JP3727815B2 - 帯電防止性感圧接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感圧接着剤(粘着剤)に関する。さらに詳しくは、ダイシングテープ、キャリアテープ、鋼板やプラスチック板の表面保護シートなどに好適な、帯電防止性に優れる感圧接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば被着体から剥離するときの帯電防止を目的とした粘着テープまたはシートとしては、▲1▼アクリル系重合体にポリエーテルポリオール化合物および少なくとも1種のアルカリ金属塩を配合してなる感圧接着剤を、基材の少なくとも片面に被覆して粘着剤層を形成してなるもの(例えば特開平6−128539号公報)、▲2▼帯電防止剤(陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)を添加してなる粘着剤を紙基材に塗工してなる合成樹脂用の表面保護材(例えば特開昭58−191777号公報)、▲3▼保護シートの背面にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩を塗工して帯電防止層を設けた帯電防止自動車塗膜保護用シート(例えば特開平6−128538号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼のものは、経日的にポリエーテルポリオール化合物が粘着剤層からブリードアウトし、被着体であるステンレス鋼板、プラスチック板等の表面を汚染する;粘着剤に配合されたアルカリ金属塩から発生したアルカリイオン、ハロゲンイオンなどが、シリコンウェハに浸透するため、電気・電子分野で使用されるダイシングテープ、キャリアテープなどには使用できない;などの問題点を有しており、▲2▼のものも帯電防止剤のブリードアウトによる被着体表面の汚染や、粘着特性が経日的に変化するなどの問題点を有している。また、▲3▼のものは、巻取状態で保管した際に背面のラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等が粘着層に経日的に移行するため、ハロゲンイオンによる被着体の汚染を招き、ダイシングテープ、キャリアテープなどには使用できないという問題点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、特定の官能基を分子側鎖に有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体を用いた感圧接着剤が、低分子化合物、金属イオンなどによる被着体の汚染がなく、優れた帯電防止性を有し得ることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、有機酸基を有する重合性単量体(a2)および必要によりその他の重合性単量体(a3)から構成され分子側鎖に有機酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)に、下記一般式(2)
【化4】
[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)を反応させて、分子側鎖に少なくとも1個の下記一般式(1)
【化5】
[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、Xは有機酸基を表す。]で示される第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)からなる帯電防止性感圧接着剤を製造することを特徴とする帯電防止性感圧接着剤の製造方法;並びに、カルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)に、下記一般式(2)
5−OC(=O)O-・[N+1234] (2)
[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)を反応させてなる、分子側鎖に少なくとも1個の下記一般式(1)
【化6】
[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、Xはカルボン酸基を表す。]
で示される第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)からなり、(A)を構成するカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)が、炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボン酸基を有する重合性単量体(a2)および必要によりその他の重合性単量体(a3)から構成され、(a2)が(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸のいずれかからなる帯電防止性感圧接着剤を塗布、乾燥してなる粘着テープまたはシートである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)は、分子側鎖に有機酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)中の有機酸基に、下記一般式(2)
【化7】
[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)を反応させる方法により製造することができる。
上記一般式において、R1〜R3のいずれかの炭素数が11を越える場合は、得られる感圧接着剤の帯電防止性が不充分となる。
【0006】
上記アルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)は、例えば、炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、有機酸基を含有する重合性単量体(a2)、および必要によりその他の重合性単量体(a3)からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体である。
【0007】
(a1)としては、炭素数4〜12の脂肪族アルコールからの(メタ)アクリレート[n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなど]およびこれらの2種以上の混合物があげられる。これらのうち特に好ましいものは、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよびこれらの混合物である。
【0008】
(a2)としては、カルボン酸基を有する重合性単量体〔例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの1塩基酸;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの2塩基酸、これらの2塩基酸のモノアルキルエステル;3−(メタ)アクリロイルプロピオン酸;2−ヒドロキシアルキル(炭素数2〜3)(メタ)アクリレートへの無水コハク酸開環付加体、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレートへの無水コハク酸開環付加体、2−ヒドロキシアルキル(炭素数2〜3)(メタ)アクリレートへのカプロラクトン重付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物など〕、(亜)リン酸エステル基を有する重合性単量体〔例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、アリルアルコールアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスファイトなど〕、スルホン酸基を有する重合性単量体〔例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イセチアン酸(メタ)アクリレートなど〕、スルファミン酸基を有する重合性単量体〔例えば、N−ヒドロキシエチル−N−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スルファミン酸、N,N−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スルファミン酸、(メタ)アクリロイルイソシアネートとN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸の付加体など〕、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イセチアン酸(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル−N−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スルファミン酸および(メタ)アクリロイルイソシアネートとN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸の付加体であり、特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびN−ヒドロキシエチル−N−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スルファミン酸である。
【0009】
また、(a3)としては、反応性の官能基を有する単量体(a3−1)および反応性の官能基を有しない単量体(a3−2)があげられる。
上記(a3−1)としては、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)グリコールのモノ(メタ)アクリレートなど]、アミド基を有する単量体[(メタ)アクリルアミドなど]、アミノ基を有する単量体[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]、メチロール基を有する単量体[N−メチロールアクリルアミドなど]などがあげられる。
【0010】
また、上記(a3−2)としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜3のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなど]、アルキル基の炭素数が13〜18のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル[トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなど]、脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル[シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど]、芳香族アルコールの(メタ)アクリレート[ベンジル(メタ)アクリレートなど]、芳香族系単量体[スチレン、ビニルトルエンなど]、アリル化合物[酢酸アリルなど]、ニトリル基を有する単量体[(メタ)アクリロニトリル、α−クロロ(メタ)アクリロニトリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニル、塩化ビニリデンなど]、ビニルエステル系単量体[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バーサテイク酸ビニルなど]、ビニルエーテル系単量体[ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなど]などがあげられる。
【0011】
上記(a3)として例示したもののうち好ましいものは、(a3−1)のうちでは、ヒドロキシル基を有する単量体およびアミド基を有する重合性単量体が好ましく、特に好ましいものは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドである。また、(a3−2)のうちでは、ビニルエステル系重合性単量体および芳香族系重合性単量体が好ましく、特に好ましいものは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびスチレンである。
上記(a3)は、2種以上を併用することができる。
【0012】
(A1)を構成する(a1)と(a2)と(a3)の重量比、(a1):(a2):(a3)は、通常(30〜99.8):(0.2〜30):(0〜40)、好ましくは(50〜98):(0.5〜25):(0〜30)、特に好ましくは(65〜96):(1〜20):(0〜20)である。(a1)の比率が30未満ではタックおよび粘着力が不足し、98.8を越えると凝集力が低下する。(a2)の比率が0.2未満では凝集力が低下し、30を越えるとタックおよび粘着力が低下する。また、(a3)の比率が40を越えるとタックおよび粘着力が低下する。
【0013】
上記アルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)の有機酸基と反応させる前記一般式(2)で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)は、第3級アミンと炭素数1〜8の炭酸ジアルキルエステルまたは炭酸ジアリールエステルとを反応させることにより製造することができる。
【0014】
上記(A2)の製造に使用する第3級アミンとしては、脂肪族アミン類[トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジエチル−1−プロピルアミン等];複素環式アミン類[N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、N−ブチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ジエチルピペラジン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、脂肪族アミンのうちのトリメチルアミン、トリエチルアミンおよびトリ−n−ブチルアミン;ならびに脂環式アミン類のうちの1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7および1,2,4−トリメチルイミダゾリンである。
【0015】
また、(A2)の製造に使用する炭酸ジアルキル(炭素数1〜8)エステルとしては炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジプロピル等が挙げられ、炭酸ジアリールエステルとしては炭酸ジフェニル等が挙げられる。これらのうち好ましいものは炭酸ジアルキルエステルであり、特に好ましいものは炭酸ジメチルである。
【0016】
上記(A2)の製造における第3級アミンと炭酸ジエステルとのモル比は、通常1:(0.3〜4)、好ましくは1:(0.5〜2)、さらに好ましくは1:(1〜1.5)であり、特に好ましくは1:(1〜1.1)である。反応に際して必要により反応溶媒[メタノール、エタノールなど]を使用してもよい。反応温度は通常30〜150℃、好ましくは50〜100℃である。
【0017】
該(A2)と(A1)中の有機酸基との反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われ、アニオン交換反応で副生する炭酸ガスおよびアルコール等を反応系から適宜除くことにより、第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)が得られる。
【0018】
(A)の製造における、(A2)と(A1)中の有機酸基とのモル比は、通常(0.001〜1):1、好ましくは(0.01〜1):1、さらに好ましくは(0.05〜1):1である。
【0019】
また、本発明における第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)は、前述の(A1)中の有機酸基と(A2)とを反応させる方法以外に、例えば、予め、有機酸基を含有する重合性単量体(a2)の少なくとも1個の有機酸基と(A2)とを前記と同様の方法で反応させて、第4級アンモニウム・有機酸塩基を有する単量体(a4)を製造し、これと前述の(a1)、(a2)および必要により(a3)と共重合させる方法(以下、製造方法▲2▼ということがある。)で製造することもできる。
【0020】
上記(a4)においては、一般式(2)で示される(A2)中のR1〜R4がすべて同一の場合には、得られる単量体の結晶性が高くなり、他のモノマーや溶剤への溶解性が低下して、重合時に取り扱いにくくなる等の問題が生じることがある。従ってR1〜R4の少なくともいずれか1個は、炭素数が異なることが望ましい。
【0021】
本発明において、(A)中の前記一般式(1)で示される第4級アンモニウム・有機酸塩基の含有量は、(A)の重量に基づいて、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。第4級アンモニウム・有機酸塩基の量が0.1重量%未満では、得られる感圧接着剤の帯電防止性が不足し、30重量%を越えるとタックおよび粘着力が低下して、感圧接着剤としての機能を果たさなくなる。
【0022】
本発明における(A1)または前述の製造方法▲2▼による(A)は、公知の重合方法(塊重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など)により、公知の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド系重合開始剤など)、公知の連鎖移動剤(メルカプト基含有連鎖移動剤など)などを使用して製造することができる。
【0023】
本発明における第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で通常10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜1,000,000、特に好ましくは200,000〜1,000,000である。
【0024】
本発明の感圧接着剤には、凝集力をさらに向上させるなどの目的で公知の架橋剤を含有させることができる。架橋剤としては、メラミン誘導体[ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミンなど]、ポリイソシアネート化合物[トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−または4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物およびこれらの多量体(ビウレット体、イソシアヌレート体など)、ジイソシアネートのトリメチロールプロパンなどの多価アルコール系化合物へのアダクト体など、ブロック化ポリイソシアネート化合物[ジイソシアネート、これらの多量体またはアダクト体の、ケトオキシム、フェノール、ラクタムなどによるブロック化物など]、ポリエポキシ化合物[ビスフェノールA・エピクロルヒドリン縮合体型のエポキシ化合物、ポリオキシアルキレンポリオールのポリグリジルエーテル、グリセリンジ−またはトリグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシリレンジアミンなど]などを挙げることができる。
【0025】
本発明の感圧接着剤は、帯電防止性、非汚染性、粘着特性等の本発明の目的とする機能を損なわない範囲で、公知の各種添加剤を配合して使用することができる。該添加剤としては、粘着性付与樹脂[ロジン、ロジン誘導体もしくはその水添化体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂など]、可塑剤[フタル酸系エステルに代表されるカルボン酸エステル、塩化パラフィンなど]、着色剤[酸化チタン、炭酸カルシウムなど]、紫外線防止剤[ベンゾフェノン系紫外線防止剤など]、防カビ剤[亜酸化銅、フェノール系化合物など]、消泡剤[アルコール、シリコーン化合物など]などがあげられる。
【0026】
本発明の感圧接着剤は、通常の塗工装置を用いて基材に直接または転写法で塗布することができる。また、感圧接着剤のみをシート状にして使用することもできる。基材に塗工して用いる場合の塗布量は用途によって異なるが、通常1〜500g/m2である。
使用しうる基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、軟質ポリ塩化ビニルなどの各種プラスチックのフィルム、樹脂板またはフォーム、紙、金属板または箔、木材などを挙げることができる。これらのうち熱的に敏感なプラスチックフィルムなどを基材に用いる場合には、転写方式による塗工が好ましい。
基材に塗工、乾燥後、必要により養生を行ない完全硬化させる(とくに架橋剤を用いた場合)ことにより、十分な粘着特性を発揮する。養生の条件は、たとえば室温では通常3〜7日間、40〜50℃では通常1〜2日間である。
本発明の感圧接着剤を用いた粘着材料は、ダイシングテープ、キャリアテープ等の電気、電子部品加工用テープ、ステンレス鋼板、プラスチック板等の表面保護テープまたはシート、足拭きマット、粘着ラベル、ステッカー、テープなどとして好適に使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、部は重量部を、%は重量%を示す。
【0028】
[第4級アンモニウム・炭酸エステル塩の製造]
製造例1
撹拌式オートクレーブにトリエチルアミン(1モル)、炭酸ジメチル(1モル)および溶媒としてメタノール(2モル)を仕込み、反応温度110℃にて12時間反応させた後、50℃、減圧下でメタノールを留去して、メチルトリエチルアンモニウム・モノメチル炭酸塩(A2−1)を得た。
【0029】
[第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有する重合性単量体の製造]
製造例2
撹拌式オートクレーブにトリエチルアミン(1モル)、炭酸ジメチル(1モル)および溶媒としてメタノール(2モル)を仕込み、反応温度110℃にて12時間反応させメチルトリエチルアンモニウム・モノメチル炭酸塩(A2−1)のメタノール溶液を得た。このものにアクリル酸(1モル)を仕込み、副生する炭酸ガスおよびメタノールを除くことによってメチルトリエチルアンモニウム・アクリル酸塩(a4−1)を得た。
【0030】
[第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の製造]
製造例3
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した4つ口コルベンに、酢酸エチル184部、シクロヘキサン120部を仕込み、75℃に昇温した。次いでn−ブチルアクリレート238部、2−エチルヘキシルアクリレート78部、アクリル酸16部、酢酸ビニル48部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルへのポリカプロラクトン付加体に無水コハク酸を開環付加したモノマー〔商品名「FM−1A」:ダイセル化学工業(株)製〕20部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3部を混合した。この単量体混合液を、コルベン内に窒素ガスを通じながら、滴下ロートで4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、AIBN1.5部を酢酸エチル80部に溶解した溶液を滴下ロートを用いて、滴下終了後2時間目から4時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合を4時間継続した後、トルエン216部を加えて、分子側鎖にカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−1)を得た。
該(A1−1)100部に、製造例1で得た(A2−1)3.2部を添加し、副生する炭酸ガスを除くことによって第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−1)を得た。
該(A−1)の粘度(B型粘度計:25℃、以下同様)は5,800cP、固形分濃度は41.9%、GPC法による重量平均分子量(ポリスチレン換算、以下同様)は約47万であった。
【0031】
製造例4
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−2)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 142部
2−エチルヘキシルアクリレート 182部
アクリル酸 16部
「FM−1A」 20部
酢酸ビニル 40部
該(A1−2)100部と製造例1で得た(A2−1)2.1部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−2)を得た。
該(A−2)の粘度は5,000cP、固形分濃度は42.1%、重量平均分子量は約45万であった。
【0032】
製造例5
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−3)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 190部
2−エチルヘキシルアクリレート 190部
アクリル酸 16部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 4部
該(A1−3)100部と製造例1で得た(A2−1)4.2部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−3)を得た。
該(A−3)の粘度は4,700cP、固形分濃度は41.7%、重量平均分子量は約51万であった。
【0033】
製造例6
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−4)を作成した。
単量体の組成:
2−エチルヘキシルアクリレート 324部
アクリル酸 16部
イタコン酸 12部
酢酸ビニル 56部
該(A1−4)100部と製造例1で得た(A2−1)4.2部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−4)を作成した。
該(A−4)の粘度は5,400cP、固形分濃度は42.3%、重量平均分子量は約46万であった。
【0034】
製造例7
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−5)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 152部
2−エチルヘキシルアクリレート 184部
アクリル酸 16部
酢酸ビニル 48部
該(A1−5)100部と製造例1で得た(A2−1)2.4部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−5)を得た。
該(A−5)の粘度は4,200cP、固形分濃度は42.1%、重量平均分子量は約45万であった。
【0035】
製造例8
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した4つ口コルベンに、酢酸エチル88部、シクロヘキサン88部を仕込み75℃に昇温した。次いで製造例2で得た(a4−1)24部、n−ブチルアクリレート140部、2−エチルヘキシルアクリレート188部、アクリル酸8部、メチルメタクリレート20部、スチレン20部およびAIBN0.4部を混合した。この単量体混合液を、コルベン内に窒素を通じながら、滴下ロートで4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、AIBN1.5部を酢酸エチル88部に溶解した溶液を滴下ロートを用いて、滴下終了後2時間目から4時間をかけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合を4時間継続した後、希釈溶剤としてトルエン336部を加えて、第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−6)を得た。
該(A−6)の粘度は3,900cP、固形分濃度は40.1%、重量平均分子量は約41万であった。
【0036】
製造例9
下記の単量体組成で、希釈溶剤として加えるトルエン216部を、酢酸エチル184部およびシクロヘキサン120部と共に、あらかじめ4つ口コルベンに仕込んで昇温した以外は、製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にリン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−7)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 166部
2−エチルヘキシルアクリレート 166部
酢酸ビニル 48部
2−メタアクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート 20部
[商品名「JPA−514」:城北化学(株)製]
該(A1−7)100部と製造例1で得た(A2−1)1.1部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・リン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−7)を得た。
該(A−7)の粘度は1,000cP、固形分濃度は42.4%、重量平均分子量は約10万であった。
【0037】
製造例10
下記の単量体組成で、シクロヘキサン120部の代わりにメタノール120部を使用した以外は、製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にスルホン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−8)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 166部
2−エチルヘキシルアクリレート 166部
酢酸ビニル 48部
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 20部
[商品名「TBAS−Q」:日東化学(株)製]
該(A1−8)100部と製造例1で得た(A2−1)1.5部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・スルホン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−8)を得た。
該(A−8)の粘度は6,900cP、固形分濃度は41.8%、重量平均分子量は約40万であった。
【0038】
製造例11
四つ口コルベンにN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸185部とトルエン593部を仕込み、反応温度30℃でメタアクリロイルイソシアネート[商品名「M.A.I」:日本ペイント(株)製]222部を1時間かけて滴下した後に、さらに1時間反応させ、50℃、減圧下でトルエンを留去して、メタアクリロイルイソシアネートとN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸の付加体(B−1)を得た。
このものを用いて、下記の単量体組成で、シクロヘキサン120部の代わりにメタノール120部を使用し、希釈溶剤として加えるトルエン216部を、酢酸エチル184部およびメタノール120部と共に、あらかじめ4つ口コルベンに仕込んで昇温した以外は、製造例3と同様の操作を行い、分子側鎖にスルファミン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A1−9)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 166部
2−エチルヘキシルアクリレート 166部
酢酸ビニル 48部
(B−1) 20部
該(A1−9)100部と製造例1で得た(A2−1)0.8部とを用いて、製造例3と同様の操作を行い、第4級アンモニウム・スルファミン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(A−9)を得た。
該(A−9)の粘度は2,900cP、固形分濃度は41.3%、重量平均分子量は約15万であった。
【0039】
比較製造例1
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、比較のアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(S−1)を作成した。
単量体の組成:
n−ブチルアクリレート 238部
2−エチルヘキシルアクリレート 150部
アクリル酸 12部
該(S−1)の粘度は2,900cP、固形分濃度は40.3%、重量平均分子量は約41万であった。
この(S−1)250部に過塩素酸リチウム1.5部およびポリエーテルジオール[商品名「サンニックスPP−400」:三洋化成工業(株)製]30部を配合し、比較の帯電防止性感圧接着剤の溶液(Y−1)を得た。
【0040】
比較製造例2
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、比較のアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(S−2)を作成した。
単量体の組成:
ブチルアクリレート 260部
2−エチルヘキシルアクリレート 128部
アクリル酸 12部
該(S−2)の粘度は4,100cP、固形分濃度は40.4%、重量平均分子量は約46万であった。
該(S−2)750部に過塩素酸リチウム7.5部、ポリエーテルトリオール[商品名「サンニックスGP−4000」:三洋化成工業(株)製]90部を配合し、比較の帯電防止性感圧接着剤の溶液(Y−2)を得た。
【0041】
比較製造例3
下記の単量体組成で製造例3と同様の操作を行い、比較のアルキル(メタ)アクリレート系共重合体の溶液(S−3)を作成した。
単量体の組成:
ブチルアクリレート 40部
2−エチルヘキシルアクリレート 320部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部
アクリル酸 20部
該(S−3)の粘度は2,100cP、固形分濃度は40.3%、重量平均分子量は約40万であった。
この(S−3)750部に陰イオン系界面活性剤[商品名「ケミスタット3033」:三洋化成工業(株)製]6部およびグリセリン10部を配合し、比較の帯電防止性感圧接着剤の溶液(Y−3)を得た。
【0042】
実施例1
製造例3で作製した(A−1)100部に、架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン[三菱ガス化学工業(株)製、商品名:「TETRAD−X」]の10%トルエン溶液1部を添加し、均一に混合して配合液を作成した。この配合液をシリコーン離型紙に乾燥膜厚が100μmになるように塗工して100℃×5分の条件で乾燥し、さらに50℃で48時間養生して感圧接着剤シートを作成した。この感圧接着剤シートを所定の面積に裁断して試験片とし、これを用いて下記の性能試験方法で帯電防止性を評価した。
また、上記配合液をポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥膜厚が25μmになるように塗工して100℃×2分の条件で乾燥し、さらに50℃で48時間養生して塗工フィルムを作成した。この塗工フィルムを所定の幅に裁断して試験片とし、これを用いて下記の性能試験方法で、水で煮沸した際の溶出物、被着体表面への汚染性および保持力を評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0043】
実施例2〜9
製造例4〜11で作成した(A−2)〜(A−9)をそれぞれを用いて実施例1と同様の操作を行い、試験片を作成して各性能を評価した。評価結果を表1に示す。
【0044】
比較例1〜3
比較製造例1〜3で作成した(Y−1)〜(Y−3)をそれぞれ用いて実施例1と同様の操作を行い、試験片を作成して各性能を評価した。評価結果を表1に示す。
【0045】
〔性能試験方法〕
表面固有抵抗・体積固有抵抗の測定(帯電防止性):
23℃×65%RHの条件で12時間、試験片を放置した後に、JIS−K6911に記載の方法で体積固有抵抗と表面固有抵抗を測定した。
溶出試験(アルカリ金属、ハロゲンイオンの溶出試験):
100mlのエルレンマイヤーフラスコに20mlの超純水を入れ、1gの試験片を浸漬し、オートクレーブ中に121℃×24時間放置した後、1/10まで濃縮して原子吸光光度計で金属イオンの濃度を測定した。ハロゲンイオンについては、比色定量法で測定した。
被着体表面への汚染性:
ステンレス板(SUS304BA)に50×100mmの面積の試験片を貼り付け、60℃×90%RHの条件で1週間放置した後、試験片を剥がしステンレス板の表面の曇り、糊残り等の汚染の有無を肉眼で下記の基準で判定した。
○;ステンレス板表面に曇りまたは糊残り無し
△;ステンレス板表面に曇りまたは糊残りが僅かにあり
×;ステンレス板表面に曇りまたは糊残りが顕著にあり
保持力(凝集力):
ステンレス板(SUS304BA)に張り付け面積が25mm×25mmとなるように試験片を貼り付け、5kgローラーにて1往復圧着し、23℃×65%RHの条件下で1時間放置した後、40℃の雰囲気で1kgの加重をかけ、24時間後のずれ距離(単位:mm)を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性感圧接着剤は、下記の効果を有する。
(1)分子側鎖に第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体を主成分とするものであるので、優れた帯電防止性を発揮する。
(2)界面活性剤、ポリエーテルポリオール等の低分子化合物を含有していないため、それらに由来する低分子量成分のブリードアウトがなく、ステンレス鋼板、プラスチック板等の被着体の表面汚染がない。
(3)アルカリ金属やハロゲンを有する化合物を使用しないため、それらに由来する金属イオン、ハロゲンイオン等の溶出や滲みだしがなく、これらのイオンを嫌うシリコンウェハ等の被着体への貼付けにも使用できる。
上記効果を奏することから本発明の帯電防止性感圧接着剤を用いた粘着加工製品は、特にダイシングテープ、キャリアテープ等の電子部品加工用テープ、ステンレス、プラスチック等の表面保護テープ、足拭きマットなどに好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、有機酸基を有する重合性単量体(a2)および必要によりその他の重合性単量体(a3)から構成され分子側鎖に有機酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)に、下記一般式(2)
    [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)を反応させて、分子側鎖に少なくとも1個の下記一般式(1)
    [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、Xは有機酸基を表す。]で示される第4級アンモニウム・有機酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)からなる帯電防止性感圧接着剤を製造することを特徴とする帯電防止性感圧接着剤の製造方法。
  2. (a2)が(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸からなる群から選ばれる請求項1記載の製造方法。
  3. カルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)に、下記一般式(2)
    5−OC(=O)O-・[N+1234] (2)
    [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4およびR5は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・炭酸エステル塩(A2)を反応させてなる、分子側鎖に少なくとも1個の下記一般式(1)
    [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3のうちのいずれか2個が、必要によりOまたはNを介して結合して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、Xはカルボン酸基を表す。]
    で示される第4級アンモニウム・カルボン酸塩基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A)からなり、(A)を構成するカルボン酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(A1)が、炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボン酸基を有する重合性単量体(a2)および必要によりその他の重合性単量体(a3)から構成され、(a2)が(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸のいずれかからなる帯電防止性感圧接着剤を塗布、乾燥してなる粘着テープまたはシート。
  4. (A1)が、炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(a1)、有機酸基を含有する重合性単量体(a2)および必要によりその他の重合性単量体(a3)からなり、(a1):(a2):(a3)の重量比が(30〜99.8):(0.2〜30):(0〜40)である請求項3記載の粘着テープまたはシート。
  5. (A2)が、脂肪族アミンおよび複素環式アミンから選ばれる第3級アミンと炭酸ジアルキル(炭素数1〜8)エステルとを反応させてなる化合物である請求項3または4記載の粘着テープまたはシート。
  6. 第3級アミンが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5,1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7および1,2,4−トリメチルイミダゾリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の粘着テープまたはシート。
  7. (A)中の上記一般式(1)で示される第4級アンモニウム・カルボン酸塩基の含有量が、(A)の重量に基づいて0.1〜30重量%である請求項3〜6のいずれか記載の粘着テープまたはシート。
  8. ダイシングテープ、キャリアテープまたは鋼板もしくはプラスチック板の保護シートである請求項3〜7のいずれか記載の粘着テープまたはシート。
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