JP3725653B2 - アポトーシスを誘起する物質のスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アポトーシス(apoptosis)を誘起する物質のスクリーニング方法等に関するものであり、更に詳しくは、IAP(Integrin Associated Protein)を発現している細胞を用いて、骨髄球様細胞等にアポトーシスを誘起する性質を有するモノクローナル抗体等の物質を、簡便かつ高効率で探索することを可能とする新しいアポトーシスを誘起する物質のスクリーニング方法、並びに、当該スクリーニング方法で得られるアポトーシスを誘起する物質、当該物質を有効成分としてなる医薬組成物、IAPに結合能を有するアポトーシスを誘起する物質、当該物質を有効成分としてなる医薬組成物等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顆粒球コロニー刺激因子、例えば、遺伝子組換え型顆粒球コロニー刺激因子(rG−CSF)は、主に顆粒球系細胞の分化、増殖を促進させる液性因子として知られているものであるが、マウスのin vivoの実験では、このrG−CSFを投与することにより、骨髄の造血亢進のみならず、脾臓でも著しい髄外造血が起こり造血幹細胞を始めとしてすべての造血前駆細胞が脾臓で増殖することが報告されている。そして、この脾臓での髄外造血のメカニズムとして、rG−CSFの刺激により脾臓の造血微小環境が変化し、造血支持能力が亢進したことにより造血が生じたものであると考えられた。
【0003】
そこで、本発明者は、この脾臓での造血機能を解明するために、rG−CSF連投後の脾臓の間質細胞に着目し、間質細胞を介したrG−CSFによる造血機能亢進の解析を試みるべく、rG−CSFを連投したマウス脾臓より造血間質細胞株(CF−1細胞)を樹立し、かかる造血間質細胞を用いてその造血支持能を検討したところ、in vitroでのコロニー刺激活性およびin vivoでの造血幹細胞支持能が認められた〔Blood,80,1914(1992)〕。
【0004】
しかしながら、この脾臓間質細胞については、その一部が細胞株(CF−1細胞)として樹立されて、その細胞学的特性の検討等はなされているものの、これまでに、その細胞表面抗原を認識する特定の抗体を作製することはほとんど行われておらず、ましてやその特性等については全く知られていない状況にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、脾臓間質細胞に関する前記したような知見とこれまでの研究成果を踏まえ、この脾臓間質細胞を識別し得る特定の抗体を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねる中で、当該脾臓間質細胞株を感作抗原として使用してモノクローナル抗体を作製したところ、これまでに報告された例のない新規モノクローナル抗体が得られた。
【0006】
そして、この取得されたモノクローナル抗体の特性について検討したところ、当該モノクローナル抗体は、骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起する特性を有するものであることを見い出し、既に報告したが、更に、当該モノクローナル抗体が認識する抗原は、IAP(Integrin Associated Protein)と同一であること、また、IAPはアポトーシスに関する機能を有することを見い出すと共に、IAPを発現している細胞を用いることによりアポトーシスを誘起する抗体等の物質を識別、同定し、スクリーニングすることが可能であるとの知見を得て、鋭意研究を積み重ねる中で、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、IAPを発現している細胞を用いてアポトーシス(apoptosis)を誘起する性質を有する物質をスクリーニングする方法を提供することを目的とするものであり、更には、当該スクリーニング方法により取得された細胞にアポトーシスを誘起する新しい物質、当該物質を有効成分としてなる医薬組成物等を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記のモノクローナル抗体は、骨髄球様細胞(myeloid cell)のアポトーシス(apoptosis)〔核クロマチンDNAがヌクレオソーム単位で切断(いわゆるラダー・フォーメーション)されること等を特徴とし、その結果、細胞を死に至らしめる現象で、細胞自滅とも云う〕を引き起こす抗原等を特異的に認識する抗体として、これらを識別、同定する機能を有するものとして、あるいは骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起させる機能を有するものとして極めて有用なものである。尚、骨髄球様細胞には、リンパ球以外の細胞、例えば、好中球、巨核球、骨髄芽球、骨髄球、肥満細胞、マクロファージ、単球、赤芽球が含まれるが、本発明で云う骨髄球様細胞もこれと同義のものを意味する。従来、一般に、骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起する特性を有するモノクローナル抗体は前記の他に全く知られておらず、従って、前記モノクローナル抗体は、骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起する特性を有するすべてのモノクローナル抗体を包括するものとして定義される。
【0009】
かかるモノクローナル抗体は、基本的には、例えば、次のようにして作製することができる。
すなわち、前記モノクローナル抗体は、例えば、rG−CSF投与動物の脾臓間質細胞を感作抗原として使用して、基本的には、これを通常の免疫法を応用して免疫し、通常の細胞融合法を応用して細胞融合させ、通常のクローン化法を応用してクローン化することによって作製することができる。
【0010】
前記モノクローナル抗体の作製方法は、より具体的には、例えば、前記感作抗原として、本発明者らによって培養細胞株として樹立されたrG−CSF投与マウスの脾臓間質細胞であるCF−1細胞〔Blood,Vol.80,1914(1992)〕を使用し、当該感作抗原で免疫した哺乳動物の形質細胞(免疫細胞)を、マウス等の哺乳動物のミエローマ細胞と融合させ、得られた融合細胞(ハイブリドーマ)をクローン化し、その中から前記細胞株を認識する前記抗体を産生するクローンを選別し、これを培養して目的とする抗体を回収する方法が好適なものとして例示される。しかしながら、かかる方法はあくまで一例に過ぎず、例えば、この場合、前記感作抗原としては、前記CF−1細胞に限らず、CF−1細胞の場合に準じて得られるヒト脾臓間質細胞由来の細胞株を使用することも適宜可能であり、前記CF−1細胞の場合と同様にして目的とするヒト骨髄球様細胞と結合するモノクローナル抗体を作製することができる。
【0011】
このようなモノクローナル抗体の作製方法において、前記感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用するミエローマ細胞との適合性などを考慮して選択するのが好ましく、一般的には、マウス、ラット、ハムスター等が好適なものとして使用される。
【0012】
次に、免疫は、一般的方法により、例えば、前記CF−1細胞等の脾臓間質細胞を哺乳動物に腹腔内注射等により投与することにより、行われる。より具体的には、PBSや生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものを、動物に1ヶ月毎に数回投与することが好ましい。免疫細胞としては、前記細胞株の最終投与後に摘出した脾細胞を使用するのが好ましい。
【0013】
次に、前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺乳動物のミエローマ細胞としては、すでに公知の種々の細胞株、例えば、P3(P3X63Ag8.653)〔J.Immunol.,123,1548(1978)〕、p3−U1〔Current Topics in Micro−biology and Immunology,81,1−7(1978)〕、NS−1〔Eur.J.Immunol.,6,511−519(1976)〕、MPC−11〔Cell,8,405−415(1976)〕、Sp2/0−Ag14〔Nature,276,269−270(1978)〕、FO〔J.Immunol.Meth.,35,1−21(1980)〕、S194〔J.Exp.Med.,148,313−323(1978)〕、およびR210〔Nature,277,131−133(1979)〕等が好適に使用される。
【0014】
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には通常の方法、例えば、ミルシュタインら(Milstein et al.)の方法〔Methods Enzymol.,73,3−46(1981)〕等に準じて行うことができる。
【0015】
より具体的には、前記細胞融合は、例えば、融合促進剤の存在下に通常の栄養培地中で実施される。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等が使用され、更に、所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を適宜添加使用することもできる。免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は、例えば、ミエローマ細胞に対して、免疫細胞を1〜10倍程度とするのが好ましい。また、前記細胞融合に用いる培地としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI−1640培地、MEM培地、その他、この種の細胞培養に使用される通常の培地が使用可能であり、更に、牛胎児血清(FBS)等の血清補液を併用することも可能である。
【0016】
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培地内でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液、例えば、平均分子量1,000〜6,000程度のPEGを、通常、培地に約30〜60%(W/V)の濃度で添加し、混合することによって行われる。続いて、適当な培地を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことにより目的とするハイブリドーマが形成される。
【0017】
当該ハイブリドーマは、通常の選択培地、例えば、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培地)で培養することにより選択される。当該HAT培地による培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(未融合細胞)が死滅するのに充分な時間、通常、数日〜数週間継続する。次いで、通常の限界希釈法に従って、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローン化が実施される。
【0018】
このようにして作製される前記モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培地で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
【0019】
当該ハイブリドーマから前記モノクローナル抗体を採取するには、当該ハイブリドーマを常法に従って培養し、その培養上清から得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性のある哺乳動物に投与して増殖させその腹水から得る方法など適宜の方法が採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適した方法であり、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適した方法である。
【0020】
更に、前記した方法により得られる抗体は、塩析法、ゲル濾過法、アフィニティークロマトフラフィー等の通常の精製手段を応用して高純度に精製することができる。
【0021】
当該モノクローナル抗体は、後記する実施例においてはBMAP−1を用いたが、それに限らず、実施例において具体的に示す固有の特性、すなわち骨髄球様細胞等にアポトーシスを誘起する機能を有するものであれば、如何なるものであってもよく、当該機能を有するものであれば、その種類を問わず利用することができる。次に、IAPを発現している細胞としては、骨髄球様細胞等が例示されるが、例えば、マウスIAP遺伝子(Genbank, Accession number Z25524)〔The Journal of Cell Biology, 123, 485-496 (1993)〕を常法により導入したジャーカット細胞(Transfectant Jurkat Cell)等が好適なものとして使用される。IAP遺伝子としては、マウスIAP遺伝子に限定されるものではなく、他のIAP遺伝子、例えば、ヒトIAP遺伝子等を使用することが可能である。その他、IAPを発現している細胞(例えば、ヒト白血病細胞等)であれば同様に使用できることは云うまでもない。
そして、本発明に係るスクリーニング方法は、IAPを発現している細胞を用いる点に最大の特徴を有するものであり、当該細胞を用いてアポトーシスを誘起する物質をスクリーニングする方法は、IAPを発現して無い同一細胞をブランクとして、当該IAPを抗原として特異的に認識するモノクローナル抗体、その断片等の物質を、常法により識別、同定して、スクリーニングすれば良く、その具体的方法は特に限定されるものではない。
本発明のスクリーニング方法により取得されたモノクローナル抗体、その断片、IAPに結合能を有するアポトーシスを誘起する物質等は、その特性を利用して、例えば、抗ガン剤、骨髄性白血病の治療等の分野において有用な骨髄性白血病治療薬剤等の医薬組成物の有効成分として使用し得るものである。
【0022】
このようなモノクローナル抗体を利用して骨髄球様細胞にアポトーシスを引き起こす抗原等を特異的に認識する抗体として、これらを識別、同定するための、あるいは、当該モノクローナル抗体の固有の特性を利用して抗ガン剤、骨髄性白血病治療薬剤等の医薬組成物として使用するための具体的システムの構築、その改変および応用等は、当業者にとって自明の通常の方法を応用して実施されるものであることは云うまでもない。
【0023】
【発明の実施の形態】
【実施例】
次に、本発明を参考例および実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
【0024】
参考例
脾臓間質細胞株の樹立とその性質
1)脾臓間質細胞株の樹立
rG−CSF連続投与による脾臓間質細胞株は、rG−CSF100μg/kgを5日間投与したC57BL/6Jマウスの脾臓細胞の初代培養から樹立された。すなわち、rG−CSF投与後に無菌条件下に脾臓を摘出し、25cm2 プラスチック・フラスコ(Corning社製)で6週間培養し、10%非働化血清(FBS)(三光純薬社製、東京)、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを添加したIscoveの改変Dulbecco培地(IMDM)(Boehringer−Mannheim社製)で37℃、5%CO2 のインキュベータ内で培養し、週2回新鮮培地に交換した。
【0025】
コンフルエント培養から0.05%トリプシン+0.02%EDTA(Sigma Chemical社製)、Ca−Mg−free PBSを用いて付着性細胞集団(間質細胞)を分取して別なフラスコに移した。この継代培養を週に約1〜2回繰り返した。初期の継代培養(1〜10回目)での細胞のsplitratioは1/4〜1/8であったが、その後の比率は1/16〜1/32とした。約10回目の継代培養後に間質細胞は均質な線維芽細胞様となった。20回目の継代時に上述の方法で間質細胞を採集し、限界希釈法を用いて細胞のクローニングを2回繰返して間質細胞株(CF−1細胞株)を樹立した。
【0026】
次いで、これらの細胞を10%非働化FBSを加えたIMDM5mlを入れた25cm2 フラスコ(Corning社製)内で維持培養し、5日毎にsplit ratio 1/32で継代培養した。尚、他の哺乳動物についても、その脾臓間質細胞株を樹立することができ、例えば、ヒトの場合には、細胞をSV−40アデノウィルスベクターで形質転換すれば前述と同様の方法でヒト脾臓間質細胞株を樹立することが可能である〔J.Cell.Physiol.,148,245(1991)〕。
【0027】
2)CF−1細胞の特性
前記の如くして細胞株として樹立されたCF−1細胞については、標準的な細胞化学的手法を用いてアルカリ・ホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、β−グルクロニダーゼ、α−ナフチルアセテイトエステラーゼおよびオイル・レッドOを検索すると共に下記のモノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いて免疫酵素組織化学検索によりその特性を検討した:MacI(Sero Tec.社製)、第VIII関連抗原(Dakopatts社製)、I型コラーゲン、III型コラーゲンおよびフィブロネクチン(Chemicon International社製)、貪食能はラテックス・ビーズ(粒子径:1.09μm,Sigma)を用い、また、脂肪細胞への分化能は、25cm2 フラスコでコンフルエント培養後10-6mol/lの燐酸ハイドロコルチゾン(Sigma社製)を添加し、4週間の培養で検討した。
【0028】
その結果、CF−1細胞は、アルカリ・ホスファターゼ、第VIII因子関連抗原、MacIおよび貧食能は陰性であったが、I型コラーゲン、III型コラーゲンおよびフィブロネクチンは陽性であった。CF−1細胞は、微かにリピッドを含むが、10-6mol/lのハイドロコルチゾン存在下の4週間のコンフルエント培養によっても脂肪細胞には分化しなかった。これらのデータから、CF−1細胞は、前脂肪細胞、マクロファージおよび血管内皮細胞の特徴を備えていないと云えることから、これらとは異なる間質細胞由来であることが明らかとなった。
【0029】
3)CF−1細胞による造血幹細胞の維持
造血幹細胞がCF−1細胞によって維持されるか否かを検討するため、Till&McCullochの方法によるCFU−S assay(脾コロニー形成法)を行なった。マウス10匹/群に900cGyを照射(MBR−1520R,Hitachi社製,東京)した後、骨髄単核細胞(BM細胞)(1.0×105 /head、5.0×104 /headまたは2.5×104 /head)およびCF−1細胞(1.0×105 /head)を静注し、12日目に脾臓内のコロニー数を算えてCFU−S(脾臓コロニー)とした。
【0030】
その結果、骨髄単核細胞(BM細胞)とCF−1細胞とを放射線照射したマウスに同時に移植すると、いずれのBM細胞群についても脾コロニー数は、CF−1細胞を移植しなかったマウスに比し有意に増加し(1.4〜1.8倍)、また、BM細胞とCF−1細胞とを同時に移植したマウスの移植後12日目の生存率は、BM細胞を単独移植したマウスよりも高く、死亡率が低下することから、造血幹細胞がCF−1細胞によって維持されることが明らかとなった。
【0031】
実施例
モノクローナル抗体の作製
1)感作抗原と免疫法
感作抗原として、前述の参考例で取得したCF−1細胞を用いて抗原感作を行った。細胞株は、10%牛胎児血清(FBS、三光純薬社製)、Iscove改変Dulbecco培地(IMDM)(Boehringer−Mannheim社製)を培地として使用し、5%CO2 インキュベーター中で37℃の温度条件下で継代培養を行った。
【0032】
細胞は、1mMEDTA、PBS処理後、軽いピペッティングによって培養フラスコより回収した。この細胞を約1×107 個/mlの細胞数で1mMEDTA・PBSに懸濁し、浮遊させ、Wistar Imamich系ラット(7週令、♀、動物繁殖研究所)に免疫した。初回免疫には、約1×107 個/mlの細胞1mlをラット腹腔内に注射し、1ヶ月後に1×107 個/mlの細胞1mlを追加免疫した。更に、1ヶ月間隔にて1×107 個/mlの細胞1mlを数回追加免疫し、免疫されたラット抗体とCF−1細胞との反応性を確認後、最終免疫として、1×108 個/mlの細胞1mlを免疫した。最終免疫3日後にラットを屠殺して脾臓を摘出した。
【0033】
2)細胞融合
1匹のラットから摘出した脾臓を細切後、遊離した脾細胞を遠沈した後、IMDM培地(Boehringer−Mannheim社製)中に懸濁し、浮遊させ、充分に洗浄を行った。一方、マウス・ミエローマ細胞株Sp2/0−Ag14〔Nature,276,269−270(1978)〕を、10%牛胎児血清(FBS、三光純薬社製)を含有するIMDM(Boehringer−Mannheim社製)培地にて培養して得た細胞を、同様に前記IMDM培地で洗浄後、その1×108 個と、前記脾細胞2×108 個とを遠心管に入れ混合し、ポリエチレングリコール4000(半井化学社製)によって常法〔Clin.Exp.Immunol.,42,458−462(1980)〕に従い細胞融合させた。
【0034】
次いで、得られた融合細胞を、20%FBSを含むIMDM培地にて96個のウエルプレートに分注し、5%CO2 インキュベーター中で37℃で培養した。翌日よりHAT選択培地に徐々に置換させて培養を続けた。
培養開始後、上清を週2回の頻度に、それぞれ新しいHAT培地に代え、培養を継続し、増殖維持させた。
【0035】
次に、このようにして得られた融合細胞を常法により限界希釈法を用いてクローニングした。すなわち、前記融合細胞の培養上清中の抗体を利用して、感作抗原との結合性を調べ、感作抗原と強い結合性を有するクローンだけを常法により限界希釈法を用いてクローニングした。
【0036】
3)スクリーニング
融合細胞(ハイブリドーマ)のスクリーニングは、フローサイトメトリー(Flow Cytometry)を使った間接蛍光抗体法により行った。
目的の抗体を産生するクローンのスクリーニングは、ターゲット細胞として、CF−1細胞を用いて行った。すなわち、反応バッファー〔2%FBS,0.02%NaN3 を含むPBS〕に懸濁した細胞を遠心し、ペレットとして回収した後、ハイブリドーマ培養上清100μl中に浮遊させ(約1×106 個/100μl)、4℃にて1時間反応させた。 前記バッファーにより1回洗浄した後、FITC標識ヤギ抗ラットIgG(FC)抗体(Chemicon社製)を加えて1時間インキュベーションした。1回洗浄した後、フローサイトメトリー(Flow Cytometry)(FACScan,ベクトン・デッキンソン社製)にて解析した。
【0037】
4)抗体の精製
前記3)でスクリーニングした融合細胞を常法に従って培養し、培養上清中に産生される抗体を常法により分離し、精製した。
すなわち、各ウエルのうち前記感作抗原に対する抗体価の高かったウエルからハイブリドーマを採取し、組織培養プラスチックディッシュ(Corning社製)に広げて5%CO2 中で37℃にて継代培養を行い、増殖させ、常法により精製することにより、モノクローナル抗体GSPST−1、BMAP−1を得た。
【0038】
GSPST−1については、得られた細胞をプリスタン投与を施行したBALB/cAJcl−nu系ヌードマウス(8週令,♂,日本クレア社製)に腹腔内注入した。10〜14日後、産生された腹水を採取し、33%硫酸アンモニウムで塩析しPBSで透析した。また、BMAP−1抗体については、10%FBSを含むIscove modified MEM培地にて、大量培養し、培養上清を濃縮後、33%硫酸アンモニウムで塩析し、PBSで透析後、プロテインAカラムキット(アマシャム社製)により再度精製し、PBSにより透析を行った。尚、上記の実施例においては、感作抗原として、前記CF−1細胞を使用した場合について例示したが、他の造血幹細胞支持能を有する間質細胞を使用した場合にも同様にしてモノクローナル抗体を作製することが可能である。
【0039】
前記モノクローナル抗体のBMAP−1を産生するハイブリドーマは、Wistar Imamich系ラット脾細胞とマウス・ミエローマ細胞株Sp2/0−Ag14を親細胞として作製された新規な融合細胞であり、公的微生物寄託機関である工業技術院生命工学工業技術研究所に、BMAP−1(ラット マウスハイブリドーマ),受託番号FERM BP−4382として国際寄託されている。
【0040】
5)抗体の性質
▲1▼抗体の反応性
(CF−1細胞に対する反応性)
上記のようにして得られたモノクローナル抗体GSPST−1、BMAP−1のCF−1細胞に対する反応性について免疫蛍光分析(Immunofluorescence analysis)により検討した結果を図1〜図3に示す。ここで、図1は、抗体非存在下のコントロール、図2は、GSPST−1とCF−1細胞との結合性、図3は、BMAP−1とCF−1細胞との結合性、の解析結果を示す。尚、図中、縦軸は相対細胞数を、横軸は蛍光強度を、示す。
図1〜図3から明らかなとおり、モノクローナル抗体GSPST−1、BMAP−1はCF−1細胞に対して結合性を有しており、CF−1細胞の表面抗原を認識するものであることが分った。
【0041】
(骨髄細胞に対する反応性)
次に、GSPST−1、BMAP−1の正常の骨髄細胞に対する反応性をフローサイトメトリー(Flow Cytometry)(FACScan,ベクトン・デッキンソン社製)により検討した結果を図4〜図6に示す。ここで、図4は、抗体非存在下のコントロール、図5は、GSPST−1と骨髄細胞との結合性、図6は、BMAP−1と骨髄細胞との結合性、の解析結果を示す。尚、図中、縦軸は相対細胞数を、横軸は蛍光強度を、示す。
図4〜図6に示すように、GSPST−1は、骨髄細胞とは全く結合せず、BMAP−1は、すべての骨髄細胞と結合することが明らかとなった。
【0042】
(骨髄性白血病細胞株(NFS−60)に対する反応性)
GSPST−1およびBMAP−1のNFS−60細胞〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,6687−6691(1985)〕に対する反応性をフローサイトメトリー(Flow Cytometry)(FACScan,ベクトン・デッキンソン社製)により検討した結果を図7〜図10に示す。ここで、図7は、抗体非存在下のコントロール、図8は、GSPST−1とNFS−60細胞との結合性、図9は、市販のラットIgG1(Zymed社製)を用いたコントロール、図10は、BMAP−1とNFS−60細胞との結合性の解析結果を示す。尚、図中、縦軸は相対細胞数を、横軸は蛍光強度を、示す。
図7〜図10に示すように、GSPST−1は、NFS−60細胞とは反応せず、BMAP−1は、NFS−60細胞と結合することが明らかとなった。
【0043】
(BMAP−1のNFS−60細胞に対する細胞増殖抑制試験)
BMAP−1のNFS−60細胞に対する作用を、G−CSF100ng/mlおよびサイクロヘキシミド10-9M存在下にて、MTTアッセイ法により検討した結果を図11に示す。96穴の培養プレートを用い、NFS−60細胞を4×103 /well/100μlに対し、BMAP−1は0,1,10,100ng/ml,1,10μg/ml濃度のものをそれぞれ10μl/well添加し、その2日後に、MTT法により生細胞数を測定した。その結果、図11に示すように、NFS−60細胞はBMAP−1により著しく増殖が抑制されていることが明らかとなった。
【0044】
▲2▼抗体のタイピング
次に、得られたモノクローナル抗体のIgGのサブクラスをタイピングしたところ〔ラットMono Ab−ID・Spキット(Zymed社製)、およびビオチン標識マウス抗ラットIgG1抗体(Zymed社製)を使用〕、GSPST−1はIgG2a、BMAP−1はIgG1であることが明らかとなった。
【0045】
▲3▼骨髄移植阻害作用
次に、これらの抗体を用いて骨髄移植阻害実試験を行い、その特性について検討した。その結果を図12〜図13に示す。図12〜図13に示されるように、BMAP−1は、骨髄移植阻害効果を有するが、GSPST−1には、その効果は認められなかった。すなわち、致死量の放射線照射(900cGy)をしたC57BL/6Jマウスに、1.0×105 /headの骨髄細胞およびモノクローナル抗体を、尾静脈より投与し、脾臓コロニーの形成を観察したところ、上記の結果を得た。尚、図13のNon−treatedは、これらを投与しなかった場合を示す。
【0046】
図13に示されるように、BMAP−1が、骨髄移植阻害試験において、移植を完全に抑制するのは、このモノクローナル抗体が、骨髄細胞に反応しアポトーシスを引き起こすことに因るものであることが確認された。すなわち、BMAP−1産生のハイブリドーマをヌードマウスに腹腔内投与すると腹水がわずかに貯留する時期にマウスは死亡した。また、正常のC57BL/6Jマウスに、50μg/headのBMAP−1を静脈内投与することにより骨髄細胞がすべて死滅することが判明し、図14にBMAP−1静脈内投与6日後の骨髄細胞が死滅したことを裏付ける顕微鏡写真を示した。この顕微鏡写真から明らかなように、リンパ球ばかりでなく、好中球、巨核球、骨髄芽球、骨髄球、肥満細胞、マクロファージ、単球、赤芽球等(いわゆる骨髄球様細胞)が死滅していることが確認された。また、30μg/headのBMAP−1を投与したマウスの骨髄細胞のDNAを検討したところ、図15に示すように、明らかにラダー・フォーメーションが認められ、BMAP−1の骨髄細胞に対する前記反応は、アポトーシスに因るものであることが確認された。
【0047】
なお、BMAP−1抗体について、そのIgGのFc領域をペプシン(Sigma社製)により切断し、F(ab′)2 としてGPCカラムにより精製した後、C57BL/6Jマウスにその33.5μg/head(完全なIgGの50μg/headに相当する量)を静脈内投与した結果、骨髄において、骨髄細胞が死滅することが認められた。このことにより、BMAP−1による骨髄細胞の死滅には、抗体依存性細胞障害および補体依存性細胞障害は関与していないことが明らかとなった。
【0048】
ところで、アポトーシスを引き起こす抗原としては、細胞表面蛋白質のFas抗原が既に報告されているが、このFas抗原は、胸腺、心臓、肝臓、肺、卵巣などでmRNAの発現が認められているが、骨髄ではそのmRNAがほとんど検出されないことから〔J.Immunol.,148,1274−1279(1992)〕、BMAP−1が認識する抗原は、従来知られているFas抗原とは異なるものであることは明らかである。
【0049】
更に、BMAP−1が認識する抗原が、TNFレセプターか否かを明らかにするため、TNFに反応し細胞死を起こすL−929細胞を用い、BMAP−1の作用を検討した。マウスTNFα(Genzyme社製)の最終濃度は、0,1,10,100pg/ml,1,10,100ng/ml,1μg/mlとし、BMAP−1の最終濃度は、0,10,100pg/ml,1,10,100ng/ml,1,10μg/mlとし、TNFαおよびBMAP−1添加後2日目に、L−929細胞の生細胞数をMTT法により測定した。その結果、図16、17に示すように、TNFαによりL−929細胞は著明に減少するのに対し、BMAP−1はL−929細胞に対し作用を及ぼさなかった。従って、BMAP−1が認識する抗原はTNFレセプターでないことが明らかとなった。
【0050】
BMAP−1が認識する抗原が、MHCclassI抗原であるか否かをフローサイトメトリー(Flow Cytometry)(FACScan,ベクトン・デッキンソン社製)により検討した結果を図18〜図21に示す。ここで、図18は、市販のラットIgG2a(Zymed社製)を用いたコントロール、図19は、抗マウスMHCclassI抗体(ラットIgG2a,BMA社製)とBWV1細胞(BW5147細胞由来のマウスリンパ腫)との結合性、図20は、市販のラットIgG1(Zymed社製)を用いたコントロール、図21は、BMAP−1とBWV1細胞との結合性の解析結果を示す。尚、図中、縦軸は相対細胞数を、横軸は蛍光強度を、示す。その結果、BMAP−1はBWV1細胞を認識しないが、MHCclassI抗体は、BWV1細胞と反応した。
【0051】
以上のように、BMAP−1は、骨髄球様細胞にアポトーシスを引き起こす作用を有するものであることが実験的に確認されたが、本発明者の知るところによれば、前述の如く、従来、骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起するモノクローナル抗体について報告された例はなく、かかる作用を有するモノクローナル抗体は、本発明者が見い出したものである。
【0052】
前記BMAP−1が認識する抗原については、直接発現クローニング(Direct Expression Cloning)によりマウスIAPであることが明らかとなった。次に、BMAP−1の作用をマウスIAPを遺伝子導入した組み換え体細胞を用いて検討した。すなわち、マウスIAP(Integrin Associated Protein)を発現して無いJurkat細胞(Jurkat Cell)に常法によりIAP遺伝子を導入し、マウスIAPを発現している細胞(Recombinant Jurkat Cell)を用い、BMAP−1の当該IAP発現細胞に対する作用をMTS法およびフローサイトメトリーによるDNA断片化の検索により検討した。その結果を図22〜26に示す。
【0053】
MTS法は生細胞数を測定するアッセイ法(プロメガ社)であり、この方法によりBMAP−1の組み換え体Jurkat細胞への作用を検討した。すなわち、96穴の培養プレートを用い、G418(1mg/ml最終濃度)(ギブコBRL社製)の存在下で、組み換え体Jurkat細胞を1×104 /well/100μlに対し、BMAP−1を最終濃度で1、10、100ng/mlおよび1、10μg/ml、対照としてIgG1を10μg/ml添加し、2日間培養後に、MTS法により生細胞数を測定した。その結果、図22に示すように、組み換え体Jurkat細胞はBMAP−1により著しく増殖が抑制されていることが明らかとなった。
BMAP−1による組み換え体Jurkat細胞のDNA断片化の解析は、フローサイトメトリー(EPICS(登録商標) XL−MCL、コールター社製)を用いて行った。すなわち、6穴の培養プレートを用いG418(1mg/ml最終濃度)(ギブコBRL社製)の存在下で、組み換え体Jurkat細胞を1.5×105 /well/3mlに対し、IgG1およびBMAP−1を最終濃度1μg/ml添加し2日間培養後、測定に供した。細胞を培養プレートより回収し200×gで細胞ペレットを2mlの冷70%エタノール中に4℃で60分間固定した。次いで、細胞を遠心し、1mlのPBS中に再懸濁した。0.5mlの細胞サンプルに対して0.5mlのRNAse(Type I−A、Sigma、St.Louis、MO、USA、1mg/ml in PBS)を加え、次いで、1mlのヨウ化プロビジウム(PI、Sigma、100μg/ml in PBS)溶液に混合した。混合した細胞は暗所で室温にて15分間インキュベーションした後、4℃の暗所に保持し、フローサイトメトリーによる測定に供した。
【0054】
その結果、図26に示すように、マウスIAP遺伝子を導入した細胞はBMAP−1によりアポトーシスが誘起されていることが明らかとなった。
一方、発現Vectorのみを導入しマウスIAPを発現して無いJurkat細胞に対しては、BMAP−1の上記の作用は見られなかった(図24)。これらのことから、BMAP−1抗体が認識する抗原は、IAPと同一であること、また、IAPがアポトーシスに関する機能を有することが明らかとなった。
【0055】
現時点での情報では、IAPの機能としては、インテグリンのαv β3 のβ鎖に結合しαv β3 とそのリガンド(Ligand)であるビトロネクチン(Vitronectin)との結合を支持する作用(J.Cell.Biol.,123,485−496(1993))、好中球と血管内皮との接着に際し血管内皮にCa2+の流入を誘導する作用(J.Biol.Chem.,268,19931−19934(1993))、あるいは好中球が血管内皮を通過することを支持する作用が報告されているが(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,3978−3982(1995))、アポトーシスに関する機能は報告されていない。
【0056】
BMAP−1は、上記のように、骨髄球様細胞と結合し、骨髄球細胞にアポトーシスを誘起するモノクローナル抗体の一種であることから、当該BMAP−1抗体が特異的に認識する抗原としてのIAPを発現している細胞を利用すれば、骨髄球様細胞等にアポトーシスを引き起こす物質を識別、同定し、スクリーニングすることが可能となる。
【0057】
以上のように、本発明は、BMAP−1抗体が認識する抗原は、IAPと同一であること、また、IAPがアポトーシスに関する機能を有すること、を明らかとしたものであり、かかる知見に基づいて、IAP遺伝子を導入した細胞あるいはIAPを発現している細胞を用いることにより、骨髄球様細胞等にアポトーシスを誘起する物質を簡便かつ高効率にスクリーニングする方法を確立したものである。
【0058】
そして、本発明のスクリーニング方法によって取得されたモノクローナル抗体、その断片、IAPに結合能を有するアポトーシスを誘起する物質等の物質の骨髄球様細胞等に対するアポトーシス作用を利用することにより、当該モノクローナル抗体等の物質は、例えば、その抗原の発現が高いと考えられる骨髄性白血病細胞を死滅させることが可能であると考えられることから、前記骨髄球様細胞にアポトーシスを誘起するモノクローナル抗体、その断片等の物質は、抗ガン剤、骨髄性白血病治療薬剤等の医薬組成物の有効成分として有用なものである。
【0059】
以上、本発明のスクリーニング方法について実施例を示して具体的に説明したが、本発明で云うところのアポトーシスを誘起する物質は、前記具体例として例示したものが代表的なものとしてあげられるものの、必ずしもこれに限定されるものではなく、同様にスクリーニングされた同様の特性および機能を有するすべての物質を包含するものであることは云うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、IAPを発現している細胞を用いることにより、骨髄球様細胞にアポトーシスを引き起こす抗体等の物質を、その特異的結合反応を利用して、それらを識別、同定し、簡便かつ高効率でスクリーニングすることを可能とする。本発明のスクリーニング方法により取得された骨髄球様細胞等にアポトーシスを引き起こす作用を有する物質は、その特性を利用して、抗ガン剤、骨髄性白血病の治療等の分野において有用な骨髄性白血病治療薬剤等の医薬組成物の有効成分として使用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】イムノフルオレッセンスによる解析(抗体非存在下の対照,CF−1細胞)。
【図2】イムノフルオレッセンスによるGSPST−1抗体とCF−1細胞との結合性の解析。
【図3】イムノフルオレッセンスによるBMAP−1抗体とCF−1細胞との結合性の解析。
【図4】イムノフルオレッセンスによる解析(抗体非存在下の対照,骨髄細胞)。
【図5】イムノフルオレッセンスによるGSPST−1抗体と骨髄細胞との結合性の解析。
【図6】イムノフルオレッセンスによるBMAP−1抗体と骨髄細胞との結合性の解析。
【図7】イムノフルオレッセンスによる解析(抗体非存在下の対照,NFS−60)。
【図8】イムノフルオレッセンスによるGSPST−1とNFS−60細胞との結合性。
【図9】イムノフルオレッセンスによる解析(ラットIgG1による対照,NFS−60)。
【図10】イムノフルオレッセンスによるBMAP−1とNFS−60細胞との結合性。
【図11】モノクローナル抗体の細胞増殖抑制試験(BMAP−1)。
【図12】モノクローナル抗体の骨髄移植阻害試験(GSPST−1)。
【図13】モノクローナル抗体の骨髄移植阻害試験(BMAP−1)。
【図14】本発明のモノクローナル抗体のBMAP−1投与6日後の死滅した骨髄細胞(2)、抗体非存在下の対照(1)、を示す説明図である〔骨髄標本(生物の形態)の顕微鏡写真(H.E.染色)(×400)〕。
【図15】本発明のモノクローナル抗体のBMAP−1を投与した場合にみられる骨髄細胞のDNAのラダー・フォーメーションを示す説明図である(電気泳動クロマトグラフィーの泳動写真)。
【図16】TNFによる細胞障害試験。
【図17】モノクローナル抗体の細胞障害試験(BMAP−1)。
【図18】イムノフルオレッセンスによる解析(ラットIgG2aによる対照,BWV1)。
【図19】イムノフルオレッセンスによる抗マウスMHCclassI抗体とBWV1細胞との結合性。
【図20】イムノフルオレッセンスによる解析(ラットIgG1による対照,BWV1)。
【図21】イムノフルオレッセンスによるBMAP−1とBWV1細胞との結合性。
【図22】BMAP−1の細胞(マウスIAP遺伝子を導入したジャーカット細胞)に対する増殖抑制作用。
【図23】Apoptosisの解析───発現Vectorのみを導入したJurkat cellsに対する作用(IgG1 1μg/ml,A:Apoptosis ratio,6.2%)。
【図24】Apoptosisの解析───発現Vectorのみを導入したJurkat cellsに対するBMAP−1の作用(BMAP−1 1μg/ml,A:Apoptosis ratio,3.5%)。
【図25】Apoptosisの解析───マウスIAP遺伝子を導入したJurkatcellsに対する作用(IgG1 1μg/ml,A:Apoptosisratio,3.2%)。
【図26】Apoptosisの解析───マウスIAP遺伝子を導入したJurkatcellsに対するBMAP−1の作用(BMAP−1 1μg/ml,A:Apoptosis ratio,25.6%)。
【符号の説明】
a BMAP−1投与したマウス胸腺のDNA(24時間)
b BMAP−1投与したマウス骨髄のDNA(24時間)
c BMAP−1投与したマウス骨髄のDNA(8時間)
d BMAP−1投与したマウス骨髄のDNA(4時間)
e 無処理マウスの骨髄のDNA(骨髄細胞)
f 分子量マーカー
Claims (2)
- IAP(Integrin Associated Protein)を発現している細胞を用いてアポトーシス(apoptosis)を誘起する性質を有する物質を探索することを特徴とするアポトーシスを誘起する物質のスクリーニング方法。
- 細胞が、骨髄球様細胞である請求項1記載のスクリーニング方法。
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