JP3724232B2 - 分流管及び分流管の製造方法 - Google Patents

分流管及び分流管の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管に関する。
【0002】
【従来の技術】
液状の流体を分配する配管等においては、前記流体を流通する流路に分流管の端部を挿入して、前記流体を前記流路から分流する構成が採用されている。
【0003】
すなわち分流管は、円管状の挿入端部を備え、この挿入端部を流路に挿入することにより、流路を流れる流体の一部を分流するように設けられる。
【0004】
また一般に、このような分流管の挿入端部における開口縁部は、その開口方向が流路を流通する流体の流動方向に対して所定の角度にもたらされるように、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような分流管において、流路抵抗を低減して流体をより円滑に導く方法としては、挿入端部の内面に、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少するテーパー部を設けて、その開口面積を拡大することが考えられる。
【0006】
しかしながら、前述したように挿入端部の開口縁部が楕円形であると、そのようなテーパー部を設けるのは、成形性の点で非常に困難である。
【0007】
そこで本発明は、このような問題に鑑み、流路を流通する流体を効率よく分流できる分流管、及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願第1請求項に記載した発明は、流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管 において、前記挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、前記挿入端部の内面は、前記中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有し、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係にある構成の分流管 である。
【0009】
このように、本発明の分流管によると、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、流路を流通する流体が効率よく分流される。
【0010】
すなわち、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形であるため、その開口方向を、流路を流通する流体の流動方向に対して所定の角度にもたらすことが可能である。更に、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少することにより、流路抵抗が低減されて流体がより円滑に導かれる。
【0011】
また、本発明のテーパー部は、円錐形であることから、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に設けられる。更に、円錐形が挿入端部の中心軸に対して偏心しているので、中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形の開口縁部であっても、適宜対応できる。
【0013】
更に、このような本発明の分流管 によると、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅が、挿入端部の全周に亘って均一に設定される。すなわち、テーパー部がバランスよく設けられる。以下に、その考え方について説明する。
【0014】
図3は、後述する具体例における分流管の挿入端部2の側面断面を示す説明図である。
【0015】
この挿入端部2の開口縁部21は、該挿入端部2の中心軸Lの直交面に対して傾斜しているとともに、挿入端部2の内面は、中心軸Lに対して偏心した円錐形を呈するテーパー部22を有する。また、図3中には、挿入端部2の中心軸Lと円錐形の中心軸lとの間隔、すなわち挿入端部2の中心軸Lに対する円錐形の偏心量εと、中心軸Lの直交面に対する開口縁部21の高低差Bと、中心軸Lに対する円錐形の母線l’の角度θとを標示している。
【0016】
前記テーパー部22は、開口縁部21に向って挿入端部2の壁厚を減少するように設けている。また、開口縁部21は、挿入端部2の外周面に沿っており、テーパー部22による壁厚の減少幅は、挿入端部2の全周に亘って、均一である。
【0017】
同図に示すように、このような挿入端部2の外周面において、円錐形の頂点Pと接する中心軸Lの直交面から開口縁部21までの最大幅をZ1、最小幅をZ2とするとき、前記開口縁部21の高低差Bは、
B=Z1−Z2
と表され、そして、
Z1={(D/2)+ε}/tanθ
Z2={(D/2)−ε}/tanθ
であることから、
B=[{(D/2)+ε}/tanθ]−[{(D/2)−ε}/tanθ]
B=2ε/tanθ
と求められる。
【0018】
更にこれを変形すると、前記偏心量εは、
ε=(B/2)・tanθ
と求められる。
【0019】
尚、この式は、挿入端部2の外径をD、中心軸Lの任意の直交面に対する開口縁部21の角度をαとすると、
B=D・tanα
であることから、
ε={(D・tanα)/2}・tanθ
ε=(D/2)・tanα・tanθ
とも表される。
【0020】
このように、テーパー部22による挿入端部2の壁厚の減少幅が、挿入端部2の全周に亘って均一となるものは、
ε=(B/2)・tanθ
の関係にあることが解る。従って、分流管の挿入端部をこれに基いて構成すれば、テーパー部がバランスよく設けられる。
【0021】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施した構成の分流管 である。
【0022】
このように、本発明の分流管によると、挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施したので、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性が向上される。
【0023】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部における微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことが可能となる。以下に、このような開口縁部が放物線状であることを説明する。
【0024】
例えば、図4に示すようなx,y,z軸空間において、その頂点Pを原点とし、且つz軸に対する母線l’の角度がθの円錐形面の式を、
z={√(x+y)}・cotθ
更に、この円錐形に対して、その中心軸Lがx軸方向へεだけ偏心した円管外周面(x,y軸平面の半径はr)の式を、
(x−ε)+y=r
とすると、円錐形面と円管外周面との交差曲線は、図5に示すようなx,y軸平面において、
x=[1/{2ε(cotθ)}]・z−{r/(2ε)}+(ε/2)
(ε−r)≦x≦(ε+r)
と表される。
【0025】
すなわち、そのような開口縁部の側面の正斜影は、緩やかな放物線の頂点から離れた切片に相当することが解る。
【0026】
尚、図5の座標軸において、前述したZ1の端点とZ2の端点とを結ぶ直線に対する放物線の切片の膨らみ幅δは、仮に、前記放物線の切片上の所定の点の座標を(xt,zt)とするとともに、この所定の点を通過する直線と前記直線とが垂直に交わる交点の座標を(xs,xs)とすると、
δ=√{(xs−xt)+(zt−zs)
の関係によって求められる。
【0027】
従って、このような開口縁部は、およそ平坦であるとみなしてもよいのであるが、厳密な規格及び寸法精度を得るには、このような曲線部分を、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに削除するようにしてもよい。
【0028】
本願第3請求項に記載した発明は、流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管の製造方法において、前記挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備え、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係に基いて設定し、その後、前記挿入端部の内面を研削する構成の分流管の製造方法である。
【0029】
このように、本発明の分流管の製造方法によると、挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備えたので、挿入端部の開口縁部を楕円形に形成するとともに、挿入端部の内面には、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少するテーパー部が効率よく設けられる。
【0030】
また、このように挿入端部の内面を切削する工程は、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に行うことが可能である。
【0032】
更に、このような本発明の分流管の製造方法によると、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅が、挿入端部全周に亘って均一に設定される。すなわち、テーパー部がバランスよく設けられる。
【0033】
特に、チャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いる場合、チャック又は工作物を回転移動させる軸と挿入端部の中心軸との間隔は、偏心量εに相当することから、所定の高低差B及び角度θを前記の式に代入することにより、容易に算出される。
【0034】
本願第4請求項に記載した発明は、請求項3において、前記挿入端部の内面を研削する工程の後、前記挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施す構成の分流管の製造方法である。
【0035】
このように、挿入端部の内面を研削する工程の後、挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性を向上した分流管が得られる。
【0036】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体例を図面に基いて詳細に説明する。
【0038】
図1乃至図5に示すように、本例の分流管1は、流体を流通する流路Rに挿入される円管状の挿入端部2を備えたものであり、この挿入端部2を流路Rに挿入して組み付けられて、同図中の矢印方向に示すように、流体を流路Rから分流するように構成されている。本例の流路は、流体たる水又は油を流通する配管である。
【0039】
前記分流管1の基端部3は、図示を省略した外部配管に接続されており、流路Rから分流された流体は、この外部配管へと送給される。また、挿入端部2と基端部のと間には、流路Rに外嵌する鍔状のフランジ部4を設けており、基端部3の要所には、前記外部配管連結用のねじ山5を設けている。
【0040】
前記挿入端部2の開口縁部21は、この挿入端部2の中心軸Lの直交面に対して傾斜した楕円形を呈し、その開口方向は、流路Rを流通する流体の流動方向に対して、流体を分流するのに適した所定の角度にもたらされている。
【0041】
また、挿入端部の内面には、前記中心軸Lに対して偏心した円錐形を呈するテーパー部22を設けている。このようなテーパー部22によると、開口縁部21に向って挿入端部2の壁厚が減少されて、開口縁部21の開口面積が拡大される。その結果、挿入端部2においては、流路抵抗が低減され、流体が円滑に導かれる。
【0042】
本例において、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部21の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、
ε=(B/2)・tanθ
の関係にあり、テーパー部22における挿入端部2の壁厚の減少幅は、挿入端部2の全周に亘って均一に設定されている。
【0043】
また、挿入端部2の成形は、それぞれ水平方向に移動可能に配設した4つのチャック(通称、四つ爪)を備えた旋盤を用いて行う。この旋盤は、前記4つのチャックの回転位置を偏心移動し、固定した工作物を研削するように構成されている。
【0044】
すなわち、挿入端部2は、このような旋盤により円管状に削成され、そして更に、この挿入端部2の内面を、前記チャックの回転軸中心をεだけずらして円錐形に削成されることにより、前記楕円形の開口端部21、及び前記テーパー部22が設けられる。
【0045】
尚ここで、本例の場合、
B=14mm
θ=4.85゜
であって、εは、これらの数値を前述した式に代入することにより、
ε=(14mm/2)tan4.85゜
ε=0.594mm
に設定している。
【0046】
このように、チャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いる場合、チャック又は工作物を回転移動させる軸と挿入端部2の中心軸との間隔は、偏心量εに相当することから、所定の高低差B及び角度θを前記の式に代入することにより、容易に算出することが可能である。
【0047】
また、このように挿入端部2の内面を研削した後、挿入端部2の開口縁部21には、取り加工を施している。このような面取り加工又は丸み付け加工によれば、鋭利に形成された開口縁部21がある程度の丸みを帯びるので、挿入端部2の取り扱い性及び流路に対する挿入性が向上される。
【0048】
また特に、挿入端部2を前述したように成形すると、その開口縁部21は、円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置することなる。従って、開口縁部21の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、本例では、面取り加工又は丸み付け加工を施すことによって、このような膨らみを削除して、開口縁部21を平坦に形成している。すなわち、このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことができる。
【0049】
尚、本例の分流管1の構成は、水又は油を流通する配管Rに用いる他にも、例えば、医療用器具たるカニューレ等にも応用することもできる。この場合、分流管1は、一般の構造用金属合金であると、イオンが溶け出すことにより使用者が中毒を起こす等、生体適合性が損なわれる虞があるので、これを回避するべく、チタン等にて形成する。
【0050】
以上説明したように、本例の分流管によると、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、流路を流通する流体を効率よく分流できる。
【0051】
すなわち、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形であるため、その開口方向を、流路を流通する流体の流動方向に対して所定の角度にもたらすことができる。更に、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少することにより、流路抵抗を低減して流体をより円滑に導くことができる。
【0052】
また、本例のテーパー部は、円錐形であることから、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に設けることができる。更に、円錐形が挿入端部の中心軸に対して偏心しているので、中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形の開口縁部であっても、適宜対応することができる。
【0053】
更に、本例の分流管は、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、
ε=(B/2)・tanθ
の関係にあるので、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅を、挿入端部の全周に亘って均一に設定することができる。すなわち、テーパー部をバランスよく設けることができる。
【0054】
更に、本例の分流管によると、挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施したので、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性を向上することができる。
【0055】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことができる
更に、本例の分流管の製造方法によると、挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備えたので、挿入端部の開口縁部を楕円形に形成するとともに、挿入端部の内面には、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少するテーパー部を効率よく設けることができる。
【0056】
また、このように挿入端部の内面を切削する工程は、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に行うことができる。
【0057】
更に、本例の分流管の製造方法によると、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、
ε=(B/2)・tanθ
の関係に基いて設定するので、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅を、挿入端部全周に亘って均一に設定することができる。すなわち、テーパー部をバランスよく設けることができる。
【0058】
特に、チャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いる場合、チャック又は工作物を回転移動させる軸と挿入端部の中心軸との間隔は、偏心量εに相当することから、所定の高低差B及び角度θを前記の式に代入することにより、容易に算出することができる。
【0059】
更に、本例の分流管の製造方法によると、挿入端部の内面を研削する工程の後、挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施すので、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性を向上した分流管を得ることができる。
【0060】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことができる。
【0061】
【発明の効果】
本願第1請求項に記載した発明は、流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管 において、前記挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、前記挿入端部の内面は、前記中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有し、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係にある構成の分流管である。
【0062】
このように、本発明の分流管によると、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、流路を流通する流体を効率よく分流できる。
【0063】
すなわち、挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形であるため、その開口方向を、流路を流通する流体の流動方向に対して所定の角度にもたらすことができる。更に、挿入端部の内面は、中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有するので、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少することにより、流路抵抗を低減して流体をより円滑に導くことができる。
【0064】
また、本発明のテーパー部は、円錐形であることから、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に設けることができる。更に、円錐形が挿入端部の中心軸に対して偏心しているので、中心軸の直交面に対して傾斜した楕円形の開口縁部であっても、適宜対応することができる。
【0066】
更に、このような本発明の分流管 によると、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅を、挿入端部の全周に亘って均一に設定することができる。すなわち、テーパー部をバランスよく設けることができる。
【0067】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施した構成の分流管 である。
【0068】
このように、本発明の分流管によると、挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施したので、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性を向上することができる。
【0069】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことができる。
【0070】
本願第3請求項に記載した発明は、流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管の製造方法において、前記挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備え、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係に基いて設定し、その後、前記挿入端部の内面を研削する構成の分流管の製造方法である。
【0071】
このように、本発明の分流管の製造方法によると、挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備えたので、挿入端部の開口縁部を楕円形に形成するとともに、挿入端部の内面には、開口縁部に向って挿入端部の壁厚を減少するテーパー部を効率よく設けることができる。
【0072】
また、このように挿入端部の内面を切削する工程は、例えばチャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いることによって、容易に行うことができる。
【0074】
更に、このような本発明の分流管の製造方法によると、テーパー部における挿入端部の壁厚の減少幅を、挿入端部全周に亘って均一に設定することができる。すなわち、テーパー部をバランスよく設けることができる。
【0075】
特に、チャック又は工作物を回転移動する旋盤を用いる場合、チャック又は工作物を回転移動させる軸と挿入端部の中心軸との間隔は、偏心量εに相当することから、所定の高低差B及び角度θを前記の式に代入することにより、容易に算出することができる。
【0076】
本願第4請求項に記載した発明は、請求項3において、前記挿入端部の内面を研削する工程の後、前記挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施す構成の分流管の製造方法である。
【0077】
このように、挿入端部の内面を研削する工程の後、挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、挿入端部の取り扱い性及び流路に対する挿入性を向上した分流管を得ることができる。
【0078】
特に、開口縁部が円管外周面と円錐形との交差曲線上に位置すると、開口縁部の側面の正斜影は、僅かに外側に膨らんだ緩やかな放物線を描く訳であるが、面取り加工又は丸み付け加工を施すとともに、このような膨らみを削除して平坦に形成するようにしてもよい。このような面取り加工又は丸み付け加工を施すことによれば、開口縁部の微妙な曲線部分が無くなるので、規格設計や寸法検査等を、比較的容易に行うことができる。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係り、分流管及び流路を示す断面図である。
【図2】 本発明の具体例に係り、分流管を示す外観図である。
【図3】 本発明の具体例に係り、分流管の挿入端部の側面断面を示す説明図である。
【図4】 本発明の具体例に係り、x,y,z軸空間における円錐形面と円筒面とを示す説明図である。
【図5】 本発明の具体例に係り、x,y軸平面における円錐形面と円筒形面との交差曲線を示す説明図である。
【符号の説明】
1 分流管
2 挿入端部
3 基端部
4 フランジ部
5 ねじ山
21 開口縁部
22 テーパー部
R 流路
B 開口縁部の高低差
D 挿入端部の外径
L 挿入端部の中心軸
l 円錐形の中心軸
l’ 円錐形の母線
P 円錐形の頂点
r 円管外周面の半径
Z1 最大幅
Z2 最小幅
α 挿入端部の中心軸の直交面に対する開口縁部の角度
θ 挿入端部の中心軸に対する円錐形の母線の角度
δ 膨らみ幅
ε 円錐形の偏心量

Claims (4)

  1. 流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管 において、前記挿入端部の開口縁部は、該挿入端部の中心軸の直交面に対して傾斜しているとともに、前記挿入端部の内面は、前記中心軸に対して偏心した円錐形を呈するテーパー部を有し、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係にあることを特徴とする分流管。
  2. 前記挿入端部の開口縁部には、面取り加工又は丸み付け加工を施したことを特徴とする請求項1記載の分流管。
  3. 流体を流通する流路に挿入される円管状の挿入端部を備え、前記流体を前記流路から分流する分流管の製造方法において、前記挿入端部の内面を、該挿入端部の中心軸に対して偏心した円錐形に研削する工程を備え、前記円錐形の偏心量をε、前記中心軸の直交面に対する前記開口縁部の高低差をB、前記中心軸に対する前記円錐形の母線の角度をθとするとき、前記円錐形の偏心量εは、ε=(B/2)・tanθの関係に基いて設定し、その後、前記挿入端部の内面を研削することを特徴とする分流管の製造方法。
  4. 前記挿入端部の内面を研削する工程の後、前記挿入端部の開口縁部に、面取り加工又は丸み付け加工を施すことを特徴とする請求項3記載の分流管の製造方法。
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