JP3725799B2 - 故障箇所判定方法および故障箇所判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板処理装置など複数の回転部材を備えた装置の故障箇所を判定するための方法、および、そのような装置の故障箇所を判定するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体ウェハや液晶表示装置用ガラス基板などの各種の被処理基板に対して、処理液を用いた処理を施すための基板処理装置において、様々な回転部材が用いられている。一例をあげると、基板を水平保持して回転駆動するスピンチャック、スピンチャックの上方に配置され基板に処理液が再付着するのを防止する遮断板、スピンチャックの開閉を行うアーム、基板の側方で処理液が外部に飛散することを防止するスプラッシュガードなどである。これらは、回転駆動したり、円弧を描いて回動したり、回転駆動するウォームによって上下動されたりする。
【0003】
これらは直接モータなどの動力源に接続されて駆動する場合と、動力源からベルトやギアなどの伝達部材を介して従動する場合とがある。
装置の運転中には、たとえば、異常な振動音などにより、複数の回転部材(動力源を含む。)のいずれかに故障が起こったことを知ることができる。故障は、取付時のバランスが悪かった回転部材の偏心の増大、ベアリングの故障、シール部に異物が入ることなどの原因により生じる。その場合、まずどの回転部材が故障しているのかを知り、原因に応じた修理を行わなければならない。
【0004】
従来、故障している回転部材を修理するにあたり、必ずしも事前にどの回転部材が故障しているのかを知ることができず、装置を分解してすべての回転部材を調べるなどの作業が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような作業はかなりの工数を要し、作業に時間がかかった。
また、故障している回転部材が特定できないと、故障の原因を究明することも困難となる。
そこで、この発明の目的は、互いに異なる回転速度で回転する複数の回転部材を有する装置において、故障している回転部材を判定することができる故障箇所判定方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、互いに異なる回転速度で回転する複数の回転部材を有する装置の故障している回転部材を判定することができる故障箇所判定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、通常運転時に実質的に同一の回転速度で回転される複数の回転部材(3,3S,3M,4,4S,7S,7M,5,5S,9S,9M,6S,6M,21,22)を有する装置(1)における故障箇所判定方法であって、上記複数の回転部材を、故障箇所の判定に際して、互いに異なる回転速度で回転させるステップと、上記装置に生じる振動の周波数を測定するステップと、測定された振動の周波数に基づいて、上記複数の回転部材のうちどの回転部材が故障しているかを判定するステップとを含むことを特徴とする故障箇所判定方法である。
請求項2記載の発明は、上記複数の回転部材の互いに異なる回転速度は、整数倍の関係にないことを特徴とする請求項1記載の故障箇所判定方法である。
請求項3記載の発明は、通常運転時に実質的に整数倍の関係の回転速度で回転される複数の回転部材(3,3S,3M,4,4S,7S,7M,5,5S,9S,9M,6S,6M,21,22)を有する装置(1)における故障箇所判定方法であって、上記複数の回転部材を、故障箇所の判定に際して、整数倍の関係にない互いに異なる回転速度で回転させるステップと、上記装置に生じる振動の周波数を測定するステップと、測定された振動の周波数に基づいて、上記複数の回転部材のうちどの回転部材が故障しているかを判定するステップとを含むことを特徴とする故障箇所判定方法である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じである。
上記の装置において、それぞれの回転部材は、その回転速度に対応した周波数の振動を生じ、その振動は装置に伝わる。したがって、複数の回転部材が互いに異なる回転速度で回転すると、装置には、それらの回転速度に対応した互いに異なる周波数の振動が重なり合って生じる。
【0009】
故障している回転部材は、正常動作時と比べて大きな振幅で振動する。したがって、装置に生じている振動の周波数成分を調べ、通常時よりも大きな振幅の周波数成分を知ることにより、どの回転部材が故障しているかを知ることができる。振幅の大きさを調べるにあたって、すべての回転部材が正常であるときの周波数と振幅との関係を予め測定しておき、故障が発生したときの周波数と振幅との関係と比較することとしてもよい。
【0010】
故障箇所がある程度限定できるのであれば、必ずしもすべての回転部材の回転速度が異なるようにして振動の周波数を測定する必要はない。
装置の振動の周波数は、常時測定するようにしてもよく、故障が発生したと思われたときだけ測定するようにしてもよい。すなわち、周波数を測定する手段は、装置に常設していてもよく、故障が発生したと思われたときだけ装置に付設してもよい。
【0011】
装置の構成上または機能上、2つ以上の回転部材の回転速度を同一にせざるを得ない場合、請求項1記載の発明のように、故障箇所判定時のみ、回転部材を互いに異なる回転速度で回転させるようにしてもよい。たとえば、複数の回転部材がそれぞれ独立した複数の動力源により駆動される場合、各々の動力源の回転速度を制御することにより、これらの回転部材の回転速度を互いに異なるようにすることができる。
請求項4記載の発明は、上記故障している回転部材を判定するステップは、上記測定した周波数のうち、最大振幅の周波数に基づいて行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の故障箇所判定方法である。
故障している回転部材による振動の振幅は、故障していない回転部材による振動の振幅よりも大きい場合が多い。したがって、最大振幅の周波数に対応する回転速度で回転している回転部材が故障しているものと判定することができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記故障している回転部材を判定するステップは、上記最大振幅の周波数を回転速度に単位変換し、この回転速度近傍の回転速度で回転する回転部材が故障していると判定することを特徴とする請求項4記載の故障箇所判定方法である。
回転部材が1回転すると、装置には対応する1周期の振動が生じる。モータなどの動力源やそれに従動されて駆動する回転部材の回転速度は、たとえばrpmなどの単位で表され、振動計などにより測定された装置の振動の周波数は、たとえばHzなどの単位で表される。これらは単位変換して換算することが可能である。
【0013】
請求項6記載のように、上記装置に生じる振動は、振動加速度センサまたは振動速度センサにより測定されてもよく、上記最大振幅の周波数に基づく判定は、上記振動加速度センサまたは上記振動速度センサによって得られる加速度または速度から、高速フーリエ変換(FFT)により導出される振動スペクトルに基づいて行われてもよい。
【0015】
2つの回転部材が伝達部材を介して駆動される場合、これら2つの回転部材の回転速度は、1:2や1:3など整数倍の関係になるよう設計されていることが多い。したがって、このような場合、これらの回転部材により生じる振動の周波数も整数倍の関係になる。一方、1つの回転部材が生じる振動は、その回転速度に対応する周波数のもの以外に、その2倍や3倍などの整数倍の周波数の成分も含んでいる。
【0016】
このような場合、たとえば、故障している回転部材の回転速度に対応した周波数と、故障していない回転部材の回転速度に対応した周波数の整数倍とが一致することがある。したがって、大きな振幅で振動する周波数が認められても、その周波数の振動が、どの回転部材に起因したものであるのかを、必ずしも判別することができない。
2つの回転部材が、独立した複数の動力源により駆動している場合でも、それらの回転速度が整数倍の関係にあるときは同様の問題があった。回転部材の数が3つ以上の場合も同様である。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、複数の回転部材の回転速度は、故障箇所の判定に際して、整数倍の関係にないので、故障している回転部材の回転速度に対応した振動の周波数は、他の回転部材の回転速度に対応した周波数およびその整数倍の周波数と重なることはない。したがって、このような故障箇所判定方法によれば、故障している回転部材を確実に判定できる。複数の回転部材が、1つの動力源に従動されて駆動するものである場合、プーリの直径比やギア比など伝達部材の構成により、各々の回転部材の回転速度の比が整数倍の関係にないように構成することができる。複数の回転部材が、複数の動力源により駆動される場合、それぞれの動力源の回転速度を適当に設定することにより、各々の回転部材の回転速度が整数倍の関係にないように構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る故障箇所判定方法により故障箇所を判定する基板処理装置、および本発明の一実施形態に係る故障箇所判定装置を示す図解的な部分透視斜視図である。
【0021】
この基板処理装置1は、被処理基板の一例である半導体ウェハWに処理液を供給して処理を施すためのものである。ほぼ直方体の筐体2の内部には、半導体ウェハWを水平に保持して回転駆動するスピンチャック3、スピンチャック3の上方に配置され基板Wに処理液が再付着するのを防止する遮断板4、スピンチャック3の開閉を行うアーム5、半導体ウェハWの側方で処理液が外部に飛散することを防止するスプラッシュガード6が備えられている。
【0022】
スピンチャック3の下方には、鉛直方向にのびるシャフト3Sを備えたモータ3Mが配置されており、スピンチャック3は、シャフト3Sに軸支されている。スピンチャック3は、モータ3Mにより直接回転駆動される。
遮断板4は、スピンチャック3の直上にスピンチャック3と平行に配置されている。遮断板4の上方には鉛直方向にのびるシャフト4Sが備えられており、シャフト4Sの側方には、鉛直方向にのびるシャフト7Sを備えたモータ7Mが配置されている。シャフト4Sおよびシャフト7Sには、それぞれプーリが嵌合されており、これらのプーリ間にベルト8が張設されている。遮断板4はモータ7Mに従動されて回転駆動される。プーリの直径の違いにより、シャフト4Sの回転速度はシャフト7Sの回転速度に比して低く、これらの回転速度は整数倍の関係にならないように構成されている。また、通常運転時には、スピンチャック3と遮断板4との間の空間における気流を安定させるために、スピンチャック3の回転速度と遮断板4の回転速度とは同じにされる。すなわち、シャフト3Sの回転速度とシャフト4Sの回転速度とは同じにされる。
【0023】
アーム5の一方端には、鉛直方向にのびるシャフト5Sが設けられており、シャフト5Sの側方には、鉛直方向にのびるシャフト9Sを備えたモータ9Mが配置されている。シャフト5Sおよびシャフト9Sにはそれぞれプーリが嵌合されており、これらのプーリ間にベルト10が張設されている。アーム5は、モータ9Mに従動されて円弧を描くように回動される。プーリの直径の違いにより、シャフト5Sの回転速度は、シャフト9Sの回転速度に比して低く、これらの回転速度は整数倍の関係にならないように構成されている。
【0024】
スプラッシュガード6は、円筒状の形状をしており(図1では一部のみを示す。)、スピンチャック3を囲むように配置されている。スプラッシュガード6は、接続部材11に接続している。接続部材11の下方には、鉛直方向にのびるシャフト6Sを備えたモータ6Mが配置されている。シャフト6Sはボルトとなっており、接続部材11はナットを有してシャフト6Sに螺合している。モータ6M(シャフト6S)が回転することにより、スプラッシュガード6は上下動する。通常運転時において、モータ6Mの回転速度とモータ9Mの回転速度とは同じである。
【0025】
装置の運転時に、それぞれの回転部材3,3S,3M,4,4S,7S,7M,5,5S,9S,9M,6S,6Mは、その回転速度に対応した周波数の振動を生じ、その振動は筐体2に伝わる。
筐体2の一側面の角部近傍には、振動計15が取り付けられている。振動計15は、振動加速度センサまたは振動速度センサを含んでいる。これにより、これらのセンサの取付位置における筐体2の振動の加速度または速度を測定することができる。振動計15は、高速フーリエ変換(FFT)アナライザを備えており、測定された加速度または速度をもとに変位を求め、その波形からFFTにより各周波数ごとの振幅、すなわち振動スペクトルを求めることができる。振動計15は、パーソナルコンピュータ(図示せず。)などに接続されており、振動計15により得られた振動スペクトルのデータは、このパーソナルコンピュータなどに表示させることができる。したがって、基板処理装置1の運転時に、常に振動計15による測定結果を表示させておくことができる。
【0026】
振動計15を、常時筐体2に取り付けて振動の測定を行う代わりに、回転部材が故障していると思われるときだけ、携帯型の振動計16を付設して振動の測定を行うこととしてもよい。携帯型の振動計16は、振動を測定するピックアップ17と、ピックアップ17で測定された情報をもとに演算処理や測定結果の表示を行う本体18とを備えている。
ピックアップ17は、振動加速度センサまたは振動速度センサを備えている。本体18は、FFTアナライザを備えており、測定された加速度または速度をもとに変位を求め、その波形からFFTにより振動スペクトルを求めることができる。ピックアップ17は、マグネットを備えており、鉄などの磁性体に強固に吸着することが可能である。本体18は、表示器を備えており、表示器に振動スペクトルを表示させることができる。
【0027】
以下、モータ3Mが故障しているとして、故障箇所判定方法を説明する。説明にあたって、各回転部材3,3S,3M,4,4S,7S,7M,5,5S,9S,9M,6S,6Mは、シャフト3S,4S,7S,5S,9S,6Sで代表させる。
基板処理装置1の運転中に、たとえば、異常音が発生すると、いずれかの回転部材に故障が生じた可能性があることがわかる。このような場合、故障箇所を特定して修理しなければならない。通常、故障しているシャフトは、故障していないシャフトと比べて大きな振幅の振動を生じる。したがって、最も大きな振幅の振動を生じているシャフトを特定できれば、いずれのシャフトが故障しているのかを知ることができる。
【0028】
そこで、各々のシャフト3S,4S,7S,5S,9S,6Sによる振動の振幅を相対的に比較するため、すべてのシャフト3S,4S,7S,5S,9S,6Sを同時に回転させる。すると、基板処理装置1の筐体2には、シャフト3S,7S,4S,5S,9S,6Sそれぞれの回転速度に対応する周波数A,B,C,D,E,Fの振動が重なって生じる。この振動を、振動計15または携帯型の振動計16で測定し、振動スペクトルを得る。
【0029】
図2は、通常運転時の基板処理装置1の振動スペクトルを示す特性図である。
スピンチャック3(シャフト3S)の回転速度および遮断板4(シャフト4S)の回転速度は等しいので、周波数Aと周波数Cとは等しい。モータ9M(シャフト9S)の回転速度とモータ6M(シャフト6S)の回転速度は等しいので、周波数Eと周波数Fとは等しい。したがって、図2に示すように、筐体2の振動スペクトルは4つのピークを示す。
【0030】
回転部材が1回転すると、装置には対応する1周期の振動が生じる。したがって、振動スペクトルのピークの周波数は、各回転部材の回転速度を単位変換したものとなる。モータなどの動力源やそれに従動されて駆動する回転部材の回転速度は、慣例的に、たとえばrpmなどの単位で表される。振動計などにより測定された装置の振動の周波数は、慣例的に、たとえばHzなどの単位で表される。これらは単位変換して換算することが可能である。
【0031】
モータ3Mが故障している場合、周波数Aのピークが大きくなる。図2に示す振動スペクトルからは、周波数A,Cのピークが高いことから、シャフト3Sまたはシャフト4Sに関連した故障が生じているを知ることができる。
さらに、シャフト3Sおよびシャフト4Sのいずれが故障しているかを特定するために、シャフト3S,4Sの回転速度が異なるように、モータ3M,7Mの回転速度を調整する。この場合、モータ7Mは、通常運転時の回転速度のままとし、モータ3Mの回転速度だけを通常運転時の回転速度からずらすようにしてもよい。
【0032】
図3は、故障箇所の判定が可能なように回転部材の回転速度を調整したときの基板処理装置1の振動スペクトルを示す特性図である。
このような状態では、シャフト3S,4Sの回転速度に対応する周波数が異なっているので、それらのピークは分離している。そして、周波数Aの振動が大きな振幅を有することから、シャフト3Sに関連した故障が生じていると判定できる。
【0033】
また、故障時の振動スペクトルを正常時の振動スペクトルと比較することによっても、どのシャフトに関連した故障が生じているのかを知ることができる。すなわち、シャフト3S,4S,7S,5S,9S,6Sのいずれにも故障が生じていないときに、これらの回転速度がすべて異なるように調整して、筐体2の振動スペクトルを測定する。そして、故障時には同様の条件で振動スペクトルを測定し、正常時の振動スペクトルと比較する。正常時と比べて、振幅が大きくなっている周波数に対応するシャフトに関連して故障が生じていることがわかる。この方法によれば、故障しているシャフトによる振動の振幅が最も大きくない場合でも、故障しているシャフトを特定することができる。
【0034】
可能であれば、通常運転状態のときに、すべての回転部材が異なる回転速度で回転するように構成してもよい。
次に、振動スペクトルのさらに詳細な部分を考慮して、故障箇所を判定する方法について説明する。
図4は、ベルトを介して連結された2つのシャフトを示す図解図である。
シャフト21,22には、それぞれプーリ23,24が嵌合されており、プーリ23,24間にはベルト25が張設されている。このとき、シャフト21の回転速度とシャフト22の回転速度との比は、プーリ24の直径とプーリ23の直径との比に等しい。一般に、このような構成の2つのシャフトにおいて、それらの回転速度の比は整数倍の関係になるように構成されることが多い。
【0035】
図5は、2つのシャフト21,22の回転速度の比が1:3である場合の振動スペクトルの詳細を示す特性図である。
一般に、あるシャフトの回転による振幅のピークは、そのシャフトの回転速度に対応する周波数以外に、その整数倍の周波数においても現れる。図5において、シャフト21の回転による主たるピークは、シャフト21の回転速度に対応する周波数Gに現れているが、それ以外にその整数倍の周波数2Gや3Gにもピークが現れている。一方、シャフト22の回転による主たるピークは、シャフト22の回転速度がシャフト21の回転速度の3倍であることから、周波数3Gに現れる。
【0036】
すなわち、周波数3Gに現れるピークは、シャフト21に起因するものとシャフト22に起因するものとがある。したがって、これらのシャフト21,22の一方が故障し、故障による振幅の増大が顕著でない場合など、必ずしも故障しているシャフトを特定することができない。
図6は、2つのシャフト21,22の回転速度の比が1:2と1:3との間にある場合の振動スペクトルの詳細を示す特性図である。
【0037】
この場合、シャフト22の回転による主たるピークは、周波数が2Gと3Gとの間に現れる。したがって、各々のピークはシャフト21,22のいずれか一方のみに起因したものであるので、シャフト21,22のいずれか一方が故障している場合、どちらが故障しているのかを容易に判定できる。図1においては、シャフト7Sとシャフト4Sとの関係、およびシャフト9Sとシャフト5Sとの関係は、このように回転速度が整数倍の関係にないようになっている。
【0038】
2つのシャフト21,22の回転速度の比が、通常の使用時において整数倍の関係にする必要がある場合、故障箇所判定時のみ、たとえばプーリの交換などにより、整数倍の関係から外すこととしてもよい。
以上の実施形態では、伝達部材はベルトとしているが、伝達部材はギアであってもよい。また、以上の実施形態では、故障箇所の判定はすべての回転部材を対象としているが、異常音などにより故障箇所が限定できれば、一部の回転部材のみを対象として判定を行ってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る故障箇所判定方法により故障箇所を判定する基板処理装置、および本発明の一実施形態に係る故障箇所判定装置を示す図解的な部分透視斜視図である。
【図2】通常運転時の基板処理装置の振動スペクトルを示す特性図である。
【図3】故障箇所の判定が可能なように回転部材の回転速度を調整したときの基板処理装置の振動スペクトルを示す特性図である。
【図4】ベルトを介して連結された2つのシャフトを示す図解図である。
【図5】2つのシャフトの回転速度の比が1:3である場合の振動スペクトルの詳細を示す特性図である。
【図6】2つのシャフトの回転速度の比が1:2と1:3との間にある場合の振動スペクトルの詳細を示す特性図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
3 スピンチャック
4 遮断板
5 アーム
6 スプラッシュガード
7M,9M モータ
3S,4S,5S,6S,7S,9S,21,22 シャフト
15 振動計
16 携帯型の振動計
Claims (6)
- 通常運転時に実質的に同一の回転速度で回転される複数の回転部材を有する装置における故障箇所判定方法であって、
上記複数の回転部材を、故障箇所の判定に際して、互いに異なる回転速度で回転させるステップと、
上記装置に生じる振動の周波数を測定するステップと、
測定された振動の周波数に基づいて、上記複数の回転部材のうちどの回転部材が故障しているかを判定するステップとを含むことを特徴とする故障箇所判定方法。 - 上記複数の回転部材の互いに異なる回転速度は、整数倍の関係にないことを特徴とする請求項1記載の故障箇所判定方法。
- 通常運転時に実質的に整数倍の関係の回転速度で回転される複数の回転部材を有する装置における故障箇所判定方法であって、
上記複数の回転部材を、故障箇所の判定に際して、整数倍の関係にない互いに異なる回転速度で回転させるステップと、
上記装置に生じる振動の周波数を測定するステップと、
測定された振動の周波数に基づいて、上記複数の回転部材のうちどの回転部材が故障しているかを判定するステップとを含むことを特徴とする故障箇所判定方法。 - 上記故障している回転部材を判定するステップは、上記測定した周波数のうち、最大振幅の周波数に基づいて行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の故障箇所判定方法。
- 上記故障している回転部材を判定するステップは、上記最大振幅の周波数を回転速度に単位変換し、この回転速度近傍の回転速度で回転する回転部材が故障していると判定することを特徴とする請求項4記載の故障箇所判定方法。
- 上記装置に生じる振動の周波数は、振動加速度センサまたは振動速度センサにより測定され、
上記最大振幅の周波数に基づく判定は、上記振動加速度センサまたは上記振動速度センサによって得られる加速度または速度から、高速フーリエ変換により導出される振動スペクトルに基づいて行われることを特徴とする請求項4または5記載の故障箇所判定方法。
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