JP3724328B2 - 回路の電流値制御方法、回路の形成方法、時計並びに半導体素子 - Google Patents

回路の電流値制御方法、回路の形成方法、時計並びに半導体素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路を構成する配線上又は配線間にインクジェット方式を用いて導電性流動体を噴射し、その配線又は配線間の回路断面積を調整してその部分の抵抗値を変化させ、そこを流れる電流の値を制御する方法に関するものであって、特に、電流値を高精度に設定する必要のある時計回路や半導体素子に対する駆動回路等の電流値制御に関連する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子時計においては、時間の精度調整のため、内部のICや発信回路の駆動回路に微少な所定の値の電流を流す必要がある。このため、従来は、特開昭59-138981号公報や実開昭57-112993号公報等にあるように、駆動回路内の電流値を測定しながら、その回路内の複数の電流調整用回路パターンのいくつかをレーザー光で切断して、回路内の抵抗値を増加させることで、そこを流れる電流の値を調整する方法を採用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような電流調整用回路パターンを切断する方法では、回路パターン1本毎の段階的な電流値制御しか行うことができず、高精度に電流値を制御しようとすれば切断する回路パターンをできるだけ多く設けることが必要で、そのためのスペースが大きくなり、機器の小型化、軽量化の点で問題となる。また、回路パターンを細かく分割しすぎると、その回路パターン自身の断線等の恐れも出てくる。また、レーザー光を切断に使う場合には、回路基板を耐熱性にすることが必要で、しかもレーザー光が当たる部分の裏面に回路を形成できない等の制約も受けることになる。さらに、切断した回路片が塵となって飛散し、回路内の他の部分の短絡原因あるいは機構部品内に入って動作不良の原因となる恐れがあった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、従来の回路パターンを切断する方法に比べても簡易で、省スペース化が図れ、かつ他の部品へ悪影響を及ぼすこともなく、電流値を高精度に制御できる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電流値制御方法は、所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の塗布量を調整し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成することを特徴とする。
また、所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の噴射回数を制御し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成することを特徴とする。
【0006】
インクジェット方式による導電体の形成による電流値の制御においては、予め余分な回路パターンを作っておく必要がなく、しかも導電体の形成量を細かく調整できるので、回路切断方式の制御に比べて、少ないスペースでより高精度の電流値制御が可能となる。
また、インクジェット方式は、既にある回路を取り除くことはしないため、取り除かれた回路片に起因する回路の短絡や他の部品への悪影響が生じることもない。
さらに、圧電素子を利用したインクジェット方式では、圧電素子に与える信号により、導電性流動体の1回の噴射量を数段階程度(例えば、6ng、10ng、13ng)に変更することができるので、所定の電流値と測定された電流値との差に基づいて導電性流動体の塗布量を変化させることで、電流値の微調整が可能となる。
【0007】
また、前記導電性流動体には導電性材料が含有されてなり、該導電性材料の含有量が異なる複数の導電性流動体により、前記回路間の電流値を調整するものである。このように、例えば、導電性流動体中の単位体積当たりの導電性材料の含有量を変えることで、単位体積当たりの導電性材料の少ない流動体では微少な抵抗値の変更による微少な電流値の変更が、一方、単位体積当たりの導電性材料の多い流動体では大きな抵抗値の変更による大幅な電流値の変更がそれぞれ可能となり、複数種類の導電性流動体を目的に合わせて使い分ければ、制御の効率を上げることができる。
特に、インクジェットヘッドが複数種類の導電性流動体用にそれぞれ噴射口を備えるようにすれば、電流値の調整量に合わせて噴射口を変えながら、効率的に回路の抵抗値を下げ、回路に流れる電流値を所定の値にすることが高精度に実施できる。
【0008】
なお、導電性流動体が、前記回路の表面の酸化膜を溶かす物質を含むようにすれば、調整しようとする現状回路と導電性流動体との接続部における電気的特性(導電性等)の劣化を防止でき、かつ、部分的な配線内の抵抗値のばらつきによる部分的な発熱等の現象を抑制することができる。
特に、インクジェットヘッドが複数の噴射口を備えるものにおいては、そのうちの少なくとも1つを回路の表面の酸化膜を溶かす物質を含む液体の噴射口として用いるようにすることで、酸化膜を溶かす液体の塗布量の制御を導電性流動体とは別に行えるので、酸化膜の溶け具合に応じてその量を独自に調整することも可能となる。
【0009】
本発明の電流値制御方法は、また、塗布された導電性流動体を温度制御して固化し、前記導電体を形成するものである。
また、形成された導電体上に保護膜を形成するものである。
これらにより、導電性流動体の回路基板への定着性を高め、既存の回路とインクジェット方式で形成した導電体との電気的接続を良好に保つことができる。
【0010】
また、本発明は、所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の塗布量を調整し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成する回路の形成方法、及びこの方法により形成された回路を備えた時計または半導体素子も含む。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、以下に示す本発明の各実施の形態で利用するインクジェット方式による、回路基板上における回路配線の電流値制御方法を示す説明図である。
ここでは、複数の噴射口N1〜N5を持つインクジェットヘッド1を用い、条件設定部2から入力された条件、すなわち、制御しようとする回路配線(図示せず)の電流値を測定し、その値を条件設定部2にフィードバックし、その値と設定しようとする所定の電流値との差から適正量の塗布量をインクジェットヘッド制御部3に送ることで、インクジェットヘッド制御部3がインクジェットヘッド1を駆動して、その回路配線部分に、適量の導電性流動体を噴射して、そこに導電体を形成するようにしている。
なお、噴射口は、必要に応じて適宜の個数備えるようにしてよい。
【0013】
また、インクジェット方式で噴射させる導電性流動体は、インク等の液体に、銀粉、金粉、鉛粉、半田粉等の電気抵抗が比較的小さい導電性材料が溶解されたものあるいは微粒子として混入しているものである。なお、この他に、特開平11−274671号に示されているような導電性材料を含んだ流動体も導電性流動体として利用できる。
【0014】
次に、上記インクジェットヘッド1の構造及びその動作を、インクジェットヘッドの一例を示す図2を用いて説明する。
インクジェッドヘッド1は、中間のシリコン基板62を挟んで、その上側に同じくシリコン製のノズルプレート63、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス基板64とが積層されている。シリコン基板62には、その表面からエッチングを施すことにより、独立したインク室(圧力発生室)65と、1つの共通インク室(リザーバ)66と、この共通インク室66を各インク室65に連通しているインク供給路(オリフィス)67として、それぞれ機能する溝が形成されている。これらの溝がノズルプレート63によって塞がれることにより、インク室65、共通インク室66及びインク供給路67がそれぞれ形成される。
【0015】
ノズルプレート63には、各インク室65の先端側の部分に対応する位置に、インクノズル71が形成されており、これらが各インク室65に連通している。また、ガラス基板64の内、共通インク室66が位置している部分には、これに連通するインク供給口72が形成されている。インクは、外部の図示しないインクタンクから、インク供給口72を通って共通インク室66に供給される。共通インク室66に供給されたインクは、各インク供給路67を通って、独立した各インク室65にそれぞれ供給される。
各インク室65は、その底壁73が薄肉に構成されており、それが弾性変位可能な振動板として機能するように構成されている。
【0016】
シリコン基板62の下側に位置しているガラス基板64においては、その上面であるシリコン基板62との接合面には、シリコン基板62の各インク室65に対応した位置に、浅くエッチングされた凹部69が形成されている。従って、各インク室65の底壁73は非常に狭い隙間Gを隔てて凹部69が形成されたガラス基板64の表面74と対向している。そして、ガラス基板64の表面74には、各インク室65の底壁73に対向するように、各セグメント電極が形成されている。
【0017】
ここで、各インク室65の底壁(振動板)73は、各インク室側の共通電極として機能する。また、各インク室65の底壁73のガラス基板64に対向した表面はシリコンの酸化膜からなる絶縁層により覆われている。このように、インク室65の底壁73の表面に形成された絶縁層と隙間Gとを挟んで、各インク室の底壁73すなわち振動板(共通電極)と、各セグメント電極70とが対向している。
【0018】
上述のように構成されたインクジェットヘッド1においては、電圧印加手段76からの駆動電圧が対向電極間に印加されると、対向電極間に充電された電荷によるクーロン力が発生し、底板(振動板)73はセグメント電極70側へ撓み、インク室65の容積が拡大する。次に、電圧印加手段76からの駆動電圧を解除して対向電極間の電荷を放電すると、振動板73はその弾性復帰力によって復帰し、インク室65の容積が急激に収縮する。この時に発生するインク圧力により、インク室65を満たしていたインクの一部が、このインク室65に連通しているインクノズル71からインク柱となって吐出する。吐出後、インクは自らの表面張力によりインク滴となって、印刷面に着弾する。
このような構成のインクジェットヘッドを下記各実施の形態に用いることで、導電性流動体を低騒音及び低消費電力で所定箇所へ塗布することが可能となる。
【0019】
実施の形態1.
図3は、本発明の実施の形態1による電流値制御の一例を示す回路配線の平面図である。ここでは、予め、回路基板上に、所定の電流値Iaが必要とされる部分の回路配線11を、その両側11a,11bでは電流値Ia以上の電流を流すのに充分な幅(即ち断面積)を有するように、そして、その中間部11cでは電流値Iaを下まわる電流しか流れない幅(即ち断面積)としておく。
【0020】
次に、この回路配線11を有する各素子が組み込まれた回路を実際に動作させて、その回路配線11の電流値を測定しながら、回路が所望の動作を行うようになるまで、インクジェットヘッドから中間部11cに導電性流動体を塗布して導電体を形成し、その回路配線の幅を拡げながら、そこを流れる電流値を調整する。このようにして追加形成された部分が、導電体拡張部11dである。
【0021】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による電流値制御の一例を示す回路配線の側断面図である。ここでは、予め、回路基板上に、所定の電流値Ibが必要とされる部分の回路配線12を、その両側12a,12bでは電流値Ib以上の電流を流すのに充分な厚さ(即ち断面積)を有するように、そして、中間部12cでは電流値Ibを下まわる電流しか流れない厚さ(即ち断面積)としておく。
【0022】
次に、この回路配線12を有する各素子が組み込まれた回路を実際に動作させて、その回路配線12の電流値を測定しながら、回路が所望の動作を行うようになるまで、インクジェットヘッドから中間部12cに導電性流動体を塗布して導電体を形成し、その回路配線の厚みを増大させながら、そこを流れる電流値を調整する。このようにして追加形成された部分が、導電体拡張部12dである。
【0023】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3による電流値制御の一例を示す回路配線の平面図である。ここでは、予め、回路基板上に、所定の電流値Icが必要とされる部分の回路配線13を、その両側13a,13bに電流値Ic以上の電流を流すのに充分な幅(即ち回路断面積)を有するようにして、中間部13cを挟んで対峙させておく。
【0024】
次に、インクジェットヘッド方式により、中間部13cに導電性流動体を塗布してそこに導電体を形成することで両側の配線13a,13bを接続し、この回路配線13を有する各素子が組み込まれた回路を実際に動作させて、その回路配線13の電流値を測定しながら、回路が所望の動作を行うようになるまで、インクジェットヘッドから中間部13cに導電性流動体を順次塗布して、その接続部(即ち接続断面積)を拡大しながら、そこを流れる電流値を調整する。このようにして追加形成された部分が、導電体接続部13d、13e、13fである。
【0025】
このように、上記実施の形態1〜3のような方式で電流値制御を行えば、狭いスペースを利用して、余計な塵等を発生させることもなく、回路配線11,12,13の電流値を高精度に制御することが可能となる。
なお、これらの場合、インクジェットヘッドから導電性流動体の噴射を複数回に分けることで、きめ細かにその部分の抵抗値を下げ、より高精度の電流値制御が可能になる。
【0026】
実施の形態4.
ここでは、導電性流動体中の単位体積当たりの導電性材料の含有量を変える例を説明する。例えば、導電性流動体中の導電性材料の含有割合を下げることにより、導電率を下げた導電性流動体を作ることができ、1回当たりの塗布による電流値の調整幅を小さくして高精度の電流値制御をすることが可能になる。また、逆に、導電性流動体中の導電性材料の含有割合を上げることにより、導電率を上げた導電性流動体を作ることができ、1回当たりの塗布による電流値の調整幅を大きくして、電流値制御の効率化を図ることができる。
【0027】
従って、上記実施の形態1〜3において、インクジェットヘッドから噴射させる導電性流動体中の単位体積当たりの導電性材料の含有量を、電流値の調整量に応じて変えるようにすれば、制御しようとする回路配線の抵抗値を適切な割合で小さくして行くことができ、その回路を流れる電流の電流値を効率的に制御することが可能になる。
【0028】
なお、この場合、インクジェットヘッドの1つの噴射口を使って、そこから単位体積当たりの導電性材料の含有量を変えた導電性流動体を順番に噴射させることもできるが、図1に示したようなインクジェットヘッド1の各噴射口N1〜N5から、単位体積当たりの導電性材料の含有量を変えた複数の導電性流動体をそれぞれ噴射させるようにすれば、短時間で高精度の電流値制御が可能となり、その制御効率が大きく向上する。
【0029】
実施の形態5.
一般に、回路内の素子を接合するための加熱工程等によって、回路内の配線表面には酸化膜が形成されていることが多く、特に半田などの配線材料では表面の酸化膜が形成され易い傾向にある。この酸化膜があると、配線面上に後から導電性流動体を塗布してもその密着性が不充分となって、その部分の電気的接続が十分に達成されないことも生じる。そのため、上記実施の形態1〜3で、インクジェットヘッドから導電性流動体を噴射させる前、またはその噴射とともに、対応する配線の酸化膜を取り除くような処置を施すのがよい。
【0030】
酸化膜は磨き等の機械的処置で取り除くこともできるが、導電性流動体に酸化膜を溶かす物質、例えば、亜硫酸、アルカリ金属等の還元剤を含めると、導電性流動体の噴射時に化学的に酸化膜が除去され、既存の回路と導電性流動体で追加形成した回路との密着性を高めることができ、良好な電気的接続が得られる。
なお、図1に示したようなインクジェットヘッド1の噴射口N1〜N5の一つを、酸化膜を溶かす物質が含まれた液体専用の噴射口として利用すれば、導電性流動体の制御とは独立して噴射制御することが可能となる。
【0031】
実施の形態6.
導電体を形成するためにインクジェット方式で塗布された導電性流動体は、その流動性を保つ成分を蒸発や固化し、導電性流動体中の導電性材料(微粒子等)を、回路配線上又は回路基板上に確実に定着させて、電気的接続を良好に保つ処理が必要となる。
【0032】
そこで、例えば、導電性流動体が導電性材料の微粒子を含んでいる場合には、塗布された導電性流動体を、その導電性材料の融点以上に加熱し、導電性材料を溶解し流動性成分を気化することで、導電性材料を連結固化して回路配線上等に定着させ、一方、導電性流動体が融点以上に熱せられた導電性材料を含んでいる場合には、塗布された導電性流動体を、その導電性材料の融点より低い温度に調整し、流動性成分を気化することで、導電性材料を連結固化して回路配線上等に定着させるようにする。
【0033】
また、導電性流動体に、例えば紫外線等の光により固化する光硬化性樹脂を含ませておき、導電性流動体塗布後、そこに紫外線等を照射することにより、塗布された導電性流動体を硬化させて固化することで、導電性材料を連結固化して回路配線上等に定着させてもよい。これを利用すると、例えば、インクジェット方式による導電性流動体の塗布がうまくいかなかった場合、光照射による固化を行う前であれば、その導電性流動体を拭き取り、何度でも導電性流動体の塗布を行うことができるという利点もある。
【0034】
さらに、塗布された導電性流動体を回路基板上に長期間安定して定着させるためには、その導電性流動体の表面を樹脂等でコーティングすることが望ましい。この場合、図1のインクジェットヘッド1の噴射口N1〜N5の一つを使って、コーティング用の液状樹脂を噴出させ、それにより先に塗布された導電性流動体を被覆するようにすれば、電流値制御を全体として効率的に行える。
【0035】
実施の形態7.
ここでは、上記各実施の形態で示した電流値制御方法を、実際の機器に応用する例を示す。
図6は、時計の指針を駆動する指針駆動モータ21を、電池23で駆動されるIC22で制御する時計回路図である。ここで、電池23とIC22間は一定幅の回路配線で接続し、一方、指針駆動モータ21とIC22間は、その中間部24cが、そこに流す予定の電流より少ない電流しか流れないように、予め狭められた回路配線で接続している。
そして、時計の製造工程において、上記のような時計回路が組み立てられた後、回路24の中間部24cにインクジェット方式で導電性流動体を塗布し、導電体拡張部24dを形成しながらその部分の抵抗値を下げて行き、指針を時間に合わせて正確に動かすのに必要な電流が、指針駆動モータ21に供給されるようになるまで、その回路配線を調整する。
【0036】
このようにすることにより、時計内の回路基板には余分な回路パターンを形成する必要がなくなり、時計の小型化が可能となる。
また、アナログ制御に近い状態で電流値制御ができるので、時計をより高精度に製造することが可能となる。
さらに、高精密製品である時計内部に、回路切断片を飛散させることもないので、信頼性の高い時計が得られる。
【0037】
また、図7は、暖房マット等に利用される面状発熱体31の回路図である。ここでは、横方向に平行に設けられた電極32,33間に、直線部分とS字状湾曲部からなる発熱導電体を多数配置し、さらに、これらの発熱導電体を、電極32,33間で導通状態にされたもの34と、途中で回路が切断されたもの35とを交互に組み合わせるようにして構成している。
そして、面状発熱体31の製造工程において、上記のような回路が組み立てられた後、この面状発熱体31の実際の発熱状態を見ながら、必要に応じて、途中の回路が切断された発熱導電体の切断部35cに、インクジェット方式で導電性流動体を塗布してその部分を接続しながらその抵抗値を下げ、所定の値の電流が流れるようにその接続回路幅を調整し、全体の発熱状態を平均化させる。
【0038】
このようにすることにより、比較的簡易な方式で、面状発熱体の温度分布を均一にすることができる。また、従来の回路切断方式と比べると、回路切断片を飛散させることがないので、他の回路の短絡等の原因が解消され、信頼性の高い面状発熱体が得られる。
【0039】
なお、本発明の電流値制御方法は、ここに示した時計回路や発熱体回路に限らず、電流値の変動に敏感な半導体素子を組み込んだ回路等で広く利用できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成を有しているので、余分なスペースを取ることなく、微少な所定の電流を流す必要のある回路の抵抗値をきめ細かく下げて、そこを流れる電流値を高精度に調整することが可能となる。
さらに、本発明では、回路パターンを切断して取り除くことはしないため、切断した回路部分が塵となって飛散しそれが回路内の他の部分の短絡原因あるいは機構部品の動作不良の原因となる恐れもなく、従って、その面からも信頼性の高い電流値制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で利用するインクジェット方式による、回路基板上における回路配線の電流値制御方法を示す説明図。
【図2】各実施の形態で使用するインクジェットヘッドの一例を示すインクジェットヘッドの部分断面図。
【図3】本発明の実施の形態1による電流値制御の一例を示す回路配線の平面図。
【図4】本発明の実施の形態2による電流値制御の一例を示す回路配線の側断面図。
【図5】本発明の実施の形態3による電流値制御の一例を示す回路配線の平面図。
【図6】本発明の実際の機器への応用例を示すための時計回路図。
【図7】本発明の実際の機器への応用例を示すための面状発熱体回路図。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
2 条件設定部
N1〜N5 インクジェットヘッドの噴射口
3 インクジェットヘッド制御部
4 回路基板
11 回路配線
11a,11b 回路配線の両側
11c 回路配線の中間部
11d,導電体拡張部
12 回路配線
12a,12b 回路配線の両側
12c 回路配線の中間部
12d,導電体拡張部
13 回路配線
13a,13b 回路配線の両側
13c 回路配線の中間部
13d,13e,13f 導電体接続部
21 指針駆動モータ
22 IC
23 電池
24、 回路配線
24c 回路配線の中間部
24d,導電体拡張部
25 回路配線
31 面状発熱体
32,33 電極
34 電極間に導通している発熱導電体
35 電極間に導通していない発熱導電体
35c 発熱導電体の切断部

Claims (8)

  1. 所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、
    素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、
    前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の塗布量を調整し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成することを特徴とする回路の電流値制御方法。
  2. 所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、
    素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、
    前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の噴射回数を制御し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成することを特徴とする回路の電流値制御方法。
  3. 前記導電性流動体には導電性材料が含有されてなり、該導電性材料の含有量が異なる複数の導電性流動体を前記噴射に用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路の電流値制御方法。
  4. 塗布された導電性流動体を温度制御して固化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回路の電流値制御方法。
  5. 導電性流動体が塗布されて形成された導電体上に保護膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回路の電流値制御方法。
  6. 所定の電流値が必要とされる部分の回路の配線を、前記電流値以上の電流を流すのに充分な両側の配線と、前記両側の配線の間にあって前記電流値を下回る電流しか流れない中間部の配線から構成し、
    素子が組み込まれた前記回路を動作させて、前記中間部にインクジェット方式により導電性流動体を噴射して塗布し、
    前記回路の電流値を測定し、その測定結果に基づいて前記導電性流動体の塗布量を調整し、前記回路が所望の動作を行うようになるまで前記中間部に導電体を追加形成することを特徴とする回路の形成方法。
  7. 請求項6の方法より形成された回路を備えた時計。
  8. 請求項6の方法より形成された回路を備えた半導体素子。
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