JP3719053B2 - 大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材 - Google Patents

大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガス貯槽用として好適な低温用鋼材に係り、とくに入熱200 kJ/cm 以上の大入熱溶接を施しても、良好な溶接部靱性を有する大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境への配慮から、よりクリーンなエネルギーである液化ガスの利用が増加している。このため、この種のガスの運搬船および貯蔵槽用部材として用いて好適な低温用鋼材の開発が要望されてきた。
【0003】
また、この種の低温用鋼材に対しては、安全性確保の観点から、実施工において入熱を制限した溶接が行われてきた。しかし、最近では、経済性の観点から、大入熱溶接による溶接施工が指向され、大入熱溶接を行った場合でも、優れた溶接部靱性を有する非調質型低温用鋼材が要望されている。
【0004】
一般に、溶接部の靱性は母材の熱影響部、とくにボンド部の靱性によって定まっている。ボンド部は、溶融点直下の高温に加熱されるため結晶粒がもっとも粗大化するため、引き続いての冷却により、脆弱なマルテンサイト組織や上部べイナイト組織が生成して切欠靱性が低下する。特に、エレクトロガス溶接やサブマージアーク溶接などの、いわゆる大入熱溶接では、この傾向が顕著に現れる。
【0005】
このような溶接部の靱性劣化を防止する方法として、大きくわけて次の3つの方法
(1)介在物、析出物を利用したオーステナイト粒の粗大化抑制
(2)B/Nの制御
(3)変態後組織の高靱化
が考えられている。
【0006】
上記(1)の例として、例えば、特開昭60−184663号公報には、Tiの窒化物や希土類元素(REM)の硫酸化物などを有効に微細分散させることにより、入熱100kJ/cm以上の溶接においても十分な溶接部の低温靱性が得られるとした技術が開示されている。
【0007】
また、上記(2)の例として、例えば、特公昭55−31820 号公報には、REMとBを共存させ、かつB含有量とN含有量の比、B/Nを0.3 〜1.0 に制御した大入熱溶接用鋼が提案され、これにより、入熱60kJ/cm 以上の単層溶接ボンド部の組織が微細なフェライト+パーライト組織となり、溶接部の切欠靱性が向上するとされる。
【0008】
また、特開昭52−41111 号公報には、(B(%)−0.77N(%))×103 を−2.2 〜1.0 に制限する大入熱溶接部靱性に優れる調質型低合金高張力鋼が提案されている。特開昭52−41111 号公報に記載された技術では、Bを固溶Bとして十分な焼入れ性を確保することで、熱影響部の組織を下部ベイナイトとし、優れた靱性を得ることができるとしている。
【0009】
また、上記(3)の例として、例えば、特公昭59−11658 号公報には、Cを0.03%以下にして、大入熱溶接継手HAZ部の島状マルテンサイト量を一定量以下に押さえるとともに、低温靱性に特に有効なNiを添加することにより、優れた低温靱性を有し、高能率溶接が可能な鋼を製造し得るとした技術が開示されている。
【0010】
また、特開昭56−150157号公報には、Cを0.03%以下にし、かつBによる焼入れ効果を利用し、引張強さで40〜70kgf/mm2 の強度を有する溶接部靱性に優れた低温用鋼が提案されている。
【0011】
また、特開昭59−536353号公報には、Cを0.03%以下にし、かつBを添加しさらにNiを2.0 〜4.0 %添加した溶接部靱性の優れた極厚低温用鋼が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭60−184663号公報に記載された技術におけるように、Tiの窒化物や希土類元素(REM)の硫酸化物などの析出物を有効に微細分散させ、大入熱溶接時のオーステナイト粒の粗大化を防止して溶接部靱性の劣化を防止する方法には、以下の2つの問題があった。
【0013】
1つは、REMを添加する場合に、REMの硫酸化物等のREM介在物が凝集粗大化を起こしやすく、破壊の起点となり靱性を劣化させるという問題である。また、他の一つは、TiN の一部が高温で再溶解するため、熱影響部に固溶Nが増加し、靱性が低下するという問題である。
【0014】
また、特公昭55−31820 号公報に記載された技術では、REMを含有し、B/Nを制御して、溶接ボンド部を微細なフェライト+パーライト組織にして溶接ボンド部の靱性を向上させているが、さらにオーステナイト粒の粗大化が進行する入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接では微細なフェライト+パーライト組織を得ることは不可能となり、溶接部靱性が劣化するという問題があった。
【0015】
特開昭52−41111 号公報に記載された技術では、より冷速の遅い200kJ/cm以上の大入熱溶接に際しては、BがBNとして析出し、固溶Bの焼入れ効果が十分に発揮できないという問題があった。また、さらにこの技術は、調質処理を行うため経済的に不利となる。
【0016】
また、特公昭59−11658 号公報に記載された技術では、高価なNiを多量に添加しており、製造コストが増加し経済的に不利となるという問題があった。
【0017】
また、特開昭56−150157号公報および特開昭59−53653 号公報に記載された技術ではCを0.03%以下とすることで、入熱50kJ/cm の溶接で非常に優れた溶接部靱性が得られるとしているが、近年はさらに大入熱での溶接可能な鋼材が求められている。
【0018】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、焼入れ焼戻し処理を必要としない、熱間圧延のままの非調質型低温用鋼材であって、入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接継手部においても優れた靱性を有する大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材を提案することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、介在物、析出物を利用したオーステナイト粒の粗大化抑制手段によることなく、また、溶接熱影響部の組織としてフェライト+パーライト組織を指向することなく大入熱溶接継手部靱性を向上させる方法について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、Ni量をできるだけ低減した系で、入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接継手部の靱性に及ぼすN、B等の合金元素の影響について検討した。その結果、べイナイト組織となる大入熱溶接継手部の靱性に対し、B/Nに最適範囲が存在することを見いだした。さらに、本発明者らはB/Nを適正範囲とし、0.02mass%以下の極低炭素とすることにより、母材および溶接部で一様な極低炭素べイナイト組織が得られNiの多量添加を必要とすることなく、大入熱溶接継手部の靱性低下を防止することができるという知見を得た。
【0020】
また、本発明者らは、さらに、Mn、Nbを適正量含有させることにより、490 MPa 以上の引張強さを有し、入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接施工が可能な低温用鋼を、熱間圧延のままで製造し得ることを見出した。
【0021】
まず、本発明の基礎になった実験結果について、説明する。
【0022】
0.2 mass%Si−1.4 mass%Mn−1.0 mass%Ni−0.025 mass%Nbを基本成分とし、Cを0.05mass%以下で変化させるとともに、B、N含有量を変化させた厚鋼板(20mm厚)を製造した。これら鋼板から再現熱サイクル試験片を採取し、入熱200kJ/cmのエレクトロガスアーク溶接ボンド部相当の熱サイクルを付与したのち、JIS 4 号衝撃試験片を採取し、試験温度−50℃におけるシャルピー吸収エネルギー値を求めた。
【0023】
−50℃におけるシャルピー吸収エネルギー(vE-50 )とB/Nとの関係(C:0.01〜0.02mass%)を図1に、C含有量との関係を図2に示す。なお、図2は、B/Nが0.4 〜0.8 の範囲内の鋼板についてのものである。
【0024】
図1から、入熱200kJ/cmのエレクトロガスアーク溶接ボンド部相当のvE-50 は、B/Nが0.3 〜1.0 の場合にはじめて、41J以上と高靱性となることがわかる。また、図2から、C含有量を0.02mass%以下とすることにより、入熱200kJ/cmのエレクトロガスアーク溶接ボンド部相当のvE-50 が41J以上と、高靱性となるとなることがわかる。これらの結果をまとめ、B/NとC量の関係で図3に示す。図3から、B/Nが0.3 〜1.0 でかつC量が0.02mass%以下で優れた溶接部靱性(vE-50 )が得られることがわかる。
【0025】
本発明は、上記した知見に基づいて構成されたものである。
【0026】
すなわち、本発明は、C:0.02mass%以下、Si:0.50mass%以下、Mn:0.5 〜2.0 mass%、Al:0.005 〜0.10mass%、Nb:0.010 〜 0.10 mass%、Ni:0.3 〜3.0 mass%、B:0.0003〜0.0040mass%、N:0.0050mass%未満を含有し、かつB含有量とN含有量の比、B/Nが0.3 〜1.0 の範囲であり、残部Feおよび不可避不純物からなる組成と、極低炭素ベイナイト組織を有し、入熱 200kJ/cm のエレクトロガスアーク溶接ボンド部の vE -50 41J 以上となることを特徴とする入熱 200kJ/cm 以上の大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材である。また、本発明では、前記組成に加えて、さらに、Cu:0.05〜0.70mass%、Cr:0.10〜0.60mass%、Mo:0.10〜 0.50 mass%、Ti:0.005 〜0.05mass%のうちの1種または2種以上を含有する組成としてもよい。また、本発明では、前記各組成に加えてさらに、Ca:0.0005〜0.0100mass%を含有してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
まず、本発明鋼材の化学成分の限定理由について説明する。
【0028】
C:0.02mass%以下
Cは、溶接熱影響部の組織を支配する重要な元素であり、本発明では、平衡状態でパーライト相の生成をなくし、かつ溶接熱影響部においても靱性を劣化させる島状マルテンサイトの生成を抑制するために、Cは0.02mass%以下の極低炭素とした。
【0029】
Si:0.50mass%以下
Siは、精錬時の脱酸元素として作用し、不可欠な元素であるが、0.50mass%を超えて含有すると、母材靱性が著しく劣化する。このため、Siは0.50mass%以下に限定した。
【0030】
Mn:0.5 〜2.0 mass
Mnは、極低炭素域の鋼材の連続冷却変態挙動に大きく影響する元素であり、溶接熱影響部で靱性に富むグラニュラ・ベイニティック・フェライト組織(αB )を得るためには0.5 mass%以上の含有を必要とする。しかし、2.0 mass%を超えて含有すると、靱性の低いベイニティック・フェライト組織(α°B )を生成する。このため、Mnは0.5 〜2.0 mass%の範囲に限定した。
【0031】
Al:0.005 〜0.10mass
Alは、脱酸剤として作用し、本発明では、0.005 mass%以上の含有を必要とする。一方、0.10mass%を超えて含有すると、鋼中に酸化物系介在物が増加し、表面欠陥の増加、および母材靱性の低下の原因となる。このため、Alは0.005 〜0.10mass%の範囲に限定した。
【0032】
Nb:0.010 〜0.10mass
Nbは、Mnと同様、極低炭素域の鋼材の連続冷却変態挙動に大きく影響する元素であり、溶接熱影響部で靱性に富むグラニュラ・ベイニティック・フェライト組織(αB )を得るために重要な元素で、本発明では0.010 mass%以上の含有を必要とする。しかし、0.10mass%を超えて含有すると、靱性の低いベイティック・フェライト組織(α°B )を生成する。このため、Nbは0.010 〜0.10mass%の範囲に限定した。
【0033】
Ni:0.3 〜3.0 mass
Niは、強度の増加、および溶接熱影響部の靱性の向上に極めて有効な元素であり、低温用鋼には不可欠な元素である。しかし、0.3 mass%未満では、このような効果がほとんど認められないため、Ni含有量の下限とした。一方、Niは、高価な元素であり、3.0 mass%を超えて含有しても、靱性向上効果が飽和する傾向を示し、含有量に見合う効果が期待できない。このため、本発明では3.0 mass%をNi含有量の上限とした。
【0034】
B:0.0003〜0.0040mass
Bは、焼入れ性を向上させる元素であり、極低炭素鋼においては組織を均一なベイナイト組織とし、強度を増加させるために重要な元素である。溶接熱影響部の組織を、靱性に富むグラニュラ・ベイニティック・フェライト組織(αB )とするためには、Bは0.0003mass%以上の含有を必要とする。しかし、0.0040mass%を超えて含有しても、強度上昇効果は飽和する傾向を示し、多量の固溶Bのため、かえって靱性を劣化させる。このため、Bは0.0003〜0.0040mass%の範囲に限定した。
【0035】
N:0.0050mass%未満
Nは、鋼中に必ず存在して固溶するか、あるいは窒化物として析出し、強度を増加させる元素であるが、鋼中に過剰に固溶すると靱性を劣化させる。このようなことから、固溶Nを低減し入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接継手部の靱性劣化を防止するために、本発明では、Nを0.0050mass%未満に限定する。Nを0.0050mass%以上含有すると、とくに入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接継手部の靱性が著しく劣化する。
【0036】
B/N:0.3 〜1.0
溶接熱影響部の靱性劣化を防止するために、靱性に悪影響を及ぼす固溶Nを低減することが重要であり、本発明では、固溶N源となるN含有量を低減するとともに、一度溶解した窒化物を再析出させるために、拡散速度の速いBを有効に利用する。そのために、B/Nを0.3 〜1.0 の適正範囲とする。B/Nが0.3 未満では、固溶Nが過剰となり、一方、B/Nが1.0 を超える場合には、固溶Bが過剰となり靱性が劣化する。
【0037】
Cu:0.05〜0.70mass%、Cr:0.10〜0.60mass%、Mo:0.10〜0.50mass%、Ti:0.005 〜0.05mass%のうちの1種または2種以上
Cu、Cr、Mo、Tiは、いずれも極低炭素鋼において、鋼の強度を増加させる作用を有している。本発明では、上記した成分に加えて、Cu、Cr、Moのうちの1種または2種以上を、必要に応じ含有できる。これら元素は、極低炭素鋼のベイナイト組織である、グラニュラ・ベイニティック・フェライト組織(αB )形成時に生じる変態歪を増加させる。変態歪が増加し、転位密度が増加する結果、鋼の強度が上昇する。このような効果は、Cuで0.05mass%以上、Crで0.10mass%以上、Moで0.10mass%以上、Tiで0.005 mass%以上の含有で認められる。一方、Cuが0.70mass%を、Crが0.60mass%を、Moが0.50mass%を、Tiが0.05mass%を超えて含有してもそれ以上の強度上昇が望めず、逆に靱性の劣化を招く。このため、Cuは0.05〜0.70mass%、Crは0.10〜0.60mass%、Moは0.10〜0.50mass%、Tiは0.005 〜0.05mass%の範囲に限定するのが好ましい。
【0038】
Ca:0.0005〜0.0100mass
Caは、硫化物形成元素として作用し、溶接熱影響部の靱性に悪影響のあるSを固定化する働きを有する。本発明では、靱性向上の目的で、必要に応じ添加できる。このような効果は、0.0005mass%以上の含有で認められる。しかし、0.0100mass%を超えて含有すると、クラスター状の介在物を形成し、むしろ靱性に悪影響を及ぼす。このため、Caは0.0005〜0.0100mass%の範囲に限定するのが好ましい。
【0039】
上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、P:0.020 mass%以下、S:0.005 mass%以下が許容できる。
【0040】
本発明の鋼材は、通常の方法で製造すればよい。
【0041】
すなわち、例えば上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等通常公知の溶製方法で溶製し、ついで連続鋳造法、造塊法等の通常公知の鋳造方法で、スラブ等の圧延用鋼素材に鋳造する。ついで、圧延用鋼素材は、1000〜1300℃の温度に再加熱されるか、あるいは再加熱されることなく熱間圧延を施され、750 ℃以上で圧延を終了し、加速冷却が施される。
【0042】
【実施例】
つぎに、本発明の効果を実施例に基づいて以下に説明する。
【0043】
表1に示す組成の鋼塊を1150℃に加熱したのち、未再結晶域で累積圧下率50%以上の圧下を加え、800 ℃以上で圧延を終了し、直ちに水冷による加速冷却を行い600 ℃以降は空冷し、板厚38mmの鋼板とした。
【0044】
得られた鋼板について、母材の引張試験、シャルピー衝撃試験を実施した。なお、シャルピー衝撃試験により、母材のエネルギー遷移温度(V T E )を求めた。
【0045】
また、これら鋼板に、図4に示す形状の開先加工を施し、入熱量200kJ/cmのエレクトロガスアーク溶接により大入熱溶接継手を作製した。溶接継手部(ボンド部)からシャルピー衝撃試験片(JIS 4号試験片)を採取し、試験温度:−50℃でのシャルピー吸収エネルギー(vE-50 )を求め、大入熱溶接ボンド部の靱性を評価した。
【0046】
これらの結果を表2に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003719053
【0048】
【表2】
Figure 0003719053
【0049】
表2から、本発明例は、入熱200kJ/cmのエレクトロガスアーク溶接継手の溶接ボンド部のvE-50 は41J 以上と、優れた大入熱溶接部靱性を有する低温用鋼材となっている。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、溶接ボンド部のvE-50 は41J 未満と、低い靱性しか示していない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、入熱200kJ/cm以上の大入熱溶接を施しても、良好な溶接部靱性が得られ、溶接施工の能率を顕著に向上できるという産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 再現溶接ボンド部のvE-50 とB/Nとの関係を示すグラフである。
【図2】 再現溶接ボンド部のvE-50 とC含有量との関係を示すグラフである。
【図3】 再現溶接ボンド部のvE-50 におよぼすB/NとC量の関係を示すグラフである。
【図4】 開先形状を示す説明図である。

Claims (2)

  1. C:0.02mass%以下、 Si:0.50mass%以下、
    Mn:0.5 〜2.0 mass%、 Al:0.005 〜0.10mass%、
    Nb:0.010 〜 0.10 mass%、 Ni:0.3 〜3.0 mass%、
    B:0.0003〜0.0040mass%、 N:0.0050mass%未満
    を含有し、かつB含有量とN含有量の比、B/Nが0.3 〜1.0 の範囲であり、残部Feおよび不可避不純物からなる組成と、極低炭素ベイナイト組織を有し、入熱 200kJ/cm のエレクトロガスアーク溶接ボンド部相当の vE -50 41J 以上となることを特徴とする入熱 200kJ/cm 以上の大入熱溶接性に優れた非調質型低温用鋼材。
  2. 前記組成に加えて、さらに、
    Cu:0.05〜0.70mass%、Cr:0.10〜0.60mass%、Mo:0.10〜 0.50 mass%、Ti:0.005 〜0.05mass%、Ca:0.0005〜0.0100mass%のうちの1種または2種以上含有することを特徴とする請求項1に記載の非調質型低温用鋼材。
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