JP3721990B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は民需用特高受変電設備用ガス絶縁開閉装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来の民需用特高受変電設備用ガス絶縁開閉装置は、使用電力量の計量方法の違いから、1計量方法と2計量方法と呼ばれるものが知られている。前者は、例えば特開平1−303002 号公報に示されるように、二回線で受電した後に1台の計器用変圧変流器を介して2台の変圧器に接続されて構成されているため、二回線受電として電力供給の信頼性を高めているにも拘らず、計器用変圧変流器の点検あるいは交換に際して、需要家は必ず全停にしなければならない。これに対して後者は、例えば特開平1−248911 号公報に示されるように2台の計器用変圧変流器を用い、その一方の点検時には他方の計器用変圧変流器によって使用電力量を計量するようにして、全停を防止することができる。
【0003】
しかし、上記のように2台の計器用変圧変流器を用いた場合、ガス絶縁開閉装置の大型化,計器用変圧変流器の点検,保守労力の増加などの問題が有るため、2計量方式の場合の2台の計器用変圧変流器のうち一方をバイパス断路器に置き換えたバイパス断路器方式が提案されている。すなわち図17に示すように、1台の計器用変圧変流器13とバイパス断路器32を並列に接続しておき、計器用変圧変流器の点検,交換の際にはバイパス断路器32を閉路して運転を継続させ、この間の電力使用は従来の使用実績より換算することにより、需要家は全停とはならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにバイパス断路器方式を用いることにより、計器用変圧変流器1台で全停することなく計器用変圧変流器の点検,交換が可能となる。
【0005】
図18は図17に示す単線図を従来の技術に基づき構成した場合のガス絶縁開閉装置の平面図であるが、計器用変圧変流器ユニット13とバイパス断路器32からなる閉ループ部が平面上に構成されており、ガス絶縁開閉装置が大型化している。これに対し、図20に示すガス絶縁開閉装置は計器用変圧変流器13とバイパス断路器32とからなる閉ループ部を上下2段に立体的に構成しており、ガス絶縁開閉装置の縮少化が図られている。しかしこの構成の場合、バンク増設により変圧器側ユニットを増設する場合、既設の変圧器側ユニットが受電ユニットの内側に配置されているため、増設する変圧器側ユニットと既設の変圧器側ユニットの接続を受電ユニットが妨げる形となり、バンク増設が困難となっている。
【0006】
本発明の目的は、据付面積が小さくバンク増設にも容易に対応できるガス絶縁開閉装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、計器用変圧変流器ユニットと,受電ユニットと,変圧器側ユニットとからなり、上記各ユニットはキュービクルが前面に列状構成となるよう構成されたガス絶縁開閉装置において、上記計器用変圧変流器ユニットの片側に上記受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置し、上記計器用変圧変流器ユニットと受電ユニットと,計器用変圧変流器ユニット変圧器側ユニットとをガス母線で接続し、上記受電ユニットと変圧器側ユニット間を、キュービクル列と平行に配置されたバイパス母線により接続したことを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明によるガス絶縁開閉装置は、上述のように1台の計器用変圧変流器ユニットの片側に受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置し、上記受電ユニットと変圧器側ユニット間を、全面のキュービクル列と平行に配置されたバイパス母線により接続したことにより、ガス絶縁開閉装置の据付面積を縮少し、コンパクトに構成することができる。
【0009】
また計器用変圧変流器の片側に受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置したことにより、バンク増設する際には既設の変圧器側ユニットの外側に既設の変圧器側ユニットと同等の増設する変圧器側ユニットを接続すればよく、増設作業の省力化が図れると共に、増設によるガス絶縁開閉装置の大型化を抑えることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を図面に示す実施例によって説明する。
【0011】
図17は2回線受電,バイパス断路器方式,2バンクのガス絶縁開閉装置の標準的な単線接続図であり、これを本発明の一実施例により構成した場合のガス絶縁開閉装置の配置に合わせて描きなおした民需用特高受変電設備の単線接続図が図2である。二組の受電ユニットLU1,LU2、及び二組の変圧器側ユニットTU1,TU2はそれぞれ互いに同一構成機器から成っており、それぞれその一方についてのみ説明する。
【0012】
受電ユニットLU1はケーブル引込みの場合を示しており、変流器1を貫通してケーブルヘッド2にて導入した主回路導体は断路器6を介して遮断器8の一端に接続され、遮断器8の他端は断路器9に接続されている。ケーブルヘッド2と断路器6の間には他端を接地した接地開閉器3の一端と避雷器切離装置5を介して一端を接地した避雷器4の他端が接続されている。また、断路器6,9の遮断器側には、それぞれ接地開閉器7,10が接続されている。計器用変圧変流器ユニットPU1は計器用変圧変流器13の両側にそれぞれ断路器11,14と一端を接地した接地開閉器12,15の他端を接続されており、変圧器側ユニット TU1は、遮断器19の一端に断路器17と一端を接地した接地開閉器18の他端を接続し、遮断器19の他端に一端を接地した接地開閉器20の他端を接続して構成され、ケーブルヘッド21を介して変圧器TR1に接続される。
【0013】
両受電ユニットLU1,LU2の変圧器側端は、断路器22,24及び一端を接地した接地開閉器23,25を有する接続導体30により接続され、計器用変圧変流器ユニットPU1と接続しており、両変圧器側ユニットTU1,TU2の受電側端は、断路器26,28及び一端を接地した接地開閉器27,29を有する接続導体31により接続され、計器用変圧変流器ユニットPU1と接続している。また、受電ユニットLU1,LU2と変圧器側ユニットTU1,TU2はバイパス断路器32を有するバイパス母線33により接続されている。
【0014】
図1は、図2の単線接続図により表されるガス絶縁開閉装置を、本発明により構成した一実施例の平面図である。中央には計器用変圧変流器ユニットPU1が配置されており、その片側に受電ユニットLU1,LU2が配置され、受電ユニットLU1,LU2と反対側には変圧器側ユニットTU1,TU2が配置されている。また上記各ユニットの持つキュービクル40は、ガス絶縁開閉装置の前面に列状に配置されており、バイパス母線33はキュービクル列の方向と平行にガス絶縁開閉装置の上段に配置されている。
【0015】
ここで断路器22,24,26,28は、図20の従来の装置に比べて異なった位置にある。つまり、従来は、キュービクルと平行な方向に断路器22,24,26,28を設けていたため、その方向が長くなったが、本発明によれば断路器22,24,26,28を、変圧器側ユニットTU1,TU2とTR1,TR2との接続部及び、受電ユニットLU1,LU2の端部に設けていることにより、キュービクルと平行な方向の長さを短くできる。
【0016】
図3,図4は図1におけるA−A,B−B視図であり、それぞれ受電ユニットLU1,LU2の側面図を示している。キュービクル40の背面に配置した遮断器8のキュービクルとは反対側には上下一組の口出部41,42が設けられており、上方に設けられた口出部41は接地開閉器10を持つ断路器9を介して、両受電ユニットLU1,LU2接続する接続導体30につながっている。下方に設けられた口出部42は、接地開閉器7を持つ断路器6,避雷器切離装置5を持つ避雷器4、及び接地開閉器3を介してケーブルヘッド2に接続されている。また両受電ユニットLU1,LU2の上方にはバイパス母線33が配置されており、受電ユニットLU1においては、図3に示すように上方の口出部41とバイパス母線33が接続されている。
【0017】
本発明によればバイパス母線をキュービクルの列と平行に一直線に設けることができるため、母線の長さを最短化,効率化できる。
【0018】
図5,図6は図1におけるC−C,D−D視図であり、それぞれ変圧器側ユニットTU1,TU2の側面図を示している。キュービクル40の背面に配置した遮断器19のキュービクルとは反対側には上下一組の口出部43,44が設けられており、上方に設けられた口出部43は、接地開閉器18を持つ断路器17を介して、両変圧器側ユニットTU1,TU2を接続する接続導体31につながっている。下方に設けられた口出部44は接地開閉器20を介してケーブルヘッド21に接続されている。また両変圧器側ユニットTU1,TU2の上方にはバイパス母線33が配置されており、変圧器側ユニットTU1においては、図5に示すように上方の口出部43とバイパス母線33が接続されている。
【0019】
図7は図1におけるE−E視図であり、計器用変圧変流器ユニットPU1の側面図を示している。計器用変圧変流器13には、キュービクル側にアダプター 39を介して口出部45が設けられており、接続導体34,35を介してそれぞれ接地開閉器12を持つ断路器11および、接地開閉器15を持つ断路器14に接続されている。また計器用変圧変流器ユニットPU1の上方には、バイパス母線33が配置されている。
【0020】
図8は図1におけるF−F視図である。バイパス断路器32を有するバイパス母線33はガス絶縁開閉装置上方に配置され、受電ユニットLU1と変圧器側ユニットTU1を接続している。
【0021】
以上図1に示される本発明の一実施例について説明したが、計器用変圧変流器ユニットの片側に受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置し、受電ユニットと変圧器側ユニットを接続するバイパス母線をキュービクル列方向と平行に配置することによりガス絶縁開閉装置が大幅に縮小化されているのがわかる。また図9は図1に示されるガス絶縁開閉装置に1バンク増設した場合の平面図であり、バイパス母線33と接続されないことを除いて既設の変圧器側ユニットTU1と同等な増設される変圧器側ユニットTU3を、既設の変圧器側ユニットTU1の外側に接続するだけでバンク増設ができ、増設作業の省力化,バンク増設によるガス絶縁開閉装置の大型化防止が図られている。
【0022】
図10は、図2に示す単線接続図を本発明の別の実施例により構成した場合のガス絶縁開閉装置の平面図である。図1の場合と同様に、計器用変圧変流器ユニットPU1の片側に受電ユニットLU1,LU2を、その反対側に変圧器側ユニットTU1,TU2を配置してあり、バイパス母線33は、前面のキュービクル列方向と平行にガス絶縁開閉装置下段に配置され、受電ユニットLU2と変圧器側ユニットTU2を接続している。また図10に示す実施例では受電ユニット LU1,LU2、変圧器側ユニットTU1,TU2それぞれの持つキュービクルをガス絶縁開閉装置各構成機器の操作器を収納した操作器盤41aと、ガス絶縁開閉装置各種構成機器の制御回路を収納した制御盤41bとに分割し、各ユニットごとに操作器盤41aと制御盤41bを列方向に隣接して配置している。
【0023】
図11,図12は図10におけるA−A,B−B視図であり、それぞれ受電ユニットLU1,LU2の側面図を示している。キュービクル40の背面に配置した遮断器8の反キュービクル側には上下一組の口出部41,42が設けられており、下方に設けられた口出部41は接地開閉器10を持つ断路器9を介して、両受電ユニットLU1,LU2接続する接続導体30につながっている。上方に設けられた口出部42は、接地開閉器7を持つ断路器6,避雷器切離装置5を持つ避雷器4、及び接地開閉器3を介してケーブルヘッド2に接続されている。また図12に示すように、受電ユニットLU2の下方にはバイパス母線33が配置されており、下方の口出部41とバイパス母線33が接続されている。
【0024】
図13,図14は図10におけるC−C,D−D視図であり、それぞれ変圧器側ユニットTU1,TU2の側面図を示している。キュービクル40の背面に配置した遮断器19のキュービクルとは反対側には上下一組の口出部43,44が設けられており、下方に設けられた口出部43は、接地開閉器18を持つ断路器17を介して、両変圧器側ユニットTU1,TU2を接続する接続導体31につながっている。上方に設けられた口出部44は接地開閉器20を介してケーブルヘッド21に接続されている。また図14に示すように、変圧器側ユニットTU2の下方にはバイパス母線33が配置されており、下方の口出部43とバイパス母線33が接続されている。
【0025】
図15は図10におけるE−E視図であり、計器用変圧変流器ユニットPU1の側面図を示している。計器用変圧変流器13には、キュービクルとは反対側にアダプター39を介して口出部45が設けられており、接続導体34,35を介してそれぞれ接地開閉器12を持つ断路器11および、接地開閉器15を持つ断路器14に接続されている。また計器用変圧変流器ユニットPU1の下方には、バイパス母線33が配置されている。
【0026】
図16は図10におけるF−F視図である。バイパス断路器32を有するバイパス母線33はガス絶縁開閉装置下方に配置され、受電ユニットLU2と変圧器側ユニットTU2を接続している。
【0027】
以上図10の実施例について説明したが、計器用変圧変流器ユニットの片側に受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置し、受電ユニットと変圧器ユニットを接続するバイパス母線をキュービクル列方向と平行に配置することによりガス絶縁開閉装置が大幅に縮小化されているのがわかる。またバンク増設する際には、図1に示される実施例の場合と同様に既設の変圧器側ユニットTU1と同等な増設される変圧器側ユニットTU3を、既設の変圧器側ユニットTU1の外側に接続するだけで増設を行うことができる。また、受電及び変圧器側の各ユニットの持つキュービクルを操作器盤と制御盤に分割し、各ユニットごとに操作器盤と制御盤を列方向に隣接して配置することにより、ガス絶縁開閉装置の高さ寸法が押さえられている。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるガス絶縁開閉装置は計器用変圧変流器ユニットの片側に受電ユニットを、その反対側に変圧器側ユニットを配置し、受電ユニットと変圧器側ユニットを接続するバイパス母線をキュービクル列方向と平行に配置することにより、据付面積を縮小化すると共にバンク増設の作業を省力化することができる。また、受電側及び変圧器側の各ユニットの持つキュービクルを操作器盤と制御盤に分割し、各ユニットごとに操作器盤と制御盤を列方向に隣接して配置することにより、高さ寸法を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置の平面図。
【図2】図1に示すガス絶縁開閉装置の構成に対応させた単線接続図。
【図3】図1のA−A視図。
【図4】図1のB−B視図。
【図5】図1のC−C視図。
【図6】図1のD−D視図。
【図7】図1のE−E視図。
【図8】図1のF−F視図。
【図9】図1のガス絶縁開閉装置にバンク増設する場合の平面図。
【図10】本発明の一実施例によるガス絶縁開閉装置の平面図。
【図11】図10のA−A視図。
【図12】図10のB−B視図。
【図13】図10のC−C視図。
【図14】図10のD−D視図。
【図15】図10のE−E視図。
【図16】図10のF−F視図。
【図17】2回線受電,2バンク,バイパス断路器方式の民需用特高受電設備の単線接続図。
【図18】図17を従来の技術に基づき構成した場合の平面図。
【図19】図17を図20の配置構成に合わせて描き直した単線図。
【図20】図17を従来の技術に基づき縮小化した場合の平面図。
【符号の説明】
LU1,LU2…受電ユニット、TU1…変圧器側ユニット、PU1,PU2…計器用変圧変流器ユニット、TR1,TR2…変圧器、1…変流器、2,21…ケーブルヘッド、3,7,10,12,15,18,20,23,25,27,29…接地開閉器、4…避雷器、5…避雷器切離装置、6,9,11,14,16,17,22,24,26,28…断路器、8,19…遮断器、13…計器用変圧変流器、30,31,34,35…接続導体、32…バイパス断路器、 33…バイパス母線、39…アダプター、40…キュービクル、40a…操作器盤、40b…制御盤、41〜46…口出部。
Claims (3)
- 1つの計器用変圧変流器ユニットと、2つの受電ユニットと、2つの変圧器側ユニットと、上記各ユニット間を接続する母線とから成り、上記各ユニットは、ガス絶縁開閉装置の前面に列状構成となるよう配置されたキュービクルを備えているガス絶縁開閉装置において、
上記1つの計器用変圧変流器ユニットを中央に、その片側の2つの受電ユニットを、その反対側に上記2つの変圧器側ユニットを配置し、かつ、上記2つの受電ユニットの外側に位置する受電ユニットと2つの変圧器側ユニットの外側に位置する変圧器側ユニットを、上記列状構成されたキュービクルと平行に配置されたバイパス母線で接続すると共に、上記バイパス母線は、ガス絶縁開閉装置の上段に配置されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 1つの計器用変圧変流器ユニットと、2つの受電ユニットと、2つの変圧器側ユニットと、上記各ユニット間を接続する母線とから成り、上記各ユニットは、ガス絶縁開閉装置の前面に列状構成となるよう配置されたキュービクルを備えているガス絶縁開閉装置において、
上記1つの計器用変圧変流器ユニットを中央に、その片側の2つの受電ユニットを、その反対側に上記2つの変圧器側ユニットを配置し、かつ、上記2つの受電ユニットの内側に位置する受電ユニットと2つの変圧器側ユニットの内側に位置する変圧器側ユニットを、上記列状構成されたキュービクルと平行に配置されたバイパス母線で接続すると共に、上記バイパス母線は、ガス絶縁開閉装置の下段に配置されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - ガス絶縁開閉装置の前面に列状構成されたキュービクルを各ユニットごとに、ガス絶縁開閉装置各種機器の操作器を収納した操作器盤と、ガス絶縁開閉装置各種機器の制御回路を収納した制御盤とに分け、それぞれ独立したキュービクルとし、上記操作器盤と制御盤は列方向に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス絶縁開閉装置。
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