JP3725554B6 - エアバッグ装置、エアバッグの折畳方法、およびエアバッグの折畳装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳んだエアバッグをガスにより膨張展開するエアバッグ装置、エアバッグの折畳方法、およびエアバッグの折畳装置に関する。
【従来の技術】
従来、例えば、自動車のステアリングホイールに備えられるエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、偏平な袋状をなすエアバッグと、このエアバッグを覆うカバー体と、ガスを噴射するインフレータとなどを備えている。そして、このエアバッグは、通常時は、小さく折り畳まれてカバー体の内側に収納され、衝突の衝撃を検出した状態で、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、この膨張の圧力によりカバー体を破断してエアバッグを突出させ、乗員の前方に膨張展開させて、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
この点、例えば、特開平7−137591号公報に記載されたエアバッグ装置が知られている。この構成では、エアバッグは、略円柱状のインフレータを中心として、略同心状をなす複数の円環状の折り線に沿って波状に折り畳まれるとともに、インフレータに向かって押圧して圧縮され、ステアリングホイールの内側に収納可能な所定の形状に折り畳まれている。そこで、この構成では、低いガスの圧力でカバー体を迅速に破断させ、エアバッグを円滑に展開できるようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−137591号公報の構成では、エアバッグを折り畳む際の折畳装置の構造が複雑になりやすいとともに、折り畳み工程の時間の短縮が容易でなく、製造コストの低減が容易でないとともに、波状に折り畳んだエアバッグをさらに押圧して圧縮する際に、エアバッグの径方向などに向かう不規則なしわが発生しやすく、小さく折り畳むことが必ずしも容易でない問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグの折り畳みが容易で小形化できるエアバッグ装置、また、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができ、装置の簡略化および工程の迅速化が可能であり、製造コストを低減できるとともに円滑に展開可能なエアバッグの折畳方法およびエアバッグの折畳装置に関する。
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ装置は、ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入し正面側に膨張展開する袋状のエアバッグとを具備し、前記エアバッグは、前記インフレータの正面側に配置された正面部と、この正面部の外周側に連続し略波状に折り返されて配置された3個以上の辺部と、これら辺部間に連続し前記各辺部の外周側に沿って配置された3個以上の余部とを備えたものである。そして、エアバッグを略波状に折り返した部分である複数の辺部をインフレータの外周側に沿って配置することにより、ガスの噴射の際に、インフレータの正面側に位置する正面部から、エアバッグを正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。また、略波状に折り返されて配置された複数の辺部を余部で連続させ、これら余部を各辺部の外周側に沿って配置することにより、折り畳む際に生じる不規則なしわの発生を抑制し、折り目を略整然と配列して、エアバッグを小さく折り畳むことができる。さらに、辺部および余部を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、各余部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、余部に正面部から先端部に連続して開放線部を設けることにより、各辺部を構成する折り目を互いに分離し、この開放線部に沿ってインフレータの外周側にガスを円滑に供給して、エアバッグを外周側に向かって円滑に膨張展開できる。
そして、各余部は、同一方向に巻き付けて各辺部の外周側に沿って配置することにより、容易に形成できるため、折り畳み作業を容易にできる。
また、本発明のエアバッグ装置は、ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入して膨張する袋状のエアバッグとを具備し、前記エアバッグは、ガス流入口を設けた底面部と、この底面部の外周側に連続しこの底面部と略直交する方向に略波状に折り畳まれた3個以上の辺部とを設け、これら辺部は、周方向の端部を外周側に沿わせて配置したものである。そして、この構成では、エアバッグを所定の形状に略整然と折り畳み、エアバッグを小さく折り畳むことができる。さらに、辺部を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、エアバッグ内の各部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、底面部を略矩形状とすることにより、底面部の縁部に沿ってエアバッグを容易に略整然と折り畳むことができ、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができる。
そして、隣接する辺部間に底面部から先端部に連続する開放線部を設けることにより、各辺部を構成する折り目を互いに分離し、この開放線部に沿ってインフレータの外周側にガスを円滑に供給し、エアバッグを外周側に向かって円滑に膨張展開できる。
また、本発明のエアバッグ装置の折畳方法は、ガスが流入して膨張展開するエアバッグの折り畳み方法であって、前記エアバッグを折り畳んで3個以上の辺部を形成するとともに、これら各辺部間に余った余部を前記各辺部の外周側に沿わせるものである。そして、エアバッグを折り畳んで複数の辺部を形成するとともに、これら各辺部間に余った部分を前記各辺部の外周側に沿わせることにより、エアバッグを辺部と余部とに容易に略整然と折り畳み、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができる。さらに、辺部を3個以上形成することにより、平面多角形状あるいは平面円形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、エアバッグ内の各部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、余部に、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部を形成することにより、外周側に向かって円滑に膨張展開するエアバッグを容易に折り畳むことができる。
また、本発明のエアバッグの折畳方法は、エアバッグを平面状に広げ、高さを規制しつつ、外周縁から折り畳みの中心に向かって複数箇所で押圧して折り畳み、外周側に突出した部分は折り畳んだ部分の外周側に沿わせるものである。そして、この構成では、エアバッグの高さを規制することにより、広げたエアバッグを中心側に押し込み、外周側に突出した部分を沿わせるだけで所定の形状に折り畳みできるため、エアバッグの折り畳み工程を簡略化し、工程に要する時間を短縮できるとともに、この工程に用いる装置も簡略化でき、折り畳みに要するコストを低減できる。また、エアバッグは、折り畳みの中心部の周囲に折り畳まれるため、ガスが中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。
また、本発明のエアバッグの折畳装置は、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部をエアバッグに形成する開放線形成手段と、この開放線形成手段により前記開放線部を保持した状態で、前記エアバッグを略波状に折り、略波状に折り畳んだ辺部と、前記開放線部に沿った余部とを形成する折畳手段とを具備したものである。そして、この構成では、開放線形成手段により、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部をエアバッグに形成し、この開放線部を保持した状態で、折畳手段によりエアバッグを略波状に折り、略波状に折り畳んだ辺部と開放線部に沿った余部とを形成できるため、開放線部が形成され外周側に向かって円滑に膨張展開するエアバッグを、辺部の外周側に沿って余部を沿わせることにより容易に折り畳むことができる。
また、略波状に折り畳んだ辺部を圧縮する圧縮手段を備えることにより、この圧縮手段により辺部を圧縮し、エアバッグを小さく折り畳むことができる。
そして、余部を辺部の外周側に沿わせる巻付手段を備えることにより、エアバッグの折り畳みの作業性を向上できる。
また、本発明のエアバッグの折畳装置は、平面状に広げられたエアバッグが載置される載置部と、このエアバッグの外周縁を折り畳みの中心側に向かって押圧する押圧手段と、前記エアバッグの前記載置部からの離間寸法を規制する高さ規制手段とを具備したものである。そして、この構成では、広げたエアバッグを押圧手段により中心側に押し込むことにより、高さ規制手段により高さを規制されたエアバッグを、中心部の周囲に略波状に折り畳み、折り畳まれずに外周側に突出した部分は、折り畳んだ部分の外周側に巻き付けるなどして沿わせることにより、エアバッグを所定の形状に折り畳むことができる。そこで、エアバッグの折り畳み工程を簡略化し、工程に要する時間を短縮できるとともに、この工程に用いる装置も簡略化でき、折り畳みに要するコストを低減できる。また、エアバッグは、折り畳みの中心部の周囲に折り畳まれるため、ガスが中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。
また、複数の押圧手段と、これら押圧手段同士の間に位置するエアバッグの移動を規制して耳部を形成する放射位置規制手段とを具備することにより、各押圧手段によりエアバッグを中心側に押圧する際に、放射位置規制手段により、折り畳まれた部分同士の間に位置して、中心部から外周側に放射状に突出する耳部を形成し、押圧手段により押圧された部分を整然と折り畳むことができるとともに、耳部を折り畳んだ部分の外周側に巻き付けるなどして沿わせることにより、エアバッグを所定の形状に容易に折り畳むことができる。
そして、外周側に突出した部分を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせる巻き込み手段を具備することにより、巻き込み手段により、折り畳んだ部分の外周側に突出した部分を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせることにより、エアバッグを容易に所定の形状に折り畳むことができる。
さらに、折り畳んだエアバッグをこのエアバッグが収納されるカバー体に挿入する挿入手段を具備することにより、折り畳んだ形状を保持するために特別な構成を設ける必要がなく、折り畳み工程を迅速に終了できるとともに、このエアバッグを用いるエアバッグ装置の製造を容易にできる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
第1図ないし第3図において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、自動車のステアリングホイールのステアリングホイール本体の中央のボス部に取り付けられ、乗員(運転者)を衝突の衝撃から保護するようになっている。なお、ステアリングホイールは、通常、所定範囲で傾動可能に設けられ、通常傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エアバッグ装置1の正面側である乗員側を上側、エアバッグ装置1の底面側である車体側を下側とし、通常自動車の前側上方すなわちフロントガラス側の部分を前側、自動車の後側下方となる部分を後側として説明する。
そして、このエアバッグ装置1は、ステアリングホイール本体に取り付けられる平面矩形状で金属製のベースプレート11と、このベースプレート11の上側に折り畳んだ状態で配置される袋状のエアバッグ12と、このエアバッグ12を上側から覆ってベースプレート11に取り付けられるカバー体(モジューカバー)14と、このベースプレート11に下側から取り付けられてエアバッグ12にガスを供給するインフレータ16となどから構成されている。
すなわち、インフレータ16は、略円柱状をなす本体武16aを備え、この本体部16aの外周部にフランジ部16bが形成されているとともに、このフランジ部16bの上側の外周面に位置して、ガスを噴射するガス噴射口16cが所定の間隔で複数形成されている。
また、エアバッグ12は、例えば、平面円形状の2枚の基布12a,12bの周縁部同士を縫い合わせ、広げた状態で円板状、膨らんだ状態で偏平な球状になっている。そして、このエアバッグ12の下面の中央部が底面部21となり、この底面部21に、円孔状のガス流入口22が形成されているとともに、この底面部21に対向する上面が正面部23になっている。
さらに、カバー体14は、ボス部および4本のスポーク部の一部を覆う被覆部26と、この被覆部26の裏面から下側に突設された取付壁部27とが、例えば、合成樹脂を射出して一体に形成されている。また、このカバー体14には、ホーンスイッチ機構31が取り付けられている。このホーンスイッチ機構31は、被覆部26の上面側に形成された凹設部26aに配置されるメンブレンスイッチ32、センタパッド33、および上部リング34と、被覆部26の下面側に配置される下部リング35とを備え、これらの部材が、上側から挿入されて各部材を貫通する複数のシャフト37と下部リング35の下側でこれらシャフト37に係止するEリング38とにより被覆部26に固定されている。なお、メンブレンスイッチ32には、変形時に接点が閉成されるシート状のスイッチ本体32aと、このスイッチ本体32aから延設され、取付壁部27の内側に沿って配置される接続片部32bとが設けられている。また、センタパッド33、上部リング34、およびシャフト37は、いわゆるIDマークなどをデザインするなどして、装飾部材として用いることができる。
そして、このエアバッグ装置1では、エアバッグ12が、外形略矩形状で環状のリテーナ41および図示しないリベットなどを用いて、ベースプレート11のインフレータ取付孔11aにガス流入口22を合わせてベースプレート11の上側に配置される。また、インフレータ16は、本体部16aをインフレータ取付孔11aを介してガス流入口22に下側から挿入し、リテーナ41から突設したボルト41aがフランジ部16bに貫通した状態で配置される。そして、この状態で、各ボルト41aに下側からナット43を螺合して締め付けることにより、リテーナ41とインフレータ16のフランジ部16bとの間にエアバッグ12とベースプレート11とが挟持され、このベースプレート11に、エアバッグ12とインフレータ16とが取り付けられる。さらに、エアバッグ12を所定の形状に折り畳み、このエアバッグ12にカバー体14を被せた状態で、カバー体14の取付壁部27がリベット44にてベースプレート11の側部に固定されている。なお、前後の取付壁部27に固着されるリベット44は、取付壁部27に係合するアシストプレート45を介して固着されている。さらに、インフレータ16の下側部にインフレータカバー46が取り付けられ、エアバッグ装置1が組み立てられている。
そして、このエアバッグ装置1は、自動車が衝突した際などには、図示しない衝突診断ユニットなどからの信号によりインフレータ16の点火器が起動され、充填した推進薬を反応させることにより、周面に形成したガス噴射口16cからエアバッグ12の内部にガスを急速に噴射する。すると、エアバッグ12は急速に膨張展開し、この膨張の圧力によりカバー体14に他の部分より脆弱に形成した所定のテアラインで破断して、エアバッグ12の突出口が形成される。この状態で、エアバッグ12は突出口から乗員側に突出し、乗員の前面に膨張展開して、乗員を衝突の衝撃から保護するようになっている。
次に、図面を参照してエアバッグ12の折り畳み方法を説明する。
まず、第4図に示すように、折り畳みに用いる折畳装置51は、互いに接近、離間する上型52、下型53を備えている。そして、これら上型52および下型53は、それぞれピストン54,55を備え、下側のピストン55には、インフレータ16の形状を模した下側プラグ55aが設けられているとともに、上側のピストン54には、下側プラグ55aの上面に押圧される上側プラグ54aが設けられている。さらに、上型52および下型53には、上下のプラグ54a,55aを取り囲むようにして、円筒状、角筒状などの筒状、あるいは複数の板状などをなして略同心状に配置された複数の折畳板56が備えられ、上下のピストン54,55とは独立してそれぞれ進退可能に支持されている。そして、これら折畳板56は、第4図(b)に示すように、上型52と下型53とが接近した状態で、上下の折畳板56が交互に組み合わされるようになっている。
そこで、第4図(a)に示すように、上型52と下型53とを離間させた状態で、下型53のピストン55の上に、ベースプレート11に取り付けられたエアバッグ12を平面円形状に広げて載置する。そして、この状態から、上型52と下型53とを互いに接近させ、上下の折畳板56を内周側から順次交互に組み合せていく。すると、広げられたエアバッグ12は、インフレータ16の外周側に位置し、ガス流入口22を形成した底面部21に対して直交する方向に、すなわち基布12a,12bの面がインフレータ16の外面に沿って垂直になり上下の端部で屈曲されるようにして、ガス流入口22を中心とする環状の波状に折畳まれる。また、この状態で、インフレータ16の上面には、1枚の基布12aからなる正面部23が配置される。
続いて、上型52と下型53とを離間させ、必要に応じて波状に折畳まれたエアバッグ12を折畳装置51から取り出し、図示しない治具あるいは作業者の手を用いて外周側の四方から押圧し、第5図に示すように、略矩形平板状をなす辺部61を4か所に形成するとともに、これら各辺部61同士を連接した部分が、辺部61の外側にはみ出した余部(耳部)62となる。
さらに、第6図に示すように、各余部62についてそれぞれ、図示しない治具あるいは作業者の手を用いて、一部を隣接する一方の辺部61の外周側に沿わせ、他の部分を隣接する他方の辺部61の外周側に沿わせて、外形を平面略矩形状とする。この状態で、第1図、第7図および第8図に示すように、エアバッグ12がカバー体14の取付壁部27などの形状に合わせた所定の形状、本実施の形態では平面矩形状に整然と折り畳まれる。
そうして、本実施の形態によれば、エアバッグ12を波状に折り返した部分である複数の辺部61をインフレータ16の外周側に沿って花弁状に配置し、インフレータ16の上側は1枚の基布12aからなる正面部23としたため、インフレータ16からガスを噴射した際には、正面部23の内側に円滑にガスを導入して、膨張の初期段階において、正面部23からエアバッグ12を正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。そこで、必要以上にガスの噴射の圧力を高めなくとも、カバー体14のテアラインを円滑に破断して、エアバッグ12を円滑に突出させることができる。
また、波状に折り返されて配置された複数の辺部61を余部62で連続させ、これら余部62を各辺部61の外周側に沿って配置することにより、折り畳む際に生じる径方向などに向かう不規則なしわの発生を抑制し、折り目を整然と配列して、エアバッグ12を所望の形状に賦形して容易に小さく折り畳むことができ、エアバッグ装置1を小形化できるとともに、エアバッグ12がカバー体14から突出した後は、側方にも迅速円滑に展開させることができ、さらに、耐久性の向上なども期待できる。
特に、エアバッグ12を折り畳んで平面矩形状とする場合には、矩形状とした底面部21の縁部に沿ってエアバッグ12を容易に整然と折り畳むことができ、エアバッグ12を容易に小さく折り畳むことができる。
さらに、辺部61および余部62を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、各余部62に円滑迅速にガスを供給できる。
さらに、エアバッグ12の大部分をインフレータ16の側方に配置し、インフレータ16の上側は1枚の基布12aからなる正面部23としたため、この正面部23の上側に空間部を形成し、この空間部に、ホーンを吹鳴させるホーンスイッチ機構31を配置できる。そこで、特別に薄型化したホーン機構を用いる必要がなく、スイッチの信頼性の向上、組み付け工数の削減、空間の有効利用などを図ることができるとともに、エアバッグ装置全体をホーンスイッチで上下動可能に支持する構成などに比べても、エアバッグ装置のステアリングホイール本体への取付精度を容易に向上でき、外観を向上できる。
なお、上記の実施の形態では、それぞれ複数の円筒状の折畳板56を設けた上型52、下型53を備えた折畳装置51を用いたが、例えば、これら上型52および下型53には、エアバッグ12を種々の平面形状をなして波状に屈曲するための種々の形状の折畳板を設けることができる。例えば、上記の実施の形態においては、上型52および下型53にそれぞれ4枚の矩形平板状の折畳板を設けることもでき、あるいは、これら4枚の矩形平板状の折畳板に加え、余部62を同時に形成する4枚の曲板状の折畳板を備えさせることもできる。なお、以下の各実施の形態において、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
また、上記の各実施の形態では、各余部62を辺部61の外周側に沿わせる際に、各余部62を隣接する二方の辺部61の外周側に沿わせたが、例えば、第9図に示す第2の実施の形態のように、各余部62をそれぞれ隣接する一方の辺部61の外周側のみに沿わせることもできる。
また、上記の各実施の形態では、4か所に辺部61を形成して最終形状を平面略矩形状としたが、カバー体の意匠などに合わせて、種々の形態とすることができ、辺部61の数も適宜選択できる。
例えば、第10図ないし第12図に示す第3の実施の形態のように、3本のスポーク部を設けたステアリングホイール本体などに対して、五角形のベースプレート71を用いる場合においては、角部を前後および両側に向けたリテーナ41によりエアバッグ12を固定するとともに、エアバッグ12は、治具を用いて環状の波状に折り畳んだ後、第11図(a)に示すように、外周側から押圧し、ベースプレート71の形状に対応して5か所の辺部61と余部62とを形成する。そして、第11図(b)に示すように、前側の2か所および後端の余部62を外周側に沿わせるとともに、側部の2か所の余部62は前記余部62の内周側に押し込むようにして辺部61に沿わせ、さらに、前側の2か所の余部62は、一方が他方の外周側に重なるように配置する。この状態で、第11図(c)に示すように、ベースプレート71上に納まるように、エアバッグ12が略五角形に折り畳まれる。なお、この実施の形態では、第12図(a)に示すように、辺部61を形成する蛇腹の数は4個、蛇腹の高さ寸法h1は35mmである。また、この実施の形態では、第12図(b)に示すように、辺部61の一部がインフレータ16の上側に乗り上げるようにして配置され、この部分では、蛇腹の高さ寸法h2は50mmになっている。
さらに、辺部61の外周側に沿わせる余部62の形状についても、単に巻き付けるようにして沿わせる形状のほか、第13図に示す第4の実施の形態のように、余部62の端末を内側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、また、第14図に示す第5の実施の形態のように、余部62の端末を外側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、あるいは、第15図に示す第6の実施の形態のように、余部62の端末を外側に1回、内側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、さらには、第16図に示す第7の実施の形態のように、余部62の端末を外側に2回すなわち波状に折り返した状態で辺部61に沿わせることもできる。
また、第17図に示す第8の実施の形態のように、エアバッグ12を平面矩形状などに折り畳む場合に、4か所の余部62を、波状に屈曲して両側の2か所の辺部61の外周側に沿わせることもできる。
さらに、上記の各実施の形態では、円形状に広げたエアバッグ12を折り畳む際には、まず、各折り目がインフレータ16の周囲を囲んで連続した環状の折り目を形成し、この折り目を垂直な折り目で分割して辺部61および余部62を形成したが、このような折り目は必ずしも環状に連続する必要はなく、例えば、第18図ないし第20図に示す第9の実施の形態のように、折り畳み工程あるいは折り畳み後の形状において、各折り目が連続せずに複数に分割された状態とすることもできる。
次に、この第9の実施の形態の折り畳み工程を図面を参照して説明する。
まず、第21図および第22図に示すように、折り畳みに用いる折畳装置81は、互いに上下に配置された上側治具82および下側治具83と、これら上側治具82および下側治具83の側方に配置された圧縮手段としての押圧治具85および第33図に示す巻付手段としての巻付治具86を備えている。そして、上側治具82および下側治具83は、それぞれピストン87,88を備え、下側のピストン88には、インフレータ16の形状を模した下側プラグ88aが設けられているとともに、上側のピストン87には、下側プラグ88aの上面に緩やかに嵌合して押圧される上側プラグ87aが設けられている。さらに、上側治具82には、上側のプラグ87aを上側から覆うようにして、折畳手段を構成する4個の折畳具A1,A2,A3,A4が設けられているとともに、下側治具83には、下側プラグ88aを下側から覆うようにして、折畳手段を構成する4個の折畳具B1,B2,B3,B4が設けられている。そして、各折畳具A1〜B4は、エアシリンダなど図示しない駆動装置によりそれぞれ独立して上下方向に駆動され、第22図に示すように、水平に配置された矩形板状の基板部A1a〜B4aを備えているとともに、各基板部A1a〜B4aの外側の四方の縁部からは、それぞれ垂直状に折畳板A1b〜B4bが突設されている。そして、第25図に示すように、各折畳具A1〜B4が互いに近接した状態で、上下の折畳板A1b〜B4bが交互に組み合わされるようになっている。また、各折畳板A1b〜B4bは、例えば第27図に示すように、余部62を辺部61の外周に沿わせるまで、折り畳まれた辺部61の形状を保持するようになっている。
さらに、下側治具83には、少なくとも下側の折畳板B1b〜B4bに対向する位置を除き、第24図に示すように、広げられたエアバッグ12が載置されるエアバッグ載置部91が設けられている。
一方、上側治具82には、それぞれ上下方向に駆動される4個の開放線形成手段としての開放線形成具93が設けられている。そして、各開放線形成具93には、各折畳板A1b〜B4b同士の間に位置して、すなわちベースプレート11の対角線を延長した方向を長手方向とする開放線形成板93aが垂直に設けられ、これら開放線形成板93aの下端部が、エアバッグ載置部91上に僅かな間隔を介して対向するようになっている。
また、押圧治具85は、四方に配置された各折畳板A1b〜B4bそれぞれに対向して四方に配置され、中心側すなわちインフレータ16の形状を模した下側プラグ88aに向かって進退可能に設けられている。そして、これら押圧治具85には、エアバッグ12を押圧する押圧板85aがベースプレート11の四辺に沿って垂直に設けられている。また、第27図などに示すように、各押圧板85aには、上側の折畳板A1b〜A4bを避ける切り欠きが形成され、正面視略E字状に形成されている。
さらに、巻付治具86は、第33図に示すように、それぞれベースプレート11の四辺の延長線に沿って配置されるとともに、これら延長線に沿って進退駆動されるようになっている。
そして、エアバッグ12を折り畳む際には、まず、初期状態においては、第21図および第22図に示すように、上側治具82と下側治具83とを上下に離間させるとともに、各押圧治具85および巻付治具86は外周側に離間させる。この状態で、ベースプレート11に取り付けたエアバッグ12をエアバッグ載置部91上に円形状に広げるとともに、エアバッグ12のガス流入口22すなわちベースプレート11のインフレータ取付孔11aに下側プラグ88aを挿入して装着する。続いて、図示しないポンプによりエアバッグ12内の空気を抜き、エアバッグ12の嵩体積を減らす。
続いて、第23図に示すように、上側治具82の上側プラグ87aを下降させ、この上側プラグ87aと下側プラグ88aとの間でエアバッグ12の上側の基布12aの正面部23を挟持する。
さらに、第24図に示すように、各開放線形成具93を下降させ、開放線形成板93aの下端部を、エアバッグ載置部91上に僅かな間隔を介して対向させる。すなわち、この状態で、開放線形成板93aとエアバッグ載置部91とに挟まれた部分のエアバッグ12は、直線状をなしたまま、若干移動可能に保持されている。
続いて、第25図に示すように、各折畳具A1〜B4を互いに接近させて互いに組み合わせ、広げられたエアバッグ12を、インフレータ16の外周側に位置し、ガス流入口22を形成した底面部21に対して直交する方向に、すなわち基布12a,12bの面がインフレータ16の外面に沿って垂直になり上下の端部で屈曲されるようにして、ガス流入口22を中心とする波状に折り畳む。
そして、この際、各折畳具A1〜B4を内周側から移動させ、すなわち、B1,A1,B2,A2,B3,A3,B4,A4の順で移動させることにより、各折畳板A1b〜B4bが順次基布12a,12bに当接する。すると、エアバッグ12は、第26図(a)に示す円形状に広げられた状態から、第26図(b)に示すように、辺部61と余部62とを構成する一重目の折り目が同時に形成されるとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p1が形成され、折り目が4か所で分割される。続いて、第26図(c)に示すように、一重目の折り目の外周側に沿ってエアバッグ12が波状に折り畳まれ、二重目の折り目を形成するとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p2が形成される。さらに、同様に折り畳み、第26図(d)に示すように、三重目の折り目が形成されるとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p3が形成される。そして、最後に、エアバッグ12の外周の縁部近傍を折り返すことにより、折り目p4,p5が形成され、第26図(e)および第27図に示すように、辺部61と余部62とが4か所ずつに形成される。
また、この状態で、各余部62は、折り目頂点p1,p2,p3を通る線、すなわち底面の中心を通ってエアバッグ12の内周側から外縁部まで連通する開放線部75により分割されている。すなわち、この開放線部75により、辺部61と余部62とを構成する折り目はすべて分断された状態になっている。
続いて、第27図の矢印に示すように、必要に応じて各開放線形成具93を上昇などして退避させた状態で、第28図に示すように、各押圧治具85を上昇させ、さらに内周側に移動させる。すると、まず、各押圧治具85の押圧板85aは、最外周側に位置する折畳具A4の折畳板A4bに組み合わされるとともに、エアバッグ12の各辺部61の外周に押圧して、形状を保持する。そして、この状態で、最外周側に位置する上下の折畳具A4,B4を上下に退避させる。
さらに続いて、折畳具A3の折畳板A3bに組み合うまで各押圧治具85を内周側に前進させ、エアバッグ12を押圧した状態で、外周側に位置する上下の折畳具A3,B3を上下に退避させる。そして、このような動作を繰り返し、各押圧治具85を前進させながら、第29図および第30図に示すように、残る上下の折畳具A2,B2,A1,B1および上側プラグ87aを抜き取る。
続いて、第31図に示すように、上側の折畳具A1〜A4を再び下降させ、これら折畳具A1〜A4の各折畳板A1b〜A4Bで、折り畳まれたエアバッグ12の各辺部61の外側を押さえて形状を保持しつつ、各押圧治具85を外周側に後退させる。
この状態から、第32図および第33図に示すように、各巻付治具86を前進させ、角部から4方向に突出した余部62をそれぞれ隣接した各辺部61に沿わせ、外形を平面略矩形状とする。さらに、この状態から、下降した折畳具A1〜A4を再び上昇させるとともに、各巻付治具86を後退させることにより、第18図に示すように、エアバッグ12がカバー体14の取付壁部27などの形状に合わせた所定の形状、本実施の形態では平面矩形状に整然と折り畳まれる。
そして、この第9の実施の形態によれば、上記の各実施の形態の効果に加え、エアバッグ12の内周側から外縁部まで連通する開放線部75を形成したため、エアバッグ12にガスを流入した際には、まず、エアバッグ12の正面部23にガスを円滑に供給し、カバー体14を開裂させてエアバッグ12を円滑に突出させることができるとともに、エアバッグ12がカバー体14の外部に突出した後には、エアバッグ12の中央部に噴射されるガスを外周側に円滑に供給し、エアバッグ12を外周側に向かって円滑に展開させることができる。
なお、この第9の実施の形態では、辺部61と余部62とを構成する折り目を内周側から順次形成したが、手作業によりあるいは折畳装置を用いるなどして、適宜の順序あるいは同時に、各折り目を形成することもできる。さらに、このような開放線部75は、他の実施の形態のエアバッグ12に適用することもできる。
さらに、第2図などに示す実施の形態では、インフレータ16の上側に空間を確保し、ホーンスイッチ機構31を配置したが、例えば、第34図に示す第10の実施の形態のように、凹設部を形成しないカバー体101を用い、ガス噴射口102aを2列に配置するなどして高さ寸法を大きくする一方で径寸法を小さくしたインフレータ102を用い、エアバッグ装置1の平面形状を小さくすることもできる。
また、上記の各実施の形態において、エアバッグ12を折り畳む際には、種々の折畳装置を用いて工程を自動化し、あるいは、すべて手作業により折り畳み、または、折畳装置と手作業とを組み合わせることもできる。
また、上記の各実施の形態では、例えば第2図に示すように、エアバッグの各辺部は、エアバッグの上下に配置した治具により、一定の形状が正確に反復する略波状に折り畳んだ構成について説明したが、必ずしもこのような構成に限られるものではなく、若干の不規則、不均一な形状のある略波状に折り畳むこともできる。すなわち、エアバッグは、例えば個々の折線を厳密に規定した位置に配置することにより、膨張展開の際のエアバッグの挙動をより容易に設定することが可能になるものと考えられるが、布製のエアバッグにおいては、そもそも折線を厳密に規定した位置に配置することは困難であり、また、若干の不規則、不均一な形状の略波状に折り畳んでも、エアバッグの挙動を必要十分に制御し得るものである。この点、例えば、エアバッグを平面状に広げ、上下の範囲を規制した状態で、外周側から内周側に向かってエアバッグを押し込み、複数の略波状に折り畳まれた辺部を形成する構成によっても、径方向などに向かう不規則なしわの発生を抑制して、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができるとともに、エアバッグを正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。
また、エアバッグ装置は、自動車のステアリングホイールのみに備えられるものではなく、例えば、助手席前のインストルメントパネルに備える助手席乗員用の(アシスト)エアバッグ装置、座席の側部やドアパネルに備える(サイド)エアバッグ装置、あるいは、前席の背面に備える後部座席用のエアバッグ装置などに適用することもでき、さらに、自動車などの車両以外の移動体など、衝撃からの保護が必要なものに適用できる。
例えば、図35に示す第11の実施の形態のように、助手席乗員用のエアバッグ装置111において、展開時に正面視略矩形状をなすエアバッグ112を、正面視略矩形状をなす開口を備えたケース114に収納する場合には、広げたエアバッグ112を外周側から中心側に押し込みなどして、略波状に折り畳んだ四方の辺部115と、これら辺部115同士の間の角部から外周側に放射状に突出する4か所の余部116とを形成し、さらに、各余部116を、それぞれ長い側の一対の辺部115の外側に沿わせることにより、ケース114に収納可能な形状に作業性良く折り畳むことができる。
さらに、第36図ないし第48図を参照して、本発明の第12の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態のエアバッグ201は、第1図に示す実施の形態と同様に、第37図に示すように、自動車のステアリングホイールのボス部に備えられるエアバッグ装置202に組み込まれるもので、このエアバッグ装置202は、エアバッグ201の他、略円環状のリテーナ203、ステアリングホイールに取り付けられるベースプレート204、合成樹脂などからなる破断可能なカバー体205、およびガスを噴射するインフレータ206などから構成されており、以下、エアバッグ201の突出の中心方向すなわち乗員側を上側(正面側)、車体側(ステアリングシャフト側)を下側として説明する。
そして、エアバッグ201は、2枚のほぼ同じ円形状の上下の基布を縫い合わせて偏平な袋状に形成され、下側の基布の略中央部には、円孔状のガス流入口が形成されているとともに、このガス流入口の周囲に位置して、4か所にボルト用通孔が形成されている。また、これらの基布は、所定の強度、柔軟性(腰の強さ)、気密性および耐熱性などを有するもので、例えば、ナイロン製の布に、必要に応じてゴムなどのコーティングを施して形成されている。そして、以下の実施の形態では、コーティングを施していないいわゆるノンコートのナイロン製で、420デニール、打込本数53本、基布厚さ0.30mmのものを用いているが、この他にも、例えば、420デニール、打込本数46本、基布厚さ0.30mmのナイロン製の布に、シリコーン(Si−)ゴムのコーティングを施したものなどを用いることもできる。
一方、リテーナ203は、略円環状をなすリテーナ本体203aと、このリテーナ本体203aから下側に突設された4本の取付ボルト203bとから構成されている。また、ベースプレート204には、略矩形平板状の基板部204aと、この基板部204aの周縁部から下方に折曲形成された周板部204bとが設けられ、基板部204aには、インフレータ取付孔204cが形成されている。さらに、カバー体205には、ステアリングホイールのボス部およびスポーク部の一部を覆う被覆部205aと、略角筒状をなす取付片部205bとが一体に形成され、これら被覆部205aと取付片部205bとに囲まれた部分が、折り畳んだエアバッグ201を収納する収納部になっている。そして、インフレータ206は、略円柱状をなすインフレータ本体206aと、このインフレータ本体206aの外周側に突設されたフランジ部206bとを有し、インフレータ本体206aの外周面には、ガスを噴射するガス噴射口206cが形成されている。
そして、エアバッグ201は、予めリテーナ203を内側に挿入し取付ボルト203bをボルト用通孔から外側に突設した状態で後述する所定の形状に折り畳まれ、カバー体205の収納部に下側から挿入して収納される。さらに、このカバー体205の収納部に下側からベースプレート204を嵌合し、取付片部205bと周板部204bとを補強板207を用いてリベットRにて固着する。そして、ベースプレート204の下側から、インフレータ取付孔204cを介してエアバッグ201のガス流入口にインフレータ本体206aを挿入し、取付ボルト203bの先端側にナット208を螺合して締め付けることにより、リテーナ203とナット208との間に、エアバッグ201のガス流入口近傍、ベースプレート204の基板部204a、インフレータ206のフランジ部206bを挟み込み、エアバッグ装置202が組み立てられている。
そして、自動車の衝突時などには、インフレータ206からガスが噴射され、折り畳まれたエアバッグ201が膨張展開し、この膨張の圧力によりカバー体205を所定のテアラインで破断して突出口を形成する。そして、この突出口からエアバッグ201が正面側に突出して、さらに所定の形状に膨張展開して、乗員を衝突の衝撃から保護するようになっている。
次に、第38図および第39図を参照して、エアバッグ201を折り畳む折畳装置211を説明する。なお、この折畳装置211の全体は、図示しないコンピュータなどの制御手段により制御されている。
まず、この折畳装置211は、架台212を有し、この架台212に、載置部としての水平な板状の下板214が固定されているとともに、この下板214の中央部の上方に位置して、空気圧(エア)などにより作動する駆動手段としての上部シリンダ215が固定され、この上部シリンダ215により、高さ規定手段としての水平な板状の上板216が上下動可能に支持されている。
また、架台212あるいは下板214には、下板214の中央部に向かい、空気圧などにより作動する駆動手段としての4個の押圧シリンダ218が放射状に配置して固定され、これら押圧シリンダ218により、それぞれ下板214の中央部に向かって進退する押圧手段(外周縁押圧手段)としての押圧体221が支持されている。そして、これら押圧体221は、垂直な板状をなし、中央片部221aと、この中央片部221aの両端部から延設された耳部形成片部221b,221bとが形成されている。また、この中央片部221aは、エアバッグ201を折り畳んだ最終形状の外形形状に近く、中心角が45度弱の円弧状に形成されている。一方、各耳部形成片部221bは、それぞれ押圧シリンダ218に対し後方に向かって例えば約45度の角度をもって拡開状に形成されている。
また、これら押圧体221同士の間に位置して、それぞれ放射位置規制手段としての耳部形成板223が放射状に配置されている。そして、各耳部形成板223は、それぞれ垂直な略矩形板状(リブ状)をなし、第42図に示すように、連結軸224を介して駆動手段としての下部シリンダ225に接続され、この下部シリンダ225により、上下方向(あるいは放射方向)に進退駆動され、下板214の上面から出没可能になっている。
さらに、下板214の中央部には、巻き込み手段を構成するエアバッグ装着部231が設けられている。そして、このエアバッグ装着部231には、リテーナ固定部232と、このリテーナ固定部232に連結されたロータリアクチュエータ233とが設けられている。そして、リテーナ固定部232には、インフレータ206の形状を模した型体232aと、リテーナ203の取付ボルト203bが挿入されるボルト保持孔232bとなどが形成されている。また、ロータリアクチュエータ233は、空気圧などにより駆動され、リテーナ固定部232を下板214に対して回転駆動させるようになっている。さらに、第38図などに示すように、型体232aの上面には、必要に応じて真空ポンプなどの吸引装置234に接続された吸引口が開口され、エアバッグ201内の空気を吸引可能になっている。
また、このエアバッグ装着部231は、挿入手段を構成する駆動手段としての両側一対の押上シリンダ235に連結して支持されている。そして、これら押上シリンダ235は、駆動シャフト235aが下板214の下面に固定され、この駆動シャフト235aを引き込むことにより、エアバッグ装着部231を下板214に対して上側に移動させるようになっている。
次に、この折畳装置211を用いた折畳動作(折畳方法)について説明する。
まず、第40図に示すように、上板216を上方に退避させ、各押圧体221を外周側に後退させるとともに、各耳部形成板223を下方に後退させた状態で、下板214上にエアバッグ201を平面状に広げ、すなわち上下の基布の位置が互いにほぼ一致した状態とする。なお、この時、各耳部形成板223を上方に前進させた状態で、下板214上にエアバッグ201を平面状に広げてもよい。また、この時、エアバッグ201の内側には予めリテーナ203を挿入し、取付ボルト203bをボルト用通孔から下側に突出させておく。そして、リテーナ203をエアバッグ装着部231のリテーナ固定部232に装着し、各取付ボルト203bをボルト保持孔232bに挿入するとともに、型体232aをガス流入口に挿入して、エアバッグ201の位置決めを行う。
続いて、第41図に示すように、必要に応じて吸引装置234を作動させてエアバッグ201内の空気を吸引し、上下の基布を密着させた状態とする。そして、上板216を下方に前進させ、エアバッグ201の折り畳み時の高さ規制を行うとともに、第42図に示すように、各耳部形成板223を上方に前進させ、エアバッグ201を4か所で放射状に持ち上げて、上板216の下面に摺動可能に押し付けた状態とする。なお、この状態で、上板216と下板214との間の離間寸法は、エアバッグ201の最終折り畳み形状の高さ寸法である30mm〜50mmとする。
続いて、第36図に示すように、各押圧体221を同時に中心部に向かって前進させ、エアバッグ201を外周縁201aから最終折り畳み形状に向かって押圧する。すると、エアバッグ201は、上板216により高さが規制されており、特に、エアバッグ201用の基布は所定の腰の強さを有しているため、押動された部分は、型体232aの外周部に沿って、ほぼ同心の円弧状あるいは直線状をなした折り線により波状(蛇腹状)に折り畳まれる。さらに、この状態で、各耳部形成板223に押さえられた部分は波状に折り畳まれず、中心部から外周縁201aに向かう放射状の折り線を有して外周側に突出した(残った)耳部236が形成される。また、各押圧体221が前進限まで移動した状態で、互いに隣接する押圧体221の耳部形成片部221b同士の間に、耳部形成板223および耳部236が密着して挟み込まれ、耳部236の形状が確実に形成される。
続いて、第43図に示すように、各押圧体221を同時に外周側に若干後退させ、互いに隣接する押圧体221の耳部形成片部221b同士の間の寸法dを拡大して、耳部236を耳部形成片部221bおよび耳部形成板23に対して摺動可能とするとともに、各耳部形成板223を下方に退避させる。
この状態で、第44図に示すように、ロータリアクチュエータ233を作動させ、エアバッグ装着部231のリテーナ固定部232を所定の方向に所定の速度で回転させ、このリテーナ固定部232に保持したエアバッグ201の中心部を回転させ、各耳部236を内側に巻き込み、波状に折り畳んだ部分の外周部に巻き付けていく。
そして、第45図に示すように、各耳部236を内側に巻き込み終わった状態で、必要に応じて各押圧体221を同時に内周側に若干前進させて形を整え、エアバッグ201を最終折り畳み形状とする。なお、この時、各耳部236を内側に巻き込み終わった状態で、必要に応じて、各耳部形成板223を第42図に示す状態に復帰して、その後、同時に内周方向に若干前進させて形を整え、エアバッグ201を最終折り畳み形状とすることもできる。また、この状態では、後述するカバー体205への挿入を円滑にするため、エアバッグ201の平面形状は、カバー体205の収納部の平面形状よりも小さくする。
続いて、上板216を上方に退避させ、第46図に示すように、折り畳んだエアバッグ201の上側の所定の位置に、カバー体205を載置する。そして、作業者がカバー体205を保持して上方に移動しないように押さえた状態で、第47図および第48図に示すように、両側の押上シリンダ235を作動させ、エアバッグ装着部231を下板214に対して所定の寸法だけ上側に移動させて、最終折り畳み形状としたエアバッグ201をカバー体205の収納部内に挿入する。そして、この状態で、エアバッグ201の折り畳み工程およびカバー体205への組み付け工程が完了する。
そして、本実施の形態によれば、高さ規制手段としての上板216により、エアバッグ201の高さを規制した状態で、広げたエアバッグ201を四方から押圧体221により中心側に押し込むことにより、エアバッグ201の中心部の四方を波状に折り畳み、これら折り畳んだ部分同士の間から放射状に耳部236を突出した形状に折り畳むことができる。そして、この状態からは、耳部236を装置あるいは手作業によって折り畳んだ部分の外周側に沿わせることにより、容易にカバー体205に挿入される最終折り畳み形状とできる。そこで、この工程では、カバー体205を波状に折り畳むために互いに係合する複雑な形状あるいは動作を行う装置の必要がなく、単純なシリンダの移動で折り畳みが可能になるため、折畳装置211の構造を簡略化でき、装置を小形化(小規模化)して安価に構成できるとともに、折り畳みに要する時間を短縮でき、エアバッグ201の折り畳みに関するコスト、さらにはエアバッグ装置202の製造コストを低減できる。
また、各押圧体221の間に位置して耳部形成板223を設けたため、各押圧体221を前進してエアバッグ201を折り畳む際に、中心部から外周側に放射状に突出する耳部236を容易かつ確実に形成できる。
そして、巻き込み手段として、エアバッグ201の中心部を回転させるロータリアクチュエータ233を設けたエアバッグ装着部231を備えたため、形成した耳部236を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせることにより、エアバッグ201を容易に最終折り畳み形状に折り畳むことができる。
さらに、折り畳んだエアバッグ201は、挿入手段としての押上シリンダ235により、折り畳んだ状態から直接カバー体205の収納部に挿入できるため、折り畳んだ形状を保持するために特別な構成を設ける必要がなく、折り畳み工程を迅速に終了できるとともに、エアバッグ装置202の製造を容易にできる。
そして、この工程により折り畳まれるエアバッグ201は、ガス流入口を設けた中心部の外周側に沿って折り畳まれるため、インフレータ206からガスが供給され中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。そこで、カバー体205を破断する際のガスの圧力を低減させることができ、ガスの圧力を有効に利用して、エアバッグ201を迅速円滑に膨張展開させることができる。さらに、エアバッグ201を支持する取付部に作用する負荷を小さくでき、取付部を簡略化できる。
なお、上記の第12の実施の形態では、第36図および第43図に示す工程で、エアバッグ201を折り畳む際に、一旦各押圧体221を最終折り畳み形状を形成できるように前進させ、続いて、各耳部236を巻き込むために各押圧体221を後退させるように制御したが、エアバッグ201の基布の腰の強さなどの特性によっては、各押圧体221の前進限を、第36図よりも手前側すなわち後側に設定して耳部236を摺動可能とし、第43図に示す各押圧体221が後退する工程を不要にすることもできる。
また、第46図ないし第48図に示す工程では、挿入手段としては押上シリンダ235のみを設け、折り畳んだエアバッグ201をカバー体205に挿入する際には、カバー体205は作業者が手によって所定の位置に載置して保持したが、このような載置および保持の両方あるいはいずれか一方は、工業用のロボットを用いて行うこともできる。
また、上記の実施の形態では、巻き込み手段として、ロータリアクチュエータ233を備えたエアバッグ装着部231を設けたが、例えば、外周側から進退して、放射状に配置された耳部236を押動して折り畳んだ部分の外周側に沿わせるプレート体を用いることもでき、あるいは、このような構成を設けずに作業者が手により巻き付けるようにすることもできる。
さらに、上記の実施の形態では、第36図などに示すように、押圧手段としての押圧体221は、最終折り畳み形状の一辺に対応する中央片部221aを外周側に膨出する平面円弧状に形成し、耳部形成板223に対応する耳部形成片部221bは平面直線状に形成したが、これら押圧体221は種々の形状を取ることができ、例えば、第49図に示すように、中央片部221aを平面直線状に形成することもできる。
また、上記の実施の形態では、第39図などに示すように高さ規制手段としての上板216は、広げたエアバッグ201の全体の上側を覆う形状としたが、必ずしも広げたエアバッグ201の全体の上側を覆う必要はなく、例えば、第50図に示すように、各耳部形成板223の上側を切除して、エアバッグ201を折り畳む押圧体221の中央片部221aの進路上の上側のみを覆うようにしても、エアバッグ201をほぼ波状に折り畳む同様の効果を得ることができる。
さらに、高さ規制手段は、必ずしも1枚のプレート状の上板216により構成する必要はなく、例えば、第51図に示すように、押圧体221の進路上の上側が切除された上板216と、押圧体221の中央片部221aの上部から前側に略矩形平板状(フランジ状)に突設された突設片221dとにより、高さ規制手段を構成しても、エアバッグ201をほぼ波状に折り畳む同様の効果を得ることができる。なお、突設片221dの形状は、第51図に示すものに限られず、先端側を弧状などとして中心側に突設してもよく、また、第52図に示すように、中央片部221aおよび両側の耳部形成片部221b,221bから突設することもできる。さらに、突設片221dの形状あるいはエアバッグ201の基布の腰の強さによっては、上板216を省略し、突設片221dのみで高さ規制手段を構成することもできる。
さらに、上記の実施の形態では、耳部236を形成する放射位置規制手段として、下板214側から上下方向に進退する耳部形成板223を用いたが、この耳部形成板223は、上板216側に設けてもよい。また、この耳部形成板223は、下板214側あるいは上板216側から上下方向に進退するほか、放射方向に進退させることもでき、あるいは、下板214側あるいは上板216側に固定的に設けることもできる。
また、放射位置規制手段としては、必ずしもプレート状の部材を用いる必要はなく、各押圧体221により押動されない部分の形状を放射状に保つ構成であれば良く、例えば、耳部形成板223に代えて、第53図および第54図に示すクランプ装置241を用いることもできる。そして、このクランプ装置241は、それぞれ各押圧体221同士の間に放射状に配置され、外周側の端部が下板214などに固定された付勢手段としての弾性体であるコイルスプリング242と、このコイルスプリング242の内周側の端部に取り付けられたクランプ体243となどから構成されている。そして、この構成では、各クランプ体243により、エアバッグ201の外周縁201aの近傍をつまんだ状態で、各押圧体221を前進させることにより、所定の形状の耳部236を形成できる。また、この構成では、各クランプ体243はコイルスプリング242により支持されているため、各押圧体221の前進に伴いエアバッグ201の径寸法が小さくなるにつれて、外周側に向かい適度の付勢力が働き、エアバッグ201の耳部236を無理なく整然とした形状に形成できる。
さらに、エアバッグ201の基布の腰の強さなどの特性によっては、これら放射位置規制手段がなくとも、各押圧体221同士の間に自然に耳部を形成することもでき、放射位置規制手段を省略できる。
また、上記の実施の形態では、4個の押圧体221を用い、耳部236を4か所に形成したため、平面略四角形状の収納部を備えたカバー体205に好適な折り畳み形状を実現できるが、このような耳部は、カバー体の収納部の形状などに合わせて、2か所、3か所、あるいは5か所以上に形成することもできる。なお、特に、押圧体221および耳部形成板223をそれぞれ3個以上備え、すなわち、耳部を3か所以上形成することにより、エアバッグを、カバー体205の取付片部205bに囲まれて形成される平面略多角形状の収納部に円滑に挿入可能な形状に容易に折り畳むことができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明は、例えば、自動車のステアリングホイール、インストルメントパネル、座席、ドアパネルなどに備えられ、衝突の衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置、このエアバッグ装置に備えられるエアバッグの折畳方法、およびこのエアバッグの折畳装置に利用される。
【発明の効果】
本発明によれば、エアバッグの折り畳みが容易で小形化できるエアバッグ装置、また、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができ、装置の簡略化および工程の迅速化が可能であり、製造コストを低減できるとともに円滑に展開可能なエアバッグの折畳方法およびエアバッグの折畳装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上エアバッグ装置の断面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の斜視図である。
【図4】同上エアバッグの折り畳み方法を示す説明図である。
【図5】同上エアバッグの折り畳み方法を示す平面図である。
【図6】同上エアバッグの折り畳み方法を示す斜視図である。
【図7】同上エアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図8】同上エアバッグの折り畳み状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示すエアバッグの折り畳み方法の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示すエアバッグ装置の一部の平面図である。
【図11】同上第3の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法の説明図である。
【図12】同上第3の実施の形態のエアバッグ装置の説明図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図18】本発明の第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図19】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法を示す一部の斜視図である。
【図20】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法を示す第19図のA方向から見た側面図である。
【図21】同上第9の実施の形態のエアバッグ折り畳みに用いる装置の説明図である。
【図22】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図23】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図24】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図25】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図26】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図27】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図28】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図29】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図30】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図31】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図32】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図33】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図34】本発明の第10の実施の形態を示すエアバッグ装置の断面図である。
【図35】本発明の第11の実施の形態を示すエアバッグ装置の折り畳み工程を示す説明図である。
【図36】本発明のエアバッグの折畳方法およびその装置の第12の実施の形態を示す作業工程の説明図である。
【図37】同上エアバッグを備えたエアバッグ装置の分解斜視図である。
【図38】同上折畳装置の全体図である。
【図39】同上折畳装置の一部の斜視図である。
【図40】同上折畳装置を用いた作業工程を説明する第36図のI−I位置における断面図である。
【図41】同上第40図に続く作業工程を説明する第36図のI−I位置における断面図である。
【図42】同上第36図のII−II位置における断面図である。
【図43】同上第42図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図44】同上第43図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図45】同上第44図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図46】同上図45に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図47】同上第46図に続く作業工程を説明する図36のI−I位置における断面図である。
【図48】同上斜視図である。
【図49】本発明の押圧手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図50】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図51】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図52】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図53】本発明の放射位置規制手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図54】同上第53図のIII−III断面図である。
【符号の説明】
1,111,202 エアバッグ装置
12,112,201 エアバッグ
12a,12b 基布
16,206 インフレータ
21 底面部
22 ガス流入口
23 正面部
51,81,211 折畳装置
61,115 辺部
52,116,236 余部(耳部)
75 開放線部
85 圧縮手段としての押圧治具
86 巻付手段としての巻付治具
93 開放線形成手段としての開放線形成具
214 載置部としての下板
216 高さ規制手段としての上板
221 押圧手段としての押圧体
221d 高さ規制手段を構成する突設片
223 放射位置規制手段としての耳部形成板
231 巻き込み手段を構成するエアバッグ装着部
235 挿入手段を構成する押圧シリンダ
241 放射位置規制手段としてのクランプ装置
A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4 折畳手段を構成する折畳具
本発明は、折り畳んだエアバッグをガスにより膨張展開するエアバッグ装置、エアバッグの折畳方法、およびエアバッグの折畳装置に関する。
【従来の技術】
従来、例えば、自動車のステアリングホイールに備えられるエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、偏平な袋状をなすエアバッグと、このエアバッグを覆うカバー体と、ガスを噴射するインフレータとなどを備えている。そして、このエアバッグは、通常時は、小さく折り畳まれてカバー体の内側に収納され、衝突の衝撃を検出した状態で、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、この膨張の圧力によりカバー体を破断してエアバッグを突出させ、乗員の前方に膨張展開させて、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
この点、例えば、特開平7−137591号公報に記載されたエアバッグ装置が知られている。この構成では、エアバッグは、略円柱状のインフレータを中心として、略同心状をなす複数の円環状の折り線に沿って波状に折り畳まれるとともに、インフレータに向かって押圧して圧縮され、ステアリングホイールの内側に収納可能な所定の形状に折り畳まれている。そこで、この構成では、低いガスの圧力でカバー体を迅速に破断させ、エアバッグを円滑に展開できるようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−137591号公報の構成では、エアバッグを折り畳む際の折畳装置の構造が複雑になりやすいとともに、折り畳み工程の時間の短縮が容易でなく、製造コストの低減が容易でないとともに、波状に折り畳んだエアバッグをさらに押圧して圧縮する際に、エアバッグの径方向などに向かう不規則なしわが発生しやすく、小さく折り畳むことが必ずしも容易でない問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグの折り畳みが容易で小形化できるエアバッグ装置、また、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができ、装置の簡略化および工程の迅速化が可能であり、製造コストを低減できるとともに円滑に展開可能なエアバッグの折畳方法およびエアバッグの折畳装置に関する。
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ装置は、ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入し正面側に膨張展開する袋状のエアバッグとを具備し、前記エアバッグは、前記インフレータの正面側に配置された正面部と、この正面部の外周側に連続し略波状に折り返されて配置された3個以上の辺部と、これら辺部間に連続し前記各辺部の外周側に沿って配置された3個以上の余部とを備えたものである。そして、エアバッグを略波状に折り返した部分である複数の辺部をインフレータの外周側に沿って配置することにより、ガスの噴射の際に、インフレータの正面側に位置する正面部から、エアバッグを正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。また、略波状に折り返されて配置された複数の辺部を余部で連続させ、これら余部を各辺部の外周側に沿って配置することにより、折り畳む際に生じる不規則なしわの発生を抑制し、折り目を略整然と配列して、エアバッグを小さく折り畳むことができる。さらに、辺部および余部を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、各余部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、余部に正面部から先端部に連続して開放線部を設けることにより、各辺部を構成する折り目を互いに分離し、この開放線部に沿ってインフレータの外周側にガスを円滑に供給して、エアバッグを外周側に向かって円滑に膨張展開できる。
そして、各余部は、同一方向に巻き付けて各辺部の外周側に沿って配置することにより、容易に形成できるため、折り畳み作業を容易にできる。
また、本発明のエアバッグ装置は、ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入して膨張する袋状のエアバッグとを具備し、前記エアバッグは、ガス流入口を設けた底面部と、この底面部の外周側に連続しこの底面部と略直交する方向に略波状に折り畳まれた3個以上の辺部とを設け、これら辺部は、周方向の端部を外周側に沿わせて配置したものである。そして、この構成では、エアバッグを所定の形状に略整然と折り畳み、エアバッグを小さく折り畳むことができる。さらに、辺部を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、エアバッグ内の各部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、底面部を略矩形状とすることにより、底面部の縁部に沿ってエアバッグを容易に略整然と折り畳むことができ、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができる。
そして、隣接する辺部間に底面部から先端部に連続する開放線部を設けることにより、各辺部を構成する折り目を互いに分離し、この開放線部に沿ってインフレータの外周側にガスを円滑に供給し、エアバッグを外周側に向かって円滑に膨張展開できる。
また、本発明のエアバッグ装置の折畳方法は、ガスが流入して膨張展開するエアバッグの折り畳み方法であって、前記エアバッグを折り畳んで3個以上の辺部を形成するとともに、これら各辺部間に余った余部を前記各辺部の外周側に沿わせるものである。そして、エアバッグを折り畳んで複数の辺部を形成するとともに、これら各辺部間に余った部分を前記各辺部の外周側に沿わせることにより、エアバッグを辺部と余部とに容易に略整然と折り畳み、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができる。さらに、辺部を3個以上形成することにより、平面多角形状あるいは平面円形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、エアバッグ内の各部に円滑迅速にガスを供給できる。
また、余部に、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部を形成することにより、外周側に向かって円滑に膨張展開するエアバッグを容易に折り畳むことができる。
また、本発明のエアバッグの折畳方法は、エアバッグを平面状に広げ、高さを規制しつつ、外周縁から折り畳みの中心に向かって複数箇所で押圧して折り畳み、外周側に突出した部分は折り畳んだ部分の外周側に沿わせるものである。そして、この構成では、エアバッグの高さを規制することにより、広げたエアバッグを中心側に押し込み、外周側に突出した部分を沿わせるだけで所定の形状に折り畳みできるため、エアバッグの折り畳み工程を簡略化し、工程に要する時間を短縮できるとともに、この工程に用いる装置も簡略化でき、折り畳みに要するコストを低減できる。また、エアバッグは、折り畳みの中心部の周囲に折り畳まれるため、ガスが中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。
また、本発明のエアバッグの折畳装置は、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部をエアバッグに形成する開放線形成手段と、この開放線形成手段により前記開放線部を保持した状態で、前記エアバッグを略波状に折り、略波状に折り畳んだ辺部と、前記開放線部に沿った余部とを形成する折畳手段とを具備したものである。そして、この構成では、開放線形成手段により、ガスの流入する部分から端部に連続する開放線部をエアバッグに形成し、この開放線部を保持した状態で、折畳手段によりエアバッグを略波状に折り、略波状に折り畳んだ辺部と開放線部に沿った余部とを形成できるため、開放線部が形成され外周側に向かって円滑に膨張展開するエアバッグを、辺部の外周側に沿って余部を沿わせることにより容易に折り畳むことができる。
また、略波状に折り畳んだ辺部を圧縮する圧縮手段を備えることにより、この圧縮手段により辺部を圧縮し、エアバッグを小さく折り畳むことができる。
そして、余部を辺部の外周側に沿わせる巻付手段を備えることにより、エアバッグの折り畳みの作業性を向上できる。
また、本発明のエアバッグの折畳装置は、平面状に広げられたエアバッグが載置される載置部と、このエアバッグの外周縁を折り畳みの中心側に向かって押圧する押圧手段と、前記エアバッグの前記載置部からの離間寸法を規制する高さ規制手段とを具備したものである。そして、この構成では、広げたエアバッグを押圧手段により中心側に押し込むことにより、高さ規制手段により高さを規制されたエアバッグを、中心部の周囲に略波状に折り畳み、折り畳まれずに外周側に突出した部分は、折り畳んだ部分の外周側に巻き付けるなどして沿わせることにより、エアバッグを所定の形状に折り畳むことができる。そこで、エアバッグの折り畳み工程を簡略化し、工程に要する時間を短縮できるとともに、この工程に用いる装置も簡略化でき、折り畳みに要するコストを低減できる。また、エアバッグは、折り畳みの中心部の周囲に折り畳まれるため、ガスが中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。
また、複数の押圧手段と、これら押圧手段同士の間に位置するエアバッグの移動を規制して耳部を形成する放射位置規制手段とを具備することにより、各押圧手段によりエアバッグを中心側に押圧する際に、放射位置規制手段により、折り畳まれた部分同士の間に位置して、中心部から外周側に放射状に突出する耳部を形成し、押圧手段により押圧された部分を整然と折り畳むことができるとともに、耳部を折り畳んだ部分の外周側に巻き付けるなどして沿わせることにより、エアバッグを所定の形状に容易に折り畳むことができる。
そして、外周側に突出した部分を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせる巻き込み手段を具備することにより、巻き込み手段により、折り畳んだ部分の外周側に突出した部分を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせることにより、エアバッグを容易に所定の形状に折り畳むことができる。
さらに、折り畳んだエアバッグをこのエアバッグが収納されるカバー体に挿入する挿入手段を具備することにより、折り畳んだ形状を保持するために特別な構成を設ける必要がなく、折り畳み工程を迅速に終了できるとともに、このエアバッグを用いるエアバッグ装置の製造を容易にできる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
第1図ないし第3図において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、自動車のステアリングホイールのステアリングホイール本体の中央のボス部に取り付けられ、乗員(運転者)を衝突の衝撃から保護するようになっている。なお、ステアリングホイールは、通常、所定範囲で傾動可能に設けられ、通常傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エアバッグ装置1の正面側である乗員側を上側、エアバッグ装置1の底面側である車体側を下側とし、通常自動車の前側上方すなわちフロントガラス側の部分を前側、自動車の後側下方となる部分を後側として説明する。
そして、このエアバッグ装置1は、ステアリングホイール本体に取り付けられる平面矩形状で金属製のベースプレート11と、このベースプレート11の上側に折り畳んだ状態で配置される袋状のエアバッグ12と、このエアバッグ12を上側から覆ってベースプレート11に取り付けられるカバー体(モジューカバー)14と、このベースプレート11に下側から取り付けられてエアバッグ12にガスを供給するインフレータ16となどから構成されている。
すなわち、インフレータ16は、略円柱状をなす本体武16aを備え、この本体部16aの外周部にフランジ部16bが形成されているとともに、このフランジ部16bの上側の外周面に位置して、ガスを噴射するガス噴射口16cが所定の間隔で複数形成されている。
また、エアバッグ12は、例えば、平面円形状の2枚の基布12a,12bの周縁部同士を縫い合わせ、広げた状態で円板状、膨らんだ状態で偏平な球状になっている。そして、このエアバッグ12の下面の中央部が底面部21となり、この底面部21に、円孔状のガス流入口22が形成されているとともに、この底面部21に対向する上面が正面部23になっている。
さらに、カバー体14は、ボス部および4本のスポーク部の一部を覆う被覆部26と、この被覆部26の裏面から下側に突設された取付壁部27とが、例えば、合成樹脂を射出して一体に形成されている。また、このカバー体14には、ホーンスイッチ機構31が取り付けられている。このホーンスイッチ機構31は、被覆部26の上面側に形成された凹設部26aに配置されるメンブレンスイッチ32、センタパッド33、および上部リング34と、被覆部26の下面側に配置される下部リング35とを備え、これらの部材が、上側から挿入されて各部材を貫通する複数のシャフト37と下部リング35の下側でこれらシャフト37に係止するEリング38とにより被覆部26に固定されている。なお、メンブレンスイッチ32には、変形時に接点が閉成されるシート状のスイッチ本体32aと、このスイッチ本体32aから延設され、取付壁部27の内側に沿って配置される接続片部32bとが設けられている。また、センタパッド33、上部リング34、およびシャフト37は、いわゆるIDマークなどをデザインするなどして、装飾部材として用いることができる。
そして、このエアバッグ装置1では、エアバッグ12が、外形略矩形状で環状のリテーナ41および図示しないリベットなどを用いて、ベースプレート11のインフレータ取付孔11aにガス流入口22を合わせてベースプレート11の上側に配置される。また、インフレータ16は、本体部16aをインフレータ取付孔11aを介してガス流入口22に下側から挿入し、リテーナ41から突設したボルト41aがフランジ部16bに貫通した状態で配置される。そして、この状態で、各ボルト41aに下側からナット43を螺合して締め付けることにより、リテーナ41とインフレータ16のフランジ部16bとの間にエアバッグ12とベースプレート11とが挟持され、このベースプレート11に、エアバッグ12とインフレータ16とが取り付けられる。さらに、エアバッグ12を所定の形状に折り畳み、このエアバッグ12にカバー体14を被せた状態で、カバー体14の取付壁部27がリベット44にてベースプレート11の側部に固定されている。なお、前後の取付壁部27に固着されるリベット44は、取付壁部27に係合するアシストプレート45を介して固着されている。さらに、インフレータ16の下側部にインフレータカバー46が取り付けられ、エアバッグ装置1が組み立てられている。
そして、このエアバッグ装置1は、自動車が衝突した際などには、図示しない衝突診断ユニットなどからの信号によりインフレータ16の点火器が起動され、充填した推進薬を反応させることにより、周面に形成したガス噴射口16cからエアバッグ12の内部にガスを急速に噴射する。すると、エアバッグ12は急速に膨張展開し、この膨張の圧力によりカバー体14に他の部分より脆弱に形成した所定のテアラインで破断して、エアバッグ12の突出口が形成される。この状態で、エアバッグ12は突出口から乗員側に突出し、乗員の前面に膨張展開して、乗員を衝突の衝撃から保護するようになっている。
次に、図面を参照してエアバッグ12の折り畳み方法を説明する。
まず、第4図に示すように、折り畳みに用いる折畳装置51は、互いに接近、離間する上型52、下型53を備えている。そして、これら上型52および下型53は、それぞれピストン54,55を備え、下側のピストン55には、インフレータ16の形状を模した下側プラグ55aが設けられているとともに、上側のピストン54には、下側プラグ55aの上面に押圧される上側プラグ54aが設けられている。さらに、上型52および下型53には、上下のプラグ54a,55aを取り囲むようにして、円筒状、角筒状などの筒状、あるいは複数の板状などをなして略同心状に配置された複数の折畳板56が備えられ、上下のピストン54,55とは独立してそれぞれ進退可能に支持されている。そして、これら折畳板56は、第4図(b)に示すように、上型52と下型53とが接近した状態で、上下の折畳板56が交互に組み合わされるようになっている。
そこで、第4図(a)に示すように、上型52と下型53とを離間させた状態で、下型53のピストン55の上に、ベースプレート11に取り付けられたエアバッグ12を平面円形状に広げて載置する。そして、この状態から、上型52と下型53とを互いに接近させ、上下の折畳板56を内周側から順次交互に組み合せていく。すると、広げられたエアバッグ12は、インフレータ16の外周側に位置し、ガス流入口22を形成した底面部21に対して直交する方向に、すなわち基布12a,12bの面がインフレータ16の外面に沿って垂直になり上下の端部で屈曲されるようにして、ガス流入口22を中心とする環状の波状に折畳まれる。また、この状態で、インフレータ16の上面には、1枚の基布12aからなる正面部23が配置される。
続いて、上型52と下型53とを離間させ、必要に応じて波状に折畳まれたエアバッグ12を折畳装置51から取り出し、図示しない治具あるいは作業者の手を用いて外周側の四方から押圧し、第5図に示すように、略矩形平板状をなす辺部61を4か所に形成するとともに、これら各辺部61同士を連接した部分が、辺部61の外側にはみ出した余部(耳部)62となる。
さらに、第6図に示すように、各余部62についてそれぞれ、図示しない治具あるいは作業者の手を用いて、一部を隣接する一方の辺部61の外周側に沿わせ、他の部分を隣接する他方の辺部61の外周側に沿わせて、外形を平面略矩形状とする。この状態で、第1図、第7図および第8図に示すように、エアバッグ12がカバー体14の取付壁部27などの形状に合わせた所定の形状、本実施の形態では平面矩形状に整然と折り畳まれる。
そうして、本実施の形態によれば、エアバッグ12を波状に折り返した部分である複数の辺部61をインフレータ16の外周側に沿って花弁状に配置し、インフレータ16の上側は1枚の基布12aからなる正面部23としたため、インフレータ16からガスを噴射した際には、正面部23の内側に円滑にガスを導入して、膨張の初期段階において、正面部23からエアバッグ12を正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。そこで、必要以上にガスの噴射の圧力を高めなくとも、カバー体14のテアラインを円滑に破断して、エアバッグ12を円滑に突出させることができる。
また、波状に折り返されて配置された複数の辺部61を余部62で連続させ、これら余部62を各辺部61の外周側に沿って配置することにより、折り畳む際に生じる径方向などに向かう不規則なしわの発生を抑制し、折り目を整然と配列して、エアバッグ12を所望の形状に賦形して容易に小さく折り畳むことができ、エアバッグ装置1を小形化できるとともに、エアバッグ12がカバー体14から突出した後は、側方にも迅速円滑に展開させることができ、さらに、耐久性の向上なども期待できる。
特に、エアバッグ12を折り畳んで平面矩形状とする場合には、矩形状とした底面部21の縁部に沿ってエアバッグ12を容易に整然と折り畳むことができ、エアバッグ12を容易に小さく折り畳むことができる。
さらに、辺部61および余部62を3個以上とすることにより、平面多角形状あるいは平面円形形状をなす空間に収納するのに適した形状に容易に折り畳むことができるとともに、各余部62に円滑迅速にガスを供給できる。
さらに、エアバッグ12の大部分をインフレータ16の側方に配置し、インフレータ16の上側は1枚の基布12aからなる正面部23としたため、この正面部23の上側に空間部を形成し、この空間部に、ホーンを吹鳴させるホーンスイッチ機構31を配置できる。そこで、特別に薄型化したホーン機構を用いる必要がなく、スイッチの信頼性の向上、組み付け工数の削減、空間の有効利用などを図ることができるとともに、エアバッグ装置全体をホーンスイッチで上下動可能に支持する構成などに比べても、エアバッグ装置のステアリングホイール本体への取付精度を容易に向上でき、外観を向上できる。
なお、上記の実施の形態では、それぞれ複数の円筒状の折畳板56を設けた上型52、下型53を備えた折畳装置51を用いたが、例えば、これら上型52および下型53には、エアバッグ12を種々の平面形状をなして波状に屈曲するための種々の形状の折畳板を設けることができる。例えば、上記の実施の形態においては、上型52および下型53にそれぞれ4枚の矩形平板状の折畳板を設けることもでき、あるいは、これら4枚の矩形平板状の折畳板に加え、余部62を同時に形成する4枚の曲板状の折畳板を備えさせることもできる。なお、以下の各実施の形態において、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
また、上記の各実施の形態では、各余部62を辺部61の外周側に沿わせる際に、各余部62を隣接する二方の辺部61の外周側に沿わせたが、例えば、第9図に示す第2の実施の形態のように、各余部62をそれぞれ隣接する一方の辺部61の外周側のみに沿わせることもできる。
また、上記の各実施の形態では、4か所に辺部61を形成して最終形状を平面略矩形状としたが、カバー体の意匠などに合わせて、種々の形態とすることができ、辺部61の数も適宜選択できる。
例えば、第10図ないし第12図に示す第3の実施の形態のように、3本のスポーク部を設けたステアリングホイール本体などに対して、五角形のベースプレート71を用いる場合においては、角部を前後および両側に向けたリテーナ41によりエアバッグ12を固定するとともに、エアバッグ12は、治具を用いて環状の波状に折り畳んだ後、第11図(a)に示すように、外周側から押圧し、ベースプレート71の形状に対応して5か所の辺部61と余部62とを形成する。そして、第11図(b)に示すように、前側の2か所および後端の余部62を外周側に沿わせるとともに、側部の2か所の余部62は前記余部62の内周側に押し込むようにして辺部61に沿わせ、さらに、前側の2か所の余部62は、一方が他方の外周側に重なるように配置する。この状態で、第11図(c)に示すように、ベースプレート71上に納まるように、エアバッグ12が略五角形に折り畳まれる。なお、この実施の形態では、第12図(a)に示すように、辺部61を形成する蛇腹の数は4個、蛇腹の高さ寸法h1は35mmである。また、この実施の形態では、第12図(b)に示すように、辺部61の一部がインフレータ16の上側に乗り上げるようにして配置され、この部分では、蛇腹の高さ寸法h2は50mmになっている。
さらに、辺部61の外周側に沿わせる余部62の形状についても、単に巻き付けるようにして沿わせる形状のほか、第13図に示す第4の実施の形態のように、余部62の端末を内側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、また、第14図に示す第5の実施の形態のように、余部62の端末を外側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、あるいは、第15図に示す第6の実施の形態のように、余部62の端末を外側に1回、内側に1回折り返した状態で辺部61に沿わせ、さらには、第16図に示す第7の実施の形態のように、余部62の端末を外側に2回すなわち波状に折り返した状態で辺部61に沿わせることもできる。
また、第17図に示す第8の実施の形態のように、エアバッグ12を平面矩形状などに折り畳む場合に、4か所の余部62を、波状に屈曲して両側の2か所の辺部61の外周側に沿わせることもできる。
さらに、上記の各実施の形態では、円形状に広げたエアバッグ12を折り畳む際には、まず、各折り目がインフレータ16の周囲を囲んで連続した環状の折り目を形成し、この折り目を垂直な折り目で分割して辺部61および余部62を形成したが、このような折り目は必ずしも環状に連続する必要はなく、例えば、第18図ないし第20図に示す第9の実施の形態のように、折り畳み工程あるいは折り畳み後の形状において、各折り目が連続せずに複数に分割された状態とすることもできる。
次に、この第9の実施の形態の折り畳み工程を図面を参照して説明する。
まず、第21図および第22図に示すように、折り畳みに用いる折畳装置81は、互いに上下に配置された上側治具82および下側治具83と、これら上側治具82および下側治具83の側方に配置された圧縮手段としての押圧治具85および第33図に示す巻付手段としての巻付治具86を備えている。そして、上側治具82および下側治具83は、それぞれピストン87,88を備え、下側のピストン88には、インフレータ16の形状を模した下側プラグ88aが設けられているとともに、上側のピストン87には、下側プラグ88aの上面に緩やかに嵌合して押圧される上側プラグ87aが設けられている。さらに、上側治具82には、上側のプラグ87aを上側から覆うようにして、折畳手段を構成する4個の折畳具A1,A2,A3,A4が設けられているとともに、下側治具83には、下側プラグ88aを下側から覆うようにして、折畳手段を構成する4個の折畳具B1,B2,B3,B4が設けられている。そして、各折畳具A1〜B4は、エアシリンダなど図示しない駆動装置によりそれぞれ独立して上下方向に駆動され、第22図に示すように、水平に配置された矩形板状の基板部A1a〜B4aを備えているとともに、各基板部A1a〜B4aの外側の四方の縁部からは、それぞれ垂直状に折畳板A1b〜B4bが突設されている。そして、第25図に示すように、各折畳具A1〜B4が互いに近接した状態で、上下の折畳板A1b〜B4bが交互に組み合わされるようになっている。また、各折畳板A1b〜B4bは、例えば第27図に示すように、余部62を辺部61の外周に沿わせるまで、折り畳まれた辺部61の形状を保持するようになっている。
さらに、下側治具83には、少なくとも下側の折畳板B1b〜B4bに対向する位置を除き、第24図に示すように、広げられたエアバッグ12が載置されるエアバッグ載置部91が設けられている。
一方、上側治具82には、それぞれ上下方向に駆動される4個の開放線形成手段としての開放線形成具93が設けられている。そして、各開放線形成具93には、各折畳板A1b〜B4b同士の間に位置して、すなわちベースプレート11の対角線を延長した方向を長手方向とする開放線形成板93aが垂直に設けられ、これら開放線形成板93aの下端部が、エアバッグ載置部91上に僅かな間隔を介して対向するようになっている。
また、押圧治具85は、四方に配置された各折畳板A1b〜B4bそれぞれに対向して四方に配置され、中心側すなわちインフレータ16の形状を模した下側プラグ88aに向かって進退可能に設けられている。そして、これら押圧治具85には、エアバッグ12を押圧する押圧板85aがベースプレート11の四辺に沿って垂直に設けられている。また、第27図などに示すように、各押圧板85aには、上側の折畳板A1b〜A4bを避ける切り欠きが形成され、正面視略E字状に形成されている。
さらに、巻付治具86は、第33図に示すように、それぞれベースプレート11の四辺の延長線に沿って配置されるとともに、これら延長線に沿って進退駆動されるようになっている。
そして、エアバッグ12を折り畳む際には、まず、初期状態においては、第21図および第22図に示すように、上側治具82と下側治具83とを上下に離間させるとともに、各押圧治具85および巻付治具86は外周側に離間させる。この状態で、ベースプレート11に取り付けたエアバッグ12をエアバッグ載置部91上に円形状に広げるとともに、エアバッグ12のガス流入口22すなわちベースプレート11のインフレータ取付孔11aに下側プラグ88aを挿入して装着する。続いて、図示しないポンプによりエアバッグ12内の空気を抜き、エアバッグ12の嵩体積を減らす。
続いて、第23図に示すように、上側治具82の上側プラグ87aを下降させ、この上側プラグ87aと下側プラグ88aとの間でエアバッグ12の上側の基布12aの正面部23を挟持する。
さらに、第24図に示すように、各開放線形成具93を下降させ、開放線形成板93aの下端部を、エアバッグ載置部91上に僅かな間隔を介して対向させる。すなわち、この状態で、開放線形成板93aとエアバッグ載置部91とに挟まれた部分のエアバッグ12は、直線状をなしたまま、若干移動可能に保持されている。
続いて、第25図に示すように、各折畳具A1〜B4を互いに接近させて互いに組み合わせ、広げられたエアバッグ12を、インフレータ16の外周側に位置し、ガス流入口22を形成した底面部21に対して直交する方向に、すなわち基布12a,12bの面がインフレータ16の外面に沿って垂直になり上下の端部で屈曲されるようにして、ガス流入口22を中心とする波状に折り畳む。
そして、この際、各折畳具A1〜B4を内周側から移動させ、すなわち、B1,A1,B2,A2,B3,A3,B4,A4の順で移動させることにより、各折畳板A1b〜B4bが順次基布12a,12bに当接する。すると、エアバッグ12は、第26図(a)に示す円形状に広げられた状態から、第26図(b)に示すように、辺部61と余部62とを構成する一重目の折り目が同時に形成されるとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p1が形成され、折り目が4か所で分割される。続いて、第26図(c)に示すように、一重目の折り目の外周側に沿ってエアバッグ12が波状に折り畳まれ、二重目の折り目を形成するとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p2が形成される。さらに、同様に折り畳み、第26図(d)に示すように、三重目の折り目が形成されるとともに、各余部62の先端部に折り目頂点p3が形成される。そして、最後に、エアバッグ12の外周の縁部近傍を折り返すことにより、折り目p4,p5が形成され、第26図(e)および第27図に示すように、辺部61と余部62とが4か所ずつに形成される。
また、この状態で、各余部62は、折り目頂点p1,p2,p3を通る線、すなわち底面の中心を通ってエアバッグ12の内周側から外縁部まで連通する開放線部75により分割されている。すなわち、この開放線部75により、辺部61と余部62とを構成する折り目はすべて分断された状態になっている。
続いて、第27図の矢印に示すように、必要に応じて各開放線形成具93を上昇などして退避させた状態で、第28図に示すように、各押圧治具85を上昇させ、さらに内周側に移動させる。すると、まず、各押圧治具85の押圧板85aは、最外周側に位置する折畳具A4の折畳板A4bに組み合わされるとともに、エアバッグ12の各辺部61の外周に押圧して、形状を保持する。そして、この状態で、最外周側に位置する上下の折畳具A4,B4を上下に退避させる。
さらに続いて、折畳具A3の折畳板A3bに組み合うまで各押圧治具85を内周側に前進させ、エアバッグ12を押圧した状態で、外周側に位置する上下の折畳具A3,B3を上下に退避させる。そして、このような動作を繰り返し、各押圧治具85を前進させながら、第29図および第30図に示すように、残る上下の折畳具A2,B2,A1,B1および上側プラグ87aを抜き取る。
続いて、第31図に示すように、上側の折畳具A1〜A4を再び下降させ、これら折畳具A1〜A4の各折畳板A1b〜A4Bで、折り畳まれたエアバッグ12の各辺部61の外側を押さえて形状を保持しつつ、各押圧治具85を外周側に後退させる。
この状態から、第32図および第33図に示すように、各巻付治具86を前進させ、角部から4方向に突出した余部62をそれぞれ隣接した各辺部61に沿わせ、外形を平面略矩形状とする。さらに、この状態から、下降した折畳具A1〜A4を再び上昇させるとともに、各巻付治具86を後退させることにより、第18図に示すように、エアバッグ12がカバー体14の取付壁部27などの形状に合わせた所定の形状、本実施の形態では平面矩形状に整然と折り畳まれる。
そして、この第9の実施の形態によれば、上記の各実施の形態の効果に加え、エアバッグ12の内周側から外縁部まで連通する開放線部75を形成したため、エアバッグ12にガスを流入した際には、まず、エアバッグ12の正面部23にガスを円滑に供給し、カバー体14を開裂させてエアバッグ12を円滑に突出させることができるとともに、エアバッグ12がカバー体14の外部に突出した後には、エアバッグ12の中央部に噴射されるガスを外周側に円滑に供給し、エアバッグ12を外周側に向かって円滑に展開させることができる。
なお、この第9の実施の形態では、辺部61と余部62とを構成する折り目を内周側から順次形成したが、手作業によりあるいは折畳装置を用いるなどして、適宜の順序あるいは同時に、各折り目を形成することもできる。さらに、このような開放線部75は、他の実施の形態のエアバッグ12に適用することもできる。
さらに、第2図などに示す実施の形態では、インフレータ16の上側に空間を確保し、ホーンスイッチ機構31を配置したが、例えば、第34図に示す第10の実施の形態のように、凹設部を形成しないカバー体101を用い、ガス噴射口102aを2列に配置するなどして高さ寸法を大きくする一方で径寸法を小さくしたインフレータ102を用い、エアバッグ装置1の平面形状を小さくすることもできる。
また、上記の各実施の形態において、エアバッグ12を折り畳む際には、種々の折畳装置を用いて工程を自動化し、あるいは、すべて手作業により折り畳み、または、折畳装置と手作業とを組み合わせることもできる。
また、上記の各実施の形態では、例えば第2図に示すように、エアバッグの各辺部は、エアバッグの上下に配置した治具により、一定の形状が正確に反復する略波状に折り畳んだ構成について説明したが、必ずしもこのような構成に限られるものではなく、若干の不規則、不均一な形状のある略波状に折り畳むこともできる。すなわち、エアバッグは、例えば個々の折線を厳密に規定した位置に配置することにより、膨張展開の際のエアバッグの挙動をより容易に設定することが可能になるものと考えられるが、布製のエアバッグにおいては、そもそも折線を厳密に規定した位置に配置することは困難であり、また、若干の不規則、不均一な形状の略波状に折り畳んでも、エアバッグの挙動を必要十分に制御し得るものである。この点、例えば、エアバッグを平面状に広げ、上下の範囲を規制した状態で、外周側から内周側に向かってエアバッグを押し込み、複数の略波状に折り畳まれた辺部を形成する構成によっても、径方向などに向かう不規則なしわの発生を抑制して、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができるとともに、エアバッグを正面側に向かって円滑に膨張展開させることができる。
また、エアバッグ装置は、自動車のステアリングホイールのみに備えられるものではなく、例えば、助手席前のインストルメントパネルに備える助手席乗員用の(アシスト)エアバッグ装置、座席の側部やドアパネルに備える(サイド)エアバッグ装置、あるいは、前席の背面に備える後部座席用のエアバッグ装置などに適用することもでき、さらに、自動車などの車両以外の移動体など、衝撃からの保護が必要なものに適用できる。
例えば、図35に示す第11の実施の形態のように、助手席乗員用のエアバッグ装置111において、展開時に正面視略矩形状をなすエアバッグ112を、正面視略矩形状をなす開口を備えたケース114に収納する場合には、広げたエアバッグ112を外周側から中心側に押し込みなどして、略波状に折り畳んだ四方の辺部115と、これら辺部115同士の間の角部から外周側に放射状に突出する4か所の余部116とを形成し、さらに、各余部116を、それぞれ長い側の一対の辺部115の外側に沿わせることにより、ケース114に収納可能な形状に作業性良く折り畳むことができる。
さらに、第36図ないし第48図を参照して、本発明の第12の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態のエアバッグ201は、第1図に示す実施の形態と同様に、第37図に示すように、自動車のステアリングホイールのボス部に備えられるエアバッグ装置202に組み込まれるもので、このエアバッグ装置202は、エアバッグ201の他、略円環状のリテーナ203、ステアリングホイールに取り付けられるベースプレート204、合成樹脂などからなる破断可能なカバー体205、およびガスを噴射するインフレータ206などから構成されており、以下、エアバッグ201の突出の中心方向すなわち乗員側を上側(正面側)、車体側(ステアリングシャフト側)を下側として説明する。
そして、エアバッグ201は、2枚のほぼ同じ円形状の上下の基布を縫い合わせて偏平な袋状に形成され、下側の基布の略中央部には、円孔状のガス流入口が形成されているとともに、このガス流入口の周囲に位置して、4か所にボルト用通孔が形成されている。また、これらの基布は、所定の強度、柔軟性(腰の強さ)、気密性および耐熱性などを有するもので、例えば、ナイロン製の布に、必要に応じてゴムなどのコーティングを施して形成されている。そして、以下の実施の形態では、コーティングを施していないいわゆるノンコートのナイロン製で、420デニール、打込本数53本、基布厚さ0.30mmのものを用いているが、この他にも、例えば、420デニール、打込本数46本、基布厚さ0.30mmのナイロン製の布に、シリコーン(Si−)ゴムのコーティングを施したものなどを用いることもできる。
一方、リテーナ203は、略円環状をなすリテーナ本体203aと、このリテーナ本体203aから下側に突設された4本の取付ボルト203bとから構成されている。また、ベースプレート204には、略矩形平板状の基板部204aと、この基板部204aの周縁部から下方に折曲形成された周板部204bとが設けられ、基板部204aには、インフレータ取付孔204cが形成されている。さらに、カバー体205には、ステアリングホイールのボス部およびスポーク部の一部を覆う被覆部205aと、略角筒状をなす取付片部205bとが一体に形成され、これら被覆部205aと取付片部205bとに囲まれた部分が、折り畳んだエアバッグ201を収納する収納部になっている。そして、インフレータ206は、略円柱状をなすインフレータ本体206aと、このインフレータ本体206aの外周側に突設されたフランジ部206bとを有し、インフレータ本体206aの外周面には、ガスを噴射するガス噴射口206cが形成されている。
そして、エアバッグ201は、予めリテーナ203を内側に挿入し取付ボルト203bをボルト用通孔から外側に突設した状態で後述する所定の形状に折り畳まれ、カバー体205の収納部に下側から挿入して収納される。さらに、このカバー体205の収納部に下側からベースプレート204を嵌合し、取付片部205bと周板部204bとを補強板207を用いてリベットRにて固着する。そして、ベースプレート204の下側から、インフレータ取付孔204cを介してエアバッグ201のガス流入口にインフレータ本体206aを挿入し、取付ボルト203bの先端側にナット208を螺合して締め付けることにより、リテーナ203とナット208との間に、エアバッグ201のガス流入口近傍、ベースプレート204の基板部204a、インフレータ206のフランジ部206bを挟み込み、エアバッグ装置202が組み立てられている。
そして、自動車の衝突時などには、インフレータ206からガスが噴射され、折り畳まれたエアバッグ201が膨張展開し、この膨張の圧力によりカバー体205を所定のテアラインで破断して突出口を形成する。そして、この突出口からエアバッグ201が正面側に突出して、さらに所定の形状に膨張展開して、乗員を衝突の衝撃から保護するようになっている。
次に、第38図および第39図を参照して、エアバッグ201を折り畳む折畳装置211を説明する。なお、この折畳装置211の全体は、図示しないコンピュータなどの制御手段により制御されている。
まず、この折畳装置211は、架台212を有し、この架台212に、載置部としての水平な板状の下板214が固定されているとともに、この下板214の中央部の上方に位置して、空気圧(エア)などにより作動する駆動手段としての上部シリンダ215が固定され、この上部シリンダ215により、高さ規定手段としての水平な板状の上板216が上下動可能に支持されている。
また、架台212あるいは下板214には、下板214の中央部に向かい、空気圧などにより作動する駆動手段としての4個の押圧シリンダ218が放射状に配置して固定され、これら押圧シリンダ218により、それぞれ下板214の中央部に向かって進退する押圧手段(外周縁押圧手段)としての押圧体221が支持されている。そして、これら押圧体221は、垂直な板状をなし、中央片部221aと、この中央片部221aの両端部から延設された耳部形成片部221b,221bとが形成されている。また、この中央片部221aは、エアバッグ201を折り畳んだ最終形状の外形形状に近く、中心角が45度弱の円弧状に形成されている。一方、各耳部形成片部221bは、それぞれ押圧シリンダ218に対し後方に向かって例えば約45度の角度をもって拡開状に形成されている。
また、これら押圧体221同士の間に位置して、それぞれ放射位置規制手段としての耳部形成板223が放射状に配置されている。そして、各耳部形成板223は、それぞれ垂直な略矩形板状(リブ状)をなし、第42図に示すように、連結軸224を介して駆動手段としての下部シリンダ225に接続され、この下部シリンダ225により、上下方向(あるいは放射方向)に進退駆動され、下板214の上面から出没可能になっている。
さらに、下板214の中央部には、巻き込み手段を構成するエアバッグ装着部231が設けられている。そして、このエアバッグ装着部231には、リテーナ固定部232と、このリテーナ固定部232に連結されたロータリアクチュエータ233とが設けられている。そして、リテーナ固定部232には、インフレータ206の形状を模した型体232aと、リテーナ203の取付ボルト203bが挿入されるボルト保持孔232bとなどが形成されている。また、ロータリアクチュエータ233は、空気圧などにより駆動され、リテーナ固定部232を下板214に対して回転駆動させるようになっている。さらに、第38図などに示すように、型体232aの上面には、必要に応じて真空ポンプなどの吸引装置234に接続された吸引口が開口され、エアバッグ201内の空気を吸引可能になっている。
また、このエアバッグ装着部231は、挿入手段を構成する駆動手段としての両側一対の押上シリンダ235に連結して支持されている。そして、これら押上シリンダ235は、駆動シャフト235aが下板214の下面に固定され、この駆動シャフト235aを引き込むことにより、エアバッグ装着部231を下板214に対して上側に移動させるようになっている。
次に、この折畳装置211を用いた折畳動作(折畳方法)について説明する。
まず、第40図に示すように、上板216を上方に退避させ、各押圧体221を外周側に後退させるとともに、各耳部形成板223を下方に後退させた状態で、下板214上にエアバッグ201を平面状に広げ、すなわち上下の基布の位置が互いにほぼ一致した状態とする。なお、この時、各耳部形成板223を上方に前進させた状態で、下板214上にエアバッグ201を平面状に広げてもよい。また、この時、エアバッグ201の内側には予めリテーナ203を挿入し、取付ボルト203bをボルト用通孔から下側に突出させておく。そして、リテーナ203をエアバッグ装着部231のリテーナ固定部232に装着し、各取付ボルト203bをボルト保持孔232bに挿入するとともに、型体232aをガス流入口に挿入して、エアバッグ201の位置決めを行う。
続いて、第41図に示すように、必要に応じて吸引装置234を作動させてエアバッグ201内の空気を吸引し、上下の基布を密着させた状態とする。そして、上板216を下方に前進させ、エアバッグ201の折り畳み時の高さ規制を行うとともに、第42図に示すように、各耳部形成板223を上方に前進させ、エアバッグ201を4か所で放射状に持ち上げて、上板216の下面に摺動可能に押し付けた状態とする。なお、この状態で、上板216と下板214との間の離間寸法は、エアバッグ201の最終折り畳み形状の高さ寸法である30mm〜50mmとする。
続いて、第36図に示すように、各押圧体221を同時に中心部に向かって前進させ、エアバッグ201を外周縁201aから最終折り畳み形状に向かって押圧する。すると、エアバッグ201は、上板216により高さが規制されており、特に、エアバッグ201用の基布は所定の腰の強さを有しているため、押動された部分は、型体232aの外周部に沿って、ほぼ同心の円弧状あるいは直線状をなした折り線により波状(蛇腹状)に折り畳まれる。さらに、この状態で、各耳部形成板223に押さえられた部分は波状に折り畳まれず、中心部から外周縁201aに向かう放射状の折り線を有して外周側に突出した(残った)耳部236が形成される。また、各押圧体221が前進限まで移動した状態で、互いに隣接する押圧体221の耳部形成片部221b同士の間に、耳部形成板223および耳部236が密着して挟み込まれ、耳部236の形状が確実に形成される。
続いて、第43図に示すように、各押圧体221を同時に外周側に若干後退させ、互いに隣接する押圧体221の耳部形成片部221b同士の間の寸法dを拡大して、耳部236を耳部形成片部221bおよび耳部形成板23に対して摺動可能とするとともに、各耳部形成板223を下方に退避させる。
この状態で、第44図に示すように、ロータリアクチュエータ233を作動させ、エアバッグ装着部231のリテーナ固定部232を所定の方向に所定の速度で回転させ、このリテーナ固定部232に保持したエアバッグ201の中心部を回転させ、各耳部236を内側に巻き込み、波状に折り畳んだ部分の外周部に巻き付けていく。
そして、第45図に示すように、各耳部236を内側に巻き込み終わった状態で、必要に応じて各押圧体221を同時に内周側に若干前進させて形を整え、エアバッグ201を最終折り畳み形状とする。なお、この時、各耳部236を内側に巻き込み終わった状態で、必要に応じて、各耳部形成板223を第42図に示す状態に復帰して、その後、同時に内周方向に若干前進させて形を整え、エアバッグ201を最終折り畳み形状とすることもできる。また、この状態では、後述するカバー体205への挿入を円滑にするため、エアバッグ201の平面形状は、カバー体205の収納部の平面形状よりも小さくする。
続いて、上板216を上方に退避させ、第46図に示すように、折り畳んだエアバッグ201の上側の所定の位置に、カバー体205を載置する。そして、作業者がカバー体205を保持して上方に移動しないように押さえた状態で、第47図および第48図に示すように、両側の押上シリンダ235を作動させ、エアバッグ装着部231を下板214に対して所定の寸法だけ上側に移動させて、最終折り畳み形状としたエアバッグ201をカバー体205の収納部内に挿入する。そして、この状態で、エアバッグ201の折り畳み工程およびカバー体205への組み付け工程が完了する。
そして、本実施の形態によれば、高さ規制手段としての上板216により、エアバッグ201の高さを規制した状態で、広げたエアバッグ201を四方から押圧体221により中心側に押し込むことにより、エアバッグ201の中心部の四方を波状に折り畳み、これら折り畳んだ部分同士の間から放射状に耳部236を突出した形状に折り畳むことができる。そして、この状態からは、耳部236を装置あるいは手作業によって折り畳んだ部分の外周側に沿わせることにより、容易にカバー体205に挿入される最終折り畳み形状とできる。そこで、この工程では、カバー体205を波状に折り畳むために互いに係合する複雑な形状あるいは動作を行う装置の必要がなく、単純なシリンダの移動で折り畳みが可能になるため、折畳装置211の構造を簡略化でき、装置を小形化(小規模化)して安価に構成できるとともに、折り畳みに要する時間を短縮でき、エアバッグ201の折り畳みに関するコスト、さらにはエアバッグ装置202の製造コストを低減できる。
また、各押圧体221の間に位置して耳部形成板223を設けたため、各押圧体221を前進してエアバッグ201を折り畳む際に、中心部から外周側に放射状に突出する耳部236を容易かつ確実に形成できる。
そして、巻き込み手段として、エアバッグ201の中心部を回転させるロータリアクチュエータ233を設けたエアバッグ装着部231を備えたため、形成した耳部236を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせることにより、エアバッグ201を容易に最終折り畳み形状に折り畳むことができる。
さらに、折り畳んだエアバッグ201は、挿入手段としての押上シリンダ235により、折り畳んだ状態から直接カバー体205の収納部に挿入できるため、折り畳んだ形状を保持するために特別な構成を設ける必要がなく、折り畳み工程を迅速に終了できるとともに、エアバッグ装置202の製造を容易にできる。
そして、この工程により折り畳まれるエアバッグ201は、ガス流入口を設けた中心部の外周側に沿って折り畳まれるため、インフレータ206からガスが供給され中心部に流入した際には、正面側に向かって中心部から迅速円滑に膨張展開させることができる。そこで、カバー体205を破断する際のガスの圧力を低減させることができ、ガスの圧力を有効に利用して、エアバッグ201を迅速円滑に膨張展開させることができる。さらに、エアバッグ201を支持する取付部に作用する負荷を小さくでき、取付部を簡略化できる。
なお、上記の第12の実施の形態では、第36図および第43図に示す工程で、エアバッグ201を折り畳む際に、一旦各押圧体221を最終折り畳み形状を形成できるように前進させ、続いて、各耳部236を巻き込むために各押圧体221を後退させるように制御したが、エアバッグ201の基布の腰の強さなどの特性によっては、各押圧体221の前進限を、第36図よりも手前側すなわち後側に設定して耳部236を摺動可能とし、第43図に示す各押圧体221が後退する工程を不要にすることもできる。
また、第46図ないし第48図に示す工程では、挿入手段としては押上シリンダ235のみを設け、折り畳んだエアバッグ201をカバー体205に挿入する際には、カバー体205は作業者が手によって所定の位置に載置して保持したが、このような載置および保持の両方あるいはいずれか一方は、工業用のロボットを用いて行うこともできる。
また、上記の実施の形態では、巻き込み手段として、ロータリアクチュエータ233を備えたエアバッグ装着部231を設けたが、例えば、外周側から進退して、放射状に配置された耳部236を押動して折り畳んだ部分の外周側に沿わせるプレート体を用いることもでき、あるいは、このような構成を設けずに作業者が手により巻き付けるようにすることもできる。
さらに、上記の実施の形態では、第36図などに示すように、押圧手段としての押圧体221は、最終折り畳み形状の一辺に対応する中央片部221aを外周側に膨出する平面円弧状に形成し、耳部形成板223に対応する耳部形成片部221bは平面直線状に形成したが、これら押圧体221は種々の形状を取ることができ、例えば、第49図に示すように、中央片部221aを平面直線状に形成することもできる。
また、上記の実施の形態では、第39図などに示すように高さ規制手段としての上板216は、広げたエアバッグ201の全体の上側を覆う形状としたが、必ずしも広げたエアバッグ201の全体の上側を覆う必要はなく、例えば、第50図に示すように、各耳部形成板223の上側を切除して、エアバッグ201を折り畳む押圧体221の中央片部221aの進路上の上側のみを覆うようにしても、エアバッグ201をほぼ波状に折り畳む同様の効果を得ることができる。
さらに、高さ規制手段は、必ずしも1枚のプレート状の上板216により構成する必要はなく、例えば、第51図に示すように、押圧体221の進路上の上側が切除された上板216と、押圧体221の中央片部221aの上部から前側に略矩形平板状(フランジ状)に突設された突設片221dとにより、高さ規制手段を構成しても、エアバッグ201をほぼ波状に折り畳む同様の効果を得ることができる。なお、突設片221dの形状は、第51図に示すものに限られず、先端側を弧状などとして中心側に突設してもよく、また、第52図に示すように、中央片部221aおよび両側の耳部形成片部221b,221bから突設することもできる。さらに、突設片221dの形状あるいはエアバッグ201の基布の腰の強さによっては、上板216を省略し、突設片221dのみで高さ規制手段を構成することもできる。
さらに、上記の実施の形態では、耳部236を形成する放射位置規制手段として、下板214側から上下方向に進退する耳部形成板223を用いたが、この耳部形成板223は、上板216側に設けてもよい。また、この耳部形成板223は、下板214側あるいは上板216側から上下方向に進退するほか、放射方向に進退させることもでき、あるいは、下板214側あるいは上板216側に固定的に設けることもできる。
また、放射位置規制手段としては、必ずしもプレート状の部材を用いる必要はなく、各押圧体221により押動されない部分の形状を放射状に保つ構成であれば良く、例えば、耳部形成板223に代えて、第53図および第54図に示すクランプ装置241を用いることもできる。そして、このクランプ装置241は、それぞれ各押圧体221同士の間に放射状に配置され、外周側の端部が下板214などに固定された付勢手段としての弾性体であるコイルスプリング242と、このコイルスプリング242の内周側の端部に取り付けられたクランプ体243となどから構成されている。そして、この構成では、各クランプ体243により、エアバッグ201の外周縁201aの近傍をつまんだ状態で、各押圧体221を前進させることにより、所定の形状の耳部236を形成できる。また、この構成では、各クランプ体243はコイルスプリング242により支持されているため、各押圧体221の前進に伴いエアバッグ201の径寸法が小さくなるにつれて、外周側に向かい適度の付勢力が働き、エアバッグ201の耳部236を無理なく整然とした形状に形成できる。
さらに、エアバッグ201の基布の腰の強さなどの特性によっては、これら放射位置規制手段がなくとも、各押圧体221同士の間に自然に耳部を形成することもでき、放射位置規制手段を省略できる。
また、上記の実施の形態では、4個の押圧体221を用い、耳部236を4か所に形成したため、平面略四角形状の収納部を備えたカバー体205に好適な折り畳み形状を実現できるが、このような耳部は、カバー体の収納部の形状などに合わせて、2か所、3か所、あるいは5か所以上に形成することもできる。なお、特に、押圧体221および耳部形成板223をそれぞれ3個以上備え、すなわち、耳部を3か所以上形成することにより、エアバッグを、カバー体205の取付片部205bに囲まれて形成される平面略多角形状の収納部に円滑に挿入可能な形状に容易に折り畳むことができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明は、例えば、自動車のステアリングホイール、インストルメントパネル、座席、ドアパネルなどに備えられ、衝突の衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置、このエアバッグ装置に備えられるエアバッグの折畳方法、およびこのエアバッグの折畳装置に利用される。
【発明の効果】
本発明によれば、エアバッグの折り畳みが容易で小形化できるエアバッグ装置、また、エアバッグを容易に小さく折り畳むことができ、装置の簡略化および工程の迅速化が可能であり、製造コストを低減できるとともに円滑に展開可能なエアバッグの折畳方法およびエアバッグの折畳装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上エアバッグ装置の断面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の斜視図である。
【図4】同上エアバッグの折り畳み方法を示す説明図である。
【図5】同上エアバッグの折り畳み方法を示す平面図である。
【図6】同上エアバッグの折り畳み方法を示す斜視図である。
【図7】同上エアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図8】同上エアバッグの折り畳み状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示すエアバッグの折り畳み方法の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示すエアバッグ装置の一部の平面図である。
【図11】同上第3の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法の説明図である。
【図12】同上第3の実施の形態のエアバッグ装置の説明図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図18】本発明の第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み状態を示す平面図である。
【図19】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法を示す一部の斜視図である。
【図20】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み方法を示す第19図のA方向から見た側面図である。
【図21】同上第9の実施の形態のエアバッグ折り畳みに用いる装置の説明図である。
【図22】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図23】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図24】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図25】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図26】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図27】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図28】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図29】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図30】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図31】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図32】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図33】同上第9の実施の形態のエアバッグの折り畳み工程を示す説明図である。
【図34】本発明の第10の実施の形態を示すエアバッグ装置の断面図である。
【図35】本発明の第11の実施の形態を示すエアバッグ装置の折り畳み工程を示す説明図である。
【図36】本発明のエアバッグの折畳方法およびその装置の第12の実施の形態を示す作業工程の説明図である。
【図37】同上エアバッグを備えたエアバッグ装置の分解斜視図である。
【図38】同上折畳装置の全体図である。
【図39】同上折畳装置の一部の斜視図である。
【図40】同上折畳装置を用いた作業工程を説明する第36図のI−I位置における断面図である。
【図41】同上第40図に続く作業工程を説明する第36図のI−I位置における断面図である。
【図42】同上第36図のII−II位置における断面図である。
【図43】同上第42図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図44】同上第43図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図45】同上第44図に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図46】同上図45に続く作業工程を説明する斜視図である。
【図47】同上第46図に続く作業工程を説明する図36のI−I位置における断面図である。
【図48】同上斜視図である。
【図49】本発明の押圧手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図50】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図51】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図52】本発明の高さ規制手段の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図53】本発明の放射位置規制手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図54】同上第53図のIII−III断面図である。
【符号の説明】
1,111,202 エアバッグ装置
12,112,201 エアバッグ
12a,12b 基布
16,206 インフレータ
21 底面部
22 ガス流入口
23 正面部
51,81,211 折畳装置
61,115 辺部
52,116,236 余部(耳部)
75 開放線部
85 圧縮手段としての押圧治具
86 巻付手段としての巻付治具
93 開放線形成手段としての開放線形成具
214 載置部としての下板
216 高さ規制手段としての上板
221 押圧手段としての押圧体
221d 高さ規制手段を構成する突設片
223 放射位置規制手段としての耳部形成板
231 巻き込み手段を構成するエアバッグ装着部
235 挿入手段を構成する押圧シリンダ
241 放射位置規制手段としてのクランプ装置
A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4 折畳手段を構成する折畳具
Claims (12)
- ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入し正面側に膨張展開する袋状のエアバッグとを具備し、
前記エアバッグは、
前記インフレータの正面側に配置された正面部と、
この正面部の外周側に連続し略波状に折り返されて配置された3個以上の辺部と、
これら辺部間に連続し前記各辺部の外周側に沿って配置された3個以上の余部とを備え、
前記余部には、正面部から前記エアバッグの外縁部である先端部に連続する線であり各辺部を構成する折り目を互いに分離する開放線部を設けた
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 各余部は、同一方向に巻き付けられて各辺部の外周側に沿って配置された
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - ガスを噴射するインフレータと、このインフレータが噴射するガスが流入して膨張する袋状のエアバッグとを具備し、
前記エアバッグは、
ガス流入口を設けた底面部と、
この底面部の外周側に連続しこの底面部の基布の面と略直交する方向を基布の面として略波状に折り畳まれた3個以上の辺部とを設け、
これら辺部は、周方向の端部を外周側に沿わせて配置し、
隣接する前記辺部間に前記底面部から前記エアバッグの外縁部である先端部に連続する線であり各辺部を構成する折り目を互いに分離する開放線部を設けた
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 底面部は、略矩形状である
ことを特徴とする請求項3記載のエアバッグ装置。 - ガスが流入して膨張展開するエアバッグの折り畳み方法であって、
前記エアバッグを折り畳んで3個以上の辺部を形成するとともに、これら各辺部間に余った余部を前記各辺部の外周側に沿わせ、
前記余部には、ガスの流入する部分から前記エアバッグの外縁部である端部に連続する線であり各辺部を構成する折り目を互いに分離する開放線部を形成した
ことを特徴とするエアバッグの折畳方法。 - エアバッグを平面状に広げ、
このエアバッグの上下の範囲である高さを規制しつつ、外周縁から折り畳みの中心に向かって複数箇所で押圧して折り畳み、
外周側に突出した部分は折り畳んだ部分の外周側に沿わせる
ことを特徴とするエアバッグの折畳方法。 - ガスの流入する部分から前記エアバッグの外縁部である端部に連続する線であり各辺部を構成する折り目を互いに分離する開放線部をエアバッグに形成する開放線形手段と、
この開放線形成手段により前記開放線部を保持した状態で、前記エアバッグを略波状に折り、略波状に折り畳んだ辺部と、前記開放線部に沿った余部とを形成する折畳手段と
を具備したことを特徴とするエアバッグの折畳装置。 - 略波状に折り畳んだ辺部を圧縮する圧縮手段を備えた
ことを特徴とする請求項7記載のエアバッグの折畳装置。 - 余部を辺部の外周側に沿わせる巻付手段を備えた
ことを特徴とする請求項7または8記載のエアバッグの折畳装置。 - 平面状に広げられたエアバッグが載置される載置部と、
このエアバッグの外周縁を折り畳みの中心側に向かって押圧する複数の押圧手段と、
前記エアバッグの前記載置部からの離間寸法を規制する高さ規制手段と、
前記押圧手段同士の間に位置するエアバッグの移動を規制して耳部を形成する放射位置規制手段と
を具備したことを特徴とするエアバッグの折畳装置。 - 外周側に突出した部分を折り畳んだ部分の外周側に巻き込み沿わせる巻き込み手段を具備した
ことを特徴とする請求項10記載のエアバッグの折畳装置。 - 折り畳んだエアバッグをこのエアバッグが収納されるカバー体に挿入する挿入手段を具備した
ことを特徴とする請求項10または11記載のエアバッグの折畳装置。
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