JP3727900B2 - 位相シフトマスクの設定方法およびその設定方法を用いた位相シフトマスク並びにパターン形成装置 - Google Patents

位相シフトマスクの設定方法およびその設定方法を用いた位相シフトマスク並びにパターン形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路製造の露光工程に用いるマスク、特に位相シフトマスクの設定方法およびその設定方法を用いた位相シフトマスク並びにパターン形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造の露光工程では、一般に投影露光装置が用いられる。
図11は投影露光装置の例を示す説明図である。
1は光源であり、波長の短いレーザ光等の光を発生する。
2は照明光学系であり、光源1で発生した光を平行光線にして照射する。
【0003】
3はマスク装着部であり、配線パターンの原図等が描かれたマスクが装着される。
4は投影光学系であり、マスクを透過した影を含む光を所定の縮小率で縮小してウエハ等の基板5上に投影する。
露光工程では、波長の短い光を用いてマスク装着部3に装着したマスクに描かれた配線パターンを基板5に形成された感光膜上に投影光学系4によって光学的に縮小投影して感光させ、未感光の感光膜を溶解等によって除去し、配線パターンの原図を縮小転写してその後のエッチング処理等の工程に供している。
【0004】
一方、近年の半導体集積回路の高度集積化に伴い、露光工程では露光波長以下の微細パターンの形成が要求され、マスクとして解像力に優れるレベンソン型の位相シフトマスクを用いた多重露光法が行われるようになってきている。
レベンソン型の位相シフトマスクを用いた多重露光法の例を図12(a)、(b)、(c)を用いて説明する。
【0005】
図12(a)において、11は第1の位相シフタであり、露光のための光を透過する。
12は第2の位相シフタであり、その透過光は第1の位相シフタ11の透過光に対して異なる位相を有している。
13は遮光部材であり、光を遮断して基板5に設けられた感光部材(以下、レジストという。)上に影を形成する。なお、以下の説明では、ポジ型のレジストを使用する場合を例として説明する。
【0006】
上記の構成によって微細パターンを得るためには、第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12とを遮光部材13に配置し、これらの間に所定の間隔を設けて並置し、遮光領域を設けて位相エッジ型の位相シフトマスク14を形成する。
また、図12(b)示すように、微細パターン形成箇所の配線パターンを形成するように遮光部材13を配置してブライトフィールドマスク15を形成する。
【0007】
これらによって微細パターンを得る場合には、位相シフトマスク14をマスク装着部3に位置決めして設置し、光源1から光を照射して基板5に設けたレジスト上に微細パターンを投影して露光する。
次いで、同じ位置にブライトフィールドマスク15を設置し、再度投影して露光する。この2回の露光を行うことで、図12(c)に示すように、部分的に微細パターンを有するレジストパターン16が、レジスト上に未感光の部分として形成される。
【0008】
このような位相エッジ型の位相シフトマスクを用いてトランジスタのゲートを形成する場合は、図13(a)に示す電気的に活性な領域(以下、アクティブ領域という。)17のゲート部に該当するパターン18の形成にのみ第1の位相シフタ11および第2の位相シフタ12を配置し、設計されたゲート長を実現するための微細パターンを形成するようにする。
【0009】
このゲート部の形成に適用される第1の位相シフタ11および第2の位相シフタ12は透過光の位相が180度異なっており、その長さ(以下、シフタ長という。)は、図13(b)に示すようにアクティブ領域17の長さ(以下、アクティブ幅という。)にパターン18との合わせ余裕代を考慮して決定される。
従って、回路上に異なる長さのアクティブ幅を有するアクティブ領域17が存在する場合は、配置される位相シフタのシフタ長はそのアクティブ幅に合わせてそれぞれ異なった長さに設定される。
【0010】
このような異なった長さのシフタ長を有する位相シフタを配置する場合は、回路を構成する各パターン18の中から基準とするパターンを選び、回路上およびマスクの制作上の制約と、シミュレーションまたは実際の露光評価により露光後に形成されるゲート長の仕上がり寸法等を考慮して遮光幅を決定する。
ここで、遮光幅とは、図13(b)に示す位相シフトマスク14が有する少なくても2つの位相シフタ、つまり第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12の間の遮光領域の幅のことをいう。
【0011】
この決定された遮光幅を基準仕様として、この遮光幅を回路を構成する全てのパターン18のゲート部に適用する。
しかし、このように異なったシフタ長を有する位相シフタを同一の遮光幅で配置した位相シフトマスク14を用いて露光を行った場合は、配置された位相シフタの大きさや疎密による近接効果によって、露光後に形成されるレジストパターン16の寸法が異なり、結果としてゲート長の仕上がり寸法に寸法差が発生する。
【0012】
ゲート長の形成においては、高い寸法精度が要求されているため、従来はこの寸法差を解消すべくそれぞれの遮光幅を調整する方法が行われている。
すなわち、図14(a)に示すように基準仕様と同じ遮光幅qrを設けた第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12によってシミュレーションまたは実際の露光評価を行う。
【0013】
この結果を基に、第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12の外側の距離psを一定とし、露光後に形成されたゲート長に応じて遮光幅を広げる場合は図14(b)に示すように位相シフタの幅(以下、シフタ幅という。)を狭く設定し、遮光幅を狭くする場合は図14(c)に示すようにシフタ幅を広げて設定し、形成されるゲート長の均一化を図るようにする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の設定方法においては、実際の露光工程において遮光幅の再設定後であっても投影露光装置の光源の光量の変動や投射光の分布および基板の平面度の分布等によってパターン毎に形成されるゲート長の仕上がり寸法に寸法差が生ずる。
【0015】
すなわち、要求される露光裕度に対する焦点深度が短いために上記の変動や分布等によってゲート長の仕上がり寸法にばらつきが発生し、製品である半導体集積回路の歩留まりを悪化させ、その結果として生産性を低下させるという問題がある。
ここに、露光裕度とは、指定した寸法許容範囲が満足できる露光量の範囲をいい、通常は露光、現像後に形成されるパターンの仕上がり寸法が目標寸法と一致する露光量(以下、目標露光量という。)からの変動量で表される。
【0016】
また、焦点深度とは、要求される露光裕度によって寸法許容範囲内のパターンの仕上がり寸法が得られる焦点位置の範囲をいう。
そして、露光量を縦軸、焦点位置を横軸として、露光量範囲である露光裕度と焦点位置範囲である焦点深度によって寸法許容範囲内のパターンの仕上がり寸法が得られる領域をプロセスウィンドウと称する。
【0017】
つまり、上記の従来技術は、露光工程におけるパターンを形成する際のプロセスウィンドウが狭いことに起因する問題であるといえる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、露光工程におけるパターンを形成する際のプロセスウィンドウを広げる位相シフトマスクを実現する手段を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、シフタ長とシフタ幅とで形成される第1の位相シフタと、前記シフタ長とシフタ幅とで形成される第2の位相シフタとを備え、前記第1と第2の位相シフタとの間に遮光幅を設けてパターンを形成する多重露光法に用いられる位相シフトマスクの設定方法であって、前記パターンを複数設定し、該パターンを基に決定した前記シフタ長別に、前記パターンの目標寸法を満たす前記遮光幅毎の前記シフタ幅に対する目標露光量を求め、該求められた目標露光量から、前記シフタ長毎の目標露光量の差の小さい前記シフタ幅と遮光幅の候補となる組合せを複数抽出し、該候補となる組合せについて、前記パターンの寸法許容範囲となる焦点位置と露光量との許容領域に露光裕度の要求範囲を重ね合わせてそれぞれのプロセスウィンドウを得、該得られたそれぞれのプロセスウィンドウの中から、前記シフタ長毎に一つの前記シフタ幅と遮光幅との組合せを抽出し、該抽出した組合せのプロセスウィンドウの共通領域を全ての前記設定した複数のパターンに共通する新たなプロセスウィンドウとし、該新たなプロセスウィンドウの中から、前記プロセスウィンドウが最大となるプロセスウィンドウを決定し、該決定されたプロセスウィンドウに基づいて、前記シフタ長毎に前記第1および第2の位相シフタのシフタ幅と前記第1および第2の位相シフタの間の遮光幅との組合せを決定することを特徴とする。
【0019】
また、位相シフトマスクに、上記した位相シフトマスクの設定方法を用いて、形成するパターン毎にシフタ長とシフタ幅と遮光幅を決定し、該決定されたシフタ長とシフタ幅で形成された第1および第2の位相シフタを、前記決定された遮光幅を隔てて前記パターン毎に配置したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明による位相シフトマスクの実施の形態について説明する。
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために具体的な数字を用いて説明するが、本発明はこれらの数字に限定されるものではない。また、これらの数字は基板上の寸法に換算して示してある。
【0021】
第1実施の形態例
図1は本発明の第1実施の形態を示す説明図である。なお、上記従来例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
位相エッジ型の位相シフトマスク14を用いた多重露光法において、パターンを形成する基板5上の全面に渡って高い寸法精度を得るためには、前述したように広いプロセスウィンドウを有する位相シフトマスク14を実現することが必要である。
【0022】
すなわち、プロセスウィンドウの拡大を図るためには、焦点深度を長くして基板5の平面度の分布を吸収し、寸法許容範囲の中央値である目標寸法を得るための露光量、つまり目標露光量のパターン毎の差を小さくして、光源が一つであるために生ずる基板5上の光量分布や光源の光量変動を吸収することが重要である。
【0023】
このためには、プロセスウィンドウを構成する露光裕度と焦点深度に影響を与える位相シフトマスク14の要素を知ることが必要であり、これによって位相シフタの形状と配置を最適に調和させることが重要である。
位相シフトマスク14の要素、つまり第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12のシフタ長とシフタ幅および遮光幅の影響について以下に述べる。
【0024】
なお、以下の説明は、1.0μm、0.5μm、0.3μmの3種類のシフタ長を有する位相シフタによって、目標寸法0.1μmの孤立パターンを形成する場合について述べる。
この時の露光条件は、露光波長が248nm、投影露光装置の光学条件は露光に用いる光学系の開口数NA=0.6およびコヒーレンス度σ=0.3である。
【0025】
また、位相シフタの基準となるパターンである基準仕様は、第1の位相シフタ11と透過光の位相が180度異なる第2の位相シフタ12とのシフタ長を1.0μm、シフタ幅を0.22μmとし、これらを遮光幅0.14μmで配置したものとした。
更に、露光量は基準仕様を用いて露光した場合のパターンの仕上がり寸法が目標寸法である0.1μmとなる露光量、つまりこの時の目標露光量を1.0として示す。
【0026】
図2、図3、図4は、それぞれシフタ長が1.0、0.5、0.3μmの位相シフタのシフタ幅と、寸法許容範囲を0.1μm±0.01μmとした場合の焦点深度との関係を示している。この時の露光裕度は±10%とした。
これらの図は、同一のシフタ長の場合に、シフタ幅と遮光幅との間には一定の関係が存在し、また焦点深度を最大にするシフタ幅と遮光幅の組合せが複数存在することを示している。
【0027】
図5、図6、図7は、それぞれシフタ長が1.0、0.5、0.3μmの位相シフタのシフタ幅と、目標寸法を0.1μmとした場合の目標露光量との関係を示している。
これらの図は、同一のシフタ長の場合に、遮光幅を同一としても目標露光量、つまり目標寸法と同じ仕上がり寸法を得る露光量がシフタ幅によって変化することを示しており、また各遮光幅の目標露光量を基準仕様の目標露光量、つまり目標露光量を1.0とするシフタ幅と遮光幅の組合せが複数存在することを示している。
【0028】
すなわち、プロセスウィンドウを構成する焦点深度と露光量は、位相シフタのシフタ長毎にシフタ幅と遮光幅の組合せが影響を与え、それぞれに適値が存在するが、必ずしも同じシフタ幅と遮光幅の組合せが焦点深度と露光量の適値であるとは限らないため、シフタ長毎に決定したシフタ幅と遮光幅の組合せを各シフタ長間で調和させる必要がある。
【0029】
従って、光源が一つであることを考慮して、図5〜図7によってパターン毎の目標露光量の差が小さい、つまり基準となる目標露光量である1.0と略同等の目標光量を得るシフタ幅と遮光幅の組合せを抽出する。多くの場合ここでは複数の組合せが抽出される。
これらの候補となる組合せの中から、図2〜図4と回路上およびマスクの制作上の制約を考慮して実施可能な組合せを複数抽出する。
【0030】
これらの組合せついて、別に求めた焦点位置と露光量に対する仕上がり寸法のデータから、図8に□で示す許容寸法の下限である仕上がり寸法0.09μmと▲で示す上限の仕上がり寸法0.11μmとの焦点位置と露光量を抽出してプロットする。
これらによって形成される曲線に囲まれた領域が寸法許容範囲の仕上がり寸法が得られる許容領域となる。
【0031】
この許容領域に、投影露光装置等の要求を考慮して定めた露光裕度の要求範囲、図8では±8%を重ね合わせ、要求範囲の下限または上限と上記のプロットによって得られた曲線との交点の範囲が焦点深度であり、焦点深度と露光裕度の要求範囲で囲まれた領域がプロセスウィンドウである。
このようにして得られた複数のプロセスウィンドウの中から、各シフタ長に一つのシフタ幅と遮光幅の組合せを抽出し、これらの共通領域を新たに全パターンに共通するプロセスウィンドウとし、その中でプロセスウィンドウが最大となるシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せを決定し、第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12の配置を決定する。
【0032】
以上のようにして決定したシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せを表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003727900
【0034】
表1に示した第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12を配置する場合には、遮光幅を広げる場合は図1(b)、(c)に示すように基準仕様の外側の幅psに関わらず上記で決定したシフタ幅を設けて配置する。遮光幅を狭くする場合は、図1(d)、(e)に示すように前記と同様に決定したシフタ幅を設けて配置する。
【0035】
図8は、表1に示したシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せによって得られるプロセスウィンドウである。
図8に示す全パターンで共通するプロセスウィンドウは、露光後のパターン寸法が寸法許容範囲である0.1μm±10%の範囲であり、かつ露光裕度±8%が得られる時の焦点深度が0.46μmとなる。
【0036】
ここで得られたプロセスウィンドウを従来の方法によるプロセスウィンドウと比較するために以下に示すデータを取得した。
なお、露光条件、光学条件および基準仕様は同一である。
従来の方法では、第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12の外側の距離psを一定として遮光幅を変更して調整を行うため、シフタ幅は遮光幅によって一義的に決定される。
【0037】
このため、図5〜図7に示したシフタ幅と目標露光量との関係に代えて、図15に示すシフタ設定、つまり遮光幅とこれにより一義的に決定されるシフタ幅の組合せ毎に目標露光量との関係を求めた。
図15によってシフタ設定を決定する場合は、光源が一つであることを考慮して目標露光量の差が小さい、つまり基準となる目標露光量である1.0と略同等の目標光量を得るシフタ長毎のシフタ設定を決定する。
【0038】
このようにして決定したシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せを表2に、また、これにより得られるパターンの仕上がり寸法と、表1に示した本発明の方法により決定したシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せにより得られる仕上がり寸法とを比較して表3に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0003727900
【0040】
【表3】
Figure 0003727900
【0041】
表3に示すように、単に基準となる基準仕様を選定してこれを全パターンに適用した場合は、シフタ長0.5μmでは0.089μm、シフタ長0.3μmでは0.107μmの仕上がり寸法となり、レンジで0.018μmの寸法差が発生する。
これに対して従来の方法および本発明の方法による仕上がり寸法は、いずれもレンジで0.001μmとなって十分な寸法均一性が得られている。
【0042】
そこで、従来の方法により決定した表2に示すシフタ長毎のシフタ幅と遮光幅の組合せから、本発明の場合と同様にして求めた各シフタ長で共通するプロセスウィンドウを図16に示す。
図16に示すように、従来の方法によって得られる全パターンで共通するプロセスウィンドウは焦点深度が0.37μmである。本発明によって得られる焦点深度は図8に示す0.46μmであるので、従来の方法に対して本発明の方法は約24%焦点深度が長くなる。
【0043】
すなわち、従来の設定方法は、実験室的には良好な結果が得られるが、実際の生産において発生する光量や平面度の分布が考慮されておらず、前述のような問題を発生させることになる。
これに対して本発明による設定方法は、多重露光法に用いられる少なくても2つの位相シフタを有する位相シフトマスクの位相シフタのシフタ幅を遮光領域の幅に対応して調整することによって、高い寸法精度で微細パターンの形成が可能となり、仕上がり寸法の均一化を実現することができる。
【0044】
また、設計されたパターンを基に決定されたシフタ長とシフタ幅および遮光幅の3つの要素の各寸法を遮光領域上に配置して位相シフトマスクとすることによって、プロセスウィンドウを最大にする各要素の寸法を決定することが可能となり、要求される露光裕度に対する焦点深度が長くなって、光量の変動や分布および基板の平面度の分布を吸収することができ、高い寸法精度で微細パターンの形成が可能となり、仕上がり寸法の均一化を実現することができる。
【0045】
更に、これによって製品である半導体集積回路の歩留まりを向上させることができ、生産性を大いに向上させることができるという効果が得られる。
上記のプロセスウィンドウにおいては、露光裕度の中央値を基準仕様の目標露光量として説明したが、露光裕度の中央値はこれに限る必要はなく、中央値を適正な値、図8の例ではやや大きい方向に設定することによって、焦点深度を更に長くすることができ、本発明の効果を更に高めることができる。
【0046】
なお、シフタ幅と遮光幅の候補となる組合せの抽出は、シフタ長毎の目標露光量の差が小さくできる組合せとして説明したが、露光量を一定としてシフタ幅と仕上がり寸法の関係を取得し、略同一の仕上がり寸法、多くの場合は目標寸法となる組合せを候補となる組合せとして抽出するようにしても本実施の形態例と同様の効果を奏することができる。
【0047】
また、一定のシフタ長とシフタ幅および遮光幅の組合せで予めプロセスウィンドウを作成しておき、回路を構成するパターンに対して、これらの中から全パターンで共通するプロセスウィンドウを最大にする組合せを抽出するようにしても本実施の形態例と同様の効果を奏することができる。
上記説明における位相シフトマスクを実際の露光工程で用いる場合は、上記実施の形態で例として説明した数字を投影露光装置の縮尺率に応じて拡大して配置したものを使用する。
【0048】
第2実施の形態例
図9は本発明の第2実施の形態を示す説明図である。なお、上記従来例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は本発明の方法によって、図10に示す設計されたパターンを得るための位相シフトマスク14である。
【0049】
図10に示すように、パターン18a、18b、18cは、異なったアクティブ幅a1、a2、a3を有し、異なったアクティブ領域面積を有する3箇所のアクティブ領域17に対してそれぞれ設計されており、各パターン18a、18b、18cには、実質的に同一のゲート長を有する微細パターンであるトランジスタのゲート部21a、21b、21cが設計されている。
【0050】
このゲート部21a、21b、21cの微細パターンを露光後に得るために決定された位相シフトマスク14の位相シフタの形状と配置を図9に示す。
すなわち、アクティブ幅に対して所定の合わせ余裕代を考慮してゲート部21aに対応する第1の位相シフタ11と第2の位相シフタ12のシフタ長をL1、同様にゲート部21bに対応するシフタ長をL2、ゲート部21cに対応するシフタ長をL3と決定する。
【0051】
次いで、第1実施の形態例と同様の設定方法によって、異なるシフタ長L1、L2、L3に応じて、プロセスウィンドウが最大となるゲート部21a、21b、21cのゲート長に対応するシフタ幅W1、W2、W3と遮光幅R1、R2、R3を決定する。
このパターンを基に決定された3つの要素寸法を遮光部材13上の該当する部位に配置して位相シフトマスク14を得る。
【0052】
この位相シフトマスクを、投影露光装置のマスク装着部3に位置決めして設置し露光を行った後、図12(b)に示したブライトフィールドマスク15と同様にして製作したブライトフィールドマスクを位置決めして設置し露光する。この多重露光によって図10に示すパターン18a、18b、18cのレジストパターン16を得る。
【0053】
以上のようにすることによって、複数の異なるアクティブ領域面積を有する少なくても2つのトランジスタのゲート部の形成においても第1実施の形態例と同様の効果を有する位相シフトマスクおよびパターン形成装置を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、位相シフトマスクの位相シフタ間の遮光領域の幅に対応して位相シフタのシフタ幅を調整した位相シフトマスクとすることによって、高い寸法精度で微細パターンを形成することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す説明図
【図2】シフタ幅と焦点深度の関係を示すグラフ1
【図3】シフタ幅と焦点深度の関係を示すグラフ2
【図4】シフタ幅と焦点深度の関係を示すグラフ3
【図5】シフタ幅と目標露光量の関係を示すグラフ1
【図6】シフタ幅と目標露光量の関係を示すグラフ2
【図7】シフタ幅と目標露光量の関係を示すグラフ3
【図8】本発明の方法によるプロセスウィンドウを示すグラフ
【図9】本発明の第2実施の形態を示す説明図
【図10】設計されたパターンを示す説明図
【図11】投影露光装置の例を示す説明図
【図12】位相シフトマスクを用いた多重露光法を示す説明図
【図13】アクティブ領域への位相シフタ設定方法を示す説明図
【図14】従来例を示す説明図
【図15】従来の方法によるシフタ設定と目標露光量の関係を示すグラフ
【図16】従来の方法によるプロセスウィンドウを示すグラフ
【符号の説明】
1 光源
2 照明光学系
3 マスク装着部
4 投影光学系
5 基板
11 第1の位相シフタ
12 第2の位相シフタ
13 遮光部材
14 位相シフトマスク
15 ブライトフィールドマスク
16 レジストパターン
17 アクティブ領域
18、18a、18b、18c パターン
21a、21b、21c ゲート部

Claims (4)

  1. シフタ長とシフタ幅とで形成される第1の位相シフタと、前記シフタ長とシフタ幅とで形成される第2の位相シフタとを備え、前記第1と第2の位相シフタとの間に遮光幅を設けてパターンを形成する多重露光法に用いられる位相シフトマスクの設定方法であって、
    前記パターンを複数設定し、該パターンを基に決定した前記シフタ長別に、前記パターンの目標寸法を満たす前記遮光幅毎の前記シフタ幅に対する目標露光量を求め、
    該求められた目標露光量から、前記シフタ長毎の目標露光量の差の小さい前記シフタ幅と遮光幅の候補となる組合せを複数抽出し、
    該候補となる組合せについて、前記パターンの寸法許容範囲となる焦点位置と露光量との許容領域に露光裕度の要求範囲を重ね合わせてそれぞれのプロセスウィンドウを得、
    該得られたそれぞれのプロセスウィンドウの中から、前記シフタ長毎に一つの前記シフタ幅と遮光幅との組合せを抽出し、
    該抽出した組合せのプロセスウィンドウの共通領域を全ての前記設定した複数のパターンに共通する新たなプロセスウィンドウとし、
    該新たなプロセスウィンドウの中から、前記プロセスウィンドウが最大となるプロセスウィンドウを決定し、
    該決定されたプロセスウィンドウに基づいて、前記シフタ長毎に前記第1および第2の位相シフタのシフタ幅と前記第1および第2の位相シフタの間の遮光幅との組合せを決定することを特徴とする位相シフトマスクの設定方法。
  2. 請求項1において、
    前記シフタ長別に前記パターンの寸法許容範囲を満たす前記遮光幅毎の前記シフタ幅と焦点深度との関係を求め、
    該シフタ幅と焦点深度との関係を用いて、前記候補となる組合せを予め絞り込むことを特徴とする位相シフトマスクの設定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位相シフトマスクの設定方法を用いて、形成するパターン毎にシフタ長とシフタ幅と遮光幅を決定し、該決定されたシフタ長とシフタ幅で形成された第1および第2の位相シフタを、前記決定された遮光幅を隔てて前記パターン毎に配置したことを特徴とする位相シフトマスク。
  4. 請求項3に記載の位相シフトマスクを用いて、パターンを形成することを特徴とするパターン形成装置。
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