JP3720742B2 - 給湯器用湯水混合ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば太陽熱温水器等の自然エネルギーを利用した温水供給装置や、各種廃熱を利用した温水供給装置を給湯器に接続する為の給湯器用湯水混合ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽熱温水器は、天候などにより目的温度の温水が取り出せない為に、給湯器を補助熱源として接続してエネルギー資源の有効利用を図れるようにした給湯システムがあり、この給湯システムとして、例えば図3に記載されたものがある。太陽熱温水器(5)から引き出された上流側温水回路(56)は、給湯器用湯水混合ユニット(1)の温水回路(14)に接続されている。
【0003】
又、上水道に繋がる給水回路(10)は本発明の対象たる給湯器用湯水混合ユニット(1)の冷水回路(15)に接続されていると共に、該冷水回路(15)と上記温水回路(14)の合流点には湯水混合器(20)が配設されており、更に、該湯水混合器(20)の下流側に形成された混合水回路(29)には混合水温センサ(33)が設けられている。上記混合水回路(29)は給湯器(7)の水入口(77)に配管接続されていると共に、前記給湯器(7)から出湯蛇口(85)や浴槽(81)に給湯されるようになっている。
【0004】
このものでは、給湯器(7)用のリモコン装置(71)で給湯温度を設定すると、該設定された温度(以下、「給湯設定温度」という。)が給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)に送信される。この状態で、例えば出湯蛇口(85)が開放されると、湯水混合器(20)が動作して太陽熱温水器(5)からの温水と給水回路(10)からの冷水の混合割合が調整され、これにより、混合水温センサ(33)が検知する混合水の温度が給湯設定温度に一致させられる。すると、給湯器用湯水混合ユニット(1)から流出する前記混合水が燃焼停止状態に維持された給湯器(7)を介して出湯蛇口(85)に供給される。
【0005】
一方、例えば差し水(浴槽(81)内の入浴水をぬるめる動作)を行わせる為にリモコン装置(71)に設けられた低温水スイッチ(図示せず)を投入すると、リモコン装置(71)から出力される低温水要求信号が給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)に伝達されると共に、上記低温水要求信号によってユニット制御装置(11)が湯水混合器(20)を制御し、これにより、該湯水混合器(20)が冷水回路(15)側の開度を全開にする。他方、上記低温要求信号によって給湯器(7)は消火状態に維持され、これにより、給湯器用湯水混合ユニット(1)からの流出する低温水が給湯器(7)で加熱されることなくそのまま浴槽(81)に供給される差し水動作が進行し、これにより、浴槽(81)内が温度低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、差し水動作中に出湯蛇口(85)を開放する給湯操作が行われると、該給湯操作に応答して給湯器(7)から温水要求信号が出力されてこれが給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)に伝達される。すると、リモコン装置(71)で設定された給湯設定温度の混合水が流出するように湯水混合器(20)がユニット制御装置(11)で制御される一方、上記出湯蛇口(85)が閉じられるまで前記差し水動作が一時的に中断され、該出湯蛇口(85)が閉じられた後には前記差し水動作が再開される。従って、前記差し水動作の再開初期には、上記給湯動作中に給湯器用湯水混合ユニット(1)から給湯器(7)に繋がる連結配管(79)内に充満した給湯設定温度の温水が浴槽(81)に流入し、該浴槽(81)内が迅速に温度低下しないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、
『上流端が冷水が流れる給水回路に接続される給水配管接続口となった冷水回路と、
上流端が温水供給装置からの温水が流れる上流側温水回路に接続される温水配管接続口となった温水回路と、
前記冷水回路と前記温水回路の合流点からその下流側の給湯器接続口に繋がり且つ混合水温センサが設けられた混合水回路と、
前記合流点に於ける前記冷水と温水の混合割合を調整する湯水混合器を具備し、
前記給湯器接続口に配管接続される給湯器のガスバーナを消火させた状態で該給湯器から目的場所に低温水を供給させる際に操作する低温水スイッチがON操作されない場合は前記混合水温センサの検知温度が前記給湯器の給湯設定温度に等しくなるように前記湯水混合器が制御される一方、前記低温水スイッチがON操作された場合は前記混合水回路に前記給湯設定温度より低い低温水が供給できるように前記湯水混合器が制御される給湯器用湯水混合ユニット』に於いて、前記給湯器から目的場所に低温水を供給させる動作が一時的に中断された後に再開されたときには、前記低温水を目的場所に迅速に供給できるようにすることをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[1項]
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、
『前記低温水スイッチがON操作された後は、前記給湯器が前記低温水の供給動作を一時中断して前記給湯設定温度の温水を供給する動作を実行した場合であっても、前記目的場所に対して前記低温水を設定量又は設定時間供給し終えたことを示す信号が前記給湯器側から出力されるまで、前記混合水回路に前記低温水が供給できるように前記湯水混合器が制御される』ことである。
【0009】
上記技術的手段は次のように作用する。
低温水スイッチが操作されると、既述従来のものと同様に湯水混合器から流出する低温水が給湯器で加熱昇温されることなく、そのまま浴槽等の目的場所に供給される。
【0010】
上記低温水を供給している途中に於いて給湯器が給湯動作を開始した場合は、本発明の給湯器用湯水混合ユニットの湯水混合器は上記低温水を下流側に供給し続ける。
湯水混合器は、前記給湯器が低温水の供給動作を一時中断して給湯動作を実行した場合であっても、目的場所に低温水が設定量又は設定時間供給し終えたことを示す信号が給湯器側から出力されるまでは低温水を混合し続けるように構成されているからである。これにより、本発明の給湯器用湯水混合ユニットと給湯器を繋ぐ連結配管内には、上記給湯動作中においても前記低温水が充満した状態に維持される。
【0011】
そして、上記給湯動作時には、湯水混合器から供給される低温水は、給湯器接続口に配管接続された給湯器の本来的な機能によって給湯設定温度まで加熱昇温されて給湯される。
【0012】
そして、給湯動作が終了したときには、本発明の給湯器用湯水混合ユニットと給湯器を繋ぐ連結配管内に充満した低温水が速やかに給湯器に供給され、該低温水が目的場所に供給する動作が再開される。
【0013】
[2項]
前記1項に於いて、
前記低温水は、冷水の混合割合を最大にした場合に湯水混合器から流出する混合水であっても良いが、
『前記目的場所は、浴室の浴槽(81)内であり、前記低温水の温度は30℃以下の設定温度である』ものとしてもよい。
【0014】
このようにすると、上水道から供給される冷水の温度が季節の移り変わりによって変化しても、設定温度の低温水が浴槽(81)に供給される。従って、一回の差し水操作で浴槽(81)内が温度低下する割合を入浴者が経験的に予測することが可能となり、使い勝手が向上する。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。
低温水を給湯場所に供給する動作を中断させて給湯動作を行ったときにも、給湯器用湯水混合ユニットと給湯器を繋ぐ連結配管内に低温水が満たされた状態に維持される。従って、低温水を目的場所に供給させる動作が再開したときには、本発明の給湯器用湯水混合ユニットと給湯器を繋ぐ連結配管内に充満した低温水が給湯器に供給され、前記目的場所に低温水を迅速に供給することができる。
【0016】
2項のものでは、既述したように、季節の如何に関わらず、一回の差し水操作で浴槽(81)内が温度低下する割合を入浴者が経験的に予測することが可能となり、使い勝手の良い給湯器用湯水混合ユニットが提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る給湯器用湯水混合ユニット(1)を用いた給湯システムの概念図であり、太陽熱温水器(5)は給湯器用湯水混合ユニット(1)を介して給湯器(7)に配管接続されている。以下、各部の詳細を説明する。
[太陽熱温水器(5)について]
太陽熱温水器(5)は、太陽熱を吸収する集熱器(50)と貯湯タンク(51)内とを循環するように形成された蓄熱配管(52)を具備しており、該蓄熱配管(52)には膨張タンク(53)と循環ポンプ(54)が配設されている。
【0018】
又、貯湯タンク(51)の底部には水道配管からの冷水を供給するソーラ用給水管(55)と水抜栓(57)を具備する水抜回路(58)が接続されていると共に、貯湯タンク(51)の頂部からは上流側温水回路(56)が引き出されている。
【0019】
[給湯器(7)について]
給湯器(7)の給湯器本体(70)には、水量センサ(62)と給湯用熱交換器(61)と給湯温センサ(64)がこの順序で上流側から順次配設された通水路(63)が設けられていると共に、該通水路(63)から下流側に引き出された給湯路(65)には出湯蛇口(85)が配設されている。又、上記給湯用熱交換器(61)を加熱する給湯用ガスバーナ(66)は給湯用ガス弁(67)からガス供給されるようになっている。
【0020】
又、給湯器本体(70)と浴槽(81)を循環するように形成された追焚き回路(69)には、循環ポンプ(91)と風呂用熱交換器(68)が配設されていると共に、該追焚き回路(69)は湯張り弁(42)を具備する湯張り用連結路(41)を介して上記通水路(63)に繋がっている。更に、上記風呂用熱交換器(68)を加熱する追焚き用ガスバーナ(92)へのガス回路には追い焚き用ガス弁(93)が配設されている。
【0021】
又、給湯器本体(70)に内蔵された給湯用制御装置(90)には、台所に配設されたメインリモコン装置(94)と、浴室に配設された風呂リモコン装置(95)が通信ケーブル(78)を介して接続されている。そして、メインリモコン装置(94)には、給湯器(7)を運転させるときに投入する運転スイッチ(940)と、給湯設定温度を設定する給湯温度設定器(941)と、浴槽(81)内に設定水位まで湯張りする際に投入する湯張りスイッチ(944)が配設されている。一方、風呂リモコン装置(95)には、上記メインリモコン装置(94)と同様に運転スイッチ(950),給湯温度設定器(951)及び湯張りスイッチ(954)が配設されていると共に、浴槽(81)内を追焚きする際に投入する追焚きスイッチ(952)と、更に、浴槽(81)内に設定量(例えば10リットル)の低温水を差し水する際に投入する低温水スイッチ(953)が設けられている。
【0022】
[給湯器用湯水混合ユニット(1)について]
本発明の対象たる給湯器用湯水混合ユニット(1)には、上記太陽熱温水器(5)からの温水が流れる上流側温水回路(56)が接続される温水配管接続口(16)と、既述ソーラ用給水管(55)から分岐した給水回路(10)が接続される給水配管接続口(17)と、更に、給湯器本体(70)の水入口(77)に接続される給湯器接続口(18)が設けられている。
【0023】
上記温水配管接続口(16)の下流側に形成された温水回路(14)には、バキュームブレーカ(120)と、常閉電磁弁(31)と、逆止弁(13)と、更に、湯温センサ(19)が、この順序で上流側から配設されている。又、温水回路(14)の上流端近傍には、通水内の塵芥を除去する機能と回路の排水機能を兼備した水抜栓(21)が設けられている。
【0024】
一方、冷水回路(15)には、逆止弁(22)と給水温センサ(23)と更に湯水混合器(20)がこの順序で配設されていると共に、該湯水混合器(20)は、温水回路(14)と冷水回路(15)の合流点に配設された温水調節弁(25)とその上流側に於ける冷水回路(15)内に配設された冷水調節弁(24)とから構成されている。そして、上記冷水調節弁(24)と温水調節弁(25)は、これらに対応するパルスモータ(240)(250)の回転によって先端の弁体(241)(251)を弁口(26)(27)に接離させ、これによって、弁口(26)(27)の開度を変化させて流量調節するように構成されている。
【0025】
又、上記混合水回路(29)には混合水の流量を計測する水量センサ(32)と、混合水温センサ(33)と、異常監視センサ(34)と、更に水抜き栓(35)が設けられており、該水抜き栓(35)は上記混合水回路(29)等の水圧が過剰上昇したときに開弁して圧力を開放する逃がし弁機能を兼備している。又、冷水回路(15)の上流端近傍には、通水の除塵機能と排水機能を兼備した水抜栓(30)が設けられている。
【0026】
そして、既述湯温センサ(19),給水温センサ(23),湯水混合器(20),常閉電磁弁(31),水量センサ(32) ,混合水温センサ(33)及び異常監視センサ(34) 等の電気部品はユニット制御装置(11)に電気接続されており、該ユニット制御装置(11)によって、湯水混合器(20)の動作が制御されるようになっている。
【0027】
[動作の実際]
次に、上記給湯システムの動作を説明する。
給湯器用湯水混合ユニット(1)に組み込まれたユニット制御装置(11)には、図2のフローチャートに示す内容の制御動作を実行するマイクロコンピュータが格納されており、以下、本実施の形態に係る給湯器用湯水混合ユニット(1)を組み込んだ給湯システムの動作を図2のフローチャートを引用しながら、差し水動作と給湯動作に分けて説明する。
【0028】
〈差し水動作〉
先ず、給湯器(7)のメインリモコン装置(94)や風呂リモコン装置(95)に設けられた運転スイッチ(940)(950)が操作されたか否かを示す信号が給湯器本体(70)から通信ケーブル(78)を介して給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)に送信されるのをステップ(ST1)で監視し、上記信号がユニット制御装置(11)に送信されて来るまでは、常閉電磁弁(31)を閉状態に維持する(ステップ(ST2)参照)。
【0029】
運転スイッチ(940)(950)が操作されたことがステップ(ST1)で確認されると、給湯器用湯水混合ユニット(1)に具備された水量センサ(32) が検知する混合水の流量Qが基底流量(本実施の形態では、2リットル/分)を超えたか否かがステップ(ST3)で判断される。
【0030】
この場合、浴槽(81)に差し水すべく風呂リモコン装置(95)の低温水スイッチ(953)が投入されている場合は、湯張り弁(42)が開弁することにより前記基底流量を超える水が、通水路(63)→湯張り用連結路(41)→追焚き回路(69)→浴槽(81)と繋がる経路で流れる。従って、この場合は、給湯器用湯水混合ユニット(1)の混合水回路(29)に前記基底流量を超える流量Qの混合水が流れる。そこで、該流量Qを検知する水量センサ(32)の出力に基づいてステップ(ST4)で常閉電磁弁(31)を開弁させる。尚、上記低温水スイッチ(953)が投入された場合は、給湯器(7)の給湯用ガスバーナ(66)は消火状態に維持される。
【0031】
次に、上記低温水スイッチ(953)がON操作されたか否かがステップ(ST5)で判断される。具体的には、上記低温水スイッチ(953)がON操作されたことを示す信号が通信ケーブル(78)を介してユニット制御装置(11)に送信されたか否かが判断される。そして、上記ON操作されたことがステップ(ST5)で確認されると、湯水混合器(20)で混合すべき混合水の混合目標温度MTが25℃に設定される(ステップ(ST6)参照)。
【0032】
次に、ステップ(ST7)〜(ST9)で、混合水温センサ(33)の検知温度が混合目標温度MTに一致するように湯水混合器(20)の動作が制御される。即ち、混合水温センサ(33)の検知する混合水温度が上記混合目標温度MTより低温の場合はステップ(ST7)からステップ(ST8)に進んで温水調節弁(25)や冷水調節弁(24)が開度調節され、これにより、混合水回路(29)を流れる混合水中の温水の混合割合が増加し、一方、上記混合水温度が前記が前記混合目標温度MTより高温の場合はステップ(ST7)からステップ(ST9)に進んで温水調節弁(25)や冷水調節弁(24)が開度調節されて温水の混合割合が減少する。
【0033】
これにより、湯水混合器(20)に於いて上記混合目標温度MTたる25℃に調整された低温水が連結配管(79)から給湯器(7)に供給されると共に、該低温水が、通水路(63)→湯張り用連結路(41)→追焚き回路(69)→浴槽(81)と繋がる経路で該浴槽(81)に設定量(本実施の形態では10リットルに設定されている)供給される。これにより、浴槽(81)内がぬるめられる。
【0034】
尚、本実施の形態では、太陽熱温水器(5)からの温水を給水回路(10)からの冷水に混合して得た25℃の混合水を浴槽(81)に供給しており、給水回路(10)からの冷水のみを浴槽(81)に供給しないようにしている。これは、ソーラ用給水管(55)から供給される冷水の温度が季節変化に伴って変化した場合でも、常に25℃の低温水が浴槽(81)に供給されるようにし、これにより、一回の差し水動作によって浴槽(81)内が温度低下する度合いを全季節を通じてほぼ一定にするためである。これにより、一回の差し水によって浴槽(81)内が温度低下する度合いを経験的に予測することが可能となる。又、太陽熱温水器(5)からの温水を利用することによって、太陽熱温水器(5)の熱エネルギを活用することができる効果が得られる。
次に、浴槽(81)に25℃の低温水を供給している差し水動作途中に於いて出湯蛇口(85)が開放された場合(給湯操作がされた場合)について説明する。
【0035】
差し水動作途中に出湯蛇口(85)が開放されると水量センサ(62)の検知流量が増加する。そして、該流量増加を検知する給湯器(7)の給湯用制御装置(90)は湯張り弁(42)を閉弁させて差し水動作を一時的に中断させると共に、給湯用ガスバーナ(66)を燃焼させ始める。これにより、メインリモコン装置(94)や風呂リモコン装置(95)の給湯温度設定器(941)(951)で設定された給湯設定温度の温水が給湯用熱交換器(61)部分で沸かせるように給湯用ガスバーナ(66)の燃焼量が制御される。
【0036】
一方、給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)は、ステップ(ST10)で給湯器(7)側から差し水動作の終了信号を受信しない限り、混合目標温度MTを給湯設定温度(メインリモコン装置(94)と風呂リモコン装置(95)の給湯温度設定器(941)(951)で設定した温度)に変更する為のステップ(ST11)を実行しないように構成されている。従って、差し水動作途中に出湯蛇口(85)が開放されても、湯水混合器(20)は上記25℃の低温水を給湯器(7)に供給し続けることになる。従って、給湯器用湯水混合ユニット(1)と給湯器(7)を繋ぐ連結配管(79)内には上記25℃の低温水が充満した状態に維持される。
【0037】
そして、出湯蛇口(85)が閉じられて水量センサ(62)の検知流量が「0」になると、給湯器(7)は給湯用ガスバーナ(66)を消火状態に維持したままで湯張り弁(42)を開いて差し水動作を再開させ、これにより、上記連結配管(79)に充満した25℃の低温水が浴槽(81)側に供給する。従って、連結配管(79)の長さLが大きい場合であっても、該連結配管(79)に給湯設定温度の温水が充満している場合(差し水動作の中断時に給湯設定温度の温水が湯水混合器(20)から流出する場合)に比べて浴槽(81)に低温水を迅速に供給することができる。そして、差し水動作の中断前に浴槽(81)に供給した低温水の水量と差し水動作の再開後に浴槽(81)に供給する低温水の水量の合計が一定水量(本実施の形態では10リットルに設定されている)になるまで上記湯張り弁(42)が開弁状態に維持され、その後、湯張り弁(42)が閉じられると共に差し水動作が終了したこと(10リットルの低温水を浴槽(81)に供給し終えたこと)を示す信号(差し水動作の終了信号)が給湯用制御装置(90)からユニット制御装置(11)に送信される。
【0038】
すると、給湯器用湯水混合ユニット(1)のユニット制御装置(11)は、上記差し水動作の終了信号を図2のステップ(ST10)で確認し、これにより、メインリモコン装置(94)と風呂リモコン装置(95)の給湯温度設定器(941)(951)で設定された給湯設定温度を混合目標温度MTとして記憶し直す(ステップ(ST11)参照)。その後、制御動作はステップ(ST1)に戻される。
【0039】
〈給湯動作〉
上記ステップ(ST1)に制御が戻され且つ低温水スイッチ(953)が操作されていないときに、出湯蛇口(85)の開操作された場合は、給湯器用湯水混合ユニット(1)の水量センサ(32)の検知流量Qが基底流量以上になる。又、メインリモコン装置(94)又は風呂リモコン装置(95)の湯張りスイッチ(944)(954)の投入によって給湯器(7)の湯張り弁(42)が開弁されたときも、上記水量センサ(32)の検知流量Qが基底流量以上になる。
【0040】
すると、ステップ(ST12)に於いて、メインリモコン装置(94)と風呂リモコン装置(95)の給湯温度設定器(941)(951)で設定された給湯設定温度を混合目標温度MTとして記憶する。この状態でステップ(ST7)〜(ST8)が実行され、これにより、混合目標温度MTの混合水が湯水混合器(20)から給湯器(7)に供給される。
【0041】
尚、風呂リモコン装置(95)に設けられた追焚きスイッチ(952)が投入されると、追焚き用ガスバーナ(92)が燃焼すると共に追焚きポンプ(91)が作動して浴槽(81)内の入浴水が追焚きされる。
【0042】
[その他]
▲1▼.上記実施の形態では、低温水スイッチ(953)がON操作された差し水動作時には25℃に設定された低温水を給湯器(7)から浴槽(81)に供給するようにしたが、差し水動作時には湯水混合器(20)の温水調節弁(25)を最小開度に維持する一方、冷水調節弁(24)を最大開度に維持するようにしても良い
【0043】
▲2▼.上記実施の形態では、温水供給装置として自然エネルギーを利用する太陽熱温水器(5)を採用したが、該太陽熱温水器(5)以外に、各種の廃熱を利用した種々の温水供給装置を採用することができる。
【0044】
▲3▼.上記実施の形態では、差し水動作時には浴槽(81)に10リットルの低温水が供給されるようにしたが、低温水を設定時間だけ浴槽(81)に供給するようにしてもよい。
【0045】
▲4▼.上記実施の形態では、差し水動作時に浴槽(81)へ低温水を供給するようにしたが、差し水動作時には洗濯用の低温水を洗濯機に供給してもよい。この場合は、洗濯機が低温水供給の目的場所になる。
【0046】
▲5▼.差し水動作時に湯水混合器(20)で混合すべき混合水の混合目標温度MTは、既述25℃に限定されるものではなく、30℃以下であれば良い。又、湯水混合器(20)の温水調節弁(25)を最小開度に設定すると共に冷水調節弁(24)を最大開度に設定することによって冷水回路の冷水を既述低温水として浴槽(81)に差し水してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る給湯器用湯水混合ユニット(1)を具備する給湯システムの概念図
【図2】給湯器用湯水混合ユニット(1)の動作説明図
【図3】従来例の説明図
【符号の説明】
(10)・・・給水回路
(14)・・・温水回路
(15)・・・冷水回路
(16)・・・温水配管接続口
(17)・・・給水配管接続口
(18)・・・給湯器接続口
(20)・・・湯水混合器
(29)・・・混合水回路
(56)・・・上流側温水回路
(953)・・・低温水スイッチ

Claims (2)

  1. 上流端が冷水が流れる給水回路に接続される給水配管接続口となった冷水回路と、
    上流端が温水供給装置からの温水が流れる上流側温水回路に接続される温水配管接続口となった温水回路と、
    前記冷水回路と前記温水回路の合流点からその下流側の給湯器接続口に繋がり且つ混合水温センサが設けられた混合水回路と、
    前記合流点に於ける前記冷水と温水の混合割合を調整する湯水混合器を具備し、
    前記給湯器接続口に配管接続される給湯器のガスバーナを消火させた状態で該給湯器から目的場所に低温水を供給させる際に操作する低温水スイッチがON操作されない場合は前記混合水温センサの検知温度が前記給湯器の給湯設定温度に等しくなるように前記湯水混合器が制御される一方、前記低温水スイッチがON操作された場合は前記混合水回路に前記給湯設定温度より低い低温水が供給できるように前記湯水混合器が制御される給湯器用湯水混合ユニットに於いて、
    前記低温水スイッチがON操作された後は、前記給湯器が前記低温水の供給動作を一時中断して前記給湯設定温度の温水を供給する動作を実行した場合であっても、前記目的場所に対して前記低温水を設定量又は設定時間供給し終えたことを示す信号が前記給湯器側から出力されるまで、前記混合水回路に前記低温水が供給できるように前記湯水混合器が制御される、給湯器用湯水混合ユニット。
  2. 請求項1に記載の給湯器用湯水混合ユニットに於いて、前記目的場所は、浴室の浴槽内であり、前記低温水の温度は30℃より低い設定温度である、給湯器用湯水混合ユニット。
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