JP3722496B2 - 電源回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
電子回路の電源には複数の電圧が要求されるのが一般的であり、特に±15Vや±5Vの正負の2電圧が要求される場合が多い。本発明は、フォワード方式のDC/DCコンバータにおいてトランスの1つの2次巻線から正負の2電圧を取り出すことができる電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のDC/DCコンバータの回路では、複数の電圧を取り出す場合、トランスの2次巻線を複数にして、それぞれの2次巻線から得られる電圧を別個に整流・平滑して、必要な電源電圧を得るようにしている。
【0003】
図8に2出力の場合の従来例のフォワード方式DC/DCコンバータの回路構成を示す。図において、1次側の入力電圧Vi をメインスイッチ2のオン/オフにより交流化して、トランス3の2次側巻線Na 及びNb に変圧された電圧を得る。これらNa 及びNb の両端電圧をそれぞれ整流平滑回路4及び5により、直流電圧V01及びV02に変換して出力する。
【0004】
誤差増幅器6で、上記出力電圧のうち例えばV02と基準電圧とを比較して誤差を検出し、この出力を用いてPWM回路7でメインスイッチ2のオン/オフを調整し、DC/DCコンバータ回路の出力電圧が規格内に入るように自動的に調整する。上述したように、正負2電圧を取り出す場合には、従来は、トランス3の2次巻線が2つ(Na 、Nb )必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の多出力DC/DCコンバータのトランスは、2次巻線が複数あり構造が複雑なため、コストがかかり寸法も大きくなっていた。このため、電源回路のコスト、寸法の増大を招くという問題点があった。
【0006】
したがって本発明は、フォワード方式のDC/DCコンバータにおいてトランスの1つの2次巻線から正負の2電圧を取り出すことができる電源回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点は図1などに示す回路の構成によって解決される。図1において、(請求項1) トランス300 と該トランスの2次巻線Nsの一端に接続されるコイルとを具備し、該コイルの他端を出力の負極側とするフォワード方式のDC/DCコンバータ100 と、
該トランスの2次巻線の出力電圧を分岐して整流し平滑する第1の整流平滑回路130 と、
該平滑された電圧を該DC/DCコンバータの出力の正極側を基準にして整流平滑して、該DC/DCコンバータの出力電圧とは異符号の直流電圧を出力する第2の整流平滑回路150 とで構成する。
【0008】
(請求項2) トランスと、該トランスの2次巻線の出力電圧を整流する整流回路と、該整流回路の出力の一端に接続されるコイルとを具備し、該コイルの他端を出力の負極側とするフォワード方式のDC/DCコンバータと、
該整流回路の出力電圧を分岐して平滑する平滑回路と、
該平滑された電圧を該DC/DCコンバータの出力の正極側を基準にして整流平滑して、該DC/DCコンバータの出力電圧とは異符号の直流電圧を出力する整流平滑回路とで構成する。
【0009】
(請求項3) トランスと該トランスの2次巻線の一端にダイオードを介して接続されるコイルとを具備し、該コイルの他端を出力の正極側とするフォワード方式のDC/DCコンバータと、
該トランスの2次巻線の出力電圧を分岐して整流し平滑する第1の整流平滑回路と、
該平滑された電圧を該DC/DCコンバータの出力の負極側を基準にして整流平滑して、該DC/DCコンバータの出力電圧とは異符号の直流電圧を出力する第2の整流平滑回路とで構成する。
【0010】
(請求項4) トランスと、該トランスの2次巻線の出力電圧を整流する整流回路と、該整流回路の出力の一端に接続されるコイルとを具備し、該コイルの他端を出力の正極側とするフォワード方式のDC/DCコンバータと、
該整流回路の出力電圧を分岐して平滑する平滑回路と、
該平滑された電圧を該DC/DCコンバータの出力の負極側を基準にして整流平滑して、該DC/DCコンバータの出力電圧とは異符号の直流電圧を出力する整流平滑回路とで構成する。
【0013】
【作用】
図1(A)において、(請求項1)DC/DCコンバータ100のトランス300 の1次側にあるメインスイッチ200がオンのとき、トランス300の2次側電圧をVa 、100の出力電圧をVo とすると、コンデンサCoの両端の電位差はVo である。100の出力正極点Aを基準にとると、コンデンサCoの正極点Eの電位は、同図(B) に示すようにメインスイッチ200がオンのとき、−(Va −Vo)、オフのときVo となる。
【0014】
コンデンサCo の両端の電位差はE点の電位をピーク整流したものであり、+Vo となる。したがって、トランス300の1つの2次巻線から正負2電圧を取り出すことができる。
【0015】
(請求項2) 上記請求項1のDC/DCコンバータ100 中の整流回路と第1の整流平滑回路130 中の整流回路部分を共通にした構成であり、請求項1の場合と同じ作用効果を有する。
【0016】
(請求項3) トランスの2次巻線の一端にダイオードを介して接続されるコイルの他端がDC/DCコンバータの出力の正極側となっている場合であり、図5にその構成の一例を示す。請求項1の場合と類似の作用により、請求項1と同様にトランスの1つの2次巻線から正負2電圧を取り出すことができる。
【0017】
(請求項4) 上記請求項3のDC/DCコンバータ中の整流回路と第1の整流平滑回路中の整流回路部分を共通にした構成であり、請求項3の場合と同じ作用効果を有する。
【0020】
【実施例】
図2は本発明の第1の実施例のDC/DCコンバータの回路構成図であり、±15V、±5Vの4電圧を出力する場合を示している。図において、点線で囲んで示す部分1’は前述した従来技術と同じDC/DCコンバータであるため、その説明を省略する。
【0021】
フォワード方式DC/DCコンバータ1’中のトランス3の2次巻線Nc の両端に出力される電圧をダイオード11と12により整流し、コイル13とコンデンサ14により平滑する。この平滑された電圧をダイオード15とコンデンサ16により、上記1’の出力の正極側A点を基準にして再び整流平滑して+15V出力を得る。2次巻線Nd の両端に出力される電圧についても同様にして、ダイオード11' 、12' 、コイル13' 、コンデンサ14' により整流平滑された電圧を、1’の出力の正極側B点を基準にして再び整流平滑して、+5Vの出力を得る。
【0022】
本実施例では、トランス3の2次巻線1つにつき正負の2電圧を取り出しているので、±15V、±5Vの4電圧出力の電源であるにもかかわらずトランス3の2次巻線は2つ(Nc 、Nd)で実現でき、トランスの低コスト化と小型化が可能となる。
【0023】
図3は本発明の第2の実施例の回路構成図である。上述した図2の実施例では、ダイオード11と17、12と18をそれぞれ別にしているが、図3に示すように11と17、12と18をそれぞれ1つにまとめて21、22とすることによっても、1つの2次巻線から正負の2電圧(±Vo)を取り出すことができる。
図3に示すDC/DCコンバータの構成の一例を以下に示す。
例えば、メインスイッチ2(図1のメインスイッチ 200 に対応 ) のオン/オフ時比率を 0.5 、周波数を 250k H z 、トランス3(図1のトランス 300 に対応)の2次巻線の電圧ピークV a= 5V、コイル 19 のインダクタンスを 10 μH、コンデンサ 20 の容量を 100 μFとすると、DC/DCコンバータ 10 (図1のDC/DCコンバータ 100 に対応)の出力電圧は、周知のようにV o ≒ 2.5 Vの直流電圧となる。
いま、図3において、ダイオード 21 、 22 とコイル 13 、コンデンサ 14 (図1のコンデンサC o に対応)からなる第1の整流平滑回路とメインスイッチ2とトランス3とでDC/DCコンバータを構成する時、コイル 13 のインダクタンス、コンデンサ 14 の容量値を上述した値に設定すると、コンデンサ 14 (図1のコンデンサC o に対応)の両端の電位差は、DC/DCコンバータ 10 (図1のDC/DCコンバータ 100 に対応)の出力電圧V o となる。
以上から、コイル 13 とコンデンサ 14 の定数をDC/DCコンバータ 10 のコイル 19 とコンデンサ 20 と同じ値に選べば、本発明を実現することができる。但し、上述した値の選択は一例であり、コイル 13 、コンデンサ 14 の値は、DC/DCコンバータ 10 内のコイル 19 、コンデンサ 20 の値と同じ値でなくてもよい。この結果、部品(ダイオード)数を減らす事により、更に小型、低コスト化が可能となる。
【0024】
図4は本発明の第3の実施例の回路構成図である。同図に示すように、コイル13'と19'を磁気結合することも可能である。この場合、2つのコイル13'と19'で同一鉄心を用いるため、これらコイルで磁束が同じように変化して、DC/DCコンバータ10の2次側回路と、該2次側回路に並列に設けたコイル13' を有する回路との間のバランスをとることができる。
【0025】
図5は本発明の第4の実施例の回路構成図であり、ダイオード27と28によりフォワード方式DC/DCコンバータ10' 中のトランス3の1つの2次巻線の出力電圧を整流し、コイル29とコンデンサ30により平滑して、ダイオード31とコンデンサ32でこの平滑された電圧を10'の出力の負極側C点を基準にして再び整流、平滑する。
【0026】
10'の出力の負極側C点を基準とすると、コンデンサ30の負極側D点の電位は、トランス3の2次巻線の両端電圧をVa とすると、メインスイッチ2がオンのときVa −Vo 、オフのとき−Vo となる。前述した図2〜図4の場合とは逆に、D点の電位をピーク整流した方は負出力、10' の出力は正出力となる。
【0027】
図6及び図7はそれぞれ、本発明の第5及び第6の実施例の回路構成図であり、図6に示すようにダイオード23と27、24と28をそれぞれ1つにまとめて33、34としてもよい。また、図7に示すようにコイル25'と29'を磁気結合してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フォワード方式DC/DCコンバータにおいて、トランスの1つの2次巻線から正負の2電圧を取り出すことができるので、トランスの低コスト化と小型化を実現でき、多出力電源回路の小型化と低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の原理図、
【図2】は本発明の第1の実施例のDC/DCコンバータの回路構成図、
【図3】は本発明の第2の実施例の回路構成図、
【図4】は本発明の第3の実施例の回路構成図、
【図5】は本発明の第4の実施例の回路構成図、
【図6】は本発明の第5の実施例の回路構成図、
【図7】は本発明の第6の実施例の回路構成図、
【図8】は従来例の2出力フォワード方式DC/DCコンバータの回路構成図である。
【符号の説明】
100はDC/DCコンバータ、
300はトランス、
130 は第1の整流平滑回路、
150 は第2の整流平滑回路
を示す。
Claims (4)
- トランスの2次コイルの両端と接続され、負極側にコイルを配置した整流・平滑回路を備えた負電圧生成部と、
前記2次コイルの両端と接続され、正極側にコイルを配置した整流・平滑回路を有し、該整流・平滑回路の正極側出力と、前記負電圧生成部の正極側出力とを入力とするピーク整流回路を有する正電圧生成部と、
を備え、前記負電圧生成部の負極側出力及び前記ピーク整流回路の2出力を、出力とする電源回路。 - 前記電源回路において、
前記負電圧生成部における前記整流回路と、前記正電圧生成部における前記整流回路に共有部分を設けた、
ことを特徴とする請求項1記載の電源回路。 - トランスの2次コイルの両端と接続され、正極側にコイルを配置した整流・平滑回路を備えた正電圧生成部と、
前記2次コイルの両端と接続され、負極側にコイルを配置した整流・平滑回路を有し、該整流・平滑回路の負極側出力と、前記正電圧生成部の負極側出力とを入力とするピーク整流回路を有する負電圧生成部と、
を備え、前記正電圧生成部の正極側出力及び前記ピーク整流回路の2出力を、出力とする電源回路。 - 前記電源回路において、
前記正電圧生成部における前記整流回路と、前記負電圧生成部における前記整流回路に共有部分を設けた、
ことを特徴とする請求項3記載の電源回路。
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JP27874593A JP3722496B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 電源回路 |
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ID=17601616
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- 1993-11-09 JP JP27874593A patent/JP3722496B2/ja not_active Expired - Lifetime
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