JP3720032B2 - 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ - Google Patents

高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ Download PDF

Info

Publication number
JP3720032B2
JP3720032B2 JP2003142918A JP2003142918A JP3720032B2 JP 3720032 B2 JP3720032 B2 JP 3720032B2 JP 2003142918 A JP2003142918 A JP 2003142918A JP 2003142918 A JP2003142918 A JP 2003142918A JP 3720032 B2 JP3720032 B2 JP 3720032B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
chamber
fastener
oxygen supply
supply device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003142918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004275706A (ja
Inventor
健志 里見
昭彦 石原
Original Assignee
株式会社アプティック
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アプティック filed Critical 株式会社アプティック
Priority to JP2003142918A priority Critical patent/JP3720032B2/ja
Priority to CN 200420059104 priority patent/CN2719277Y/zh
Publication of JP2004275706A publication Critical patent/JP2004275706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3720032B2 publication Critical patent/JP3720032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Accommodation For Nursing Or Treatment Tables (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者を収容するチャンバと、加圧ポンプによりチャンバ内に空気を送り込んでチャンバ内を加圧するための加圧機構を備えた高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
密閉されたチャンバ内に患者を収容し、加圧ポンプからチャンバ内に空気を送り込んでチャンバの内圧を周辺圧力よりも大きくすることにより酸素濃度を上昇させて、チャンバ内の患者に周辺圧力環境下での酸素吸入量よりも多量の酸素を取り込ませる高気圧式酸素供給装置がある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
高気圧式酸素供給装置に収容された患者においては、高濃度の酸素環境下に暴露されることによって体内の酸素濃度が上昇する。体内に取り込まれた酸素は、ヘモグロビンと結合する酸素と血液や体液(リンパ液など)に溶け込む酸素に分かれる。体内の酸素濃度の上昇にともない、血液や体液に溶け込む酸素が増大する。これらの酸素は、末梢の毛細血管内を容易に通過して細胞に酸素を運搬できる。体内の隅々まで酸素を供給するためには、血液や体液に溶け込む酸素が重要となる。
【0004】
高気圧式酸素供給装置によれば、患者の体内に十分な酸素を隅々まで供給することによって速やかな疲労回復を期待できる。また、末梢の血液循環が改善するので、血流阻害が生じた部分の代謝活動が活発になり、冷え性を防いだり、血行障害による痛みをやわらげたり、障害の速やかな回復を期待できる。
【0005】
高気圧式酸素供給装置は、例えば肉体労働者、スポーツ選手、喫煙家、液体窒素、ドライアイスや塗料を使用する仕事に従事する者、汚染された大気中で仕事に従事する者、高所(低酸素環境)や密閉された場所で仕事に従事する者、高齢者などを対象に使用され、また、怪我をしたときや肉体疲労後の使用に適する。また、高山病や一酸化炭素中毒の治療にも適する。すなわち、不足した酸素を速やかに補給したり、活動する毛細血管を増やしたり、血液量を増大する必要がある者に効果的である。また、美容や健康に関する分野での活用も考えられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−103765号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高気圧式酸素供給装置に用いられる、可撓性で非通気性の材料で形成されているチャンバ及びそれを用いた高気圧式酸素供給装置において、チャンバの気密性を向上させることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の高気圧式酸素供給装置は、患者を収容するチャンバと、加圧ポンプにより上記チャンバ内に空気を送り込んでチャンバ内を加圧するための加圧機構を備えた高気圧式酸素供給装置であって、上記チャンバは、可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りする部分が2重構造になっており、上記2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、上記外側の面に第1ファスナーを備え、上記内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えているものである。
本発明のチャンバは、可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りす る部分が2重構造になっており、上記2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、上記外側の面に第1ファスナーを備え、上記内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えている。
【0009】
チャンバとして可撓性で非通気性の材料で形成されているものを用いる場合、チャンバの気密性を得るべく、患者が出入りする部分に気密ファスナーを用いることが考えられる。しかし、チャンバ内を加圧した際に、気密ファスナーを広げる方向(ファスナーが取り付けられている面内でファスナーの長さ方向に直交する方向)に引っ張られて気密性が低下し、チャンバ内を目的の圧力に加圧できないことがあった。
本発明の高気圧式酸素供給装置及びチャンバによれば、2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されているので、チャンバ内を加圧した際に、内側の面は外側の面に押し付けられ、第2ファスナーを広げる方向には力は働かないので、チャンバ内加圧時における第2ファスナーの気密性機能の低下を防止することができ、チャンバの気密性を向上させることができる。
さらに、チャンバは可撓性で非通気性の材料で形成されているので、チャンバを折り畳んだり丸めたりして小さくすることができ、持ち運び可能にすることができる。
【0010】
本発明の高圧式酸素供給装置が対象とする患者は、人間のみならず、他の哺乳動物も含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の高気圧式酸素供給装置において、上記加圧機構は、上記加圧ポンプから上記チャンバ内に供給する空気流量を制御することにより、上記チャンバの内圧を第1圧力と、上記第1圧力とは異なる第2圧力に交互に切り替える圧力切替え機構を備えているようにしてもよい。
この態様によれば、チャンバ内を加圧状態にすることによって周辺圧力環境下での酸素吸入量よりも多量の酸素を患者に取り込ませることに加えて、圧力切替え機構によりチャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えることにより、チャンバ内に収容された患者に、もみ効果を与えることができ、疲労回復、血流促進などの効果を向上させることができる。
さらに、上記第1圧力及び上記第2圧力は、ともに周辺圧力よりも大きい圧力であることが好ましい。その結果、チャンバ内を連続して加圧状態にすることができ、患者に連続して多量の酸素を取り込ませることができる。ただし、本発明において、第1圧力及び第2圧力は、ともに周辺圧力よりも大きい圧力に限定されるものではなく、第1圧力及び第2圧力の一方が周辺圧力と同じ大きさの圧力、他方が周辺圧力よりも大きい圧力であってもよい。
【0012】
上記チャンバ内に送り込む気体の一例として、空気よりも酸素濃度が高い気体を挙げることができる。これにより、患者により多くの酸素を取り込ませることができる。
【0013】
上記圧力切替え機構の一例として、上記加圧ポンプと上記チャンバの間の流路に並列に設けられた、上記第1圧力に設定するための第1圧力用流路及び上記第2圧力に設定するための第2圧力用流路と、上記第1圧力用流路に設けられた第1開閉バルブと、上記第2圧力用流路に設けられた第2開閉バルブと、上記第1開閉バルブ及び上記第2開閉バルブの開閉を制御して上記加圧ポンプから上記チャンバ内に供給する加圧空気流量を制御することにより上記チャンバの内圧を上記第1圧力と上記第2圧力に交互に切り替える制御部とを備えているものを挙げることができる。
この態様によれば、制御部によって第1開閉バルブ及び第2開閉バルブの開閉を制御することにより、チャンバの内圧を上記第1圧力と上記第2圧力に自動で交互に切り替えることができる。ただし、圧力切替え機構はこの態様に限定されるものではない。
【0014】
上記加圧源として加圧ポンプを備え、上記圧力切替え機構は上記加圧ポンプの駆動を制御するための制御部を備え、上記制御部による上記加圧ポンプの駆動制御によって上記チャンバの内圧を第1圧力と上記第2圧力に交互に切り替える例を挙げることができる。
この態様によれば、簡単な構成でチャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に自動で交互に切り替えることができる。
【0015】
【0016】
【0017】
本発明の高気圧式酸素供給装置及びチャンバにおいて、上記第1ファスナーは外側と内側の両面に引手を備えていることが好ましい。その結果、第1ファスナーを1本のみ備えている場合であっても、第1ファスナーをチャンバの内側からでも外側からでも開閉することができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば2重構造の外側の面に2本の第1ファスナーを設け、一方の第1ファスナーは外側に引手を備え、他方の第1ファスナーは内側に引手を備えているようにして、チャンバの内側からでも外側からでも第1ファスナーの開閉をすることができるようにしてもよい。
【0018】
さらに、上記2重構造の上記内側の面に2本の上記第2ファスナーを備え、一方の第2ファスナーは外側に引手を備え、他方の第2ファスナーは内側に引手を備えていることが好ましい。その結果、第2ファスナーをチャンバの内側からでも外側からでも開閉することができる。
【0019】
本発明の高気圧式酸素供給装置において、上記加圧機構は、上記チャンバ内へ供給する空気にマイナスイオンを注入するためのイオン発生器を備えていることが好ましい。これにより、チャンバ内に収容された患者に対して、多量の酸素を取り込ませるのと同時に、マイナスイオンを供給することができる。
【0020】
また、マイナスイオンを発生するためのイオン発生器を上記チャンバ内に備えているようにしてもよい。これにより、チャンバ内に収容された患者に対して、多量の酸素を取り込ませるのと同時に、マイナスイオンを供給することができる。
【0021】
上記チャンバには、上記チャンバの内圧を上記第1圧力又は上記第2圧力に維持した状態で、上記チャンバ内の空気を置換するための置換用排気口が設けられていることが好ましい。これにより、加圧状態時において、患者に新鮮な空気を供給することができる。
【0022】
【実施例】
図1は高気圧式酸素供給装置の参考例を示す概略構成図である。
患者を収容するチャンバ1が設けられている。チャンバ1は可撓性で非通気性の材料により形成されている。チャンバ1には、チャンバ1内に空気を供給するための空気供給口3、チャンバ1内の空気を置換するための置換用排気口5、及びチャンバ1内の空気を排気するための排気口7が設けられている。チャンバ1の構造の詳細については後述する。
【0023】
チャンバ1に、チャンバ1内を加圧するための加圧機構9が接続されている。加圧機構9には加圧ポンプ11が設けられている。加圧ポンプ11から送られる空気の流路に粉塵除去用の除塵フィルタ13が設けられている。除塵フィルタ13よりも下流側の流路は分岐点15で第1圧力用流路17と第2圧力用流路19に分岐されている。除塵フィルタ13と分岐点15の間の流路に、マイナスイオンを発生するイオン発生器21につながる流路が合流されている。
【0024】
第1圧力用流路17はチャンバ1内を第1圧力、例えば141.8kPa(キロパスカル)程度(1.4気圧程度)に加圧する際に用いられる流路である。第1圧力用流路17には上流側から第1調圧弁23と第1開閉バルブ25が設けられている。
【0025】
第2圧力用流路19はチャンバ1内を第2圧力、例えば121.6kPa程度(1.2気圧程度)に加圧する際に用いられる流路である。第2圧力用流路19には上流側から第2調圧弁27と第2開閉バルブ29が設けられている。
【0026】
第1圧力用流路17及び第2圧力用流路19の下流側は合流点31で合流されている。
合流点31の下流側はチャンバ1の空気供給口3に接続されている。合流点31と空気供給口3の間の流路には、チャンバ1内の圧力を測定するための圧力計33につながる流路が接続されている。
チャンバ1の排出口7には開閉バルブからなる排気用バルブ35が設けられている。
【0027】
加圧機構9には、加圧ポンプ11、イオン発生器21、第1開閉バルブ25、第2開閉バルブ29及び排気用バルブ35の動作を制御するための制御部37が設けられている。制御部37には圧力計33も電気的に接続されている。
【0028】
この参考例において、分岐点15、第1圧力用流路17、第2圧力用流路19、第1調圧弁23、第1開閉バルブ25、第2調圧弁27、第2開閉バルブ29及び合流点31は圧力切替え機構を構成する。
【0029】
図2はチャンバ1の構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
チャンバ1は可撓性で非通気性の材料、例えばEVA樹脂(Ethylene Vinylacetate copolymer)により形成されている。チャンバ1の上面1a側に、患者39が出入りするためのファスナー41が設けられている。ファスナー41としてはチャンバ1の空気漏れを防ぐために気密ファスナーが用いられている。
【0030】
チャンバ1の上面1aには、チャンバ1内に仰向けに収容された患者39の頭部位置に対応して透明スクリーン43も設けられている。透明スクリーン43はチャンバ1内に収容された患者39が感じる圧迫感を少なくすることができる。
【0031】
チャンバ1の底面1b側には、チャンバ1の内壁1cと外壁と間に平面状の床板45を収納するための床板収納部が設けられている。床板収納部は袋状に形成されており、床板収納部には4枚の床板45がファスナー47を介して取出し可能に設置される。床板収納部に床板45が設置されることにより、チャンバ1の底面1b側が平坦になってチャンバ1が安定し、チャンバ1の転倒を防止する。
【0032】
チャンバ1は、患者39の頭部側から脚部側へ向かって断面積が小さくなる略円錐形状をしている。これにより、略円筒形状に比べて、チャンバ1の内容量を小さくすることができ、加圧時間の短縮化、加圧ポンプの小型化、重量の軽量化を図ることができる。ただし、チャンバ1は略円筒形状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0033】
チャンバ1の内部に、例えばアルミパイプからなる2本の本体フレーム49,49が取外し可能に配置されている。本体フレーム49は患者39の頭部の近辺にアーチ状に設置され、チャンバ1の形状を保持している。本体フレーム49の材料は、アルミニウムの他、例えばカーボンファイバー、ステンレス、スチールなど、他の材料であってもよい。また、本体フレーム49の表面はプラスチック皮膜で覆われていてもよい。
【0034】
患者39の頭部側に対応するチャンバ1の端面1dに空気供給口3が設けられている。端面1dには、チャンバ1内で使用される機器、例えばオーディオ等に電源を供給するための電源ソケット取り付け口50も設けられている。電源ソケット取り付け口50はチャンバ1の気密性を保持できるように形成されている。
【0035】
患者39の脚部側に対応するチャンバ1の端面1eに置換用排気口5が設けられている。端面1eには、チャンバ1の内圧が所定値よりも大きくなったときにチャンバ1の内圧を自動で降下させる安全弁51も設けられている。さらに、端面1eには、排気口7も設けられている。
【0036】
チャンバ1は、可撓性の材料により形成されているので、床板45を床板収納部から取り出し、本体フレーム49を取り外すことにより、図3(A)に示すように折り畳んだ状態にすることができ、チャンバ1の容積を小さくすることができる。折り畳んだチャンバ1と4枚の床板45((B)参照)をバッグ48に収納することにより((C)参照)、チャンバ1の持ち運びが容易になる。また、バッグ48はチャンバ1及び床板45の保管用にも使用される。
この参考例ではチャンバ1を折り畳んで容積を小さくしているが、チャンバを丸めるなど、他の方法によりチャンバ1の容積を小さくしてもよい。
【0037】
図4は、この参考例の使用時におけるタイムチャートを示す。
チャンバ1に患者39が収納され、ファスナー41が閉じられる。
制御部37により第1開閉バルブ25を開き、第2開閉バルブ29を閉じ、加圧ポンプ11を駆動させる。さらに、イオン発生器21を駆動させる。このとき、排気用バルブ35は閉じている。加圧ポンプ11からの空気は除塵フィルタ13で除塵された後、分岐点15から第1圧力用流路17に導かれる。空気には、除塵フィルタ13と分岐点15の間でイオン発生器21からのマイナスイオンが注入される。
【0038】
第1圧力用流路17に導かれた空気は第1調圧弁23、第1開閉バルブ25、合流点31及び空気供給口3を介してチャンバ1内に導入される。チャンバ1内は徐々に加圧され、第1調圧弁23により設定された第1圧力、例えば141.8kPa程度に加圧される。このとき、置換用排気口5からチャンバ1内の空気が少量排気され、チャンバ1内の空気が置換されるようになっている。チャンバ1内の圧力は圧力計33により監視されている。
【0039】
チャンバ1内に収容された患者39はチャンバ1内が加圧されることによってより多くの酸素を体内に取り込む。また、患者39にはイオン発生器21から供給されたマイナスイオンが供給される。患者39の体内に十分な酸素を隅々まで供給することによって速やかな疲労回復を期待できる。また、末梢の血液循環が改善するので、血流阻害が生じた部分の代謝活動が活発になり、冷え性を防いだり、血行障害による痛みをやわらげたり、障害の速やかな回復を期待できる。
【0040】
所定時間、例えば10分間経過後、制御部37の制御により、第1開閉バルブ25が閉じられて第1圧力用流路17が遮断され、第2開閉バルブ29が開かれて第2圧力用流路19が連通される。これにより、加圧ポンプ11から分岐点15に到達した空気は第2圧力用流路19に導かれ、第2調圧弁27、第2開閉バルブ29、合流点31及び空気供給口3を介してチャンバ1内に導入される。チャンバ1内に導入される空気流量は第2調圧弁27により制御され、第2調圧弁27により設定された第2圧力、例えば121.6kPa程度に降下する。第2圧力状態でも、チャンバ1の内圧はチャンバ1外部の周辺圧力よりも大きいので、チャンバ1内に収容された患者39は周辺圧力環境下にいるときよりもより多くの酸素を体内に取り込む。
【0041】
所定時間、例えば10分間経過後、制御部37の制御により、第2開閉バルブ29が閉じられて第2圧力用流路19が遮断され、第1開閉バルブ25が開かれて第1圧力用流路17が連通され、チャンバ1内は例えば141.8kPa程度に再度加圧される。
【0042】
このように、チャンバ1の内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えることにより、チャンバ1内に収容された患者39に、もみ効果を与えることができ、疲労回復、血流促進などの効果を向上させることができる。
【0043】
この参考例では、10分間の第1圧力状態、10分間の第2圧力状態を1セットとし、2セット(40分間)だけチャンバ1内を加圧状態にする。
チャンバ1の加圧開始から40分間経過後、制御部37により、加圧ポンプ11及びイオン発生器21を停止させ、排気用バルブ35を開いてチャンバ1内の空気を排出する。排気用バルブ35はチャンバ1の内圧が周辺圧力と同じになるまで開いている。
【0044】
この参考例では、イオン発生器21を加圧機構9に備えているが、例えばイオン発生器21をチャンバ1内に配置してもよい。
また、この参考例では、チャンバ1内に供給する気体として空気を用いているが、チャンバ1内に供給する気体としては、例えば空気よりも酸素濃度が高い気体など、他の気体であってもよい。
また、この参考例では加圧源として加圧ポンプ11を用いているが、加圧源は、例えばコンプレッサやボンベガスなど、チャンバ1内を加圧できるものであればよい。
【0045】
図5は高気圧式酸素供給装置の一実施例を示す概略構成図である。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
患者を収容するチャンバ53が設けられている。チャンバ53は可撓性で非通気性の材料により形成されている。チャンバ53には、空気供給口3、置換用排気口5及び排気口7が設けられている。チャンバ53の構造の詳細については後述する。
【0046】
チャンバ53に、チャンバ53内を加圧するための加圧機構61が接続されている。加圧機構61には加圧ポンプ11が設けられている。加圧ポンプ11から送られる空気の流路に粉塵除去用の除塵フィルタ13が設けられている。除塵フィルタ13の下流側はチャンバ53の空気供給口3に接続されている。
【0047】
除塵フィルタ13と空気供給口3の間の流路に、酸素を発生する酸素発生器63につながる流路と、チャンバ53内の圧力を測定するための圧力計33につながる流路が接続されている。
チャンバ53の排出口7には排気用バルブ35が設けられている。
【0048】
加圧機構61には、加圧ポンプ11、排気用バルブ35及び酸素発生器63の動作を制御するための制御部65が設けられている。制御部65には圧力計33も電気的に接続されている。
チャンバ53内に、マイナスイオンを発生するイオン発生器21が配置されている。制御部65はイオン発生器21の動作も制御する。
この実施例において、加圧ポンプ11及び制御部65は圧力切替え機構を構成する。
【0049】
図6は本発明のチャンバの一実施例としてのチャンバ53の構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。図7は、チャンバ53の2重構造及びファスナーの配置を説明するための概略断面図であり、(A)はチャンバ内を加圧していない状態、(B)はチャンバ内を加圧した状態を示す。
【0050】
チャンバ53は可撓性で非通気性の材料、例えばEVA樹脂により形成されている。チャンバ53の上面は、外側の面53aと内側の面53bからなる2重構造になっている。外側の面53a及び内側の面53bに、患者39が出入りするためのファスナーが設けられている。この実施例では、外側の面53aと内側の面53bは、ともにEVA樹脂により形成されている。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、外側の面53aと内側の面53bは異なる材料により形成されていてもよい。
【0051】
外側の面53aには、1本のファスナー(第1ファスナー)55が設けられている。ファスナー55の例として、引張り強度が高いファスナー、例えば8CWT(ワイケイケイ株式会社の製品)を挙げることができる。図7に示すように、ファスナー55のスライダー55aには外側と内側の両方に引手55bが設けられている。これにより、チャンバ53の外側からでも内側からでもファスナー55の開閉を行なうことができるようになっている。なお、第1ファスナーは8CWTに限定されるものではなく、チャンバ53内の加圧に耐え得る引張り強度をもつ他のファスナーであってもよい。
【0052】
内側の面53bには、気密性が高い2本の気密ファスナー(第2ファスナー)57,59が設けられている。気密ファスナー57,59の例として、例えば4TZN(ワイケイケイ株式会社の製品)を挙げることができる。図7に示すように、気密ファスナー57のスライダー57aには外側に引手57bが設けられており、気密ファスナー59のスライダー59aには内側に引手59bが設けられている。これにより、チャンバ53の外側からでも内側からでも気密ファスナー57又は59の開閉を行なうことができるようになっている。なお、第2ファスナーは4TZNに限定されるものではなく、他の気密ファスナーであってもよい。
【0053】
2重構造の内側の面53bは外側の面53aよりも大きい面積で形成されている。
図7(A)に示すように、チャンバ53内が加圧されていない状態では、外側の面53a及び内側の面53bは撓んだ状態になっている。
図7(B)に示すように、チャンバ53内が加圧されると(矢印参照)、内側の面53bがチャンバ53の内圧によって外側の面53aに押し付けられる。内側の面53bは外側の面53aよりも大きい面積で形成されているので、内側の面53bの一部分に皺がよるが、気密ファスナー57,59を広げる方向には力は働かないので、気密ファスナー57,59の気密性機能の低下を防止してチャンバ53の気密性を向上させることができる。
【0054】
図6に戻ってチャンバ53の説明を続ける。ファスナー55及び気密ファスナー57,59は、患者39の頭部近傍に対応する位置から爪先近傍に対応する位置に渡って設けられている。これにより、患者39がチャンバ53に出入りするのが容易になる。特に、患者39の頭部近傍に対応する位置にファスナー55及び気密ファスナー57,59が設けられていることにより、患者39の出入りが容易になる。
【0055】
チャンバ53の両側面53c,53cには、チャンバ53内に収容された患者39の頭部位置に対応して透明スクリーン43がそれぞれ設けられている。患者39の頭部側のチャンバ53の端面53dにも透明スクリーン43が設けられている。透明スクリーン43はチャンバ53内に収容された患者39が感じる圧迫感を少なくする。
【0056】
チャンバ53の底面53e側には、図2に示したチャンバと同様に、チャンバ53の内壁53fと外壁と間に平面状の床板45を取出し可能に収納するための床板収納部が設けられており、床板収納部に床板45が設置されることにより、チャンバ53の底面53e側が平坦になってチャンバ53が安定し、チャンバ53の転倒を防止する。
【0057】
チャンバ53は、図2に示したチャンバと同様に、患者39の頭部側から脚部側へ向かって断面積が小さくなる略円錐形状をしている。これにより、略円筒形状に比べてチャンバ53の内容量を小さくすることができ、加圧時間の短縮化、加圧ポンプの小型化、重量の軽量化を図ることができる。ただし、チャンバ53は略円筒形状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0058】
チャンバ53の内部に、本体フレーム49が取外し可能に配置されている。
チャンバ53の端面53dに空気供給口3と電源ソケット取り付け口50が設けられている。
患者39の脚部側に対応するチャンバ53の端面53gに置換用排気口5、排気口7及び安全弁51が設けられている。
【0059】
チャンバ53は、可撓性の材料により形成されているので、図2に示したチャンバと同様に、折り畳んだ状態や丸めた状態にすることができ、チャンバ53の容積を小さくすることができる。
チャンバ53は、図2に示したチャンバと同様に、容積を小さくした状態で、図3に示したバッグ48などに収納することができる。
【0060】
図8は、この実施例の使用時におけるタイムチャートを示す。
チャンバ53に患者39が収納され、ファスナー55及び気密ファスナー57,59が閉じられる。
制御部65により、第1気圧に対応する高駆動状態で加圧ポンプ11を駆動させる(オン(高)参照)。さらに、イオン発生器21と酸素発生器63を駆動させる。このとき、排気用バルブ35は閉じている。加圧ポンプ11からの空気は除塵フィルタ13で除塵された後、空気供給口3を介してチャンバ53に導かれる。空気には、除塵フィルタ13と空気供給口3の間の流路で酸素発生器63からの酸素が注入される。
【0061】
チャンバ53内は徐々に加圧され、第1圧力、例えば141.8kPa程度に加圧される。このとき、置換用排気口5からチャンバ53内の空気が少量排気され、チャンバ53内の空気が置換されるようになっている。チャンバ53内の圧力は圧力計33により監視されている。
【0062】
チャンバ53内に収容された患者39はチャンバ53内が加圧されることによってより多くの酸素を体内に取り込む。さらに、チャンバ53内に供給される空気には酸素発生器63からの酸素が混合され、チャンバ53内の酸素濃度は例えば30%程度になっているので、患者39が酸素を体内に取り込む効率を向上させることができる。
また、患者39にはチャンバ53内に配置されたイオン発生器21から供給されたマイナスイオンが供給される。患者39の体内に十分な酸素を隅々まで供給することによって速やかな疲労回復を期待できる。また、末梢の血液循環が改善するので、血流阻害が生じた部分の代謝活動が活発になり、冷え性を防いだり、血行障害による痛みをやわらげたり、障害の速やかな回復を期待できる。
【0063】
所定時間、例えば10分間経過後、制御部65の制御により、加圧ポンプ11の駆動が第2気圧に対応する低駆動状態に設定される(オン(低)参照)。これにより、チャンバ53の内圧は第2圧力、例えば121.6kPa程度に降下する。第2圧力状態でも、チャンバ53の内圧はチャンバ53外部の周辺圧力よりも大きく、さらに、チャンバ53に供給される空気には酸素発生器63からの酸素が混合され、チャンバ53内の酸素濃度は例えば25%程度になっているので、チャンバ53内に収容された患者39は周辺圧力環境下にいるときよりもより多くの酸素を体内に取り込む。
【0064】
所定時間、例えば10分間経過後、制御部65の制御により、加圧ポンプ11の駆動が第1気圧に対応する高駆動状態に設定され、チャンバ53内は例えば141.8kPa程度に再度加圧される。
このように、チャンバ53の内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えることにより、チャンバ53内に収容された患者39に、もみ効果を与えることができ、疲労回復、血流促進などの効果を向上させることができる。
さらに、加圧ポンプ11の駆動制御により、チャンバ53の内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えるので、複雑な流路構成を必要とすることなく、チャンバ53の内圧を制御することができる。
【0065】
この実施例では、10分間の第1圧力状態、10分間の第2圧力状態を1セットとし、2セット(40分間)だけチャンバ53内を加圧状態にする。
チャンバ53の加圧開始から40分間経過後、制御部65により、加圧ポンプ11、イオン発生器21及び酸素発生器63を停止させ、排気用バルブ35を開いてチャンバ53内の空気を排出する。排気用バルブ35はチャンバ53の内圧が周辺圧力と同じになるまで開いている。
【0066】
この実施例では、チャンバ53内に配置したイオン発生器21を制御部65により制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、患者39などによる手動でイオン発生器21の制御を行なってもよい。
また、この実施例では、酸素発生器63からの酸素をフィルタ13と空気供給口3の間の流路に注入しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば加圧ポンプ11とフィルタ13の間の流路など、チャンバ53内に供給する空気に酸素を混合できる構成であればどのような構成であってもよい。
【0067】
また、酸素供給源は酸素発生器63に限定されるものではなく、例えば酸素ボンベなど、他の酸素供給源であってもよい。
また、チャンバ53内に供給する気体は空気に酸素を混合した気体に限定されるものではなく、例えば空気であってもよい。また、例えばヘリウムガスなどの空気以外の気体に酸素を混合した気体であってもよい。
【0068】
また、チャンバ53内の酸素濃度は上記実施例で例示した25%や30%に限定されるものではなく、高気圧式酸素供給装置の使用の目的に応じて酸素濃度を変更することができる。例えば一酸化中毒の患者や潜水病の患者など、高濃度の酸素を必要とする患者を対象とする場合は、チャンバ53内に供給する気体として、純酸素ガスや酸素濃度が90%以上の気体などを用いるようにしてもよい。
【0069】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、上記実施例及び参考例では10分間の第1圧力状態、10分間の第2圧力状態を1セットとし、2セット(40分間)だけチャンバ1,53内を加圧状態にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1圧力状態及び第2圧力状態の各時間、切替え時期、並びに合計の加圧状態時間は任意に選択することができる。
【0071】
また、第1圧力及び第2圧力の数値は一例であり、それぞれ任意の値に設定することができる。第1圧力又は第2圧力の一方が周辺圧力と同じで大きさの圧力であってもよい。
【0072】
また、図1に示した参考例においてチャンバ1に替えて図6に示したチャンバ53を用いたものも実施例として含まれる。
【0073】
また、図2に示したチャンバ1において、チャンバ1の上面1aから透明スクリーン43をなくし、ファスナー41を患者39の頭部近傍に対応する位置まで延伸して設けて、チャンバ1への患者39の出入りを容易にするようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施例では、チャンバ53の材料としてEVA樹脂を用いているが、チャンバの材料としては、可撓性で非通気性の他の材料、例えばウレタン、ナイロン、塩化ビニルなどを用いることもできる。
【0075】
また、加圧機構の構成は上記実施例及び参考例に限定されるものではなく、加圧ポンプなどの加圧源からチャンバ内に供給する空気流量を制御することにより、チャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替える圧力切替え機構を備えている構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0076】
また、チャンバ内の温度を調節するための温度調節機構を備えるようにしてもよい。温度調節機構としては、例えばチャンバ内に導入する空気を冷却するための冷却コイルを備えたものを挙げることができる。
【0077】
【発明の効果】
請求項1に記載された高気圧式酸素供給装置では、チャンバとして、可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りする部分が2重構造になっており、2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、外側の面に第1ファスナーを備え、内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えているものを用いるようにしたので、チャンバ内加圧時における第2ファスナーの気密性機能の低下を防止することができ、チャンバの気密性を向上させることができる。さらに、チャンバは可撓性で非通気性の材料で形成されているので、チャンバを折り畳んだり丸めたりして小さくすることができ、持ち運び可能にすることができる。
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、加圧ポンプによりチャンバ内に空気を送り込んでチャンバ内を加圧するための加圧機構は、加圧ポンプからチャンバ内に供給する空気流量を制御することにより、チャンバの内圧を第1圧力と、第1圧力とは異なる第2圧力に交互に切り替える圧力切替え機構を備えているようにしたので、チャンバ内を加圧状態にすることによって周辺圧力環境下での酸素吸入量よりも多量の酸素を患者に取り込ませることに加えて、圧力切替え機構によりチャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えることにより、チャンバ内に収容された患者に、もみ効果を与えることができ、疲労回復、血流促進などの効果を向上させることができる。
【0078】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、第1圧力及び第2圧力は、ともに周辺圧力よりも大きい圧力であるようにしたので、チャンバ内を連続して加圧状態にすることができ、患者に連続して多量の酸素を取り込ませることができる。
【0079】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、チャンバ内に送り込む気体として、空気よりも酸素濃度が高い気体を用いるようにしたので、患者により多くの酸素を取り込ませることができる。
【0080】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、圧力切替え機構は、加圧源とチャンバの間の流路に並列に設けられた、第1圧力に設定するための第1圧力用流路及び第2圧力に設定するための第2圧力用流路と、第1圧力用流路に設けられた第1開閉バルブと、第2圧力用流路に設けられた第2開閉バルブと、第1開閉バルブ及び第2開閉バルブの開閉を制御する制御部とを備えているようにしたので、制御部によって第1開閉バルブ及び第2開閉バルブの開閉を制御して、加圧ポンプからチャンバ内に供給する加圧空気流量を制御することにより、チャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に自動で交互に切り替えることができる。
【0081】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、加圧源として加圧ポンプを備え、圧力切替え機構は加圧ポンプの駆動を制御するための制御部を備え、制御部による加圧ポンプの駆動制御によってチャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に交互に切り替えるようにしたので、簡単な構成でチャンバの内圧を第1圧力と第2圧力に自動で交互に切り替えることができる。
【0082】
【0083】
請求項12に記載されたチャンバでは、可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りする部分が2重構造になっており、2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、外側の面に第1ファスナーを備え、内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えているようにしたので、チャンバ内加圧時における第2ファスナーの気密性機能の低下を防止することができ、チャンバの気密性を向上させることができる。
【0084】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置及び請求項13に記載されたチャンバでは、請求項1から6に記載された高気圧式酸素供給装置及び請求項12に記載されたチャンバにおいて、第1ファスナーは外側と内側の両面に引手を備えているようにしたので、第1ファスナーをチャンバの内側からでも外側からでも開閉することができる。
【0085】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置及び請求項14に記載されたチャンバでは、請求項1から7に記載された高気圧式酸素供給装置並びに請求項12及び13に記載されたチャンバにおいて、2重構造の内側の面に2本の第2ファスナーを備え、一方の第2ファスナーは外側に引手を備え、他方の第2ファスナーは内側に引手を備えているようにしたので、第2ファスナーをチャンバの内側からでも外側からでも開閉することができる。
【0086】
請求項に記載された高気圧式酸素供給装置では、加圧機構は、チャンバ内へ供給する空気にマイナスイオンを注入するためのイオン発生器を備えているようにしたので、チャンバ内に収容された患者に対して、多量の酸素を取り込ませるのと同時に、マイナスイオンを供給することができる。
【0087】
請求項10に記載された高気圧式酸素供給装置では、マイナスイオンを発生するためのイオン発生器をチャンバ内に備えているようにしたので、チャンバ内に収容された患者に対して、多量の酸素を取り込ませるのと同時に、マイナスイオンを供給することができる。
【0088】
請求項11に記載された高気圧式酸素供給装置では、チャンバには、チャンバの内圧を第1圧力又は第2圧力に維持した状態で、チャンバ内の空気を置換するための置換用排気口が設けられているようにしたので、加圧状態時において、患者に新鮮な空気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高気圧式酸素供給装置の参考例を示す概略構成図である。
【図2】 同参考例で用いられるチャンバの構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
【図3】 (A)は折り畳んだ状態のチャンバ、(B)は床板、(C)はチャンバ及び床板を収納するバッグをそれぞれ示す斜視図である。
【図4】 同参考例の使用時のタイムチャートである。
【図5】 高気圧式酸素供給装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図6】 同実施例で用いられるチャンバの構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
【図7】 同実施例で用いられるチャンバの2重構造及びファスナーの配置を説明するための概略断面図であり、(A)はチャンバ内を加圧していない状態、(B)はチャンバ内を加圧した状態を示す。
【図8】 同実施例の使用時のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 チャンバ
1a チャンバの上面
1b チャンバの底面
1c チャンバの内壁
1d,1e チャンバの端面
3 空気供給口
5 置換用排気口
7 排気口
9 加圧機構
11 加圧ポンプ
13 除塵フィルタ
15 分岐点
17 第1圧力用流路
19 第2圧力用流路
21 イオン発生器
23 第1調圧弁
25 第1開閉バルブ
27 第2調圧弁
29 第2開閉バルブ
31 合流点
33 圧力計
35 排気用バルブ
37 制御部
39 患者
41 ファスナー
43 透明スクリーン
45 床板
48 バッグ
49 本体フレーム
50 電源ソケット取り付け口
51 安全弁
53 チャンバ
53a チャンバの2重構造の外側の面
53b チャンバの2重構造の内側の面
53c チャンバの側面
53d,53g チャンバの端面
53e チャンバの底面
53f チャンバの内壁
55 ファスナー
57,59 気密ファスナー
61 加圧機構
63 酸素発生器
65 制御部

Claims (14)

  1. 患者を収容するチャンバと、加圧源から前記チャンバ内に気体を送り込んでチャンバ内を加圧するための加圧機構を備えた高気圧式酸素供給装置において、
    前記チャンバは、可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りする部分が2重構造になっており、前記2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、前記外側の面に第1ファスナーを備え、前記内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えていることを特徴とする高気圧式酸素供給装置。
  2. 前記加圧機構は、前記加圧源から前記チャンバ内に供給する気体流量を制御することにより、前記チャンバの内圧を第1圧力と、前記第1圧力とは異なる第2圧力に交互に切り替える圧力切替え機構を備えている請求項1に記載の高気圧式酸素供給装置。
  3. 前記第1圧力及び前記第2圧力は、ともに周辺圧力よりも大きい圧力である請求項に記載の高気圧式酸素供給装置。
  4. 前記チャンバ内に送り込む気体は空気よりも酸素濃度が高い気体である請求項又はに記載の高気圧式酸素供給装置。
  5. 前記圧力切替え機構は、前記加圧源と前記チャンバの間の流路に並列に設けられた、前記第1圧力に設定するための第1圧力用流路及び前記第2圧力に設定するための第2圧力用流路と、前記第1圧力用流路に設けられた第1開閉バルブと、前記第2圧力用流路に設けられた第2開閉バルブと、前記第1開閉バルブ及び前記第2開閉バルブの開閉を制御する制御部とを備えている請求項又はに記載の高気圧式酸素供給装置。
  6. 前記加圧源として加圧ポンプを備え、前記圧力切替え機構は前記加圧ポンプの駆動を制御するための制御部を備え、前記制御部による前記加圧ポンプの駆動制御によって前記チャンバの内圧を前記第1圧力と前記第2圧力に交互に切り替える請求項又はに記載の高気圧式酸素供給装置。
  7. 前記第1ファスナーは外側と内側の両面に引手を備えている請求項1から6のいずれかに記載の高気圧式酸素供給装置。
  8. 前記2重構造の前記内側の面に2本の前記第2ファスナーを備え、一方の第2ファスナーは外側に引手を備え、他方の第2ファスナーは内側に引手を備えている請求項1から7のいずれかに記載の高気圧式酸素供給装置。
  9. 前記加圧機構は、前記チャンバ内へ供給する気体にマイナスイオンを注入するためのイオン発生器を備えている請求項1からのいずれかに記載の高気圧式酸素供給装置。
  10. マイナスイオンを発生するためのイオン発生器を前記チャンバ内に備えている請求項1からのいずれかに記載の高気圧式酸素供給装置。
  11. 前記チャンバには、前記チャンバの内圧を前記第1圧力又は前記第2圧力に維持した状態で、前記チャンバ内の空気を置換するための置換用排気口が設けられている請求項1から10のいずれかに記載の高気圧式酸素供給装置。
  12. 高気圧式酸素供給装置に用いられる、患者を収容するためのチャンバにおいて、
    可撓性で非通気性の材料で形成され、少なくとも患者が出入りする部分が2重構造になっており、前記2重構造の内側の面は外側の面よりも大きい面積で形成されており、前記外側の面に第1ファスナーを備え、前記内側の面に気密ファスナーからなる第2ファスナーを備えていることを特徴とするチャンバ。
  13. 前記第1ファスナーは外側と内側の両面に引手を備えている請求項12に記載のチャンバ。
  14. 前記2重構造の前記内側の面に2本の前記第2ファスナーを備え、一方の第2ファスナーは外側に引手を備え、他方の第2ファスナーは内側に引手を備えている請求項12又は13に記載のチャンバ。
JP2003142918A 2003-01-21 2003-05-21 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ Expired - Fee Related JP3720032B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003142918A JP3720032B2 (ja) 2003-01-21 2003-05-21 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ
CN 200420059104 CN2719277Y (zh) 2003-05-21 2004-05-21 携带式压力可调型高压氧舱

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003012060 2003-01-21
JP2003142918A JP3720032B2 (ja) 2003-01-21 2003-05-21 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004275706A JP2004275706A (ja) 2004-10-07
JP3720032B2 true JP3720032B2 (ja) 2005-11-24

Family

ID=33301492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003142918A Expired - Fee Related JP3720032B2 (ja) 2003-01-21 2003-05-21 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3720032B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075409A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Heathcoat Clearway Kk 室内環境改善方法

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4099764B2 (ja) * 2003-05-21 2008-06-11 英雅 山本 重症急性呼吸器症候群患者治療用具
JP2006158593A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Healthtec Inc 酸素供給装置
JP2006223536A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Achilles Corp 可搬型エアチャンバ用エアフレーム
JP2006288275A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Nakata Coating Co Ltd 動物用酸素保持容器
JP4553367B2 (ja) * 2005-03-31 2010-09-29 株式会社仲田コーティング 酸素保持容器
WO2008152723A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Healthtec Co., Ltd. 酸素供給装置
US10780241B2 (en) 2008-08-21 2020-09-22 Vero Biotech LLC Devices and methods for minimizing and treating high-altitude sickness
US10960168B2 (en) 2008-08-21 2021-03-30 Vero Biotech LLC Delivery of high concentration nitric oxide
JP5431884B2 (ja) * 2009-11-18 2014-03-05 株式会社フューテック 高気圧保持装置
EP2520271A1 (en) * 2009-12-28 2012-11-07 Shoichi Nakamura Oxygen bath system
EP2520272A1 (en) 2009-12-28 2012-11-07 Shoichi Nakamura Oxygen bath system
JP5769158B2 (ja) * 2014-01-28 2015-08-26 株式会社M2プランニング 圧力調整ルーム
CN104825299B (zh) * 2015-05-27 2018-05-15 赵庆山 一种净化病床
KR102570339B1 (ko) * 2016-09-02 2023-09-04 (주)아이벡스메디칼시스템즈 고압 산소 챔버 관리 시스템
CN106821655A (zh) * 2017-02-06 2017-06-13 王丽丽 一种新型儿科高压氧舱
KR102218162B1 (ko) * 2020-12-09 2021-02-24 송인권 탄소 섬유를 주 재료로 하는 고압 산소 치료장치
KR102639689B1 (ko) * 2021-12-29 2024-02-22 (주)인터오션 이동 및 보관이 용이한 플렉시블형 챔버

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075409A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Heathcoat Clearway Kk 室内環境改善方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004275706A (ja) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3720032B2 (ja) 高気圧式酸素供給装置及びそれに用いるチャンバ
US20170112707A1 (en) High frequency chest wall oscillation system
US4905688A (en) Portable light weight completely self-contained emergency single patient ventilator/resuscitator
EP0688201B1 (en) Active compression/decompression cardiac assist/support device
AU4639196A (en) A pneumatic system for a ventilator
US7794522B2 (en) Portable oxygen concentrator
US5068933A (en) Air comfort pillow
US5503143A (en) Method and apparatus for removing liquid from a patient's lungs
US7329304B2 (en) Portable oxygen concentrator
US9155678B2 (en) Apparatus of cardiopulmonary resuscitator
JP2002085567A (ja) 酸素濃縮器及びその制御装置並びに記録媒体
KR101975221B1 (ko) 호흡 장치를 포함한 다중압력 일체형 챔버 시스템
US9345851B2 (en) Direction switching valve unit and cough assisting device using the same
CA2688831C (en) Controller for an extremity hyperbaric device
US20060230939A1 (en) Portable oxygen concentrator
JP2002085566A (ja) 酸素濃縮器及び制御装置並びに記録媒体
EP2455052A1 (en) Device for percutaneous absorption of carbon dioxide gas, method for percutaneous absorption of carbon dioxide gas, and envelope
JP2011502547A (ja) ポータブル式生命維持装置
KR101975219B1 (ko) 다중압력 일체형 챔버 시스템
KR101489430B1 (ko) 수동식 인공호흡장치
JP2000189288A (ja) エアーマットレス装置
JPH1119147A (ja) 空圧式マッサージ器
JPH08154982A (ja) 高圧酸素治療装置
JP2002355281A (ja) エアーマッサージ具及びエアーマッサージ機
JP3705015B2 (ja) 足用エアーマッサージ器

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050513

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20050616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3720032

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees