JP3720704B2 - 歯車の偏心等の誤差測定方法およびその装置 - Google Patents

歯車の偏心等の誤差測定方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車列を組み込んだ機器において、歯車の製造時または機器への組立て時および稼働時に生じる歯車の偏心等の誤差を測定を可能にする方法およびその測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯車は動力を滑らかに伝達し、回転角を正確に伝える必要があるため、歯車の加工後や組立て時には歯車が正しく加工され、正しく組つけられているか測定する必要がある。歯車の誤差には大きく分けて、歯形誤差やピッチ誤差のような短周期のものと、偏心のように歯車一回転にわたって観察される長周期のものとに分けられる。歯車の精度測定方法は多種存在するが、特に後者の長周期の誤差成分の測定は、図11に示す歯溝の振れの測定法や、図12に示す両歯面かみあい精度試験機、図13に示す片面かみあい精度試験機によって行われてきた。
【0003】
図11の歯溝の振れの測定では、試験歯車(被測定歯車)のピッチ円付近に接する玉あるいはピン等の測定子を全円周にわたって、歯溝に挿入し、測定子の半径方向の位置の変動を測微器により読み取るか、あるいは自動記録する方法である。この方法により記録される歯溝の振れは、例えば図14のように表される。この図において、全測定歯数にわたる歯車一回転に1山の成分が現れている。これが歯車の偏心成分であり、歯車の誤差のうち大きな割合を占めている。
【0004】
また、図12は両歯面かみあい精度試験の原理を示している。試験歯車と高精度な模範歯車(マスタギヤ)をバックラッシュが生じないように、一方の軸をスプリング等によって常に引き寄せながらかみ合わせる。歯車に狂いがあると軸間距離が変動するのでこれを測定器により検出し、偏心量を測定する。図13は片歯面かみあい精度試験の原理を示している。試験歯車と模範歯車を基準円板を利用して所定の中心距離に保ったままかみあわせて、従動車の回転むら、即ち理想回転からの進み遅れを検出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような歯車の誤差の発生原因は、歯切り時の製作誤差や歯車取付時のアライメント誤差等の静的な要因だけでなく、歯車列運転時の負荷変動などに起因する軸や軸受のたわみなどの動的な要因も考えられる。したがって、図11のような方法によれば偏心成分を含む歯車の誤差は測定可能であるが、歯溝に測定子を挿入しなくてはならないため、歯車の回転を停止する必要がある。また自動化も可能であるが、歯車の連続回転中に測定することは不可能であり、静的な測定しか行えない。つまり機器に組み込まれた運転中の歯車列や軸受を含めた動的な誤差測定は不可能である。以上の問題点は、図11の歯溝の振れの測定方法だけでなく、ピッチ測定機などの歯車測定機においても同様である。
【0006】
また、図12のような両歯面かみあい精度試験機などでは、マスタギヤと試験歯車をバックラッシュ無しにかみ合わせるため、高速で回転させることは困難である。さらに図13のような片歯面かみあい精度試験機では、試験歯車と同軸に回転の進み遅れを測るための基準円板などを正確に取付なければならない。これは図13の基準円板を図15のようにロータリーエンコーダに置き換えた装置においても同様である。図13および図15の方法において、例えば試験歯車が偏心を持っていた場合、試験歯車が一回転した際の回転伝達誤差線図の中には、当然1山成分が現れる。この伝達誤差を周波数解析すれば、1山成分のみの大きさを見積もることは可能である。
【0007】
しかし、この方法において観察される1山成分の要因には、試験歯車がもつ偏心成分の他に、基準円盤やロータリーエンコーダを試験歯車の軸に取り付ける際のカップリングの偏心およびロータリーエンコーダ自体が器差として持つ一回転当たり1山の誤差成分が考えられる。これらはすべて試験歯車一回転につき1山成分であるため、図13および図15の方法によって得られる回転伝達誤差の1山成分から試験歯車の偏心成分のみを抽出することは原理上大変困難である。以上の問題は偏心成分だけでなく、すべてのより高次の誤差成分について同様である。つまり、図13や図15の試験歯車に取り付けられる基準円盤やロータリーエンコーダは、高精度なものを高精度に取り付ける必要がある。
【0008】
そこで本発明では、ロータリーエンコーダ等の誤差や取付偏心誤差の影響を受けずに、歯車列の高速回転時においても試験歯車のみの偏心成分等を測定可能な方法および装置を提供することにより、前述の方法の諸課題を解決することを目的としている。
本発明によると、試験歯車(被測定歯車)にかみ合わされた2個の歯車の間の回転伝達誤差を測定することで、試験歯車の比較的低次の誤差成分を抽出することができ、これによって試験歯車の偏心量を容易に測定することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した技術解決手段は、
試験歯車に二つの歯車をかみ合わせ、その歯車のうち、一方の歯車の回転を基準として他方の歯車の回転角度を測定して得られた回転伝達誤差を周波数解析することにより、試験歯車の偏心誤差を含む誤差を演算可能とすることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定方法である。
また、機器を構成する歯車列の中の一つの歯車を試験歯車とし、その試験歯車に噛み合う二つの小歯車と、各小歯車の軸に取付た回転角度検出器と、前記各回転角度検出器からの出力値にもとづいて、試験歯車の偏心誤差を含む誤差を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置である。 また、前記各小歯車の軸に取り付けた回転角度検出器がロータリーエンコーダであることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置である。
また、前記小歯車の一方の回転角度検出器をフォトセンサとし、他方の小歯車の回転角度検出器をロータリーエンコーダとし、前記フォトセンサからの信号を基準に、一方の小歯車が一定角度回転する毎の他方の小歯車の回転角度誤差をを演算することを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置である。
また、前記試験歯車と、その試験歯車に噛み合う二つの小歯車とは一直線上に配置していることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置である。
また、前記小歯車1の歯数Z1に対して試験歯車2と小歯車3の歯数Z2およびZ3を2以上の整数倍に設定しておくこと(ただしZ2≠Z3)を特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置である。
【0010】
【実施の形態】
以下、本発明の歯車偏心誤差測定方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、運転中の歯車列中の任意の被測定歯車(試験歯車)2に対して、回転角度検出器としてのロータリーエンコーダ4および5を同軸に取付けた小歯車1と小歯車3が噛み合っている様子を示す斜視図、図2は本装置のブロック図である。
本歯車偏心誤差測定装置は、図1に示すように、機器を構成する歯車列の一つの歯車を被測定歯車(試験歯車)2とし、その試験歯車2に噛み合う二つの小歯車1、3と、各小歯車1、3の軸に取付たロータリーエンコーダ4、5と、さらに図2に示すようにロータリーエンコーダ4、5からの出力をもとに歯車の偏心誤差を演算する演算手段とを備えている。前記試験歯車2とその歯車2に噛み合う二つの小歯車1、3は望ましくは一直線上になるように配置する。
【0011】
図2において、小歯車3に取り付けられたロータリーエンコーダ5はアップダウンカウンタ6に接続され、さらにアップダウンカウンタ6に内蔵のラッチ回路8は偏心誤差を演算する演算手段(パーソナルコンピュータ)9に接続されている。前記アップダウンカウンタ6内蔵のラッチ回路8は計数した値をトリガパルスのタイミングでホールドする機能を備えており、パーソナルコンピュータ9はその値を読み込み、偏心誤差を演算する。また、小歯車1に取付られたロータリーエンコーダ4は分周器7およびコンピュータ9に接続されている。
【0012】
上記装置において、試験歯車2は歯車列の一つの歯車であり、試験歯車の偏心誤差を測定する際には、試験歯車に小歯車1と小歯車3を噛み合せ、試験歯車2によって小歯車1、3を回転し、ロータリーエンコーダからの出力を基に演算手段で偏心誤差を測定する。こうして本発明の装置の設置は運転中の試験歯車にかみ合わせるのみで完了する。
【0013】
上記装置による試験歯車の偏心誤差を計測する手法について説明する。
小歯車1の回転角速度に対する小歯車3の回転角速度は、試験歯車2の歯数Z2に関わらず、Z1/Z3となる。ここでZ1は小歯車1の歯数、Z3は小歯車の歯数である。歯車1、2、3に誤差等がなければ、小歯車1に対して小歯車3は相対的にZ1/Z3の速度比で滑らかに回転することになる。しかし、実際には前述のようにさまざまな誤差があるため、小歯車1から見て相対的に小歯車3の回転角度には進み遅れが生ずる。本発明では、この小歯車1に対する小歯車3の進み遅れつまり回転伝達誤差を測定し、その誤差成分から試験歯車2のみに関する偏心を含む誤差成分を抽出する。
【0014】
先ず図2に示すように、小歯車3に取り付けられたロータリーエンコーダ5から出力される90度位相差を持つABパルスはアップダウンカウンタ6により計数され、つまり小歯車3の回転角度が測定される。また、小歯車1に取り付けられたロータリーエンコーダ4からのパルスは分周器7により適当な間隔で分周され、トリガパルスとなる。アップダウンカウンタ6内には計数した値をトリガパルスのタイミングでホールドするラッチ回路8が内蔵されており、パーソナルコンピュータ9はその値を読み込み、偏心誤差を演算する。以上の回路により、小歯車1が一定角度回転するごとの小歯車3の回転角度を、歯車列の回転を停止することなく高速で測定することができる。
【0015】
以下、具体例をもとに説明すると、たとえば、夫々の歯車の歯数をZ1=15、Z2=120、Z3=30とし、ロータリーエンコーダ4には1024パルス/回転のものを、ロータリーエンコーダ5には324,000パルス/回転のものを使用した装置では、小歯車1と小歯車3の回転角速度比は2:1となる。さらに試験歯車2が一回転するためには、小歯車1と小歯車3はそれぞれ8回転と4回転を要することになる。さらにロータリーエンコーダ4(1024パルス/回転)を分周器で1/8に分周すると、小歯車1が1回転する間にトリガパルスは128回発生する。伝達誤差がない場合、1回のトリガパルスの間に小歯車3は180°/128=1.40625°回転することになる。またロータリーエンコーダ5には一回転当たり324,000パルスの出力が得られるものを用いたので、小歯車3の回転角度測定分解能は2πrad/324,000=1.939×10-5rad=0.01939mradとなる。さらにロータリーエンコーダ4からは、一回転に1パルスのZパルスが出力されるのを利用して、このタイミングで測定を開始すれば、毎回決まった回転角度から測定を開始できる。ただしFFT(高速フーリエ変換)を用いて周波数解析を行うために、測定点数は2n 個とする必要がある。
【0016】
以上の装置により、試験歯車2が一回転する間測定した回転伝達誤差を図3に示す。縦軸は回転伝達誤差を小歯車3の回転角度にて表してある(単位:mrad)。横軸は試験歯車2の回転角度で表した(単位:°)。図から試験歯車2が一回転する間に回転伝達誤差に1山成分が現れていることがわかる。この回転伝達誤差をFFTを用いて周波数分析を行い、成分毎に振幅を表したものを図4に示す。縦軸は各山成分の振幅(単位:mrad)を、横軸は山数を表している。この図から、この回転伝達誤差は1山成分が顕著であり、他に4山成分と8山成分が観察されることがわかる。
【0017】
ここで、一般に図5のような偏心をもつ歯車列における小歯車1に対する小歯車3の回転伝達誤差Δθは幾何学的に次の式で近似できる。
【数1】
Figure 0003720704
ここで、E1、E2およびE3は各山成分の振幅、φ1、φ2およびφ3は各山成分の位相である。θ1は小歯車の回転角度、Cは定数である。また、測定中は試験歯車2が1回転、小歯車1は8回転する(θ1=8〜2πrad)ことから、上式の右辺第1項目はZ1/Z2=1/8なので1山成分、第2項目はZ1/Z3=1/2なので4山成分、第3項目は8山成分をそれぞれ表している。この回転伝達誤差の1山成分は試験歯車2の偏心に起因するものである。さらに、4山成分は小歯車3の偏心に、また、8山成分は小歯車1の偏心に起因していると考えられるが、ここで注意したいのは、図3および図4で見られる4山成分の原因は、小歯車3の偏心のみならず、小歯車3にとりつけらているロータリーエンコーダ5の取付時の偏心誤差およびロータリーエンコーダ5の誤差にも起因していること、8山成分は小歯車1の偏心だけでなく、ロータリーエンコーダ4の取付偏心誤差および器差にも起因していることである。
【0018】
以上のことから、小歯車1の歯数Z1に対して試験歯車2と小歯車3の歯数Z2およびZ3を2以上の整数倍に設定しておけば、(ただしZ2≠Z3)、小歯車1と小歯車3に関する誤差に起因する回転伝達誤差成分は試験歯車2のそれによる成分と分離されて測定できることになる。つまり、小歯車1と小歯車3に関する誤差項はすべて回転伝達誤差の高次の成分となり、試験歯車2の偏心の影響は一次の項のみに現れる。
また、1山成分の振幅E2と位相φ2はそれぞれ図10の幾何学的関係から、
【数2】
Figure 0003720704
となる。ここで、ε2は試験歯車2の偏心量、ΦSは小歯車1の測定開始位相、Φ2は試験歯車2の偏心位相であることから、FET解析により1山成分の振幅E2と位相φ2が求められれば、試験歯車2の偏心量ε2と位相Φ2は次の2式より求められる。
【数3】
Figure 0003720704
【0019】
以上のように、小歯車1に対する小歯車3の回転伝達誤差曲線が求められれば、そのFFT解析結果により求められる1山成分の振幅と位相から試験歯車2の偏心量とその位相つまり偏心している方向が求められる。以上の式は試験歯車2とそれにかみあわされる小歯車1と小歯車3が図1のように1直線上に配置された場合について表してあるが、図6に示す実施例のように、1直線上ではない配置においても本発明は有効である。しかし回転伝達誤差検出の感度は、図1のような配置のとき最大となるため、できるかぎり図1のように1直線上に配置することが望ましい。もちろん、この設置の角度誤差が測定結果に及ぼす影響は非常に小さい。さらに図7のように小歯車1と小歯車3が重なった場合は、回転伝達誤差の検出が不可能となるため、このような配置は不可となる。
【0020】
図3および図4の測定結果から、試験歯車2の偏心量ε2と位相Φ2を求めた結果、ε2=262μmおよびΦ2=−122°が得られた。この結果に基づいて試験歯車2の偏心を調整した後、再度回転伝達誤差を測定した結果を図8に、そのFFT解析結果を図9に示す。調整により、試験歯車2の偏心に起因する1山成分が著しく減少していること、その他の4山および8山成分は変化がないことがわかる。これは前述したように、4山成分は小歯車3の偏心とロータリーエンコーダ5の取付時の偏心誤差およびロータリーエンコーダ5の器差に起因するものであり、8山成分は小歯車1の偏心とロータリーエンコーダ4の取付時の偏心誤差およびロータリーエンコーダ4の器差に起因するものであるから、試験歯車2の偏心調整により減ずることはない。調整後、歯車2の偏心ε2は約10μmまで減少した。
【0021】
以上から、上記例では、小歯車1に関する誤差に起因する回転伝達誤差は8山成分以上の高次の部分に現れ、さらに小歯車3に関する誤差に起因する回転伝達誤差は4次以上の高次の部分に現れることになる。したがって、1、2、3山成分は全て試験歯車2に関する誤差に起因するものである(1山成分はもちろん試験歯車2の偏心を示している)。これを用いれば、試験歯車2の偏心だけでなく、比較的低次の試験歯車2の誤差についても測定が可能となる。つまり、試験歯車2の歯溝の振れの測定において2山または3山の誤差が観察された場合、本発明の測定においては2山および3山の回転伝達誤差として観察されることになる。したがって、本発明によれば、試験歯車2の偏心のみならず、低次の回転伝達誤差の要因となる長周期の累積ピッチ誤差等についても測定が可能となる。この場合はZ2に対してZ1およびZ3をより小さめに設定すればよい。例えば、Z2=240、Z1は15、Z3=30の場合、小歯車1と小歯車3の誤差の影響は8山成分以上に現れるから、試験歯車2に関する1〜7山成分の誤差を推定できることになる。実際の歯車のピッチ誤差は低次になればなるほど大きくなることから、1〜5山について測定が可能ならば、実用的には十分であると考えられる。
【0022】
図10は他の実施例を示している。ここでは試験歯車2に対して、小歯車1と小歯車3をかみ合わせている点および小歯車3に回転角度を測定するロータリーエンコーダ5を接続する点は図1の実施例と同様である。図10では小歯車1の一定角度毎の信号検出をロータリーエンコーダではなく、フォトセンサ(フォトインタラプタ)10などのセンサで行っている。小歯車1の歯数Z1は試験歯車2の歯数Z2に対して少ないから、試験歯車2が1回転する間に小歯車1は複数回転(Z2/Z1回転)する。例えば、Z1=15、Z2=120ならば小歯車1は8回転する。このとき、試験歯車2が1回転する間に、小歯車3の回転角度を8回測定することが可能である。この測定された角度から小歯車1に対する小歯車3の回転伝達誤差を求め、FFT解析を行えば、試験歯車2の偏心誤差等を前述と同様に求めることができる。ただし、FFTを用いて周波数解析を行うためには、測定点数は2n 個とする必要がある。以上のように、小歯車1の一定回転角度の検出はロータリーエンコーダを用いずにも適当なセンサを用いて行うことが可能である。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、演算手段としてはパーソナルコンピュータに限らず、チップ等専用の演算回路とすることも可能であり、また回転角度検出器も上記したロータリーエンコーダ、フォトセンサ等に限定することなく、磁気センサなど同様な機能を奏することができる他のセンサを利用することも可能である。本発明はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。そのため前述の実施例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。更に特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【0024】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、試験歯車に二つの小歯車をかみ合わせ、一方の小歯車の回転角度に対する他方の小歯車の回転角度を測定して得られる回転伝達誤差を周波数解析することにより、試験歯車の偏心誤差を含む低次の誤差を演算することができる。この測定は、連続回転中の歯車に対しても行うことができ、歯車の軸受や軸のたわみを含んだ回転誤差の機上計測が可能である。また、本発明では、試験歯車に対して、小歯車を2個かみ合わせるのみであるから、試験歯車に対して、一切の追加工や調整など、例えば試験歯車にロータリーエンコーダやセンサ等の特別な測定器を精密に取り付けることなどが不要である。また、二つの小歯車の誤差やロータリーエンコーダの器差および小歯車とロータリーエンコーダを接続するカップリング等の誤差は回転伝達誤差の高次の成分に影響するだけであるため、比較的低廉な低精度の歯車やロータリーエンコーダを用いた場合においても、目的とする試験歯車の偏心誤差を含む低次の誤差測定は高精度に行うことができる。等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転中の歯車列中の任意の被測定歯車(試験歯車)に対して、ロータリーエンコーダが同軸に取付られた小歯車が噛み合っている様子を示す斜視図である。
【図2】本装置のブロック図である。
【図3】偏心調整前の回転伝達誤差を示す図である。
【図4】偏心調整前の回転伝達誤差のFFT解析結果を示す図である。
【図5】偏心を持つ3歯車列の図である。
【図6】歯車が一直線上にない例を示す図である。
【図7】測定不可能な歯車の配置を説明する図である。
【図8】偏心調整後の回転伝達誤差を示す図である。
【図9】偏心調整後の回転伝達誤差のFFT解析結果を示す図である。
【図10】フォトセンサを用いた他の実施例を示す図である。
【図11】歯溝の振れ測定を説明する図である。
【図12】両歯面のかみあい精度試験機の概略構成図である。
【図13】片歯面のかみあい精度試験機の概略構成図である。
【図14】歯数16の歯溝の振れの測定結果を示す図である。
【図15】ロータリーエンコーダによる回転伝達誤差の測定図である。
【符号の説明】
1 小歯車
2 被測定歯車(試験歯車)
3 小歯車
4、5 回転角度検出器
6 アップダウンカウンタ
7 分周器
8 ラッチ回路
9 演算手段(パーソナルコンピュータ)
10 フォトセンサ

Claims (6)

  1. 試験歯車に二つの歯車をかみ合わせ、その歯車のうち、一方の歯車の回転を基準として他方の歯車の回転角度を測定して得られた回転伝達誤差を周波数解析することにより、試験歯車の偏心誤差を含む誤差を演算可能とすることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定方法。
  2. 機器を構成する歯車列の中の一つの歯車を試験歯車とし、その試験歯車に噛み合う二つの小歯車と、各小歯車の軸に取付た回転角度検出器と、前記各回転角度検出器からの出力値にもとづいて、試験歯車の偏心誤差を含む誤差を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする歯車の偏心等の誤差測定装置。
  3. 前記各小歯車の軸に取り付けた回転角度検出器がロータリーエンコーダであることを特徴とする請求項2に記載の歯車の偏心等の誤差測定装置。
  4. 前記小歯車の一方の回転角度検出器をフォトセンサとし、他方の小歯車の回転角度検出器をロータリーエンコーダとし、前記フォトセンサからの信号を基準に、一方の小歯車が一定角度回転する毎の他方の小歯車の回転角度誤差をを演算することを特徴とする請求項2に記載の歯車の偏心等の誤差測定装置。
  5. 前記試験歯車と、その試験歯車に噛み合う二つの小歯車とは一直線上に配置していることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の歯車の偏心等の誤差測定装置。
  6. 前記小歯車1の歯数Z1に対して試験歯車2と小歯車3の歯数Z2およびZ3を2以上の整数倍に設定しておくこと(ただしZ2≠Z3)を特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の歯車の偏心等の誤差測定装置。
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