JP3728248B2 - 松葉杖 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、松葉杖に関し、特に、長距離歩行の際の疲労又は階段昇降の際の危険性を低減できる松葉杖に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、松葉杖は、図18に示すように、脇当て部1と握り部2とを有する側弓本体3と、該側弓本体3の下端部に、使用者の身長に合わせて長さを調節した状態で固定部材4により固定された伸展棒5と、によって構成される。松葉杖による歩行は、身体と腕で松葉杖を挟み込んだ直立状態(S)から、先ず杖先を進行方向前方に振り出して身体から50cm程度前方に突き(P)、体重を徐々に松葉杖にかけていき、松葉杖の動きに伴い身体を宙に浮かせた状態で前方へと移動させ(Q)、杖先から50cm程度前方地点に着地する(R)といった動作の繰り返しによって行われる。
【0003】
また、階段を昇る場合は、杖先を1つ上の段に突いて上段へと跳び上がり、降りる場合は、1つ下の段に杖先を突いて跳び下りる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の松葉杖では、身体を宙に浮かせた状態で移動する際に、全体重を腕のみで支えていたので、腕の疲労が甚だしかった。腕の負担を低減するために、脇当て部に脇を載せて、腕と肩の双方で体重を支えるという方法もあるが、歩行速度が遅く小回りが効きにくい上、肩を痛め易いという不都合があった。また、階段を昇る場合においては、上段に松葉杖を突いた際に側弓本体を握る位置が高くなるので後傾姿勢になり易くバランスを崩し易いし、階段を降りる場合は、下段に松葉杖を突いた際に姿勢が一層前傾するので危険であった。
【0005】
そこで、本発明は、長距離歩行の際の疲労を低減でき、階段昇降の際の危険性を低減できる松葉杖の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による松葉杖は、脇当て部と握り部とを備えた側弓本体の下端部に伸展棒を有する松葉杖であって、上記側弓本体から昇降可能に吊下され使用者の足が載置される鐙と、該鐙を昇降させる鐙昇降装置と、該昇降装置に上記鐙を上昇させる信号及び上記鐙の吊り下げ高さを保持する信号を送出する鐙操作部と、を含んで構成したものである。
【0007】
このように構成したので、上記側弓本体から昇降可能に吊下される鐙に足を載置し、鐙操作部から鐙昇降装置に信号を送出し、鐙を昇降させることによって、使用者の体重を鐙によって支持することができる。これにより、宙に浮いた使用者の身体を鐙によって支持できるようになり、腕にかかる力が軽減される。また、鐙を上昇させることによって足が容易に持ち上げられるので、勢いをつけて上段に跳び上がったりする必要がなくなり、階段の昇り降りが安全にできる。なお、足の動きに追従して鐙が降下されるので、通常の松葉杖と同様の操作性が担保される。
【0008】
上記本発明による松葉杖については、上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮可能に構成し、該伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮させる伸展棒伸縮装置と、該伸展棒伸縮装置に上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸長させる信号、上記伸展棒を上記側弓本体に対し短縮させる信号及び上記伸展棒を上記側弓本体に対し固定する信号を送出する伸展棒操作部と、を組み合わせた構成とすることもできる。
【0009】
すなわち、脇当て部と握り部とを備えた側弓本体の下端部に伸展棒を有する松葉杖であって、上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮可能に構成し、該伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮させる伸展棒伸縮装置と、該伸展棒伸縮装置に上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸長させる信号、上記伸展棒を上記側弓本体に対し短縮させる信号及び上記伸展棒を上記側弓本体に対し固定する信号を送出する伸展棒操作部と、上記側弓本体から昇降可能に吊下され使用者の足が載置される鐙と、該鐙を昇降させる鐙昇降装置と、該昇降装置に上記鐙を上昇させる信号及び上記鐙の吊り下げ高さを保持する信号を送出する鐙操作部と、を含んで構成されたものである。
【0010】
このように構成したので、伸展棒操作部から伸展棒伸縮装置に信号を送出することで、伸展棒を側弓本体に対して自在に伸縮させることができる。又、側弓本体から昇降可能に吊下される鐙に足を載置し、鐙操作部から鐙昇降装置に信号を送出し、鐙を昇降させることによって、使用者の体重を鐙によって支持することができる。これにより、通常の松葉杖と同様の操作性を担保した上で、宙に浮いた使用者の身体を鐙によって支持できるようになるので、腕にかかる力が軽減される。また、鐙を上昇させることによって足が容易に持ち上げられるので、勢いをつけて上段に跳び上がったりする必要がなくなり、階段の昇り降りが安全にできる。さらに、坂道や階段等の路面性状に合わせて伸展棒の長さを自在に変えることができるので、安定した姿勢で歩行ができる。
【0011】
また、本発明による松葉杖において、上記鐙昇降装置は、鐙が所定方向の外力を受けて降下する際に発生するエネルギーを回収する手段を備えたものであってもよい。これにより、鐙を押し下げる際の運動エネルギーを回収し、それを利用することができるので、省エネルギー効果が発揮される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る松葉杖6を示す。この松葉杖6は、側弓本体10と、伸展棒20と、電動シリンダ30と、伸展棒操作部40と、鐙50と、電動リール60と、鐙操作部70と、を含んで構成される。側弓本体10は、使用者の体に接して該体を直接支持する部分となるもので、アルミニウム、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の軽量部材によって構成された中空状の側弓部11と、使用者の脇を載置するための脇当て部12と、使用者が松葉杖を握持するための握り部13と、を含んで構成される。なお、図1(a)において、符号14は、後述の電動シリンダ30及び電動リール60を駆動させるためのバッテリーを示している。
【0013】
上記側弓本体10の下端部には、伸展棒20が設けられている。この伸展棒20は、その下端部が地面に接して使用者の体を支持する部分となるもので、側弓本体10の下端部に設けられた開口部内に挿入されており、図2に示す電動シリンダ30によって、側弓本体10に対し自在に伸縮されるように構成されている。
【0014】
上記側弓本体10の下端開口部には、電動シリンダ30が設けられている。この電動シリンダ30は、伸展棒20を側弓本体10に対して伸縮させる伸展棒伸縮装置となるもので、側弓本体10の下端の開口部に開放端部が位置され内周面に軸方向に延びるスライド溝31aを有するシリンダチューブ31と、該シリンダチューブ31の基端部に設けられたモータ32と、該モータ32によって回転される送りネジ33と、該送りネジ33に螺合される雌ねじを有するナット34と、中心部において上記ナット34に嵌合され外周面においてシリンダチューブ31のスライド溝31aに嵌合される突条を有し尚且つ端面に上記伸展棒20を固定したピストン35と、を含んで構成される。なお、モータ32には、ブレーキ32aが設けられており、伸展棒操作部40からの所定の信号によって、送りネジ33の回転を停止できるように構成されている。この電動シリンダ30は、伸展棒操作部40から入力される信号に基づいて、伸展棒20を側弓本体10に対して伸縮及び固定させるべく作動される。
【0015】
上記側弓本体10の握り部13には、伸展棒操作部40が設けられている。この伸展棒操作部40は、図3(a)に示すように、第1の操作によって伸長信号S1が入力され、第2の操作によって短縮信号S2が入力され、第3の操作によって固定信号S3が入力されるように構成されている。これらの信号の入力は、複数の信号が同時に入力されることのないように、図3(b)に示すような伸長、短縮及び固定の3位置の切り換えが可能なシーソースイッチによって行われる。
【0016】
以下、伸展棒20の作動状態を説明する。伸展棒操作部40から伸長信号S1が送信された場合は、モータ32を作動させて送りネジ33を正方向に回転させる。この送りネジ33の回転に伴って、ピストン35及び伸展棒20が伸長方向にスライドされる。また、伸展棒操作部40から短縮信号S2が送信された場合は、モータ32を逆方向に作動させて送りネジ33を逆方向に回転させる。この送りネジ33の回転に伴って、ピストン35及び伸展棒20が短縮方向にスライドされる。更に、伸展棒操作部40から固定信号S3が送信された場合は、モータ32にブレーキがかかる。これによって、送りネジ33の回転が停止され、ピストン35に固定されている伸展棒20が、側弓本体10に対して固定される。
【0017】
上記側弓本体10には、鐙50が昇降可能に吊下されている。この鐙50は、使用者の足が挿入され載置されるスリッパ状のものであり、取付部51を介し、上記側弓本体10の脇当て部12に設けられた電動リール60から繰り出される鐙索61に取り付けられている。この電動リール60は、鐙50を昇降させる鐙昇降装置となるもので、図4に示すように、先端に鐙50が取り付けられた鐙索61と、鐙索61の基端部が固定されると共に回転によって鐙索61の繰り出し及び巻き戻しを行うリール体62と、リール体62を回転させる為のモータ63と、リール体62に軸着されたブレーキギア64と、ブレーキギア64に爪65を係合させる電磁弁と、を含んで構成される。この電動リール60のリール体62及びモータ63は、図1に示すように、側弓本体10の脇当て部12に内蔵されており、電動リール60から繰り出される鐙索61は、脇当て部12の側壁部に設けられた穴12aを介して側弓本体10の外部へと延伸されている。この電動リール60は、鐙操作部70に入力される信号に基づいて、図5に示す回路に従って作動される。
【0018】
上記側弓本体10の握り部13には、鐙操作部70が設けられている。この鐙操作部70は、鐙50を上昇させ吊り下げ高さを固定させる信号を送出するものであり、鐙50を上昇させる為の信号が入力される上昇操作部71と、鐙50の吊り下げ高さを固定ための信号が入力される固定操作部72と、を含んで構成される。これらの操作部71、72は、押しボタンスイッチ等であり、押している間、鐙50の上昇及び固定が持続されるような構造とすることが望ましい。
【0019】
以下、鐙50の作動状態を説明する。図4(a)に示すように、上昇操作部71から鐙50を上昇させる信号が送信された場合は、鐙索61が巻き戻される方向(即ち、正方向)へとモータ63が作動される。このモータ63の作動によって、リール体62が回転され、鐙50が上昇される。図4(b)に示すように、固定操作部72から鐙50を固定させる信号が送信された場合は、モータ63を停止すると共に、爪65をブレーキギア64に係合させてリール体62の回転を停止させる。これによって、鐙索61の繰り出し長さが決定され、鐙50の吊り下げ高さMが固定される。図4(c)に示すように、鐙操作部70が操作されていない状態では、外力Fを受けてリール体62が自由に回転されるように構成されている。これによって、足で鐙50を自由に押し下げることができるようになるので、通常の松葉杖と同様の使用性が確保される。また、この際、リール体62の回転によってモータ63の回転子が回転され、モータ63が発電機となるように構成されている。これによって得られたエネルギーはコンデンサ内66に蓄積され、モータ駆動用のエネルギーとして利用される。鐙50を押し下げるという動作によって発生されたエネルギーが、リール体62を回転させる為のモータ63の電気エネルギーとして有効に利用されることとなる。なお、外力によるリール体62の回転によって得られるエネルギーを回収しない構成としてもよい。
【0020】
上記構成の松葉杖6の使用状態を、図6を参照して説明する。先ず、直立姿勢(S)から、伸展棒20の杖先を歩行面に突く(P)。そして、一方の足で地面を踏みしめた後に、身体を宙に浮かせて前方へと体重を移動させる訳であるが(Q)、この際に、上昇操作部71を操作して鐙50を上昇させる。鐙50には足が載っているので、身体が自然と宙に浮き上がる。そして、着地しようとする際(R)に、上昇操作部71の操作を解除する。これによって、使用者の重さによって鐙50が押し下げられ、電動リール60のリール体62が回転する。この際の回転によって生じたエネルギーはコンデンサ66内へと蓄えられる。
【0021】
次に、階段等の段差を昇降する場合の操作を説明する。階段を昇る場合は、図7に示すように、伸展棒操作部40を操作して短縮信号S2を入力し、伸展棒20が所望の長さに短縮された時点で、伸展棒操作部40を操作して固定信号S3を入力する。そして、伸展棒20が側弓本体10に固定された状態で、杖先を上段につき、伸長信号S1を入力して伸展棒20を伸長させると同時に身体を上段へと移動させる。そして、上段位置に来た地点で短縮信号S2を入力して初期の長さに戻す。これによって、後傾姿勢になったり上段に跳び上がったりすることなく、安定した姿勢で安全に階段を昇ることができる。
【0022】
一方、階段を降りる場合は、図8に示すように、伸展棒操作部40を操作して伸長信号S1を入力し、伸展棒20が所望の長さに伸長された時点で固定信号S3に切り換える。この状態で、杖先を下段につき身体を下段へと移動させるが、この際に、短縮信号S2に切り換えて伸展棒20の長さを初期の長さに戻す。これによって、安定した姿勢で階段を降りることができる。
【0023】
なお、階段昇降の際に、図9に示すように、鐙50を昇降させることによって足の上げ下げの補助を行ってもよい。
【0024】
図10は、本発明の第2実施形態に係る松葉杖100を示す。この松葉杖100は、鐙50が、棒状の鐙吊り下げ部材160によって吊下されており、該鐙吊り下げ部材160の中間部に設けられた電動シリンダ161によって昇降される点において第1実施形態の松葉杖と相違する。
【0025】
鐙吊り下げ部材160は、側弓本体10の脇当て部12の側壁に、上端部が回動自在に取り付けられる取付アーム162と、取付アーム162の下端部に設けられた上記電動シリンダ161と、を含んで構成される。電動シリンダ161は、図11に示すように、ケーシングの内部に設けられたシリンダチューブ163と、シリンダチューブ163の基端部に設けられたモータ164と、モータ164によって回転される送りネジ165と、送りネジ165に螺合される雌ねじを有するナット166と、ナット166に嵌合されると共にシリンダチューブ163に設けられたスライド溝163aに嵌合可能な突条を外周面に有するピストン167と、該ピストン167及び上記送りネジ165一体化させる固定部材168と、上端部でピストン167の端面に固定され下端部に鐙50を取り付けたピストンロッド169と、を含んで構成される。
【0026】
この電動シリンダ161は、上昇操作部71又は固定操作部72から入力された信号に基づいて、以下のように作動する。何れの信号も入力されていない状態においては、ピストンロッド167は送りネジ165と一体化されておらず、外力を受けて自由にスライドされる。上昇操作部71に鐙50を上昇させる信号が入力された場合は、ピストンロッド167がシリンダチューブ163に対して短縮される方向にモータ164が回転され、鐙50が上昇される。固定操作部72に鐙50の吊り下げ高さを固定させる信号が入力された場合は、モータ164が停止されると共に、送りネジ165とピストンロッド167とが固定部材168によって一体化される。これによって、鐙50の吊り下げ高さが固定される。
【0027】
上記構成の松葉杖100の使用状態を説明する。図6に示すのと同様に、直立姿勢(S)から、伸展棒20の杖先を歩行面に突く(P)。そして、軸足で地面を踏みしめた後に、身体を宙に浮かせて体重移動する(Q)が、この際に、上昇操作部71を操作して鐙50を上昇させる。鐙50には足が載っているので、身体が自然に宙に浮く。そして、着地しようとする際(R)に、上昇操作部71の操作を解除する。これによって、使用者の重さによって鐙50が押し下げられ、ピストンロッド167がシリンダチューブ163内を下向きにスライドし、鐙50が降下する。
【0028】
図12は、本発明の第3実施形態に係る松葉杖200を示す。この松葉杖200は、側弓本体10の下端開口部に挿入された伸展棒20が、所望の長さに調節された状態で、固定部材130によって側弓本体10に固定されている点で、第1実施形態の松葉杖と相違する。この松葉杖200は、階段昇降の際に伸展棒20を自在に伸縮させることができない点で、第1及び第2実施形態の松葉杖よりも使用性に欠けるが、歩行の際には、鐙50を上昇させることによって腕の疲労を軽減できる点においては、第1及び第2実施形態の松葉杖と同様の効果を有する。
【0029】
図13は、伸展棒伸縮装置及び伸展棒操作部の他の例を装備した松葉杖300を示す。この松葉杖300は、鐙が存在しない点で第1及び第2実施形態の松葉杖と相違する。加えて、この松葉杖300の伸展棒20は、側弓本体10の握り部13に設けられた伸展棒操作部240から電動シリンダ230に送出される信号に基づいて、基準長さLを設定し、その基準長さLから一時的に伸長させたり、その伸長された位置で固定させたりできるように構成されている。
【0030】
伸展棒20に上記の作動をさせる電動シリンダ230は、側弓本体10の下端部の内部に設けられおり、図14に示すように、内周面に軸方向に延びるスライド231a溝を有するシリンダチューブ231と、シリンダチューブ231の基端部に設けられたモータ232と、モータ232によって回転される第1の送りネジ233と、軸心部において第1の送りネジ233に螺合する第2の送りネジ234と、軸心部において第2の送りネジ234に螺合してナットとして機能する共に外周面に上記シリンダチューブ231のスライド溝231aに嵌合する突条を有するピストン235と、を含んで構成される。このピストン235の端面に、上記伸展棒20が固定されている。又、第1の送りネジ233の基端部には、ブレーキギア236が軸着されている。このブレーキギア236は、円板状の歯車であり、外周に設けられた歯に爪237を係合させることによって送りネジ233の回転を停止させる機能と、板面に第2の送りネジ234の基端面を当接させることによって第2の送りネジ234及び伸展棒20の短縮方向へのスライドを止める機能と、を併せ持つものである。
【0031】
更に、第1の送りネジ233と第2の送りネジ234とは固定部材238によって一体化することができ、第2の送りネジ234は、後述の伸長操作部242と固定操作部243の何れの操作部も操作されていない状態においては第1の送りネジ233に対して回転しつつ進退可能とされている。又、第2の送りネジ234とピストン235とも固定部材239によって一体化することができ、ピストン235は、後述の設定操作部241における所定の操作によって開放されスライド可能となる。
【0032】
電動シリンダ230に、信号を送出する伸展棒操作部240は、基準長さLを設定するための一連の信号が入力される設定操作部241と、基準長さLから一時的に伸長させるための信号が入力される伸長操作部242と、その伸長された位置で固定させるための信号が入力される固定操作部243と、を含む。これらの操作部は、側弓本体10の握り部13に設けられている。
【0033】
以下に、伸展棒20の作動状態を図15及び図16を参照して説明する。図15は、上記伸展棒20の上記側弓本体10に対する基準長さLを設定する際の状態を示すものであり、電動シリンダ230は、設定操作部241から入力される開始信号S0、伸長信号S1、短縮信号S2及び決定信号S3に基づいて、以下のように作動される。
【0034】
先ず、開始信号S0が入力されると、第1の送りネジ233と第2の送りネジ234とが一体化して回転されるように固定部材238が作動され、第2の送りネジ234がピストン235に対して回転しつつ進退できるように固定部材239が作動される。そして、伸長信号S1又は短縮信号S2が入力された場合は、図15(a)に示すように、モータ232が作動されて第1の送りネジ233が回転され、第1の送りネジ233と一体化された第2の送りネジ234が回転される。それに伴って、伸展棒20と一体化されたピストン235がシリンダチューブ231のスライド溝231aに導かれてスライドする。そして、決定信号S3が入力された場合は、固定部材239を作動させて第2の送りネジ234とピストン235とを一体化させ第2の送りネジ234が第1の送りネジ233に対し回転しつつ進退できるように、モータ232を停止する。
【0035】
この場合、第2の送りネジ234をブレーキギア236の所まで位置させた状態で、開始信号S0を入力し、伸展棒20を伸縮させて所望の長さになった時点で決定信号S3を入力することで、図15(b)に示すように、伸展棒20の基準長さLが設定される。次に、伸展棒20を一時的に伸長させる状態を、図16を参照して説明する。なお、以下の操作は、基準長さLが設定された状態(即ち、第1送りネジ233が第2の送りネジ234に対して回転可能で、第2の送りネジ234、ピストン235及び伸展棒20が一体化された状態)から、開始されることとなる。
【0036】
図16(a)は、基準長さLから伸展棒20を一時的に伸長させる状態を示すものである。伸長操作部242からの信号が電動シリンダ230に送信されることによって、第1の送りネジ233に対し第2の送りネジ234を回転可能とし、そしてモータ232を作動させて第1の送りネジ233を正方向(即ち、伸展棒20が伸長される方向)に回転させる。この第1の送りネジ233の回転に伴って、第2の送りネジ234とそれと一体化されたピストン235がシリンダチューブ231内をスライドし、ピストン235に一体化された伸展棒20が側弓本体10に対して伸長される。
【0037】
図16(b)は、伸展棒20が側弓本体10に対して一時的に固定される状態を示すものである。電動シリンダ230は、固定操作部243から入力される信号によって、先ず第1の送りネジ233と第2の送りネジ234を一体化させ、モータ232を停止すると共に、第1の送りネジ233に軸着されたブレーキギア236に爪237を係合させる。第2の送りネジ234、ピストン235及び伸展棒20は一体化された状態であるので、第1の送りネジ233と第2の送りネジ234とが一体化されることによって、第1の送りネジ233、第2の送りネジ234、ピストン235及び伸展棒20が一体化された状態となる。この状態で、モータ232を停止すると共に、ブレーキギア236によって第1の送りネジ233の回転を停止させる。これによって、伸展棒20が側弓本体10に対して確実に固定される。なお、モータ232の停止によって第1の送りネジ233の回転を確実に停止できる構造であるならば、プレーキギア236等は省略可能である。
【0038】
図16(c)は、上記の固定操作部243からの信号を解除した際の作動状態を示すものである。この場合、上記の如く第2の送りネジ234は第1の送りネジ233に対して回転可能であり、第2の送りネジ234、ピストン235及び伸展棒20は一体化された状態であるので、伸展棒20は、外力Fを受けることによって、第2の送りネジ233がブレーキギア236の位置に来るまで短縮される。この状態において、伸展棒20の長さは基準長さLとなる。
【0039】
この松葉杖300は、歩行の際に、鐙で体重を支持することができない点で、第1〜3実施形態の松葉杖より使用性に欠ける。しかし、伸展棒20を基準長さLに設定した状態で、伸展棒20を一時的に伸長させることができるので、例えば、図17のように、使用者の身体位置が最も高くなる地点(Q)で伸展棒20を伸張させて使用者の位置を更に高くすることで、遠くに着地できるようにすることもできる。これによって、一歩当たりの移動距離が長くなり、長距離歩行が楽になる。
【0040】
上記の各例において、伸展棒伸縮装置として電動シリンダ30、230を使用し、鐙昇降装置として、鐙索61を繰り出す電動リール60又は鐙吊り下げ部材160に設けられた電動シリンダ161を使用したが、伸展棒20の伸縮や鐙50の昇降の可能となる装置であれば如何なるものを使用してもよい。また、上記の装置に信号を送信するための操作部も、使用者自身の行為によって信号が入力できるように構成されているならば、如何なる部位に配設されていいてもよいし、如何なる構造のものであってもよい。
【0041】
更に、第1〜3実施形態において、鐙50は使用者の足を支持できる構造であるならばいかなるものであってもよく、たとえば、靴そのものであっても、ゴムバンド等であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、松葉杖に、側弓本体から吊下される鐙と、鐙を昇降させる鐙昇降装置と、昇降装置に鐙の上昇等を行う信号を送出する鐙操作部とを設けたので、鐙を上昇させることによって、宙に浮いた使用者の身体を鐙によって支持できるようになる。これによって、長距離歩行の際の疲労を低減でき、階段を昇降する際の危険性が低減できる。
【0043】
請求項2に係る発明によれば、松葉杖の伸展棒を自在に伸縮できるので、坂道や階段等の路面性状に合わせて伸展棒の長さを調節することができるようになり、長距離歩行が楽になる。加えて、鐙の昇降と伸展棒の伸縮とを自在に行えるので、長距離歩行の際の疲労が一層低減されると共に、階段昇降の際の危険性も一層低減される。
【0044】
請求項3に係る発明によれば、鐙を押し下げる際の運動エネルギーを回収し、それを利用することができるので、省エネルギー効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る松葉杖を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図2】 上記松葉杖の伸展棒伸縮装置としての電動シリンダを示す断面図である。
【図3】 上記電動シリンダに信号を送出する伸展棒操作部の例を示す説明図である。
【図4】 上記松葉杖の鐙昇降装置としての電動リールを示す説明図である。
【図5】 上記電動リールの駆動回路図である。
【図6】 上記松葉杖を使用して歩行する状態を示す説明図である。
【図7】 上記松葉杖の伸展棒を伸縮させて階段を昇る状態を示す説明図である。
【図8】 上記松葉杖の伸展棒を伸縮させて階段を降りる状態を示す説明図である。
【図9】 上記松葉杖の鐙を昇降させて階段を昇る状態を示す説明図である。
【図10】 本発明の第2実施形態に係る松葉杖を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図11】 上記松葉杖の鐙昇降装置としての電動シリンダを示す断面説明図である。
【図12】 本発明の第3実施形態に係る松葉杖を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図13】 伸展棒伸縮装置及び伸展棒操作部の他の例に係る松葉杖を示す正面図である。
【図14】 上記松葉杖の伸展棒伸縮装置としての電動シリンダを示す断面説明図である。
【図15】 上記電動シリンダによって伸展棒の基準長さを設定する状態を示す説明図である。
【図16】 上記電動シリンダによって伸展棒を側弓本体に対し一時的に伸長及び固定させる状態を示す説明図である。
【図17】 上記松葉杖を使用して歩行する状態を示す説明図である。
【図18】 従来の松葉杖及びその使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
6、100、200、300…松葉杖
10…側弓本体
12…脇あて部
13…握り部
20…伸展棒
30…電動シリンダ(伸展棒伸縮装置)
40…伸展棒操作部
50…鐙
60…電動リール(鐙昇降装置)
70…鐙操作部
161…電動シリンダ(鐙昇降装置)

Claims (3)

  1. 脇当て部と握り部とを備えた側弓本体の下端部に伸展棒を有する松葉杖であって、
    上記側弓本体から昇降可能に吊下され使用者の足が載置される鐙と、
    該鐙を昇降させる鐙昇降装置と、
    該昇降装置に上記鐙を上昇させる信号及び上記鐙の吊り下げ高さを保持する信号を送出する鐙操作部と、を含んで構成したことを特徴とする松葉杖。
  2. 脇当て部と握り部とを備えた側弓本体の下端部に伸展棒を有する松葉杖であって、
    上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮可能に構成し、
    該伸展棒を上記側弓本体に対し伸縮させる伸展棒伸縮装置と、
    該伸展棒伸縮装置に上記伸展棒を上記側弓本体に対し伸長させる信号、上記伸展棒を上記側弓本体に対し短縮させる信号及び上記伸展棒を上記側弓本体に対し固定する信号を送出する伸展棒操作部と、
    上記側弓本体から昇降可能に吊下され使用者の足が載置される鐙と、
    該鐙を昇降させる鐙昇降装置と、
    該昇降装置に上記鐙を上昇させる信号及び上記鐙の吊り下げ高さを保持する信号を送出する鐙操作部と、を含んで構成したことを特徴とする松葉杖。
  3. 上記鐙昇降装置は、鐙が所定方向の外力を受けて降下する際に発生するエネルギーを回収する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の松葉杖。
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