JP3728540B2 - 果実用トレーの孔開け加工方法と抜き刃型及び果実用トレー - Google Patents

果実用トレーの孔開け加工方法と抜き刃型及び果実用トレー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、適度の剛性を有する合成樹脂発泡シートよりなる果実用トレーの孔開け加工方法と抜き刃型に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来より、桃や梨、洋梨などの果実用トレーには、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂シートからなる成形品が多く使用されているが、洋梨などのように果実に軸がついたままトレーに収納されるものもあり、この場合は果実の軸が隣接する果実に当たり傷が付く等の問題があった。
【0003】
そのため、実開平7−40567号公報や特開平8−258871号公報に提案されているように、果実の軸つまり果実の枝やへた等の突起物を通り抜けることができる貫通孔を設けた果実用パック(トレー)が提案されている。
【0004】
特開平8−258871号公報では、熱板を用いて一部を溶融させて孔開けして貫通孔を形成しているが、トレー外周の切断加工とは別の孔開け加工を必要とし、それだけ工程が多くなる上、溶融カスが残る、またその影響で他部分にも孔が開くおそれがある等の問題がある。
【0005】
また、実開平7−40567号公報には、果実を嵌め込む嵌合凹部を多数列設した発泡ポリエチレンその他の合成樹脂又は板紙等の任意の素材からなるパック本体の嵌合凹部の開口縁部の近くに、嵌合凹部に納めた果実の花梗や枝等の突起物を貫挿する挿通部(貫通孔)を形成した果実用輸送パックが示されているが、前記挿通部を形成する方法については明記されていない。
【0006】
従来、この種の合成樹脂発泡シートからなる果実用トレー(1)において、収納凹部(2)の側壁(3)に貫通孔(5)を形成する手段としては、図11および図12に示すように、トレー(1)の外周を切断しトリミングするための外周切断用抜き刃(21)の内方部に、貫通孔用抜き刃(22)を所定の配置で立設した抜き刃型(20)を用い、該抜き刃型(20)の上に成形されたトレー(1)を載置しておいて、上方に配された当て板(25)の下降または前記抜き刃型(20)の上昇により、前記抜き刃(21)と当て板(25)との間にトレー(1)の外周部(1b)を挟み込んで、外周部(1b)の切断と同時に収納凹部(2)の側壁(3)に貫通孔(5)を形成する方法が知られている。
【0007】
しかしながら、この方法では、通常の外周切断用抜き刃(21)と同じ直線状に連続した刃縁を有する刃先形状をなしかつ抜き刃(21)と同高さの貫通孔用抜き刃(22)により、収納凹部(2)の側壁(3)の部分を当て板(25)に対し押しつけるようにして切断し、孔開けするものである。
【0008】
この際、前記刃先形状の貫通孔用抜き刃(22)は収納凹部(2)の傾斜した側壁(3)に対して容易に突き刺さらないため、側壁(3)部分を当て板(25)まで押しつぶして、貫通孔(5)を形成する。そのため前記側壁(3)の部分が、前記押しつぶしにより大きく座屈変形し、座屈による皺が生じたり、割れが生じ、外観的に大きなダメージを与えることがある。
【0009】
そのため、発泡ポリエチレン樹脂のように比較的柔軟な素材の場合には、皺が入り好ましくはないにしても、それほど皺が目立たないことから、実用化は可能ではあるが、特に発泡ポリスチレン系樹脂等の剛性のある素材の場合には、収納凹部の側壁の部分に皺が発生するだけでなく、座屈割れが発生する等の問題もあり、前記の方法では加工することができず、複雑な方法で行う必要があった。
【0010】
なお、オレフィン系樹脂等の柔らかい素材の果実用トレーは、トレー全体の剛性が弱く、輸送時の振動や揺れでトレーに偏りが出て、果実に傷をつけるおそれがあった。
【0011】
そこで、輸送時の振動や揺れによる偏りの生じない適度な剛性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート等の素材からなる果実用トレーにおいて、前記の問題を生じさせることなく貫通孔を形成できる孔開け加工方法が要望されている。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、ポリスチレン系樹脂発泡シート等の剛性のある発泡シートからなる果実用トレーにおいて、果実の軸を通すための貫通孔を、皺や割れを発生させることなく形成することができる果実用トレーの孔開け加工方法と、その方法に使用する抜き刃型を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、上記の課題を解決する果実用トレーの孔開け加工方法であり、剛性のある合成樹脂発泡シートより成形された1もしくは複数の収納凹部を有する果実用トレーの前記収納凹部の側壁に、収納される果実の軸が通り抜けできる貫通孔を形成する際、前記果実用トレーの外周切断用抜き刃と、その内方において該トレーの貫通孔形成位置に合わせて配置された1もしくは複数の三角形状の刃部を有する刃先形状の貫通孔用抜き刃とを有する抜き刃型を用い、該トレーの外周の切断と同工程で、前記収納凹部の傾斜した側壁の部分をトレー上面に対し垂直方向に突き抜き貫通孔を形成することを特徴とする。
【0014】
前記貫通孔用抜き刃は、その刃先における1もしくは複数の三角形状の刃部が切っ先となって、剛性のある発泡シートからなり適度に腰のある側壁に対して、特に該側壁が傾斜していても容易にかつ確実に突き刺さる。そのため、果実用トレーの収納凹部の傾斜した側壁に貫通孔を形成する際、その側壁の部分を押しつぶすことなく容易に切り込んで突き抜くことができ、以て、剛性のある合成樹脂発泡シートよりなるトレーであっても、皺や割れを発生させることなく貫通孔を形成できる。
【0015】
その上、前記のように果実用トレーの外周切断用抜き刃と、その内方において該トレーの貫通孔形成位置に合わせて配置された前記刃先形状の貫通孔用抜き刃とを有してなる抜き刃型を用いることにより、果実用トレーの外周部の切断と、収納凹部側壁の貫通孔の形成とを一工程で能率よく行え、しかも収納凹部における傾斜した側壁の部分に、トレー上面に対し垂直方向の切り込みによる貫通孔を確実に形成することできる。
【0016】
また、本発明の第2は、前記の製造方法に使用する抜き刃型であり、1もしくは複数の収納凹部を有する果実用トレーの外周切断用抜き刃と、その内方において該トレーの貫通孔形成位置に合わせて配置され、かつ1もしくは複数の三角形状の刃部を有する刃先形状の貫通孔用抜き刃とを一体に組合わせてなり、いずれの刃も一つの支持台板上に刃先を上に向けて略垂直に立設されていることを特徴とする。この抜き刃型を使用することにより、上記のように外周部の切断と、収納凹部の側壁部分の貫通孔形成とを一工程で行うことが可能になり、前記のようにトレー上面に対し垂直方向の切り込みによる貫通孔を形成できることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明の製造方法により製造された果実用トレーの1例の略示平面図、図2は同トレーの一部の拡大断面図、図3は同拡大図、図4は収納凹部に果実を収納し軸を貫通孔に通した状態の断面図である。
【0020】
この果実用トレー(1)は、熱可塑性の合成樹脂の適度に剛性を有する発泡シートからプレス成形や真空成形等の手段によりより成形されたもので、複数の果実を収納する収納凹部(2)を有し、各収納凹部(2)の開口部付近の傾斜した側壁(3)の部分には、収納される果実(4)の軸(4a)が通り抜けできる貫通孔(5)が形成されてなる。
【0021】
すなわち、図4のように、洋梨等の軸(4a)のついた果実(4)を横に寝かせて収納凹部(2)に収納した場合に、前記軸(4a)を差し込んで保持しておけるように前記貫通孔(5)が形成されている。これにより、果実(4)の軸(4a)が隣接する収納凹部内の果実に当たらないようにして収納できる。
【0022】
図1〜図4の実施例の貫通孔(5)は、逆V字形等の切り込み(5c)により形成されており、該貫通孔(5)に相当する切片(5a)がその下縁で側壁(3)と繋がった状態で残存している。
【0023】
特に、前記貫通孔(5)は、トレー(1)の上面(1a)に対して略垂直方向の切り込み(5c)により形成され、傾斜した側壁(3)の厚み方向に対しては斜めの切り込み面となっている。すなわち、貫通孔(5)が逆V字形の切り込み(5c)による場合、図3に拡大して示すように、下縁で側壁(3)と繋がっている切片(5a)の上端部において、側壁(3)の内側に重なりを持つ切り込み面になっている。そのため、図4のように果実(4)の軸(4a)を差し込む場合は、前記重なり部分の弾性に抗して前記切片(5a)を外側に押し出して開口させて軸(4a)を差し込むので、差し込んだ軸(4a)をしっかりと保持できることになる。
【0024】
また、図5のように、貫通孔(5)がV字形等の切り込みによって形成され、切片(5a)が上縁で側壁(3)と繋がった形態の場合には、切片(5a)の下端部で側壁(3)の外側に重なりを持つ斜めの切り込み面になるので、果実(4)の軸(4a)を差し込む際、切片(5)を外側に容易に押し出して開口させることができ、軸(4a)を差し込み易くなる。
【0025】
次に、前記の果実用トレー(1)において、収納凹部(2)の側壁(3)に前記の貫通孔(5)を形成する方法について説明する。通常、図6〜図8に示す抜き刃型を備える抜き刃装置により、トレー外周の切断加工と同工程において孔開け加工を行う。
【0026】
図6〜図8において、(10)は本発明の方法で使用する抜き刃型であり、果実用トレー(1)の外周を切断しトリミングするための略四角形の枠状をなす外周切断用抜き刃(11)と、その内方部において各収納凹部(2)の側壁(3)における貫通孔形成位置に対応する配置で立設された貫通孔用抜き刃(12)とからなる。前記外周切断用抜き刃(11)および貫通孔用抜き刃(12)は、いずれも一つの支持台板(13)上に刃先(11a)(12a)を上に向けて略垂直に立設されて、抜き刃型(10)として一体に組合せ構成されている。前記外周切断用抜き刃(11)は、図10に拡大して示すように、その上端の刃先(11a)が従来と同様に直線状に連続した通常の刃縁を有している。
【0027】
また、前記貫通孔用抜き刃(12)は、図9に拡大して示すように、その上端の刃先(12a)が1もしくは複数(図の場合は複数)の三角形状の頂角をなす刃部(12b)を有する形状、例えば図のように三角波形をなしている。この三角形状の刃部(12b)の頂角の角度は、鋭角であるのがトレー素材の発泡シートに対する突き刺し効果の点から好ましいが、もちろん直角や僅かに鈍角をなすものであってもよい。いずれにしても、前記抜き刃(12)の刃先(12a)は、破損防止のために、焼き入れ処理をして硬度を上げておくのがよい。
【0028】
この貫通孔用抜き刃(12)は、貫通孔(5)の切り込み形状に応じた断面形状なし、例えば図1〜図5の実施例の逆V字形またはV字形の切り込み(5c)による場合、図のように断面V字形の抜き刃(12)とし、貫通孔(5)の形態に対応した方向で所定位置に立設しておく。
【0029】
図の(14)は前記外周切断用抜き刃(11)の外側に沿って配置された受け部材であって、少なくとも上部(図は全体)が適度に圧縮変形が可能なゴム等の弾性体よりなり、この弾性体による受け部材(14)の上面が前記両抜き刃(11)(12)より高く、加工前の果実用トレー(1)を両抜き刃(11)(12)に対して接触させずに受支して位置決めできるように設けられている。前記貫通孔用抜き刃(12)は、前記のように位置決めされるトレー(1)の貫通孔形成位置に合わせて配置される。なお、前記の弾性体による受け部材を、外周切断用抜き刃は(11)の内側に沿って設けておくこともできる。
【0030】
(15)は前記抜き刃型(10)の上方に配した当て板であり、合成樹脂や発泡体あるいは木板等の抜き刃(11)が僅かにくい込み可能な板材よりなり、プレス装置(図示せず)による該当て板(15)の下降あるいは前記抜き刃型(10)の上昇による切断加工の際、前記受け部材(14)の弾性体を圧縮変形させながらトレー(1)の外周部(1b)を抜き刃(11)と当て板(15)の間に挟み込んで、抜き刃(11)によるトレー外周部(1b)の切断作用を補助するように設けられている。また切断された外周部(1b)の抜きカスを切り離す役目もある。
【0031】
前記貫通孔用抜き刃(12)については、前記抜き刃(11)と同じ高さにしておくこともできるが、図のように抜き刃(11)より一段低くしておくのが、孔開け加工の際に刃先(12a)が前記当て板(15)に対して当接することがなく、三角形状の刃部(12b)の損傷を防止でき好ましい。
【0032】
そして、上記の構成の抜き刃装置により、果実用トレー(1)の孔開け加工を次のようにして行う。
【0033】
先ず、成形後のトリミング前の果実用トレー(1)を、抜き刃型(10)の上にセットする。この際、図7のように受け部材(14)の上にトレー(1)を位置決めして載置する。この状態で、プレス装置により当て板(15)を下降させるか、あるいは抜き刃型(10)を上昇させて、図8のように、前記受け部材(14)の弾性体を圧縮変形させながらトレー(1)の外周部を、抜き刃(11)により当て板(15)に対し押しつけ、該抜き刃(11)と当て板(15)の両者間に挟みこむようにして切断する。
【0034】
また、この外周部の切断作用と同時に、内方の貫通孔用抜き刃(12)によりトレー(1)の収納凹部(2)の傾斜した側壁(3)の所定個所を突き抜く。特に、この抜き刃(12)の刃先(12a)は、図のように1もしくは複数の三角形状の頂角をなす刃部(12b)を有する形状をなしているため、該抜き刃(11)の刃先(11a)が貫通孔形成個所である側壁(3)の面に対して垂直になっていなくとも、また抜き刃(12)が当て板(15)に対して接触しなくても、傾斜した側壁(3)が剛性のある発泡シートで適度に腰があることもあって、前記三角形状の刃部(12b)が切っ先となって確実に突き刺さり、前記側壁(3)の部分を押しつぶすことなくトレー上面(1a)に対し垂直方向に容易にかつ確実に突き抜くことができる。
【0035】
それゆえ、剛性のある発泡シートよりなるトレー(1)の収納凹部(2)における傾斜した側壁(3)の部分に、押しつぶしによる座屈皺や割れを発生させることなく、図3や図5に拡大して示す形態の貫通孔(5)、つまりトレー上面(1a)に対し垂直方向の切り込み(5c)により、切片(5a)を残した貫通孔(5)を形成できる。
【0036】
この孔開け加工の後、当て板(15)と抜き刃型(10)を分離して、孔開け加工されたトレー(1)を取り出す。この時、前記抜き刃(12)が収納凹部(2)の側壁(3)に突き刺さっているため、容易に取り外せない場合があるので、前記抜き刃(12)の周囲にゴム等の弾性体(図示せず)を配置して、トレー(1)を抜き刃(12)から容易に引き抜き、取り外せるようにするのが望ましい。
【0037】
こうして孔開け加工された果実用トレー(1)によれば、収納凹部(2)に収納した果実(4)の軸(4a)を、側壁(3)に有する貫通孔(5)に切片(5a)を押出開口させるようにして挿入することにより、軸の飛び出しを防ぎ隣接する収納凹部に収納された果実の損傷を防止できる。また、剛性のあるポリスチレン系樹脂発泡シートからなる果実用トレー(1)であるので、輸送中も偏り等が生じない安定した収納状態を確保できる。
【0038】
なお、上記の図示する実施例では、貫通孔(5)の切り込み形状は、逆V字形やV字形にした場合を示したが、これに限らず、略U字形あるいは角形や長円形その他の、果実の軸を抜き通せる種々の切り込み形状で実施でき、その向きや大きさなどは任意に設定できる。いずれにしても、トレー上面に対して垂直方向の切り込みにより、貫通孔の切片を、一部で側壁と繋がった状態で残存させておくのが望ましい。これにより、果実の軸を貫通孔で良好に保持でき、剛性のある発泡シートよりなることと相俟って、収納凹部に収納された果実の保護を良好になすことことができる。
【0039】
また、本発明のトレーに使用される剛性のある合成樹脂発泡シートの素材としては、ポリスチレン系樹脂を好適に使用できる。このポリスチレン系樹脂は、スチレン単独重合体のほか、少なくとも50重量%のスチレンと他の共重合可能な単量体との共重合物、或いは少なくとも50重量%のポリスチレンと他の樹脂との混合物を意味する。また発泡シートは、ポリスチレン系樹脂の発泡シートの単層シートまたはポリスチレン系樹脂発泡シートに熱可塑性樹脂発泡シートを積層したシートでもよいし、ポリスチレン系樹脂発泡シートに非発泡熱可塑性樹脂シートや不織布を積層したシートでもよい。さらに、ポリエチレンテレフタレート等の他の剛性のある合成樹脂の発泡シートを用いることもできる。
【0040】
〔実施例〕
下記の表1は、本発明の実施例のトレー(実施例1〜4)と比較例のトレー(比較例1〜2)とについて、外周切断と同工程にて貫通孔を形成する抜きテストを行った結果である。
【0041】
実施例1〜3および比較例1〜2は、それぞれ素材の発泡シートが表欄記載の樹脂種類、厚み、密度のシートからなる果実用トレーである。このうち、実施例3は、2種類の素材樹脂が表欄記載の混合比による発泡シートからなる果実用トレーである。実施例2,4は、表欄記載の発泡シートに、表欄記載の積層シートをホットメルト系接着剤を介して積層シートとしたものであり、積層シートをトレー内面側にした果実用トレーである。
【0042】
なお、抜きテストは、実施例1〜4と比較例1については、図6〜図8に示す形態(貫通孔用抜き刃が外周切断用抜き刃より一段低い)の抜き刃型を用い、また比較例2については、図11〜図12に示す抜き刃型を用いて、下記の条件で行った。各抜き刃の刃先形状は表欄記載の通りである。
【0043】
抜き刃装置および抜き条件
1.抜き刃装置 :トーコー製TCM550A
2.プレス速度 :60mm/sec
3.外周切断用抜き刃の大きさ :480mm×330mm
4.貫通孔用抜き刃の数 :16カ所
抜きテストの結果は、貫通孔の状態とトレー全体の外観で評価し、総合評価としてまとめた。
【0044】
【表1】
Figure 0003728540
【0045】
この抜きテストの結果、柔軟なポリエチレンの発泡シートよりなる比較例1の場合、貫通孔を形成することができなかった。テスト時の状況は、トレーの収納凹部側壁に貫通孔用抜き刃が接触はするが、トレーが柔軟であるために収納凹部全体が押しつぶされた。その結果、貫通孔が形成されなかった。孔開け作業が終了すると、収納凹部は元の状態に復元した。
【0046】
比較例2の場合、貫通孔の形成により割れが発生した。テスト時の状況は、トレーに貫通孔用抜き刃が接触すると、図12のように収納凹部が押しつぶされて変形し、その際に貫通孔は形成できたが、周囲に大きな割れが発生した。
【0047】
実施例1〜4は、表欄記載の通り、貫通孔の形態、果実用トレーの外観ともに良好であった。
【0048】
これにより、本発明によれば、ポリスチレン樹脂発泡シート等の剛性のある合成樹脂発泡シートよりなる果実用トレーにおいて、収納凹部の傾斜した側壁に、押しつぶしによる座屈皺や割れを発生させることなく貫通孔を形成できることが判明した。
【0049】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、ポリスチレン系樹脂発泡シート等の比較的剛性のある発泡シートからなる果実用トレーにおいて、果実の軸を通すための貫通孔を、該果実用トレーの外周部の切断と同時に一工程で、傾斜した側壁に皺や割れを発生させることなく能率よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造した果実用トレーの1例を示す略示平面図である。
【図2】同上のトレーの一部の拡大断面図である。
【図3】同上一部の拡大図である。
【図4】収納凹部に果実を収納し軸を貫通孔に通した断面図である。
【図5】他の貫通孔の例を示す拡大正面図(a)と拡大断面図(b)である。
【図6】本発明で使用する抜き刃型を示す略示平面図である。
【図7】本発明の抜き刃型を備える抜き刃装置による孔開け加工前の断面図である。
【図8】同上のプレスした孔開け状態の断面図である。
【図9】本発明の貫通孔用抜き刃の刃先形状を示す一部の拡大斜視図である。
【図10】外周切断用抜き刃の刃先形状を示す一部の拡大斜視図である。
【図11】従来の抜き刃型を備える抜き刃装置による孔開け加工前の断面図である。
【図12】同上のプレスした孔開け状態の断面図である。
【符号の説明】
(1) 果実用トレー
(2) 収納凹部
(3) 側壁
(4) 果実
(4a) 果実の軸
(5) 貫通孔
(5a) 切り取られる抜きカス
(10) 抜き刃型
(11) 外周切断用抜き刃
(11a) 刃先
(12) 貫通孔用抜き刃
(12a) 刃先
(12b) 三角形状の刃部
(13) 支持台板
(14) 受け部材
(15) 当て板

Claims (2)

  1. 剛性のある合成樹脂発泡シートより成形された1もしくは複数の収納凹部を有する果実用トレーの前記収納凹部の側壁に、収納される果実の軸が通り抜けできる貫通孔を形成する際、前記果実用トレーの外周切断用抜き刃と、その内方において該トレーの貫通孔形成位置に合わせて配置され、かつ1もしくは複数の三角形状の刃部を有する刃先形状の貫通孔用抜き刃とを有する抜き刃型を用い、該トレーの外周の切断と同工程で、前記収納凹部の傾斜した側壁の部分をトレー上面に対し垂直方向に突き抜き貫通孔を形成することを特徴とする果実用トレーの孔開け加工方法。
  2. 1もしくは複数の収納凹部を有する果実用トレーの外周切断用抜き刃と、その内方において該トレーの貫通孔形成位置に合わせて配置され、かつ1もしくは複数の三角形状の刃部を有する刃先形状の貫通孔用抜き刃とを一体に組合わせてなり、いずれの刃も一つの支持台板上に刃先を上に向けて略垂直に立設されていることを特徴とする抜き刃型。
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