JP3727269B2 - メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤の同定方法 - Google Patents

メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤の同定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3727269B2
JP3727269B2 JP2001530447A JP2001530447A JP3727269B2 JP 3727269 B2 JP3727269 B2 JP 3727269B2 JP 2001530447 A JP2001530447 A JP 2001530447A JP 2001530447 A JP2001530447 A JP 2001530447A JP 3727269 B2 JP3727269 B2 JP 3727269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
map
peptide
peptidase
pro
gly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001530447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003511063A (ja
Inventor
チャン・イー−ファ
Original Assignee
セント ルイス ユニヴァーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セント ルイス ユニヴァーシティ filed Critical セント ルイス ユニヴァーシティ
Publication of JP2003511063A publication Critical patent/JP2003511063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3727269B2 publication Critical patent/JP3727269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/34Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
    • C12Q1/37Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase involving peptidase or proteinase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/08Tripeptides
    • C07K5/0802Tripeptides with the first amino acid being neutral
    • C07K5/0804Tripeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic
    • C07K5/081Tripeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic the side chain containing O or S as heteroatoms, e.g. Cys, Ser

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【0001】
本発明は全米科学財団助成金番号MCB9512655の下に政府の支援を受けてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は概して酵素活性および酵素阻害剤のアッセイに関する。より具体的には、本発明はメチオニンアミノペプチダーゼおよびメチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤を検出するためのアッセイに関する。
【0003】
(関連技術の説明)
どの生細胞でも、タンパク質合成は、新生タンパク質のN末端アミノ酸としてメチオニンを指定するAUGコドンで開始される。原核生物でも真核生物でも、このN末端メチオニンは末端から2番目のアミノ酸残基が小さい非荷電残基(例えばGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProおよびVal)であればメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)(EC3.4.11.18)によって除去されるだろう。ただしN末端の3アミノ酸がMet−Thr−ProまたはMet−Val−Proである場合はMAPによるメチオニン切断活性は低下する(Moerschellら,1990,J.Biol.Chem.265,19638−19643;Tsunasawaら,1985,J.Biol.Chem.260,5382−5391)。ある種のタンパク質にとって、N末端メチオニンの除去は、in vivoで正常に機能するために不可欠である。例えば開始メチオニンの除去は、様々なシグナル伝達タンパク質、癌細胞、タンパク質ターゲティング部分および酵素の正常な機能にとって不可欠なN−ミリストイル化などの後続のN末端修飾にしばしば必要とされる(Gordonら,1991,J.Biol.Chem.266,8647−8650;Duronioら,1989,Science 243,796−800)。
【0004】
メチオニンアミノペプチダーゼは、大腸菌および他のいくつかの真正細菌、酵母、ラットならびに様々な古細菌を含むいくつかの生物から単離され、クローン化されている。現在発見されているMAPは構造および配列類似性に基づいて1型MAPおよび2型MAPの2タイプに分類されている。真正細菌は1型、古細菌は2型、そして真核生物は両タイプのMAPを有している。真核生物の場合、いずれか一タイプのヌル突然変異体は、生育は遅いものの生存可能であるが、両MAPタイプのヌル突然変異体は生存不能である(LiおよびChang,1995,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92,12357−12361;LiおよびChang,1996,Biochem.Biophys.Res.Commun.227,152−159;Bradshawら,1998,Trends Biochem.Sci.21,285−286)。同様に、細菌MAP1遺伝子のノックアウトも致死性である(Ben−Bassatら,1987,H.Bacteriol.169,751−757)。このように、MAP活性は原核細胞および真核細胞の正常な機能に不可欠である。
【0005】
タンパク質の開始メチオニンを切断する役割だけでなく、MAPは他の細胞機能にも影響を及ぼす。例えば、ヒト2型MAPはタンパク質合成を調節する真核生物開始因子2としての役割も果たす(米国特許第5,885,820号)。また、フマギリン型血管新生阻害剤の作用様式は2型MAPの不可逆的阻害であることから(Griffithら,1997,Chem.Biol.4,461−471;Liuら,1998,Science 282,1324−1327;Lowtherら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,12153−12157;Sinら,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,6099−6103)、2型MAPは血管新生に不可欠な役割を果たしていることが示唆される。
【0006】
MAPは原核生物機能および真核生物機能にきわめて重要な役割を果たすので、抗生物質としてまたは腫瘍における血管新生を抑制する化学療法剤として役立つかもしれないこれら酵素の阻害剤を新たに発見することに興味が持たれている。しかし、現在のMAP活性モニター法はこの課題を果たすには不適当である。現在のMAP活性モニター法には、ニンヒドリン比色法(Doiら,1981,Anal.Biochem.118,173−184)、アミノ酸オキシダーゼ処理に続くペルオキシダーゼ反応およびo−ジアニシジン発色(CarterおよびMiller,1984,J.Bacteriol.159,453−459)、イオン交換クロマトグラフィーに続いてニンヒドリン(Mooreら,1958,Anal.Biochem.30,1185−1190)、フルオレサミン(Steinら,1973,Arch.Biochem.Biophys.155,202−212)またはo−フタルアルデヒド/β−メルカプトエタノール(Roth,1971,Anal.Chem.43,880−882)でポストカラム誘導体化を行うことによるアミノ酸分析、アミノ酸のプレカラム誘導体化に続く逆相HPLCクロマトグラフィー(CohenおよびStrydom,1988,Anal.Biochem.174,1−16;Zuoら,1994,Anal.Biochem.222,514−516)、ならびに基質ペプチドと生成物の逆相HPLCによる分離および分離された各化合物のオンラインUV検出(Larrabeeら,1999,Anal.Biochem.269,194−198;Walkerら,1999,Biotechnol.Appl.Biochem.29,157−163)などがある。これらの方法は定量的アッセイに十分な感度または精度を持たないか、ハイスループットスクリーニングに十分な迅速性を持たない。したがって、ハイスループットMAP分析を必要とする作業、例えばMAP阻害剤のスクリーニングに使用できるほど十分に迅速かつ定量的なMAP活性の新しいアッセイが必要とされている。
【0007】
(発明の概要)
そこで本発明者らは、迅速かつ定量的で自動化に適した新規MAPアッセイの発明を成し遂げた。本アッセイでは第2のペプチダーゼを使用し、かつMAPによって切断されうるN末端メチオニンと、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ前記第2ペプチダーゼによって当該ペプチドから放出されうるC末端検出部分とを含むペプチドを使用する。
【0008】
例えば本発明の一実施形態は、組成物中のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)活性を検出する方法を対象とする。これらの方法では、(a)前記組成物を、N末端メチオニンを含むペプチドと、前記N末端メチオニンがMAPによって前記ペプチドから切断されて切断型ペプチドが生成しうる条件下で混合し(ただし、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが前記ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されるC末端検出部分を含有する)、(b)(a)で生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させ、(c)放出された検出部分を検出する。好ましい第2ペプチダーゼはジペプチジルペプチダーゼIVである。ジペプチジルペプチダーゼIVを使用する場合、好ましいペプチドはMet−Xaa−Pro(XaaはAla、Cys、GlyまたはSerである)を含み、最も好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである。
【0009】
また本発明は、ある物質があるMAPを阻害するかどうかを決定する方法も対象とする。この方法では、(a)前記物質、前記MAP、およびN末端メチオニンを含むペプチドを、前記N末端メチオニンが前記MAPによって前記ペプチドから切断されて切断型ペプチドが生成しうる条件下で混合し(ただし、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが前記ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されるC末端検出部分を含有する)、(b)(a)で生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させ、(c)放出された検出部分を検出する。先に記載した方法の場合と同様に、好ましい第2ペプチダーゼはジペプチジルペプチダーゼIVであり、好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである。この方法では、MAP阻害剤をより正確に検出するために、検出部分の量を定量することも好ましい。
【0010】
もう1つの実施形態として本発明は、上記の方法での使用に適した反応混合物を対象とする。この反応混合物は、(a)メチオニンアミノペプチダーゼによって切断されうるN末端メチオニンと、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分とを含むペプチド、および(b)前記第2ペプチダーゼを含む。この混合物はMAPを含んでもよい。
【0011】
さらなる一実施形態として本発明は、上記の方法を実施するためのキットであって、上記の方法で説明した第2ペプチダーゼおよびペプチド、ならびに上記方法を実施するための説明書を含むキットを対象とする。本キットはMAPも含むことが好ましい。
【0012】
また本発明は上記の実施形態で説明したペプチドも対象とする。
【0013】
したがって、本発明によって達成されるいくつかの利点の一部として、MAP活性およびMAP阻害剤活性を迅速に検出および定量するための方法および試薬の提供を挙げることができる。これらの方法は今までに達成されたことがない速さ、定量精度および自動実行の可能性を併せ持つので、MAPおよびMAP阻害剤活性の迅速なスクリーニングと定量に、既知の方法よりも適している。
【0014】
(好ましい実施形態の説明)
本発明は迅速かつ定量的なMAPアッセイを対象とする。これらのアッセイでは第2のペプチダーゼとペプチドとを使用する。前記ペプチドはMAPによって切断されうるN末端Metと、前記N末端Metが前記ペプチドから切断された場合にのみ前記第2ペプチダーゼによって前記ペプチドから放出されうるC末端検出部分とを含む。検出部分はペプチドに共有結合されている場合には検出できないが、ペプチドから放出されると検出可能になる。
【0015】
Leu−p−ニトロアニリドなどのペプチド類似体はロイシンアミノペプチダーゼ(EC3.4.11.1)などのアミノペプチダーゼの基質として働くことが知られている。p−ニトロアニリドをLeuに結合すると、405nmにおける光の吸収は、アミノ酸から放出された場合と比べてはるかに少なくなる。したがって、Leu−p−ニトロアニリドをロイシンアミノペプチダーゼで切断してロイシン+p−ニトロアニリドを生成させると、それに付随してA405の定量的増加が起こる。しかしMAPはMet−p−ニトロアニリドを切断してp−ニトロアニリドを放出することができない。
【0016】
他の酵素がp−ニトロアニリド、または他の同様の検出部分に結合された短いペプチドを基質として利用することによりp−ニトロアニリドを放出できることも知られている。注目に値する一例は、Xaa−Pro−p−ニトロアニリド(Xaaは任意のアミノ酸)を切断してp−ニトロアニリドを放出するジペプチジルペプチダーゼIV(EC3.4.14.5)(白血球分化抗原CD26とも呼ばれる)である(例えば図1の反応B)。またジペプチジルペプチダーゼIVは、検出部分の放出速度は低下するものの、末端から2番目のアミノ酸として(Proの代わりに)Alaおよびヒドロキシプロリンを利用することもできる(Ikeharaら,1994,Meth.Enzymol.244,215−227)。また最近になって、ジペプチジルペプチダーゼIVはN末端Tyr−Glyを基質として利用できることも見いだされた(Proostら,1999,J.Biol.Chem.274,3988−3993)。
【0017】
1型または2型MAPをMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドおよびジペプチジルペプチダーゼIVと混合すると、前記ペプチドからp−ニトロアニリドが放出されるのに対して、MAPを含めなかった場合はp−ニトロアニリドが放出されないことを、ここに見いだした(図2)。すなわち、MAPはトリペプチドを基質として利用することによって、例えば図1の反応Aを媒介してGly−Pro−p−ニトロアニリドを生成することができ、ジペプチジルペプチダーゼIVは生成したGly−Pro−p−ニトロアニリドを基質とすることによってp−ニトロアニリドを放出することができる。
【0018】
用語「放出」をペプチド上の検出部分に関して本明細書で使用する場合、この用語は、検出部分とペプチドの間の共有結合が、一般に酵素作用によって破壊されたことを意味する。
【0019】
したがって本発明は、そのいくつかの実施形態において、組成物中のMAP活性を検出する方法を提供する。これらの方法では、(a)前記組成物を、N末端メチオニンを含むペプチドと、前記N末端メチオニンが切断されうる条件下で混合する(ただし、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分も含有する)。組成物との反応によって生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させ、次に、放出された検出部分を検出する。
【0020】
第2ペプチダーゼは、前記ペプチドのN末端メチオニンが除去された場合に前記検出部分を前記ペプチドから放出させることができなければならない。加えて第2ペプチダーゼは、N末端Metが存在する場合には、前記検出部分を前記ペプチドから放出させることができてはならない。また、MAPは一定のアミノ酸(例えばGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはVal)が当該ペプチドの末端から2番目の位置に存在する場合にのみN末端Metをペプチドから切断することができるので、第2ペプチダーゼによって切断されうるペプチド−検出部分はN末端位置にこれらのアミノ酸のうちの1つを持たなければならない。第2ペプチダーゼは、例えばGly−Pro−p−ニトロアニリドを基質として利用することによりp−ニトロアニリドを放出することができるジペプチジルペプチダーゼIVであることが好ましい。このジペプチジルペプチダーゼIV基質のN末端アミノ酸は、末端から2番目のアミノ酸としてMAPに許容されるGlyであることに注目されたい。したがって、Met−Gly−Pro−p−ニトロアニリドはMAPによって切断されて、ジペプチジルペプチダーゼIV基質であるGly−Pro−p−アニリドを放出できるが、Met−Gly−Pro−p−ニトロアニリドそのものはジペプチジルペプチダーゼIV基質ではない。それゆえジペプチジルペプチダーゼIVはこの方法に適した第2ペプチダーゼである。他のペプチダーゼ、例えばGly−Pro−Leu−検出部分を基質として利用することができるトリアミノペプチダーゼ(Aoyagiら,1978,Biochem.Biophys.Res.Commun.80,435)や、Gly−Phe−検出部分を基質として利用することができるカテプシンC(Jadotら,1984,Biochem.J.,219,965;DoughtyおよびGruenstein,1986,Biochem.and Cell Biol.,64,772)なども、第2ペプチダーゼとして役立つだろう。
【0021】
条件を調節しなくても両方のペプチダーゼ反応が起こりうるように、第2ペプチダーゼはMAPと同じ条件(例えば10mMヘペス(pH7.35)、1.5mM MgCl、150mM KCl、10%グリセロール、0.1〜0.5mM Co2+[緩衝液H][Zuoら(前掲)]、30〜35℃)で活性であることが好ましい。そのような第2ペプチダーゼを利用すれば、組成物、ペプチドおよび第2ペプチダーゼを同時にインキュベートして1工程でアッセイを行うことができるだろう。
【0022】
上述のように、本アッセイで使用されるペプチドはMAPによって切断されうるN末端メチオニンを持っていなければならない。すなわち本アッセイで使用されるペプチドは、MAPによるN末端メチオニンの切断を許すアミノ酸(例えばGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはVal)を末端から2番目の位置に持たなければならない。またこのペプチドは、N末端メチオニンが存在しない場合にのみ第2ペプチダーゼによってペプチドから切断されうるC末端検出部分も持っていなければならない。したがって、そのような切断が可能な配列でなければならない。第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVである場合、許容できるペプチドにはMet−Xaa1−Xaa2−検出部分(Xaa1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはVal、好ましくはAla、Cys、GlyまたはSer、最も好ましくはGlyであり、Xaa2はPro、HypまたはAla、最も好ましくはProである)が含まれる。したがってジペプチジルペプチダーゼIVにとって最も好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−検出部分である。しかし活性なMAPが存在する場合には検出部分の放出が起こりMAPが存在しない場合には検出部分の放出が起こらないペプチドであれば、いかなるペプチドでもこれらの方法に役立ちうる。例えばジペプチジルペプチダーゼIVによって切断可能なペプチドの複合体、例えばMet−Gly−Pro−Gly−Pro−検出部分またはMet−Gly−Pro−Gly−Pro−Gly−Pro−検出部分を使用してもよい。なぜならジペプチジルペプチダーゼIVは(MAPによるN末端Met切断後に)各ジペプチドを順次切断して検出部分を放出することができるからである。本発明のペプチドは当技術分野で知られる任意の方法によって製造することができる。
【0023】
これらの方法では、MAPおよび第2ペプチダーゼと共同して検出部分を放出または活性化する(ただしMAPなしでは検出部分を放出または活性化しない)第3の酵素を使用することもできる。この方式では、第3酵素に適合するようにペプチドを設計する。例えば第2ペプチダーゼと第3酵素をジペプチジルペプチダーゼIVおよびカテプシンCとし、ペプチドをMet−Gly−Pro−Gly−Phe−検出部分またはMet−Gly−Phe−Gly−Pro−検出部分として、第2ペプチダーゼと第3酵素を順次作用させることができる。もう一つの選択肢として、第3酵素は検出部分に作用して検出可能なシグナルを生成するものであってもよい。この場合、検出部分は第3酵素の基質、例えば第3酵素であるルシフェラーゼに対してルシフェリンなどである。
【0024】
検出部分がペプチドから放出されて検出可能なシグナルを生成する能力を持つ限り、検出部分の選択によって本発明が狭く限定されることはない。検出部分は、後続の工程によって、例えばクロマトグラフィー、遠心分離または電気泳動的分離によって、または(上述の)酵素反応によって検出できる部分であることができる。この点に関して、(1)第2ペプチダーゼによってペプチドから放出された時に当該酵素の活性が増加し、かつ(2)当該酵素の作用後に検出することが可能な基質に対して、当該酵素が活性を持っているのであれば、検出部分自体が酵素であってもよい。検出部分は、例えば肉眼、測光法または蛍光手段などによって容易に検出できるものであることが好ましい。このような部分の具体例として、放出されると蛍光を発するクレシルバイオレット(Van Noordenら,1997,Anal.Biochem.252,71−77);放出されるとやはり蛍光を発する7−アミノ−3−トリフルオロメチルクマリン(Lojda,1996,Acta Histochem 98,215−218);放出されるとやはり蛍光を発する4−メトキシ−2−ナフチルアミン(Scharpeら,1988,Clin.Chem.34,2299−2301)または2−ナフチルアミン(Ikeharaら(前掲));放出されるとテトラゾリウム塩と反応して水不溶性で濃色のホルマザンを形成する1−ヒドロキシ−4−ナフチルアミド(本法のいくつかの固相形式に有用);放出されると600nmに吸収極大を持つ化合物2,6−ジブロモフェノール−インド−p−キシレノールを形成する3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシアニリド(Shibuya−Sarutaら,1995,J.Clin.Lab.Anal.9,113−118);および放出されると415nmに吸収極大を持つp−ニトロアニリド(同上)などがあるが、これらに限るわけではない。好ましい検出部分はp−ニトロアニリドである。なぜならp−ニトロアニリドは、例えばジペプチジルペプチダーゼアッセイ(例:ペプチドGly−Pro−p−アニリドなどを用いるアッセイ)で、検出部分として広く使用されているからである。p−ニトロアニリドの検出にはいくつかの異なる検出方法が使用されている(Ikehara(前掲))。例えばこの化合物は、385nmなどの波長で測光法的にまたは分光法的に、直接視覚化または測定することができる。より感度の高いp−ニトロアニリド検出法では、ジアゾ化およびN−(1−ナフチル)エチレンジアミンとのカップリングにより、548nmで測定できる生成物を生成させる(同上)。
【0025】
本発明は様々なアッセイ形式を包含する。例えば本アッセイは、まず(MAPを含んでいるかもしれない)組成物をペプチドと混合して、存在するMAPにN末端メチオニンを前記ペプチドから切断させた後、第2ペプチダーゼを加えて検出部分を放出させるという二工程法で実施することができる。この形式は、第2ペプチダーゼがその活性に異なる要件(例えば異なる至適pHまたは至適温度)を有しており、第2ペプチダーゼを添加する前に条件を変化させることができる場合に有用だろう。しかしアッセイは、組成物、ペプチドおよび第2ペプチダーゼを同時に混合しインキュベートして検出部分を遊離させるという1工程で実施されることが好ましい。
【0026】
本方法は完全に水溶液中で(例えばチューブまたはマイクロタイターウェル中で)実施するか、または部分的にもしくは完全に固相で実施することができる。例えばビーズ、チューブ、またはウェルにペプチダーゼを吸着または共有結合し、他の成分が溶解状態である場合や、アッセイ全体をニトロセルロース膜などの固相で行い、検出部分がペプチドからの放出により不溶性の検出可能な生成物を生じる場合などに、固相を使用することができる。このような固相形式は、組織中に存在するMAPを局在化するための組織化学的用途にも使用することができる。これらの用途では、ペプチドをジペプチジルペプチダーゼIVと共に組織に適用する。MAP「シグナル」が組織中のMAP位置から移動しないように、検出部分はペプチドから放出された時に不溶性になることが好ましい。
【0027】
これらの方法は定性的にも定量的にも使用することができる。例えば本方法は、放出された検出部分を単に視覚化することにより、MAPの生産または精製をモニターするために、定性的に使用することができる。本方法は、検出部分を定量し、その値を既知MAP活性の対照と比較することにより、上記の生産または精製を定量的にモニターするために、または組織もしくは液体飼料中のMAP活性を定量的に測定するために使用することもできる。
【0028】
本発明はもう一つの実施形態として、ある物質があるMAPを阻害するかどうかを決定する方法を提供する。これらの方法は、一定量のMAPを使用し、MAPをペプチドと混合する前に前記物質を加える点を除いて、MAP活性に関する上記の方法と同様に実施される。したがって本方法では、前記物質、前記MAP、およびN末端メチオニンを含むペプチドを、前記N末端メチオニンが前記MAPにより前記ペプチドから切断されて切断型ペプチドを生成しうる条件下で混合し(ただし、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが前記ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されるC末端検出部分を含有する)、生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させ、放出された検出部分を検出する。当該物質がMAPを阻害する場合は、当該物質がMAPを阻害しない場合よりも、ペプチドから放出される検出部分が少ない(または検出部分がペプチドから放出されない)ことになる。したがって、放出された検出部分の量が、阻害剤がない場合に放出される量よりも少ないかどうかを決定することができるように、非阻害剤対照を使用することが好ましい。また、MAPではなく第2ペプチダーゼが阻害されている可能性を排除するための対照を使用することも好ましい。例えば第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVである場合、そのような対照はMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドの代わりにペプチドGly−Pro−p−ニトロアニリドを使用することだろう。
【0029】
この阻害剤検出法では、任意の供給源に由来するMAPまたは第2ペプチダーゼを使用することができる。しかし、一部の既知MAP阻害剤は一部の形態のMAPしか阻害しない(例えばフマギリンは2型MAPを阻害するが1型MAPは阻害しない)ので、このアッセイ用に選択されたMAPは、阻害することを望むMAPと類似するか同じであるべきである。
【0030】
MAPおよび第2ペプチダーゼは純粋な形であるか、または不純品の他の成分がMAP−ペプチドまたはMAP−第2ペプチダーゼ反応を妨害しないという条件の下に不純な形、例えば細胞溶解液であることができる。一変形として、MAPおよび第2ペプチダーゼをトランスジェニック細胞(当技術分野公知の方法で製造したもの)で製造し、そこにペプチドおよび阻害剤を添加することもできる。
【0031】
これらの方法は、MAP阻害剤を定性的または定量的にスクリーニングするために使用することができる。例えば、求めている阻害剤を使った処理とそのような阻害剤を使用しない処理または対照とで、放出された検出部分の相違が視覚的に容易に確認することができる場合、本方法は、ある物質が強力なMAP阻害剤であるかどうかを評価するために定性的に使用することができる。また本方法は、放出された検出部分を定量し、その値を既知量の阻害剤を含む対照と比較することにより、ある物質の相対的阻害活性を定量的に評価するために、または例えば組織もしくは液体試料中の阻害剤の量を定量するために使用することもできる。例えば血管新生を防ぐためにフミギリン(fumigillin)で処置した癌患者の組織中の同MAP阻害剤の量を、これらの方法でモニターすることができる。
【0032】
これらの阻害剤検出法は、MAPおよび第2ペプチダーゼおよび/または第3酵素(第3酵素を使用する場合)の阻害剤活性に関して、化合物を同時にスクリーニングするために使用することもできる。この方式では、阻害剤をMAP、第2ペプチダーゼ、および所望により第3酵素と共に加える。次に検出部分の放出を阻害する物質をすべて第2ペプチダーゼおよび/または第3酵素の阻害について評価する。例えばMAP、ジペプチジルペプチダーゼIV、カテプシンCおよびペプチドMet−Gly−Pro−Gly−Phe−p−ニトロアニリドを使って、ある物質の阻害活性を試験することができる。当該物質がこれらの酵素のどれについても阻害的でない場合は、p−ニトロアニリドが放出されるだろう。しかし、放出されるp−ニトロアニリドの量が減少する場合は、Gly−Pro−p−ニトロアニリド(ジペプチジルペプチダーゼIV基質)またはGly−Phe−p−ニトロアニリド(カテプシンC基質)を使用して、当該物質を試験することができる。当該阻害剤がGly−Pro−p−ニトロアニリドを使用した場合にはp−ニトロアニリドの放出を許さず、Gly−Phe−p−ニトロアニリドを使用した場合には放出を許すのであれば、当該阻害剤はジペプチジルペプチダーゼIVに特異的であり、結果が逆であれば、当該阻害剤はカテプシンCに特異的である。
【0033】
本発明は、さらなる実施形態として、MAPを検出する方法またはMAP、第2ペプチダーゼまたは第3酵素の阻害剤を検出する方法に役立つ反応混合物を提供する。本反応混合物は、(a)MAPによって切断されうるN末端メチオニンと、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分とを含むペプチドおよび(b)前記第2ペプチダーゼの混合物を含む。また、この実施形態の反応混合物は、pHおよびイオン強度などの因子がMAPおよび第2ペプチダーゼの活性に適していなければならないという点で、上記MAP検出法の反応混合物としての使用に適していなければならない。この反応混合物中の好ましい第2ペプチダーゼはジペプチジルペプチダーゼIVである。第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVである場合、好ましいペプチドはMet−Xaa−Pro(XaaはAla、Cys、GlyまたはSerである)を含み、最も好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである。これらの反応混合物はMAPを含んでもよい。これはMAP阻害剤を検出する方法に役立つ。
【0034】
本発明は、さらなる実施形態として、MAPを検出する方法またはMAP、第2ペプチダーゼまたは第3酵素の阻害剤を検出する方法の実施に役立つキットを提供する。本キットは、(a)MAPによって切断されうるN末端メチオニンと、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分とを含むペプチド、(b)前記第2ペプチダーゼ、および(c)前記方法を実施するための説明書を含む。これらのキット中の好ましい第2ペプチダーゼはジペプチジルペプチダーゼIVである。第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVである場合、好ましいペプチドはMet−Xaa−Pro(XaaはAla、Cys、GlyまたはSerである)を含み、最も好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである。これらのキットは好ましくはMAPも含む。これはMAP阻害剤を検出する方法に役立ち、またはMAPを検出する方法における対照の一成分として役立つ。これらのキットの各成分は個別の容器に入れることができ、または一部の成分もしくは全ての成分を混合してもよい。
【0035】
本発明は、さらなる実施形態として、メチオニンアミノペプチダーゼによって切断されうるN末端メチオニンと、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分とを含むペプチドを提供する。これらの実施形態の場合、好ましいペプチドはMet−Xaa−Pro(XaaはAla、Cys、GlyまたはSerである)を含み、最も好ましいペプチドはMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである。
【0036】
(産業上の利用)
本発明の方法および組成物は、迅速かつ定量的なMAPまたはMAP阻害剤の検出、新しいMAPまたはMAP阻害剤の単離、精製もしくは定量、または試料中のMAP活性の決定または定量に有用である。
【0037】
本発明の好ましい実施形態を以下の実施例に説明する。本願特許請求の範囲に包含される他の実施形態は、本明細書を検討しまたは本明細書に開示する発明を実施すれば、当業者には明らかになるだろう。本明細書は実施例を含めて単なる具体例に過ぎないとみなされ、本発明の範囲と精神は特許請求の範囲によって示されるものとする。
【0038】
(実施例)
本実施例では、本発明に従ってMAPを定量する方法およびMAPの阻害剤を検出する方法の実施形態を例示する。
【0039】
Met−Gly−Pro−p−ニトロアニリドがMAPの基質であるかどうか、またジペプチジルペプチダーゼの存在がMAPの活性に影響を及ぼすかどうかを決定するために、Zuoら(前掲)に記載されているAccQ−Tagアッセイを使用した。表1はこのペプチドが1型MAPと2型MAPの両方の基質であることを示している。
【0040】
【表1】
Figure 0003727269
1型MAPと2型MAPの活性はどちらもジペプチジルペプチダーゼIVの添加による影響を受けなかった。
【0041】
次に、マイクロタイター形式でp−ニトロアニリドの放出をモニターすることによりMAP活性を決定した。96穴マイクロタイタープレートのウェルに入れた0.1M KClおよび0.1mM Co2+を含む47μlの緩衝液H(10mMヘペス(pH7.4)、10%グリセロール)に、精製した1型MAPまたは2型MAP(0.6μg)および/または0.001単位のジペプチジルペプチダーゼIVを加えた。37℃で5分間インキュベートした後、この混合物に2mMのMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドを加えて反応を開始した。放出されたp−ニトロアニリドを検出するために405nmに設定したマイクロタイタープレートリーダーを使って、反応の進行を記録した。図2に示すように、MAP(いずれかのタイプ)がジペプチジルペプチダーゼIVと共に存在する場合にのみ、p−ニトロアニリド放出量の有意な増加が起こった。これらの曲線は再現性が高く線形で、相関係数(r)>0.98である。
【0042】
2型MAP阻害剤の検出を目的とする本方法の使用を実証するために、様々な量のフミギリンを各反応に加えた。MAP溶液と共に37℃で10分間インキュベートした後、2mMのMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドを加えて反応を開始し、p−ニトロアニリドの放出を上述のようにマイクロタイタープレートリーダーを使って405nmでモニターした。Gly−Pro−p−ニトロアニリドを基質として使用することにより、ジペプチジルペプチダーゼIV活性に対するフミギリンの影響も調べた。図3に示すように、1型MAPおよびジペプチジルペプチダーゼIV活性はどちらも、900nMフマギリンの存在下でさえ影響を受けなかったが、2型MAP活性は500nMフミギリンによって完全に阻害された。これらの結果はAccQ−Tag法(Griffithら(前掲))で得られた結果ときわめて類似しており、これが新しいMAP阻害剤の信頼できる同定法であることを示している。
【0043】
本明細書で引用した参考文献はすべて参照して本明細書に組み込まれる。本明細書における参考文献の説明は単に著者らの主張を要約しようとするものであって、これらの参考文献が先行技術を構成すると認めるわけではない。出願人らは引用文献の正確性および関連性に異議を申し立てる権利を留保する。
【0044】
上記の説明に照らせば、本発明のいくつかの利点が成し遂げられ、他の利点も達成されることがわかるだろう。
【0045】
上記の方法および組成物には本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができるので、上記の説明に含まれる事物および添付の図面に示す事物は全て例示であって限定的意味はないと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に役立つMAP(A)およびジペプチジルペプチダーゼIV(B)によって触媒される反応を表す図。
【図2】 ペプチドMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドを使用し本発明に従って実施したMAPに関するアッセイ結果を示すグラフであり、ジペプチジルペプチダーゼIVは1型MAP(●−●)および2型MAP(○−○)の存在下ではp−ニトロアニリドを放出できるが、ジペプチジルペプチダーゼIVだけ(▽−▽)ではp−ニトロアニリドを放出できない。
【図3】 ジペプチジルペプチダーゼIVおよびペプチドMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドを使用し本発明に従って行ったフマギリンによるMAPの阻害に関するアッセイ結果を表すグラフであり、2型MAPを使用した場合(▽−▽)はp−ニトロアニリドの放出がフマギリンによって強く阻害されたが、1型MAPを使用した場合(○−○)またはジペプチジルペプチダーゼIVをGly−Pro−p−ニトロアニリドと共に使用した場合(●−●)には、p−ニトロアニリドの放出は阻害されなかった。

Claims (22)

  1. 組成物中のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)活性を検出する方法であって、
    (a)前記組成物を、Met−Xaa1−Xaa2またはMet−[Xaa1−Pro]nにより示される配列からなるペプチドと、前記配列の前記N末端メチオニンがMAPによって前記ペプチドから切断されて切断型ペプチドが生成しうる条件下で混合すること(ただし、Xaa1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはValであり、Xaa2はProまたはAlaであり、nは1、2もしくは3であり、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが前記ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されるC末端検出部分を含有する)、
    (b)前記(a)で生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させること、
    (c)放出された検出部分を検出すること、
    を含む方法。
  2. 前記(a)および(b)が1つの水性反応混合物中で行われる請求項1の方法。
  3. 前記検出部分がp−ニトロアニリドである請求項1の方法。
  4. 前記第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVであり、前記ペプチドがMet−Xaa1−Pro(Xaa1はAla、Cys、GlyまたはSerである)を含む請求項1の方法。
  5. 前記ペプチドがMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである請求項4の方法。
  6. ある物質があるメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)を阻害するかどうかを決定する方法であって、
    (a)前記物質を、Met−Xaa1−Xaa2またはMet−[Xaa1−Pro]nにより示される配列からなるペプチドと、前記配列の前記N末端メチオニンがMAPによって前記ペプチドから切断されて切断型ペプチドが生成しうる条件下で混合すること(ただし、Xaa1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはValであり、Xaa2はProまたはAlaであり、nは1、2もしくは3であり、前記ペプチドは前記N末端メチオニンが前記ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されるC末端検出部分を含有する)、
    (b)前記(a)で生成した切断型ペプチドを前記第2ペプチダーゼと反応させて前記検出部分を放出させること、
    (c)放出された検出部分を検出すること、
    を含む方法。
  7. 前記検出工程が放出された検出部分の量を定量することを含む請求項6の方法。
  8. 前記(a)および(b)がどちらも1つの水性反応混合物中で行われる請求項6の方法。
  9. 前記第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVであり、前記ペプチドがMet−Xaa1−Pro(Xaa1はAla、Cys、GlyまたはSerである)を含む、請求項6の方法。
  10. 前記C末端検出部分がp−ニトロアニリドを含む請求項6の方法。
  11. 前記ペプチドがMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドである請求項6の方法。
  12. 前記MAPが2型MAPである請求項1の方法。
  13. 前記MAPがヒトMAPである請求項12の方法。
  14. (a)Met−Xaa1−Xaa2またはMet−[Xaa1−Pro]nにより示される配列(ただし、Xaa1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ProまたはValであり、Xaa2はProまたはAlaであり、nは1、2もしくは3である)と、前記N末端メチオニンが当該ペプチドから切断された場合にのみ第2のペプチダーゼによって放出されうるC末端検出部分からなるペプチド、および
    (b)前記第2ペプチダーゼ
    を含み、請求項2の反応混合物としての使用に適する反応混合物。
  15. 前記第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVであり、前記ペプチドがMet−Xaa1−Pro(Xaa1はAla、Cys、GlyまたはSerである)を含む請求項14の反応混合物。
  16. 前記ペプチドがMet−Gly−Prop−ニトロアニリドである請求項15の反応混合物。
  17. さらにMAPを含む請求項14の反応混合物。
  18. 前記MAPが2型MAPである請求項17の反応混合物。
  19. 請求項2の方法を実施するためのキットであって、前記第2ペプチダーゼ、前記ペプチド、および前記方法を実施するための説明書を含むキット。
  20. 前記第2ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼIVであり、前記ペプチドがMet−Xaa1−Pro−p−ニトロアニリド(Xaa1はAla、Cys、GlyまたはSerである)である請求項19のキット。
  21. さらにMAPを含む請求項19のキット。
  22. 前記ペプチドがMet−Gly−Pro−p−ニトロアニリドであり、前記MAPが2型MAPである請求項21のキット。
JP2001530447A 1999-10-14 2000-10-12 メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤の同定方法 Expired - Fee Related JP3727269B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/418,135 1999-10-14
US09/418,135 US6261794B1 (en) 1999-10-14 1999-10-14 Methods for identifying inhibitors of methionine aminopeptidases
PCT/US2000/041146 WO2001027242A2 (en) 1999-10-14 2000-10-12 Methods for identifying inhibitors of methionine aminopeptidases

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003511063A JP2003511063A (ja) 2003-03-25
JP3727269B2 true JP3727269B2 (ja) 2005-12-14

Family

ID=23656861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001530447A Expired - Fee Related JP3727269B2 (ja) 1999-10-14 2000-10-12 メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤の同定方法

Country Status (8)

Country Link
US (2) US6261794B1 (ja)
EP (1) EP1221954B1 (ja)
JP (1) JP3727269B2 (ja)
AT (1) ATE339210T1 (ja)
AU (1) AU2113001A (ja)
CA (1) CA2387126A1 (ja)
DE (1) DE60030744T2 (ja)
WO (1) WO2001027242A2 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081415A2 (en) * 2001-04-03 2002-10-17 Smithkline Beecham Corporation Method for inhibiting metap2
US20020182701A1 (en) * 2001-08-30 2002-12-05 Saint Louis University Dominant negative variants of methionine aminopeptidase 2 (MetAP2) and clinical uses thereof
US20050222212A1 (en) * 2002-03-27 2005-10-06 Marino Joseph P Compounds and methods
US7195884B2 (en) * 2002-07-19 2007-03-27 Promega Corp. Methods and kits for transferases
US7550590B2 (en) 2003-03-25 2009-06-23 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
US7638638B2 (en) 2003-05-14 2009-12-29 Takeda San Diego, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
ZA200602051B (en) 2003-08-13 2007-10-31 Takeda Pharmaceutical 4-pyrimidone derivatives and their use as peptidyl peptidase inhibitors
US7678909B1 (en) 2003-08-13 2010-03-16 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
US7169926B1 (en) 2003-08-13 2007-01-30 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2005026148A1 (en) 2003-09-08 2005-03-24 Takeda San Diego, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2005061529A1 (ja) * 2003-12-01 2005-07-07 Meiji Dairies Corporation アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド
US7732446B1 (en) 2004-03-11 2010-06-08 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
CN102127053A (zh) * 2004-03-15 2011-07-20 武田药品工业株式会社 二肽基肽酶抑制剂
US7109015B2 (en) * 2004-03-29 2006-09-19 Academia Sinica Removal of N-terminal methionine from proteins by engineered methionine aminopeptidase
US7687638B2 (en) 2004-06-04 2010-03-30 Takeda San Diego, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2006019965A2 (en) 2004-07-16 2006-02-23 Takeda San Diego, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
US7872124B2 (en) * 2004-12-21 2011-01-18 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
AU2006239560B2 (en) * 2005-04-28 2010-03-25 Unilever Plc Peptides having an ace inhibiting effect
WO2007033265A1 (en) * 2005-09-14 2007-03-22 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors for treating diabetis
DK1942898T4 (da) 2005-09-14 2014-06-02 Takeda Pharmaceutical Dipeptidylpeptidase-inhibitorer til behandling af diabetes
KR101368988B1 (ko) 2005-09-16 2014-02-28 다케다 야쿠힌 고교 가부시키가이샤 디펩티딜 펩티다제 억제제
US7740691B2 (en) * 2006-01-10 2010-06-22 Edwin W. Cash Gas treating method and apparatus
WO2007112347A1 (en) 2006-03-28 2007-10-04 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors
US8324383B2 (en) 2006-09-13 2012-12-04 Takeda Pharmaceutical Company Limited Methods of making polymorphs of benzoate salt of 2-[[6-[(3R)-3-amino-1-piperidinyl]-3,4-dihydro-3-methyl-2,4-dioxo-1(2H)-pyrimidinyl]methyl]-benzonitrile
PE20081150A1 (es) * 2006-09-13 2008-10-03 Takeda Pharmaceutical Inhibidores de dipetidilpeptidasa
TW200838536A (en) 2006-11-29 2008-10-01 Takeda Pharmaceutical Polymorphs of succinate salt of 2-[6-(3-amino-piperidin-1-yl)-3-methyl-2,4-dioxo-3,4-dihydro-2H-pyrimidin-1-ylmethy]-4-fluor-benzonitrile and methods of use therefor
US8093236B2 (en) 2007-03-13 2012-01-10 Takeda Pharmaceuticals Company Limited Weekly administration of dipeptidyl peptidase inhibitors
US20100144140A1 (en) * 2008-12-10 2010-06-10 Novellus Systems, Inc. Methods for depositing tungsten films having low resistivity for gapfill applications
WO2013125622A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 森永乳業株式会社 ジペプチジルペプチダーゼ-iv阻害剤

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5255593A (en) * 1975-10-30 1977-05-07 Ajinomoto Kk Measuring method of enzyme activity
NL7607684A (nl) * 1976-07-12 1978-01-16 Akzo Nv Werkwijze ter bereiding van nieuwe peptiden en peptide-derivaten en de toepassing hiervan.
US5268164A (en) * 1990-04-23 1993-12-07 Alkermes, Inc. Increasing blood-brain barrier permeability with permeabilizer peptides
NL9401886A (nl) * 1994-05-27 1996-01-02 Dsm Nv Samenstelling bestaande uit een dendrimeer en een in het dendrimeer opgesloten actieve stof, een werkwijze voor de bereiding van een dergelijke samenstelling en een werkwijze voor het vrijgeven van de actieve stof.
AU688054B2 (en) * 1994-06-17 1998-03-05 La Trobe University Biological control of insects
US5885820A (en) 1996-01-31 1999-03-23 St. Louis University Clone of a nucleotide sequence encoding a protein having two functions
EP1026988A4 (en) * 1997-10-10 2005-03-30 Cytovia Inc FLUORESCENT DISPLAY MOLOCCULE AND APPLICATIONS, INCLUDING CASPASED DOSING
CN1247777C (zh) * 1997-12-16 2006-03-29 诺沃奇梅兹有限公司 具有氨肽酶活性的多肽及其编码核酸
US6136604A (en) * 1999-10-27 2000-10-24 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense inhibition of methionine aminopeptidase 2 expression

Also Published As

Publication number Publication date
ATE339210T1 (de) 2006-10-15
US6261794B1 (en) 2001-07-17
EP1221954A2 (en) 2002-07-17
DE60030744D1 (de) 2006-10-26
EP1221954B1 (en) 2006-09-13
US20010047078A1 (en) 2001-11-29
WO2001027242A3 (en) 2001-12-20
US6593454B2 (en) 2003-07-15
CA2387126A1 (en) 2001-04-19
WO2001027242A2 (en) 2001-04-19
AU2113001A (en) 2001-04-23
EP1221954A4 (en) 2002-11-27
DE60030744T2 (de) 2007-09-20
JP2003511063A (ja) 2003-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3727269B2 (ja) メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤の同定方法
Hewings et al. Activity‐based probes for the ubiquitin conjugation–deconjugation machinery: new chemistries, new tools, and new insights
EP0046742B1 (en) Peptide substrates for determination of protease activity
CA2212669A1 (en) Dioxetane compounds for the chemiluminescent detection of proteases, methods of use and kits therefore
Hortin et al. [61] Applications of amino acid analogs for studying co-and posttranslational modifications of proteins
WO2001040506A1 (fr) Procede pour mesurer l'activite des desacetylases et procede pour cribler un inhibiteur ou un promoteur de ces enzymes
EP1743034B1 (fr) Substrats peptidiques reconnus par la toxine botulique de type a, bont/a et leurs utilisations
US4372941A (en) Novel radioassay procedure
EP0078703A2 (en) New tagged pyroglu-l-phe-l-arg derivatives, substrates and assays for kallikrein
Gaczynska et al. Characterization of noncompetitive regulators of proteasome activity
Rush et al. Fluorogenic substrates for the enkephalin-degrading neutral endopeptidase (Enkephalinase)
JPH11341998A (ja) アポト―シス細胞及びアポト―シスの間に活性化されたプロテア―ゼの検出のための方法及び試薬
US20080113396A1 (en) Kits and peptides for transferases
US4276378A (en) High sensitivity assays for angiotensin converting enzyme
US4260682A (en) High sensitivity assays for angiotensin converting enzyme
JP4043535B2 (ja) ペプチド基質並びにこれを用いるプロテイナーゼa活性およびビールの泡安定性の測定方法
JP3667470B2 (ja) 酸性カルボキシペプチダーゼ活性の測定法及び測定試薬
FR2869908A1 (fr) Substrat peptidique reconnu par la toxine botulique de type a, bont/a et son utilisation pour detecter et/ou doser ladite toxine ou des inhibiteurs de son activite
Ruddraraju et al. Activity‐Based Probes for Profiling Protein Activities
GACZYNSKA et al. Proteasome Activity
Makevnina et al. Fragmentation of Rabbit Low Molecular Weight Kininogen by Pig Pancreatic
EP1217078A1 (en) Phosphatase immunoassay using antibodies against bisphosphorylated substrates
JP2004533489A (ja) 新規の色素形成基質およびカルボキシペプチダーゼ活性を分析する際のその使用
JPH0542274B2 (ja)
WO2006044918A2 (en) Compounds useful as substrates for enzymes that reverse nucleotidylylated peptide and protein modifications and methods for production and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20041228

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050722

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081007

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees