JP3726785B2 - 機械加工機の潤滑油ミスト供給装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械加工機の潤滑油ミスト供給装置、より詳しく言えば、圧縮エアによりミスト化(霧化)された潤滑油ミストの供給下で所定の加工を行う機械加工機に対する潤滑油ミスト供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、工作機械を用いてワークに機械加工を行う場合、少なくともワークの加工部(つまり、加工工具の刃先)に対して潤滑油を供給し、この加工工具の刃先を潤滑しながら行うのが普通である。このように加工時に潤滑油の供給を行う場合、所要の潤滑油を圧縮エアによりミスト化(霧化)した状態で、ワークの加工部に供給することが求められる場合が多々ある。
【0003】
潤滑油を圧縮エアでミスト化するには、一般に0.3〜1MPa程度の圧力の圧縮エアが必要とされ、かかる圧縮エアは、通常、工場内に設置されたエアコンプレッサ(つまり、工場エア用のコンプレッサ)から供給される。この工場エア用コンプレッサは、通常、工場内の多数の圧縮エア使用機器に対して圧縮エアを供給できるように、一定以上の大きなエア排出容量を有するものが選定されるが、工場内に多数配置される機械装置や他の設備のレイアウト等の都合などにより、工作機械の配置ゾーンから比較的離れた箇所に設置される場合が少なくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、圧縮エアを必要とする工作機械からある程度以上離れた箇所にエアコンプレッサが設置されている場合には、途中の供給配管で生じる圧力損失が大きくなり、圧縮エアの供給効率が低下し、また、極端な場合には所要の圧力が得られなくなるという懸念もある。更に、大容量の工場エア用コンプレッサを駆動するために、かなりの動力コストが必要になるというコスト上の問題もあった。
【0005】
尚、エア動力工具に潤滑油をミスト化して供給するものとして、例えば特開平5−162046号公報では、工具の動力源として供給される圧縮エアの一部を利用して潤滑油をミスト化して供給するようにした構成が開示されている。この構成によれば、確かに、圧縮エアの利用効率は高められるものの、工具動力源としての圧縮エアを供給するために大容量の工場エア用コンプレッサが必要であることには変わり無く、やはり、途中配管での圧力損失およびコンプレッサの動力コストの問題がつきまとうことになる。
【0006】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークの加工部に供給することができる機械加工機の潤滑油ミスト供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ところで、工作機械の中でも例えば穴加工機などの場合、加工工具(ドリル工具)を取り付けた加工軸を有する加工ヘッドがワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の穴加工が行われる。
本願発明者は、上述の技術的課題に鑑みて鋭意研究開発を重ねる中で、このようなタイプの工作機械の場合、その加工プロセスで加工軸がワークの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成せしめることを着想した。
【0008】
そこで、本願請求項1の発明(以下、第1の発明という)に係る機械加工機の潤滑油ミスト供給装置は、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の加工を行う機械加工機に対し、圧縮エアによりミスト化された潤滑油ミストを供給する機械加工機の潤滑油ミスト供給装置であって、上記機械加工機に付設されたシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンとを有し、該ピストンの摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、上記加工軸の移動に連繋して上記ピストンを駆動する連繋手段と、少なくとも上記ワークの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、該潤滑油供給手段からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアによりミスト化し、その潤滑油ミストを少なくとも上記ワークの加工部に向かって噴霧供給する噴霧供給手段と、を備えたことを特徴としたものである。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記連繋手段は、上記加工軸と上記ピストンとを一体的に連結する連結部材でなることを特徴としたものである。
【0010】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、上記第1の発明において、上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように構成され、上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、ことを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項4の発明(以下、第4の発明という)は、上記第1の発明において、上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成され、上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、ことを特徴としたものである。
【0012】
また、更に、本願の請求項5に係る発明(以下、第5の発明という)は、上記第第1の発明において、上記潤滑油供給手段のポンプ装置は、上記エア圧縮手段で圧縮されたエアを利用して駆動されることを特徴としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば穴加工専用機に適用した場合を例に取って、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
この図に示すように、本実施の形態に係る穴加工機M1は、例えば、主軸7を1本だけ備えた1軸型のもので、ベッド1上にスライドレール3が固定され、該スライドレール3上に主軸ヘッド5がスライド動作可能に配設されている。
【0014】
該主軸ヘッド5は単一の主軸7を有しており、この主軸7に穴加工用の工具9(ドリル工具)が取り付けられている。このドリル工具9の前方には、ワーク固定台11上に固定されたワークWが位置しており、主軸ヘッド5の(つまり、主軸7の)矢印Yf方向への移動に伴って、このワークWの所定部位に穴加工が施される。
【0015】
一方、主軸ヘッド5の後方のベッド1上には、ヘッド駆動モータ13が固定されており、該モータ13の駆動力が、カップリング15を介してボールネジ17に伝達される。そして、このボールネジ17が回転駆動されることにより、主軸ヘッド5が、スライドレール3に沿って、矢印Yf方向又は矢印Yr方向へスライド移動するようになっている。
【0016】
すなわち、加工工具9(ドリル)を取り付けた加工軸7(主軸)を備えた主軸ヘッド5が、ヘッド駆動モータ13の駆動力により矢印Yfに沿った方向に前進し、ワークWの加工部に向かって移動することにより当該ワークWに所定の穴加工を行う。そして、加工を終えると、主軸ヘッド5が矢印Yrに沿った方向に後退するようになっている。
【0017】
上記ワークWの近傍には、当該ワークWの加工部に潤滑油を吹き付ける潤滑油ノズル21のノズル穴21hが、ワークWの加工部を臨むように位置している。潤滑油ノズル21の内部には、オイルポンプ25の吐出口に繋がれたオイル管23が導かれており、該オイル管23の先端は、潤滑油ノズル21の途中部でノズル穴21hに向けて開口している。そして、上記オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられた潤滑油は、上記オイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給される。尚、上記オイルポンプ25は、より好ましくは、エア駆動式のものである。
【0018】
本実施の形態では、上記潤滑油を圧縮エアによりミスト化(霧化)するに際して、工場内に設置されたエアコンプレッサ(つまり、工場エア用のコンプレッサ)から供給される圧縮エアを用いるのではなく、当該穴加工機M1専用のエア圧縮手段を設け、該手段で生成した圧縮エアを上記潤滑油ノズル21に供給するようにしている。
【0019】
すなわち、穴加工機M1のベッド1には、主軸ヘッド5の移動方向と平行に中空シリンダ31が配設され、該シリンダ31内にピストン32が摺動自在に収容されている。該ピストン32は、シリンダ31の内壁に対して気密にシールされた状態でシリンダ31の長手軸方向に摺動する。従って、シリンダ31の内壁とピストン32の前面とで形成される圧力室Rの圧力は、ピストン32が矢印Yfに沿った方向に移動するに連れて上昇し、その内部のエアが圧縮される。
【0020】
上記ピストン32は、主軸ヘッド5の移動(つまり、主軸7の移動)に連繋して駆動される。具体的には、主軸ヘッド5の外面部分とピストン32の駆動軸32r(ピストンロッド)とを一体的に連結する連結バー33が設けられており、主軸ヘッド5の矢印Yf又は矢印Yrに沿った方向の移動動作が、簡単な機械的構成で、ピストンロッド32rに対して確実に伝達される。
【0021】
従って、穴加工機M1の加工プロセスにおいて、主軸7が(つまり、主軸ヘッド5が)ワークWの加工部に向かって移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ31の圧力室R内が昇圧し、圧縮エアが生成される。このため、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。
【0022】
上記シリンダ31の圧力室Rには、逆止弁36が介設されたエア導入管35と、制御弁38が介設されたエア吐出管37とが接続されている。
上記エア導入管35の端末側は大気に開放されており、上記逆止弁36は、通常時は閉じているが、ピストン32の戻り工程で圧力室R内の圧力が大気圧以下に下がった場合に開弁して、エアを圧力室R内に導入する。
【0023】
また、上記エア吐出管37は、制御弁38の下流側で、潤滑油ノズル21に接続された第1吐出管37aと、オイルポンプ25に接続された第2エア吐出管37bとに分岐している。
そして、シリンダ31の圧力室Rで生成されエア吐出管37から吐出された圧縮エアの一部は、上記第2吐出管37bからオイルポンプ25に供給され、該ポンプ25を駆動する。
【0024】
一方、上記エア吐出管37から吐出された圧縮エアの残りは、上記第1吐出管37aを介して潤滑油ノズル21内へ、その基端側からノズル穴21h側に向かって供給される。内部にオイル管23が挿入された潤滑油ノズル21は、所謂、ベンチュリー構造を有しており、オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられオイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給された潤滑油は、ノズル21内で上記第1吐出管37aからの圧縮エアと混合するとともに、この圧縮エアによってミスト化される。
【0025】
主軸ヘッド5がワークWに向かって前進しドリル工具9による穴加工が行われる加工プロセスでは、上記のようにしてミスト化された潤滑油ミストが、ノズル穴21hからワークWの加工部に向かって(つまり、ドリル工具9の刃先部分に向かって)噴霧供給されるようになっている。
この場合、圧縮エアを生成するシリンダ31は当該穴加工機M1に付設されているので、圧縮エアの使用箇所であるワークWの加工部との距離は非常に短く、圧縮エア送給途中での圧力損失も極めて僅かである。
【0026】
また、上記シリンダ31のエア吐出管37に介設された制御弁38は、より好ましくは、当該穴加工機M1の制御コントローラ(不図示)に信号授受可能に接続されており、該制御コントローラからの制御信号に応じて、その開弁および閉弁タイミングが制御されるようになっている。
【0027】
例えば、上記穴加工機M1の穴加工プロセスでは、加工サイクルタイム短縮化のために、主軸ヘッド5は、通常、ドリル工具9の先端がワークWのごく近傍に至るまでは、比較的早い移動速度で前進(早送り)させられ、その後はドリル工具9の加工速度に応じた低速で移動(切削送り)させられるが、上記制御弁38は、主軸ヘッド5の早送り時には閉弁状態を維持し、切削送りになると開弁して圧縮エアをエア吐出管37の下流側に供給するように設定されている。
これにより、実際の加工時のみに圧縮エアを(つまり、潤滑油ミストを)供給でき、圧縮エア及び潤滑油を無駄にすることなく、効率の良いミスト潤滑を行うことができる。
【0028】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、当該機械加工機(穴加工機M1)に付設されたシリンダ31内のピストン32の摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、穴加工機M1の主軸7の移動に連繋してピストン32を駆動する連繋手段(連結バー33)とを備えたことにより、ドリル工具9を取り付けた主軸7がワークWの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成することができる。従って、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。
【0029】
そして、噴霧供給手段(潤滑油ノズル21)により、少なくともワークWの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段(潤滑油タンク27及びオイルポンプ26)からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアでミスト化し、その潤滑油ミストを少なくともワークWの加工部に向かって噴霧供給することができる。すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークWの加工部に供給することができる。
【0030】
しかも、圧縮エアは当該穴加工機M1に付設されたシリンダ31内に生成されるので、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該穴加工機M1による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができるのである。
【0031】
また、本実施の形態では、上記潤滑油供給手段の一部を構成するオイルポンプ25は、上記エア圧縮手段(シリンダ31及びピストン32)で圧縮されたエアを利用して駆動される。従って、潤滑油をミスト化するための圧縮エアを潤滑油ノズル21に供給する場合と同様の効果が得られる。
すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく駆動でき、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該穴加工機M1による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止され、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化と動力コストの低減とを実現することができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、上述の第1の実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図2は、第2の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。この図に示すように、本実施の形態に係る穴加工機M2は、図1で示された第1の実施形態に係る穴加工機M1と、基本的には、圧縮エアを生成するためのシリンダの構造と、該シリンダで生成した圧縮エアを潤滑油ノズル21及びオイルポンプ25に供給する供給機構が異なり、他の部分については基本的に同一である。
【0033】
本実施の形態では、エア圧縮手段のシリンダ51は、ピストン32の前面側と背面側の両方に圧力室(前側圧力室R1,後側圧力室R2)を有する、所謂、双方向タイプのもので、主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されている。
【0034】
つまり、穴加工機M2の加工プロセスにおいて、主軸ヘッド5がワークWの加工部に向かって(矢印Yf方向へ)移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ51の前側圧力室R1内が昇圧し、該前側圧力室R1内で圧縮エアが生成される。一方、加工終了後等に主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に(矢印Yr方向へ)移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ51の後側圧力室R2内が昇圧し、該後側圧力室R2内で圧縮エアが生成される。
【0035】
尚、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮する場合については、主軸ヘッド5の後退時の推力を有効に利用できる。しかも、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。
【0036】
上記前側,後側の圧力室R1,R2には、各々逆止弁53,55が介設されたエア導入管52,54がそれぞれ接続されると共に、各々逆止弁57,59が介設されたエア吐出管56,58がそれぞれ接続されている。
上記エア導入管52,54及びこれらに介設された逆止弁53,55は、第1の実施形態におけるエア導入管35及び逆止弁36と同様のもので、各圧力室R1,R2について、その内部圧力が大気圧以下に下がった場合には各逆止弁53,55が開弁して、大気エアが当該圧力室R1,R2内に導入される。
【0037】
上記各エア吐出管56,58の逆止弁57,59は共に、吐出側に向かって開弁し、その逆方向の流れを阻止するものである。各エア吐出管56,58は各々の逆止弁57,59よりも下流側には、圧縮エアを蓄えるアキュムレータ60が配設されており、各エア吐出管56,58は各々の逆止弁57,59の下流側で合流した上で、上記アキュムレータ60に接続されている。そして、前側圧力室R1,後側圧力室R2でそれぞれ生成された圧縮エアが、このアキュムレータ60内に蓄えられるようになっている。
【0038】
このように、本実施の形態では、エア圧縮手段(シリンダ51及びピストン32)は、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、主軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができる。また、このようにして得られた圧縮エアを、シリンダ51のエア吐出方向における下流側に配設されたアキュムレータ60内に蓄えておくことができる。
【0039】
該アキュムレータ60には、制御弁62が介設されたエア供給管61が接続されている。該エア供給管61は、制御弁62の下流側で、潤滑油ノズル21に接続された第1供給管61aと、オイルポンプ25に接続された第2供給管61bとに分岐している。
【0040】
アキュムレータ60のエア供給方向における下流側に設けられた上記制御弁62は、アキュムレータ60に蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御するもので、当該穴加工機M2によるワーク加工時に開弁するように設定されている。尚、この制御弁62は、第1の実施形態における制御弁38に相当するもので、より好ましくは、実際の加工時のみに開弁して圧縮エアを(つまり、潤滑油ミストを)供給するように設定されている。
【0041】
そして、アキュムレータ60から供給された圧縮エアの一部は、上記第2供給管61bからオイルポンプ25に供給され、該ポンプ25を駆動する。
一方、上記アキュムレータ60から供給された圧縮エアの残りは、上記第1供給管61aを介して潤滑油ノズル21内へ供給され、第1の実施形態における場合と同様に、オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられオイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給された潤滑油は、この圧縮エアによってミスト化される。
【0042】
尚、上記アキュムレータ60には、アキュムレータ60内の圧力を計測する圧力計63が接続されるとともに、内部圧力が所定値を越えると開作動して内部の圧縮エアを大気中に放出する安全装置としてのリリース弁64が接続されている。
また、より好ましくは、制御弁66が介設されたエア補充管65が繋ぎ込まれており、アキュムレータ60内のエア圧力が不足する場合には、このエア補充管65により工場エア用コンプレッサ(不図示)から圧縮エアを補充することができるようになっている。
【0043】
以上、説明したように、本第2の実施形態によれば、基本的には、前述の第1の実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段(シリンダ51及びピストン32)は、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、主軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができるのである。
【0044】
この場合において、シリンダ51のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータ60に圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータ60の更に下流側にアキュムレータ60内の圧縮エアの供給を制御する制御弁62が配設され、該制御弁62は当該穴加工機M2によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータ60に蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0045】
尚、上記第2の実施形態は、シリンダ51を双方向タイプとしたものであったが、この代わりに、前述の第1の実施形態におけるシリンダ31とは逆に、穴加工機の主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように、エア圧縮手段のシリンダを構成し、かかるシリンダで生成された圧縮エアを、第2の実施形態におけるものと同様のアキュムレータ60内に蓄えておくようにすることもできる。
【0046】
この場合には、主軸後退時の推力を有効に利用でき、また、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。
しかも、第2の実施形態における場合と同様に、アキュムレータ60及び制御弁62を設けることによる作用効果を得ることができる。
【0047】
尚、以上の実施態様は、1軸タイプの穴加工専用機についてのものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の加工を行う他の種々の機械加工機においても、圧縮エアによりミスト化された潤滑油ミストを供給する際に、有効に適用し得るものである。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係る機械加工機の潤滑油ミスト供給装置によれば、当該機械加工機に付設されたシリンダ内のピストンの摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、機械加工機の加工軸の移動に連繋して上記ピストンを駆動する連繋手段とを備えたことにより、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成することができる。従って、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。そして、噴霧供給手段により、少なくともワークの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアでミスト化し、その潤滑油ミストを少なくともワークの加工部に向かって噴霧供給することができる。
すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークの加工部に供給することができる。しかも、圧縮エアは当該機械加工機に付設されたシリンダ内に生成されるので、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該機械加工機による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができる。
【0049】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、機械加工機の加工軸の移動に連繋してエア圧縮手段のピストンを駆動する連繋手段は、上記加工軸とピストンとを一体的に連結する連結部材で構成されているので、簡単な構成で確実な連繋が得られる。
【0050】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段は、機械加工機の加工軸がワークの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように構成されているので、加工軸後退時の推力を有効に利用でき、また、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。この場合において、エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータに圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータの更に下流側にアキュムレータ内の圧縮エアの供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは上記機械加工機によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0051】
また、更に、本願の第4の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段は、機械加工機の加工軸がワークの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、加工軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができる。この場合において、エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータに圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータの更に下流側にアキュムレータ内の圧縮エアの供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは上記機械加工機によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0052】
また、更に、本願の第5の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記潤滑油供給手段に設けられたポンプ装置は、上記エア圧縮手段で圧縮されたエアを利用して駆動されるので、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく駆動でき、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該機械加工機による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
5…主軸ヘッド
7…主軸
9…ドリル工具
21…潤滑油ノズル
23…オイル管
25…オイルポンプ
27…潤滑油タンク
31,51…シリンダ
32…ピストン
33…連結バー
38…制御弁
60…アキュムレータ
62…制御弁
M1,M2…穴加工機
R,R1,R2…シリンダの圧力室
W…ワーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械加工機の潤滑油ミスト供給装置、より詳しく言えば、圧縮エアによりミスト化(霧化)された潤滑油ミストの供給下で所定の加工を行う機械加工機に対する潤滑油ミスト供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、工作機械を用いてワークに機械加工を行う場合、少なくともワークの加工部(つまり、加工工具の刃先)に対して潤滑油を供給し、この加工工具の刃先を潤滑しながら行うのが普通である。このように加工時に潤滑油の供給を行う場合、所要の潤滑油を圧縮エアによりミスト化(霧化)した状態で、ワークの加工部に供給することが求められる場合が多々ある。
【0003】
潤滑油を圧縮エアでミスト化するには、一般に0.3〜1MPa程度の圧力の圧縮エアが必要とされ、かかる圧縮エアは、通常、工場内に設置されたエアコンプレッサ(つまり、工場エア用のコンプレッサ)から供給される。この工場エア用コンプレッサは、通常、工場内の多数の圧縮エア使用機器に対して圧縮エアを供給できるように、一定以上の大きなエア排出容量を有するものが選定されるが、工場内に多数配置される機械装置や他の設備のレイアウト等の都合などにより、工作機械の配置ゾーンから比較的離れた箇所に設置される場合が少なくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、圧縮エアを必要とする工作機械からある程度以上離れた箇所にエアコンプレッサが設置されている場合には、途中の供給配管で生じる圧力損失が大きくなり、圧縮エアの供給効率が低下し、また、極端な場合には所要の圧力が得られなくなるという懸念もある。更に、大容量の工場エア用コンプレッサを駆動するために、かなりの動力コストが必要になるというコスト上の問題もあった。
【0005】
尚、エア動力工具に潤滑油をミスト化して供給するものとして、例えば特開平5−162046号公報では、工具の動力源として供給される圧縮エアの一部を利用して潤滑油をミスト化して供給するようにした構成が開示されている。この構成によれば、確かに、圧縮エアの利用効率は高められるものの、工具動力源としての圧縮エアを供給するために大容量の工場エア用コンプレッサが必要であることには変わり無く、やはり、途中配管での圧力損失およびコンプレッサの動力コストの問題がつきまとうことになる。
【0006】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークの加工部に供給することができる機械加工機の潤滑油ミスト供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ところで、工作機械の中でも例えば穴加工機などの場合、加工工具(ドリル工具)を取り付けた加工軸を有する加工ヘッドがワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の穴加工が行われる。
本願発明者は、上述の技術的課題に鑑みて鋭意研究開発を重ねる中で、このようなタイプの工作機械の場合、その加工プロセスで加工軸がワークの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成せしめることを着想した。
【0008】
そこで、本願請求項1の発明(以下、第1の発明という)に係る機械加工機の潤滑油ミスト供給装置は、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の加工を行う機械加工機に対し、圧縮エアによりミスト化された潤滑油ミストを供給する機械加工機の潤滑油ミスト供給装置であって、上記機械加工機に付設されたシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンとを有し、該ピストンの摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、上記加工軸の移動に連繋して上記ピストンを駆動する連繋手段と、少なくとも上記ワークの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、該潤滑油供給手段からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアによりミスト化し、その潤滑油ミストを少なくとも上記ワークの加工部に向かって噴霧供給する噴霧供給手段と、を備えたことを特徴としたものである。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記連繋手段は、上記加工軸と上記ピストンとを一体的に連結する連結部材でなることを特徴としたものである。
【0010】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、上記第1の発明において、上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように構成され、上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、ことを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項4の発明(以下、第4の発明という)は、上記第1の発明において、上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成され、上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、ことを特徴としたものである。
【0012】
また、更に、本願の請求項5に係る発明(以下、第5の発明という)は、上記第第1の発明において、上記潤滑油供給手段のポンプ装置は、上記エア圧縮手段で圧縮されたエアを利用して駆動されることを特徴としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば穴加工専用機に適用した場合を例に取って、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
この図に示すように、本実施の形態に係る穴加工機M1は、例えば、主軸7を1本だけ備えた1軸型のもので、ベッド1上にスライドレール3が固定され、該スライドレール3上に主軸ヘッド5がスライド動作可能に配設されている。
【0014】
該主軸ヘッド5は単一の主軸7を有しており、この主軸7に穴加工用の工具9(ドリル工具)が取り付けられている。このドリル工具9の前方には、ワーク固定台11上に固定されたワークWが位置しており、主軸ヘッド5の(つまり、主軸7の)矢印Yf方向への移動に伴って、このワークWの所定部位に穴加工が施される。
【0015】
一方、主軸ヘッド5の後方のベッド1上には、ヘッド駆動モータ13が固定されており、該モータ13の駆動力が、カップリング15を介してボールネジ17に伝達される。そして、このボールネジ17が回転駆動されることにより、主軸ヘッド5が、スライドレール3に沿って、矢印Yf方向又は矢印Yr方向へスライド移動するようになっている。
【0016】
すなわち、加工工具9(ドリル)を取り付けた加工軸7(主軸)を備えた主軸ヘッド5が、ヘッド駆動モータ13の駆動力により矢印Yfに沿った方向に前進し、ワークWの加工部に向かって移動することにより当該ワークWに所定の穴加工を行う。そして、加工を終えると、主軸ヘッド5が矢印Yrに沿った方向に後退するようになっている。
【0017】
上記ワークWの近傍には、当該ワークWの加工部に潤滑油を吹き付ける潤滑油ノズル21のノズル穴21hが、ワークWの加工部を臨むように位置している。潤滑油ノズル21の内部には、オイルポンプ25の吐出口に繋がれたオイル管23が導かれており、該オイル管23の先端は、潤滑油ノズル21の途中部でノズル穴21hに向けて開口している。そして、上記オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられた潤滑油は、上記オイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給される。尚、上記オイルポンプ25は、より好ましくは、エア駆動式のものである。
【0018】
本実施の形態では、上記潤滑油を圧縮エアによりミスト化(霧化)するに際して、工場内に設置されたエアコンプレッサ(つまり、工場エア用のコンプレッサ)から供給される圧縮エアを用いるのではなく、当該穴加工機M1専用のエア圧縮手段を設け、該手段で生成した圧縮エアを上記潤滑油ノズル21に供給するようにしている。
【0019】
すなわち、穴加工機M1のベッド1には、主軸ヘッド5の移動方向と平行に中空シリンダ31が配設され、該シリンダ31内にピストン32が摺動自在に収容されている。該ピストン32は、シリンダ31の内壁に対して気密にシールされた状態でシリンダ31の長手軸方向に摺動する。従って、シリンダ31の内壁とピストン32の前面とで形成される圧力室Rの圧力は、ピストン32が矢印Yfに沿った方向に移動するに連れて上昇し、その内部のエアが圧縮される。
【0020】
上記ピストン32は、主軸ヘッド5の移動(つまり、主軸7の移動)に連繋して駆動される。具体的には、主軸ヘッド5の外面部分とピストン32の駆動軸32r(ピストンロッド)とを一体的に連結する連結バー33が設けられており、主軸ヘッド5の矢印Yf又は矢印Yrに沿った方向の移動動作が、簡単な機械的構成で、ピストンロッド32rに対して確実に伝達される。
【0021】
従って、穴加工機M1の加工プロセスにおいて、主軸7が(つまり、主軸ヘッド5が)ワークWの加工部に向かって移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ31の圧力室R内が昇圧し、圧縮エアが生成される。このため、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。
【0022】
上記シリンダ31の圧力室Rには、逆止弁36が介設されたエア導入管35と、制御弁38が介設されたエア吐出管37とが接続されている。
上記エア導入管35の端末側は大気に開放されており、上記逆止弁36は、通常時は閉じているが、ピストン32の戻り工程で圧力室R内の圧力が大気圧以下に下がった場合に開弁して、エアを圧力室R内に導入する。
【0023】
また、上記エア吐出管37は、制御弁38の下流側で、潤滑油ノズル21に接続された第1吐出管37aと、オイルポンプ25に接続された第2エア吐出管37bとに分岐している。
そして、シリンダ31の圧力室Rで生成されエア吐出管37から吐出された圧縮エアの一部は、上記第2吐出管37bからオイルポンプ25に供給され、該ポンプ25を駆動する。
【0024】
一方、上記エア吐出管37から吐出された圧縮エアの残りは、上記第1吐出管37aを介して潤滑油ノズル21内へ、その基端側からノズル穴21h側に向かって供給される。内部にオイル管23が挿入された潤滑油ノズル21は、所謂、ベンチュリー構造を有しており、オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられオイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給された潤滑油は、ノズル21内で上記第1吐出管37aからの圧縮エアと混合するとともに、この圧縮エアによってミスト化される。
【0025】
主軸ヘッド5がワークWに向かって前進しドリル工具9による穴加工が行われる加工プロセスでは、上記のようにしてミスト化された潤滑油ミストが、ノズル穴21hからワークWの加工部に向かって(つまり、ドリル工具9の刃先部分に向かって)噴霧供給されるようになっている。
この場合、圧縮エアを生成するシリンダ31は当該穴加工機M1に付設されているので、圧縮エアの使用箇所であるワークWの加工部との距離は非常に短く、圧縮エア送給途中での圧力損失も極めて僅かである。
【0026】
また、上記シリンダ31のエア吐出管37に介設された制御弁38は、より好ましくは、当該穴加工機M1の制御コントローラ(不図示)に信号授受可能に接続されており、該制御コントローラからの制御信号に応じて、その開弁および閉弁タイミングが制御されるようになっている。
【0027】
例えば、上記穴加工機M1の穴加工プロセスでは、加工サイクルタイム短縮化のために、主軸ヘッド5は、通常、ドリル工具9の先端がワークWのごく近傍に至るまでは、比較的早い移動速度で前進(早送り)させられ、その後はドリル工具9の加工速度に応じた低速で移動(切削送り)させられるが、上記制御弁38は、主軸ヘッド5の早送り時には閉弁状態を維持し、切削送りになると開弁して圧縮エアをエア吐出管37の下流側に供給するように設定されている。
これにより、実際の加工時のみに圧縮エアを(つまり、潤滑油ミストを)供給でき、圧縮エア及び潤滑油を無駄にすることなく、効率の良いミスト潤滑を行うことができる。
【0028】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、当該機械加工機(穴加工機M1)に付設されたシリンダ31内のピストン32の摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、穴加工機M1の主軸7の移動に連繋してピストン32を駆動する連繋手段(連結バー33)とを備えたことにより、ドリル工具9を取り付けた主軸7がワークWの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成することができる。従って、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。
【0029】
そして、噴霧供給手段(潤滑油ノズル21)により、少なくともワークWの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段(潤滑油タンク27及びオイルポンプ26)からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアでミスト化し、その潤滑油ミストを少なくともワークWの加工部に向かって噴霧供給することができる。すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークWの加工部に供給することができる。
【0030】
しかも、圧縮エアは当該穴加工機M1に付設されたシリンダ31内に生成されるので、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該穴加工機M1による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができるのである。
【0031】
また、本実施の形態では、上記潤滑油供給手段の一部を構成するオイルポンプ25は、上記エア圧縮手段(シリンダ31及びピストン32)で圧縮されたエアを利用して駆動される。従って、潤滑油をミスト化するための圧縮エアを潤滑油ノズル21に供給する場合と同様の効果が得られる。
すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく駆動でき、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該穴加工機M1による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止され、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化と動力コストの低減とを実現することができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、上述の第1の実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図2は、第2の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。この図に示すように、本実施の形態に係る穴加工機M2は、図1で示された第1の実施形態に係る穴加工機M1と、基本的には、圧縮エアを生成するためのシリンダの構造と、該シリンダで生成した圧縮エアを潤滑油ノズル21及びオイルポンプ25に供給する供給機構が異なり、他の部分については基本的に同一である。
【0033】
本実施の形態では、エア圧縮手段のシリンダ51は、ピストン32の前面側と背面側の両方に圧力室(前側圧力室R1,後側圧力室R2)を有する、所謂、双方向タイプのもので、主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されている。
【0034】
つまり、穴加工機M2の加工プロセスにおいて、主軸ヘッド5がワークWの加工部に向かって(矢印Yf方向へ)移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ51の前側圧力室R1内が昇圧し、該前側圧力室R1内で圧縮エアが生成される。一方、加工終了後等に主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に(矢印Yr方向へ)移動する際には、ピストン32も同方向に移動し、これにより、シリンダ51の後側圧力室R2内が昇圧し、該後側圧力室R2内で圧縮エアが生成される。
【0035】
尚、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮する場合については、主軸ヘッド5の後退時の推力を有効に利用できる。しかも、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。
【0036】
上記前側,後側の圧力室R1,R2には、各々逆止弁53,55が介設されたエア導入管52,54がそれぞれ接続されると共に、各々逆止弁57,59が介設されたエア吐出管56,58がそれぞれ接続されている。
上記エア導入管52,54及びこれらに介設された逆止弁53,55は、第1の実施形態におけるエア導入管35及び逆止弁36と同様のもので、各圧力室R1,R2について、その内部圧力が大気圧以下に下がった場合には各逆止弁53,55が開弁して、大気エアが当該圧力室R1,R2内に導入される。
【0037】
上記各エア吐出管56,58の逆止弁57,59は共に、吐出側に向かって開弁し、その逆方向の流れを阻止するものである。各エア吐出管56,58は各々の逆止弁57,59よりも下流側には、圧縮エアを蓄えるアキュムレータ60が配設されており、各エア吐出管56,58は各々の逆止弁57,59の下流側で合流した上で、上記アキュムレータ60に接続されている。そして、前側圧力室R1,後側圧力室R2でそれぞれ生成された圧縮エアが、このアキュムレータ60内に蓄えられるようになっている。
【0038】
このように、本実施の形態では、エア圧縮手段(シリンダ51及びピストン32)は、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、主軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができる。また、このようにして得られた圧縮エアを、シリンダ51のエア吐出方向における下流側に配設されたアキュムレータ60内に蓄えておくことができる。
【0039】
該アキュムレータ60には、制御弁62が介設されたエア供給管61が接続されている。該エア供給管61は、制御弁62の下流側で、潤滑油ノズル21に接続された第1供給管61aと、オイルポンプ25に接続された第2供給管61bとに分岐している。
【0040】
アキュムレータ60のエア供給方向における下流側に設けられた上記制御弁62は、アキュムレータ60に蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御するもので、当該穴加工機M2によるワーク加工時に開弁するように設定されている。尚、この制御弁62は、第1の実施形態における制御弁38に相当するもので、より好ましくは、実際の加工時のみに開弁して圧縮エアを(つまり、潤滑油ミストを)供給するように設定されている。
【0041】
そして、アキュムレータ60から供給された圧縮エアの一部は、上記第2供給管61bからオイルポンプ25に供給され、該ポンプ25を駆動する。
一方、上記アキュムレータ60から供給された圧縮エアの残りは、上記第1供給管61aを介して潤滑油ノズル21内へ供給され、第1の実施形態における場合と同様に、オイルポンプ25によって潤滑油タンク27から汲み上げられオイル管23を介してノズル穴21hに向かって加圧供給された潤滑油は、この圧縮エアによってミスト化される。
【0042】
尚、上記アキュムレータ60には、アキュムレータ60内の圧力を計測する圧力計63が接続されるとともに、内部圧力が所定値を越えると開作動して内部の圧縮エアを大気中に放出する安全装置としてのリリース弁64が接続されている。
また、より好ましくは、制御弁66が介設されたエア補充管65が繋ぎ込まれており、アキュムレータ60内のエア圧力が不足する場合には、このエア補充管65により工場エア用コンプレッサ(不図示)から圧縮エアを補充することができるようになっている。
【0043】
以上、説明したように、本第2の実施形態によれば、基本的には、前述の第1の実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段(シリンダ51及びピストン32)は、穴加工機M2の主軸ヘッド5がワークWの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、主軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができるのである。
【0044】
この場合において、シリンダ51のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータ60に圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータ60の更に下流側にアキュムレータ60内の圧縮エアの供給を制御する制御弁62が配設され、該制御弁62は当該穴加工機M2によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータ60に蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0045】
尚、上記第2の実施形態は、シリンダ51を双方向タイプとしたものであったが、この代わりに、前述の第1の実施形態におけるシリンダ31とは逆に、穴加工機の主軸ヘッド5がワークWの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように、エア圧縮手段のシリンダを構成し、かかるシリンダで生成された圧縮エアを、第2の実施形態におけるものと同様のアキュムレータ60内に蓄えておくようにすることもできる。
【0046】
この場合には、主軸後退時の推力を有効に利用でき、また、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。
しかも、第2の実施形態における場合と同様に、アキュムレータ60及び制御弁62を設けることによる作用効果を得ることができる。
【0047】
尚、以上の実施態様は、1軸タイプの穴加工専用機についてのものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の加工を行う他の種々の機械加工機においても、圧縮エアによりミスト化された潤滑油ミストを供給する際に、有効に適用し得るものである。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係る機械加工機の潤滑油ミスト供給装置によれば、当該機械加工機に付設されたシリンダ内のピストンの摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、機械加工機の加工軸の移動に連繋して上記ピストンを駆動する連繋手段とを備えたことにより、加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動する移動動作を利用して圧縮エアを生成することができる。従って、従来のように、工場エア用コンプレッサから圧縮エアの供給を受ける必要は無い。そして、噴霧供給手段により、少なくともワークの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアでミスト化し、その潤滑油ミストを少なくともワークの加工部に向かって噴霧供給することができる。
すなわち、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく、潤滑油を圧縮エアによりミスト化してワークの加工部に供給することができる。しかも、圧縮エアは当該機械加工機に付設されたシリンダ内に生成されるので、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該機械加工機による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができる。
【0049】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、機械加工機の加工軸の移動に連繋してエア圧縮手段のピストンを駆動する連繋手段は、上記加工軸とピストンとを一体的に連結する連結部材で構成されているので、簡単な構成で確実な連繋が得られる。
【0050】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段は、機械加工機の加工軸がワークの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように構成されているので、加工軸後退時の推力を有効に利用でき、また、加工時にエア圧縮手段を駆動するための負荷が更に加わることを回避できる。この場合において、エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータに圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータの更に下流側にアキュムレータ内の圧縮エアの供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは上記機械加工機によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0051】
また、更に、本願の第4の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、エア圧縮手段は、機械加工機の加工軸がワークの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成されているので、加工軸前進時と後退時の両方の推力を有効に利用でき、より高いエア圧力を容易に得ることができる。この場合において、エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に配設されたアキュムレータに圧縮エアを蓄えておくことができる。しかも、該アキュムレータの更に下流側にアキュムレータ内の圧縮エアの供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは上記機械加工機によるワーク加工時に開作動するので、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアを必要に応じて有効に使用できる。
【0052】
また、更に、本願の第5の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記潤滑油供給手段に設けられたポンプ装置は、上記エア圧縮手段で圧縮されたエアを利用して駆動されるので、工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を要することなく駆動でき、工場エア用コンプレッサから供給を受ける場合に比して、圧縮エア使用箇所までの距離が著しく短縮され、供給途中での圧力損失も大幅に低減できる。また、当該機械加工機による加工が行われない間はエア圧縮手段が駆動されることはなく、不要な動力消費が防止される。この結果、大容量の工場エア用コンプレッサからの圧縮エアの供給を受けていた従来に比して、大幅な省エネルギ化を達成し、動力コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る穴加工機の全体構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
5…主軸ヘッド
7…主軸
9…ドリル工具
21…潤滑油ノズル
23…オイル管
25…オイルポンプ
27…潤滑油タンク
31,51…シリンダ
32…ピストン
33…連結バー
38…制御弁
60…アキュムレータ
62…制御弁
M1,M2…穴加工機
R,R1,R2…シリンダの圧力室
W…ワーク
Claims (5)
- 加工工具を取り付けた加工軸がワークの加工部に向かって移動することにより当該ワークに所定の加工を行う機械加工機に対し、圧縮エアによりミスト化された潤滑油ミストを供給する機械加工機の潤滑油ミスト供給装置であって、
上記機械加工機に付設されたシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンとを有し、該ピストンの摺動動作に伴ってエアを圧縮するエア圧縮手段と、
上記加工軸の移動に連繋して上記ピストンを駆動する連繋手段と、
少なくとも上記ワークの加工部に向かって潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、
該潤滑油供給手段からの潤滑油を上記エア圧縮手段からの圧縮エアによりミスト化し、その潤滑油ミストを少なくとも上記ワークの加工部に向かって噴霧供給する噴霧供給手段と、
を備えたことを特徴とする機械加工機の潤滑油ミスト供給装置。 - 上記連繋手段は、上記加工軸と上記ピストンとを一体的に連結する連結部材でなることを特徴とする請求項1記載の機械加工機の潤滑油ミスト供給装置。
- 上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部から遠ざかる方向に移動する際にエアを圧縮するように構成され、
上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、
該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、
ことを特徴とする請求項1記載の機械加工機の潤滑油ミスト供給装置。 - 上記エア圧縮手段は、上記加工軸が上記ワークの加工部に近付く方向に移動する際と該加工部から遠ざかる方向に移動する際の両方においてエアを圧縮するように構成され、
上記エア圧縮手段のエア供給方向における下流側に、圧縮エアを蓄えるアキュムレータが配設されており、
該アキュムレータの更に下流側には、アキュムレータに蓄えられた圧縮エアの下流側への供給を制御する制御バルブが配設され、該制御バルブは、上記機械加工機によるワーク加工時に開作動する、
ことを特徴とする請求項1記載の機械加工機の潤滑油ミスト供給装置。 - 上記潤滑油供給手段のポンプ装置は、上記エア圧縮手段で圧縮されたエアを利用して駆動されることを特徴とする請求項1記載の機械加工機の潤滑油ミスト供給装置。
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