JP3721249B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスを燃焼するバーナを有し、要求されるガス量に対する目標風量を前記バーナに送風する送風部を備えた燃焼装置および、その制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、燃焼騒音の原因は、空気が発熱速度の変動のため振動をおこすことによる振動音と、気体の流れが変動することによる振動音との和として考えられ、多くは発熱速度の変動すなわち、反応の乱れが主な要因となっている。また、発熱によるガスの振動により装置容器が共鳴して鳴りだす場合がある。
さらに、発熱速度の変動が、装置容器の壁に変動圧を与えて壁が振動をおこし、するとその壁の振動が今度は燃焼速度の変動を助長するようになり、相互に強めあう共鳴効果が現れる。
【0003】
従来の燃焼装置としては、例えば、FF(フィードフォワード)制御において、バーナに着火後に、5秒間だけ、要求されたガス量(流量調節弁の目標弁開度)に対する目標風量を110%に増量して、風量の立ち上がり遅れをなくし、振動音の発生を抑え、燃焼騒音の要因をなくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の燃焼装置では、バーナに着火した後に、何時でも振動音が発生するわけではなく、着火前の燃焼条件によって、振動音の発生の有無が左右され、また、燃焼中においても、要求されるガス量が増加した場合に、その増加率が一定値を超えると、増加したガス量に応じた目標風量を送風したのでは、振動音が発生するという問題点があった。
この点に着目して検討した結果、バーナが高温である状況での点着火又はガス量の増加時においては、バーナあるいはバーナ間を通るいわゆる一次空気、二次空気が、バーナの熱膨張が原因と考えられる圧力損失により不足し、空燃比がくずれることにより共鳴音が発生するらしいことが本願発明者の実験で判明した。本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、バーナに着火した後、あるいは、燃焼中の振動音の発生を防止して、燃焼騒音の発生をなくすことができるようにした燃焼装置および、その制御方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]ガスを燃焼するバーナ(71)と、該バーナ(71)に要求されるガス量を供給する流量調節弁(75)とを有し、要求されるガス量に対する目標風量を前記バーナ(71)に送風する送風部(63)を備えた燃焼装置において、
前記燃焼装置は、燃焼面制御部(57)、風量制御部(52)および風量補正部(51)を有しており、
前記バーナ(71)は、二以上の燃焼面を有しており、
前記燃焼面制御部(57)は、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態とに切り換えるべく、前記ガス切替弁(76)を制御し、
前記風量制御部(52)は前記送風部(63)の風量を制御しており、
前記風量補正部(51)は、前記流量調節弁(75)の弁開度が所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、該全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する前記目標風量を所定の割合で増量した補正風量を前記風量制御部(52)に出力することを特徴とする燃焼装置。
【0006】
[2]ガスを燃焼するバーナ(71)と、該バーナ(71)に要求されるガス量を供給する流量調節弁(75)とを有し、要求されるガス量に対する目標風量を前記バーナ(71)に送風する送風部(63)を備えた燃焼装置において、
前記燃焼装置は、燃焼面制御部(57)、風量制御部(52)、風量補正部(51)および全面燃焼制限部(58)を有しており、
前記バーナ(71)は、二以上の燃焼面を有しており、
前記燃焼面制御部(57)は、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態とに切り換えるべく、前記ガス切替弁(76)を制御し、
前記風量制御部(52)は前記送風部(63)の風量を制御しており、
前記風量補正部(51)は、前記流量調節弁(75)の弁開度が第1の所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、該全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する前記目標風量を所定の割合で増量した補正風量を前記風量制御部(52)に出力し、
前記全面燃焼制限部(58)は、前記全面燃焼状態にて、前記要求される発熱量を得るべく前記流量調節弁(75)の弁開度が第2の所定値を超えた場合に、前記部分燃焼状態から前記全面燃焼状態に切り換えるための全面燃焼切換信号を燃焼面制御部(57)に出力し、
前記第1の所定値は前記第2の所定値よりも大であることを特徴とする燃焼装置。
【0010】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
[1]項記載の燃焼装置では、
燃焼面制御部(57)は、ガス切替弁(76)を制御して、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態とに切り換える。
風量補正部(51)は、流量調節弁(75)の弁開度が所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する目標風量を所定の割合で増量した補正風量を風量制御部(52)に出力する。
【0011】
風量制御部(52)は、補正風量に基づき送風部(63)を制御する。それにより、送風部(63)が補正風量をバーナ(71)に送風するため、燃焼中に急激にガス量が増加した場合にも、空気が発熱速度の変動のための振動をおこすことがなく、振動音の発生を防止することができる。
【0012】
[2]項記載の燃焼装置では、[1]項記載の燃焼装置の作用に加えて、
全面燃焼制限部(58)は、全面燃焼状態にて、要求される発熱量を得るべく流量調節弁(75)の弁開度が第2の所定値を超えた場合に、部分燃焼状態から全面燃焼状態に切り換えるための全面燃焼切換信号を燃焼面制御部(57)に出力する。
【0013】
それにより、バーナ(71)が急速に高温になるのを防止して、発熱速度の変動のため振動をおこすことによる振動音の発生を抑え、燃焼騒音の要因をなくすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1はこの発明に係る燃焼装置の制御部ユニットの要部を示すブロック図である。図2はこの発明に係る燃焼装置の概略構成を示すものである。
【0020】
図1および図2に示すように、この燃焼装置は、一缶二水路式ガス給湯装置であり、一つの缶(図示せず)と、この缶の下部に収容されたバーナ71と、缶の上部に収容された熱交換部72と、バーナ71に燃焼空気を供給するためのファンである送風部53とを有している。バーナ71は二つの燃焼面A,Bを有している。
【0021】
上記バーナ71にガスを供給する手段は、ガス管73と、このガス管73にそれぞれ設けられた主電磁開閉弁74および流量調節弁75とを有している。また、バーナ71は二つの燃焼面を有し、各燃焼面に対応してガス切替弁76が設けられている。また、バーナ71の近傍には、点火機構(図示)が配置されている。
【0022】
上記バーナ71および熱交換部72は、給湯配管系10と追焚配管系20との両者に共通に用いられている。すなわち、上記熱交換部72は、多数の薄肉のフィンプレート72aを有しており、このフィンプレート72aには給湯配管系10の給湯水管である受熱管11と、追焚配管系20の追焚水管である受熱管21とがそれぞれ貫通状態で配置されている。
【0023】
まず、給湯配管系10について説明すると、上記受熱管11の入口端には、給湯配管系10の給水管12が接続され、出口端には給湯管13が接続されている。給湯管13の末端には給湯栓14が設けられている。また、給水管12と給湯管13との間には、2本のバイパス管15,16が受熱管11と並列に設けられている。図2において、バイパス管15と給水管12および給湯管13との接続点が符号P1,P2でそれぞれ示され、バイパス管16と給水管12および給湯管13との接続点が符号P3,P4でそれぞれ示されている。
【0024】
熱交換部72に近い方のバイパス管15には弁等が設けられておらず、給水管12内を流れ水は、接続点P1において受熱管11側とバイパス管12側とに常に一定の割合(例えば、70:30)で別れる。そして、接続点P2において再び合流する。
【0025】
一方、熱交換部72から速い方のバイパス管16には、第1の流量制御弁GM2が設けられている。この流量制御弁GM2は、例えば次のように構成されたギアモータ駆動式のものが用いられている。すなわち、ギアモータ駆動式の流量制御弁は、管内に設けられた環状の弁座と、この弁座に対して移動可能な弁体と、この弁体に一端部が固定されたシャフトと、このシャフトの他端部に減速ギヤ列を介して接続されたモータとを有している。上記シャフトは、弁ケースに螺合されている。
【0026】
したがって、モータが回転すると、シャフトがその軸方向へ移動し、これによって弁体と弁座との間の開度を変えることができるようになっている。したがって、接続点P3から給湯水管11側へ流れる水量とバイパス管16側へを流れる水量との割合は、適宜に変えることができる。なお、流量制御弁GM2と同様に構成された流量制御弁GM1が接続点P2,P4間の給湯管13にも設けられている。
【0027】
上記給湯配管系10には、第1、第2の二つのフローセンサFL1,FL2が設けられている。第1のフローセンサFL1は、接続点P1,P3間の給水管12に配置されており、第2のフローセンサFL2は、接続点P4と給湯栓14との間の給湯管13に配置されている。
【0028】
また、給湯配管系10には、4つの温度センサTHin、THz 、THout 、THmix が設けられている。温度センサTHinは、接続点P3より上流側の給水管12に配置されており、給水温度を検出する。温度センサTHz は、給湯水管11のベンド部に配置されており、給湯水管11内の水の温度を検出する。
【0029】
温度センサTHout は、給湯水管11の出口近傍の給湯管13も配置されており、給湯水管11から出る湯の温度を検出する。温度センサTHmix は、接続点P4より下流側の給湯管13に配置されており、給水栓14から出る湯の温度を検出する。
【0030】
一方、上記追焚配管系20であるが、上記受熱管21の入口端と浴槽77との間には復路管22が接続され、受熱管21の出口端と浴槽77との間には往路管23が接続されている。復路管22には、ポンプ24、温度センサTHhrおよび流水スイッチFSが設けられている。温度センサTHhrは、浴槽77から復路管22に流入する湯(または水)の温度を検出する。したがって、温度センサTHhrは、浴槽77内の湯の温度を実質的に検出する。
【0031】
また、往路管23には、温度センサTHarが設けられている。温度センサTHarは、往路管23から浴槽77に流出する湯(または水)の温度を検出する。
また、流水スイッチFSは復路管22内を湯が流れているか否かを検出するためのものであり、復路管22内を湯が流れている場合にはON状態になり、流れていない場合にはOFF状態になっている。流水スイッチFSがOFF状態のときには、後述する追焚スイッチがON操作されたとしても、バーナ71を点火させないようになっている。
【0032】
上記給湯配管系10の給湯管13と追焚配管系20の復路管22との間には、浴槽77への湯張りのための注湯管30が設けられており、注湯管30と給湯管13および復路管22との接続点が符号P5,P6で示されている。注湯管30には、電磁開閉弁からなる注湯弁31が設けられている。
【0033】
上記給湯装置は、さらに、制御ユニット50とリモートコントローラ60とを備えている。制御ユニット50には、種々の検出手段からの検出信号が入力される。ここでは、温度センサTHin、THz 、THout 、THmix 、THhr、THar、フローセンサFL1,FL2および流水スイッチFSの検出信号が入力されている。なお、以下においては、各検出手段の検出信号には各検出手段と同一の符号を用いるものとする。制御ユニット50は、各検出信号に基づいて、ガス供給手段の主電磁開閉弁74および流量調節弁75、点火機構、ファン、流量制御弁GM1,GM2、ポンプ24および注湯弁31を制御する。
【0034】
一方、リモートコントローラ60は、運転スイッチ、風呂自動運転スイッチ、追焚スイッチ、温度設定部および表示部(いずれも図示せず)を備えており、これらのスイッチのON、OFF情報、設定温度情報を制御ユニット50に出力するとともに、これらの情報を表示部に表示する。後述するように、表示部は制御ユニット50からのエラー情報も表示する。
【0035】
上記構成の給湯装置を用いて給湯、追焚および自動湯張りを行う場合において、まず給湯を行う場合には、リモートコントローラ60の運転スイッチをON状態にし、給湯栓14を開く。すると、制御ユニット50は、設定温度、給水管12に供給される水の給水量FL1、給水温度THin、出湯温度THout および給湯量FL2に基づいて流量調節弁75および流量制御弁GM1,GM2を制御する。これにより、出湯栓14から設定温度に等しい温度の湯が吐出される。
【0036】
なお、流量調節弁75等の制御は、従来のものと同様であり、この発明の要部でもないので、その詳細な説明は省略する。これは、次の追焚および自動湯張りについても同様である。また、給水量FL1と給湯量FL2が所定の大きさ以上の差がある場合には、配管中に水漏れがあるものとして、バーナ71の燃焼を停止するとともに、表示部がエラーの表示をする。
【0037】
追焚を行う場合には、リモートコントローラ60の追焚スイッチをON状態にする。すると、まずポンプ24が起動され、浴槽77内の湯が復路管22および往路管23を通って循環する。復路管22内の湯の流れを流水スイッチFSが検出すると、バーナ71が点火される。これによって、浴槽77内の湯が加熱される。そして、温度センサTHhrによる検出信号が設定温度に達すると、自動的にバーナ71の燃焼が停止されるとともに、ポンプ24が停止される。
【0038】
自動湯張りを行う場合には、リモートコントローラ60の風呂自動運転スイッチをON状態にする。すると、注湯弁31が開弁され、給湯水管11において加熱された湯が注湯管30を通り、復路管22および往路管23を介して浴槽77に供給される。勿論、浴槽77に供給される湯の温度が設定温度になるように、制御ユニット50によって制御される。そして、浴槽77内に所定の量の湯が溜まると、浴槽77の水量を検出する検出手段(図示せず)の挨出信号に基づいて注湯弁31が閉じられるとともに、バーナ71の燃焼が停止され、湯張りが終了する。
【0039】
湯張りの終了後は、浴槽の湯をほぼ一定の温度に維持するための保温運転が行われる。保温運転中は、所定時間毎に追焚が実行される。すなわち、湯張りの終了後、所定時間経過すると、自動的に追焚が行われる。このときの追焚は、追焚スイッチをONにしたときの追焚と同様である。そして、浴槽77の湯の温度THhrが設定温度になると追焚が停止し、再度所定時間が経過するまでバーナ71およびポンプ24が停止した待機状態になる。
【0040】
ここで、制御ユニット50は、燃焼中、あるいはバーナに着火した直後に、バーナが高温になるのを避け、燃焼中の振動音の発生を防止して、燃焼騒音の発生をなくすことができるよう、風量などの制御を行なう機能を有し、当該機能を有する部分の構成は図1に示すとおりである。制御ユニット50の当該部位は、風量補正部51、風量制御部52、燃焼ファンである送風部53、ガス量増加制限部54、ガス量制御部55、弁開度検出部56、燃焼面制御部57、全面燃焼制限部58とを有して構成されている。
【0041】
風量制御部52は送風部(図示省略)の回転速度を制御してバーナ71に送風する風量を調整するものである。
【0042】
風量補正部51は、燃焼中において要求されたガス量(燃焼状態における流量調節弁75の弁開度から求められる)の増加率が一定値(20%/0.1s)を超えた場合に、ガス量に対する目標風量を(例えば、目標風量の110%を3秒間)補正風量に補正するものである。
【0043】
また、風量補正部51は、流量調節弁75の弁開度が所定値(30%)以内である全面燃焼状態が所定時間(5分)以上継続し、かつ、該全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間(10分)以内である場合に、ガス量に対する目標風量を所定の割合で増量した補正風量(例えば、目標風量の113%を15秒間)を風量制御部52に出力するものである。
【0044】
ガス量制御部55は、流量調節弁75の駆動回路であり、流量調節弁75の弁開度を制御して、要求されるガス量を制御するものである。
【0045】
ガス量増加制限部54は、燃焼中に要求されるガス量が増加するときに、該ガス量の増加率が一定値(20%/0.1s)を超える場合に、ガス量を一定値以下の増加率に制限して、制限されたガス量をガス量制御部55に出力するものである。
【0046】
燃焼面制御部57は、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態(燃焼面A,Bのいずれか一方)と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態(燃焼面A,Bの両方)とに切り換えるべく、前記ガス切替弁76を制御している。
【0047】
全面燃焼制限部58は、全面燃焼状態にて、要求される発熱量を得るべく流量調節弁75の弁開度が所定値(例えば、29%)を超えた場合に、部分燃焼状態から全面燃焼状態に切り換えるための全面燃焼切換信号を燃焼面制御部57に出力する。要求される発熱量(号数)と流量調節弁75の弁開度との関係を図3に示す。
【0048】
バーナ71が高温になると、振動音が生じ、燃焼騒音が発生する可能性が高くなる。このような不具合を防止するために、制御ユニット50によって、次のような制御が実行されている。この制御を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
まず、リモートコントローラ60によって、運転スイッチのオンオフが行われ、給湯温度および風呂温度の設定が行われる。必要号数Gは、下記の演算式により求められる。
【0050】
G=(Tr−Tw)Q/25
ここで、Tr:設定温度、Tw:入水温度(℃)、Q:水量(l/min )である。
【0051】
運転モードにおいては、ガスが燃焼中であるかを判断する(ステップS101)。燃焼中でなければ、燃焼が開始されたかを繰り返し判断する(ステップS102)。燃焼が開始された場合に、所定の全面燃焼状態(弁開度30%以下の状態が5分以上継続した燃焼状態)が終了してから燃焼開始までの経過時間が10分以内であるかを判断する(ステップS103)。10分以内であれば、要求されるガス量に応じた目標風量を補正風量(目標風量の113%)に補正する(ステップS104)。主記憶部(図示省略)は燃焼終了時の燃焼状態を記録し、タイマ回路は燃焼終了時からの経過時間をカウントする。
【0052】
送風部53は、着火後15秒間は補正風量をバーナ71に送風する(ステップS105)。一方、所定の全面燃焼状態でなくあるいは、所定の全面燃焼状態であっても、経過時間が10分を超えていれば、送風部53は、前記目標風量を送風する(ステップS106)。
【0053】
ステップS101において、燃焼中であれば、ガス量の増加要求が有るかを繰り返し判断する(ステップS107)。次に、ガス量制限をするかを判断する(ステップS108)。
【0054】
ガス量制限をしない場合に、全面燃焼状態で流量調節弁75の弁開度が所定値(29%)を超えるかを判断する(ステップS109)。所定値を超える場合には、全面燃焼状態に移行し、必要により目標風量を補正する(ステップS110)。所定値を超えない場合には、部分燃焼状態に維持し、必要により、目標風量を補正する(ステップS115)。それにより、バーナ71内が高温になる、いわゆる全面MIN燃焼を回避することができる。
【0055】
一方、ステップS108において、ガス量制限を行う場合に、ガス量の増加率が一定値(20%/0.1s)を超えるかを判断する(ステップS111)。一定値を超える場合に、ガス量が一定値以下に制限すべく、ガス量制御部55が流量調節弁75を制御する(ステップS112)。バーナ71に制限されたガス量が供給される(ステップS113)。一方、ガス量の増加率が一致値を超えない場合に、要求されたガス量が、制限されることなく供給される(ステップS114)。
【0056】
すなわち、風量補正やガス量制限を行うことにより、バーナ71内の温度が上がる条件をできるだけ作らないようにして、振動音が生じにくくし、燃焼騒音の発生する可能性を低くすることができる。
【0057】
なお、前記実施の形態において、燃焼開始時において、必要により目標風量を補正するもの(ステップS102〜S106)を示したが、ガス量制限を行うようにしても良く、また、燃焼中において、目標風量の補正とガス量制限とを別々に行うもの(ステップS107〜S115)を示したが、目標風量の補正とガス量制限と同時に行うようにしても良い。
【0058】
また、ガス量が増加した場合に、目標風量の所定の割合である補正風量(目標風量の113%)に補正するものを示したが、所定の割合は、目標風量の113%のごとく、一定の割合でなく、例えば、所定時間内で113%から100%へその割合が変動するものであってもよい。
【0059】
本願は、セミブンゼン式のバーナに用いても良いし、濃淡バーナで二次空気がないものでも同様に用いられる。これは、淡バーナが事実上の二次空気通路となっているためである。
【0060】
本願は、ファンの回転数をホールICの回転によってフィードバックするものにも用いることができるが、それ以外でもバーナの発熱によりバーナと並列に用いられる風速センサの出力が高めに出てしまうので、バーナの発熱によるバーナ圧損上昇がおさまるまでの間、風速センサの出力を低めにみたり、風速センサの出力目標を高く設定したりして、共鳴音の対策とすることができる。
【0061】
【発明の効果】
第1の発明によれば、風量補正部が、流量調節弁の弁開度が所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する目標風量を所定の割合で増量した補正風量を風量制御部に出力するようにしたので、送風部が補正風量をバーナに送風するため、燃焼中に急激にガス量が増加した場合にも、空気が発熱速度の変動のための振動をおこすことがなく、振動音の発生を防止することができる。
【0062】
第2の発明によれば、全面燃焼制限部が、全面燃焼状態にて、要求される発熱量を得るべく流量調節弁の弁開度が第2の所定値を超えた場合に、部分燃焼状態から全面燃焼状態に切り換えるための全面燃焼切換信号を燃焼面制御部に出力するようにしたので、バーナが急速に高温になるのを防止して、発熱速度の変動のため振動をおこすことによる振動音の発生を抑え、燃焼騒音の要因をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の制御部ユニットの要部を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の概念図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置における号数と流量調節弁の弁開度との関係図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の追焚き制御の流れ図である。
【符号の説明】
THhr,THar…温度センサ
FL1,FL2…フローセンサ
10…給湯配管系
11…受熱管
17…逆止弁
18…過圧逃がし弁(ブローバルブ)
20…追焚配管系
21…受熱管
50…制御ユニット
51…風量補正部
52…風量制御部
53…送風部
54…ガス量増加制限部
55…ガス量制御部
56…弁開度検出部
57…燃焼面制御部
58…全面燃焼制限部
60…リモートコントローラ
71…バーナ
72…熱交換部
74…主電磁開閉弁
75…流量調節弁
76…ガス切替弁
77…浴槽

Claims (2)

  1. ガスを燃焼するバーナと、該バーナに要求されるガス量を供給する流量調節弁とを有し、要求されるガス量に対する目標風量を前記バーナに送風する送風部を備えた燃焼装置において、
    前記燃焼装置は、燃焼面制御部、風量制御部および風量補正部を有しており、
    前記バーナは、二以上の燃焼面を有しており、
    前記燃焼面制御部は、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態とに切り換えるべく、前記ガス切替弁を制御し、
    前記風量制御部は前記送風部の風量を制御しており、
    前記風量補正部は、前記流量調節弁の弁開度が所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、該全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する前記目標風量を所定の割合で増量した補正風量を前記風量制御部に出力することを特徴とする燃焼装置。
  2. ガスを燃焼するバーナと、該バーナに要求されるガス量を供給する流量調節弁とを有し、要求されるガス量に対する目標風量を前記バーナに送風する送風部を備えた燃焼装置において、
    前記燃焼装置は、燃焼面制御部、風量制御部、風量補正部および全面燃焼制限部を有しており、
    前記バーナは、二以上の燃焼面を有しており、
    前記燃焼面制御部は、要求される発熱量に応じて、一部の燃焼面に着火する部分燃焼状態と、全ての燃焼面に着火する全面燃焼状態とに切り換えるべく、前記ガス切替弁を制御し、
    前記風量制御部は前記送風部の風量を制御しており、
    前記風量補正部は、前記流量調節弁の弁開度が第1の所定値以内である全面燃焼状態が所定時間以上継続し、かつ、該全面燃焼状態の燃焼終了後から燃焼開始するまでの経過時間が一定時間以内である場合に、ガス量に対する前記目標風量を所定の割合で増量した補正風量を前記風量制御部に出力し、
    前記全面燃焼制限部は、前記全面燃焼状態にて、前記要求される発熱量を得るべく前記流量調節弁の弁開度が第2の所定値を超えた場合に、前記部分燃焼状態から前記全面燃焼状態に切り換えるための全面燃焼切換信号を燃焼面制御部に出力し、
    前記第1の所定値は前記第2の所定値よりも大であることを特徴とする燃焼装置。
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