JP3724522B2 - レンズ装置の取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ装置の取付構造に係り、特に監視カメラ用のレンズ装置をカメラ本体に取り付けるためのレンズ装置の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラのレンズ装置は、撮影レンズがケーシングに保持され、このケーシングに設けられたマウントリングをカメラ本体に締結することにより、カメラ本体に取り付けられる。また、前記レンズ装置は、アイリスとアイリスメータとを備えたアイリスユニットが内蔵され、アイリスメータのケーブルをカメラ本体のコネクタに接続することにより、アイリスユニットが駆動されるようになっている。
【0003】
このため、前記レンズ装置は、ケーシングとマウントリングとがストッパ同士を介して連結されており、ストッパ同士の当接によりケーシングの回転力がマウントリングに伝達されて、マウントリングがカメラ本体に締結される。そして、マウントリングの締結終了後に、ケーシングを逆方向に回動(許容角度以上回動するとストッパ同士が当接してマウントリングが緩んでしまうので、その許容角度以下の角度で回動)して、前記ケーブルの位置をコネクタに接続し易い位置に調節している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレンズ装置の取付構造は、マウントリングの締結終了後に、過度の回転力がケーシングからマウントリングに伝達すると、即ち、マウントリングを締め過ぎると、ストッパが破損してしまうという欠点がある。このような不具合は、ストッパを大きくして強度を上げれば解消できるが、ストッパを大きくすると、ケーブルの位置を調整するためのケーシング回動範囲が狭くなるという欠点がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、締め過ぎによるストッパの破損を防止すると共に、ケーブルの位置を調整するためのケーシング回動範囲を広くとることができるレンズ装置の取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、撮影レンズを保持したケーシングと、前記ケーシングに設けられると共に、該ケーシングの回転に連動されてカメラ本体に締結されることにより、ケーシングをカメラ本体に取り付けるマウント部材と、前記ケーシングの回転を前記マウント部材に伝達する連動部材と、前記連動部材の動力を前記マウント部材に伝達する、連動部材とマウント部材との動力伝達部に形成されると共に、前記ケーシングの取り付け方向の回転で当接される各々の面がテーパ面に形成されたストッパであって、マウント部材の締結後に、ケーシングから連動部材を介してマウント部材に伝達された取り付け方向の回転力が許容値を超えた時に、前記ストッパのうち、少なくとも一方のストッパが他方のストッパとの当接位置から退避するように基部を支点として弾性をもって片持ち支持されるとともに、前記取り付け方向と逆の取り外し方向の回転では互いに当接されて連動部材とマウント部材とを一体に回転させるストッパと、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、ケーシングを取り付け方向に回転させると、その回転力が連動部材に伝達する。そして、連動部材とマウント部材とは、ストッパのテーパ面同士の当接により、連動部材の回転力がマウント部材に伝達する。これによって、マウント部材が回転されてカメラ本体に締結される。この締結終了後に、ケーシングから連動部材を介してマウント部材に過度の回転力が伝達されると、前記ストッパのうち弾性をもって支持された一方のストッパが、他方のストッパのテーパ面に押されて、他方のストッパとの当接位置から退避する。これにより、本発明は、締め過ぎによるストッパの破損を防止できる。
【0008】
一方、ケーブルの位置を調整する際には、マウント部材の締結後にケーシングを取り付け方向に回動させれば良い。この回転力は、マウント部材に伝達されないので、ケーシングの回動範囲を広くとることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の取付構造の好ましい実施の形態を詳述する。
図1は、本発明のレンズ装置の取付構造が適用された監視カメラ用撮影レンズの実施の形態を示す断面図である。同図に示す撮影レンズ装置10は、ケーシング12の前方から光軸Pに沿って第1のレンズ14、アイリスユニット16、及び第2のレンズ18が順に配置され、ケーシング12の後方(図中右端部)に設けられた連動リング(連動部材)20、及びマウントリング(マウント部材)22を介して、図中二点鎖線で示すカメラ本体24に取り付けられる。
【0010】
前記第1のレンズ14は、略筒状に形成されたレンズ支持枠26内に支持されており、このレンズ支持枠26は、ケーシング12内に固定されている。また、前記第2のレンズ18も同様に略筒状のレンズ支持枠28内に支持され、このレンズ支持枠28はケーシング12の後部に固定されている。
図2において前記レンズ支持枠28の外周面にはヘリコイドねじ30が形成され、このヘリコイドねじ30にフォーカスリング32のヘリコイドねじ34が螺合されている。フォーカスリング32を回転させると、フォーカスリング32に対してレンズ支持枠28、及びレンズ支持枠26が光軸Pに沿って前後移動されてピント調整が行われる。ピント調整終了後、フォーカスリング32は図示しないねじによってマウントリング22に固定される。
【0011】
図1において、前記アイリスユニット16は、第1のレンズ14と第2のレンズ18との間に配置されており、アイリスメータ36からの駆動力により駆動されて所望の絞り値に調節される。前記アイリスメータ36は、レンズ支持枠26とケーシング12との間に形成された空間部に設置されている。また、アイリスメータ36のケーブル38は、ケーシング12に形成された図示しない開口部から外部に配設されて、図中二点鎖線で示すカメラ本体24のコネクタ40に接続される。
【0012】
ところで、前記連動リング20は図2、図3に示すように、その内周面に2つのキー42、42が対向して形成されている。このキー42、42が図2に示したレンズ支持枠28のキー溝44、44(下側のキーは図示せず)に係合されることにより、連動リング20がレンズ支持枠28に取り付けられる。また、連動リング20は、ストッパ板46との間に配置された板ばね48の付勢力によって図2中左方向に付勢されている。また、連動リング20は、マウントリング22のストッパ板50との間に配置された板ばね52の付勢力によって図2中右方向に付勢されている。この板ばね52の付勢力は、前記板ばね48の付勢力よりも大きく設定されている。
【0013】
図3は、図1中3−3線からみた連動リング20とマウントリング22の半断面図である。
同図に示すように、連動リング20の外周面にはストッパ54が形成される。このストッパ54は、基部55を介して連動リング20に片持ち支持されると共に、基部55を支点として連動リング20の径方向に弾性をもって移動自在に形成されている。また、ストッパ54の両端部にはテーパ面54A、54Bが形成される。これらのテーパ面54A、54Bは平行に形成されている。更に、ストッパ54が位置する連動リング20の外周面には凹部56が形成される。この凹部56は図4に示すように、ストッパ54全体が没入可能な深さに形成されている。
【0014】
図3、図4において、マウントリング22の内周面にはストッパ58が形成され、ストッパ58の両側面にはテーパ面58A、58Bが形成される。これらのテーパ面58A、58Bは平行に形成されている。図3において、ケーシング12(図1参照)の取り付け方向の回転で連動リング20が図中閉方向に回転されると、ストッパ54のテーパ面54Aがストッパ58のテーパ面58Aに圧接されて、連動リング20の回転力がマウントリング22に伝達される。これにより、マウントリング22が閉方向に回転されて、図1に示したカメラ本体24のレンズ取付部24Aに、マウントリング22のねじ部22Aが締結される。
【0015】
一方、マウントリング22の締結終了後に、ケーシング12から連動リング20を介してマウントリング22に過度の回転力が伝達されると、ストッパ54が、ストッパ58のテーパ面58Aに押されて図4に示したように凹部56に没入される。ストッパ54がストッパ58を通過すると図5に示すように、ストッパ54が自己の復元力によって元の位置(図3に示す位置)に弾性復帰される。
【0016】
これとは逆に、ケーシング12を図中開方向に回転させると図6に示すように、ストッパ54のテーパ面54Bがストッパ58のテーパ面58Bに圧接されて、マウントリング22が連動リング20と一体に回転される。
このように構成された本実施の形態のレンズ装置の取付構造によれば、まず、図1において、マウントリング22のねじ22Aをカメラ本体24のレンズ取付部24Aに合わせたのち、ケーシング12を取り付け方向に回転させると、その回転力が連動リング20に伝達する。そして、連動リング20とマウントリング22とは、ストッパ54のテーパ面54Aとストッパ56のテーパ面56Aとが圧接した状態となり、連動リング20の回転力がマウントリング22に伝達する。これによって、マウントリング22が回転されてカメラ本体24にねじ込まれていき、レンズ装置10がカメラ本体24に取り付けられる。
【0017】
次に、マウントリング22の締結終了後に、ケーシング12から連動リング20を介してマウントリング22に過度の回転力が伝達されると、ストッパ54が、ストッパ58のテーパ面58Aに強く押されて、ストッパ54が図4に示したように、ストッパ58との当接位置から退避して凹部56に没入する。これにより、本実施の形態によれば、締め過ぎによるストッパ54、58の破損を防止できる。
【0018】
一方、ケーブル38の位置を調整する際には、マウントリング22の締結後にケーシング12を取り付け方向に回動させれば良い。この回転力はマウントリング22に伝達されないので、ケーシングの回動範囲を広くとることができる。
これとは逆に、ケーシング12を図3中開方向に回転させると図6に示すように、ストッパ54のテーパ面54Bがストッパ58のテーパ面58Bに圧接されて、マウントリング22が連動リング20と一体に回転される。これにより、本実施の形態では、レンズ装置10をカメラ本体24から容易に取り外すことができる。
【0019】
本実施の形態では、取り外し方向の回転で当接されるストッパ54、58同士の面54B、58Bをテーパ面に形成したが、これに限られるものではなく、連動リング20からマウントリング22に回転力を伝達することが可能な面であれば、例えば垂直面に形成しても良い。
本実施の形態では、ストッパ54のテーパ面54A、及びストッパ56のテーパ面56Aの角部をエッジ形状に形成したが、図9に示すように、前記角部59A、59Bを湾曲状に形成しても良い。これにより、ストッパ54がストッパ58に対して逃げ易くなるので、テーパ面54A、56A同士の摩擦力増大によるストッパ54、58の損傷を防止することができる。
【0020】
本実施の形態では、ストッパ54、58のうち、一方のストッパ54を弾性をもって支持したが、これに限られるものではなく、他方のストッパ58のみを弾性をもって支持しても良く、両方のストッパ54、58を弾性をもって支持しても良い。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るレンズ装置の取付構造によれば、マウント部材の締結終了後に、ケーシングから連動部材を介してマウント部材に過度の回転力が伝達されても、ストッパのうち弾性をもって支持された一方のストッパが、他方のストッパのテーパ面に強く押されて、他方のストッパとの当接位置から退避するので、締め過ぎによるストッパの破損を防止できる。
【0022】
また、ケーブルの位置を調整する際には、マウント部材の締結後にケーシングを取り付け方向に回動させれば良い。この回転力は、マウント部材に伝達されないので、ケーシングの回動範囲を広くとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ装置の取付構造が適用された監視カメラ用撮影レンズ装置の実施の形態を示す断面図
【図2】図1に示した撮影レンズ装置の要部断面図
【図3】図1中3−3線からみた連動リングとマウントリングの半断面図
【図4】連動リング側のストッパがマウントリング側のストッパに押されて係合位置から退避した状態を示す要部断面図
【図5】連動リング側のストッパがマウントリング側のストッパを通過して元の位置に復帰した状態を示す要部断面図
【図6】ケーシングの開方向の回転で、連動リング側のストッパとマウントリング側のストッパと係合した状態を示す要部断面図
【図7】閉方向の回転で当接するストッパ同士のテーパ面の隅部を湾曲面状に形成したストッパの要部断面図
【符号の説明】
10…撮影レンズ装置
12…ケーシング
20…連動リング
22…マウントリング
24…カメラ本体
54、58…ストッパ
54A、54B…テーパ面
56…凹部
58A、58B…テーパ面

Claims (1)

  1. 撮影レンズを保持したケーシングと、
    前記ケーシングに設けられると共に、該ケーシングの回転に連動されてカメラ本体に締結されることにより、ケーシングをカメラ本体に取り付けるマウント部材と、
    前記ケーシングの回転を前記マウント部材に伝達する連動部材と、
    前記連動部材の動力を前記マウント部材に伝達する、連動部材とマウント部材との動力伝達部に形成されると共に、前記ケーシングの取り付け方向の回転で当接される各々の面がテーパ面に形成されたストッパであって、マウント部材の締結後に、ケーシングから連動部材を介してマウント部材に伝達された取り付け方向の回転力が許容値を超えた時に、前記ストッパのうち、少なくとも一方のストッパが他方のストッパとの当接位置から退避するように基部を支点として弾性をもって片持ち支持されるとともに、前記取り付け方向と逆の取り外し方向の回転では互いに当接されて連動部材とマウント部材とを一体に回転させるストッパと、
    を備えたことを特徴とするレンズ装置の取付構造。
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