JP3725573B2 - 水硬性無機質成形板の製造方法 - Google Patents
水硬性無機質成形板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は表面に凹凸模様を有する水硬性無機質成形板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に凹凸模様を有する水硬性無機質成形板の製造方法としては,表面に凹凸模様を有する下型に,例えばセメントと木質繊維との混合粉体を乾式散布する方法が知られている。しかし,この方法では乾式散布するため,使用できる原料の繊維及び軽量骨材等の種類,量に制限が多かった。したがって,得られる水硬性無機質成形板は,軽量性,曲げ強度,寸法安定性のいずれかの点で不十分であるという課題があった。
【0003】
一方,スラリー状の原料を使用して,表面に凹凸模様を有する水硬性無機質成形板の製造方法としては,一般に下型にスラリー状の原料を供給し,下型から予備脱水した後,表面に凹凸模様を有する上型で加圧脱水する方法が知られている。しかし,この方法では,上型の凹凸模様が成形体に精度良く転写されず表面意匠性の点で不十分であり,深絞り模様の場合は,精度が特に悪くなるという課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,従来技術が有していた前述の課題を解消し,意匠性に優れ,軽量で,曲げ強度が大きく,寸法安定性に優れた水硬性無機質成形板の製造方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は,凹凸模様を有する下型に固形分20〜30重量%に調整したスラリー状の水硬性原料を供給し,上型から余剰水を除去しつつ予備プレスして予備成形体を成形し,次いで,予備成形体を同じく凹凸模様を有する下型を用いるとともに上型から余剰水を除去しつつ本プレスして,凹凸模様の転写された表面形状の水硬性無機質成形板を製造する水硬性無機質成形板の製造方法である。
【0006】
本発明において,下型にスラリー状の水硬性原料を供給するにあたり,水硬性原料は,これを,固形分が10〜30重量%,特に20〜30重量%になるように調整して使用する。固形分の含有量が10%未満であると脱水に長時間必要になり,生産性が低下するので好ましくなく,30%超であると流動性が低下し型の凹凸模様が精度良く転写されないので好ましくない。
【0007】
水硬性原料としては,特に限定されず,具体的には,スラグ,石膏,セメント,消石灰などの水硬性材料と,パーライトなどの軽量化材料と,パルプ繊維,ワラストナイトなどの補強材料との混合物が例示される。
【0008】
かかるスラリー状の水硬性原料は,表面に凹凸模様を有する下型に供給された後,下型と上型とにより予備プレスされ予備成形体が成形される。下型の凹凸模様は,水硬性無機質成形板に転写されるものであり,目的とする模様が使用される。なかでも,凹部と凸部との差が大きい深絞り模様のものが特に好ましい。下型の材質には,金属も使用できるが,繊維強化樹脂がコストの面で好ましい。
【0009】
上型は,その表面(水硬性原料に当接する面)に開口する複数の吸引用小孔を有し,各小孔は真空装置に連結されている。真空装置内を−700〜−100mmHgに減圧することにより,この予備プレスの加圧中に,原料中の余剰水は,上型の複数の小孔より吸引され除去される。予備プレスの条件は,常温〜50℃の温度,1〜5kg重/cm2の圧力及び5〜120秒間の時間程度である。
【0010】
かくして成形される予備成形体は,固形分に対して50〜200%程度の含水率になっているのもが好ましい。この含水率が200%超であるとその形状が維持できなくなるので好ましくなく,50%未満であると生産性が低下するので好ましくない。予備成形体の含水率は100〜190%の範囲がより望ましい。
【0011】
次いで,かかる予備成形体は,本プレスされ,水硬性無機質成形板が製造される。本プレスにおける下型,上型は,通常,予備プレスで使用したものが使用される。その際,予備プレスで使用した凹凸模様を有する下型を,そのまま本プレスの下型として使用してもよく,逆に,予備プレスで使用した凹凸模様を有する下型を,そのまま本プレスの上型として使用してもよい。本プレスの条件は,常温〜50℃の温度,10〜100kg重/cm2の圧力及び1〜120秒間の時間程度である。この本プレスにおいても上型より脱水することが好ましい。
【0012】
かくして製造された水硬性無機質成形板は,養生により完全に硬化される。この養生方法としては,60〜80℃の飽和蒸気圧下で6〜10時間湿潤養生し,さらに150〜180℃,4〜10気圧でオートクレーブ養生することが,生産性を高めるうえで望ましい。このオートクレーブ養生において,生産コストを優先する場合は無機質成形板を下型より外し養生し,下型を次の予備プレスを行う工程に戻すようにすることが好ましく,深い凹凸模様で特にその転写精度を生産コストより優先する場合には,水硬性無機質成形板を下型に押圧した状態で養生することが好ましい。
【0013】
予備プレス,本プレスに使用するプレス装置は,同一の装置を使用してもよいが,両装置を別々に設けることが好ましい。その理由は,予備プレスは本プレスより圧力が小さいので設備費が安く,しかも,予備プレスは本プレスよりプレス時間が一般に長いので,同一の装置で予備プレスと本プレスを行うと,製造コストが高くなるからである。本プレスの装置1台に対し予備プレスの装置を複数台設けることが,より好ましい。
【0014】
【実施例1】
水硬性原料として,セメント30重量%,珪石粉末40重量%,パーライト10重量%,パルプ繊維10重量%,無機質骨材5重量%,無機質混和材5重量%の割合で混合し,これに水を添加し,固形分が約20重量%のスラリー状の水硬性原料を調合した。
【0015】
次いで,このスラリー状の水硬性原料を,凹凸模様を有する下型に供給した。この下型の凹凸模様は,凹部が不規則に設けられ,その最大の深さは8mmであった。次いで,この下型と吸引用小孔が表面(水硬性原料に当接する面)に開口する上型とにより予備プレスし予備成形体を成形した。予備プレスの際,上型の吸引用小孔は,真空ポンプに接続され,その圧力が−500mmHgになるよう減圧され,上型の小孔より余剰水が吸引され除去された。この予備プレスの条件は,常温で,5kg重/cm2の圧力で,20秒間の加圧であった。
【0016】
かくして成形された予備成形体の含水率は,固形分に対して約100%であった。次いで,この予備成形体を,下型が装着された状態で,本プレス装置へ移動し,この下型と本プレス装置に装着されている上型(同様の吸引用小孔を有する)により加圧し,本プレスした。本プレスにおいても上型より余剰水を吸引し除去した。本プレスの条件は,常温で,50kg重/cm2の圧力で,20秒間の加圧であった。
【0017】
かくして製造された水硬性無機質成形板を,下型の装着された状態でパレットに積みあげ,80℃飽和水蒸気圧のもとで8時間養生した後,下型を外し,さらに,オートクレーブに挿入して160℃で15時間養生し硬化した。
【0018】
この硬化した水硬性無機質成形板について,模様の深さをレーザー式変位センサー(キーエンス社製可視光レーザー式変位センサーLB300)により測定した結果,凹部の最大深さはほぼ8mmであった。
【0019】
【実施例2】
実施例1と同様にして予備成形体を作成した。その際,下型の最大深さが7mm,予備プレスの条件が,圧力3kg重/cm2,加圧時間15秒間である点が実施例1と相違した。この予備成形体の含水率は固形分に対して約150%であった。次いで,加圧時間が10秒間である点を除き実施例1と同様にして,予備成形体を本プレスした。
【0020】
かくして製造した水硬性無機質成形板を下型の装着された状態で反転した後,下型を外した。次いで,この水硬性無機質成形板を互いに空間を有するようにトレイに積みあげ,60℃飽和水蒸気圧のもとで10時間養生した。次いでこれをオートクレーブに挿入して175℃で7時間養生し硬化した。
【0021】
この硬化した水硬性無機質成形板について実施例1と同様にして模様の深さを測定した結果,凹部の最大深さは7mmであった。
【0022】
【比較例】
実施例1に用いた最大深さ8mmの凹凸模様を有する下型を上型に使用し,模様がなく吸引用小孔を有する下型を使用し,下型より余剰水を吸引除去したことを除き,実施例1と同様にして水硬性無機質成形板を製造した。この水硬性無機質成形板について,実施例1と同様にして模様の深さを測定した結果,凹部の最大深さは,ほぼ5mmであった。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば,凹凸模様を有する下型にスラリー状の水硬性原料を供給するので,原料が下型表面に密着し,下型の凹凸模様が精度良く転写された表面形状の意匠性に優れる水硬性無機質成形板が製造される。さらに原材料の選択範囲が拡がるため,軽量で曲げ強度,寸法安定性に優れる水硬性無機質成形板も製造される。
Claims (1)
- 凹凸模様を有する下型に固形分20〜30重量%に調整したスラリー状の水硬性原料を供給し,上型から余剰水を除去しつつ予備プレスして予備成形体を成形し,次いで,予備成形体を同じく凹凸模様を有する下型を用いるとともに上型から余剰水を除去しつつ本プレスして,凹凸模様の転写された表面形状の水硬性無機質成形板を製造する水硬性無機質成形板の製造方法。
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JP03397295A JP3725573B2 (ja) | 1994-07-25 | 1995-02-22 | 水硬性無機質成形板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH0890531A JPH0890531A (ja) | 1996-04-09 |
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JP03397295A Expired - Lifetime JP3725573B2 (ja) | 1994-07-25 | 1995-02-22 | 水硬性無機質成形板の製造方法 |
Country Status (1)
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-
1995
- 1995-02-22 JP JP03397295A patent/JP3725573B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0890531A (ja) | 1996-04-09 |
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