JP3722544B2 - 車速検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車速検出装置に関し、より詳しくは特にブルドーザ等の建設機械に搭載されるドップラーセンサを用いる対地車速検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の対地速度を検出する車速検出装置として、ドップラーセンサを用いるものが知られている。この検出装置は、車両上から地面に対して所定のビーム俯角θで電磁波(電波もしくは超音波)を放射するとともに、地面から反射されてきた電磁波を受信するようにされ、これら放射波と受信波とに基づいて次式によりドップラ変移周波数(ビート波周波数)fd を演算するものである。
d =2ft ・vcosθ/C ・・・ ▲1▼
ここで、
t :送信周波数
C :電磁波伝播速度(光速もしくは音速)
v :車両実速度
【0003】
ところで、この従来の車速検出装置においては、ドップラーセンサを車体に取り付けて車両の実速度を検出する際に、車体の動揺(ピッチング,上下動,ヨーイング)による影響によって速度検出誤差が生じるために、正確な対地車速を検出することができないという問題点があった。
【0004】
そこで、このような問題点に対処するために、最も影響の大きいピッチング角速度による速度検出誤差への影響を排除するようにしたものが、特開昭53−17376号公報,特開昭61−201176号公報等において提案されている。このうち、前者(特開昭53−17376号公報)に開示されているものでは、移動体に複数のドップラーセンサを設け、これら複数のドップラーセンサで検出される複数のドップラー信号を相互補償的に平均することにより前記移動体の速度を検出するように構成されている。また、後者(特開昭61−201176号公報)のものでは、ドップラーセンサの車両重心回りの角速度から速度検出誤差を算出し、この算出値に基づいて対地車速値を補正するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記前者の公報に開示されている方式では、複数のドップラーセンサを使用する必要があるために、システムが全体として高価になるという問題点がある。また、前記後者の公報に開示されている方式では、特にブルドーザのような装軌式車両に適用した場合に、作業種別もしくは地面形状によって車両の回転中心が変化することから、十分な補正精度が得られないという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消することを目的として、車両のピッチング動作による補正を精度良く、かつ低コストで行うことのできる車速検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述の目的を達成するために、第1発明による車速検出装置は、
ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
(a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出する角速度検出手段、
(b)車両ピッチングによるその車両の回転中心を検出する回転中心検出手段および
(c)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づきかつ前記回転中心検出手段より得られる検出値を加味して補正する車速補正手段
を備えることを特徴とするものである。
【0008】
この第1発明において、ドップラーセンサにより得られる対地車速値は、角速度検出手段より検出される車両の重心回りの角速度に基づいて車速補正手段によって補正される。この補正に際して、回転中心検出手段により検出される車両ピッチングによる車両の回転中心が加味されて、現実の車両回転中心位置に則した形で補正が実行される。こうして、補正精度を向上させることができ、車両ピッチングの影響を排除した正確な対地車速を算出することが可能となる。この結果、例えば装軌車両における履帯のスリップ率の定量値が正確に求められ、シュースリップ(履帯滑り)率に基づく作業機,エンジン等の制御性能の向上を図ることができる。
【0009】
次に、第2発明による車速検出装置は、
ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
(a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出するとともに、このドップラーセンサ自体の回転角速度を検出する角速度検出手段および
(b)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づき補正する車速補正手段
を備えることを特徴とするものである。
【0010】
この第2発明において、ドップラーセンサにより得られる対地車速値は、角速度検出手段より検出される車両の重心回りの角速度に基づいて車速補正手段によって補正される。この補正に際して、車両のピッチング動作に伴いドップラーセンサ自体が回転することから、このドップラーセンサ自体の回転が加味されて補正が実行される。こうして、補正精度を向上させることができ、車両ピッチングの影響を排除した正確な対地車速を算出することが可能となる。
【0011】
さらに、第3発明による車速検出装置は、
ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
(a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出するとともに、このドップラーセンサ自体の回転角速度を検出する角速度検出手段、
(b)車両ピッチングによるその車両の回転中心を検出する回転中心検出手段および
(c)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づきかつ前記回転中心検出手段より得られる検出値を加味して補正する車速補正手段
を備えることを特徴とするものである。
【0012】
この第3発明において、ドップラーセンサにより得られる対地車速値は、角速度検出手段より検出される車両の重心回りの角速度に基づいて車速補正手段によって補正される。この補正に際して、回転中心検出手段により検出される車両ピッチングによる車両の回転中心が加味されるとともに、ドップラーセンサ自体の回転が加味されて補正が実行される。こうして、前記第1発明および第2発明のそれぞれの有する効果の相乗効果によって補正精度の更なる向上を図った車速検出装置を得ることが可能となる。
【0013】
前記第1発明もしくは第3発明において、前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、この装軌車両の牽引力が所定値を越える場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記牽引力が所定値以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出するのが好適である。このようにドージング作業の実行中で例えばブレードに所定以上の負荷がかかる状態は装軌車両の牽引力が所定値を越えることによって判定されることから、この判定によって当該車両における履帯用アイドラ中心が浮き上がるとともに、履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両回転中心として運転されている状態にあると判断できる。したがって、この回転中心を加味して補正値を算出することでその補正の精度を向上させることができる。この場合、車両の回転中心が変化することによってドップラーセンサのビーム俯角が変化することから、前記車速補正手段は、前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正するのが好ましい。
【0014】
この車両の回転中心を判定するための他の実施態様として、前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするブレードに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記ブレードに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出するのが好適である。このように履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするブレードに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合には履帯用アイドラ中心が浮き上がるとともに、履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両回転中心として運転されている状態にあると判断される。したがって、この回転中心を加味して補正値を算出することでその補正の精度を向上させることができる。この場合、車両の回転中心が変化することによってドップラーセンサのビーム俯角が変化することから、前記車速補正手段は、前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正するのが好ましい。ここで、前記ブレードに加わる反力は、ブレードリフトシリンダのストロークから算出されるブレード姿勢とそのブレードリフトシリンダの油圧から算出されるシリンダ軸力とに基づいて演算され得る。
【0015】
この車両の回転中心を判定するための更に他の実施態様として、前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするリッパに加わる反力が上向き力であってその反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用アイドラ中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記リッパに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出するのが好適である。また、前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするリッパに加わる反力が下向き力であってその反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記リッパに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出するのが好適である。この場合、車両の回転中心が変化することによってドップラーセンサのビーム俯角が変化することから、前記車速補正手段は、前記履帯用アイドラ中心下方の接地点もしくは前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正するのが好ましい。ここで、前記リッパに加わる反力は、リッパリフト・チルトシリンダのストロークから算出されるリッパ姿勢とそれらリッパリフト・チルトシリンダの油圧から算出されるシリンダ軸力とに基づいて演算され得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による車速検出装置の具体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(第1実施例)
本実施例はブルドーザのような装軌車両の速度を検出する車速検出装置に適用したものである。図1に示されているように、この車速検出装置においては、ブルドーザ1の車体後部(例えばリッパフレーム)にドップラーセンサ2が取り付けられ(取り付け高さh)、このドップラーセンサ2から地面3に対して所定のビーム俯角(センサ俯角)θで電磁波ビーム4を放射するとともに、地面3からの反射波をそのドップラーセンサ2にて受信するようにされ、これら放射波と受信波とに基づいてブルドーザ1の対地車速を演算するように構成されている。なお、図1においてφはビーム方向角である。
【0018】
次に、この車速検出装置において、車両のピッチング角速度による影響を除去するための補正ロジックについて図2を参照しながら説明する。
【0019】
図2(a)に示されているように、ブルドーザ1の実車速をvとすると、電磁波放射方向の速度はvcosθであるから、ドップラ変移周波数(ビート波周波数)fd と実速度vとの関係は前述のように次式で与えられる。
d =2ft ・vcosθ/C ・・・ ▲1▼
ここで、
t :送信周波数
C :電磁波伝播速度(光速もしくは音速)
【0020】
本実施例においては、車体ピッチングによってドップラーセンサ2が車両回転中心回りに円弧運動を行うとともに、この円弧運動に伴ってそのドップラーセンサ2自体が回転運動を行う点に鑑み、前記▲1▼式に対して次に示すようにドップラーセンサ2の円弧運動および回転運動による補正項を加味することが考慮されている。
(1)円弧運動による補正項A1
図2(b)に示されているように、車両が回転中心5の回りに回転する場合を考えると、ドップラーセンサ2とその回転中心5との水平距離をLとした場合、このドップラーセンサ2の回転中心5回りの実効回転半径rは次式で与えられる。
r=hcosθ+Lsinθ
したがって、この円弧運動による補正項A1 は次式で与えられる。
1 =2ft ・(hcosθ+Lsinθ)ω/C ・・・ ▲2▼
(2)回転運動による補正項A2
図2(c)に示されているように、電磁波ビーム4の反射点6の移動速度はhωで与えられので、この移動速度の電磁波放射方向の速度成分はhωcosθで与えられる。したがって、この回転運動による補正項A2 は次式で与えられる。
2 =2ft ・hωcosθ/C ・・・ ▲3▼
【0021】
これら各補正項を加味すると、▲1▼式は次式のように書き換えられる。
Figure 0003722544
この▲4▼式より、次式が成り立つ。
Figure 0003722544
この▲5▼式において、−は車両の前進時,+は車両の後進時を表す。また、Lは、履帯7の一方が浮き上がった状態で作業等がなされる場合のように車両の回転中心が変わったときにその回転中心位置に応じて変化し、またθは、このような車両の浮き上がり時にその浮き上がり角度に応じて変化する。
【0022】
次に、本実施例の車速検出装置による車速算出のための処理フローを図3に示されるフローチャートによって説明する。
【0023】
S1:各種データを読み込む。
S2〜S3:トランスミッション速度段センサから得られる速度段状態よりブルドーザ1が前進状態にあるのか後進状態にあるのかを判定し、前進状態にあるときには、後述の車速計算(前記▲5▼式)における補正符号を−(マイナス)とする。
【0024】
S4〜S7:作業機操作検出スイッチにより、ブルドーザ1がブレード操作状態、言い換えればドージング作業状態にあるのか、リッパ操作状態、言い換えればリッピング作業状態にあるのかを判定する。そして、ドージング作業状態にあるときには、ブレードリフトシリンダストロークセンサよりブレード8の姿勢を算出し、次いでそのブレードリフトシリンダ9に供給される油圧からそのブレードリフトシリンダ9のシリンダ軸力を算出し、こうして算出されるブレード姿勢およびシリンダ軸力からブレード8が地面3より受ける反力(ブレード反力)Fv を算出する。
【0025】
S8〜S11:図4に示されているように、履帯用スプロケット10中心下方の接地点11とブレード8の接地点12との水平距離をLB ,この接地点11と車両の重心13との水平距離をLW ,車両の重量をWとするとき、次式が成立するか否かを判定する。
v ・LB +W・LW >0 ・・・ ▲6▼
この式が成立するときには、ブレード8に加わる反力Fv によるモーメントFv ・LB が車両の重量WによるモーメントW・LW より大きく、例えば地面3が固くてブレード8の先端が地面に貫入せず、図5に示されているように履帯用アイドラ14側が地面3から浮き上がっている状態(アイドラ浮き)であると判断される。この場合には、前述のブレード姿勢とピッチ傾斜計より得られる車両傾斜角とにより車両の浮き上がり角aを算出し、予め設定されるドップラーセンサ2のビーム俯角θにその浮き上がり角aを加算した値を補正後のビーム俯角θとする。そして、このように車両が浮き上がっているときには、履帯用スプロケット10の中心下方の接地点11を車両の回転中心とし、これに基づいてドップラーセンサ2とその回転中心との水平距離Lを設定する。
【0026】
S12:一方、前記▲6▼式が成立しないときには、車両の浮き上がり状態が発生していないということなので、車両の重心13を回転中心とし、これに基づいてドップラーセンサ2とその回転中心との水平距離Lを設定する。
S13:ステップS2の判定において、車両が後進状態にあるときには、後述の車速計算(前記▲5▼式)における補正符号を+(ブラス)とし、この後に車両の重心13を回転中心に設定する。
【0027】
S14〜S16:ステップS4の判定においてブルドーザ1がリッピング作業状態にあるときには、リッパリフト,チルトシリンダストロークセンサよりリッパ15(図6参照)の姿勢を算出し、次いでそのリッパリフト,チルトシリンダ(図示せず)に供給される油圧からそのリッパリフト,チルトシリンダのシリンダ軸力を算出し、こうして算出されるリッパ姿勢およびシリンダ軸力からリッパ15が地面3より受ける反力(リッパ反力)Fv ’を算出する。
【0028】
S17〜S21:リッパ反力Fv ’が正値(Fv ’>0)の場合、言い換えればリッパ15が地面3から上向きの反力を受ける場合には、次に次式が成立するか否かを判定する。
v ’・LB −W・LW >0 ・・・ ▲7▼
この式が成立するときには、リッパ15に加わる反力Fv ’によるモーメントFv ’・LB が車両の重量WによるモーメントW・LW より大きく、例えば地面3が固くてリッパ15の先端が地面に貫入せず、図6に示されているように履帯用スプロケット10側が地面3から浮き上がっている状態(スプロケット浮き)であると判断される。この場合には、前述のリッパ姿勢とピッチ傾斜計より得られる車両傾斜角とにより車両の浮き上がり角a(負値)を算出し、予め設定されるドップラーセンサ2のビーム俯角θにその浮き上がり角aを加算した値を補正後のビーム俯角θとする。そして、このように車両が浮き上がっているときには、履帯用アイドラ14の中心下方の接地点16を車両の回転中心とし、これに基づいてドップラーセンサ2とその回転中心との水平距離Lを設定する。なお、前記式▲7▼が成立していないときには、アイドラ浮きもしくはスプロケット浮きのいずれも発生していないということなので、車両の重心13を回転中心とする。
【0029】
S22〜S23:リッパ反力Fv ’が負値(Fv ’<0)の場合、言い換えればリッパ15が地面3から下向きの反力を受ける場合には、次に次式が成立するか否かを判定する。
v ’・LB −W・LW >0 ・・・ ▲7▼
この式が成立するときには、リッパ15に加わる反力Fv ’によるモーメントFv ’・LB が車両の重量WによるモーメントW・LW より大きく、例えば岩を下から上へ持ち上げるようにリッピングが行われる場合などにおいて、図7に示されているように履帯用アイドラ14側が地面3から浮き上がっている状態(アイドラ浮き)であると判断される。この場合には、前述のリッパ姿勢とピッチ傾斜計より得られる車両傾斜角とにより車両の浮き上がり角aを算出し、予め設定されるドップラーセンサ2のビーム俯角θにその浮き上がり角aを加算した値を補正後のビーム俯角θとする。そして、このように車両が浮き上がっているときには、履帯用スプロケット10の中心下方の接地点11を車両の回転中心とする。なお、前記式▲7▼が成立していないときには、アイドラ浮きもしくはスプロケット浮きのいずれも発生していないということなので、車両の重心13を回転中心とする。
【0030】
S24〜S26:ピッチングレートジャイロ(角速度計)により車両のピッチ角速度ωを算出し、次いでドップラーセンサ2によりドップラ変移周波数(ビート波周波数)fd を検出し、これらω,fd の値およびθ,Lの値、更にはC,ft ,hの値に基づいて前記式▲5▼により車速vを計算する。
【0031】
本実施例において、車両の浮き上がり角aをブレード姿勢(もしくはリッパ姿勢)および車体傾斜角の両者に基づいて算出するようにしている理由は、例えば傾斜面でドージング作業等が行われる場合を、単に傾斜面を自走する場合と区別するためである。
【0032】
本実施例においては、作業機(ブレードもしくはリッパ)反力を求めるのに、ブレード(もしくはリッパ)姿勢とシリンダ軸力とを用いるものを説明したが、この他に、リフトシリンダの取付けヨークピン荷重センサの検出値を用いることもできる。なお、この検出値は、単独で用いても良いし、例えばシリンダ軸力等と組み合わせて用いることにより精度向上を図っても良い。また、ブレード(もしくはリッパ)姿勢はリフトシリンダの角度を検出することにより算出しても良い。
【0033】
(第2実施例)
前記第1実施例においては、ブレード8に加わる反力もしくはリッパ15に加わる反力を算出して車両のモーメントバランスによりその車両の回転中心を検出するものとしたが、本第2実施例においては、ドージング作業に関し、ブルドーザ1の牽引力の大きさによって車両の回転中心の移動を検出するように構成されている。次に、本実施例の車速検出装置による車速算出のための処理フローを図8に示されるフローチャートによって説明する。
【0034】
T1:各種データを読み込む。
T2〜T3:トランスミッション速度段センサから得られる速度段状態よりブルドーザ1が前進状態にあるのか後進状態にあるのかを判定し、前進状態にあるときには、車速計算(前記▲5▼式)における補正符号を−(マイナス)とする。
【0035】
T4〜T5:牽引力検出手段により算出される牽引力が設定値を越える場合には、ドージング作業状態にあって回転中心が移動していて履帯用アイドラ14側が地面3から浮き上がっている状態にあると判定されるので、履帯用スプロケット10の中心下方の接地点11を車両の回転中心とし、これに基づいてドップラーセンサ2とその回転中心との水平距離Lを設定する。ここで、牽引力検出手段としては、例えば特開平5−106239号公報に開示されている手段を用いるのが好ましい。
T6〜T7:車両が後進状態にあるときには、車速計算(前記▲5▼式)における補正符号を+(ブラス)とし、この後に車両の重心13を回転中心に設定し、これに基づいてドップラーセンサ2とその回転中心との水平距離Lを設定する。また、ステップT4の判定において牽引力が設定値以下のときにも、自走状態にあって車両の浮き上がりが発生していないということなので、車両の重心13を回転中心とする。
【0036】
T8〜T10:ピッチングレートジャイロ(角速度計)により車両のピッチ角速度ωを算出し、次いでドップラーセンサ2によりドップラ変移周波数(ビート波周波数)fd を検出し、これらω,fd の値およびθ,Lの値、更にはC,ft ,hの値に基づいて前記式▲5▼により車速vを計算する。
【0037】
本実施例においては、アイドラ浮きの場合に車両の浮き上がり角の補正が行われていないが、第1実施例と同様に、ブレード姿勢と車両傾斜角とにより車両の浮き上がり角aを算出してその浮き上がり角aに応じてビーム俯角θを補正するようにすることもできる。
【0038】
前記各実施例においては、装軌車両に適用したものを説明したが、本発明は、例えばホイル式ブルドーザのようなの他の建設機械に対しても適用することができる。
【0039】
前記各実施例において用いられるドップラーセンサは、マイクロ波を用いるもの、超音波を用いるもの、光波を用いるものなど、いろいろなタイプのものであり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施例に係る車速検出装置の構成図である。
【図2】図2(a)(b)(c)は、第1実施例に係る車速検出装置の補正ロジック説明図▲1▼である。
【図3】図3は、第1実施例における車速算出のための処理フローを示すフローチャートである。
【図4】図4は、車両のモーメントバランスを説明する図である。
【図5】図5は、ドージング作業時における車両回転中心の移動状態を説明する図である。
【図6】図6は、リッピング作業時における車両回転中心の移動状態を説明する図▲1▼である。
【図7】図7は、リッピング作業時における車両回転中心の移動状態を説明する図▲2▼である。
【図8】図8は、第2実施例における車速算出のための処理フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ブルドーザ
2 ドップラーセンサ
3 地面
4 電磁波ビーム
5 回転中心
7 履帯
8 ブレード
9 ブレードリフトシリンダ
10 履帯用スプロケット
11,12,16 接地点
13 車両の重心
14 履帯用アイドラ
15 リッパ
θ ビーム俯角(センサ俯角)
ω 車両のピッチ角速度
v ブレード反力
v ’ リッパ反力
W 車両の重量

Claims (12)

  1. ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
    (a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出する角速度検出手段、
    (b)車両ピッチングによるその車両の回転中心を検出する回転中心検出手段および
    (c)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づきかつ前記回転中心検出手段より得られる検出値を加味して補正する車速補正手段
    を備えることを特徴とする車速検出装置。
  2. ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
    (a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出するとともに、このドップラーセンサ自体の回転角速度を検出する角速度検出手段および
    (b)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づき補正する車速補正手段
    を備えることを特徴とする車速検出装置。
  3. ドップラーセンサを用いる対地車速検出装置において、
    (a)車両ピッチングによるその車両の重心回りの角速度を検出するとともに、このドップラーセンサ自体の回転角速度を検出する角速度検出手段、
    (b)車両ピッチングによるその車両の回転中心を検出する回転中心検出手段および
    (c)前記ドップラーセンサより得られる対地車速値を、前記角速度検出手段より得られる検出値に基づきかつ前記回転中心検出手段より得られる検出値を加味して補正する車速補正手段
    を備えることを特徴とする車速検出装置。
  4. 前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、この装軌車両の牽引力が所定値を越える場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記牽引力が所定値以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出することを特徴とする請求項1または3に記載の車速検出装置。
  5. 前記車速補正手段は、前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正することを特徴とする請求項4に記載の車速検出装置。
  6. 前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするブレードに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記ブレードに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出することを特徴とする請求項1または3に記載の車速検出装置。
  7. 前記車速補正手段は、前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正することを特徴とする請求項6に記載の車速検出装置。
  8. 前記ブレードに加わる反力は、ブレードリフトシリンダのストロークから算出されるブレード姿勢とそのブレードリフトシリンダの油圧から算出されるシリンダ軸力とに基づいて演算されることを特徴とする請求項6または7に記載の車速検出装置。
  9. 前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするリッパに加わる反力が上向き力であってその反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用アイドラ中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記リッパに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出することを特徴とする請求項1または3に記載の車速検出装置。
  10. 前記車両は装軌車両であり、前記回転中心検出手段は、履帯用スプロケット中心下方の接地点を支点とするリッパに加わる反力が下向き力であってその反力によるモーメントが車両の重量によるモーメントより大きい場合に履帯用スプロケット中心下方の接地点を車両の回転中心と検出し、前記リッパに加わる反力によるモーメントが車両の重量によるモーメント以下の場合に車両の重心下方の接地点を車両の回転中心と検出することを特徴とする請求項9に記載の車速検出装置。
  11. 前記車速補正手段は、前記履帯用アイドラ中心下方の接地点もしくは前記履帯用スプロケット中心下方の接地点が車両の回転中心と検出される場合に、車両の傾斜角を前記ドップラーセンサのビーム俯角に加算した値に基づいて前記対地車速値を補正することを特徴とする請求項9または10に記載の車速検出装置。
  12. 前記リッパに加わる反力は、リッパリフト・チルトシリンダのストロークから算出されるリッパ姿勢とそれらリッパリフト・チルトシリンダの油圧から算出されるシリンダ軸力とに基づいて演算されることを特徴とする請求項9乃至11のうちのいずれかに記載の車速検出装置。
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