JP3721232B2 - 遊技機製造用釘打機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はパチンコ機のような遊技機を製造する際に、遊技盤に釘を1本ずつ自動的に打ち込む装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機製造用釘打機の中には、例えば特公平3−42908号公報に示されているように、遊技盤の意匠盤面を上に向けて、遊技盤をテーブルに位置決め搭載し、このテーブルを釘打データーによる釘を打ち込む位置と順序とに従って平面内で縦横に移動して遊技盤の所定位置を釘ホルダー機構の下方に位置決め停止した後に、釘供給部から釘ホルダー機構に供給された釘を、ハンマー機構で遊技盤に打ち込むことにより、遊技盤に釘を1本ずつ自動的に打ち込むようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の釘打機では、釘供給部から釘ホルダー機構に釘が供給されない、釘供給ミスが発生すると、警報を発生すると同時に、釘打機の釘打ち動作を停止する。そして、警報を聞いた作業者が手動で機械を逆転操作して釘ホルダー機構を釘受取位置に後退させて、当該釘ホルダー機構に釘を供給した後に、スタートスイッチをオン操作する。これにより、釘打機が前記動作停止後の動作を引き継ぐように再駆動する。即ち、釘供給ミスの発生から再駆動の間に、作業者が介在しているため、例えば作業者が他の作業をしていて、釘供給ミスに即座に応じることができない等の理由から、釘打機の再駆動が円滑に行われないことがままある。
【0004】
そこで、この発明は釘供給ミスを自動的に補修して、釘打ち作業の効率を向上することができる遊技機製造用釘打機を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る遊技機製造用釘打機は、遊技盤を位置決め搭載したテーブルと、このテーブルの上方に配置された釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とを、釘打データーによる釘を打ち込む位置と順序とに従って平面内で縦横に相対的に移動して、遊技盤の所定位置を釘ホルダー機構の下方に位置決め停止し、釘供給部から釘ホルダー機構に供給された釘を、ハンマー機構で遊技盤に打ち込むことにより、遊技盤に釘を1本ずつ自動的に打ち込む遊技機製造用釘打機であって、前記釘ホルダー機構が、釘受取位置と釘打込位置との少なくとも2つの停止位置に平面的に間欠回転する間欠回転機構と、この間欠回転機構の間欠回転軸に当該間欠回転機構が間欠回転動作を停止した際で釘受取位置と釘打込位置との少なくとも2つの停止位置と対応して設けられた複数のホルダーアームとを備える一方、各ホルダーアームが釘受取位置又は釘受取位置から釘打込位置までに移動する間のいずれかにホルダーアームでの釘の有無を検出する釘検出手段と、この釘検出手段からの無釘検出信号により釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とテーブルとの縦横への相対的な移動動作を中断すると共に間欠回転機構を動作して釘供給部からホルダーアームへの釘供給ミスが発生したホルダーアームに代えて次のホルダーアームに保持された釘を釘供給ミスが発生した釘打込位置に移動してハンマー機構で打ち込む制御部とを備えたことを特徴としている。本発明に係る遊技機製造用釘打機によれば、釘検出手段が釘受取位置から釘打込位置までの間でホルダーアームに釘が無いことを検出し、釘供給部から釘ホルダー機構への釘供給ミスが発生すると、その釘の無いことを検出した周期での釘打込位置における釘の打ち込みを終了した後に、釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とテーブルとを縦横に相対的に移動して、テーブル上の遊技盤の釘供給ミスが発生した釘を打ち込むべき所定位置を釘ホルダー機構の下方に移動停止し、その後の釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とテーブルとの縦横の相対的な移動動作を中断すると共に釘ホルダー機構を回転して、釘検出手段がホルダーアームに釘が有ることを検出し、当該釘を保有したホルダーアームが釘打込位置に移動停止したら、このホルダーアームに保有された釘を遊技盤の釘供給ミスが発生した釘を打ち込むべき所定位置に自動的に打ち込むというように、釘供給ミスを検出すると、遊技盤を次の釘打位置に移動する釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とテーブルとの動作を中断し、釘ホルダー機構を回転して、次の釘を釘供給ミスが発生した部分に正確に打ち込むことで、釘供給ミスを自動的に補修して、釘打ち動作を作業者を介在させずに自動復旧して、釘打ち作業の効率を向上することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜4は一実施形態を示している。先ず、図2において、装置本体1に設けられたテーブル2は、装置本体1に取り付けられたモーター3aで図2の紙面の表裏方向に水平移動するX方向駆動機構3と、このX方向駆動機構3の出力部材である可動部材に取り付けられたモーター4aで図2の左右方向に水平移動するY方向駆動機構4とで、或る1つの平面内でのY方向である縦方向とX方向である横方向とに移動する。
【0007】
テーブル2に釘打対象部品である遊技盤5を搭載する際の初期には、テーブル2は装置本体1に対して図2の左側で紙面の手前側に最も移動した前進限度位置に停止しており、その前進限度位置において、テーブル2に遊技盤5が供給される。
【0008】
遊技盤5は略方形に形成されたベニヤ板のような図外の遊技基板の一表面に、意匠図の描かれた図外のセルシートを一体に結合してあると共に、その1本の対角線の両端側に位置する1組の角隅部に空けられた図外の基準孔を有しており、セルシートを上側に向け遊技基板をテーブル2に直接接触させるようにして、前記基準孔をテーブル2上に立設された図外の1対の位置決めピンにその上方より外嵌装着することで、テーブル2上に位置決め搭載される。
【0009】
このテーブル2上に遊技盤5が位置決め搭載されたことを検出する図外の遊技盤センサー、又は、当該遊技盤センサーに代えて作業者の操作でオン動作されるマニュアルスイッチのいずれかが、遊技盤種別信号と釘打開始信号とを、コンピューターが内蔵された制御部6に出力すると、コンピューターが制御部6の記憶装置に予め記憶された当該遊技盤5の機種に対応する釘打データー6aより釘9を打ち込む位置と順序とを抽出し、それらの釘9を打ち込む位置と順序とに従ってX方向駆動機構3のモーター3aとY方向駆動機構4のモーター4aとを制御して、テーブル2をX方向とY方向とに移動することで、前記テーブル2上に位置決め搭載された遊技盤5の所定位置を、その上方に配置された釘ホルダー機構7の下方に位置決め停止した後に、パーツフィーダー8aとシューター8bとを備えた釘供給部8から釘ホルダー機構7に供給された遊技釘と呼ばれる釘9を、図外のハンマー機構の杵と呼ばれるハンマー18で遊技盤5に打ち込むことで、1枚の遊技盤5に打つべき多数の釘9を、当該遊技盤5に1本ずつ自動的に打ち込む。
【0010】
釘ホルダー機構7は間欠回転機構10と複数のホルダーアーム11と備えている。
【0011】
間欠回転機構10はテーブル2より上方で当該テーブル2と干渉しないように装置本体1上に設けられたセットプレート12に取り付けられている。
【0012】
釘9を遊技盤5にパチンコ店の島に設置される上の方に向けて約5°程度傾斜するように打ち込むことから、セットプレート12はテーブル2上の遊技盤5の表面に対し前記傾斜角度だけ傾斜している。
【0013】
このセットプレート12に設けられた間欠回転機構10は、ゼネバーカム、パラレルカム、ローラーギヤー等と通称されるゼネバー機構により構成されている。
【0014】
ゼネバー機構は、機構の主軸である入力軸の回転に対し、機構の従動軸である出力軸が回転・停止を所定周期で繰り返すように構成した機構であって、例えばセットプレート12にドライブカムプレート10aとゼネバーカムプレート10bとを並列に離隔配置してブラケット10c,10dにより回転可能に取り付けて、ドライブカムプレート10aをセットプレート12に取り付けられたモーター10eで回転駆動することで、ドライブカムプレート10aより外側に突設されたカムフォロア10fを、ゼネバーカムプレート10bに周方向に等分配置されて放射条に形成された複数のスリット10gの1つに順に摺接係合させて、1回転に相当する360°をスリット数で割った回転角度毎に、ゼネバーカムプレート10bを間欠的に回転すると共に、ドライブカムプレート10aのカムフォロア10f以外の図1に示す半円弧部分10iがゼネバーカムプレート10bのスリット10g間に位置する半円弧状の図1に示す外周縁部分10jに摺接係合する間だけ、前記ゼネバーカムプレート10bの回転を間欠的に停止するようになっている。図1ではドライブカムプレート10aのカム軸がモーター10eの出力軸に直接連結したように図示したが、実際には、モーター10eの回転をドライブカムプレート10aに減速して伝達するのが普通であり、ドライブカムプレート10aのカム軸をモーター10eの出力軸に図外の減速機を介して連結している。
【0015】
この実施形態の場合、図1にも示すように、ゼネバーカムプレート10bはモーター10eの1回転毎に1/4回転と停止とを順に繰り返すことから、ゼネバーカムプレート10bの中心に設けられた間欠回転軸10hを中心として90度毎に等分に振り分けられた4個のスリット10gを備えている。
【0016】
間欠回転軸10hは90度毎に周方向に等分に振り分けられた釘受取位置13、釘有無検査位置14、釘打込位置15、予備位置16に平面的に間欠回転する間欠回転機構10の出力部材であって、ドライブカムプレート10aの半円弧部分10iがゼネバーカムプレート10bの外周縁部分10jに摺接係合していることで、間欠回転軸10hがその回転動作を停止した際の釘受取位置13、釘有無検査位置14、釘打込位置15、予備位置16の各位置に対応する複数のホルダーアーム11を備えている。
【0017】
間欠回転軸10hの回転方向は、複数のホルダーアーム11を釘受取位置13から釘有無検査位置14、釘打込位置15、予備位置16を順に経由して釘受取位置13に戻すような向きに設定してある。
【0018】
各ホルダーアーム11は間欠回転軸10hの間欠回転により前記セットプレート12と同様に遊技盤5の表面に対する前記傾斜角度だけ傾斜した1つの平面内を間欠回転する一方、昇降及び進退可能に組付けられた一対のフィンガー11a,11bを有している。
【0019】
一対のフィンガー11a,11bは固定側部材に可動側部材を1本のピン11cで開閉可能に連結された形態であって、そのピン11cより内側の後端部に装着されたコイルスプリングのような弾性体11dの弾性でピン11cより外側の先端部が閉じ方向に付勢され、その先端部には釘保持部11eを備えている。
【0020】
釘保持部11eは可動側のフィンガー11aの内側面に形成された平面視V字形の溝と、この溝に対応する固定側のフィンガー11aの平坦な内側面とより形成されている。可動側のフィンガー11aのピン11cより先端部側には開閉ローラー11fを回転可能に有している。開閉ローラー11fは、後述する釘打込位置においてホルダーアーム11に支持された釘9がハンマー18で遊技盤5に打ち込まれてから当該ホルダーアーム11が復帰を開始するまでに、図外のホルダー開閉駆動機構の出力部材である開閉操作部材により弾性体11dの弾性に抗して一側方向に押し動かされることで、可動側のフィンガー11aがピン11cを中心として一側方向に開動する。この開動量は復帰するホルダーアーム11が遊技盤5に打ち込まれた釘9と干渉しないような最低寸法に設定されている。
【0021】
各ホルダーアーム11の釘保持部11eは間欠回転軸10hの回転動作により間欠回転軸10hを中心とする1つの円を描く軌跡R1を通り、各ホルダーアーム11のピン11cは間欠回転軸10hの回転動作により間欠回転軸10hを中心とする前記軌跡R1より曲率の小さな円を描く軌跡R2を通る。
【0022】
間欠回転機構10の間欠的な停止中において、釘受取位置13におけるホルダーアーム11には釘供給部8のシューター8bより1本の釘9が分離供給され、この釘9の頭部が釘供給部8の図外の押出部材で押し下げられ、当該釘9の先端部がホルダーアーム11の弾性体11dの弾性に抗して一対のフィンガー11a,11bを開いて釘保持部11eに押し込まれることで、前記ホルダーアーム11が弾性体11dの弾性で1本の釘9を間欠回転軸10hの軸心と平行な直立に支持する。
【0023】
釘有無検査位置14には、セットプレート12に取り付けられた接触タイプ又は非接触タイプの釘センサー17を、ホルダーアーム11と干渉しないように備えている。
【0024】
釘センサー17は間欠回転機構10が間欠回転を停止した際に、釘有無検査位置14におけるホルダーアーム11の釘9の有無を検出し、その検出結果に相当する電気信号を、例えばホルダーアーム11に釘9が直立に存在する場合は電気的な2値化信号のローレベルに相当する「0」を制御部6に出力し、逆にホルダーアーム11に釘9が直立に存在しない場合は電気的な2値化信号のハイレベルに相当する「1」を制御部6に出力する。
【0025】
間欠回転機構10の間欠的な停止中において、釘打込位置15におけるホルダーアーム11は、図外の昇降駆動機構及び図外の進退駆動機構による間欠回転軸10hの軸心に沿う下降と間欠回転軸10hの径方向外側への前進との合成運動で、ホルダーアーム11の釘保持部11eの下面が遊技盤5の表面の所定位置に徐々に近づく漸近曲線を描いて実線示位置から仮想線示位置へと下降前進して停止する。
【0026】
この停止した位置におけるホルダーアーム11に直立に支持された釘9の軸心の真上にはハンマー機構のハンマー18が同軸状に離隔配置されている。
【0027】
ハンマー18は間欠回転機構10の間欠的な停止に伴うハンマー機構の釘打ち動作で間欠回転軸10hの軸心に沿う下降運動を行って、釘打込位置15のホルダーアーム11に支持された釘9の頭部を上方より押し下げることで、当該釘9をホルダーアーム11の弾性体11dの弾性による支持力に抗して遊技盤5の所定位置に所定打込量だけ前記所定傾斜角度で以て押し込む。
【0028】
図3は、前記釘ホルダー機構7のホルダーアーム11を間欠回転軸10hにその軸方向に沿う方向へ昇降可能に組付けた昇降ガイド機構20と、ホルダーアーム11を間欠回転軸10hにその径方向へ進退可能に組付けた進退ガイド機構21とを示している。
【0029】
昇降ガイド機構20は、間欠回転軸10hの外周面より当該間欠回転軸10hの軸心に沿って突設された縦レール20a、縦レール20aに摺接係合された昇降スライダー20b、昇降スライダー20bの上下方向の中間で外側面に回転可能に取り付けられた昇降ローラー20cを備え、釘打込位置15以外では昇降ローラー20cが間欠回転機構10と干渉しないようにセットプレート12に取り付けられた案内環22に摺接係合していて、間欠回転機構10が間欠回転を停止する際に、釘打込位置15におけるホルダーアーム11の昇降ローラー20cが案内環22より当該案内環22の切欠部22aに配置され図外の昇降駆動機構の出力部材を構成する昇降操作部材に取り込まれ、当該昇降操作部材の下降により、昇降スライダー20bが縦レール20aに沿って下降し、ハンマー機構による釘打ち後に伴う昇降操作部材の上昇で、昇降スライダー20bが縦レール20aに沿って上昇し、昇降操作部材が案内環22の切欠部22aに収納停止後に、間欠回転機構10が間欠回転を開始し、昇降ローラー20cが昇降操作部材から案内環22に摺接係合するように受け渡される。
【0030】
進退ガイド機構21は、間欠回転軸10hの軸心と直交するように昇降スライダー20bの下端より外側に突設された横レール21a、横レール21aに摺接係合されていると共にホルダーアーム11の釘保持部11eを構成する平坦面を有する固定側のフィンガー11aに取り付けられた進退スライダー21b、進退スライダー21bの一側に組付けられた固定ブラケット21c、固定ブラケット21cの後方に対向するように横レール21aに組付けられた可動ブラケット21d、固定ブラケット21cに突設されて可動ブラケット21dに移動可能に貫通されたスプリングピン21e、スプリングピン21eの可動ブラケット21dより後方に突出された後端部と可動ブラケット21dとの間に装着されて進退スライダー21bに後退方向の弾性を付与するスプリング21f、進退スライダー21bの他側より前記案内環22及び昇降操作部材に干渉しないように立設されたスライドガイドバー21g、スライドガイドバー21gの進退スライダー側面に回転可能に取り付けられた進退ローラー21hを備え、間欠回転機構10が間欠回転を停止した際に、釘打込位置15におけるホルダーアーム11の進退ローラー21hがセットプレート12に設けられた図外の進退駆動機構の出力部材を構成する進退操作部材で前方に押され、進退スライダー21bがスライドガイドバー21gを介してスプリング21fの弾性に抗して横レール21aに沿って前進し、ハンマー機構による釘打ち後に伴う進退操作部材による前方への押圧操作の解除に従い、進退スライダー21bがスプリング21fの弾性で横レール21aに沿って後退する。
【0031】
即ち、釘打込位置15において、進退ガイド機構21によるホルダーアーム11の前進動作と、前記昇降ガイド機構20によるホルダーアーム11の下降動作との合成運動により、ホルダーアーム11の釘保持部11eが漸近曲線である軌跡を描いて、遊技盤5に既に打ち込まれた釘9と干渉しないように遊技盤5の表面の所定位置に徐々に近づいて停止する。
【0032】
そして、釘9がハンマー機構の釘打ち動作で遊技盤5の所定位置に所定打込量だけ打ち込まれた後に、進退ガイド機構21によるホルダーアーム11の後退動作と前記昇降ガイド機構20によるホルダーアーム11の昇降動作との合成運動により、ホルダーアーム11の釘保持部11eが前記軌跡を逆方向に経由して復帰する。
【0033】
この実施形態の構造によれば、前進限度位置に停止したテーブル2上に、釘9を打ち込むべき遊技盤5を位置決め搭載し、釘打開始信号と前記遊技盤5の機種を表す遊技盤種別信号とが図外の遊技盤センサー又はマニュアルスイッチから制御部6に出力されると、制御部6が遊技盤種別信号に応じた釘打データー6aを記憶装置より抽出し、その釘打データー6aより釘9を打ち込む位置と順序とを求めて、その打ち込む位置と順序とに従って、X方向駆動機構3、Y方向駆動機構4、釘供給部8、間欠回転機構10、図外のハンマー機構、図外の昇降駆動機構、図外の進退駆動機構を制御することで、テーブル2上の遊技盤5に打ち込むべき多数本の釘9を1本ずつ所定位置に自動的に打ち込んだ後に、テーブル2を前進限度位置に復帰する。
【0034】
この自動的な釘打ち動作中において、釘受取位置13における釘供給部8からホルダーアーム11に釘9が直立した正常な供給姿勢に供給されない、釘供給ミスが発生した場合、前記1本ずつ釘9を遊技盤5に打ち込んで行く釘打ち動作の進行に伴い、当該ホルダーアーム11が釘受取位置13から釘有無検査位置14に回転停止することにより、釘センサー17が2値化信号の「1」を制御部6に出力する。すると、制御部6は、前記釘センサー17が釘供給ミスを検出した周期中の釘打ち動作を終了した後に、次周期の釘打ち動作を中断すると共に、間欠回転機構10を動作して釘供給ミスが発生したホルダーアーム11に代えて次のホルダーアーム11に支持された釘9を釘打込位置15に移動してハンマー18で遊技盤5に打ち込む。
【0035】
即ち、図4のa図に示すように、例えば、ホルダーアーム11−1が予備位置16から釘受取位置13に移動停止し、ホルダーアーム11−2が釘受取位置13から釘有無検査位置14に移動停止し、ホルダーアーム11−3が釘有無検査位置14から釘打込位置15に移動停止し、ホルダーアーム11−4が釘打込位置15から予備位置16に移動停止し、前記ホルダーアーム11−2が釘受取位置13から釘有無検査位置14に無釘状態で移動停止し、そのホルダーアーム11−2の無釘状態を釘センサー17が検出した周期では、釘打込位置15でのホルダーアーム11−3に支持された釘9−1を遊技盤5に打ち込む釘打ち動作が終了すると、X方向駆動機構3とY方向駆動機構4とがテーブル2を移動停止する。
【0036】
この移動停止により、図4のb図に示すように、釘9−1が打ち込まれた遊技盤5が移動停止し、当該遊技盤5の釘供給ミスが発生した釘9を打ち込むべき所定位置が釘打込位置15でのホルダーアーム11−2の下方に移動停止する。
【0037】
これと並行に、間欠回転機構10が間欠回転を1回行う。この1回目の間欠回転により、図4のb図に示すように、ホルダーアーム11−1が釘受取位置13から釘有無検査位置14に移動停止し、ホルダーアーム11−2が釘有無検査位置14から釘打込位置15に移動停止し、ホルダーアーム11−3が釘打込位置15から予備位置16に移動停止し、ホルダーアーム11−4が予備位置16から釘受取位置13に移動停止し、前記釘受取位置13から釘有無検査位置14に移動停止されたホルダーアーム11−1に釘9−2が直立に存在し、その釘9−2の存在を検出した釘センサー17が2値化信号の「0」を制御部6に出力すると、この「0」の信号は、間欠回転機構10をもう1回、間欠回転すると、釘有無検査位置14で釘9−2を支持したホルダーアーム11−1が前記釘供給ミスを発生したホルダーアーム11−2に代えて釘打込位置15に移動停止することを意味する。
【0038】
よって、この「0」の信号の受け取りに引き続き、制御部6が間欠回転機構10を前記1回目の間欠回転に引き続いて間欠回転を1回行う。
【0039】
この2回目の間欠回転により図4のc図に示すように、ホルダーアーム11−4が釘受取位置13から釘有無検査位置14に移動停止し、ホルダーアーム11−1が釘有無検査位置14から釘打込位置15に移動停止し、ホルダーアーム11−2が釘打込位置15から予備位置16に移動停止し、ホルダーアーム11−3が予備位置16から釘受取位置13に移動停止した後に、前記釘有無検査位置14から釘打込位置15に移動停止したホルダーアーム11−1が、図外の昇降駆動機構による昇降ガイド機構20の下降と図外の進退駆動機構による進退ガイド機構21の前進との合成運動により、図1〜2の実線示から仮想線示へと下降停止する。この釘打込位置15のホルダーアーム11−1に直立に支持された釘9−2をハンマー18が押し下げることにより、当該釘9−2が前記移動停止された遊技盤5の釘供給ミスが発生した釘9が打ち込まれるべき所定位置に打ち込まれる。
【0040】
要するに、この実施形態によれば、釘センサー17が釘受取位置13から釘打込位置15までの間に設定された釘有無検査位置14に移動停止したホルダーアーム11に釘9が無いことを検出し、釘供給部8から釘ホルダー機構7への釘供給ミスが発生すると、その釘9の無いことを検出した周期での釘打込位置15における釘9の打ち込みを終了した後に、テーブル2を縦横移動して、テーブル2上の遊技盤5の釘供給ミスが発生した釘9を打ち込むべき所定位置を釘ホルダー機構7の下方に移動停止し、その後のテーブル2の縦横移動動作を中断すると共に、釘ホルダー機構7を回転して釘有無検査位置14でホルダーアーム11に釘9が有ることを検出し、当該釘9を保有したホルダーアーム11が釘有無検査位置14から釘打込位置15に移動停止したら、このホルダーアーム11に保有された釘9を遊技盤5の釘供給ミスが発生した釘9を打ち込むべき所定位置に自動的に打ち込むことができる。
【0041】
特に、複数のホルダーアーム11を平面的に回転するようにしたので、釘受取位置13と釘打込位置15とが平面内で離隔配置される。よって、釘受取位置13の下方に、釘供給ミスによる落下釘を捕らえる受け皿のような機構を設けて、ミス釘の遊技盤5上への落下防止を図ることができる。
【0042】
前記実施形態では間欠回転機構10を1/4回転毎に回転と停止とを間欠的に繰り返すことで4つの停止位置を有する機構を図示し、その4つの停止位置の1つに割り当てた釘受取位置13と別の1つの停止位置に割り当てた釘打込位置15との間に存在する更に別の1つの停止位置に割り当てた釘有無検査位置14に対応して釘センサー17を設けて、ホルダーアーム11への釘供給ミスを検出する機構を図示して説明したが、間欠回転機構を1/2回転毎に回転と停止とを間欠的に繰り返すことで2つの停止位置を有したり、1/3回転毎に回転と停止とを間欠的に繰り返すことで3つの停止位置を有したり、1/5回転以上毎に回転と停止とを間欠的に繰り返すことで5つ以上の停止位置を有する機構に構成しても同様の効果がある。但し、間欠回転機構を1/2回転毎に回転と停止とを間欠的に繰り返す機構の場合には、一方の停止位置を釘受取位置13とし、他方の停止位置を釘打込位置15とする必要があるので、釘センサー17を釘受取位置13、又は釘受取位置13から釘打込位置15までに移動する間のいずれかに設定して、ホルダーアーム11の釘供給ミスを検出すれば適用できる。
【0043】
前記実施形態ではセットプレート12を静止し、テーブル2を駆動する場合を図示して説明したが、テーブル2を静止し、セットプレート12を駆動して、ハンマー18を含むハンマー機構と釘ホルダー機構7との組をXY方向に移動するか、又は、テーブル2をX方向、ハンマー機構と釘ホルダー機構7との組をY方向に移動しても、同様の作用効果がある。この場合、釘供給部8をセットプレート12に組付けてハンマー機構と釘ホルダー機構7とからなる組と同様に移動すれば、釘ホルダー機構7への釘供給動作が円滑になる。
【0044】
釘供給部8とホルダーアーム11との形状を変えることで、風車取付機としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態を平面的に示す模式図。
【図2】 同実施形態を示す側面図。
【図3】 同実施形態の釘ホルダー機構を示す斜視図。
【図4】 同実施形態の動作を示す説明図。
【符号の説明】
2 テーブル、3 X方向駆動機構、4 Y方向駆動機構、5 遊技盤、6 制御部、7 釘ホルダー機構、8 釘供給部、9 釘、10 間欠回転機構、11 ホルダーアーム、13 釘受取位置、14 釘有無検査位置、15 釘打込位置。
Claims (1)
- 遊技盤を位置決め搭載したテーブルと、このテーブルの上方に配置された釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とを、釘打データーによる釘を打ち込む位置と順序とに従って平面内で縦横に相対的に移動して、遊技盤の所定位置を釘ホルダー機構の下方に位置決め停止し、釘供給部から釘ホルダー機構に供給された釘を、ハンマー機構で遊技盤に打ち込むことにより、遊技盤に釘を1本ずつ自動的に打ち込む遊技機製造用釘打機であって、前記釘ホルダー機構が、釘受取位置と釘打込位置との少なくとも2つの停止位置に平面的に間欠回転する間欠回転機構と、この間欠回転機構の間欠回転軸に当該間欠回転機構が間欠回転動作を停止した際で釘受取位置と釘打込位置との少なくとも2つの停止位置と対応して設けられた複数のホルダーアームとを備える一方、各ホルダーアームが釘受取位置又は釘受取位置から釘打込位置までに移動する間のいずれかにホルダーアームでの釘の有無を検出する釘検出手段と、この釘検出手段からの無釘検出信号により釘ホルダー機構及びハンマー機構の組とテーブルとの縦横への相対的な移動動作を中断すると共に間欠回転機構を動作して釘供給部からホルダーアームへの釘供給ミスが発生したホルダーアームに代えて次のホルダーアームに保持された釘を釘供給ミスが発生した釘打込位置に移動してハンマー機構で打ち込む制御部とを備えたことを特徴とする遊技機製造用釘打機。
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-
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