に取り付けられた具象体が惰性で回転する。またこの際、往復杆であるところの芯部を押圧した時に、芯部の筆記先端がケース外に突出した状態を固定出来且つこの状態を開放し得る機構が有効に働き、本玩具は筆記具としての利用が可能と成っている。
【0018】
尚、筆記具にはボールペンやシャープペンその他が適用される。更に芯部だけから成る筆記具にも適用可能である。往復杆を押圧した時に、往復杆を固定出来且つこの状態を開放し得る機構は、筆記具としての用途のない例に対しても適用可能である。
【0019】
次に請求項5に付いて、前記ギヤ機構が、回転軸に設けられたウォームギヤとケースに設けられ前記ウォームギヤに噛合する部位との組であるため、回転軸に設けられたウォームギヤが回転軸と共に往復運動すると、ケースに設けられている部位と噛合しているため、結果的にウォームギヤ側即ち回転軸側が回転させられることに成る。この際、ウォームギヤが所定距離だけ移動すると、ケース側のウォームギヤに噛合する部位との噛合が解除されるように構成されている。
【0020】
ウォームギヤをこれと噛合する部位とにより回転させるギヤ機構は、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させるにはとても効率のよいものでありまたシンプルなものでもある。ウォームギヤに噛合する部位とは、ケースに設ける山や谷や螺旋の一部分のことである。尚、ウォームギヤをケース側に、該ウォームギヤに噛合する部位を回転軸側に設ける構成も可能である。また軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させる手段としては、ギヤ機構以外にも回転軸に捲き付けたゴムや配列を工夫した磁石等が利用可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例の幾つかを図面に基づいて説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
【0022】
本発明の第1実施例を図1乃至図4を用いて説明する。本実施例は、吊鐘形のケース1の頂部にある押圧用ボール21を叩くように押すことで、土星の模型5を回転させて遊ぶ玩具である。
【0023】
全体に透視可能に形成された中空のケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2の下端部はストッパー20に圧入され、上端部は頂部に押圧用ボール21を具えたストッパー22に圧入されている。また該往復杆2が常に図1の上方向に付勢されるように、ケース1の底部12と前記ストッパー20との間に弾性体であるゴム質体3を介在させると共に、該ゴム質体3の弾性力に対抗する方向に即ち下方向に往復杆2を押圧可能なように、前記ストッパー22から上側をケース1の頂部の開口部11からケース1外に突出させる。また往復杆2には、前記ストッパー20とストッパー22との間に中空の回転軸4を遊嵌して、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には具象体である土星の模型5を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60を形成している。ウォームギヤ60に噛合する、ギヤ機構6の他側と成る案内溝64,65(図5)は、ケース1内に横設した仕切板62の中心部に設けた開口部63の内縁の対向2ヵ所に刻設されている。本実施例では、案内溝65側によってウォームギヤ60の山が案内される。符号66の案内突起は、案内溝64,65の壁面の一側を形成するためのものであると同時に、山の先端が下方へ突出し且つ開口部63方向に後退する形状とされている。また、案内溝64,65は開口部63から案内突起66へ向けて深く成るように形成されている。尚、ゴム質体3の上方には、中心部に開口部18を有する仕切板17が前記仕切板62に平行して横設されている。開口部18は、ゴム質体3の弾性力により上方へ押圧されるストッパー20の底部に設けた鍔部23を掛止して、ストッパー20の上方への移動を阻止し得る直径とした。また符号61はウォームギヤ60の上端部であり、符号10は模型5の挙動が見られるケース1の透明部である。
【0024】
ケース1の上方へ突出している押圧用ボール21を手のひらで下方へ押圧すると、ケース1内では往復杆2が軸方向下方へ移動するが、同時に往復杆2はこれとは逆の上方向へ弾性体であるゴム質体3により付勢されているため、往復杆2の上端の押圧用ボール21を押圧したり止めたりすることによって、往復杆2はケース1内で往復運動を行なう。この往復杆2の回りに回転軸4が遊嵌されており、回転軸4は往復杆2と共にケース1内を往復運動する。一方で、回転軸4とケース1の一部である仕切板62との間にはギヤ機構6が設けられている。即ち回転軸4の下端のウォームギヤ60と、仕切板62の開口部63の対向2ヵ所に刻設された主として案内溝65とである。このギヤ機構6は回転軸4の往復運動に伴ない回転軸4自体を回転させるが、ギヤ機構6は回転軸4が所定距離、即ちウォームギヤ60の全長分の距離だけ移動するとウォームギヤ60の上端部61で噛合が解除される。これによって、押圧用ボール21の一端を強く押圧するほど模型5が速く回転し、前記噛合が解除された後は回転軸4がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける(図2を参照のこと)。本実施例では、この模型5の自由回転の時だけでなくギヤ機構6が動作して模型5が往復運動しつつ回転する時も、ケース1の透明部10から見ることが出来る。尚、本実施例に於いては、押圧用ボール21をケース1の上方へ突出させているが、これは往復杆2を押圧しやすくするための工夫である。また、回転軸4まわりがケース1で覆われている構成のため、回転中に回転軸4まわりに手を触れることが出来ず、回転状態が妨害される心配がない。
【0025】
ギヤ機構6に付いて、図4及び図5から明かと成るが、本実施例ではウォームギヤ60の巻の方向に従って、案内溝64,65の内、案内溝65側がウォームギヤ60の山と噛合する。案内溝64,65は単に左右対称に形成しただけである。図4は底面図であるが、仕切板62の上面側に案内溝64を形成すれば働くように成る。ギヤ機構6は上述したようにウォームギヤ60の上端部61で噛合が解除されるが、押圧用ボール21が押されなく成りゴム質体3の弾性力によって回転軸4が上方へ移動し始める時にウォームギヤ60の上端部61の山が円滑に案内溝65と噛合出来るように、案内溝64,65の間に案内突起66が設けられているが、これは必須ではない。尚、本実施例の場合では、ギヤ機構6としてウォームギヤ60が用いられているため、往復杆2を押す手を離すとゴム質体3の反発力によって回転軸4が先とは逆の方向に回転する。
【0026】
次に、本発明の第2実施例を図6を用いて説明する。本実施例は、ケース1が筆記具の軸形状を呈し、不透明部13と透明部10とがあり、透明部10は降りて来た人形50が自由回転する場所に相当して設けられており、ケース1の先端部に筆記具の芯部である鉛筆芯7が取り付けられている例である。また人形50自体が金属を成型したものであり、適度に重量があって弾み車の役目をも担っている。
【0027】
筆記具の軸筒形状に形成されたケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2の中央より下側の部分はストッパー20に圧入され、上端部は押圧用キャップ24に圧入されている。また往復杆2が常に図6の上方向に付勢されるように、ケース1内の底部12と前記ストッパー20との間に弾性体であるコイルバネ30を介在させると共に、該コイルバネ30の弾性力に対抗する方向に即ち下方向に往復杆2を押圧可能なように、前記押圧用キャップ24をケース1の頂部の開口部11からケース1外に突出させる。尚、前記コイルバネ30の上半分位には、ストッパー20から下方に突出する往復杆2を挿入してある。また往復杆2には、前記ストッパー20と押圧用キャップ24との間に中空の回転軸4を遊嵌して、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には具象体である人形50を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成る突起67を形成している。ギヤ機構6に於いて当該突起67に噛合するのは、ギヤ機構6の他側と成るネジ68の内側に刻設された螺刻部69であり、ネジ68はケース1内に取り付けられる。
【0028】
例えば、ケース1を人差し指から小指までの4本の指で握り、親指でケース1の上方へ突出している押圧用キャップ24を下方へ押圧すると、ケース1内では往復杆2が軸方向下方へ移動するが、同時に往復杆2の回りには回転軸4が遊嵌されているため、回転軸4も下方へ移動する。この時、回転軸4の下端にはギヤ機構6の一側と成る突起67が存り、該突起67はケース1内のネジ68の内側に刻設された螺刻部69に噛合しているため、回転軸4は下方へ移動しつつ回転を始め、この結果人形50も下方へ移動しつつ回転するが、この時点ではケース1の不透明部13に位置するため、透明部10からは見ることが出来ない。ところが、突起67が更に下がって螺刻部69を抜けると噛合が解除され、回転軸4がフリーに成ってこれまでの惰性で回転を続ける。この時人形50は透明部10まで降りて来ているため、透明部10から高速に回転する人形50を見ることが出来るのである。人形50はまた、それ自体が金属を成型したものであり、適度に重量があって弾み車の役目をも担っているので、この惰性による自由回転運動は長続きするのである。次いで、押圧用キャップ24を押圧するのを止めると、往復杆2は弾性体であるコイルバネ30によって上方向へ付勢されているため、人形50を逆回転させつつ上方初期位置に戻す。
【0029】
本実施例では、押圧用キャップ24を押すと、高速で長い間回転し続ける人形50が透明部10に現われるという、意外性の面白さがある。尚、筆記具の軸筒形状に形成されたケース1の先端部には筆記具の芯部である鉛筆芯7が取り付けられているため、これを以て筆記を行なうことが出来る。
【0030】
次に、本発明の第3実施例を図7及び図8を用いて説明する。本実施例の特徴は、往復杆2が筆記具のボールペン芯70そのものであり、押圧用キャップ24を押すと、ボールペン芯70がケース1の先端キャップ15の先に開口した開口部16から突出し、筆記が可能に成る点、この状態を掛止具80が保持し、また解除出来る点にある。更に専用の弾み車40が回転軸4に取り付けられているのも特徴のひとつである。
【0031】
筆記具の軸筒形状に形成されたケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2は筆記具のボールペン芯70そのものである。往復杆2の中央より下側の部分はストッパー20に圧入され、上端部は、ケース1の頂部に取り付けた上キャップ8から上方に突出する押圧用キャップ24を、頂部に具えた掛止具80に圧入されている。また往復杆2が常に図7の上方向に付勢されるように、ケース1内の底部19と前記ストッパー20との間にコイルバネ30を介在させる。底部19の中心には開口部18が存り、ここをボールペン芯70が通過していが、該ボールペン芯70の先端部は、ケース1の下部に取り付けられた先端キャップ15内に納められている。また、往復杆2には、前記ストッパー20と掛止具80との間に中空の回転軸4を遊嵌し、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には、具象体である人形51を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60を形成している。また中央部分には弾み車40が設けられている。ケース1内に設けた仕切板62の中心部に開口した開口部63の内縁の対向2ヵ所には、上述の第1実施例で説明した、ギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60に噛合する、ギヤ機構6の他側と成る案内溝64,65(図5)が刻設されている。本実施例では、案内溝65側によりウォームギヤ60の山が案内される。符号66の案内突起は、案内溝64,65の壁面の一側を形成するためのものであると同時に、山の先端が下方へ突出し且つ開口部63方向に後退する形状とされている。また案内溝64,65は開口部63から案内突起66へ向けて深く成るように形成されている。尚、ケース1内には、中心部に開口部18を有する仕切板17が前記仕切板62に平行して横設されている。開口部18は、コイルバネ30の弾性力によって上方へ押圧されるストッパー20の底部に設けた鍔部23を掛止して、ストッパー20の上方への移動を阻止し得る直径とした。符号61は、ウォームギヤ60の上端部であり、符号14は、人形51の挙動が見られる透明部10のみを残してケース1を不透明にするために、ケース1に熱収縮により密着させたマスキングチューブである。
【0032】
上キャップ8に関しては、図8で表わした押圧部83付きのリング82が図の左右方向にスライド可能に設けられている。リング82には相対向する2ヵ所に切欠部86が設けられており、押圧部83の内側に取り付けられたゴム質体84が上キャップ8の突当部85に当たることによって、リング82は図の右方向に付勢されている。符号81は、押圧用キャップ24の下部の掛止具80の側面部に、前記リング82の切欠部86に位置合わせされて設けられると共に、下方に向けてテーパーが形成されたフックであり、押圧用キャップ24が押されると、当該フック81のテーパー部分が切欠部86に当たってこれを押し退け、リング82をゴム質体84の弾性力に対抗して左方向へ移動させるが、該フック81がリング82を抜け終わると、ゴム質体84の弾性力が作用してリング82が右方へスライドし、押圧用キャップ24が押されなく成った時に、コイルバネ30によって掛止具80が上昇しようとするのを阻止することに成る。次いで、押圧部83を押すと、フック81がリング82の切欠部86から抜け、コイルバネ30の弾性力で回転軸2が上昇し、ボールペン芯70の先端部は先端キャップ15内に戻り、ギヤ機構6も初期位置に戻る。
【0034】
本実施例は、具象体である人形51が回転する玩具として用いられるのは勿論のこと、筆記具としての本格的なボールペンとして利用出来る点に特長がある。尚、筆記具をシャープペン等とすることも可能である。
【0035】
尚、本発明は上述した実施例に限定されないから、例えば中空のケースの所要部位を透視可能に形成するという場合、ケースに直接窓を開口してもよい。またケースの形状はドーム形等々任意であり、具象体を複数個設けることや、各々をギヤ機構6の上下に配したり、前記押圧用ボール21等の押圧する部位(必須ではないが)に具象体を用いたり、ギヤ機構6を回転軸と往復杆との間に設けるなども可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明は、所要部位が透視可能に形成された中空のケース内に往復杆を軸方向に往復運動可能に挿入し、且つ該往復杆が常に一方向に付勢されるようにケースと往復杆との間に弾性体を介在させると共に、該弾性体の弾性力に対抗する方向に往復杆を押圧可能に設け、該往復杆に中空の回転軸を往復杆回りに回転可能に遊嵌すると共に、前記往復杆の往復運動に従って回転軸が往復運動し得るように構成し、該回転軸に具象体を取り付け、回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体が回転し得るように回転軸とケースとの間にギヤ機構を取り付けると共に、当該ギヤ機構は、前記回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成し、この解除位置で前記具象体が、前記ケースの透視可能に形成された部位に位置するように設定して成る。
【0037】
このため往復杆の一端を押圧すると回転軸が回転し、而も前記噛合が解除された後は回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続け、回転軸に取り付けられた具象体が慣性回転し、少なくてもこの時の具象体の回転運動を前記ケースの透視可能に形成された部位から見ることが出来る。
【0038】
この結果、回転軸を指で捻って回転力を与えるなどという難しい動作を行なう必要がなく、回転軸を押すという単純で楽な動作で、回転軸をその軸方向に移動させ、これを軸回りの回転運動に変換させて回転軸に設けた具象体を回して遊ぶ玩具を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の部分切欠斜視図である。
【図2】同実施例の動作状態説明図である。
【図3】同実施例の部分分解側面図である。
【図4】同実施例の仕切板62の底面図である。
【図5】同実施例の図4の仕切板62のX−X断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の部分切欠側面図である。
【図7】本発明の第3実施例の部分切欠側面図である。
【図8】同実施例の部分平面図である。
【符号の説明】
1 ケース
10 透明部
11 開口部
12 底部
13 不透明部
14 マスキングチューブ
15 先端キャップ
16 開口部
17 仕切板
18 開口部
19 底部
2 往復杆
20 ストッパー
21 押圧用ボール
22 ストッパー
23 鍔部
24 押圧用キャップ
3 ゴム質体
30 コイルバネ
4 回転軸
40 弾み車
5 模型
50 人形
51 人形
6 ギヤ機構
60 ウォームギヤ
61 上端部
62 仕切板
63 開口部
64 案内溝
65 案内溝
66 案内突起
67 突起
68 ネジ
69 螺刻部
7 鉛筆芯
70 ボールペン芯
8 上キャップ
80 掛止具
81 フック
82 リング
83 押圧部
84 ゴム質体
85 突当部
86 切欠部
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させることによって、回転軸に設けた具象体を回転させて遊ぶことが出来る玩具に関するものである。
【0002】
【関連する技術】
独楽に代表される回転運動を行なう玩具は、回転体の軸に回転力を与えることにより回転体を回して遊ぶものである。軸には、指などを用いた手動で回転力を与える場合と、モータなどの動力を用いて回転力を与える場合とがある。
【0003】
上記回転体は、回転中に手を触れると、その摩擦力や制動力により回転運動を阻害される性質のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで回転体の軸に指などを用いた手動で回転力を与えるという動作はそれ程簡単なものではない。特に小さい子供ではこのひねり方を習得するのに時間が掛かる。そこで恰かもノック式ボールペンを押すような動作で即ち軸方向の運動を行なわせることで、この力を軸回りの回転運動に変換させて回転体を回すことが出来れば、これは極めて楽なものと成る。
【0005】
本発明は、上述したような問題を解決し、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させて、軸に設けた具象体を回転させて遊ぶことが出来る玩具の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、所要部位が透視可能に形成された中空のケース内に往復杆を軸方向に往復運動可能に挿入し、且つ該往復杆が常に一方向に付勢されるようにケースと往復杆との間に弾性体を介在させると共に、該弾性体の弾性力に対抗する方向に往復杆を押圧可能に設け、該往復杆に中空の回転軸を往復杆回りに回転可能に遊嵌すると共に、前記往復杆の往復運動に従って回転軸が往復運動し得るように構成し、該回転軸に具象体を取り付け、回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体が回転し得るように回転軸とケースとの間にギヤ機構を取り付けると共に、当該ギヤ機構は、前記回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成し、この解除位置で前記具象体が、前記ケースの透視可能に形成された部位に位置するように設定されて成る、具象体が回転する玩具とすることにより達成されるものである。
【0007】
また請求項2の発明は、請求項1に於いて前記回転軸に弾み車が設けられていることを特徴とするものとした。
【0008】
また請求項3の発明は、請求項1に於いて前記ケースに筆記具の芯部が設けられていることを特徴とするものとした。
【0009】
また請求項4の発明は、請求項1に於いて前記往復杆が筆記具の芯部であり、芯部の筆記先端がケース外に突出し得るように設けられていると共に、往復杆を押圧した時に、該筆記先端がケース外に突出した状態を固定出来且つこの状態を開放し得る機構を設けたことを特徴とするものとした。
【0010】
また請求項5の発明は、請求項1に於いて前記ギヤ機構が、回転軸に設けられたウォームギヤとケースに設けられ前記ウォームギヤに噛合する部位との組であることを特徴とするものとした。
【0011】
【作用】
請求項1に付いて、往復杆の一端を押圧すると中空のケース内では往復杆が軸方向に移動するが、往復杆はこれとは逆の方向へ弾性体により付勢されているため、往復杆の一端を押圧したり押圧を止めたりすることにより、往復杆はケース内で往復運動可能である。この往復杆の回りに回転軸が遊嵌されており、回転軸は往復杆と共にケース内を往復運動可能である。一方回転軸とケースとの間にはギヤ機構が取り付けられており、このギヤ機構は回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体を回転させるが、ギヤ機構は回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成されている。これ等によって、往復杆の一端を押圧すると回転軸が回転し、而も前記噛合が解除された後は回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける。この結果回転軸に取り付けられた具象体が慣性回転し、少なくともこの時の具象体の回転運動を、前記ケースの透視可能に形成された部位から見ることが出来るのである。上記回転運動は、傾向として往復杆の一端を強く押圧するほど速く回転するものである。
【0012】
こうして回転軸を指でひねって回転力を与えるなどという難しい動作を行なう必要がなく、回転軸を押すという単純で楽な動作で、回転軸をその軸方向に移動させ、これを軸回りの回転運動に変換させて具象体を回して遊ぶことが出来るように成った。即ち具象体の軸方向の回転しつつの移動と、その後の慣性回転運動が楽しめる。後半の回転運動は惰性(慣性)で行なわれるからいずれ回転運動の勢いは衰えるが、回転軸を押す手を離すと弾性体の反発力により回転軸が往復杆共々先とは逆の軸方向に移動し始め、初期位置に戻るので、再度回転軸を押せば繰り返して遊ぶことが出来る。
【0013】
尚、ケースが所要部位のみ透視可能に形成されているという場合、ケース全体が透視可能であっても、一部のみ透視可能であってもよい。透視可能という場合には、ケースの材料が透明の場合もあれば、不透明なケースに窓を開口する場合もある。更にこの透視可能な部位に付いて、具象体が惰性で回転する部位のみを透視可能とすれば、回転軸を押すまでは具象体を見ることが出来ず、回転軸を押して前記噛合が解除された後、具象体が惰性で回転する部位まで移動した時点で初めて具象体の回転が見られるという面白さがある。勿論具象体の運動の全行程で具象体が見られるように透視可能な部位を形成することも出来る。
【0014】
次に請求項2に付いて、前記回転軸に弾み車が設けられているため、ギヤ機構によって回転軸の移動に伴ない回転軸が回転するが、この勢いが弾み車に蓄えられる。而して前記噛合が解除された後に回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける際に、弾み車に蓄えられたエネルギーが具象体の回転を長く持続させる作用がある。
【0015】
尚、弾み車は回転軸に重い素材を用いることでも実現可能であるが、具象体そのものを弾み車としたり、これ等とは別体の専用の弾み車を回転軸に取り付ける構成もまた可能である。
【0016】
次に、本発明のケースはその形状がどのようなものであってもよいが、請求項3ではケースに筆記具の芯部を設けているので、筆記具としての利用が可能であり、このためケースを細長い筒状に形成することが好ましい。しかしながらこの時のケース形状は筆記具の軸形状でなくてはならないというものでもない。
【0017】
次に請求項4に付いて、前記往復杆そのものが筆記具の芯部と成っており、該芯部の筆記先端がケース外に突出し得るように設けられているため、芯部の末端を押圧すると、中空のケース内部では芯部が軸方向に移動し、芯部の筆記先端がケース外に突出して筆記可能に成る。この際、芯部の回りに回転軸が遊嵌されており、回転軸は芯部と共にケース内を往復運動可能であり、回転軸とケースとの間にはギヤ機構が取り付けられており、やはり回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成されているため、回転軸に取り付けられた具象体が惰性で回転する。またこの際、往復杆であるところの芯部を押圧した時に、芯部の筆記先端がケース外に突出した状態を固定出来且つこの状態を開放し得る機構が有効に働き、本玩具は筆記具としての利用が可能と成っている。
【0018】
尚、筆記具にはボールペンやシャープペンその他が適用される。更に芯部だけから成る筆記具にも適用可能である。往復杆を押圧した時に、往復杆を固定出来且つこの状態を開放し得る機構は、筆記具としての用途のない例に対しても適用可能である。
【0019】
次に請求項5に付いて、前記ギヤ機構が、回転軸に設けられたウォームギヤとケースに設けられ前記ウォームギヤに噛合する部位との組であるため、回転軸に設けられたウォームギヤが回転軸と共に往復運動すると、ケースに設けられている部位と噛合しているため、結果的にウォームギヤ側即ち回転軸側が回転させられることに成る。この際、ウォームギヤが所定距離だけ移動すると、ケース側のウォームギヤに噛合する部位との噛合が解除されるように構成されている。
【0020】
ウォームギヤをこれと噛合する部位とにより回転させるギヤ機構は、軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させるにはとても効率のよいものでありまたシンプルなものでもある。ウォームギヤに噛合する部位とは、ケースに設ける山や谷や螺旋の一部分のことである。尚、ウォームギヤをケース側に、該ウォームギヤに噛合する部位を回転軸側に設ける構成も可能である。また軸方向の運動を軸回りの回転運動に変換させる手段としては、ギヤ機構以外にも回転軸に捲き付けたゴムや配列を工夫した磁石等が利用可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例の幾つかを図面に基づいて説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
【0022】
本発明の第1実施例を図1乃至図4を用いて説明する。本実施例は、吊鐘形のケース1の頂部にある押圧用ボール21を叩くように押すことで、土星の模型5を回転させて遊ぶ玩具である。
【0023】
全体に透視可能に形成された中空のケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2の下端部はストッパー20に圧入され、上端部は頂部に押圧用ボール21を具えたストッパー22に圧入されている。また該往復杆2が常に図1の上方向に付勢されるように、ケース1の底部12と前記ストッパー20との間に弾性体であるゴム質体3を介在させると共に、該ゴム質体3の弾性力に対抗する方向に即ち下方向に往復杆2を押圧可能なように、前記ストッパー22から上側をケース1の頂部の開口部11からケース1外に突出させる。また往復杆2には、前記ストッパー20とストッパー22との間に中空の回転軸4を遊嵌して、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には具象体である土星の模型5を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60を形成している。ウォームギヤ60に噛合する、ギヤ機構6の他側と成る案内溝64,65(図5)は、ケース1内に横設した仕切板62の中心部に設けた開口部63の内縁の対向2ヵ所に刻設されている。本実施例では、案内溝65側によってウォームギヤ60の山が案内される。符号66の案内突起は、案内溝64,65の壁面の一側を形成するためのものであると同時に、山の先端が下方へ突出し且つ開口部63方向に後退する形状とされている。また、案内溝64,65は開口部63から案内突起66へ向けて深く成るように形成されている。尚、ゴム質体3の上方には、中心部に開口部18を有する仕切板17が前記仕切板62に平行して横設されている。開口部18は、ゴム質体3の弾性力により上方へ押圧されるストッパー20の底部に設けた鍔部23を掛止して、ストッパー20の上方への移動を阻止し得る直径とした。また符号61はウォームギヤ60の上端部であり、符号10は模型5の挙動が見られるケース1の透明部である。
【0024】
ケース1の上方へ突出している押圧用ボール21を手のひらで下方へ押圧すると、ケース1内では往復杆2が軸方向下方へ移動するが、同時に往復杆2はこれとは逆の上方向へ弾性体であるゴム質体3により付勢されているため、往復杆2の上端の押圧用ボール21を押圧したり止めたりすることによって、往復杆2はケース1内で往復運動を行なう。この往復杆2の回りに回転軸4が遊嵌されており、回転軸4は往復杆2と共にケース1内を往復運動する。一方で、回転軸4とケース1の一部である仕切板62との間にはギヤ機構6が設けられている。即ち回転軸4の下端のウォームギヤ60と、仕切板62の開口部63の対向2ヵ所に刻設された主として案内溝65とである。このギヤ機構6は回転軸4の往復運動に伴ない回転軸4自体を回転させるが、ギヤ機構6は回転軸4が所定距離、即ちウォームギヤ60の全長分の距離だけ移動するとウォームギヤ60の上端部61で噛合が解除される。これによって、押圧用ボール21の一端を強く押圧するほど模型5が速く回転し、前記噛合が解除された後は回転軸4がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続ける(図2を参照のこと)。本実施例では、この模型5の自由回転の時だけでなくギヤ機構6が動作して模型5が往復運動しつつ回転する時も、ケース1の透明部10から見ることが出来る。尚、本実施例に於いては、押圧用ボール21をケース1の上方へ突出させているが、これは往復杆2を押圧しやすくするための工夫である。また、回転軸4まわりがケース1で覆われている構成のため、回転中に回転軸4まわりに手を触れることが出来ず、回転状態が妨害される心配がない。
【0025】
ギヤ機構6に付いて、図4及び図5から明かと成るが、本実施例ではウォームギヤ60の巻の方向に従って、案内溝64,65の内、案内溝65側がウォームギヤ60の山と噛合する。案内溝64,65は単に左右対称に形成しただけである。図4は底面図であるが、仕切板62の上面側に案内溝64を形成すれば働くように成る。ギヤ機構6は上述したようにウォームギヤ60の上端部61で噛合が解除されるが、押圧用ボール21が押されなく成りゴム質体3の弾性力によって回転軸4が上方へ移動し始める時にウォームギヤ60の上端部61の山が円滑に案内溝65と噛合出来るように、案内溝64,65の間に案内突起66が設けられているが、これは必須ではない。尚、本実施例の場合では、ギヤ機構6としてウォームギヤ60が用いられているため、往復杆2を押す手を離すとゴム質体3の反発力によって回転軸4が先とは逆の方向に回転する。
【0026】
次に、本発明の第2実施例を図6を用いて説明する。本実施例は、ケース1が筆記具の軸形状を呈し、不透明部13と透明部10とがあり、透明部10は降りて来た人形50が自由回転する場所に相当して設けられており、ケース1の先端部に筆記具の芯部である鉛筆芯7が取り付けられている例である。また人形50自体が金属を成型したものであり、適度に重量があって弾み車の役目をも担っている。
【0027】
筆記具の軸筒形状に形成されたケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2の中央より下側の部分はストッパー20に圧入され、上端部は押圧用キャップ24に圧入されている。また往復杆2が常に図6の上方向に付勢されるように、ケース1内の底部12と前記ストッパー20との間に弾性体であるコイルバネ30を介在させると共に、該コイルバネ30の弾性力に対抗する方向に即ち下方向に往復杆2を押圧可能なように、前記押圧用キャップ24をケース1の頂部の開口部11からケース1外に突出させる。尚、前記コイルバネ30の上半分位には、ストッパー20から下方に突出する往復杆2を挿入してある。また往復杆2には、前記ストッパー20と押圧用キャップ24との間に中空の回転軸4を遊嵌して、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には具象体である人形50を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成る突起67を形成している。ギヤ機構6に於いて当該突起67に噛合するのは、ギヤ機構6の他側と成るネジ68の内側に刻設された螺刻部69であり、ネジ68はケース1内に取り付けられる。
【0028】
例えば、ケース1を人差し指から小指までの4本の指で握り、親指でケース1の上方へ突出している押圧用キャップ24を下方へ押圧すると、ケース1内では往復杆2が軸方向下方へ移動するが、同時に往復杆2の回りには回転軸4が遊嵌されているため、回転軸4も下方へ移動する。この時、回転軸4の下端にはギヤ機構6の一側と成る突起67が存り、該突起67はケース1内のネジ68の内側に刻設された螺刻部69に噛合しているため、回転軸4は下方へ移動しつつ回転を始め、この結果人形50も下方へ移動しつつ回転するが、この時点ではケース1の不透明部13に位置するため、透明部10からは見ることが出来ない。ところが、突起67が更に下がって螺刻部69を抜けると噛合が解除され、回転軸4がフリーに成ってこれまでの惰性で回転を続ける。この時人形50は透明部10まで降りて来ているため、透明部10から高速に回転する人形50を見ることが出来るのである。人形50はまた、それ自体が金属を成型したものであり、適度に重量があって弾み車の役目をも担っているので、この惰性による自由回転運動は長続きするのである。次いで、押圧用キャップ24を押圧するのを止めると、往復杆2は弾性体であるコイルバネ30によって上方向へ付勢されているため、人形50を逆回転させつつ上方初期位置に戻す。
【0029】
本実施例では、押圧用キャップ24を押すと、高速で長い間回転し続ける人形50が透明部10に現われるという、意外性の面白さがある。尚、筆記具の軸筒形状に形成されたケース1の先端部には筆記具の芯部である鉛筆芯7が取り付けられているため、これを以て筆記を行なうことが出来る。
【0030】
次に、本発明の第3実施例を図7及び図8を用いて説明する。本実施例の特徴は、往復杆2が筆記具のボールペン芯70そのものであり、押圧用キャップ24を押すと、ボールペン芯70がケース1の先端キャップ15の先に開口した開口部16から突出し、筆記が可能に成る点、この状態を掛止具80が保持し、また解除出来る点にある。更に専用の弾み車40が回転軸4に取り付けられているのも特徴のひとつである。
【0031】
筆記具の軸筒形状に形成されたケース1内に往復杆2を軸方向に往復運動可能に挿入する。往復杆2は筆記具のボールペン芯70そのものである。往復杆2の中央より下側の部分はストッパー20に圧入され、上端部は、ケース1の頂部に取り付けた上キャップ8から上方に突出する押圧用キャップ24を、頂部に具えた掛止具80に圧入されている。また往復杆2が常に図7の上方向に付勢されるように、ケース1内の底部19と前記ストッパー20との間にコイルバネ30を介在させる。底部19の中心には開口部18が存り、ここをボールペン芯70が通過していが、該ボールペン芯70の先端部は、ケース1の下部に取り付けられた先端キャップ15内に納められている。また、往復杆2には、前記ストッパー20と掛止具80との間に中空の回転軸4を遊嵌し、往復杆2の往復運動に従って回転軸4が往復運動し得るように構成する。該回転軸4の上端には、具象体である人形51を取り付け、下端にはギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60を形成している。また中央部分には弾み車40が設けられている。ケース1内に設けた仕切板62の中心部に開口した開口部63の内縁の対向2ヵ所には、上述の第1実施例で説明した、ギヤ機構6の一側と成るウォームギヤ60に噛合する、ギヤ機構6の他側と成る案内溝64,65(図5)が刻設されている。本実施例では、案内溝65側によりウォームギヤ60の山が案内される。符号66の案内突起は、案内溝64,65の壁面の一側を形成するためのものであると同時に、山の先端が下方へ突出し且つ開口部63方向に後退する形状とされている。また案内溝64,65は開口部63から案内突起66へ向けて深く成るように形成されている。尚、ケース1内には、中心部に開口部18を有する仕切板17が前記仕切板62に平行して横設されている。開口部18は、コイルバネ30の弾性力によって上方へ押圧されるストッパー20の底部に設けた鍔部23を掛止して、ストッパー20の上方への移動を阻止し得る直径とした。符号61は、ウォームギヤ60の上端部であり、符号14は、人形51の挙動が見られる透明部10のみを残してケース1を不透明にするために、ケース1に熱収縮により密着させたマスキングチューブである。
【0032】
上キャップ8に関しては、図8で表わした押圧部83付きのリング82が図の左右方向にスライド可能に設けられている。リング82には相対向する2ヵ所に切欠部86が設けられており、押圧部83の内側に取り付けられたゴム質体84が上キャップ8の突当部85に当たることによって、リング82は図の右方向に付勢されている。符号81は、押圧用キャップ24の下部の掛止具80の側面部に、前記リング82の切欠部86に位置合わせされて設けられると共に、下方に向けてテーパーが形成されたフックであり、押圧用キャップ24が押されると、当該フック81のテーパー部分が切欠部86に当たってこれを押し退け、リング82をゴム質体84の弾性力に対抗して左方向へ移動させるが、該フック81がリング82を抜け終わると、ゴム質体84の弾性力が作用してリング82が右方へスライドし、押圧用キャップ24が押されなく成った時に、コイルバネ30によって掛止具80が上昇しようとするのを阻止することに成る。次いで、押圧部83を押すと、フック81がリング82の切欠部86から抜け、コイルバネ30の弾性力で回転軸2が上昇し、ボールペン芯70の先端部は先端キャップ15内に戻り、ギヤ機構6も初期位置に戻る。
【0034】
本実施例は、具象体である人形51が回転する玩具として用いられるのは勿論のこと、筆記具としての本格的なボールペンとして利用出来る点に特長がある。尚、筆記具をシャープペン等とすることも可能である。
【0035】
尚、本発明は上述した実施例に限定されないから、例えば中空のケースの所要部位を透視可能に形成するという場合、ケースに直接窓を開口してもよい。またケースの形状はドーム形等々任意であり、具象体を複数個設けることや、各々をギヤ機構6の上下に配したり、前記押圧用ボール21等の押圧する部位(必須ではないが)に具象体を用いたり、ギヤ機構6を回転軸と往復杆との間に設けるなども可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明は、所要部位が透視可能に形成された中空のケース内に往復杆を軸方向に往復運動可能に挿入し、且つ該往復杆が常に一方向に付勢されるようにケースと往復杆との間に弾性体を介在させると共に、該弾性体の弾性力に対抗する方向に往復杆を押圧可能に設け、該往復杆に中空の回転軸を往復杆回りに回転可能に遊嵌すると共に、前記往復杆の往復運動に従って回転軸が往復運動し得るように構成し、該回転軸に具象体を取り付け、回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体が回転し得るように回転軸とケースとの間にギヤ機構を取り付けると共に、当該ギヤ機構は、前記回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成し、この解除位置で前記具象体が、前記ケースの透視可能に形成された部位に位置するように設定して成る。
【0037】
このため往復杆の一端を押圧すると回転軸が回転し、而も前記噛合が解除された後は回転軸がフリーに成りこれまでの惰性で回転を続け、回転軸に取り付けられた具象体が慣性回転し、少なくてもこの時の具象体の回転運動を前記ケースの透視可能に形成された部位から見ることが出来る。
【0038】
この結果、回転軸を指で捻って回転力を与えるなどという難しい動作を行なう必要がなく、回転軸を押すという単純で楽な動作で、回転軸をその軸方向に移動させ、これを軸回りの回転運動に変換させて回転軸に設けた具象体を回して遊ぶ玩具を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の部分切欠斜視図である。
【図2】同実施例の動作状態説明図である。
【図3】同実施例の部分分解側面図である。
【図4】同実施例の仕切板62の底面図である。
【図5】同実施例の図4の仕切板62のX−X断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の部分切欠側面図である。
【図7】本発明の第3実施例の部分切欠側面図である。
【図8】同実施例の部分平面図である。
【符号の説明】
1 ケース
10 透明部
11 開口部
12 底部
13 不透明部
14 マスキングチューブ
15 先端キャップ
16 開口部
17 仕切板
18 開口部
19 底部
2 往復杆
20 ストッパー
21 押圧用ボール
22 ストッパー
23 鍔部
24 押圧用キャップ
3 ゴム質体
30 コイルバネ
4 回転軸
40 弾み車
5 模型
50 人形
51 人形
6 ギヤ機構
60 ウォームギヤ
61 上端部
62 仕切板
63 開口部
64 案内溝
65 案内溝
66 案内突起
67 突起
68 ネジ
69 螺刻部
7 鉛筆芯
70 ボールペン芯
8 上キャップ
80 掛止具
81 フック
82 リング
83 押圧部
84 ゴム質体
85 突当部
86 切欠部
Claims (5)
- 所要部位が透視可能に形成された中空のケース内に往復杆を軸方向に往復運動可能に挿入し、且つ該往復杆が常に一方向に付勢されるようにケースと往復杆との間に弾性体を介在させると共に、該弾性体の弾性力に対抗する方向に往復杆を押圧可能に設け、該往復杆に中空の回転軸を往復杆回りに回転可能に遊嵌すると共に、前記往復杆の往復運動に従って回転軸が往復運動し得るように構成し、該回転軸に具象体を取り付け、回転軸の往復運動に伴ない回転軸自体が回転し得るように回転軸とケースとの間にギヤ機構を取り付けると共に、当該ギヤ機構は、前記回転軸が所定距離だけ移動すると噛合が解除されるように構成し、この解除位置で前記具象体が、前記ケースの透視可能に形成された部位に位置するように設定されて成る、具象体が回転する玩具。
- 前記回転軸に弾み車が設けられていることを特徴とする請求項1の具象体が回転する玩具。
- 前記ケースに筆記具の芯部が設けられていることを特徴とする請求項1の具象体が回転する玩具。
- 前記往復杆が筆記具の芯部であり、芯部の筆記先端がケース外に突出し得るように設けられていると共に、往復杆を押圧した時に筆記先端がケース外に突出した状態を固定出来且つこの状態を開放し得る機構を設けたことを特徴とする、請求項1の具象体が回転する玩具。
- 前記ギヤ機構が、回転軸に設けられたウォームギヤとケースに設けられ前記ウォームギヤに噛合する部位との組であることを特徴とする請求項1の具象体が回転する玩具。
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