JP3728591B2 - 無線送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信パワーの制御範囲が広く、その制御範囲内で送信パワーを、指令された値に正確に且つ円滑に制御して送信を行うことができる無線送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信方式に於いては、割当てられた周波数を用いて時間的には連続して通信する連続通信方式と、割当てられたタイムスロット等により時間的には断続して通信するバースト通信方式とに大別することができる。例えば、移動無線通信方式に於けるPDC(Personal Digital Cellular )方式や、W−CDMA(Wideband −Code Division Multiple Access )方式等は、連続通信方式に相当し、又PHS(Personal Handyphone System )方式等は、バースト通信方式に相当する。
【0003】
このような移動無線通信システムに於いては、基地局に対して複数の移動局が送信するものであるから、基地局に対して近距離の移動局からの受信レベルは、遠距離の移動局からの受信レベルに比較して著しく大きくなる。そこで、基地局の受信レベル判定により、近距離の移動局に対して送信パワーを小さくし、遠距離の移動局に対しては、送信パワーを大きくするように、送信パワー制御指令を送出する方式が知られている。
【0004】
従って、移動局の無線送信装置としては、指令値に従った送信パワーとなるように制御する構成を設けることになる。そこで、送信信号のレベルをアッテネータにより例えば4dB間隔のステップ状に制御し、且つ混合器に加える局部発振信号を可変利得増幅器により制御して、送信パワーを制御する構成が知られている(例えば、特開平8−307182号公報参照)。又送信信号を増幅する2段の増幅器と、利得制御増幅器とを設け、2段の増幅器にそれぞれバイパススイッチを設けてオン,オフ制御することにより、ステップ状に送信パワーを制御し、又利得制御増幅器により送信パワーを細かく制御する構成が知られている。(例えば、特開平10−150429号公報参照)。
【0005】
又送信信号を可変利得増幅器とアッテネータとを介して送信し、アッテネータによりステップ状に送信パワーを制御し、可変利得増幅器により連続的に送信パワーを制御する無線送信装置が知られている(例えば、特開平11−55131号公報参照)。又アンテナとダミー負荷とを切替えるスイッチを設け、ダミー負荷に切替えて、電波を送出することなく、所定の送信パワーが得られるか否かを試験する無線送信装置が知られている(例えば、特開2000−36767号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
送信パワーの制御範囲、即ち、ダイナミックレンジが広い無線送信装置に於いては、1個の可変利得増幅器のみで指令された値に送信パワーを制御することは困難である。特に最低送信パワー近傍のS/Nを所望の値に維持することが容易ではない。そこで、ステップ状に切替えるアッテネータと、連続的に制御する可変利得増幅器とを組み合わせた構成が前述の従来例のように提案されている。このように、複数のゲイン制御手段を用いると、各ゲイン制御手段の温度特性や周波数特性の相違による誤差分が累積されて、高精度な送信パワーの制御が困難となる。又ゲインをステップ状に切替えた時に、送信パワーもステップ状に変化し、干渉等の悪影響を及ぼす問題がある。
本発明は、指令された値の送信パワーとなるように高精度に制御し、且つ滑らかな制御特性が得られるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線送信装置は、図1を参照して説明すると、ゲインをステップ状に切替えると共に切替過程に於いて連続的にゲインを制御可能としたアッテネータ9等のステップゲイン制御部と、このステップゲイン制御部による少なくともゲインの切替えを行うまでの間を連続的にゲインを制御可能とした可変利得増幅器13等の連続ゲイン制御部と、ステップゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第1のテーブルと、連続ゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第2のテーブルと、ステップゲイン制御部のゲイン切替過程の制御電圧時間プロファイルを格納した第3のテーブルと、ステップゲイン制御部のゲイン切替過程に於ける連続ゲイン制御部の制御電圧時間プロファイルを格納した第4のテーブルとを含むメモリ23と、指令された送信パワーに従って、第1〜第4のテーブルを参照してステップゲイン制御部の制御電圧と連続ゲイン制御部の制御電圧を出力して送信パワーの制御を行う制御処理部22とを備えている。
【0008】
又前記制御処理部22は、送信信号をアンテナ1から終端部3に切替えて終端させてテストを行うテスト制御処理部を含み、このテスト制御処理部は、テスト信号送信制御を行うと共に、ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とのゲインを制御して、測定した送信パワーと制御電圧との関係を前記メモリ23に第5,第6のテーブルとして格納し、且つステップゲイン制御部によるゲインのステップ状の切替過程に於ける制御電圧時間プロファイルを前記メモリ23に第7,第8のテーブルとして格納する制御処理構成を備えることができる。
【0009】
又前記メモリ23は、測定した送信中の送信パワーを格納する領域と、ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とによるゲイン制御に伴う送信信号の位相変化量を格納した領域と、ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部との間の送信信号の遅延時間を格納した領域とを備え、制御処理部22は、ゲイン制御時にメモリから位相変化量を読出して位相変化を抑制するように送信信号の位相を制御し、メモリに格納された遅延時間を基にステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とのゲイン制御に時間差をもたせる制御を行う構成を備えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の説明図であり、1はアンテナ、2は切替スイッチ、3は終端部、4はデュプレクサ、5は方向性結合器、6はアイソレータ、7は電力増幅器、8は送信周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタ、9はステップゲイン制御部の一例のアッテネータ、10は周波数変換された送信信号を通過させるバンドパスフィルタ、11はアップコンバータ、12は中間周波信号のバンドパスフィルタ、13は連続ゲイン制御部の一例の可変利得増幅器、14は加算部、15は高周波局部発振器、16は中間周波局部発振器、17,18は位相制御回路、19,20は変調器、21は移相器、22は制御処理部、23はメモリ、24はパワー検出部、25は温度検出部、26は送受話器,テンキー,表示部等を含む入出力部、27は受信部を示す。
【0011】
又aは切替スイッチ制御信号、bは温度検出信号、cはパワー検出信号、d,eはゲイン制御信号、fは位相制御信号、I,IXとQ,QXとはそれぞれ位相反転し、且つ直交した送信信号を示す。なお、受信部27は、高周波増幅器,復調器等を含む既に知られている各種の構成を適用することができるものであり、本発明とは直接的な関係がないので詳細な構成及び説明を省略する。
【0012】
又制御処理部22は、入出力インタフェース部,プロセッサ,プログラムメモリ等によって構成され、プログラムに従ったプロセッサに於ける処理により各部が制御され、又送受信信号のベースバンド処理等も行うものである。従って、入出力部26の送信データは、制御処理部22によって処理されて、I,IX,Q,QXの送信信号として位相制御回路17,18に加えられ、ゲイン制御時に、位相制御信号fによってそれぞれの位相が制御される。なお、通常の送信時には、固定の位相として変調器19,20に入力される。この変調器19,20と加算部14とにより直交変調器が構成され、直交変調された中間周波数の送信信号が可変利得増幅器13に入力される。
【0013】
この送信信号は、バンドパスフィルタ12と、アップコンバータ11と、バンドパスフィルタ10と、アッテネータ9と、バンドパスフィルタ8と、電力増幅器7と、アイソレータ6と、方向性結合器5と、デュプレクサ4と、切替スイッチ2とを介して、アンテナ1から送信される。又パワー検出部24は、方向性結合器5により送信信号の一部を分岐して、送信パワーを検出し、そのパワー検出信号cを制御処理部22に入力する。又温度検出部25は、装置内温度等の周囲の温度を検出し、その温度検出信号bを制御処理部22に入力する。
【0014】
アッテネータ9と、可変利得増幅器13とは、制御処理部22からのゲイン制御信号d,eによってゲインが制御される。なお、アッテネータ9は、既に知られている高周波用のアッテネータを適用できるものであり、例えば、ダイオードと抵抗等とによって構成することができるものである。そして、ゲイン制御信号dによって、ステップ状に切替えられると共に、その切替過程では連続的にゲインが制御される。又可変利得増幅器13は、所定の範囲に於いてゲイン制御信号eによって連続的にゲインが制御される。
【0015】
又メモリ23に、ゲイン制御信号d,eと、アッテネータ9のゲインと可変利得増幅器13のゲインとの関係をテーブル化して格納し、制御処理部22は、そのテーブルを参照して、ゲイン制御を行うものであり、アッテネータ9(ステップゲイン制御部)のゲインと制御電圧との関係を格納した第1のテーブルと、可変利得増幅器13(連続ゲイン制御部)のゲインと制御電圧との関係を格納した第2のテーブルと、アッテネータ9(ステップゲイン制御部)のゲイン切替過程の制御電圧時間プロファイルを格納した第3のテーブルと、アッテネータ9(ステップゲイン制御部)のゲイン切替過程に於ける利得可変増幅器13(連続ゲイン制御部)の制御電圧時間プロファイルを格納した第4のテーブルとを備えている。なお、パワー検出部24により検出した送信パワーを格納する領域,温度検出部25により検出した温度検出信号bに従ってゲイン補正等を行うデータを格納した領域,位相制御回路17,18に対する位相制御信号fに関するデータを格納した領域等を備えている。
【0016】
図2はシステムのスペック説明図であり、最大送信パワーPMAX 〔dBm〕と、最小送信パワーPMIN 〔dBm〕と、パワーステップサイズΔ〔dB〕と、ステップ誤差x,x’〔dB〕と、収束時間s〔μs〕とを示す。なお、最大送信パワーPMAX と最小送信パワーPMIN との例えば中間値をY、現在送信パワーをPとして、PMAX −Y<P<PMIN の状態に於ける送信パワーPを切替えるパワーステップサイズΔに対するステップ誤差をxとし、又P<PMAX −Yの状態に於ける送信パワーPを切替えるパワーステップサイズΔに対するステップ誤差をx’としており、このステップ誤差はx<x’の関係とする。即ち、送信パワーが小さい時のパワーステップサイズΔに対する誤差は緩和されている。
【0017】
このシステムのスペックに従って、パワー検出部24は、PMAX −ΔからPMIN −Y−Δ〔dBm〕の間で、ステップ誤差x〔dB〕に比較して充分に小さい誤差で送信パワーを検出できる構成とする。又アッテネータ9は、理想的な状態で、GRFMIN とGRFMAX =GRF+Yとの二つの状態に遷移させる構成とする。なお、実際には、GRF〔dB〕より低いゲイン及びGRF+Y〔dB〕より高いゲインとすることも可能な構成とする。
【0018】
又可変利得増幅器13は、理想的な状態でGIFMIN 〔dB〕からGIFMAX 〔dB〕の間でゲインを変化させる。なお、実際には、GIFMIN 〔dB〕より低いゲイン及びGIFMAX 〔dB〕より高いゲインに制御可能な構成とする。この場合、無線送信装置としてのダイナミックレンジは、GRFMAX −GRFMIN +GIFMAX −GIFMIN であり、所望の送信パワーのダイナミックレンジPMAX −PMIN より大きい構成となる。
【0019】
図3は送信パワーとゲイン制御との説明図であり、状態1〜4について示すものであり、ローパワー時の状態、即ち、送信パワーをPMIN 〜PMAX −Yの範囲で制御する時を状態1とし、RFATTのゲイン、即ち、アッテネータ9のゲインをGRFMIN 、IFアンプのゲイン、即ち、可変利得増幅器13のゲインをGIFMIN 〜GIFMAX の範囲で制御する。又送信パワーを切替ポイントより上げる時、即ち、送信パワーをPMAX −YからPMAX −Y+Δに上げる時を状態2とし、RFATT(アッテネータ9)のゲインをGRFMIN からGRFMAX に切替え、IFアンプ(可変利得増幅器13)のゲインをGIFMAX からGIFMAX −Y+Δに切替える。
【0020】
又送信パワーを切替ポイントより下げる時、即ち、送信パワーをPMAX −YからPMAX −Y−Δに下げる時を状態3とし、RFATT(アッテネータ9)のゲインをGRFMAX からGRFMIN に切替え、IFアンプ(可変利得増幅器13)のゲインをGIFMAX −YからGIFMAX −Δに切替える。又ハイパワー時の状態、即ち、送信パワーをPMAX −Y〜PMAX の範囲で制御する時を状態4とし、RFATT(アッテネータ9)のゲインをGRFMAX に、IFアンプ(可変利得増幅器13)のゲインをGIFMAX −Y〜GIFMAX の範囲で制御する。
【0021】
制御処理部22は、現在の送信パワーをパワー検出部24からのパワー検出信号cによって判定し、受信部27を介した指令値又は入出力部26からの指令値等の指令された値の送信パワーが状態1〜4の何れに相当するかを判定して、アッテネータ9に対するゲイン制御信号dと、可変利得増幅器13に対するゲイン制御信号eとを、メモリ23に形成したゲインと制御信号との関係の第1,第2のテーブルを参照して出力するものである。この場合、状態3又は状態4に於けるゲインの切替えの過程に於いて、全体のゲインが円滑に切替えられるように、切替時間過程に於けるゲイン制御信号d,eについてメモリ23に格納した第3,第4のテーブルを参照して出力するものである。
【0022】
図4は本発明の実施の形態の制御処理部とメモリとの説明図であり、制御処理部22は、送信信号処理部41と、ゲイン制御処理部42と、テスト制御処理部43と、受信信号処理部44とを含む構成を有する場合を示し、又メモリ23は、第1〜第4のテーブル51〜54を含む構成を有する場合を示す。
【0023】
制御処理部22の送信信号処理部41は、入出力部26からの送信信号を、I,IX,Q,QX信号として直交変調手段に入力するように処理するものであり、又ゲイン制御処理部42は、パワー検出部24からのパワー検出信号cと、温度検出部25からの温度検出信号b等を入力し、メモリ23の各テーブルを参照して、ゲイン制御信号d,eを生成して出力する。
【0024】
又テスト制御処理部43は、後述のテスト時に切替スイッチ2を終端部3側に切替える切替スイッチ制御信号aを出力し、ゲイン制御処理部42との間でテスト結果を求めてメモリ23の図示を省略した領域に格納する。又受信信号処理部44は、受信部27からの信号を処理するものである。
【0025】
又メモリ23の第1のテーブル51は、ステップゲイン制御部、即ち、ステップ状にゲインを切替えるアッテネータ9のゲインGRFと制御電圧V1との関係を格納したものである。又第2のテーブル52は、連続ゲイン制御部、即ち、連続的にゲインを制御できる可変利得増幅器13のゲインGIFと制御電圧V2との関係を格納したものである。又第3のテーブル53は、図3に示す状態2又は状態3に於けるアッテネータ9に対する収束時間s内の時間tと制御電圧V1との関係の時間プロファイルを格納したものである。又第4のテーブル54は、図3に示す状態2又は状態3に於ける可変利得増幅器13に対する収束時間s内の時間tと制御電圧V2との関係の時間プロファイルを格納したものである。なお、第3のテーブル53は、時間tとゲインGRFとの関係として格納することも可能であり、同様に、第4のテーブル54も、時間tとゲインGIFとの関係として格納することも可能である。この場合、ゲインGRF,GIFについて第1,第2のテーブルを参照して制御電圧を求めることになる。
【0026】
図5及び図6はゲイン制御過程の説明図であり、図5の(A)は、状態2に於けるアッテネータ9のゲインGRFと、可変利得増幅器13のゲインGIFとの収束時間s内のサンプリング時刻t=0〜s’〔μs〕毎のプロファイルを示す。即ち、スペックの収束時間s〔μs〕より短い時間内のサンプリング時刻毎のゲインGRFとゲインGIFとを示す。又(B)は、状態に2に於けるゲイン制御による送信パワーの時間プロファイルを示す。即ち、送信パワーを切替ポイントより上げる状態2に於いて、アッテネータ9のゲインGRFを、GRFMIN からGRFMAX に切替える過程でサンプリング時刻毎に順次上昇させると共に、可変利得増幅器13のゲインGIFを、GIFMAX からGIFMAX −Y+Δに切替える過程で、サンプリング時刻毎に順次減少させる。
【0027】
その時、ゲイン制御開始の時刻をt=0、ゲイン制御完了の時刻をt=s’、t=0〜s’の間のサンプリング数をN+1、サンプリング時刻をti (i=0〜N)とすると、
の関係となるように、アッテネータ9と可変利得増幅器13とのゲインを制御する。この場合の図5の(A)に示す時間プロファイルに従った時刻t=0〜s’にわたるそれぞれのゲイン制御信号(制御電圧)を、第3,第4のテーブル53,54に格納しておくものである。
【0028】
それによって、図5の(B)に示すように、ゲイン制御開始時刻t=0からゲイン制御完了時刻t=s’までの間の送信パワーは、PMAX −YからパワーステップサイズΔ〔dB〕だけ大きくしたPMAX −Y+Δに直線状に制御することができる。即ち、アッテネータ9のゲインを切替えて送信パワーを上昇させる時に、このアッテネータ9のゲインGRFと、可変利得増幅器13のゲインGIFとを、サンプリング時刻t毎に逆方向に制御し、収束時間s内で指令された送信パワーPMAX −Y+Δに直線状に上昇させることができる。
【0029】
又図6の(A)はアッテネータ9のゲインGRFと、可変利得増幅器13のゲインGIFとの状態3の場合の時間プロファイルを示し、(B)は送信パワーを減少させる時の時間プロファイルを示す。即ち、送信パワーを切替ポイントより下げる状態3に於いて、アッテネータ9のゲインGRFを、GRFMAX からGRFMIN に下げる過程(減衰量を増加する過程)で、可変利得増幅器13のゲインGIFをGIFMAX −YからGIFMAX −Δに制御するものである。
【0030】
この場合も、アッテネータ9のゲイン制御と可変利得増幅器13のゲイン制御とによる変化分を打ち消しながら、パワーステップサイズΔ〔dB〕分だけ送信パワーを減少させるものであり、ゲイン制御開始の時刻をt=0、ゲイン制御完了の時刻をt=s”、t=0〜s”の間のサンプリング数をN+1、サンプリング時刻ti (i=0〜N)とすると、
の関係となるように、アッテネータ9と可変利得増幅器13とのゲインを制御する。この場合の図6の(A)に示す時間プロファイルに従った時刻t=0〜s”にわたるそれぞれのゲイン制御信号を、第3,第4のテーブル53,54に格納しておくものである。
【0031】
それによって、図6の(B)に示すように、ゲイン制御開始時刻t=0からゲイン制御完了時刻t=s”までの間の送信パワーはPMAX −YからPMAX −Y−Δに直線状に減少するように制御することができる。即ち、アッテネータ9のゲインを切替えて送信パワーを減少させる時に、このアッテネータ9のゲインと、可変利得増幅器13のゲインとを、サンプリング時刻毎に逆方向に制御させて、送信パワーの変化をほぼ直線状に変化させ、収束時間s内で指令された送信パワーPMAX −Y+Δに円滑に切替えることができる。
【0032】
又前述の状態2,3に於けるゲイン制御に於いて、アッテネータ9と可変利得増幅器13との間の送信信号の遅延時間をtdelay (この遅延時間は設計段階で既知となるが、送信開始前に測定することも可能)とすると、この遅延時間を考慮して、制御処理部22のゲイン制御処理部42は、可変利得増幅器13に対するサンプリング時刻t=0〜s’又はt=0〜s”に於けるi番目のゲイン制御信号eをt=ti 〔μs〕に出力した時、アッテネータ9に対するi番目のゲイン制御信号dをt=i+tdelay 〔μs〕に出力する。
【0033】
この場合の遅延時間tdelay に従ってゲイン制御信号が読出されるように第3,第4のメモリ53,54に格納するか、又は同一のサンプリング時刻対応のゲイン制御信号を読出して、アッテネータ9に対するゲイン制御信号dを、遅延回路によって時間tdelay だけ遅延させる構成とすることも可能である。このような構成により、内部遅延が存在する時のゲイン制御過程に於ける送信パワーを直線状に変化させることができる。
【0034】
又前述の状態2,3に於けるゲイン制御に於いて、アッテネータ9と可変利得増幅器13との特性に対応して送信信号に位相変化が生じることがある。そこで、ゲイン制御を行う場合の位相の変化量を測定し、その変化量又はその逆数をメモリ23に記憶しておき、前述の状態2,3に於けるt=0〜s’又はt=0〜s”のゲイン制御過程で、このメモリ23に記憶した位相の変化量又はその逆数を読出して位相制御信号fを生成し、位相制御回路17,18に加えて送信信号の位相変化を抑制するように制御する。
【0035】
又周囲温度により各部の特性が変化することにより、送信パワーも変化することがある。そこで、メモリ23に、温度対応の補正値を格納しておき、温度検出部25からの温度検出信号を基に、制御処理部22は、アッテネータ9のゲイン制御信号d及び可変利得増幅器13のゲイン制御信号eを補正して出力することができる。
【0036】
図7は本発明の実施の形態のフローチャートであり、所定時間間隔をスロットとし、前スロットの送信パワーPが、P<PMAX −Yか、P=PMAX −Yか、P>PMAX −Yかを判定し(a1)、P<PMAX −Yの場合は、ローパワー時の状態1の送信パワー制御とする(a5)。又P>PMAX −Yの場合は、ハイパワー時の状態4の送信パワー制御とする(a8)。
【0037】
又P=PMAX −Yの場合は、前スロットの状態に於いて状態1か又は状態4かを判定し(a2)、状態1であった場合は、次スロットで送信パワーを切替ポイントより上昇させるか否かを判定し、上昇させない場合は、状態1を継続するように送信パワーを制御する(a5)。又次スロットで送信パワーを切替ポイントより上昇させる場合は、状態2の送信パワー制御を行う(a6)。即ち、送信パワーをPMAX −YからPMAX −Y+Δに上昇させる過程で、メモリ23に形成した第3,第4のテーブル53,54を参照して、アッテネータ9のゲインをGRFMIN からGRFMAX にサンプリング時刻毎に上昇させ、可変利得増幅器13のゲインをGIFMAX からGIFMAX −Y+Δにサンプリング時刻毎に減少させる。
【0038】
又前述のステップ(a2)に於いて、前スロットの状態が状態4の場合、次スロットで送信パワーを切替ポイントより減少させるか否かを判定し(a4)、減少させない場合は、状態4の送信パワー制御を継続する(a6)。又送信パワーを切替ポイントより減少させる場合は、状態3の送信パワー制御を行う(a7)。即ち、送信パワーをPMAX −YからPMAX −Y−Δに減少させる過程で、メモリに形成した第3,第4のテーブルを参照して、アッテネータ9のゲインをGRFMAX からGRFMIN にサンプリング時刻毎に減少させ、可変利得増幅器13のゲインをGIFMAX −YからGIFMAX −Δにサンプリング時刻毎に上昇させる。
【0039】
そして、送信パワーPをRAM(メモリ23)に保存(a9)のステップに於いて、パワー検出部24により検出したパワー検出信号cを制御処理部22に入力し、制御処理部22は、メモリ23の所定の領域に現スロット送信パワーとして格納する。そして、ステップ(a1)に於いて、このメモリ23から前スロットの送信パワーとして読出すことになる。
【0040】
又送信パワーの制御に於いて、周囲の温度や各部の周波数特性等により、同一のゲイン制御信号でも装置対応に異なる送信パワーとなる場合がある。そこで、送信電波を送出することなく、送信パワーとゲイン制御信号との関係を求めるテストを行う。即ち、制御処理部22から切替スイッチ制御信号aを出力して、切替スイッチ2をアンテナ1側から無反射特性の終端部3側に切替える。
【0041】
そして、制御処理部22から実際の通信に於けるフォーマットに従って、I,Q信号構成のテスト信号を送出する。このテスト信号はメモリ23に格納しておいて、そのテスト信号を読出す構成とすることができる。図4に於いては、制御処理部22のテスト制御処理部43から切替スイッチ制御信号aを出力し、メモリ23に格納したテスト信号を読出して送出し、ゲイン制御処理部42を制御して、可変利得増幅器13にゲイン制御信号eを送出し、且つアッテネータ9にゲイン制御信号dを送出する。又制御処理部22のゲイン制御処理部42に、パワー検出部24により送信パワーを検出したバー検出信号cを入力し、温度検出部25により周囲温度等を検出して、その温度検出信号bを入力する。
【0042】
先ず、可変利得増幅器13のゲインと制御電圧との関係を測定する。アッテネータ9のゲインがGRFMAX になる制御電圧V1MAX を第1のメモリ51から読出して、アッテネータ9を制御する。アッテネータ9のゲインに誤差が含まれている可能性があるから、この場合のゲインをGRFMAX ’とする。この状態で、可変利得増幅器13の制御電圧を変更して送信パワーの変化を検出する。
【0043】
パワー検出部24によって検出した送信パワーがPMAX −Y−Δ,PMAX −Y,PMAX −Y+Δ,PMAX −Y+2Δ,・・・PMAX になる時の可変利得増幅器13のゲインをGIFMAX ’−Y−Δ,GIFMAX ’−Y,GIFMAX ’−Y+Δ,GIFMAX ’−Y+2Δ,・・・GIFMAX ’とし、送信パワーに対する制御電圧をメモリ23に格納する。
【0044】
次に、可変利得増幅器13の制御電圧を送信パワーがPMAX に達する値とし、アッテネータ9のゲインがGRFMIN になる制御電圧V2MIN を第2のメモリ52から読出して、アッテネータ9のゲイン制御信号dを生成し、アッテネータ9のゲインを制御する。
【0045】
そして、パワー検出部24によるパワー検出信号cによって、送信パワーがPMAX −Yになるように、アッテネータ9の制御電圧を調整する。この時のアッテネータ9のゲインに誤差が含まれていることの意味でGRDMIN ’とする。そして、送信パワーがPMAX −Y−Δ,PMAX −Y,PMAX −Y+Δ,PMAX −Y+2Δ,・・・PMAX となった時のアッテネータ9のゲインをGRFMIN ’−Δ,GRFMIN ’−Y,GRFMIN ’−Y+Δ,GRFMIN ’−Y+2Δ,・・・GRFMAX ’とし、この時の送信パワーに対する制御電圧をメモリ23に格納する。
【0046】
このテスト結果により、前述のアッテネータ9と可変利得増幅器13とのゲインと制御電圧との関係に変更が生じる。それにより、状態2,状態3に於ける切替えの制御の時間プロファイルに変更が生じることになる。そこで、テスト信号による送信パワーの制御を行い、前述の状態2,状態3の動作を行わせ、新たな制御の時間プロファイルを作成する。この場合のアッテネータ9の制御電圧をVRFMIN ,VRFMAX (GRFMIN ’,GRFMAX ’に対応)、可変利得増幅器13の制御電圧をV0 ,・・・Vb (アッテネータ9のゲインがGRFMAX ’の時の送信パワーPMAX −Y−Δ,PMAX −Y,PMAX −Y+Δ,PMAX −Y+2Δ,・・・PMAX に対応、なお、制御電圧V0 の時の送信パワーPMAX −Y−Δ,制御電圧Vb の時の送信パワーPMAX )とする。
【0047】
そして、状態2の制御を高精度で行う為の準備をする。即ち、アッテネータ9のゲインをGRFMAX ’に設定する。そして、可変利得増幅器13の制御電圧をVb からV2 までN分割して、t=0〜s’の時間で変化させる。この時の送信パワー時間プロファイルを測定する。例えば、図8の(A)に示すように、送信パワー〔dBm〕はPMAX からPMAX −Y+Δに減少するから、可変利得増幅器13のゲインの減少特性が判る。そこで、アッテネータ9のゲインをGRFMIN ’からGRFMAX ’までの間を、可変利得増幅器13のゲイン変化特性を補正して、送信パワー〔dBm〕が図8の(B)に示すように、PMAX −YからPMAX −Y+Δに直線的に上昇させる制御を行う。
【0048】
この時の可変利得増幅器13のゲインを遷移させる時の送信パワーをPIF(t)とし、ti (i=0〜N)に於けるアッテネータ9のゲインGRF(ti )は、
GRF(ti )=GRFMIN −(PIF(t)−PMAX )+Δ/N×i …(3)
によってt=0〜s’間で増加させる。前述のアッテネータ9のゲイン遷移過程に於いて測定した制御電圧の時間プロファイルをメモリ23にテーブルとして格納する。
【0049】
次に状態3の制御を高精度で行う為の準備をする。即ち、アッテネータ9のゲインをGRFMAX ’に設定する。そして、可変利得増幅器13の制御電圧をV1 からVb-1 までをN分割してt=0〜s”の間で変化させる。この時の送信パワーの時間プロファイルを測定する。この時の送信パワー〔dBm〕は、例えば、図9の(A)に示すように、PMAX −YからPMAX −Δに上昇させる。これは可変利得増幅器13のゲインの増加特性を示すものとなる。そして、アッテネータ9のゲインをGRFMAX ’からGRFMIN ’までの間で、可変利得増幅器13のゲインの変化を打ち消すようにゲインを減少し、送信パワー〔dBm〕がPMAX −YからPMAX −Y−Δまで直線状に減少するように制御する。即ち、
によって、t=0〜s”の間の制御を行い、この制御電圧の時間プロファイルをメモリ23にテーブルとして格納する。
【0050】
従って、メモリ23には、例えば、図10に示す内容が格納される。即ち、メモリ領域0にパワー検出部24により検出した現スロット送信パワーを格納し、メモリ領域1にRFATT(アッテネータ9)のゲインと制御電圧の関係のテーブル、即ち、第1のテーブル51を格納し、メモリ領域2にIFアンプ(可変利得増幅器13)のゲインと制御電圧の関係のテーブル、即ち、第2のテーブル52を格納する。
【0051】
又メモリ領域3に状態2の時のRFATT(アッテネータ9)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域5に状態3の時のRFATT(アッテネータ9)の制御電圧時間プロファイルを格納する。このメモリ領域3,5は、図4の第3のテーブル53に対応する。又メモリ領域4に状態2の時のIFアンプ(可変利得増幅器13)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域6に状態3の時のIFアンプ(可変利得増幅器13)の制御電圧時間プロファイルを格納する。このメモリ領域4,6は、図4の第4のテーブル54に対応する。
【0052】
又メモリ領域7に状態2の時の送信部トータルの位相変化量、メモリ領域8に状態3の時の送信部トータルの位相変化量をそれぞれ格納し、制御処理部22は、状態2又は状態3に対応した位相変化量を読出して、位相制御回路17,18に加える位相制御信号fを生成する。又メモリ領域9にIFアンプ(可変利得増幅器13)からRFATT(アッテネータ9)までの時間遅延量を格納し、制御処理部22は、状態2又は状態3に於けるゲイン制御信号d,eのタイミングを制御する。
【0053】
又メモリ領域10にテスト信号を格納する。即ち、前述の切替スイッチ2を終端部3側に切替えてテストする場合のテスト信号を格納する。又メモリ領域11〜16には、前述のテストによって得られた結果を基に、第5〜第8のテーブルを格納するものであり、メモリ領域11に、RFATT(アッテネータ9)の修正されたゲインと制御電圧の関係のテーブル、即ち、第5のテーブルを格納し、メモリ領域12に、IFアンプ(可変利得増幅器13)の修正されたゲインと制御電圧の関係テーブル、即ち、第6のテーブルを格納する。
【0054】
又メモリ領域13に、送信前に計算した状態2の時のRFATT(アッテネータ9)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域14に、送信前に計算した状態2の時のIFアンプ(可変利得増幅器13)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域15に、送信前に計算した状態3の時のRFATT(アッテネータ9)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域16に、送信前に計算した状態3の時のIFアンプ(可変利得増幅器13)の制御電圧時間プロファイルを格納し、メモリ領域13,15を第7のテーブル、メモリ領域14,16を第8のテーブルとする。
【0055】
前述のテストにより、第5〜第8のテーブルをメモリ23に格納することができる。そして、テスト終了により、制御処理部22は、切替スイッチ制御信号aを切替スイッチ2に加えて、終端部3側からアンテナ1側に切替えさせ、送信処理を開始する。そして、送信パワーがPMIN 〜PMAX −2Y−Δの間は、メモリ領域1〜6の第1〜第4のテーブルを用いて送信制御し、送信パワーがPMAX −2YからPMAX の間は、メモリ領域11〜16の第5〜第8のテーブルを用いて送信制御する。この送信パワーがPMAX に近い状態に於ける誤差x’(>x)を、±x〔dB〕以下とすることができるから、送信パワーの制御範囲を拡大することが可能となる。
【0056】
本発明は前述の各実施の形態にのみ限定されるものではなく、種々付加変更することができるものであり、例えば、アッテネータ9等のステップゲイン制御部の切替ステップ数は、2段階の場合を示すが、更に多数の段階の切替えを可能とした構成とすることも可能である。又アッテネータ9等のステップゲイン制御部をアンテナ1側に配置した場合を示すが、可変利得増幅器13等の連続ゲイン制御部をアンテナ1側に配置し、アッテネータ9等のステップゲイン制御部を制御処理部22側に配置することも可能である。
【0057】
(付記1)データを連続的に送信する無線送信装置に於いて、ゲインをステップ状に切替えると共に切替過程に於いて連続的にゲインを制御可能としたステップゲイン制御部と、該ステップゲイン制御部による少なくともゲインの切替えを行うまでの間を連続的にゲインを制御可能とした連続ゲイン制御部と、前記ステップゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第1のテーブルと、前記連続ゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第2のテーブルと、前記ステップゲイン制御部のゲイン切替過程の制御電圧時間プロファイルを格納した第3のテーブルと、前記ステップゲイン制御部のゲイン切替過程に於ける前記連続ゲイン制御部の制御電圧時間プロファイルを格納した第4のテーブルとを含むメモリと、指令された送信パワーに従って、前記第1〜第4のテーブルを参照して前記ステップゲイン制御部の制御電圧と前記連続ゲイン制御部の制御電圧を出力して送信パワーの制御を行う制御処理部とを備えたことを特徴とする無線送信装置。
(付記2)前記制御処理部は、送信パワーの制御状態を、切替ポイントより低いローパワー時の状態1と、送信パワーを前記切替ポイントより上げる時の状態2と、送信パワーを前記切替ポイントより下げる時の状態3と、前記切替ポイントより高いハイパワー時の状態4として、前記状態1に於いて、前記ステップゲイン制御部のゲインを最小に制御し、前記連続ゲイン制御部のゲインを最小から最大までの範囲で制御し、前記状態4に於いて、前記ステップゲイン制御部のゲインを最大に制御し、前記連続ゲイン制御部のゲインを最小から最大までの範囲に制御し、前記状態2及び前記状態3に於いて、前記メモリの第3及び第4のテーブルを参照して前記ステップゲイン制御部及び前記連続ゲイン制御部のゲインを制御する構成を備えたことを特徴とする付記1記載の無線送信装置。
(付記3)前記メモリの第3及び第4のテーブルは、前記状態2及び前記状態3のゲイン切替過程に於ける送信パワーが直線状に変化するように、前記ステップゲイン制御部の制御電圧時間プロファイル及び前記連続ゲイン制御部の制御電圧時間プロファイルを格納したことを特徴とする付記1又は2記載の無線送信装置。
【0058】
(付記4)前記制御処理部は、送信信号をアンテナから終端部に切替えて終端させてテストを行うテスト制御処理部を含み、該テスト制御処理部は、テスト信号送信制御を行うと共に、前記ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とのゲインを制御して、測定した送信パワーと制御電圧との関係を前記メモリに第5,第6のテーブルとして格納し、且つ前記ステップゲイン制御部によるゲインのステップ状の切替過程に於ける制御電圧時間プロファイルを前記メモリに第7,第8のテーブルとして格納する制御処理構成を備えたことを特徴とする付記1記載の無線送信装置。
(付記5)前記メモリは、測定した送信中の送信パワーを格納する領域と、前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部とによるゲイン制御に伴う送信信号の位相変化量を格納した領域とを備え、前記制御処理部は、前記状態2及び状態3に於けるゲイン制御時に前記メモリに格納された前記位相変化量に抑制するように送信信号の位相を制御する構成を備えたことを特徴とする付記1乃至3記載の無線送信装置。
(付記6)前記メモリは、前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部との間の遅延時間を格納した領域を備え、前記制御処理部は、前記メモリに格納された遅延時間を基に前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部とのゲイン制御に時間差をもたせる制御を行う構成を備えたことを特徴とする付記1乃至3記載の無線送信装置。
(付記7)前記制御処理部は、温度検出部による周囲温度の検出信号を基に、前記ステップゲイン制御部及び前記連続ゲイン制御部のゲイン制御信号を補正する構成を備えたことを特徴とする付記1乃至3記載の無線送信装置。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、アッテネータ9等のステップゲイン制御部と、可変利得増幅器13等の連続ゲイン制御部と、制御処理部22と、メモリ23とを含み、このメモリ23には、ステップゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第1のテーブルと、連続ゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第2のテーブルと、ステップゲイン制御部のゲイン切替過程の制御電圧時間プロファイルを格納した第3のテーブルと、ステップゲイン制御部のゲイン切替過程に於ける前記連続ゲイン制御部の制御電圧時間プロファイルを格納した第4のテーブルとを形成し、ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とにより送信パワーの制御範囲を拡大し、且つステップゲイン制御部によるゲインをステップ状に切替える過程で、制御処理部22は、第3,第4のテーブルを参照して、送信パワーが連続的に変化するように円滑に、且つ高精度に制御することができる利点がある。
【0060】
又テスト時にアンテナ1側から終端部3側に切替えて電波が送出されないようにして、テスト信号の送信を行い、その時の送信パワーとゲインとの関係及びステップゲイン制御部のゲイン切替過程に於けるステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部との制御電圧時間プロファイルを、メモリ23の第5〜第8のテーブルとして形成し、送信パワーを増大した時のゲイン制御に用いることにより、制御誤差を低減することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明図である。
【図2】システムのスペック説明図である。
【図3】送信パワーとゲイン制御との説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の制御処理部とメモリとの説明図である。
【図5】ゲイン制御過程の説明図である。
【図6】ゲイン制御過程の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態のフローチャートである。
【図8】状態2のテスト時の送信パワーの説明図である。
【図9】状態3のテスト時の送信パワーの説明図である。
【図10】メモリの記憶内容の説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 切替スイッチ
3 終端部
4 デュプレクサ
5 方向性結合器
6 アンソレータ
7 電力増幅器
8 バンドパスフィルタ
9 アッテネータ
11 アップコンバータ
13 可変利得増幅器
17,18 位相制御回路
19,20 変調器
22 制御処理部
23 メモリ
24 パワー検出部
25 温度検出部
26 入出力部
27 受信部
Claims (3)
- データを連続的に送信する無線送信装置に於いて、
ゲインをステップ状に切替えると共に切替過程に於いて連続的にゲインを制御可能としたステップゲイン制御部と、
該ステップゲイン制御部による少なくともゲインの切替えを行うまでの間を連続的にゲインを制御可能とした連続ゲイン制御部と、
前記ステップゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第1のテーブルと、前記連続ゲイン制御部のゲインと制御電圧との関係を格納した第2のテーブルと、前記ステップゲイン制御部のゲイン切替過程の制御電圧時間プロファイルを格納した第3のテーブルと、前記ステップゲイン制御部のゲイン切替過程に於ける前記連続ゲイン制御部の制御電圧時間プロファイルを格納した第4のテーブルとを含むメモリと、
指令された送信パワーに従って、前記第1〜第4のテーブルを参照して前記ステップゲイン制御部の制御電圧と前記連続ゲイン制御部の制御電圧を出力して送信パワーの制御を行う制御処理部と
を備えたことを特徴とする無線送信装置。 - 前記制御処理部は、送信信号をアンテナから終端部に切替えて終端させてテストを行うテスト制御処理部を含み、該テスト制御処理部は、テスト信号送信制御を行うと共に、前記ステップゲイン制御部と連続ゲイン制御部とのゲインを制御して、測定した送信パワーと制御電圧との関係を前記メモリに第5,第6のテーブルとして格納し、且つ前記ステップゲイン制御部によるゲインのステップ状の切替過程に於ける制御電圧時間プロファイルを前記メモリに第7,第8のテーブルとして格納する制御処理構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
- 前記メモリは、測定した送信中の送信パワーを格納する領域と、前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部とによるゲイン制御に伴う送信信号の位相変化量を格納した領域と、前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部との間の送信信号の遅延時間を格納した領域とを備え、前記制御処理部は、ゲイン制御時に前記メモリに格納された位相変化量を基に位相変化を抑制するように送信信号の位相を制御し、前記メモリに格納された遅延時間を基に前記ステップゲイン制御部と前記連続ゲイン制御部とのゲイン制御に時間差をもたせる制御を行う構成を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の無線送信装置。
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