JP3720841B2 - カメラモジュール - Google Patents

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本発明は、カメラモジュールに関するものであり、より詳しくは、レンズ、レンズを支持するレンズ支持部及びイメージセンサチップを備えたカメラモジュールに関する。
携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラの用途に、カメラモジュールが広く使用されている。ここで従来のカメラモジュールの構造例を図8に示す。図8に示されるように、カメラモジュールは、基板104上にイメージセンサチップ106が収容されたパッケージ108が載置され、半田103により固定されている。このパッケージ108の上部には、カバーガラス105が設けられており、上部から光が入射されるよう構成されている。
そして、パッケージ108を包囲する鏡筒102によってレンズ101が支持されている。即ち、鏡筒102は、レンズ支持部として機能する。この鏡筒102は、筒状の構成を有し、2つの部材により構成されている。そして、鏡筒102を構成する2つの部材は、相対的に移動可能であり、焦点調整のために、レンズ101とイメージセンサチップ106間の距離を変更できる。
ここで、携帯電話等に用いられるカメラモジュールは、携帯電話等が小型化されるに伴って、さらなる小型化が要請されている。しかしながら、従来のカメラモジュールは、図8に示されるような構成を有しているため、小型化することは困難であった。
また、従来のカメラモジュールは、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長を決定するための構成が、レンズ101、鏡筒102を構成する2つの部材、基板104、パッケージ108及びイメージセンサチップ106と多数存在するため、各構成の寸法誤差及びそれら相互の接続による誤差が積み重ねられる。従って、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長のバラツキが大きく、焦点精度が低い。
このように、従来のカメラモジュールでは、小型化の要請に応えることが困難であり、また、焦点精度が低いという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、小型化を図ることができ、かつ焦点精度が高いカメラモジュールを提供することを目的とする。
本発明にかかるカメラモジュールは、レンズと、このレンズを支持するレンズ支持部とを有するレンズ部と、一面にセンサ部と論理回路部を有し、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、前記レンズ部は、前記イメージセンサチップの論理回路部上に載置され固定されているものである。このような構成により、小型化が可能で、かつ焦点精度を高くすることができる。さらに、このような構成により、論理回路部上の領域を有効活用することができる。
さらに、本発明にかかるカメラモジュールは、窓部を有する配線基板を備え、前記イメージセンサチップは、前記レンズ部が前記配線基板の窓部に差し込まれた状態において、当該配線基板と電気的に接続されている。これにより、配線基板を含めて小型化が可能である。
さらにまた、前記レンズを、非球面凸レンズとすることができ、プラスチックまたはガラスにより構成してもよい。また、前記レンズを、複数のレンズから構成することもできる。
また、前記レンズ部の前記イメージセンサチップへの固定は、紫外線硬化樹脂によって接着されている。またさらに、前記レンズ部において、レンズとレンズ支持部を樹脂成形により一体構造としてもよい。さらに、前記イメージセンサチップは、前記論理回路部と電気的に接続された入出力端子を有する。
他方、本発明にかかるカメラモジュールは、レンズとこのレンズを支持するレンズ支持部とを有するレンズ部と、センサ部と論理回路部を有し、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、前記レンズ支持部は、前記イメージセンサチップの論理回路部上に載置され、レンズが入射された光をイメージセンサチップの表面上で結像するように所定の位置でレンズを支持しているものである。
さらに、前記レンズ部において、レンズとレンズ支持部は樹脂成形による一体構造を有する。
本発明によれば、小型化を図ることができ、かつ焦点精度が高いカメラモジュールを提供することができる。
発明の実施の形態1.
図1は、発明の実施の形態1にかかるカメラモジュールの主要部を示す構造図である。このカメラモジュールは、レンズ部1とイメージセンサチップ2を備えている。ここで、レンズ部1は、レンズ11と鏡筒12により構成されている。レンズ11は、この例では、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ2の表面上で結像させる機能を有する。レンズ11は、例えばプラスチックやガラスにより構成される。また、レンズ部1に、複数のレンズ11を光路上に取り付けるようにしてもよい。
鏡筒12は、円筒状、角状等の形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ11を支持している。ここで、鏡筒12は、レンズ支持部として機能しているが、必ずしも筒状に構成される必要ない。例えば、レンズ11を単数又は複数の点で支えるようにしてもよい。
イメージセンサチップ2は、センサ部21、論理回路部22及びボンディングパッド23を有している。センサ部21は、当該イメージセンサチップ2の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に変換し、撮像信号として出力する素子である。この素子は、多数の読取画素を有する。ここで、イメージセンサチップ2は、レンズ11を介して入射された光に基づき撮像信号を処理すればよく、撮像信号自体を出力する必要はない。当該イメージセンサチップ2は、例えば、撮像信号を予め定めた信号と比較したり、過去の撮影により得られた撮像信号と比較することによって、画像の変化を認識し、変化したか否かを示す信号だけを出力する構成であってもよい。
センサ部21は、例えば、CCD素子やCMOS素子である。論理回路部22は、センサ部21から出力された電気信号に対して、増幅処理、ノイズ除去処理等の種々の信号処理を行なう。ボンディングパッド23は、論理回路部22と電気的に接続された入出力端子である。このボンディングパッド23は、ワイヤーボンディングにより外部の電極と電気的に接続される。例えば、当該イメージセンサチップ2を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラを構成する配線基板の上に設置し、ボンディングパッド23と前記配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続する。また、抵抗、コンデンサー等の受動部品、トランジスター、LSI等の能動部品が搭載されたサブ配線基板に当該イメージセンサチップ2を設置してボンディングパッド23と前記サブ配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続し、前記サブ配線基板を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラと電気的に接続することもできる。
鏡筒12は、イメージセンサチップ2の論理回路部22上に固定されている。鏡筒12とイメージセンサチップ2は、例えば、紫外線硬化樹脂によって接着される。この場合、イメージセンサチップ2に対して、予め定められた位置に鏡筒12を載置し、その後、イメージセンサチップ2と鏡筒12が接着されるように紫外線硬化樹脂を塗布する。または、イメージセンサチップ2又は鏡筒12のいずれか一方又は双方に紫外線硬化樹脂を塗布した後に、両者の位置決めをするようにしてもよい。そして、紫外線をこの紫外線硬化樹脂に照射することによってイメージセンサチップ2と鏡筒12とを接着固定する。
このように、論理回路部22上に鏡筒12を載置することによって、通常は利用されていない論理回路部22の上方の領域を有効活用することができる。特に、今後、さらにセンサ部21と論理回路部22の1チップ化が進むことが推測されるため、論理回路部22の上方の領域を活用するこの技術の価値は高い。
以上のように、図1に示すカメラモジュールにおいては、レンズを支持するレンズ支持部を有するレンズ部をイメージセンサチップ上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズとイメージセンサチップの間の部材がレンズ支持部のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
発明の実施の形態2.
続いて、図2を用いて発明の実施の形態2にかかる他のカメラモジュールの構成について説明する。図2に示す構成では、CSP(Chip Size Package)再配線層3を有している。このCSP再配線層3は、光学窓を備えており、その光学窓の部分において鏡筒12がイメージセンサチップ2上に接着固定されている。CSP再配線層3は、その上部に半田バンプ31が複数設けられている。この半田バンプ31は、イメージセンサチップ2に設けられた論理回路部22と銅配線等の再配線によって電気的に接続されている。この様に再配線により論理回路部の入出力端子に電気的に接続された再配線の他端に基板接続用のバンプ31をチップ上に配置することが可能となり、図1の様にチップ周辺のパッド23を論理回路部22等を含むチップ上面全域に配設することが可能となる。
この図2に示すカメラモジュールも、図1に示す構成と同様に鏡筒レンズ部をイメージセンサチップ上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズとイメージセンサチップの間の部材がレンズ支持部のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
この発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールについて、図3を用いてさらに説明する。このカメラモジュールは、ウエファ3aレベルにおいて構成される。即ち、チップサイズに切断される前段階において、レンズ11を支持する鏡筒12がウエファ3aに固定される。このとき、鏡筒12をウエファ3a上の精確な位置に固定する必要があり、また、両者が接触するに際して衝撃を緩和するため、ロボットを用いて固定する。その後、ウエファ3aはチップサイズに切断される。
発明の実施の形態3.
図4に発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールの構成を示す。発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールは、レンズ部1及びイメージセンサチップ2と、さらには、多層配線基板5を備えている。この配線基板5は、例えばポリエステルやポリイミドにより構成され、銅等によって配線されている。そして、この実施の形態にかかる配線基板5は、特に、窓部を有している。
発明の実施の形態2と同様の構成を有するカメラモジュールは、配線基板5の窓部に鏡筒12が差し込まれた状態において、アンダフィル7によって配線基板5と固定されている。このアンダフィル7は、樹脂封止剤である。
また、配線基板5の窓部の周囲には、CSP再配線層3の半田バンプ31に対応する位置に外部電極が設けられている。従って、発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールが、配線基板5の窓部に差し込まれ、加熱処理等によって当該半田バンプ31と、配線基板5の外部電極とが電気的に接触する。
配線基板5には、外部電極と同じ面にDSP(Digital Signal Processor)チップ6等の他のチップも搭載される。このDSPチップ6もアンダフィル7によって配線基板5に対して接着固定される。
以上のように、この実施の形態3にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、レンズ支持部、即ち鏡筒の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
発明の実施の形態4.
図5は、発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。このカメラモジュールは、発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールと同様に、窓の空いた配線基板5を備えている。そして、レンズ部1の鏡筒12がイメージセンサチップ2の上面の論理回路部22上に固定されている。この例では、鏡筒12と配線基板5とがアンダフィル7によって固定されている。このアンダフィル7は、鏡筒12の全周に亘って設けられていてもよく、また一部であってもよい。このカメラモジュールは、CSP再配線層3を有している。
本実施の形態にかかるカメラモジュールは、例えば、イメージセンサチップ2を配線基板5と固定した後に、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に載置し、そしてアンダフィル7によって、鏡筒12と配線基板5とを固定するようにしてもよい。また、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に固定した後に、配線基板5の窓部に下方より差し込み、そしてアンダフィル7によって、鏡筒12と配線基板5とを固定するようにしてもよい。
さらに図6を用いて、このカメラモジュールの構成について詳細に説明する。このカメラモジュールのイメージセンサチップ2は、DSPチップ6と共に、配線基板5の下面に設けられ、封止樹脂8によって覆われている。
イメージセンサチップ2と配線基板5の電気的な接続については、図6に示されるように複数の方法がある。例えば、イメージセンサチップ2の上面にパッドに半田金バンプ91を印刷する方法、異方性導電材92を用いる方法や再配線層3に半田バンプを用いる方法がある。
また、図7に示されるように、イメージセンサチップ2と配線基板5の間にスペーサを設けてもよい。このような構成にすることにより、イメージセンサチップ2と配線基板5間の距離を一定にすることができ、レンズ11とイメージセンサチップ2間の距離を一定にすることができる。
以上のように、この実施の形態4にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、レンズ部の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
上記、発明の実施の形態1乃至4において、レンズ部はレンズと鏡筒とから構成されるように説明してあるが、樹脂成形等によりレンズと鏡筒は一体構造とすることもできる。この場合レンズ透過光以外がイメージセンサーへ漏れこむ事を防止するため、レンズ相当部以外は黒色等の光を透過させない不透明な材料を使用した成形とする。または、すべて透明材料で成形した後、鏡筒相当部を不透明材料で塗装する、もしくはチューブを被せるなどの遮光処理を施す。このようにレンズ相当部と鏡筒相当部を一体化しても、本発明の効果は変わらない。また、逆に、イメージセンサーの焦点調整を可能とするための構造とし、レンズ部と鏡筒部を可動可能として、焦点調整後、接着剤等で基板に固定することも出来る。また、レンズ相当部は非球面の1枚構成としてあるが色収差等の補正のため複数枚構成としても本発明の効果は変わらない。
また、前記レンズ部に光の波長に対するイメージセンサーの感度を人間のそれに近づけるように補正するため、赤外線カットフィルターを取り付けても、本発明の効果は変わらない。また、イメージセンサーのサンプリング作用による画質の悪化を防止するため、光学的ローパスフィルターを追加しても、本発明の効果は変わらない。また、入射する光量を制限する絞りを取り付けても本発明の効果は変わらない。
本発明にかかるカメラモジュールは、携帯電話、携帯端末(PDA)、カードカメラ等に用いられる。
本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。 本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの一部を示す断面図である。 従来のカメラモジュールの構造図である。
符号の説明
1…レンズ部、11…レンズ、12…鏡筒、
2…イメージセンサチップ、21…センサ部、22…論理回路部、
23…ボンディングパッド、
3…再配線層、31…半田バンプ、3a…ウエファ、
5…多層配線基板、6…DSPチップ、7…アンダフィル、8…封止樹脂
91…半田金バンプ、92…異方性導電材
101…レンズ、102…鏡筒、103…半田、104…基板、
105…カバーガラス、106…イメージセンサチップ、108…パッケージ

Claims (10)

  1. レンズと、このレンズを支持するレンズ支持部とを有するレンズ部と、
    一面にセンサ部と論理回路部を有し、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、
    前記レンズ部は、前記イメージセンサチップの論理回路部上に載置され固定されているカメラモジュール。
  2. 窓部を有する配線基板を、さらに備え、
    前記イメージセンサチップは、前記レンズ部が前記配線基板の窓部に差し込まれた状態において、当該配線基板と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  3. 前記レンズは、非球面凸レンズであることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  4. 前記レンズは、プラスチックまたはガラスにより構成されることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  5. 前記レンズは、複数のレンズから構成されることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  6. 前記レンズ部の前記イメージセンサチップへの固定は、紫外線硬化樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  7. 前記レンズ部において、レンズとレンズ支持部は樹脂成形による一体構造を有することを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  8. 前記イメージセンサチップは、前記論理回路部と電気的に接続された入出力端子を有することを特徴とする請求項1記載のカメラモジュール。
  9. レンズとこのレンズを支持するレンズ支持部とを有するレンズ部と、
    センサ部と論理回路部を有し、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、
    前記レンズ支持部は、前記イメージセンサチップの論理回路部上に載置され、レンズが入射された光をイメージセンサチップの表面上で結像するように所定の位置でレンズを支持しているカメラモジュール。
  10. 前記レンズ部において、レンズとレンズ支持部は樹脂成形による一体構造を有することを特徴とする請求項9記載のカメラモジュール。
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