JP3720038B2 - 半導体リレー装置 - Google Patents

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Description

この発明は電子化された半導体リレー装置に係り、特に接点用の出力トランジスタとしてMOSトランジスタを使用した半導体リレー装置に関する。
電子化された半導体リレー装置は、機械的なスイッチが使用されていないので、ノイズの発生が少ない、寿命が長い、動作速度が速い等の利点を有する。
図6は、従来の半導体リレー装置の一例を示している。この半導体リレー装置は、発光素子(発光ダイオード)11、発光素子11に流れる電流を制限する電流制限用の抵抗12、直列接続された複数個のフォトダイオードからなる受光素子13、受光素子13の両端間に発生する光起電力によって導通制御される接点用の出力トランジスタ14、及び出力トランジスタ14が非導通とされる際に出力トランジスタ14のゲートに蓄積された電荷を排出する放電用の抵抗15とから構成されている。
抵抗12の一端及び発光素子11のカソードは入力端子16、17にそれぞれ接続されている。入力端子17はトリガ端子として使用される。
出力トランジスタ14は、それぞれゲート同士、ソース同士が接続され、ゲート共通接続ノード及びソース共通接続ノードが受光素子13のアノード及びカソードにそれぞれ接続された一対のNチャネルのMOSトランジスタ18、19で構成されており、一対のMOSトランジスタ18、19の各ドレインが出力端子(接点端子)20、21に接続されている。
このような構成の半導体リレー装置において、入力端子16に直流電圧を供給し、トリガ端子となる入力端子17に低レベルの電圧を供給すると、電流が流れて発光素子11が発光する。そして、この光が受光素子13に照射されると、受光素子13のアノード、カソード間に光起電力が発生し、出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19のゲート・ソース間に印加される。これにより、出力トランジスタ14が導通し、出力端子20、21相互間がクローズ状態となる。この状態はリレーオン状態と称される。
一方、入力端子17に高レベルの電圧を供給すると、発光素子11は消灯し、受光素子13のアノード、カソード間には光起電力が発生しなくなる。これにより、出力トランジスタ14が非導通となり、出力端子20、21相互間が高インピーダンス状態となってオープン状態となる。この状態はリレーオフ状態と称される。
ところで、出力トランジスタ14によってオン/オフ制御する信号が高周波領域になると、リレーオフ状態のときでも出力端子20、21相互間の容量を介して信号が漏れる。この漏れはアイソレーションと称される。また、出力端子20、21相互間の容量はオフ容量と称され、このオフ容量が小さな程、リレー装置の高周波特性が良いことになる。半導体リレー装置は、機械的なスイッチと比べてオフ容量が大きく、低減化に対する市場要求が強くある。
上記オフ容量を低減化する一般的な方法として、図6中に示す出力トランジスタ14を複数組設けて出力端子20、21間に直列に接続する方法がある。図7は2組の出力トランジスタ14を設けた場合であり、この2組の出力トランジスタ14を制御するための発光素子11及び受光素子13も2組設けられる。2組の発光素子11は入力端子16、17間に直列に接続されている。しかし、このように複数組の出力トランジスタ14を直列に接続すると、出力端子20、21間のオン抵抗が増大する。
オン抵抗とは、リレーオン状態における出力端子20、21間の抵抗であり、オン抵抗の値が増えると直流電流の通過特性に悪影響が出てくる。
また、オン抵抗を低減化する方法として、複数組の出力トランジスタを並列接続する方法があるが、この場合にはオフ容量が増加してしまう。
リレー装置は、オフ容量とオン抵抗のどちらも小さいことが望ましく、その積(CR積)で性能の良し悪しが決まる。しかし、上述したように、従来ではオン抵抗を増大させることなくオフ容量を低減することはできない。
なお、出力トランジスタとしてMOSトランジスタを使用した半導体リレー装置については、例えば特許文献1に記載されている。
特開平7−154225号公報
従来の半導体リレー装置では、オン抵抗を増大させることなくオフ容量を低減することはできないという問題がある。
この発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、オン抵抗を増大させることなくオフ容量を低減することができる半導体リレー装置を提供することである。
この発明の半導体リレー装置は、入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、ドレインが第1、第2の出力端子にそれぞれ接続され、ソースが共通に接続され、このソース共通接続ノードが上記第1の受光素子のカソードに共通に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに共通に接続された第1、第2のMOSトランジスタと、上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、カソードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのドレインに接続された第1のダイオードと、アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続された第2のダイオードとを具備したことを特徴する。
この発明の半導体リレー装置は、入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、ドレインが第1、第2の出力端子にそれぞれ接続され、ソースが共通に接続され、このソース共通接続ノードが上記第1の受光素子のカソードに共通に接続された第1、第2のMOSトランジスタと、アノードが上記第1の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのゲートに接続された第1のダイオードと、アノードが上記第1の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのゲートに接続された第2のダイオードと、エミッタ、コレクタが相対応して上記第1のMOSトランジスタのゲート、ソースに接続され、ベースが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のバイポーラトランジスタと、エミッタ、コレクタが相対応して上記第2のMOSトランジスタのゲート、ソースに接続され、ベースが上記第1の受光素子のアノードに接続され、上記第1のバイポーラトランジスタと同一極性の第2のバイポーラトランジスタと、上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、カソードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのドレインに接続された第3のダイオードと、アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続された第4のダイオードとを具備したことを特徴する。
この発明の半導体リレー装置は、入力信号に応じて発光する第1、第2の発光素子と、上記第1、第2の発光素子からの光信号が照射されることでそれぞれアノード、カソード間に光起電力を発生する第1、第2の受光素子と、ドレインが第1の出力端子に接続され、ソースが上記第1の受光素子のカソードに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のMOSトランジスタと、ソースが上記第1のMOSトランジスタのソースに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第2のMOSトランジスタと、ドレインが第2の出力端子に接続され、ソースが上記第2の受光素子のカソードに接続され、ゲートが上記第2の受光素子のアノードに接続された第3のMOSトランジスタと、ソースが上記第3のMOSトランジスタのソースに接続され、ドレインが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記第2の受光素子のアノードに接続された第4のMOSトランジスタと、動作電圧が供給されて発光する第3の発光素子と、アノードが上記第2及び第4のMOSトランジスタのドレイン共通接続ノードに接続され、上記第3の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第3の受光素子と、アノードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、カソードが上記第3の受光素子のカソードに接続された第1のダイオードと、アノードが上記第3及び第4のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、カソードが上記第3の受光素子のカソードに接続された第2のダイオードとを具備したことを特徴する。
この発明の半導体リレー装置は、入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、ドレインが第1の出力端子に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のMOSトランジスタと、ソースが上記第1のMOSトランジスタのソースに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第2のMOSトランジスタと、ドレインが第2の出力端子に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第3のMOSトランジスタと、ソースが上記第3のMOSトランジスタのソースに接続され、ドレインが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第4のMOSトランジスタと、上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、カソードが上記第1の受光素子のカソードに接続され、アノードが上記第2及び第4のMOSトランジスタのドレイン共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、アノードが上記第2のMOSトランジスタのソースに接続され、カソードが上記第2の受光素子のカソードに接続された第1のダイオードと、アノードが上記第4のMOSトランジスタのソースに接続され、カソードが上記第2の受光素子のカソードに接続された第2のダイオードとを具備したことを特徴する。
この発明の半導体リレー装置では、出力トランジスタがオン状態からオフ状態へ移行する際に、出力トランジスタのバックゲートとドレインとの間のPN接合に対して逆バイアス電圧を印加することで、オン抵抗を増大させることなく出力端子間のオフ容量を低減することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る半導体リレー装置の構成を示す回路図である。この実施の形態の半導体リレー装置は、図6に示す従来の半導体リレー装置に対して、出力トランジスタがオン状態からオフ状態へ移行する際に、出力トランジスタのバックゲートとドレインとの間のPN接合に対して逆方向のバイアス電圧を印加して、出力端子間のオフ容量を低減するための回路が新たに追加されている。従って、図6の従来の半導体リレー装置と対応する箇所には同じ符号を付して説明を行う。
入力端子16、17相互間には、電流制限用の抵抗12及び発光素子(発光ダイオード)11のアノード、カソード間が直列に接続されている。
出力トランジスタ14は、ドレインが出力端子20に接続されたNチャネルのMOSトランジスタ18と、ソースがこのMOSトランジスタ18のソースと共通に接続され、ドレインが出力端子21に接続されたNチャネルのMOSトランジスタ19とから構成されている。上記両MOSトランジスタ18、19のゲートは共通に接続されている。また、上記両MOSトランジスタ18、19の各ソースはそれぞれのバックゲートに接続されており、両MOSトランジスタ18、19のバックゲートとドレインとの間にはバックゲート側がアノードとなるようなPN接合が生じている。
受光素子13は、上記発光素子11からの光信号が照射されるように配置されており、アノードは出力トランジスタ14のゲート、つまりMOSトランジスタ18、19のゲート共通接続ノードに接続され、カソードはMOSトランジスタ18、19のソース共通接続ノードに接続されている。また、受光素子13のアノード、カソード間に対して、出力トランジスタ14が非導通とされる際に出力トランジスタ14のゲートに蓄積された電荷を排出する放電用の抵抗15が並列に接続されている。
出力端子20、21間のオフ容量を低減するために新たに追加された回路は、発光素子(発光ダイオード)22と、電流制限用の抵抗23と、スイッチ用のNチャネルのMOSトランジスタ24と、直列接続された複数個のフォトダイオードからなる受光素子25と、2個のダイオード26、27とを含む。
上記抵抗23の一端は入力端子16に接続され、この抵抗23の他端には上記発光素子22のアノードが接続されている。上記スイッチ用のMOSトランジスタ24のドレイン、ソース間は、上記発光素子22のカソードと接地電位のノードとの間に挿入されており、このMOSトランジスタ24のゲートは入力端子17に接続されている。
上記受光素子25は、上記発光素子22からの光信号が照射されるように配置されており、カソードは上記MOSトランジスタ18、19のソース共通接続ノードに接続されている。上記ダイオード26のアノードは上記受光素子25のアノードに接続され、カソードは上記MOSトランジスタ18のドレインに接続されている。また、上記ダイオード27のアノードは上記受光素子25のアノードに接続され、カソードは上記トランジスタ19のドレインに接続されている。
このような構成の半導体リレー装置において、入力端子16に直流動作電圧を供給し、トリガ端子となる入力端子17に低レベルの電圧を供給すると、電流が流れて発光素子11が発光する。この光が受光素子13に照射されると、受光素子13のアノード、カソード間に光起電力が発生する。そして、この光起電力が出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19の各ゲート・ソース間に印加されると、出力トランジスタ14が導通し、リレーオン状態となる。このとき、MOSトランジスタ24は非導通となっているので、発光素子22には電流は流れない。
次に、入力端子17に高レベルの電圧を供給とすると、発光素子11は消灯し、受光素子13のアノード、カソード間には光起電力が発生しなくなる。これにより、出力トランジスタ14は導通状態から非導通状態に移行し、出力端子20、21相互間が高インピーダンス状態となって、リレーオフ状態となる。
入力端子17に高レベルの電圧が供給されているときは、MOSトランジスタ24が導通し、電流が流れて発光素子22が発光する。この光が受光素子25に照射され、アノード、カソード間に光起電力が発生すると、ダイオード26、27を介して、出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19のバックゲート・ドレイン間のPN接合に逆方向バイアス電圧が印加される。上記一対のMOSトランジスタ18、19のバックゲート・ドレイン間には、上記PN接合による寄生容量が存在しているが、上記PN接合に対し逆方向のバイアス電圧が印加されることにより、PN接合面の空乏層領域が広げられ、上記寄生容量が減少する。これにより、出力端子20、21間のオフ容量の値が低減され、アイソレーションを抑制することができる。
このように、上記第1の実施の形態の半導体リレー装置によれば、オフ容量を低減することができる。しかも、出力トランジスタを複数個直列に接続する必要がないので、オン抵抗も増大しない。
なお、上記実施の形態では発光素子11、22に流れる電流を制限するために抵抗12、23を用い、かつ出力トランジスタ14が非導通とされる際に出力トランジスタ14のゲートに蓄積された電荷を排出するために放電用の抵抗15を用いる場合を説明したが、これは、それぞれ抵抗の代わりに定電流ダイオードやジャンクションFETを抵抗として用いるようにしてもよい。
図2は、この発明の第2の実施の形態に係る半導体リレー装置の構成を示す回路図である。上記第1の実施の形態に係る半導体リレー装置では、出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19のゲートを共通に接続して受光素子13のアノードに接続する場合を説明した。
これに対し、図2の半導体リレー装置では、受光素子13のアノードと一対の一方のMOSトランジスタ18のゲートとの間にダイオード28のアノード、カソード間を挿入し、かつ受光素子13のアノードと一対の他方のMOSトランジスタ19のゲートとの間にダイオード29のアノード、カソード間を挿入して、一対のMOSトランジスタ18、19のゲートを分離するようにしたものである。
図2の半導体リレー装置では、ダイオード28、29のPN接合により、MOSトランジスタ18、19のゲート、ドレイン間の寄生容量が分離されるので、出力端子20、21間のオフ容量をより低減することができる。
なお、図2の半導体リレー装置では、受光素子13のアノードとMOSトランジスタ18、19の各ゲートとの間にダイオード28、29を接続したので、出力トランジスタ14が導通状態から非導通状態に移行する際に、MOSトランジスタ18、19の各ゲートに蓄積された電荷が抜け難くなり、出力トランジスタ14の非導通が遅れる場合が生じる。
このような場合には、図示するように、電荷排出用の一対のPNP型のバイポーラトランジスタ30及び31を設けるようにしてもよい。一方のバイポーラトランジスタ30のエミッタ、コレクタは相対応してMOSトランジスタ18のゲート、ソースに接続され、ベースは受光素子13のアノードに接続されている。同様に、他方のバイポーラトランジスタ31のエミッタ、コレクタは相対応してMOSトランジスタ19のゲート、ソースに接続され、ベースは受光素子13のアノードに接続されている。
上記MOSトランジスタ18、19が導通状態のとき、各ゲートには正極性の電圧が印加されており、各ゲートには正極性の電荷が蓄積されている。MOSトランジスタ18、19を非導通状態に移行させるとき、各バイポーラトランジスタ30、31のベース電位がエミッタ電位よりも低くなり、各バイポーラトランジスタ30、31が導通して、各ゲートに蓄積されていた正極性の電荷が各バイポーラトランジスタ30、31のエミッタ、コレクタ間を介して排出される。これにより、出力トランジスタ14の非導通が遅れることを防止することができる。
図3は、この発明の第3の実施の形態に係る半導体リレー装置の構成を示す回路図である。この実施の形態に係る半導体リレー装置は、図7に示す従来の半導体リレー装置に対してこの発明を実施したものである。従って、図7と対応する箇所には同じ符号を付してその説明は省略し、図7と異なる箇所のみを以下に説明する。
図3の半導体リレー装置では、出力端子20、21間のオフ容量を低減するために、発光素子(発光ダイオード)22と、電流制限用の抵抗23と、直列接続された複数個のフォトダイオードからなる受光素子25と、2個のダイオード26、27とを含む回路が新たに追加されている。
抵抗23の一端は入力端子16に接続され、この抵抗23の他端には発光素子22のアノードが接続されている。この場合、発光素子22のカソードは接地電位のノードに接続されており、発光素子22は入力端子16に動作電圧が供給されると発光する。
受光素子25は、発光素子22からの光信号が照射されるように配置されており、受光素子25のアノードは2組の出力トランジスタ14内の各一方のMOSトランジスタ19のドレイン共通接続ノードに接続されている。そして、ダイオード26、27の各アノードは2組の出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19の各ソース共通接続ノードに接続され、各カソードは受光素子25のカソードに共通に接続されている。
図3の半導体リレー装置において、入力端子16に直流動作電圧が供給されると発光素子22が発光する。従って、直流動作電圧が供給されている期間中は、受光素子25のアノード、カソード間に光起電力が発生し、ダイオード26、27を介して、2組の出力トランジスタ14内の各一対のMOSトランジスタ18、19のうち一方のMOSトランジスタ19のバックゲート・ドレイン間のPN接合に逆方向バイアス電圧が印加される。
従って、この実施の形態の半導体リレー装置では、2組の出力トランジスタ14内のそれぞれ一方のMOSトランジスタ19による寄生容量が減少するので、出力端子20、21間のオフ容量をそれ程犠牲にせずにオン抵抗を増大させることができる。
図4は、この発明の第4の実施の形態に係る半導体リレー装置の構成を示す回路図である。図3に示す半導体リレー装置では、2組の出力トランジスタ14を導通制御するために発光素子11及び受光素子13を2組設けている。さらに、制御入力端子16に直流動作電圧が供給されている期間中は、受光素子25のアノード、カソード間に光起電力が発生するので、リレーオン状態のときに出力端子20、21間に不要な電圧が印加されることになる。
そこで、図4に示す半導体リレー装置では、2組の出力トランジスタ14を共通の発光素子11及び受光素子13により導通制御することで回路構成の簡略化を図り、かつ出力端子20、21間のオフ容量を低減するための回路によって、リレーオン状態のときに出力端子20、21間に不要な電圧が印加されることを防ぐようにしたものである。
図4において、入力端子16、17相互間には、電流制限用の抵抗12及び発光素子(発光ダイオード)11のアノード、カソード間が直列に接続されている。
2組の出力トランジスタ14は、ドレインが出力端子20または21に接続されたNチャネルのMOSトランジスタ18と、ソースがMOSトランジスタ18のソースと共通に接続されたNチャネルのMOSトランジスタ19とからそれぞれ構成されている。そして、2組の出力トランジスタ14のMOSトランジスタ19のドレイン同士が共通に接続されることにより、2組の出力トランジスタ14が出力端子20、21間に直列に接続されている。
受光素子13は、発光素子11からの光信号が照射されるように配置されており、アノードは2組の出力トランジスタ14の各ゲート、つまりMOSトランジスタ18、19のゲート共通接続ノードに接続されている。また、2組の出力トランジスタ14が非導通とされる際に各出力トランジスタ14のゲートに蓄積された電荷を排出するための放電用の抵抗として、本例では受光素子13のアノードと2組の出力トランジスタ14のMOSトランジスタ18、19の各ソース共通接続ノードとの間に接続された2個の抵抗15が用いられている。
出力端子20、21間のオフ容量を低減するための回路は、発光素子(発光ダイオード)22と、電流制限用の抵抗23と、スイッチ用のNチャネルのMOSトランジスタ24と、直列接続された複数個のフォトダイオードからなる受光素子25と、2個のダイオード26、27とを含む。
抵抗23の一端は入力端子16に接続され、この抵抗23の他端には発光素子22のアノードが接続されている。スイッチ用のMOSトランジスタ24のドレイン、ソース間は、発光素子22のカソードと接地電位のノードとの間に挿入されており、このMOSトランジスタ24のゲートは入力端子17に接続されている。
受光素子25は、発光素子22からの光信号が照射されるように配置されており、アノードは2組の出力トランジスタの直列接続ノードに接続され、カソードは受光素子13のカソードに共通に接続されている。そして、ダイオード26、27の各カソードは受光素子25のカソードに共通に接続され、各アノードは2組の出力トランジスタ14のMOSトランジスタ18、19の各ソース共通接続ノードに接続されている。
このような構成の半導体リレー装置において、入力端子16に直流動作電圧を供給し、トリガ端子となる入力端子17に低レベルの電圧を供給すると、電流が流れて発光素子11が発光する。この光が受光素子13に照射されると、受光素子13のアノード、カソード間に光起電力が発生する。そして、この光起電力がダイオード26、27それぞれを介して2組の出力トランジスタ14内の一対のMOSトランジスタ18、19の各ゲート・ソース間に印加されると、2組の出力トランジスタ14が導通し、リレーオン状態となる。このとき、MOSトランジスタ24は非導通となっているので、発光素子22には電流は流れない。
次に、入力端子17に高レベルの電圧を供給とすると、発光素子11は消灯し、受光素子13のアノード、カソード間には光起電力が発生しなくなる。これにより、2組の出力トランジスタ14は導通状態から非導通状態に移行し、出力端子20、21相互間が高インピーダンス状態となって、リレーオフ状態となる。
入力端子17に高レベルの電圧が供給されているときは、MOSトランジスタ24が導通し、電流が流れて発光素子22が発光する。この光が受光素子25に照射され、アノード、カソード間に光起電力が発生すると、ダイオード26、27それぞれを介して、2組の出力トランジスタ14内の各MOSトランジスタ19のバックゲート・ドレイン間のPN接合に対し逆方向にバイアス電圧が印加される。上記各MOSトランジスタ19のバックゲート・ドレイン間には、上記PN接合による寄生容量が存在しているが、上記PN接合に逆方向バイアス電圧が印加されることにより、PN接合面の空乏層領域が広げられ、上記寄生容量が減少する。これにより、出力端子20、21間のオフ容量の値が低減される。
また、発光素子22はMOSトランジスタ24によってスイッチ制御され、発光素子11が発光してリレーオン状態になっているときに発光素子22は消灯しているので、リレーオン状態のときに出力端子20、21間に不要な電圧が印加されることを防ぐことができる。
このように、上記第4の実施の形態の半導体リレー装置によれば、図3に示した第3の実施の形態の半導体リレー装置と同様の効果が得られる上に、2組の出力トランジスタ14の導通制御を行うための回路を構成する発光素子11及び受光素子13をそれぞれ1個設ければよいため、図3の場合と比べて回路構成を簡略化を図ることができる。さらに、リレーオン状態のときに出力端子20、21間に不要な電圧が印加されることを防ぐことができる。
図5は、図1に示す第1の実施の形態の半導体リレー装置におけるアイソレーション特性を、図6に示す従来回路の場合と比較して示したものである。なお、図5において、縦軸はリレーオフ状態のときに出力端子20、21間の漏れ電圧の大きさ(dB)を示し、横軸は出力端子20、21間に印加される信号の周波数(MHz)を示している。
出力端子20、21間のオフ容量を測定したところ、図6に示す従来回路では375.4pFであったものが、第1の実施の形態では123.1pFに低減できた。つまり、オフ容量は従来の32.8%に低減されている。オフ容量の低減に伴ってアイソレーション特性も改善されている。すなわち、図5中の特性Aは第1の実施の形態のものであり、特性Bは従来回路のものである。両特性において漏れ電圧が−20(dB)の点の周波数を比較すると、図6に示す従来回路による特性Bの場合には約0.47(MHz)であったのに対し、第1の実施の形態による特性Aでは約1.3(MHz)となり、アイソレーション特性は2.8倍に改善された。
また、それぞれ2組の出力トランジスタを設けた図3に示す第3の実施の形態の半導体リレー装置と、図7に示す従来回路における出力端子20、21間のオフ容量を測定したところ、図7に示す従来回路では229.3pFであったものが、第3の実施の形態では100.8pFに低減できた。つまり、オフ容量は従来の43.9%に低減されている。オフ容量の低減に伴って、漏れ電圧が−20(dB)の点の周波数は、図7に示す従来回路の場合が約0.69(MHz)であったのに対し、第3の実施の形態の場合には約2.02(MHz)となり、アイソレーション特性は2.9倍に改善された。
なお、この発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、上記各実施の形態では発光素子11、22としてそれぞれ発光ダイオードを1個のみ設ける場合について説明したが、これは直列接続された複数個の発光ダイオードからなる発光素子を用いるようにしてもよい。
なお、各実施形態において、発光素子11、22を除き、受光素子13、25、抵抗12、15、23、ダイオード26、27、出力トランジスタ14、及びMOSトランジスタ24は1チップに集積化されていてもよい。
この発明の第1の実施の形態の半導体リレー装置の回路図。 この発明の第2の実施の形態の半導体リレー装置の回路図。 この発明の第3の実施の形態の半導体リレー装置の回路図。 この発明の第4の実施の形態の半導体リレー装置の回路図。 第1の実施の形態の半導体リレー装置のアイソレーション特性を従来と比較して示す特性図。 従来の半導体リレー装置の回路図。 図6とは異なる従来の半導体リレー装置の回路図。
符号の説明
11…発光素子、12…抵抗、13…受光素子、14…出力トランジスタ、15…抵抗、16、17…入力端子、18、19…NチャネルのMOSトランジスタ、20、21…出力端子、22…発光素子、23…抵抗、24…NチャネルのMOSトランジスタ、25…受光素子、26、27、28、29…ダイオード、30、31…PNP型のバイポーラトランジスタ。

Claims (4)

  1. 入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、
    上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、
    ドレインが第1、第2の出力端子にそれぞれ接続され、ソースが共通に接続され、このソース共通接続ノードが上記第1の受光素子のカソードに共通に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに共通に接続された第1、第2のMOSトランジスタと、
    上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、
    カソードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、
    アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのドレインに接続された第1のダイオードと、
    アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続された第2のダイオード
    とを具備したことを特徴する半導体リレー装置。
  2. 入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、
    上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、
    ドレインが第1、第2の出力端子にそれぞれ接続され、ソースが共通に接続され、このソース共通接続ノードが上記第1の受光素子のカソードに共通に接続された第1、第2のMOSトランジスタと、
    アノードが上記第1の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのゲートに接続された第1のダイオードと、
    アノードが上記第1の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのゲートに接続された第2のダイオードと、
    エミッタ、コレクタが相対応して上記第1のMOSトランジスタのゲート、ソースに接続され、ベースが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のバイポーラトランジスタと、
    エミッタ、コレクタが相対応して上記第2のMOSトランジスタのゲート、ソースに接続され、ベースが上記第1の受光素子のアノードに接続され、上記第1のバイポーラトランジスタと同一極性の第2のバイポーラトランジスタと、
    上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、
    カソードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、
    アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第1のMOSトランジスタのドレインに接続された第3のダイオードと、
    アノードが上記第2の受光素子のアノードに接続され、カソードが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続された第4のダイオード
    とを具備したことを特徴する半導体リレー装置。
  3. 入力信号に応じて発光する第1、第2の発光素子と、
    上記第1、第2の発光素子からの光信号が照射されることでそれぞれアノード、カソード間に光起電力を発生する第1、第2の受光素子と、
    ドレインが第1の出力端子に接続され、ソースが上記第1の受光素子のカソードに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のMOSトランジスタと、
    ソースが上記第1のMOSトランジスタのソースに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第2のMOSトランジスタと、
    ドレインが第2の出力端子に接続され、ソースが上記第2の受光素子のカソードに接続され、ゲートが上記第2の受光素子のアノードに接続された第3のMOSトランジスタと、
    ソースが上記第3のMOSトランジスタのソースに接続され、ドレインが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記第2の受光素子のアノードに接続された第4のMOSトランジスタと、
    動作電圧が供給されて発光する第3の発光素子と、
    アノードが上記第2及び第4のMOSトランジスタのドレイン共通接続ノードに接続され、上記第3の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第3の受光素子と、
    アノードが上記第1及び第2のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、カソードが上記第3の受光素子のカソードに接続された第1のダイオードと、
    アノードが上記第3及び第4のMOSトランジスタのソース共通接続ノードに接続され、カソードが上記第3の受光素子のカソードに接続された第2のダイオード
    とを具備したことを特徴する半導体リレー装置。
  4. 入力信号に応じて発光する第1の発光素子と、
    上記第1の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第1の受光素子と、
    ドレインが第1の出力端子に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第1のMOSトランジスタと、
    ソースが上記第1のMOSトランジスタのソースに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第2のMOSトランジスタと、
    ドレインが第2の出力端子に接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第3のMOSトランジスタと、
    ソースが上記第3のMOSトランジスタのソースに接続され、ドレインが上記第2のMOSトランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記第1の受光素子のアノードに接続された第4のMOSトランジスタと、
    上記入力信号に応じて上記第1の発光素子が発光する期間とは異なる期間に発光する第2の発光素子と、
    カソードが上記第1の受光素子のカソードに接続され、アノードが上記第2及び第4のMOSトランジスタのドレイン共通接続ノードに接続され、上記第2の発光素子からの光信号が照射されることでアノード、カソード間に光起電力を発生する第2の受光素子と、
    アノードが上記第2のMOSトランジスタのソースに接続され、カソードが上記第2の受光素子のカソードに接続された第1のダイオードと、
    アノードが上記第4のMOSトランジスタのソースに接続され、カソードが上記第2の受光素子のカソードに接続された第2のダイオード
    とを具備したことを特徴する半導体リレー装置。
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