JP3719860B2 - 色補正方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネガフィルムなどの感光材料に適正光源からずれた異種光源で撮影された画像から適正光源で撮影された画像のようにグレイバランスのとれた画像、特にカラー画像が良好に再現されたプリントを得るための色補正方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、カラーネガフィルムなどの感光材料は、適正光源に対して色再現が最適になるように重層効果の設計がなされている。従って、適正光源下において適正露光で感光材料に撮影されたカラー画像を通常のフォトプリンタでプリントする場合には、グレイバランスのとれた色再現の最適なプリント画像を得ることができる。
【0003】
しかしながら、適正光源から著しくはずれた異種光源、例えば色温度の高い光源、蛍光灯、極端な場合にはタングステン光源などに対しては、この前提がくずれ、このような異種光源でカラーネガフィルムなどの感光材料に撮影した場合、色によって重層効果がかかりすぎたりして、撮影された画像を再現する際に色再現がゆがんでしまうのが普通である。このため、異種光源下で撮影された画像をそのまま再現すると、例えば、タングステン光源で撮影された画像では赤味が強く、蛍光灯で撮影された画像では緑味が強いなどの色味の強いプリントが得られる。このようなプリントは、特別な異種光源に限られず、例えば曇りなどの日でも色温度が高い場合には、同様に起こり、撮影画像をそのまま再現すると青味の強いプリントが得られる。
【0004】
このため、従来技術では撮影画像の大面積透過濃度(LATD)等の方式でプリントの色味を補正することが行われている。すなわち異種光源下の撮影画像のLATDを適正光源下の撮影画像のLATDとを比較し、プリントでの色味のずれの分だけシフトさせることにより、プリントの色味を補正することが行われている。
しかしながら、このような従来技術でグレイバランスのとれたプリントを作成した場合、グレイにとっては丁度よい補正であっても、個々の色にとっては補正が強すぎたり、または弱すぎたりして満足な色再現が得られないことになる。
【0005】
すなわち、アナログプリンタでは、ハイライトからシャドウまでの全体がシフトするので、その中間のグレイ領域ではグレイバランスをとることができる。しかしながら、アナログプリンタでは階調変更ができないため、ハイライト領域やシャドウ領域では色味を完全になくすことができず、ハイライトからシャドウまでグレイバランスのとれたプリントを得ることが困難である。
一方、デジタルプリンタでは、画素毎の処理ができ、階調変更が可能であるため、色温度の高い光源や蛍光灯などの異種光源下で撮られたカラー画像であっても、ハイライトからシャドウまでの全域でグレイバランスのとれたプリントを得ることは比較的容易にできるが、色再現は、うまく補正できず、例えば、赤色が暗く沈んだ色に再現されてしまう等の欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、適正光源から著しくはずれた異種光源で撮影されたネガフィルムなどの感光材料から、グレイバランスと色再現が共に適切に補正されたプリントを得ることができる色補正方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、感光材料に撮影された画像から光電的に読み込まれた濃度データを重層効果を受ける前の濃度データに変換する第1変換工程と、変換された濃度データを露光量データに変換する第2変換工程と、変換された露光量データにおいて適正光源と異種光源との露光量のずれを調整する工程と、こうして得られた調整露光量データに前記第2変換工程の逆変換を行って濃度データを得る第1逆変換工程と、この逆変換された濃度データに前記第1変換工程の逆変換を行って前記適正光源で撮影された感光材料を読み込んだ時に得られる濃度データと同等の濃度データを得る第2逆変換工程とを有することを特徴とする色補正方法を提供するものである。
【0008】
ここで、前記第1変換工程および第2逆変換工程は、同一の3次元ルックアップテーブルを用いるのが好ましい。
また、前記第2変換工程および第1逆変換工程は、前記感光材料の特性曲線に対応する同一の1次元ルックアップテーブルを用いるのが好ましい。
また、前記露光量のずれは、前記適正光源と前記異種光源との露光量差であるのが好ましく、この露光量差は、前記適正光源と前記異種光源とを前記感光材料の分光感度に基づいて評価した時の露光量差であるのが好ましい。
【0009】
また、本発明は、感光材料に撮影された画像から光電的に読み込まれた濃度データと重層効果を受ける前の濃度データとの間の双方向データ変換を行う第1変換手段と、前記重層効果を受ける前の濃度データと露光量データとの間の双方向データ変換を行う第2変換手段と、前記露光量データにおいて適正光源と異種光源の露光量のずれを調整する手段とを有し、
前記読み込まれた濃度データを前記第1変換手段および前記第2変換手段によって前記重層効果を受けていない前記露光量データに変換し、得られた露光量データにおいて前記調整手段によって前記露光量のずれを調整し、こうして得られた調整露光量データに前記第2変換手段および第1変換手段による逆変換を順次行って、前記適正光源で撮影された前記カラー感光材料を読み込んだ時に得られる濃度データと同等の濃度データを得ることを特徴とする色補正装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る色補正方法および装置を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0011】
本発明の特徴とする処は、スキャナなどの画像読取装置でカラーネガフィルムなどの感光材料から得られる画像情報(濃度データ)を重層効果を受ける前の状態に変換して光源の差異を補正することにある。この重層効果を受ける前の状態では、光源の差異、特に適正光源と異種光源との差異は、容易に補正でき、例えば両光源を感光材料の分光感度で見たときの露光量差を全画像情報(全濃度データ)に加えることにより補正できる。こうして、重層効果を受ける前の状態で光源の差異を補正した後、異種光源の環境から適正光源の環境に引き戻して、再び重層効果を施すことにより、異種光源下での撮影に起因する色味をなくし、グレイバランスと色再現がともに適切に補正されたプリントを得ることができる。
【0012】
図1は、本発明に係る色補正方法の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、本発明の色補正方法では、まず第1の変換工程において、異種光源下で感光材料に撮影された画像から、スキャナなどの画像読取装置で光電的に読み込まれた濃度データ(DRi ,DGi ,DBi )を、下記のように重層効果を除くための3次元ルックアップテーブル(以下、3DLUTという)で変換(Φ3D)して、重層効果が除去された重層効果を受ける前の状態の濃度データ(DR0i,DG0i,DB0i)を得る。
(DRi ,DGi ,DBi )→Φ3D→(DR0i,DG0i,DB0i)
ここで、変換Φ3Dは3DLUT変換を表す。
【0013】
次に、第2の変換工程において、こうして得られた重層効果前の濃度データ(DR0i,DG0i,DB0i)を、下記のように色(R,G,B)毎に3つの露光量変換用1次元ルックアップテーブル(以下、1DLUTという)を用いてそれぞれ変換(ΦR ,ΦG ,ΦB )して、対数露光量データ(logER0i,logEG0i,logEB0i)を得る。
logER0i→ΦR →DR0i
logEG0i→ΦG →DG0i
logEB0i→ΦB →DB0i
ここで、ΦR ,ΦG ,ΦB は、それぞれ各色R,G,Bの1DLUT変換を表す。
【0014】
続いて、光源差調整工程において、こうして得られた対数露光量データ(logER0i,logEG0i,logEB0i)に、下記のように各色(R,G,B)毎に異種光源と適正光源との露光量差を加えて、適正光源下での撮影に相当する、調整された新規な対数露光量データ(logER1i,logEG1i,logEB1i)に変換する。
logER1i=logER0i+ΔlogER
logEG1i=logEG0i+ΔlogEG
logEB1i=logEB0i+ΔlogEB
ここで、ΔlogER,ΔlogEG,ΔlogEBは、それぞれ各色R,G,Bの異種光源と適正光源との露光量差を表す。
【0015】
次に、第1の逆変換工程において、こうして得られた光源差調整済の対数露光量データ(logER1i,logEG1i,logEB1i)を、上述した露光量への変換に用いた3つの露光量変換用1DLUT(ΦR ,ΦG ,ΦB )を再び用いてそれぞれ逆変換して、光源差調整済の、重層効果のない濃度データ(DR1i,DG1i,DB1i)を得る。
DR1i→ tΦR →logER1i
DG1i→ tΦG →logEG1i
DB1i→ tΦB →logEB1i
ここで、 tΦR , tΦG , tΦB は、それぞれ各色R,G,Bの1DLUT逆変換を表す。
【0016】
最後に、第2の逆変換工程において、こうして得られた光源差調整済の、重層効果のない濃度データ(DR1i,DG1i,DB1i)を、上述した重層効果除去に用いた3DLUT(Φ3D)を再び用いて逆変換して、光源差調整済で重層効果のある、すなわち適正光源下で撮影に相当する画像濃度データ(DR’i ,DG’i ,DB’i )を得る。
(DR1i,DG1i,DB1i)→ tΦ3D→(DR’i ,DG’i ,DB’i )
ここで、変換 tΦ3Dは、3DLUT逆変換を表す。
【0017】
こうして、異種光源下で撮影された感光材料の画像であっても、適正光源下で撮影された感光材料の画像を読み込んだ時に得られる濃度データと同等の濃度データを得ることができ、これらの光源差調整濃度データを用いてプリントすることにより、色味がなく、グレイバランスのとれた適正な画質のプリントを得ることができる。
【0018】
本発明において、対象とする感光材料は、上述したカラーネガフィルムに限定されず、異種光源下での撮影で重層効果による色再現のゆがみが生じるものであれば、どのような感光材料でもよく、上述したカラーネガフィルムの他、例えばカラーリバーサルフィルム、黒白ネガフィルム、黒白リバーサルフィルムなどの種々の感光フィルムを挙げることができる。
【0019】
また、本発明において適正光源とは、感光材料に被写体を適正な露光量で撮影する時、グレイバランスおよび色再現がともに適正に仕上がるように現像できるように撮影することのできる光源であり、感光材料に応じて決められる。一方、適正光源からずれた異種光源とは、感光材料に対して特定される被写体撮影に適正な光源以外の全ての光源をいう。例えば、一般的な昼光用感光材料の場合、色温度の高い光源、蛍光灯、タングステン光源などを挙げることができるが、昼光であっても、曇りなどの日でも色温度が高い場合には異種光源として扱うことができる。また、感光材料によって、特殊な撮影光源が指定されているものでは、指定以外の光源、通常の昼光も異種光源として扱う必要がある。
【0020】
また、本発明の第1の変換工程および第2の逆変換工程において、感光材料からスキャナなどで収録された画像濃度データを重層効果を受ける前の濃度データに変換するための3DLUTは、光源差調整済の、重層効果のない濃度データを光源差調整済で重層効果のある、適正光源下で撮影に相当する画像濃度データに逆変換する場合にも、同様に用いられるものであり、特に制限的ではなく、感光材料に応じて適宜設定すればよい。
【0021】
このような3DLUTは、例えば、以下のようにして作成することができる。 まず、非常にシャープなR,G,B光(例えば、レーザ光)で、各色複数レベル、例えば9レベルの組み合わせで、感光材料、例えばカラーネガフィルムに露光する。すると、729(=9×9×9)個の色パッチが生成される。これらの色パッチの中には、R光のみで露光されたものが9つある。この色パッチにはG光、B光はあたっていないので、この感光材料のG層およびB層は未感光であり、現像抑制剤が放出されない。従って、この感光材料のR層は、他層からの重層効果の影響を受けず現像が進む。すなわち、この9つの色パッチは、重層効果前(他層からの重層効果の影響を受けていないという意味である)の濃度と見なすことができる。ここでは、その濃度データをDR0j(j=1〜9)と表記する。また、G光のみ、およびB光のみで露光された場合も同様であり、それらの濃度データをDG0j、およびDB0jと表記する。
【0022】
R,G,B光が同時にあたった色パッチの重層効果前の濃度データは、それぞれDR0j,DG0j,DB0jであり、重層効果後(他層からの重層効果の影響を受けているという意味)の濃度(以下、ネガ濃度とも呼ぶ)データは、濃度測定することにより、DRj ,DGj ,DBj として得られる。
こうして、729色の全ての色パッチについて、ネガ濃度データDRj ,DGj ,DBj と重層効果前の濃度データDR0j,DG0j,DB0jの対が、構成される。これがネガ濃度を重層効果前の濃度に変換するための3DLUTである。この3DLUTは、光源差が調整された重層効果前の濃度をネガ濃度に逆変換するのにも用いられるので、ネガ濃度と重層効果前の濃度との双方向データ変換手段ということができる。
【0023】
このような3DLUTを用いることにより、任意のネガ濃度データDRi ,DRi ,DBi が入力されると、補問演算を行うことにより重層効果前の濃度データDR0i,DG0i,DB0iが出力される。逆に、任意の重層効果前の濃度データDR1i,DG1i,DB1iが入力されると、同様に補問演算を行うことによりネガ濃度データDR’i ,DR’i ,DB’i が出力される。
【0024】
図示例では、感光材料の濃度(ネガ濃度)を重層効果前の濃度に変換するとともにその逆変換を行う第1の双方向データ変換手段として、3DLUTを用いているが、本発明はこれに限定されず、感光材料の濃度と重層効果前の濃度との間の双方向変換を行うことができるものであれば、どのようなものでもよい。しかし、これらの順変換および逆変換は、下記のように、いずれも非線形変換となるので、精度の点で3DLUTが最も好ましいが、この3DLUTの代わりに、例えば、マトリックス演算なども用いることができる。
順変換
DR0i=fR (DRi ,DGi ,DBi )
DG0i=fG (DRi ,DGi ,DBi )
DB0i=fB (DRi ,DGi ,DBi )
逆変換
DRi =gR (DR0i,DG0i,DB0i)
DGi =gG (DR0i,DG0i,DB0i)
DBi =gB (DR0i,DG0i,DB0i)
ここで、DR0i,DG0i,DB0iは重層効果前の濃度データ、DRi ,DGi ,DBi は感光材料の濃度、fR ,fG ,fB は順変換関数、gR ,gG ,gB は逆変換関数を表す。
【0025】
このように、本発明で用いられる3DLUTは、以下に示す3×3マトリックスで近似することができる。なお、重層効果を表す3DLUTは、上述したように、一般に非線型性が強いので、このマトリックスによる近似は、その精度があまり良くないと考えられるが、演算処理の速度が優先され、精度があまり要求されない場合に用いることができる。
【0026】
【数1】
【0027】
また、本発明の第2の変換工程および第1の逆変換工程において、重層効果前の濃度データを対数露光量データに変換するための3つの1DLUTは、感光材料、例えばカラーネガフィルムの特性曲線に対応するものであり、光源差調整済露光量データを光源差調整済の、重層効果前の濃度データに逆変換する場合にも、同様に用いられるものであり、特に制限的ではなく、感光材料に応じて適宜設定すればよい。
【0028】
このような1DLUTは、例えば、以下のようにして作成することができる。
まず、適正光源でグレイのセンシトメトリーをネガフィルムなどの感光材料に行い、ネガサンプルなどの感光材料サンプルを得る。このサンプルを濃度測定することにより、感光材料の濃度、すなわちネガ濃度を得る。このネガ濃度に上述の3DLUTを作用させることにより、重層効果前の濃度を得る。露光量(対数露光量)は既知であるので、対数露光量と重層効果前の濃度の間に1DLUTを設定することができる。
【0029】
図示例では、重層効果前の濃度を対数露光量に変換するとともにその逆変換を行う第2の双方向データ変換手段として、1DLUTを用いているが、本発明はこれに限定されず、重層効果前の濃度と対数露光量との間の双方向変換を行うことができるものであれば、どのようなものでもよい。なお、これらの重層効果前の濃度と対数露光量との間の関係は、感光材料の特性曲線によって表されるので、上述した1DLUTの代わりに、例えば、多項式近似なども用いることができる。
【0030】
また、本発明の光源差調整工程において、適正光源と異種光源との撮影光源の違いを調整、または補正するための適正光源下で撮影された感光材料の画像(以下、適正光源撮影画像という)の露光量と異種光源下で撮影された感光材料の画像(以下、異種光源撮影画像という)の露光量との差は、特に制限的ではなく、対象とする異種光源と感光材料に対して決められている適正光源に応じて適宜設定すればよい。なお、この露光量の差は、適正光源と異種光源とを感光材料の分光感度で評価した時の露光量差、いわゆる感光材料の目で見た時の露光量差であるのが好ましい。
【0031】
このような露光量の差は、例えば、以下のようにして設定することができる。
まず、異種光源撮影画像のLATDと適正光源撮影画像のLATDとを、上述した重層効果除去用3DLUTを用いて重層効果前の濃度データに変換し、さらに上述した露光量変換用1DLUTで対数露光量データに変換した上で、両者の差を各色R,G,B毎に計算することにより、露光量差ΔE(ΔlogER,ΔlogEG,ΔlogEB)を求めることができる。
なお、予め、感光材料および撮影適正光源ならびに撮影に利用される可能性のある異種光源が既知である場合には、適正光源および複数の異種光源を感光材料に撮影し、異種光源毎に異種光源と適正光源とのLATDを求め、上述の方法により露光量差を求めておくことにより、露光量差を予め設定しておくこともできる。こうすることにより、本発明の色補正方法の処理の簡素化および処理速度の向上をはかることができる。
【0032】
図示例では、対数露光量において調整される、適正光源と異種光源の露光量のずれを調整または補正する手段として、適正光源撮影画像のLATDに基づく露光量と異種光源撮影画像のLATDに基づく露光量との差を加算する手段を用いているが、本発明はこれに限定されず、適正光源撮影画像の露光量と異種光源撮影画像の露光量とのずれを補正することができれば、どのようなものでもよい。なお、適正および異種光源撮影画像の露光量差は、両画像のLATDに基づくものに限定されず、例えば、両画像の濃度ヒストグラムの中央値や、両画像の最高濃度値などに基づくものであってもよい。
本発明の色補正方法は、基本的に以上のように構成される。
【0033】
このような本発明の色補正方法は、図2に示す本発明の色補正装置の一実施例によって実施することができる。
図2は、本発明の色補正装置を適用するデジタルフォトプリンタの一実施例を示すブロック図である。
【0034】
同図に示すデジタルフォトプリンタ10は、カラーネガフィルムなどの感光材料に担持された画像を光電的に読み取るスキャナ(画像読取装置)12と、本発明の色補正装置14を備え、スキャナ12で読み込まれた画像濃度データに本発明の色補正方法を行うのみならず、所要の画像処理を施して、画像記録用画像データとする画像処理装置16と、画像処理装置16から出力された画像記録用画像データに基づいて変調されたレーザビームなどの光ビームを用いて印画紙などのプリント用感光材料にプリント画像を潜像として記録する画像露光装置18および画像露光装置18によってプリント画像が潜像として記録された印画紙などのプリント用感光材料を現像処理する感光材料処理装置20を備える画像記録装置(プリンタ)22とを有する。
【0035】
本発明の色補正装置14は、スキャナ12によってネガフィルムなどの感光材料に撮影された画像から光電的に読み込まれた濃度データと重層効果を受ける前の濃度データとの間の双方向データ変換を行うための第1変換部24と、この重層効果を受ける前の濃度データと露光量データとの間の双方向データ変換を行う第2変換部26と、前記露光量データにおいて適正光源と異種光源の露光量のずれを調整する調整部28とを有する。
【0036】
第1変換部24は、ネガ濃度などの濃度データを重層効果前の濃度データに変換するとともにその逆変換も行うもので、上述した3DLUTや3×3マトリックスなどを有する。
第2変換部26は、重層効果前の濃度データを露光量データに変換するとともにその逆変換も行うもので、感光材料の特性曲線に対応する上述した1DLUTや多項式などを有する。
調整部28は、適正光源と異種光源の露光量のずれを調整または補正するもので、上述したように、異種光源撮影画像の露光量データに、適正光源撮影画像と異種光源撮影画像とのLATDの露光量差を加算して、適正光源撮影画像相当の露光量データにシフトさせる演算手段を有する。
【0037】
なお、図示例のデジタルフォトプリンタ10において、スキャナ12、本発明の色補正装置14を除く画像処理装置16および画像記録装置22の画像露光装置18ならびに感光材料処理装置20は、特に制限的ではなく、従来公知のものを適用することができる。
【0038】
図示例のデジタルフォトプリンタ10においては、まず、スキャナ12で感光材料の異種光源撮影画像の濃度データが読み込まれた後、画像処理装置16に送られる。画像処理装置16においては、この(重層効果を含む)濃度データに、必要に応じて所要の種々の公知の画像処理を施した後、本発明の色補正装置14に送られる。
【0039】
本発明の色補正装置14においては、まず第1変換部24で所要の画像処理が施された(重層効果を含む)濃度データを上記3DLUTを用いて重層効果前の濃度データに変換する。次に、第2変換部26でこの重層効果前の濃度データを上記1DLUTを用いて露光量データに変換する。
【0040】
続いて、調整部28でこの露光量データに異種光源と適正光源との露光量差を加算して、適正光源相当の調整露光量データにシフトさせる。
この後、得られた調整露光量データを再び第2変換部26に戻して、調整済の、重層効果前の濃度データに逆変換する。さらに、得られた調整済の、重層効果前の濃度データ再び第1変換部24に戻して逆変換し、適正光源下で撮影された感光材料の画像の(重層効果を含む)濃度データと同等の濃度データを得ることができる。
【0041】
こうして得られた濃度データは、画像処理装置16において、必要に応じて所要の種々の公知の画像処理が施されて、画像記録用画像濃度データとされた後、画像処理装置16から画像記録装置22の画像露光装置18に送られる。画像露光装置18では、画像記録用画像濃度データに基づいて変調されたレーザビームなどの光ビームによって印画紙などの感光材料に潜像としてプリント画像を記録する。最後に、感光材料処理装置20において、感光材料に潜像として記録されたプリント画像を感光材料処理装置20において現像処理して、仕上がりプリントを得ることができる。
こうして得られた仕上がりプリントは、異種光源で撮影されたものであっても、グレイバランスも色再現も共に適正光源で撮影されたものと同等の画質の画像に仕上げることができる。
本発明の色補正装置は、基本的に以上のように構成される。
【0042】
以上、本発明に係る色補正方法および装置について種々の実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および設計の変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、異種光源で撮影されたネガフィルムなどの感光材料から、グレイバランスをとってプリントした時に、色彩度も著しく復元することができ、適正光源されたネガフィルムなどの感光材料からのプリントに近い、グレイバランスも色再現も共に適正な画像を持つプリントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色補正方法の一例のフローチャートである。
【図2】 図1に示す色補正方法を実施する本発明の色補正装置が適用されるデジタルフォトプリンタの一実施例のブロック図である。
【符号の説明】
10 デジタルフォトプリンタ
12 スキャナ
14 色補正装置
16 画像処理装置
18 画像露光装置
20 感光材料処理装置
22 画像記録装置
24 第1変換部
26 第2変換部
28 調整部
Claims (6)
- 感光材料に撮影された画像から光電的に読み込まれた濃度データを重層効果を受ける前の濃度データに変換する第1変換工程と、変換された濃度データを露光量データに変換する第2変換工程と、変換された露光量データにおいて適正光源と異種光源との露光量のずれを調整する工程と、こうして得られた調整露光量データに前記第2変換工程の逆変換を行って濃度データを得る第1逆変換工程と、この逆変換された濃度データに前記第1変換工程の逆変換を行って前記適正光源で撮影された感光材料を読み込んだ時に得られる濃度データと同等の濃度データを得る第2逆変換工程とを有することを特徴とする色補正方法。
- 前記第1変換工程および第2逆変換工程は、同一の3次元ルックアップテーブルを用いることを特徴とする請求項1に記載の色補正方法。
- 前記第2変換工程および第1逆変換工程は、前記感光材料の特性曲線に対応する同一の1次元ルックアップテーブルを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の色補正方法。
- 前記露光量のずれは、前記適正光源と前記異種光源との露光量差である特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色補正方法。
- 前記露光量差は、前記適正光源と前記異種光源とを前記感光材料の分光感度に基づいて評価した時の露光量差である特徴とする請求項4に記載の色補正方法。
- 感光材料に撮影された画像から光電的に読み込まれた濃度データと重層効果を受ける前の濃度データとの間の双方向データ変換を行う第1変換手段と、前記重層効果を受ける前の濃度データと露光量データとの間の双方向データ変換を行う第2変換手段と、前記露光量データにおいて適正光源と異種光源の露光量のずれを調整する手段とを有し、
前記読み込まれた濃度データを前記第1変換手段および前記第2変換手段によって前記重層効果を受けていない前記露光量データに変換し、得られた露光量データにおいて前記調整手段によって前記露光量のずれを調整し、こうして得られた調整露光量データに前記第2変換手段および第1変換手段による逆変換を順次行って、前記適正光源で撮影された前記カラー感光材料を読み込んだ時に得られる濃度データと同等の濃度データを得ることを特徴とする色補正装置。
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JP31109098A JP3719860B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 色補正方法および装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31109098A JP3719860B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 色補正方法および装置 |
Publications (3)
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